JP2000281130A - ブリスター包装体、底材および樹脂シート - Google Patents

ブリスター包装体、底材および樹脂シート

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JP2000281130A
JP2000281130A JP11088304A JP8830499A JP2000281130A JP 2000281130 A JP2000281130 A JP 2000281130A JP 11088304 A JP11088304 A JP 11088304A JP 8830499 A JP8830499 A JP 8830499A JP 2000281130 A JP2000281130 A JP 2000281130A
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blister package
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sheet
resin
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English (en)
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Masanao Watanabe
正直 渡辺
Makoto Wakabayashi
信 若林
Suehiro Yoshikawa
末廣 吉川
Tatsuyuki Iwasaki
竜之 岩崎
Kunihiko Ito
国彦 伊藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PTPシート並みに簡便性が高く、しかも、
包装体ごと誤飲したとしても食道や胃壁などを傷つけな
い固形薬剤用の包装体、そのための包装材料および予備
成形体を提供する。また、簡便性および誤飲時の安全性
が高いうえ、廃棄適性に優れた或いは大入り包装として
利用できるブリスター包装体を提供する。 【解決手段】 樹脂シートにポケット部3を設けた形状
を有しており、且つ、引張弾性率が6000kg/cm
2以下あるいは硬度を評価するための所定の代用特性試
験で測定した最大荷重が20g以上である底材1の前記
ポケット部3に、錠剤4などを収納し、その上にフィル
ム状又はシート状の蓋材2を剥離可能な接着強度で接着
した、プルオープン可能なブリスター包装体101であ
る。蓋材にアルミ箔を用いず、或いは底材と蓋材を塩素
を含有しない素材で形成することにより廃棄適性を向上
させる。また、長い連続シート状のブリスター包装体を
作製し、リール状に巻き取って大入り包装の代用として
も使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用の固形薬
剤、例えば医療機関においてもっぱら医師により使用さ
れる固形医薬品、薬局において一般ユーザーが直接購入
し使用する固形医薬品或いは固形診断薬などの包装体お
よび当該包装体に用いられる包装材料に関する。より詳
しくは、このような医療分野で用いられる固形薬剤のな
かでも、特に錠剤やカプセル剤などの経口用固形薬剤を
包装するのに適したブリスター包装体、当該ブリスター
包装体に用いられる包装材料および底材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】錠剤やカプセル剤などの経口用医薬品の
包装体としては、PTP(プレススルーパック)シート
が広く用いられている。PTPシートは、プラスチック
シートをエンボス加工などの方法で部分的にへこませる
ことにより上面側に開口し下面側に膨隆するポケット部
を複数形成した底材を用い、各ポケット部に固形薬剤を
収納し、底材の上面側にアルミ箔などのプッシュ方向の
力で破断しやすいフィルム状の蓋材を貼り合わせてポケ
ット部をシールしたものである。PTPシートの下面側
からポケット部を指で押すと、当該ポケット部がつぶ
れ、収納されていた固形薬剤が蓋材を突き破って出てく
るので、薬剤を取り出すことができる。
【0003】PTPシートは、調剤や患者への配布など
の点で使用上の簡便性が高い。しかしながら、薬剤の服
用者が当該薬剤をPTPシートごと誤飲した時に、PT
Pシートによって食道や胃壁等の消化管を傷つけるとい
う問題がある。月刊薬事,Vol. 40,No.12 (1998),5
7-61に記載されているように、日本国内においては19
96年以降、PTPシートの横方向にだけスリット又は
ミシン目を入れることで当該PTPシートを2錠分ごと
に分割させるようにし、取り出し図および注意書きも統
一されたが、誤飲事故を根本的に解決するまでには至っ
てない。
【0004】PTPシートは、通常、ポリ塩化ビニル又
はポリプロピレンのシートを成形してポケットを設けた
底材と、プッシュ方向の力による破断性が適度で防湿性
にも優れているアルミ箔を基材層とし、その基材層の片
面にシーラント層を設けたフィルム状の蓋材を組み合わ
せて作製される。しかしながら、近年、ポリ塩化ビニル
を焼却すると塩素系ガスが発生しやすいこと、および、
アルミ箔を完全に焼却するのは困難であることが問題に
なっている。また、PTPシートの底材と蓋材は強固に
接着していて、開封後に分別廃棄または分別回収するこ
とが困難である。このため、月刊薬事,Vol. 40,No.1
2 (1998),39-46には、ポリ塩化ビニルの底材からポリ
プロピレンの底材に切り替わる傾向があること、およ
び、アルミ箔を含まない蓋材が少数の製品について実用
化され始めたことが報告されている。また、特開平10
−24960号にもアルミ箔を含まない蓋材と、その製
造方法が記載されている。
【0005】このように、ポリ塩化ビニルやアルミ箔の
使用を避ける試みがなされている。しかしながら、ポリ
塩化ビニルの底材がプッシュ適性に優れ、アルミ箔の蓋
材が適度な破断性を有していることから、この両者を組
み合わせた時には優れた開封性が得られる。また、この
両者の組み合わせは加工適性に優れ、さらにはコスト上
のメリットもある。また、Pharm. Tech. Jpn. Vol.
