JP2013183952A - 錠剤包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】錠剤包装体100は、本体シート200と、封止部材300とを備える。本体シート200は、凹部230を有する。封止部材300は、凹部230の開口を覆うように、本体シート200にシールされる。封止部材300は、金属層を含む。本体シート200は特定気体および光の少なくとも一方に対してバリア性を有する。封止部材300は、凹部230が開口されるように本体シート200の少なくとも一部から易剥離可能である。凹部230は、複数個の薬剤T3が収納可能な大きさを有する。
【選択図】図3
Description
(1)複数個の薬剤が収納可能な大きさを有する少なくとも一つの凹部を有する本体シートと、前記凹部の開口を覆うように前記本体シートにシールされる封止部材とを有し、前記封止部材は金属層を含み、前記本体シートは特定気体および光の少なくとも一方に対してバリア性を有する錠剤包装体。
(2)前記封止部材は、前記凹部が開口されるように前記本体シートの少なくとも一部から易剥離可能である前記(1)に記載の錠剤包装体。
(3)前記本体シートは、複数個の前記凹部を有し、前記本体シートおよび前記封止部材の少なくとも一方には、前記凹部に収納された前記薬剤を服用する曜日、時間帯および日付の少なくとも1つが、前記凹部にそれぞれ対応するようにして記載される前記(1)または(2)に記載の錠剤包装体。
(4)前記凹部は、複数の区画を有する前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
(5)前記本体シートの厚みは、30μm以上800μm以下である前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
(6)前記本体シートは、透明性を有する前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
(8)前記本体シートには、幅方向にスリットが形成されている前記(7)に記載の錠剤包装体。
(9)前記凹部は、複数種の前記薬剤を収容可能である前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
(11)前記封止部材を開封する際の剥離強度が、開封途中の剥離強度より低い前記(10)に記載の錠剤包装体。
(12)開封開始地点の接着領域の幅をAとし、開封終了地点の接着領域の幅をBとしたとき、A<Bを満たす前記(10)または(11)に記載の錠剤包装体。
(13)前記封止部材は、前記凹部の縁の一部において、剥離しないことを特徴とする前記(10)〜(12)のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
(14)前記凹部は複数設けられ、前記本体シートと前記封止部材には、前記凹部毎に前記凹部の周囲に溝または切れ目が設けられ、前記凹部毎に分離可能に形成されている前記(10)〜(13)のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
(15)前記封止部材は、前記凹部毎に設けられている前記(10)〜(13)のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
(16)前記凹部の高さは、前記薬剤の高さ以上で、前記薬剤2個分の高さ以下である前記(10)〜(15)のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
(17)前記封止部材は、巻回性を有し、前記凹部から前記封止部材を剥離する際に前記封止部材が巻回されることを特徴とする前記(10)〜(16)のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
ここで、「凹部の開口を覆うように本体シートにシールされる封止部材」とは、凹部が気密封止されるように、封止部材の少なくとも一部が本体シートに封着されることを意味する。
また、「特定気体および光の少なくとも一方に対してバリア性を有する」とは、特定気体(例えば大気中の水蒸気や酸素等)および/または光(例えば紫外線等)の透過を遮断し、外部から凹部の内部空間への侵入を防ぐ性能を有することを意味し、好ましくは、(i)JIS Z 0208に準拠して測定された透湿度が10g/m2・24h以下、より好ましくは5g/m2・24h以下である、(ii)JIS K 7126Bに準拠して測定された酸素透過度が10cm3/m2・24h・atm以下、より好ましくは1cm3/m2・24h・atm以下である、および/または、(ii)紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、品名:V−650)で測定することによって行う光線透過曲線の90%吸収波長が600nm以下である。
