JP2004197035A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性エラストマー組成物は、特定の付加重合系ブロック共重合体(I)、特定の官能化付加重合系ブロック共重合体(II)、熱可塑性ポリアミド系重合体(III)、架橋剤(IV)及びゴム用軟化剤(V)を特定の配合比で含有する混合物を、溶融条件下で動的に架橋処理してなるものである。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐油性、耐薬品性、耐熱性、ガスバリア性、成形性、力学的特性、耐屈曲疲労性に優れ、良好なゴム的特性を示す熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ゴム弾性を有する軟質材料であって、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様に成形加工およびリサイクルが可能な熱可塑性エラストマーが、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、雑貨、履物等の分野で多用されている。
【0003】
このような熱可塑性エラストマーの中で、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物(以下、「水添ブロック共重合体」と略記する)を用いたエラストマー状組成物は、リサイクル性は有しているものの、耐油性、耐薬品性、高温におけるゴム弾性が十分とは言えず、高い耐油性や高温下での良好なゴム弾性が要求される用途には使用できないという問題があった。
【0004】
そこで、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体またはその水素添加物に、ゴム用軟化剤、オレフィン系樹脂、ポリブタジエン、不飽和グリシジル化合物、不飽和カルボン酸、有機パーオキサイド及びポリアミド系重合体をブレンドすることが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−310617号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体またはその水素添加等の付加重合系ブロック共重合体に、種々の成分をブレンドして得られたエラストマー状組成物は、耐油性等の性質が用途によっては十分とは言えないという問題があった。
【0007】
それだけでなく、上述したような付加重合系ブロック共重合体には、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体またはその水素添加物が示す柔軟性、ゴム弾性などの優れた特性に加えて、耐熱性、耐油性、耐薬品性、成形性などの優れた特性と、通常の熱可塑性重合体と同様に押出成形、射出成形、プレス成形などのような汎用の加熱溶融成形・加工法によって簡単に成形したり加工したりすることのできる特性とを、バランスよく実現することも要求されていた。
【0008】
本発明は、付加重合系ブロック共重合体に対し、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体またはその水素添加物が有する柔軟性、ゴム弾性などの優れた特性に加えて、耐熱性、耐油性、耐薬品性、成形性などの優れた特性と、通常の熱可塑性重合体と同様に押出成形、射出成形、プレス成形等の汎用の加熱溶融成形・加工法によって簡単に成形したり加工したりすることのできる特性とを、バランスよく実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者らは種々検討を重ねてきたが、その結果、芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックと、共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロックとを有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加重合系ブロック共重合体、官能化付加重合系ブロック共重合体、熱可塑性ポリアミド系重合体、架橋剤およびゴム用軟化剤を特定の量比で含有させた混合物を、溶融条件下で動的に架橋処理して得られる熱可塑性エラストマー組成物を用いて成形品などを製造すると、耐油性、耐薬品性、成形性、ガスバリヤー性、柔軟性、耐熱性などの諸特性に優れる成形品やその他の製品が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
即ち、本発明は、以下の成分(I)〜(V):
芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加重合系ブロック共重合体(I);
芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の官能化付加重合系ブロック共重合体(II)を該付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し10〜100質量部;
熱可塑性ポリアミド系重合体(III)を該付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し30〜300質量部;
架橋剤(IV)を該付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し0.1〜20質量部; 及び
ゴム用軟化剤(V)を該付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し0〜300質量部
を含有する混合物を、溶融条件下で動的に架橋処理してなることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