14, No.8 (1998),p7-13 において、アルミ箔を含ま
ない蓋材は印刷適性に劣り、その両面に表示印刷できな
いことが指摘されている。従って、ポリ塩化ビニルの底
材とアルミ箔の蓋材の相性は非常によく、上記の如き問
題があるにもかかわらず、現時点においてはこの両者を
組み合わせたPTPシートが主流になっている。
【0006】PTPシートは、通常、10錠分程度のサ
イズに裁断され、裁断された複数枚のPTPシートが袋
や箱に詰められて製品の出荷形態をなしている。錠剤や
カプセル剤の別の包装形態としては、500錠ないし1
000錠程度の単位でガラス瓶、高密度ポリエチレンボ
トルあるいは金属缶などに封入した大入り容器がある。
個々の患者に合わせて適切に選択された数種類の薬剤
を、それぞれの大入り容器から必要な数だけ取り出し
て、それを一回服用分ずつ再包装することができる。
【0007】一つの医療機関又は薬局に、同じ薬剤のP
TPシートと大入り容器を両方とも用意しておいて、薬
剤の処方に応じて使い分けるのが理想的であるが、それ
では薬剤の管理が煩雑になってしまう。このため、医療
機関又は薬局のなかには、大入り容器の使用をあきらめ
てPTPシートしか購入しないところがある。また、医
療機関又は薬局のなかには、医療従事者が購入したPT
Pシートの一部をわざわざ開封して内容物を瓶などに集
め、これを市販の大入り包装の代わりに使用するところ
もあるが、PTPシートから大量の錠剤又はカプセル剤
を一つずつ押し出すのは非常に骨の折れる作業である。
【0008】PTPシートは、ブリスター包装の一種で
ある。PTPシート以外のブリスター包装としては、プ
ルオープンタイプのものがある。プルオープンタイプの
ブリスター包装体は、プラスチックシートをエンボス加
工して一つ又は複数のポケット部を設けた蓋材の当該ポ
ケット部に内容物を詰めて、その開口部を柔軟なフィル
ム状の蓋材を用いて剥離可能な接着強度でシールしたも
のである。この形式のブリスター包装体は、蓋材を底材
から引き剥がして開封し、内容物を取り出す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、調
剤、配布、開封、内容物の取り出しなどの点で簡便性が
高く、しかも、包装体ごと誤飲したとしても食道や胃壁
などの消化管を傷つけることの少ない固形薬剤用の包装
体、そのための包装材料および予備成形体を提供するこ
とにある。
【0010】本発明の第二の目的は、上記のように調
剤、配布、開封、内容物の取り出しなどの簡便性および
誤飲時の安全性が高いうえ、さらに廃棄する際の不都合
が少ない固形薬剤用の包装体、そのための包装材料およ
び予備成形体を提供することにある。
【0011】本発明の第三の目的は、上記のように調
剤、配布、開封、内容物の取り出しなどの簡便性および
誤飲時の安全性が高いうえ、さらに大入り包装のよう
に、裸の固形薬剤を必要な数だけ容易に取り出すことの
できる固形薬剤用の包装体、そのための包装材料および
予備成形体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】プラスチックシートの弾
性(ヤング率)はANSI/ASTM D 638に規
定されており、その規定において、低速の引張試験の初
期(5%のび)がフックの法則に従っており、低速の初
期引張試験の測定値を100%応力に換算した時にヤン
グ率を表す旨が解説されている。また、JIS K71
27にも同等の規定が引張弾性率として記載されてい
る。
【0013】上記課題を解決するために本発明において
は、JIS K7127により規定される引張弾性率が