また、「封止部材は、前記凹部が開口されるように前記本体シートの少なくとも一部から易剥離可能である」とは、流通時および保管時など、開封を意図しない時は、凹部の内部空間の密封性が保持され、かつ、開封が意図される時には、鋏などの器具を用いずに手の力で容易に、凹部が開口されるように、封止部材を本体シートの少なくとも一部から剥離することができることを意味する。
薬剤T1〜T3としては、特に限定されないが、例えば、疾病の治療や予防を目的とした医薬;ビタミン、ミネラル、アミノ酸等の栄養補給や含有成分の効能発揮を目的としたサプリメント等を用いることができる。
以下、第一の実施態様の各構成について、それぞれ詳しく説明する。
本体シート200は、図1、3に示されるように、主に、基層210およびバリア層220から構成され、複数の凹部230を有する。また、この本体シート200は、透明性を有することが好ましい。封止部材300がヒートシールされた本体シート200は、基層210側で封止部材300と密着している。
ここで、前記透明性とは、本体シート200を介して封止部材300を視認できる程度に透明であればよいが、JIS K 7361に準拠して測定された全光線透過率80%以上、かつ、ヘイズ値30%以下であればより好ましい。
なお、本体シート200は、バリア層220を備えず、特定気体および/または光に対してバリア性を有する基層210のみから構成されてもよい。
更に、当該樹脂に、水蒸気を吸収する材料として、シリカゲル、ゼオライト、ミョウバンなどを練り込むことが好ましい。これにより、外部からの水蒸気をバリアするだけでなく、包装内部の水分も除去することができる。
このバリア層220を有する本体シート200にかかる透湿度は、10g/m2・24h以下であることが好ましく、5g/m2・24h以下であることがより好ましい。なお、この本体シート200の透湿度の測定は、本体シート200の材料となるシート(以下、「材料シート」という)の透湿度をJIS Z 0208に準拠して測定することによって行われる。この材料シートの厚みは、凹部230が形成される前の本体シート200の厚みと同じである。
また、酸素を吸収する材料として、還元鉄、亜硫酸塩などの無機化合物に、必要に応じて反応促進剤としてハロゲン化金属を添加したのもの;アスコルビン酸、MXD6ナイロン、二重結合系ポリマー(不飽和ポリオレフィン系樹脂など)、シクロヘキセン基をもつポリマーなどの有機化合物に、必要に応じて反応促進剤として遷移金属触媒(コバルト塩など)を添加したものを用いることができる。これにより、外部からの酸素をバリアするだけでなく、包装内部の酸素も除去することができる。
このバリア層220を有する本体シート200にかかる酸素透過度は、10cm3/m2・24h・atm以下であることが好ましく、1cm3/m2・24h・atm以下であることがより好ましい。なお、この本体シート200の酸素透過度の測定は、材料シートの酸素透過度をJIS K 7126 Bに準拠して測定することによって行われる。この材料シートの厚みは、凹部230が形成される前の本体シート200の厚みと同じである。
1つの凹部230の内部空間に、患者が1回あたりで服用する薬剤T1〜T3が収納される。すなわち、薬剤T1〜T3は、凹部230に収納されることで一包化される。これにより、患者が薬剤の個数や種類を間違えて服用することを防ぐことができる。
封止部材は、錠剤包装体を開封する際に剥離される部分であって、錠剤包装体の蓋材に相当する。図2、3に示されるように、封止部材300は、金属層310を含む。好ましくは金属層310と易剥離層330を含み、より好ましくは、金属層310、接着剤層320、易剥離層330およびヒートシール層340から構成される。より好ましくは、各層310、320、330、340は、この順で積層されている。金属層を含むことで、封止部材において十分に、特定気体(例えば、水蒸気や酸素等)および/または光に対してバリア性を有することができる。また、後述するように、金属層を破ることで、簡単に錠剤を取り出すことや、易剥離層を含むことで、簡単に錠剤包装体を開封し、錠剤をとりだすこともできる。この封止部材300は、本体シートの凹部以外の部分において接着されていてもよいが、好ましくは、めくり部350と、強シール部(剥離止部)360と、スリット370とを有する(図2参照)。本体シートの凹部以外の部分において接着された形態である場合、凹部に圧力を加えて錠剤を押すか、若しくは封止部材300を簡単に破って錠剤を取り出すことができる。また、本体シート200にヒートシールされた封止部材300は、ヒートシール層340側で本体シート200と密着し、本体シート200から易剥離可能であることが好ましい。