【0012】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、芳香族ビニル化合物単位から主としてなる重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物単位から主としてなる重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加重合系ブロック共重合体(I)を含有する。この付加重合系ブロック共重合体(I)は、熱可塑性エラストマー組成物に、特にゴム弾性を付与する成分である。
【0013】
重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物単位から構成されている。このような芳香族ビニル化合物単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどからなる単位を挙げることができ、中でもスチレンからなる単位が好ましい。
【0014】
重合体ブロック(A)は、前記した芳香族ビニル化合物の1種のみからなる構造単位を有していても、または2種以上からなる構造単位を有していてもよい。中でも、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは主としてスチレンからなる構造単位を有することが好ましい。
【0015】
重合体ブロック(A)は、必要に応じて他の共重合性単量体からなる構造単位を少量有していてもよく、その場合の他の共重合性単量体からなる構造単位の割合は、重合体ブロック(A)の全質量基準で30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。その場合の他の共重合性単量体としては、例えば1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどのイオン重合性単量体を挙げることができる。
【0016】
付加重合系ブロック共重合体(I)における重合体ブロック(B)は、共役ジエン化合物からなる構造単位を有する。共役ジエン化合物としては、イソプレン、ブタジエン、ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどを挙げることができる。
【0017】
重合体ブロック(B)は、これらの共役ジエン化合物の1種のみから構成されていてもまたは2種以上から構成されていてもよい。重合体ブロック(B)が2種以上の共役ジエン化合物に由来する構造単位を有している場合は、それらの結合形態はランダム、テーパード、一部ブロック状、またはそれらの2種以上の組み合わせからなっていることができる。
【0018】
そのうちでも、重合体ブロック(B)は、イソプレン単位を主体とするモノマー単位からなるポリイソプレンブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が水素添加された水添ポリイソプレンブロック;ブタジエン単位を主体とするモノマー単位からなるポリブタジエンブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が水素添加された水添ポリブタジエンブロック;或いはイソプレン単位とブタジエン単位を主体とするモノマー単位からなるイソプレン/ブタジエン共重合ブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合ブロックであることが好ましい。特に、重合体ブロック(B)は、前記したポリイソプレンブロック、ポリブタジエンブロックまたはイソプレン/ブタジエン共重合ブロックの水素添加されたブロックであることがより好ましい。
【0019】
重合体ブロック(B)の構成ブロックとなり得る上記したポリイソプレンブロックでは、その水素添加前には、イソプレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基[−CH2−C(CH3)=CH−CH2−;1,4−結合のイソプレン単位]、イソプロペニルエチレン基[−CH(C(CH3)=CH2)−CH2−;3,4−結合のイソプレン単位]および1−メチル−1−ビニルエチレン基[−C(CH3)(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のイソプレン単位]からなる群から選ばれる少なくとも1種の基からなっており、各単位の割合は特に限定されない。
【0020】
重合体ブロック(B)の構成ブロックとなり得る上記したポリブタジエンブロックでは、その水素添加前には、そのブタジエン単位の70〜20モル%、特に65〜40モル%が2−ブテン−1,4−ジイル基(−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合ブタジエン単位)であり、30〜80モル%、特に35〜60モル%がビニルエチレン基[−CH(CH=CH)−CH2−;1,2−結合ブタジエン単位]であることが好ましい。ポリブタジエンブロックにおける1,4−結合量が上記した70〜20モル%の範囲内であると、そのゴム物性が良好になる。
【0021】
重合体ブロック(B)の構成ブロックとなり得る上記したイソプレン/ブタジエン共重合ブロックでは、その水素添加前には、イソプレンに由来する単位は2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基、イソプロペニルエチレン基および1−メチル−1−ビニルエチレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基からなっており、またブタジエンに由来する単位は2−ブテン−1,4−ジイル基および/またはビニルエチレン基からなっており、各単位の割合は特に制限されない。イソプレン/ブタジエン共重合ブロックでは、イソプレン単位とブタジエン単位の配置は、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック状のいずれの形態になっていてもよい。そして、イソプレン/ブタジエン共重合ブロックでは、ゴム物性の改善効果の点から、イソプレン単位:ブタジエン単位のモル比が1:9〜9:1であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましい。