6000kg/cm2以下であることを特徴とする、医
療用固形薬剤のブリスター包装用樹脂シートを提供す
る。また、本発明においては、樹脂シートの90度切削
角を厚さ15μmの軟質アルミ箔を3枚重ねた積層体に
垂直に押し当てて貫通させる代用特性試験において、貫
通時の最大荷重が20g以上となるか、または前記樹脂
シートが折れ曲がり前記積層体を貫通しないことを特徴
とする、医療用固形薬剤のブリスター包装用樹脂シート
も提供する。
【0014】本発明においては、上記のような樹脂シー
トを部分的に陥没させて、当該樹脂シートの上面側に開
口し、当該樹脂シートの下面側に膨隆し、固形薬剤を収
納可能なポケット部を設けた形状を有している底材も提
供される。さらに本発明においては、そのような底材の
ポケット部に、医療用固形薬剤が収納されており、当該
底材の上面にフィルム状の蓋材が被覆され剥離可能な接
着強度で接着されていることを特徴とする、プルオープ
ン可能なブリスター包装体も提供する。
【0015】本発明の固形薬剤用ブリスター包装体に用
いられる底材および底材用樹脂シートは、ブリスター包
装体が誤飲された時に服用者の消化管内壁へのダメージ
が少なくなるように、当該樹脂シートまたは底材の引張
弾性率が6000kg/cm 2以下となるような、或い
は、当該樹脂シートの90度切削角を厚さ15μmの軟
質アルミ箔を3枚重ねた積層体に垂直に押し当てて貫通
させる代用特性試験において、貫通時の最大荷重が20
g以上となるか、または前記樹脂シートが折れ曲がり前
記積層体を貫通しない程度の軟質性を備えている。
【0016】本発明においては、底材および底材用樹脂
シートの形状保持性および成形性を確保するために、引
張弾性率を700kg/cm2以上とするのが好まし
い。
【0017】本発明のブリスター包装体の蓋材を一端か
ら引き剥がすことにより、ポケット部を開封することが
できる。本発明のブリスター包装体は、品質保護、調
剤、配布、開封、内容物の取り出しなどの点で、PTP
シート並みに簡便性が高く、しかも、包装体ごと誤飲し
たとしても食道や胃壁などの消化管を傷つけることが少
ない。
【0018】本発明のブリスター包装体は、開封すると
底材と蓋材が完全に分離するので、分別廃棄および分別
回収が可能である。また、本発明のブリスター包装体は
蓋材を引き剥がすプルオープンタイプなので、PTPシ
ートとは異なり、突き破り方向の破断性に優れているけ
れど焼却性が悪いという欠点のあるアルミ箔を蓋材とし
て用いなくてもよい。従って、廃棄物処理およびリサイ
クルの点で便利である。
【0019】ブリスター包装体のポケット部に隣接し
て、蓋材が底材に接着していない未シール部を設ける
と、この未シール部をきっかけにして蓋材を容易に剥離
することができる。
【0020】ブリスター包装体の底材に複数のポケット
部が設けられている場合には、各ポケット部の開口部を
前記未シール部により他のポケット部から隔離するよう
にして蓋材を底材に部分シールするのが好ましい。この
時、各ポケット部の開口部周囲を全周に亘ってリングシ
ールして密封するのが特に好ましい。
【0021】底材に対して蓋材を部分シールすると接着
面積が少ないので、比較的弱い力でも開封することがで
きる。また、未シール部によって各ポケット部を他のポ
ケット部から隔離すると、勢い余って次のポケット部ま
で一緒に開封してしまう事態を防止することができる。
【0022】特に、ポケット部をリングシールした場合
には、当該ポケット部の剥離が始まる部分と剥離が終了
する部分においては一度に剥離しなければならない面積
が大きく、途中部分では一度に剥離しなければならない