また、凝集破壊しやすくするために、易剥離層330の材料には、前記主成分と相溶しにくい副成分が混ぜられることが好ましい。このような副成分として、スチレン系樹脂、例えば、ポリスチレンまたはポリアクリルスチレン等が用いられる。
ヒートシール時の伝熱および剥離強度の観点から、易剥離層330の厚みは、5μm以上100μm以下であることが好ましい。
めくり部350は、例えば、本体シート200の少なくとも一方の端部に設けられ、更に、隣り合う凹部230、230の間であって、各凹部230を介して、強シール部360と対峙する位置に設けられる。より具体的には、平面視において、めくり部350は、縦方向Hに沿って、夜用の凹部230の左側部分、および朝用の凹部230と昼用の凹部230との間に形成される。
(第1のケース)
錠剤包装体メーカーは、製造した本体シート200の材料シートを分包機メーカーに供給する。分包機メーカーは、本体シート200の材料シート、封止部材300、シール機、および加熱プレス装置を、病院および調剤薬局などに供給する。病院および調剤薬局などは、本体シート200の材料シートを加熱プレス装置で加熱プレスして凹部230を形成し、本体シート200を得る。そして、病院および調剤薬局などは、薬剤T1〜T3を収納した本体シート200に、封止部材300をシール機でヒートシールし、錠剤包装体100を得る。なお、分包機メーカーは、本体シート200を形成して、本体シート200、封止部材300、およびシール機を病院および調剤薬局などに供給してもよい。
錠剤包装体メーカーは、製造した本体シート200の材料シートを病院および調剤薬局などに直接供給する。分包機メーカーは、封止部材300、シール機、および加熱プレス装置を病院および調剤薬局などに供給する。病院および調剤薬局などは、本体シート200の材料シートを加熱プレス装置で加熱プレスして凹部230を形成し、本体シート200を得る。そして、病院および調剤薬局などは、薬剤T1〜T3を収納した本体シート200に、封止部材300をシール機でヒートシールし、錠剤包装体100を得る。なお、分包機メーカーではなく錠剤包装体メーカーが、封止部材300を病院および調剤薬局などに直接供給してもよい。
錠剤包装体メーカーは、製造した本体シート200および封止部材300を分包機メーカーに供給する。分包機メーカーは、シール機を病院および調剤薬局などに供給する。病院および調剤薬局などは、薬剤T1〜T3を収納した本体シート200に、封止部材300をシール機でヒートシールし、錠剤包装体100を得る。なお、錠剤包装体メーカーではなく分包機メーカーが、封止部材300を病院および調剤薬局などに供給してもよい。
錠剤包装体メーカーは、製造した本体シート200、封止部材300およびシール機を病院および調剤薬局などに供給する。病院および調剤薬局などは、薬剤T1〜T3を収納した本体シート200に、封止部材300をシール機でヒートシールし、錠剤包装体100を得る。
前記第1〜4のケースにおいて記載される病院および調剤薬局は、例えば、医薬品メーカーや食品メーカー等であることもできる。
錠剤包装体100は、1個の凹部230に複数個の薬剤T1〜T3を収納することで、薬剤T1〜T3を一包化することができる。また、錠剤包装体100は、前記本体シート200が、外部から侵入する特定気体および光の少なくとも一方の透過を制限するバリア性を有するため、保管中に薬剤T1〜T3が変質することを抑制することができる。そのため、錠剤包装体100は、薬剤T1〜T3を長期間保管することができる。
(A1)
図4に示されるように、錠剤包装体(包装シート)100aの本体シート200aは、区切り部240で区切られた複数の区画を有する凹部231、232を有していてもよい。凹部231は、1個の薬剤T1を収納する区画、および2個の薬剤T2を収納する区画の2つの区画を有する。凹部232は、1個の薬剤T1を収納する区画、1個の薬剤T2を収納する区画、および1個の薬剤T3を収納する区画の3つの区画を有する。なお、凹部231、232の区切り部240は、封止部材300にヒートシールされてもよいし、ヒートシールされなくてもよい。
図5に示されるように、錠剤包装体(包装シート)100bの本体シート200bは、平面視において、丸形の形状である朝用の凹部230、三角形の形状である昼用の凹部233、および四角形の形状である夜用の凹部234を有していてもよい。錠剤包装体100bでは、凹部230、233、234の形状がそれぞれ異なる。そのため、患者は、薬剤T1〜T3を服用する時期をより確認しやすい。
