JP2002264263A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2002264263A
JP2002264263A JP2001064453A JP2001064453A JP2002264263A JP 2002264263 A JP2002264263 A JP 2002264263A JP 2001064453 A JP2001064453 A JP 2001064453A JP 2001064453 A JP2001064453 A JP 2001064453A JP 2002264263 A JP2002264263 A JP 2002264263A
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vinyl polymer
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Naohiko Sato
尚彦 佐藤
Hideo Kinoshita
秀雄 木下
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質層と硬質層から構成される相互が強固に
融着した芳香族ビニル重合体系の積層体を提供する。 【解決手段】 (A)芳香族ビニル系重合体、もしくは
芳香族ビニル系重合体を主体とする熱可塑性樹脂組成物
から成形されてなる硬質層(I)と、(a)芳香族ビニ
ル系重合体、もしくは芳香族ビニル系重合体を主体とす
る熱可塑性樹脂10〜60重量部、(b)部分的または
完全に架橋されたゴム状重合体40〜90重量部、より
なる熱可塑性エラストマー組成物から成形されてなる軟
質層(II)とから構成され、かつ各層が熱融着してな
る積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性に富み、感
触にも優れた軟質層と、剛性、強靭性に優れた硬質層を
同時に有し、かつリサイクルが可能である積層体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、家電部品から、OA機器用
品、建築資材、スポーツ用品、日用雑貨品、玩具等に至
るまで、外観や感触を改善し、また意匠性や直接触れる
部分に対する感触の良さ、滑り止め、更にはパッキン等
のごとき漏れや逆流防止等の機能を付与する目的のた
め、硬質樹脂層に軟質エラストマー層を積層する技術が
頻繁に用いられている。当初、これら異種の層を接着す
る技術として、接着剤を用いる方法が行われていた。し
かし、これらは製造上、大変繁雑であり、また生産効率
上からも好ましいものではない。
【0003】また、各層の凸凹部等を用いて嵌合させる
方法では、嵌合作業が大変繁雑であり、これも生産効率
上好ましいものではない。上記の技術を改善するべく、
2色射出成形法を用いた異種材料による複層成形品が提
案されており、特公平4−2412号公報には、水添ブ
ロック共重合体とポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹
脂、ABS樹脂から選ばれた樹脂とを2色射出成形法に
て成形した複層射出成形品が提案されている。本提案の
複層射出成形品は、上記の課題を一挙に解決し製造上大
変簡便になり、生産効率も飛躍的に向上し、かつ外層側
の良好なソフト感と内層側の硬質熱可塑性樹脂に裏付け
られる剛性とを兼ね備え、一見好ましいもののように思
える。しかし、とりわけポリスチレン樹脂、ABS樹脂
の場合においては、実用的には十分な接着強度が得られ
ていないのが実情である。しかも、射出成形法に限定し
ており、共押出し等の積層体に関する技術的課題につい
てはなんら解決されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の硬質
層および軟質層からなり、インサート成形、2色射出成
形、多層共押出成形、多層圧縮成形、複層中空成形等の
幅広い成形法を用いて、各層間の接着強度の高い積層体
を提供することを目的としており、更には、家電部品か
ら、OA機器用品、建築資材、スポーツ用品、日用雑貨
品、玩具等に至るまで、外観や感触、意匠性のみなら
ず、硬質樹脂単独にはない軟質樹脂に由来した機能を付
与することを目的とした積層体を提供することを目的と
している。更には、各層に同一あるいは類似重合体成分
があることから、リサイクルも可能である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の点
を鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下に示す積層体が、前
記課題を全て解決することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、芳香族ビニル系重合体、もしくは芳香
族ビニル系重合体を主体とする熱可塑性樹脂組成物から
成形されてなる硬質層(I)と、(a)芳香族ビニル系
重合体、もしくは芳香族ビニル系重合体を主体とする熱
可塑性樹脂10〜60重量部、(b)部分的または完全
に架橋されたゴム状重合体40〜90重量部、よりなる
熱可塑性エラストマー組成物から成形されてなる軟質層
(II)とから構成され、かつ各層が熱融着してなる積
層体、である。
【0006】以下、本発明に関して詳しく述べる。本発