面積が小さい。このため、開封の初期には若干の力を必
要とするが、開封の途中では弱い力でも剥離し、開封が
完了したところで再び剥離抵抗が大きくなるので、各ポ
ケット部を円滑に開封することが可能で、しかも開封動
作を一錠分ごとに確実に停止させることができる。
【0023】さらに、本発明のブリスター包装体は可と
う性が大きく、長い連続シート状に形成することができ
る。あるいは、連続シート状のブリスター包装体をリー
ル状に巻き取ることができる。そして、本発明のブリス
ター包装体の蓋材を長手方向に引張り続けると、それほ
ど強い力を使わなくても多数のポケット部が順次開封さ
れ、一度に多数の固形薬剤を取り出すことができる。従
って、PTPシート並みに簡便性が高いうえに、大入り
包装の代用として使用することができる。
【0024】延伸樹脂フィルム又は延伸樹脂フィルムの
層を含んだ多層フィルムを蓋材として使用し、当該延伸
樹脂フィルムの延伸方向を、前記底材の長手方向に対し
て直角となるように方向合わせしておくと、蓋材がブリ
スター包装体の幅方向に裂けやすくなるので、ポケット
部をひとつだけ開封するのが容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のブリスター包装体は、医療用の固形薬剤
を包装するために利用される。本発明において「医療用
の固形薬剤」又は「医療用固形薬剤」とは、傷病の治
療、予防、診断のために医療機関又は家庭で用いられる
固形薬剤を意味しており、これに該当するものとして
は、例えば、日本の薬事法上、医療用医薬品ないし一般
用医薬品と称される薬剤のうち固形のものを例示するこ
とができ、典型的には経口用の錠剤およびカプセル剤を
例示することができる。
【0026】本発明の固形薬剤用ブリスター包装体に用
いられる底材は、平坦な樹脂シートを部分的に陥没させ
て、当該樹脂シートの上面側に開口し、当該樹脂シート
の下面側に膨隆し、固形薬剤を収納可能なポケット部を
設けた形状を有している。また、当該樹脂シートまたは
底材は、本発明のブリスター包装体が誤飲された時に消
化管内壁へのダメージが少なくなるように、JIS K
7127により規定される引張弾性率が6000kg
/cm2以下となるような軟質性、或いは、以下に述べ
るような代用特性試験において、当該樹脂シートの90
度切削角を厚さ15μmの軟質アルミ箔を3枚重ねた積
層体に垂直に押し当てて貫通させる代用特性試験におい
て、貫通時の最大荷重が20g以上となるか、または前
記樹脂シートが折れ曲がり前記積層体を貫通しない程度
の軟質性を備えている。
【0027】(代用特性試験)ブリスター包装体または
その底材が服用者に誤飲された場合に食道や胃などの消
化管内壁を傷つける可能性を評価するための樹脂シート
の硬度を測定する試験である。
【0028】本発明のブリスター包装体または既存のP
TP包装体が誤飲された場合には、底材の角部分(コー
ナー部分)が消化管、特に食道の内壁に突き刺さった
り、引っかかったりして傷付けるおそれが最も強いと考
えられる。
【0029】そこで、図10に示すように本発明のブリ
スター包装体または既存のPTPシートの底材を鋭利な
ハサミを使って幅5.0mm×長さ30.0mmの矩形
状に切断成形して、底材サンプル51を調製する。一
方、図11に示すように、直径5cmの穴53の空いた
板52の上に厚さ15μmの軟質アルミ箔54(一例と
して、引張強さ:平行が68N/mm2、直角が69N
/mm2、0.2%耐力:平行が26N/mm2、直角が
27N/mm2、伸び:平行が3.3%、直角が3.1
%のもの)を3枚重ねて固定して、食道内壁の簡易モデ