図6に示されるように、錠剤包装体100cの封止部材300cは、強シール部360に代えて、凹部230を介して、スリット370と直交し、スリット371と対峙するように、縦方向Hに沿って形成される切り込みであるスリット372を有していてもよい。スリット372は、平面視において、昼用の凹部230と夜用の凹部230との間、および曜日の記載と朝用の凹部230との間に形成される。各凹部230の周囲にスリット370、371、372が設けられることによって、封止部材300cは、各凹部230に対応するように(各凹部230毎に)分割される。
封止部材300は、金属層310のみから構成されてもよい。
錠剤包装体100では、凹部230の個数は、単数であってもよい。また、凹部230は、錠剤包装体100の曜日などの記載に対応するようになっていれば、横方向Wおよび縦方向Hに沿って、任意の個数ずつ配置されてもよい。
錠剤包装体100では、1個の凹部230に収納される薬剤T1〜T3の個数は、複数である。また、1個の凹部230に収納される薬剤T1〜T3の種類は、1種であってもよいし、複数種であってもよい。また、薬剤T1〜T3は、錠剤に代えて、カプセル剤、丸剤、または顆粒剤などであってもよい。
錠剤包装体100では、薬剤T1〜T3を服用する曜日、時間帯および日付の少なくとも1つが、凹部230にそれぞれ対応するようにして記載されていればよい。また、本体シート200および封止部材300の少なくとも一方に、凹部230に収納された薬剤T1〜T3を服用する曜日などが記載されていればよい。
封止部材300ではなく本体シート200が、接着剤層320、易剥離層330、およびヒートシール層340といったヒートシールに必要な層を有していてもよい。この場合、本体シート200が封止部材300にヒートシールされる。
包装シート100は、封止部材300を本体シート200から易剥離させてから薬剤T1〜T3を取り出すものであっても、封止部材300を突き破ってから薬剤T1〜T3を取り出すものであってもよい。
本実施形態において、錠剤包装体(包装シート)400は、図7〜9に示されるように、主に、本体シート410および封止部材420から構成される。以下、錠剤包装体400の各構成について、それぞれ詳しく説明する。
本体シート410は、ロール状に巻き取り可能な帯状、すなわち、幅が一定の長尺シートであり、中空円筒状に巻き重ねることができる。
本実施形態の錠剤包装体は、保管または搬送時に、ロール状に巻き重ねることができるため、隙間が小さくなり省スペース化される。このため、保管または搬送時のコストを削減することができる。
本体シート410は、前記第一の実施態様と同様に、図8に示されるように、主に、基層411およびバリア層412から構成される。基層411およびバリア層412は、各々、前記第一の実施態様の基層210およびバリア層220と同様にして形成されるため、詳細な説明を省略するが、バリア層220は水蒸気バリア層または酸素バリア層である。
本体シート410の厚みは、特に限定されるものではないが、30μm以上800μm以下が好ましく、50μm以上600μm以下がより好ましく、100μm以上400μm以下が最も好ましい。本体シート410の厚みが前記範囲内であることにより、凹部413の潰れまたは破れを防止できると共に、本体シート410に良好なバリア性を付与することができる。一方で、本体シート410の厚みが800μmよりも厚い場合、錠剤包装体400または本体シート410はロール状に巻き取りにくくなる傾向にある。
長手方向に隣り合うスリット415、415の間隔は、凹部413のサイズによって適宜設定される。
封止部材420は、図8に示されるように、金属層422を含む。好ましくは金属層422および密着層(接着剤層)421を含む。ここで、本実施態様における密着層421は、易剥離層としても機能する。金属層422は、特に限定されないが、アルミ箔であることが好ましい。封止部材420は、本体シート410に取り付けられたとき、凹部413の開口を覆うように本体シート410に密着している。このとき、封止部材420の密着層421は、本体シート410の基層411に密接している。この封止部材420の厚みは、特に限定されるものではないが、10μm以上1000μm以下が好ましく、20μm以上500μm以下がより好ましい。
また、本体シート410は、上述の樹脂をT−ダイ押出し成形、インフレーション押出成形、カレンダー成形などの常法により製造することができる。
本実施形態に係る錠剤包装体400は、公知のPTP(Press Through Package)シート製造方法を利用して製造することができる。まず、本体シート410を周知のPTP成形装置で加熱プレスする。この加熱プレスによって本体シート410に凹部413が形成される。