明における硬質層および軟質層は、各層を相互に強固に
接着せしめ、かつ目的の成形品を得るために成形工程を
経てなることが必須である。上記の成形法は公知の手法
をとることが可能であり、インサート成形、2色射出成
形、多層共押出成形、多層圧縮成形、複層中空成形等が
挙げられる。例えば、インサート成形では、硬質層ある
いは軟質層のいずれかを予め射出成形あるいは押出成形
等の任意の成形方法で予め成形しておき、該成形品を次
なる金型内にインサートして他方の層の組成物を射出成
形する。一方、多層共押出成形や複層中空成形では、各
層を構成する組成物が相互に溶融した状態で溶着し、所
望の積層体が得られる。
【0007】本発明の積層体は、硬質層(I)と軟質層
(II)が相互に熱融着していることが必須である。
「各層が熱融着して」いるとは、少なくとも一方の層、
また成形方法によっては複数の層が、加熱により溶融状
態下において、他方の既に成形された層、あるいは同じ
く加熱により溶融状態である他方の層を構成する組成物
と加圧下、あるいは非加圧下にて接触し、冷却固化時に
接触界面が強固に接着していることを指している。イン
サート成形、2色射出成形は一方の組成物のみが溶融し
た状態で熱融着し、多層共押出成形や多層圧縮成形では
双方の組成物が溶融して熱融着する。
【0008】次に、本発明の積層体を構成する硬質層
(I)について説明する。本発明の積層体を構成する硬
質層(I)は、芳香族ビニル系重合体、もしくは芳香族
ビニル系重合体を主体とする熱可塑性樹脂組成物から構
成されている。ここで、「主体とする」とは、硬質層を
構成する熱可塑性樹脂組成物中、芳香族ビニル系重合体
が50重量%以上、好ましくは70重量%以上を占めて
いることを意味している。上記の硬質層(I)の主たる
構成成分である芳香族ビニル系重合体とは、単量体とし
て芳香族ビニル化合物を主体とする重合体成分を指して
いる。ここで、芳香族ビニル化合物の具体的な例とし
て、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン等のうち、1種または2種
以上が選択でき、中でもスチレンが汎用的でかつ最も好
ましい。
【0009】また、芳香族ビニル化合物から芳香族ビニ
ル系重合体を得る際に、メチルメタアクリレート、ブチ
ルアクリレート、メタクリル酸、アクリロニトリル等の
共重合可能他の単量体を用いて共重合体とすることも可
能であり、更にはポリブタジエン、ポリイソプレン、ス
チレン・ブタジエン共重合体(非水添、選択水添、完全
水添のいずれも含み、後者の重合体に関してはランダ
ム、テーパード、ブロックのいずれも含む)に代表され
る共役ジエン系重合体等、グラフト可能な重合体の存在
下にて芳香族ビニル系重合体を得ることも可能である。
ただし、得られた該重合体中、芳香族ビニル化合物の占
める割合は少なくとも50重量%以上である。
【0010】これらの芳香族ビニル系重合体を具体的に
示すと、ゴム非補強ポリスチレン(GPPS)、ゴム補
強ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニト
リル共重合体もしくはそのゴム補強体、スチレン−メチ
ルメタクリレート共重合体もしくはそのゴム補強体、ス
チレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−メチ
ルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体もしく
はそのゴム補強体、スチレン−メタクリル酸共重合体等
が挙げられ、中でもGPPS、HIPSが好ましく使用
される。また、これらの芳香族ビニル系重合体は単独で
用いても良いし、2種以上を任意の割合で併用しても良
い。芳香族ビニル重合体以外の硬質層(I)の構成成分
については、本発明では特に限定されないが、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系
樹脂等が例として挙げられる。これらは、硬質層(I)
中、多くとも50重量%未満、好ましくは30重量%未
満である。
【0011】次に、本発明の積層体を構成する軟質層
(II)について説明する。まず、(a)成分の芳香族
ビニル系重合体、もしくは芳香族ビニル系重合体を主体
とする熱可塑性樹脂は、硬質層で使用する重合体成分と
同一定義である。積層体を構成する硬質層における重合
体成分と、(a)成分は、その定義の範囲内であれば、
重合体組成が同一の組み合わせであっても、同一の組み
合わせでなくても良い。但し、 グラフト化された共役ジ
エン系重合体の有無、もしくはその組成はさほど問題に
ならないが、芳香族ビニル化合物と共重合せしめるコモ
ノマー組成に関しては、積層体を構成する各層の相互の
接着強度を考慮すると、組成の近いもの同士の組み合わ
せが好ましい。このことは、硬質層(I)を構成する芳
香族ビニル系重合体と、軟質層(II)の構成成分であ
る芳香族ビニル系重合体との極性の近さと密接に関係し
ている。例えば、軟質層を構成する芳香族ビニル系重合
体がポリスチレン(GPPSタイプ)の場合、硬質層に
使用する芳香族ビニル系重合体がスチレン−アクリロニ
トリル共重合体である場合、十分な接着強度が得られる
アクリロニトリル含量は10重量%以下であり、さらに
好ましくは5%以下である。アクリロニトリル含量が1