【0022】
以上説明した重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とから構成される付加重合系ブロック共重合体(I)は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性および耐候性が良好なものとなる点から、その重合体ブロック(B)における不飽和二重結合の一部または全部が水素添加(以下「水添」ということがある)されていることが好ましい。その際の共役ジエン重合体ブロックの水添率は60モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、100モル%であることがさらに好ましい。
【0023】
付加重合系ブロック共重合体(I)の分子量は特に制限されないが、水素添加前かつ動的な架橋処理前の状態で、重合体ブロック(A)の数平均分子量が2,500〜75,000、好ましくは5,000〜50,000の範囲内にあり、重合体ブロック(B)の数平均分子量が10,000〜300,000、好ましくは30,000〜250,000の範囲内にあり、付加重合系ブロック共重合体(I)全体の数平均分子量が12,500〜2,000,000、好ましくは50,000〜1,000,000の範囲内にあることが、得られる熱可塑性エラストマー組成物の力学的特性、成形加工性などの点から好適である。なお、本明細書でいう数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量線から求めた値をいう。
【0024】
付加重合系ブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との結合形態に関し、A−Bで表されるジブロック共重合体、A−B−AまたはB−A−Bで表されるトリブロック共重合体、テトラブロック以上のマルチブロック共重合体などの形態を取ることができる。中でもA−B−Aで表されるトリブロック共重合体をとることが、架橋結合の導入による物性改善の効率が高く、得られる熱可塑性エラストマー組成物の高温での歪み回復性やゴム的特性が優れたものとなることから好ましい。
【0025】
付加重合系ブロック共重合体(I)における重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)の組成比としては、ゴム弾性を良好なものとする観点から、質量比が5:95〜50:50であることが好ましい。
【0026】
以上説明した付加重合系ブロック共重合体(I)は、例えば、アニオン重合やカチオン重合などのイオン重合法、ラジカル重合法などの公知の重合方法により製造することができる。
【0027】
また、本発明の熱可塑性エラストマーは、官能化付加重合系ブロック共重合体(II)を含有する。この官能化付加重合系ブロック共重合体(II)は、付加重合系ブロック共重合体(I)に官能基が付加した構造を有する。
【0028】
官能化付加重合系ブロック共重合体(II)の官能基としては、活性水素を含有する官能基(−OH,−SH,−NH2,−NHR,−CONH2,−CONHR1,−CONH−,−SO3H,−SO2H,−SOH)、窒素を含有する官能基(−NR2R3,>C=NH,>C=N−,−CN,−NCO,−OCN,−SCN,−NO,−NO2,−NCS,−CONR4R5,−CONR6−)、カルボニル基またはチオカルボニル基を含有する官能基(>C=O,>C=S,−CH=O,−CH=S,−COOR7,−CSOR8)、エポキシ基、チオエポキシ基が挙げられる。その中でもジカルボン酸及び、又はその誘導体であるのが好ましい。これらの官能基中における、R1〜R8は、ぞれぞれ独立的に水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基等である。
【0029】
官能化付加重合系ブロック共重合体(II)の官能基数は、ポリマー鎖1本あたり、好ましくは1.2〜1000個、より好ましくは2〜200個である。官能基数はHPLC、NMR、GPC等を用いて算出できる。
【0030】
付加重合系ブロック共重合体(I)への官能基の導入の手法は、何ら限定されるものではないが、停止反応、開始反応、官能化モノマーの共重合、高分子反応等を用いることで行うことができる。例えば、二官能の陰イオン重合開始剤を用いて付加重合系ブロック共重合体(I)を合成した際に、末端処理剤としてオキシラン、カルボニル基、チオカルボニル基、酸無水物基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、エポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基等を有する化合物を反応させることにより官能化させ、それにより官能化付加重合系ブロック共重合体(II)が得られる。
【0031】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物における官能化重合系ブロック共重合体(II)の配合量は、付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し、10〜100質量部、好ましくは20〜80質量部である。10質量部未満であると、分散性が低下して機械的特性が低下する傾向があり、一方100質量部を超えるとゴム弾性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0032】