(工場で薬剤が収容される場合)
工場において薬剤T10、T20が錠剤包装体400に収容される場合、工場において薬剤T10、T20が収容された錠剤包装体400は、リール500に巻き取られた状態で保管され、薬局または病院などに搬送される(図7参照)。錠剤包装体400は、ロール状に巻き取られることによって、該錠剤包装体400同士が互いに覆い被さって封止部材420を保護することになり、封止部材420が破れることを抑制することができる。なお、錠剤包装体400は、リール500を用いずに、ロール状に巻き重ねられてもよい。
薬局または病院などで薬剤T10、T20が錠剤包装体400に収容される場合、工場において本体シート410のみがリール500に巻き取られて保管される。リール500に巻き取られた本体シート410は、薬局または病院などに搬送される。また、封止部材420、および薬剤T10、T20は、本体シート410とは別に薬局または病院などに搬送される。
以上のように、本実施形態に係る錠剤包装体400は、大量の該錠剤包装体400を保管または搬送するとき、ロール状に巻き取られた状態にすることで、隙間が小さくなり省スペース化される。このように、錠剤包装体400は、省スペースで保管または搬送を行うことができるので、保管または搬送する際のコストを低減させることができる。また、錠剤包装体400は、凹部413の内部空間が密封されているので、バリア性が高く、薬剤T10、T20を長期間保管することができる。
(A2)
図11に示されるように、錠剤包装体400aの本体シート410aでは、凹部413aは、複数個の同一種類の薬剤が深さ方向に重ねて収容可能なサイズで形成されることができる。凹部413aのサイズは、収容される薬剤のサイズに応じて適宜設定されるが、例えば、縦10mm、横10mm、深さ13.5mmのサイズで形成され、3個の薬剤T10が凹部413aの深さ方向に重ねて収容される。このような構成にすることにより、複数個の同一種類の薬剤をパッゲージする際の省スペース化をより促すことができる。
凹部413aが形成される前の本体シート410aの厚みは、凹部413aを形成する際の延伸倍率および錠剤包装体400aのバリア性を考慮すると、例えば、90μm以上800μm以下が好ましい。
図12に示されるように、錠剤包装体400bは、凹部413bが幅方向に2列に並んで配置されるものであってもよい。さらに、凹部413bは、底壁を有する円筒形の形状で、例えば、直径30mm、深さ4.5mmのサイズで形成される。また、凹部413bでは、薬剤T10、T20が凹部413bの底壁の平面上に並べて収容される。
バリア層412は、単層構造、あるいは、複層構造(例えば、水蒸気バリア層と酸素バリア層とからなる二層構造)とすることができる。
密着層421は、封止部材420に設けられるのではなく、本体シート410に設けられてもよい。この場合、密着層421は、基層411のバリア層412が設けられている側と反対側に配置される。また、封止部材420は、バリア層422のみとなる。
凹部413を設ける間隔は、等間隔ではなく、狭い間隔と広い間隔とが交互となるように設けられているもの等であってもよい。
スリット415の切り込みは、本体シート410を貫通していないもの、例えば、切り込みの深さが本体シート410の厚みの半分程度のもの(ハーフカット)等であってもよい。
次に、本発明の第三の実施態様に係る錠剤包装体(包装シート)400cについて説明する。上記の第二の実施態様に係る錠剤包装体400はPTP包装のものであったが、この第三の実施態様に係る錠剤包装体400cは易剥離包装(イージーピ―ル包装)のものである点で相違する。なお、上記の第二の実施態様と同じ構成については、第二の実施態様と同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
図13に示されるように、錠剤包装体400cの封止部材420cは、主に、金属層423を含む。イージーピール方式で開封する場合は、金属層423と易剥離層425を含み、より好ましくは、接着剤層424、易剥離層425およびヒートシール層426を含む。また、蓋材を破って薬を取り出す場合は、金属層とヒートシール層を含む。
上記の第二の実施態様と同様にして、凹部413が形成された本体シート410を得る。次に、本体シート410の凹部413の内部空間に、例えば、患者が1回あたりに服用する薬剤T10、T20を収容する。そして、薬剤T10、T20を収容した本体シート410に封止部材420cを熱融着させて取り付け、凹部413の内部空間を密封する。最後に、スリッタ刻印装置で本体シート410と封止部材420cとにスリット415を形成し、錠剤包装体400cを得る。なお、これら一連の作業は、連続的に実施することができる。