0重量%を超えると、急激に接着強度は低下し、更に増
すと容易に剥離する状態となる。
【0012】次に、(b)部分的または完全に架橋され
たゴム状重合体について説明する。本発明におけるゴム
状重合体は、例えば、エチレン・α−オレフィン系重合
体、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラ
ストマー、(水添)共役ジエン系重合体、(水添)芳香
族ビニル/共役ジエン共重合体、エチレン/芳香族ビニ
ル化合物ランダム共重合体等であり、中でもとりわけエ
チレン・α−オレフィン系重合体、および(水添)共役
ジエン系重合体、(水添)芳香族ビニル/共役ジエン共
重合体、エチレン/芳香族ビニル化合物ランダム共重合
体が好適に使用される。なお、(水添)は、非水添であ
っても良いし、また部分水添あるいは完全水添で有って
も良いことを表している。
【0013】エチレン・α−オレフィン系共重合体と
は、エチレンおよび炭素数が3〜20のα−オレフィン
からなるエチレン・α−オレフィン共重合体、あるいは
エチレンおよび炭素数が3〜20のα−オレフィン、お
よびジシクロペンタジエンやエチリデンノルボルネン等
に代表されるジエン成分からなるエチレン・α−オレフ
ィン・ジエン共重合体が挙げられる。その中でも、エチ
レンおよび炭素数が3〜20のα−オレフィンからなる
エチレン・α−オレフィン共重合体がより好ましい。上
記炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、
プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン
−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデ
セン−1等が挙げられる。中でもヘキセン−1、4−メ
チルペンテン−1、オクテン−1が好ましく、その中で
もオクテン−1が最も好ましい。オクテン−1は少量な
がらもポリマー自身の柔軟性を付与する効果に優れ、得
られた共重合体は機械的強度と柔軟性のバランスが特に
優れている。
【0014】上記のエチレン・α−オレフィン系重合体
は、公知のメタロセン系触媒により製造されていること
が好ましい。一般に、メタロセン系触媒とは、チタン、
ジルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘
導体と助触媒からなり、重合触媒として高活性であるだ
けでなく、チーグラー系触媒と比較して、得られる重合
体の分子量分布が狭く、共重合体中のコモノマーである
炭素数3〜20のα−オレフィンの分布が均一であるこ
とが特徴である。好適に用いられる上記のエチレン・α
−オレフィン系重合体は、α−オレフィンの共重合比率
が1〜60重量%であることが好ましく、更に好ましく
は10〜50重量%、最も好ましくは20〜45重量%
である。α−オレフィンの共重合比率が60重量%を越
えると、組成物の機械的強度や耐熱性の低下が大きく、
一方、1重量%未満では組成物の硬度が高く、エラスト
マー材料としての柔軟性に欠けることから好ましくな
い。
【0015】更に本発明の(b)ゴム状重合体として好
ましく使用される共役ジエン系重合体、芳香族ビニル/
共役ジエン共重合体について説明する。共役ジエン化合
物とは、ブタジエン、イソプレン等の総称であり、公知
の重合法により、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の
共役ジエン系重合体を形成する。一方、芳香族ビニル化
合物は先述の通り、スチレンに代表される化合物であ
り、ブタジエン、イソプレン等と公知の重合法により共
重合せしめ、芳香族ビニル/共役ジエン系重合体を得
る。この際、芳香族ビニル単量体と共役ジエン系単量体
の序列に関してはなんら制限は無く、ランダム、テーパ
ード、ブロック、およびこれらの任意の組み合わせ等あ
らゆる構造を包含する。また、重合法に関しては溶液重
合や乳化重合等、公知のいかなる製造方法を用いても良
い。また、連続重合あるいはバッチ重合のいずれの重合
法でもよい。
【0016】本発明では、共役ジエン系重合体および/
または芳香族ビニル/共役ジエン共重合体について、こ
のままゴム状重合体として使用しても良いが、耐熱性、
耐候性等の観点から、分子鎖中の不飽和結合を水素添加
することが好ましい。水素添加を行う技術としてはチタ
ン系水添触媒の使用が推奨され、例えば、特開昭60−
220147号公報にその技術内容が開示されている。
水素添加率は、必要とされる特性や生産性を鑑み、任意
に設定することが可能である。
【0017】更に本発明の(b)ゴム状重合体として好
ましく使用されるエチレン/芳香族ビニル化合物ランダ
ム共重合体について説明する。米国ザ・ダウケミカルカ
ンパニーより上市されているエチレン/スチレンランダ
ム共重合体(商品名:インデックス)がその代表例であ
り、構成モノマー単位がエチレンとスチレンのごとき芳
香族ビニル化合物とのランダム共重合体である。ゴム状
重合体として用いることから、スチレン含量の低い領域
のポリマーを用いることが好ましい。ここで、エチレン
・α−オレフィン共重合体、共役ジエン系重合体、芳香
族ビニル/共役ジエン共重合体、あるいはエチレン/芳
香族ビニル化合物ランダム共重合体の数平均分子量3万
〜30万の範囲が好ましい。この範囲の該重合体を用い