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性ポリアミド系重合体(III)を含有する。熱可塑性ポリアミド系重合体(III)は、耐油性、耐薬品性、耐熱性、ガスバリア性及び耐屈性に優れるという性質を有し、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸をモノマーとして重合されたものである。
【0033】
熱可塑性ポリアミド系重合体(III)を構成するモノマーの具体例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸;ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム;テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3、5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ビベラジン、アミノエチルビベラジンなどのジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムヌルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸などのジカルボン酸との組み合わせたものが挙げられる。
【0034】
これらのモノマーより得られる熱可塑性ポリアミド系重合体(III)の具体例としては、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド6・10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6・12のような脂肪族ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、キシレン基含有ポリアミドのような芳香族ポリアミド等が挙げられ、これらは単独でも2種以上の混合物としても用いることもできる。また、これらポリアミド樹脂を主成分とする熱可塑性エラストマーも用いることができる。これらの熱可塑性ポリアミド系樹脂のうちでも、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド12、ポリアミド6・12およびポリアミド樹脂を主成分とする熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。
【0035】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物における熱可塑性ポリアミド系重合体(III)の配合量は、付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し、30〜300質量部、好ましくは50〜250質量部である。30質量部未満であると、耐油性、耐薬品性、ガスバリア性などが低下し、一方、300質量部を超えるとガム弾性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0036】
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、架橋剤(IV)を含有する。この架橋剤(IV)は、溶融条件下での動的な架橋処理中に付加重合系ブロック共重合体(I)および/または(II)に架橋結合を形成させるためのものであり、動的な架橋処理の処理温度や処理時間、反応性等により適宜選択できる。
【0037】
そのような架橋剤(IV)の例としては、フェノール樹脂系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、ビスマレイミド系架橋剤等を挙げることができる。これらの内、フェノール樹脂系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤が好適に用いられる。
【0038】
ここで、架橋剤(IV)として機能するフェノール樹脂としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応により合成された各種フェノール樹脂が挙げられる。特に、ベンゼンのオルト位又はパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールとホルムアルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、このアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のハロゲン付加物又はスルホン化物が、反応性に富んで架橋開始時間が比較的短くなるので好ましい。
【0039】
また、架橋剤(IV)として機能する有機過酸化物としては、ジクミルペルオキシド、ジt−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド等を挙げることができる。その中でも2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンが好適に用いられる。
【0040】
以上説明した架橋剤(IV)は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。動的な架橋処理前の混合物における架橋剤(IV)の含有量は、付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。架橋剤(IV)の含有量が0.1質量部未満であると十分な架橋結合を形成させることができず、20質量部を超えるとゴム用軟化剤(V)のブリードアウトや力学物性の低下が生じる傾向が高くなり好ましくない。