以上のように、本実施形態に係る錠剤包装体400cでは、封止部材420cは本体シート410から易剥離するように本体シート410に密着されるので、患者は錠剤包装体400cから薬剤T10、T20を容易に取り出すことができる。
(A3)
封止部材420cは、易剥離層425がシール機能を有する場合、ヒートシール層426を備えていなくてもよい。
図15に示すように、錠剤包装体601は、主に透明性を有する凹部603aを含む底部(本体シート)603および凹部を封止する封止部材602を有する。
前記基材としては、特に限定されないが、前記第一の実施態様の基層210と同様に形成させることができる。基材の厚みは、30μm以上1000μm以下であることが好ましく、50μm以上、800μm以下であることが更に好ましい。
以上のように、本実施の形態に係る錠剤包装体601においては、複数個の錠剤701、702、703を凹部603aに収容することができる。したがって、錠剤701、702、703を取り出す作業を1度行うことで、必要な複数種の錠剤701、702、703を一度に取り出すことができ、患者が錠剤の種類および個数を間違えて服用することを防ぐことができる。また、封止部材602が、線シールであることから、複数個の錠剤を含められる容量を確保し、十分な密閉性を確保し、一方でイージーピール方式からなるので、お年寄り又は手先の不自由な患者であっても、容易に複数個の錠剤701、702、703を取り出し、服用することができる。
錠剤包装体601において、封止部材602は、接着部606において、開封開始の際の剥離強度が、開封途中の剥離強度より低いことが好ましく、例えば接着部(開封途中部分)606aの剥離強度より接着部(開封開始部分)606bの剥離強度が小さいことが好ましい。このような設計とすることで、お年寄り又は手先の不自由な患者が力不足で開封できないという問題を防止することができる。
180度ピール測定により決定される開封開始部分606bの剥離強度は0.001N以上6N以下が好ましく、0.009N以上3N以下が特に好ましい。前記下限値以上であることにより、保管時に誤って開封されることを十分防ぐことができ、前記上限値以下であることにより、お年寄り又は手先の不自由な患者、力の弱い方であっても確実に開封が可能である。一方、開封途中部分606aの剥離強度は0.003N以上30N以下が好ましく、0.01N以上15N以下が特に好ましい。前記好ましい範囲内であることにより、お年寄り又は手先の不自由な患者、力の弱い方であっても確実に開封が可能となると共に、錠剤包装体の十分な密閉性を確保し、予期せぬ開封を防ぐことができる。
錠剤包装体601において、封止部材602の接着部606において、開封開始地点の接着領域の幅をAとし、開封終了地点の接着領域の幅Bとしたとき、A<Bを満たすことが好ましい。このような設計とすることで、お年寄り又は手先の不自由な患者が力不足で開封できないという問題を防止することができる。
錠剤包装体601において、封止部材602と、凹部603aの縁であるピール不可部としての接着部(剥離止部)605とは、剥離しないことが好ましい。このような構成とすることにより、蓋部602と凹部603aとの分離を防止したり、蓋部602と凹部603aとの剥離を容易にしたりすることができる。その結果、開封性を高めつつ、凹部603a内の錠剤を服用する際に、封止部材602を誤飲することを防止できる。
また、錠剤包装体601の集合体600は、凹部603aが複数設けられ、凹部603a毎に凹部603aの周囲に切り溝610が設けられ、凹部603a毎に分離可能に形成されている。この場合、複数の凹部603aの凹部603a毎に周囲に切り溝610が設けられるので、凹部603a毎に分離することができる。また、錠剤包装体610を必要な個数または自由な個数を持ち歩くことができ、利用者の利便性を高めることができる。さらに、凹部603a毎の大きさを、人体の咽喉の通過が困難なサイズとすることにより、誤飲を防止することができる。
また、錠剤包装体601の集合体600において、錠剤包装体601の封止部材602は、凹部603a毎に設けられている。集合体600において、凹部603aと封止部材602が各々複数個設けられ、1つの凹部603aの開口に対して、1つの封止部材602が封着される。この場合、凹部603a毎に蓋部としての封止部材602が設けられているので、凹部603a毎に開封を行うことができる。