ることにより、熱可塑性エラストマー組成物を製造する
際の加工性や該組成物の機械的特性のバランスに優れた
ものとなる。また、該重合体の分子量分布[重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/M
n)]は好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、
最も好ましくは3以下である。分子量分布が10を超え
ると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的特
性や架橋特性に劣るため、好ましくない。
【0018】これらの数平均分子量、分子量分布はゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリ
スチレンを用いて容易に求めることができる。具体的な
測定法を例示すると、 装置:ポリマーラボラトリー社製PL−GPC−210 カラム:PLゲル 10μm MIXED−B 300×7.5mm 2本 PLゲル 10μm GUARD 10×7.5mm 1本 カラム温度:140℃ 溶媒:O−ジクロロベンゼン 試料濃度0.1重量% 溶解後、フィルターによりろ過を実施。
【0019】上記の高温ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーを用いることにより、共役ジエン系重合体あ
るいは芳香族ビニル/共役ジエン共重合体はもちろん、
結晶性を有し、常温では難溶性のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体も分子量の測定が可能となる。本発明のゴ
ム状重合体には、異なる共重合組成や水添率のエチレン
・α−オレフィン系重合体および/または共役ジエン系
重合体および/または芳香族ビニル/共役ジエン共重合
体および/またはエチレン/芳香族ビニル化合物ランダ
ム共重合体の組み合わせでも良い。
【0020】本発明のゴム状重合体は、部分的または完
全に架橋させることが必要である。このことにより、機
械的特性や耐熱性はもとより、最も重要な特性の1つで
ある芳香族ビニル系重合体への熱融着強度を発現せしめ
ることが可能となる。このことは、フェイズボリューム
的にはゴム状重合体が支配的であっても、架橋させるこ
とによりゴム状重合体が分散粒子相を形成するため、芳
香族ビニル系重合体、もしくは芳香族ビニル系重合体を
主体とする熱可塑性樹脂組成物が連続相化し、実際にポ
リスチレン等の芳香族ビニル系重合体と熱融着する際
に、相互の接着性が発現される。ゴム状重合体を架橋さ
せなければ、ゴム状重合体も連続相を形成し、接着界面
の大部分を覆ってしまうことから、本発明の必要要件で
ある各層が強固に熱融着してなる積層体を得ることは非
常に困難なものとなる。本発明ではゴム状重合体を部分
的または完全に架橋せしめる手段についてはなんら規定
はされないが、有機過酸化物等のラジカル開始剤あるい
はラジカル開始剤および架橋助剤を併用して架橋させる
手法が最も推奨される。
【0021】ここで、好ましく使用されるラジカル開始
剤の具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキ
シルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等
のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド
類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−ト
リメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ドおよびm−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパ
ーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t
−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキ
シラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、およびクミルパーオ
キシオクテート等のパーオキシエステル類;ならびに、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイ
ドロパーオキサイドおよび1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類
を挙げることができる。
【0022】これらの化合物の中でも、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が特に好ましく用いられる。これらのラジカル開始
剤は、(b)ゴム状重合体100重量部に対し0.02
〜3重量部、好ましくは0.05〜1.5重量部の量で
用いられる。0.02重量部未満では架橋反応が不十分
であり、一方、3重量部を越えて添加しても熱可塑性エ
ラストマー組成物の機械的強度等の物性は頭打ちとな
り、無意味なものとなる。
【0023】更に、架橋助剤としては、ジビニルベンゼ
ン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオ
キシム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フ
ェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−
m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、
テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等
が好ましく用いられる。これらの架橋助剤は単独で使用
してもよいし、複数のものを併用してもよい。これらの
架橋助剤は、(b)ゴム状重合体100重量部に対し
0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部の量で
用いられる。0.1重量部未満では架橋助剤としての役
割が不十分であり、5重量部を越えて添加しても組成物
の機械的強度等の物性は向上せず、むしろ過剰の架橋助
剤が組成物中に残存する結果となり、品質上好ましくな
い。
【0024】組成物の架橋性の尺度として架橋度を定義
する。本発明の軟質層を構成する熱可塑性エラストマー
組成物約5gを秤量し、2−ブタノン(MEK)200
mlを用いて、16時間のソクスレー抽出を行う。この
操作により、未架橋のゴム状重合体と、ポリスチレン等
の芳香族ビニル系重合体、およびパラフィンオイル等の
ゴム用軟化剤の抽出除去を行う。ここで、ゴム状重合体
に微結晶性のエチレン・α−オレフィン系重合体等の2
−ブタノン不溶のゴム状重合体を用いている場合は、更
に16時間のn−ヘプタン200mlを用いてソクスレ
ー抽出を行い、未架橋のゴム状重合体の抽出除去を行
う。これら一連の操作の後、円筒濾紙中の残査を加熱真
空乾燥後定量し、組成物中の全ゴム状重合体の重量に対
する残査、つまり架橋されたゴム状重合体の重量の比
率、つまり架橋度(%)を算出する。この数値には、グ
ラフト鎖やオクルードされた重合体の重量も含まれる。
またこの際、結晶性樹脂等の不溶性ポリマーや、(a)
芳香族ビニル重合体に不溶性ゴム成分が入っている場合
や、組成物中に不溶性フィラーが添加されている場合
は、算出の際に相当量を差し引いて架橋度を求める。
【0025】本発明の好適な組成物としての熱可塑性エ
ラストマー組成物の架橋度は、30%以上であり、より
望ましくは50%以上である。30%未満では架橋が不
十分であるため、機械的強度や耐熱性が低下するのみな
らず、硬質層との接着強度にも悪影響を与えることか
ら、好ましくない。本発明の軟質層を構成する熱可塑性
エラストマー組成物には、相溶化剤を添加する場合と添
加しない場合がある。一般にゴム状重合体中に芳香族ビ
ニル成分を含む場合は添加の必要はない。但し、強度ア
ップの為に添加することもある。芳香族ビニル成分を含
まない場合は通常相溶化剤を添加する。本発明にて相溶
化剤を添加する場合、その添加する相溶化剤は、(a)
成分と(b)成分との相溶化の役割を有するものであれ
ば、特にその成分に対し限定はされない。選択する
(a)成分と(b)成分を鑑み、相溶化剤を選択するこ
とが望ましい。具体的に好ましい例を挙げると、(a)
成分と相溶性の良いポリマー部分と(b)成分と相溶性
の良いポリマー部分を各々有するランダム共重合体、ブ
ロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。
【0026】ブロック共重合体として好ましい例を挙げ
ると、(a)成分と相溶性の良い芳香族ビニル系ブロッ
クと(b)成分と相溶性の良いオレフィン系ブロックと
からなるブロック共重合体が例示される。より具体的に
は、少なくとも1個の芳香族ビニル系化合物からなる重
合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン系化合物か
らなる重合体ブロックからなるブロック共重合体及び/
またはその水素添加物が挙げられる。芳香族ビニル系化
合物および共役ジエン系化合物の例は先述のとおりであ
る。とりわけ上記のブロック共重合体は商品化されてお
り、一例を挙げると、旭化成株式会社より上市されてい
る「タフプレン」、「タフテック」等が挙げられる。
【0027】本発明における軟質層を形成する熱可塑性
エラストマー組成物には、柔軟性の付与および加工性の
改善のために、必要に応じてゴム用軟化剤を配合するこ
とが好ましい。上記ゴム用軟化剤は、パラフィン系、ナ
フテン系などのプロセスオイルが好ましい。上記のゴム
用軟化剤の配合量はなんら規定されないが、好ましい配
合量を例示すれば、上記の熱可塑性エラストマー組成物
100重量部に対し、5〜150重量部、好ましくは1
0〜100重量部添加して用いることが一般的である。
5重量部未満ではプロセスオイルの添加効果が十分発揮
されず、また、150重量部を越えると組成物がオイル
を保持しきれずに成形品表面へのオイルブリードの懸念
が生じるために、外観を損ない、手触り感の悪化の観点
から望ましくない。
【0028】本発明にて提供される積層体の軟質層を構
成する熱可塑性エラストマー組成物は、先に説明した
(a)芳香族ビニル系重合体、もしくは芳香族ビニル系
重合体を主体とする熱可塑性樹脂(b)部分または完全
に架橋されたゴム状重合体、必要に応じて相溶化剤、更
にはゴム用軟化剤を特定の組成比で組み合わせることに