【0041】
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ゴム用軟化剤(V)を含有することが好ましい。このゴム用軟化剤(V)は、熱可塑性エストラーマ組成物の柔軟性を向上させるために配合されており、公知の鉱物油系あるいは合成樹脂系のゴム系軟化剤を使用できる。
【0042】
鉱物油系のゴム用軟化剤としては、一般に芳香族系炭化水素、ナフテン系炭化水素およびパラフィン系炭化水素の混合物が挙げられる。ここで、パラフィン系炭化水素の炭素原子数が全炭素原子中の50%以上を占めるものがパラフィン系オイルと呼ばれ、一方ナフテン系炭化水素の炭素原子が30〜45%のものがナフテン系オイルと、また芳香族系炭化水素の炭素原子が35%以上のものが芳香族系オイルと呼ばれている。これらの中で本発明に用いるゴム用軟化剤として特に好ましいものはパラフィン系オイルである。
【0043】
パラフィン系オイルとしては、40℃における動粘度が0.2〜8×10-4m2/s(20〜800cst)、好ましくは0.5〜6×10-4m2/s(50〜600cst)であり、流動度が0〜−40℃、好ましくは0〜−30℃であり、引火点(COC法)が200〜400℃、好ましくは250〜350℃であるものを使用できる。
【0044】
合成樹脂系のゴム用軟化剤としては、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン等が挙げられる。
【0045】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物におけるゴム用軟化剤(V)の配合量は、熱可塑性エラストマー組成物の物性が損なわれないことを前提として、付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し、0〜300質量部、好ましくは50〜250質量部である。300質量部を超えるとゴム用軟化剤のブリードアウトが生じ易く、また、熱可塑性エラストマー組成物の力学物性が低下する傾向が高くなるので好ましくない。
【0046】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上述した付加重合系ブロック共重合体(I)、官能化付加重合系ブロック共重合体(II)、熱可塑性ポリアミド系重合体(III)、架橋剤(IV)および必要によりゴム用軟化剤(V)を、溶融条件下で動的に架橋処理させたものである。動的に架橋処理することにより、付加重合系ブロック共重合体(I)および(II)が架橋することになる。ここで、「溶融条件下」とは、成分(I)〜(IV)の混合物を溶融できる条件下にということであり、「動的に架橋処理する」とは、溶融混練等動的な状態で架橋処理することである。このため、溶融条件下で動的に架橋処理して得られる本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性ポリアミド系重合体(III)からなるマトリックス相に、架橋剤(IV)により架橋された付加重合系ブロック共重合体(I)および/または官能化付加重合系ブロック共重合体(II)からなる柔軟な相(分散粒子)または該ブロック共重合体およびゴム用軟化剤からなる柔軟な相(分散粒子)が、微細に分散している特異な分散形態を発現し、熱可塑性となる。ここで、その分散粒子の径は、直径0.1μm〜30μmであるのが好ましく、0.1μm〜10μmであるのがより好ましい。
【0047】
なお、このように動的に溶融混練しない場合(換言すれば、ゴムの加硫工程のように、架橋処理が溶融条件下で動的に行なわれない場合)には、架橋された付加重合系ブロック共重合体がマトリックス相を構成し、得られる組成物は熱可塑性を有さないものとなる。
【0048】
ここで、架橋処理条件としては、加熱温度が通常約200℃〜320℃で、溶融混練時間が通常約0.5〜30分間という条件を例示できる。溶融混練に使用する溶融混練装置としては、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等を挙げることができる。中でも混練中の剪断力が大きく連続的に運転できる二軸押出機を使用するのが好ましい。
【0049】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造は、例えば以下に説明するように行うことができる。即ち、まず、付加重合系ブロック共重合体(I)、官能化付加重合系ブロック共重合体(II)および熱可塑性ポリアミド系重合体(III)を混合し、押出機のホッパーに投入する。ここで、架橋剤(IV)およびゴム用軟化剤(V)は、当初から添加してもよいし、押出機の途中から添加してもよい。次に、成分(I)、(II)および(III)が溶融し、用いた架橋剤(IV)が反応する温度(通常200℃〜320℃、好ましくは220℃〜260℃)に加熱しながら所定の時間(約0.5〜30分間)溶融混練することにより動的に架橋処理して熱可塑性エラストマー組成物を得る。
【0050】
なお、溶融混練時に、2台以上の押出機を使用し、段階的に順次溶融混練してもよい。
【0051】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、以上説明した成分(I)〜(V)に加えて、他の熱可塑性樹脂を含有することができる。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸メチルやポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)等のエチレン系エラストマー、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエン等を挙げることができる。