また、錠剤包装体601において、凹部603aの高さ(深さ)H2は、収納される薬剤の中で最も高い薬剤の高さ以上、かつ、最も低い2個の薬剤の組み合わせの高さ以下であることが好ましい。つまり、凹部603aの高さは、錠剤701、702、703の高さ以上で錠剤701、702、703のうちいずれか2個分の高さ以下であることが好ましい。このように設計することで、錠剤701、702、703が凹部603aの中において、重なることを防止することができる。このため、凹部603a内の錠剤有無検査を画像処理化することが容易となる。
錠剤包装体601において、封止部材602は、凹部603aの周囲の一部にピール不可部として接着部(剥離止部)605を有することが好ましい。このように設計することで、封止部材602を開封した際に、凹部603aと封止部材602とが分離せず、凹部603a内の錠剤701、702、703を服用する際に、封止部材602を誤飲することを防止することができる。
錠剤包装体601において、封止部材602は、巻回性を有し、凹部603aから封止部材602を剥離する際に封止部材602が反り形状となる。したがって、開封後の封止部材602が開口近傍に位置しないため、複数の錠剤701、702、703を容易に取り出し内服することができる。
200、200a、200b 本体シート
230、231、232、233、234 凹部
300、300c 封止部材
400、400a、400b、400c 錠剤包装体
410、410a 本体シート
413、413a、413b 凹部
415 スリット
420、420c 封止部材
T10、T20 薬剤
600 錠剤包装体の集合体
601 錠剤包装体
602 蓋部(封止部材)
603a 凹部
603 底部(本体シート)
604 非接着部(めくり部)
605 接着部(剥離止部)
606 接着部
606a 接着部(剥離途中部分)
606b 接着部(剥離開始部分)
610 切り溝(スリット)
701、702、703 錠剤(薬剤)
Claims (14)
- 複数個の薬剤が収納可能な大きさを有する少なくとも一つの凹部を有する本体シートと、
前記凹部の開口を覆うように前記本体シートにシールされる封止部材とを有し、
前記封止部材が金属層を含み、
前記本体シートは特定気体および光の少なくとも一方に対してバリア性を有する錠剤包装体。 - 前記封止部材は、前記凹部が開口されるように前記本体シートの少なくとも一部から易剥離可能である請求項1に記載の錠剤包装体。
- 前記本体シートは、複数個の前記凹部を有し、
前記本体シートおよび前記封止部材の少なくとも一方には、前記凹部に収納された前記薬剤を服用する曜日、時間帯および日付の少なくとも1つが、前記凹部にそれぞれ対応するようにして記載される請求項1または2に記載の錠剤包装体。 - 前記凹部は、複数の区画を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
- 前記本体シートは、ロール状に巻き取り可能な帯状であり、
前記凹部は、少なくとも前記本体シートの長手方向に沿って複数設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の錠剤包装体。 - 前記本体シートには、幅方向にスリットが形成されている請求項5に記載の錠剤包装体。
- 前記封止部材が、線シールにより封止されていることを特徴とする請求項1または2に記載の錠剤包装体。
- 前記封止部材を開封する際の剥離強度が、開封途中の剥離強度より低い請求項7に記載の錠剤包装体。
- 開封開始地点の接着領域の幅をAとし、開封終了地点の接着領域の幅をBとしたとき、A<Bを満たす請求項7または8に記載の錠剤包装体。
- 前記封止部材は、前記凹部の縁の一部において、剥離しないことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
- 前記凹部は複数設けられ、前記本体シートと前記封止部材には、前記凹部毎に前記凹部の周囲に溝または切れ目が設けられ、前記凹部毎に分離可能に形成されている請求項7〜10のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
- 前記封止部材は、前記凹部毎に設けられている請求項7〜10のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
- 前記凹部の高さは、前記薬剤の高さ以上で、前記薬剤2個分の高さ以下である請求項7〜12のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
- 前記封止部材は、巻回性を有し、前記凹部から前記封止部材を剥離する際に前記封止部材が巻回されることを特徴とする請求項7〜13のいずれか1項に記載の錠剤包装体。
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