より、手触り感などの外観性能と、機械的強度、柔軟
性、芳香族ビニル系重合体への熱融着性、および成形加
工性が改善され、積層体の軟質層として好ましく用いる
ことができる。
【0029】本発明における熱可塑性重合体組成物にお
いて、更に卓越した安定性が要求される場合には、必要
に応じて、紫外線吸収剤、ヒンダ−ドアミン系光安定
剤、酸化防止剤、または酸化チタン等の遮光剤から選ば
れる少なくとも1種以上の安定性改良剤を配合すること
ができる。上記安定性改良剤の添加量は、本発明ではな
んら限定はしないが、推奨される添加量は軟質層(a)
と(b)および任意成分である相溶化剤、ゴム用軟化剤
との合計量100重量部に対して、0.05〜20重量
部、好ましくは、0.1〜10重量部、最も好ましく
は、0.2〜5重量部である。
【0030】また、本発明の軟質層を構成する熱可塑性
エラストマー組成物には、その特徴を損ねない程度に無
機フィラーを含有することが可能である。ここで用いる
無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、シリカ、カーボンブラック、ガラス繊
維、酸化チタン、クレー、マイカ、タルク、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。また、
その他の添加剤、例えば、有機・無機顔料、難燃剤、金
属繊維、有機繊維、シリコンオイル、エチレンビスステ
アレートに代表されるアンチブロッキング剤、発泡剤、
発泡核剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使用される。
【0031】本発明の軟質層を構成する熱可塑性エラス
トマー組成物の製造には、通常の熱可塑性樹脂組成物等
の製造に用いられるバンバリーミキサー、ニーダー、単
軸押出機、2軸押出機等の一般的な方法を採用すること
が可能である。とりわけ本発明の軟質層を構成するゴム
状重合体を効率的に架橋させるためには、動的架橋法が
好ましく用いられ、そのため2軸押出機が好ましく用い
られる。2軸押出機は、芳香族ビニル系重合体とゴム状
重合体とを均一かつ微細に分散させ、さらに他の成分を
添加して、架橋反応を生じせしめ、所望の熱可塑性エラ
ストマー組成物を連続的に製造するのに最も適してい
る。上記の熱可塑性エラストマー組成物は、下記の例の
如き大別して2種類の製造工程を経由して製造すること
ができる。
【0032】製造工程の最初の例としては、芳香族ビニ
ル系化合物あるいは芳香族ビニル系化合物および他の熱
可塑性樹脂とゴム状重合体とをよく混合し、押出機のホ
ッパーに投入する。ラジカル開始剤と架橋助剤は、それ
ぞれについて芳香族ビニル系化合物とゴム状重合体と共
に当初から添加してもよいし、押出機の途中から添加し
てもよい。またゴム用軟化剤として用いるプロセスオイ
ルは、押出機の途中から添加してもよいし、最初と途中
とに分割して添加してもよい。また、予めゴム状重合体
にゴム用軟化剤を含有させる、いわゆる油添ゴム状重合
体も好ましく用いられる。更には、芳香族ビニル系化合
物および/または他の熱可塑性樹脂および/またはゴム
状重合体の一部を、押出機の途中から添加してもよい。
押出機内で加熱溶融し混練される際に、前記ゴム状重合
体とラジカル開始剤および架橋助剤とが架橋反応を起こ
し、さらにプロセスオイル等を添加して溶融混練するこ
とにより架橋反応と混練分散とを充分させた後、押出機
から取り出す。最後にペレタイズを行い、所望の熱可塑
性エラストマー組成物のペレットを得ることができる。
【0033】製造工程の次の例としては、芳香族ビニル
系重合体以外の熱可塑性樹脂、とりわけ、ポリプロピレ
ンに代表されるオレフィン系樹脂とゴム状重合体とをよ
く混合し、押出機のホッパーに投入する。ラジカル開始
剤と架橋助剤は、それぞれについてオレフィン系樹脂と
ゴム状重合体と共に当初から添加してもよいし、押出機
の途中から添加してもよい。またゴム用軟化剤として用
いるプロセスオイルは、押出機の途中から添加してもよ
いし、最初と途中とに分割して添加してもよい。また、
予めゴム状重合体にゴム用軟化剤を含有させる、いわゆ
る油添ゴム状重合体も好ましく用いられる。更には、オ
レフィン系樹脂および/またはゴム状重合体の一部を、
押出機の途中から添加してもよい。押出機内で加熱溶融
し混練される際に、前記ゴム状重合体とラジカル開始剤
および架橋助剤とが架橋反応を起こし、さらにプロセス
オイル等を添加して溶融混練することにより架橋反応と
混練分散とを充分させた後、押出機から取り出す。最後
にペレタイズを行い、オレフィンベースの熱可塑性エラ
ストマーのペレットを得る。次いで、芳香族ビニル系重
合体と必要に応じて相溶化剤とを配合し、2軸押出機を
はじめとする任意の混練機を用いてブレンドすることに
より、所望の熱可塑性エラストマー組成物のペレットを
得ることができる。
【0034】こうして得られた熱可塑性エラストマー組
成物と、硬質層を構成する芳香族ビニル系重合体を用い
て、任意の成形方法により本発明の積層体を製造するこ
とが可能である。具体的には、多層共押出成形、2色射
出成形、インサート成形、多層中空成形等他、任意の成
形法に好適に用いられ、硬質部と軟質部を共に有する、
相互が強固に接着した成形品を得ることが可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例および比較