【0052】
熱可塑性エラストマー組成物中の他の熱可塑性樹脂の配合量は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐油性、力学物性が損なわれない範囲が好ましく、付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し、好ましくは200質量部程度までである。
【0053】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、更に無機充填剤を含有することができる。該無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム等が使用できる。なお、無機充填剤の含有量は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の性能が損なわれない範囲が好ましく、付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し、好ましくは50質量部までである。
【0054】
更に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、滑剤、光安定剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、シリコンオイル、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を適宜添加しても良い。
【0055】
上記のようにして得られた本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、例えば、射出成形法、押出成形法、インフレーション成形法、Tダイフィルム成形法、ラミネート成形法、ブロー成形法、中空成形法、圧縮成形法およびカレンダー成形法等の成形法により成形、加工することができる。
【0056】
このようにして成形・加工された成形品は、自動車部品、工業用部品、土木・建築用部品、家電部品、スポーツ用品、文房具をはじめとする種々の成形品やその他の広範な用途に極めて有効に使用することができる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。また、下記の実施例、比較例で得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、以下のようにして成形品(試験片)をつくり、それらの物性、すなわち、耐油性、引張破断強度、引張破断伸びを次のようにして測定した。
【0058】
(1)引張破断強度、引張破断伸びの測定:
以下の実施例、比較例で製造した熱可塑性エラストマー重合体組成物のペレットを用いて、15トン射出成形機[FANUC社製「ROBOSHOT−α15」]を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度40℃の条件下で成形し、厚み2mm、幅5mmのダンベルを製造した。これにより得られたダンベル試験片を用いて、オートグラフ(島津製作所社製)を使用して、JIS−K6252に準じて、500mm/分の条件下で引張破断強度および引張破断伸びを測定した。
【0059】
(2)耐油性の測定:
以下の実施例、比較例で製造した熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、15トン射出成形機[FANUC社製「ROBOSHOT−α15」]を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度40℃の条件下で成形し、厚み2mm、幅5mmのダンベルを製造した。これにより得られたダンベル試験片をIRM903油に100℃で70時間浸積したのち、オートグラフ(島津製作所社製)を使用して、JIS−K6252に準じて、500mm/分の条件下で引張破断強度および引張破断伸びを測定した。
【0060】
また、IRM903油に100℃で70時間浸積した後の質量を測定し、浸積前の質量との質量変化率(膨潤度)を算出した。
【0061】
(3)酸素透過係数の測定:
以下の実施例、比較例で製造した熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、そのペレットを圧縮成形機により加熱下に圧縮成形し、厚さ100μmのシート状試験片を作製し、これらを用いて酸素透過係数の測定を行った。酸素透過係数の測定はガス透過率測定装置(柳本製作所製「GTR−10」)を用いて、酸素圧0.34MPa、温度35℃、湿度0%RHの条件で行った。
【0062】
また、以下の実施例、比較例および参考例で用いた材料は次のとおりである。
【0063】
[付加重合系ブロック共重合体(I)]
ポリスチレンブロック−水添ポリブタジエンポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロックからなるトリブロック共重合体(スチレン単位含有量30質量%、Mn=200,000):(株)クラレ製「セプトン4055」
【0064】
[官能化付加重合系ブロック共重合体(II)]
ポリスチレンブロック−水添ポリブタジエンブロック−ポリスチレンブロックからなり無水マレイン酸により変性されたトリブロック共重合体(スチレン単位含有量20質量%、酸価10mgCH3ONa/g):旭化成(株)製「タフテックM1913」
【0065】
[熱可塑性ポリアミド系樹脂(III―1)]
ポリアミド6:宇部興産(株)製「宇部ナイロン1013B」
【0066】
[熱可塑性ポリアミド系樹脂(III―2)]
ポリアミド6・6:旭化成(株)製「レオナ1300S」
【0067】
[架橋剤(IV−1)]