例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。なお、これら実施例および比較例
において、各種物性の評価に用いた試験法は以下の通り
である。 (1)ソフト感 軟質層を構成する熱可塑性エラストマー組成物からなる
2mm厚シートを4枚重ねて、ASTM D2240に
準じ、Aタイプ表面硬度計にて23℃雰囲気下にて評価
し、ソフト感の評価に代えた。表面硬度の低いものほ
ど、ソフト感は増す。 (2)引張破断強度[MPa] 軟質層を構成する熱可塑性エラストマー組成物からなる
2mm厚シートを用い、JIS K6251に準じ、2
3℃雰囲気下にて評価した。 (3)引張破断伸度[%] 軟質層を構成する熱可塑性エラストマー組成物からなる
2mm厚シートを用い、JIS K6251に準じ、2
3℃雰囲気下にて評価した。
【0036】(4)架橋度[%] 軟質層を構成する熱可塑性エラストマー組成物に関し
て、本文中に記載の方法で測定した。 (5)硬質層の剛性 硬質層を構成する材料について、ISO 178に準
じ、曲げ弾性率[MPa]を求め、得られた値を3段階
に区分し評価した。 ◎:相対的に高い剛性を有する。 ○:相対的に中庸の剛性を有する。 ×:手で捻ると、かなり大きく変形する。剛性は相対的
に低い。
【0037】(6−1)積層体1(複層圧縮成形) 硬質層および軟質層を形成する各組成物を、電熱プレス
を用いた圧縮成形により240×120×2mmのシー
トを各々作成する。次いで、各シートを重ねて、間にポ
リエチレンテレフタレート(以下、PETと略記)製フ
ィルムを短辺の各シート間の端部に挟み、3mm厚の金
型を用いて、200℃にて5分間予熱を行い、双方のシ
ートを加熱・軟化させる。予熱時には加圧は行わない。
予熱後、2MPaの圧力下で2分間シートの圧着を行
い、次いで、水冷された冷却プレスにて同様に2MPa
の加圧下で冷却する。このようにして積層体を得た。
【0038】(6−2)積層体2(多層共押出成形) 多層共押出機(フルフライト単軸スクリュー、L/D=
22)を用いて、硬質部に袴状の軟質部が積層されたサ
ッシ扉のシールパッキンを成形した。樹脂温度は各々2
10℃とした。 (6−3)積層体3(2色射出成形) 日精樹脂工業製の2色射出成形機を用いて、硬質層を1
次側として平板の積層体を成形した。サイズは、10c
m×6cmで厚みは各層2mmである。樹脂温度は各々
210℃とした。
【0039】(7) 接着強度[N/mm] 積層体1:得られた積層体の中央部を長辺方向に15m
m幅に3点切り出し、PET製フィルムを挟んだ箇所か
ら剥離させ、JISK6854、180°剥離法に準じ
て評価を行い、3点の数値の単純平均値をもって接着強
度とした。なお、界面の接着強度が高く、剥離を起こさ
ず破壊してしまうものを「破壊」と記載し、全く接着し
ていないものを「×」と記した。 積層体2:得られたサッシ扉のシールパッキンの袴部分
である軟質層を手で引き剥がし、その状態を下記の通り
に区分した。 材料破壊:「破壊」 ある接着強度をもって剥離:「接着」 接着しておらず、界面から剥離:「×」
【0040】積層体3:得られた積層体の中央部から長
辺方向に15mm幅に3点切り出し、端部より剥離を試
みた。剥離したものについては、積層体1と同様、接着
強度の測定を行った。剥離が出来ないほどに接着してい
たものにについては、「密着」と記し、全く接着せずに
界面剥離を起こすものについては、「×」と記した。な
お、実施例にて使用した原料は以下の通りである。硬質
層を構成する成分; (A−1)ポリスチレン: エー・アンド・エム スチレン製 エー・アンド・エム ポリスチレン 403R ゴム補強タイプ、MFR=3.0(200℃,5kg
f) 曲げ弾性率=2400MPa(ISO 178に準拠)
【0041】(A−2)ポリスチレン: エー・アンド・エム スチレン製 エー・アンド・エム ポリスチレン G9305 ゴム非補強タイプ、MFR=1.5(200℃,5kg
f) 曲げ弾性率=3250MPa(ISO 178に準拠) (A−3)スチレンとブチルアクリレートとのランダム
共重合体を公知の重合法で合成し、実施例に用いた。 ブチルアクリレート含量:8重量% MFR=2.0(200℃,5kgf) 曲げ弾性率=2200MPa(ISO 178に準拠)
【0042】(A−4)ポリプロピレン: モンテル・エスディーケー・サンライズ製 サンアロマー PB370A エチレンとのブロックタイプ MFR=1.3(230
℃,2.16kgf) 曲げ弾性率=1100MPa(ISO 178に準拠) (A−5)スチレンとアクリロニトリルとのランダム共
重合体を公知の重合法で合成し、実施例に用いた。 アクリロニトリル含量:5重量% MFR=9.0(200℃、10kgf) 曲げ弾性率=3500MPa(ISO 178に準拠)
【0043】(A−6)A−2とA−3との50:50
のブレンド物 (A−7)A−2とA−4との70:30のブレンド物 軟質層を構成する成分; (a−1)A−2に同じ (a−2)A−6に同じ (a−3)A−7に同じ (a−4)A−4に同じ
【0044】(b−1)エチレン・オクテン−1共重合
体: デュポンダウエラストマーズ製 エンゲージ8180 エチレン/オクテン−1=72/28(重量比) 数平均分子量119000、メルトフローレイト:0.
5 密度:0.863g/cm3 (b−2)エチレン・プロピレン・ジエン系共重合体: デュポンダウエラストマーズ製 ノーデルIP 3745P エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン=69
/30.5/0.5数平均分子量114000、ムーニ
ー粘度45(125℃)
【0045】(b−3)ポリブタジエンの水素添加物:
連続式溶液重合法により合成され、数平均分子量120
000、分子量分布2.80、水素添加前のポリブタジ
エン部の1,2−ビニル結合量が40重量%、水素添加
率99%のポリブタジエンの水素添加物を特開昭60−
220147号公報に記載された方法により合成し、成
分(b−3)を得た。 (b−4)スチレン/ブタジエン共重合体の水素添加
物:バッチ式溶液重合法により合成され、数平均分子量
145000、分子量分布1.20、一方の端部にスチ
レンブロック鎖を有し、全結合スチレン量20重量%、
ブロック部スチレン量12重量%、水素添加前のポリブ
タジエン部の1,2−ビニル結合量が35重量%、ポリ
ブタジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエ
ンブロックランダム共重合体の水素添加物を特開昭60
−220147号公報に記載された方法により合成し、
成分(b−4)を得た。
【0046】(b−5)スチレン/ブタジエン共重合体
の水素添加物:バッチ式溶液重合法により合成され、数
平均分子量175000、分子量分布1.25、両端に
スチレンブロック鎖を有し、全結合スチレン量24重量
%、ブロック部スチレン量24重量%、水素添加前のポ
リブタジエン部の1,2−ビニル結合量が45重量%、
ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタ
ジエンブロックランダム共重合体の水素添加物を特開昭
60−220147号公報に記載された方法により合成
し、成分(b−5)を得た。 (b−6)エチレン/芳香族ビニル系化合物ランダム共
重合体芳香族ビニル化合物にスチレンを用いて公知の触
媒により重合した、スチレン量10重量%、MFR=
0.5(190℃、2.16kgf)のエチレン/スチ
レンランダム共重合体を用いた。
【0047】(c)相溶化剤:旭化成株式会社製タフテ
ックH1043(水素添加スチレン/ブタジエンブロッ
ク共重合体、但し、スチレン含量67重量%、ポリブタ
ジエン部の水素添加率100%) メルトフローレイト:5(200℃、5kgf) (d)軟化剤:出光興産製ダイアナプロセスオイルPW
−380(パラフィン系プロセスオイル、動粘度;38
1.6cst(40℃)、30.1cst(100
℃)、環分析値;CN=27%、CP=73%
【0048】(e)ラジカル開始剤: 日本油脂製、有機過酸化物 パーヘキサ25B 化学名:2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン (f)架橋助剤: 日本化成製タイク 化学名:トリアリルイソシアヌレート
【0049】
【実施例1〜9および11〜18、比較例1〜2】(軟
質層を構成する熱可塑性エラストマー組成物の製法1)
押出機として、バレル中央部にオイル注入口を有した2
軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いた。スク
リューとしては注入口の前後に混練部を有した2条スク
リューを用いた。表1に記載した組成比で混合したのち
2軸押出機(シリンダー温度220℃)に導入し、溶融
押出を行った。但し、液添を行う(d)については、ま
ず(d)以外をブレンダーにて攪拌・混合した後、2軸
押出機(シリンダー温度220℃)に導入し、引き続き
押出機の中央部にある注入口より所定量の(d)をポン
プにより注入し溶融押出を行い、所望の熱可塑性エラス
トマー組成物を得た。なお、成分(b−4)及び(b−
5)は、末端にスチレンブロック鎖を有するため、相溶
化剤(c)の添加は行わずに実施した。
【0050】
【実施例10】(軟質層を構成する熱可塑性エラストマ
ー組成物の製法2)押出機として、バレル中央部にオイ
ル注入口を有した2軸押出機(40mmφ、L/D=4
7)を用いた。スクリューとしては注入口の前後に混練
部を有した2条スクリューを用いた。表1に記載した
(a−1)成分および(c)成分並びに(d)成分を除
く各成分を標記組成比でブレンダーにて攪拌・混合した
後、2軸押出機(シリンダー温度220℃)に導入し、
引き続き押出機の中央部にある注入口より所定量の
(d)をポンプにより注入し溶融押出を行った。更に得
られた熱可塑性エラストマーに(a−1)と(c)を配
合して、再度、単軸押出機にて造粒し、所望の熱可塑性
エラストマー組成物を得た。各製法1,2の方法で得ら
れた熱可塑性エラストマー組成物について評価を行い、
更にこれを軟質層に用いて各硬質層と組み合わせた積層
体1〜3を成形し、各々についてその接着強度を評価し
た。比較例も併せ結果を表1に示す。この結果からも明
らかなように、本発明の積層体は、硬質層由来の剛性
と、軟質層由来の優れたソフト感を有し、かつ各層が強
固に熱融着している。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明の積層体は、インサートや2色射
出等の複層射出成形法や、例えば異型金型を用いる多層
共押出成形、多層圧縮成形、複層中空成形等の幅広い成
形法により得ることができ、更に軟質層に由来するソフ
トタッチ感と硬質層に由来する高い剛性と機械的強度を
有し、かつ相互が強固に融着しており、更にはリサイク
ルにも適していることから、家電OA分野を始め、サッ
シ等の建築資材、スポーツ用品、日用雑貨、玩具等の用
途に幅広く使用可能であり、その工業的価値は極めて高
い。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B AK11A AK11B AK12A AK12B AK62B AL05A AL05B AL09B CA04 CA30 EC03 EH17 EJ05B GB07 GB48 GB51 GB87 JB16A JB16B JK01 JK02 JK06 JK08 JK13 JK17 JL16 JN02B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル系重合体、もしくは芳香族
    ビニル系重合体を主体とする熱可塑性樹脂組成物から成
    形されてなる硬質層(I)と、(a)芳香族ビニル系重
    合体、もしくは芳香族ビニル系重合体を主体とする熱可
    塑性樹脂10〜60重量部、(b)部分的または完全に
    架橋されたゴム状重合体40〜90重量部、よりなる熱
    可塑性エラストマー組成物から成形されてなる軟質層
    (II)とから構成され、かつ各層が熱融着してなる積
    層体。
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