反応型アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂:田岡化学(株)製「タッキロール201―1」
【0068】
[架橋剤(IV−2)]
2,5―ジメチル―2,5―ビス(t―ブチルパーオキシ)ヘキシン:日本油脂(株)製「パーヘキシン25B−40」
【0069】
[ゴム用軟化剤(V)]
パラフィン系プロセスオイル:出光興産(株)製「PW−380」
【0070】
実施例1〜5
上述の付加重合系ブロック共重合体(I)、官能化付加重合系ブロック共重合体(II)、熱可塑性ポリアミド系重合体(III)、架橋剤(IV)、ゴム用軟化剤(V)、架橋促進剤(塩化スズ)および架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)を、下記の表1に示す割合で予備混合した後、二軸押出機(Krupp Werner & Pfleiderer社製「ZSK−25WLE」)に供給して、シリンダー温度250℃およびスクリュー回転数350rpmの条件下に溶融混練し、押出し、切断しすることにより実施例1〜5の熱可塑性エラストマー組成物のペレットをそれぞれ製造した。
【0071】
次に、得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、前述したように成形品(試験片)を製造し、その引張破断強度、引張破断伸び、耐油性および酸素透過係数(ガスバリア性)を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0072】
比較例1〜5
上記した上記した付加重合系ブロック共重合体(I)、官能化付加重合系ブロック共重合体(II)、熱可塑性ポリアミド系重合体(III)、架橋剤(IV)、ゴム用軟化剤(V)および架橋促進剤(塩化スズ)を、下記の表2に示す割合で予備混合した後、二軸押出機(Krupp Werner&Pfleiderer社製「ZSK−25WLE」)に供給して、シリンダー温度250℃およびスクリュー回転数350rpmの条件下に溶融混練し、押出し、切断して熱可塑性エラストマー組成物のペレットをそれぞれ製造した。
【0073】
次に、得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、前述したように成形品(試験片)を製造し、その引張破断強度、引張破断伸び、耐油性および酸素透過係数(ガスバリア性)を上記した方法で測定した。得られた結果を表2に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
表1及び表2からわかるように、実施例1〜5の熱可塑性エラストマー組成物の場合には、IRM903油浸漬後の引張強さが10〜19MPa、引張破断伸びが100〜180%、膨潤度が19〜33%、、酸素透過係数が2000〜7000ml・20μm/m2・day・atmの値を示した。一方、比較例1〜5の熱可塑性エラストマー組成物の場合には、油浸漬後の引張強さが4〜6MPa、引張破断伸びが30〜70%となり、実施例と比べ引張強さおよび伸びが共に小さかった。
【0077】
これらの結果から、官能化付加重合系ブロック共重合体(II)をさらに添加し、架橋剤(IV)を加えて組成物中に架橋構造を導入することにより、油浸漬後良好な引張強さ、引張伸びを維持しつつ、膨潤性、ガスバリア性に優れる高品質の成形品が得られることが分かる。
【0078】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、耐油性、耐薬品性、耐熱性、ガスバリア性、成形性、力学的特性、耐屈曲疲労性に優れ、良好なゴム的特性を有していることから、自動車部品、工業用部品、土木・建築用部品、家電部品、スポーツ用品、文房具をはじめとする種々の成形品やその他の広範な用途に極めて有効に使用することができる。
Claims (5)
- 以下の成分(I)〜(V):
芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の付加重合系ブロック共重合体(I);
芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種の官能化付加重合系ブロック共重合体(II)を該付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し10〜100質量部;
熱可塑性ポリアミド系重合体(III)を該付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し30〜300質量部;
架橋剤(IV)を該付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し0.1〜20質量部; 及び
ゴム用軟化剤(V)を該付加重合系ブロック共重合体(I)100質量部に対し0〜300質量部
を含有する混合物を、溶融条件下で動的に架橋処理してなることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。 - 官能化付加重合系ブロック共重合体(II)が、官能基としてジカルボン酸及び/又はその誘導体由来の官能基を有する請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 熱可塑性ポリアミド系重合体(III)が、ポリアミド6又はポリアミド6・6である請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 架橋剤(IV)が、フェノール樹脂系架橋剤または有機過酸化物系架橋剤である請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品。
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