ル55を準備する。
【0030】そして図12に示すように、前記底材サン
プル51を、その直角の角部が2.5mm突出するよう
にプッシュプルゲージ56に挟みこんで装着する。この
底材サンプル51の角部を、食道内壁の簡易モデル55
の穴53がある部分に位置合わせし、アルミ箔54の表
面に向けて当接し、荷重をかけていき、アルミ箔の被覆
を貫通させる際に要した最大荷重(g)を測定する。こ
のような方法で、互いに種類の異なる底材サンプルにつ
いて最大荷重を測定し、サンプル同士間で貫通性を相対
評価することができる。
【0031】上記代用特性試験においては、最大荷重が
小さいサンプルほど鋭利であり貫通しやすく、消化管内
壁を傷付けやすいと評価することができる。
【0032】上記した引張弾性率または代用特性試験に
より規定される軟質の底材は、通常、上記範囲の引張弾
性率または代用特性試験の最大荷重を有する軟質な単層
又は多層樹脂シートをエンボス加工してポケット部を形
成することにより作製される。底材用の樹脂シートは、
PTP用底材と同様に真空成型または圧空成型すること
によりエンボス加工することが可能であるが、それ以外
に素材の柔軟性を生かしてプレス成型によりエンボス加
工を行うと、寸法精度および成形効率の点で有利であ
る。上記の底材は、上記範囲の引張弾性率または代用特
性試験の最大荷重を有する単層樹脂シートを形成し得る
軟質な樹脂を溶融し、射出成形して形成してもよい。
【0033】PTPシートを開封する場合には、ポケッ
ト部内の固形薬剤を押し出して蓋材を破断させることに
なるので、仮にPTPシートの底材が硬くてポケット部
の底を強い力で押し上げる必要があるとしても、固形薬
剤は蓋材の抵抗により開封部から半分程度突き出たとこ
ろで停止し、勢い余ってどこかへ飛んで行ってしまうよ
うなことは起きない。これに対して、本発明のブリスタ
ー包装体を開封する場合には、蓋材を引き剥がして開口
部を開放し、それから内容物を押し出すことになるの
で、もし、本発明のブリスター包装体の底材が硬すぎて
ポケット部の底を強い力で押し上げなければならないと
すると、固形薬剤は蓋材の抵抗が無いので、勢い余って
どこかへ飛んで行ってしまうおそれがある。そこで、本
発明で用いられる底材およびそのための樹脂シートは、
薬剤の取り出し時にポケット部を弱い力で容易に変形で
きるようにするためにも、引張弾性率が6000kg/
cm 2以下及び/又は上記代用特性試験で測定される最
大荷重が20g以上となるような軟質性を有しているこ
とが好ましい。
【0034】また、本発明で用いられる底材およびその
ための樹脂シートが軟らかすぎると自らの形状を保持す
ることができなくなったり、あるいは樹脂シートにポケ
ット部を形成する時の成形性が失われたりする。このた
め本発明においては、底材および樹脂シートの形状保持
性および成形性を確保するために、引張弾性率を700
kg/cm2以上とするのが好ましい。
【0035】本発明で使用する底材又はそのための樹脂
シートには、医療用固形薬剤を包装するのに使用した時
に衛生上の安全性を充分に確保できるものであることが
求められる。このため、例えば、厚生省告示20号に定
める規格に適合するか、又は、日本薬局方(好ましくは
最新の改正版であり、本願の出願時においては第13改
正日本薬局方が最新である)の輸液用プラスチック容器
試験法のポリエチレン製又はポリプロピレン製容器の項
に定める溶出物試験で規格に適合するものであることが
好ましい。
【0036】同じく内容物の品質保護性の観点から、本
発明で使用する底材又はそのための樹脂シートは、包装
すべき薬剤の耐湿性に応じてある程度の防湿性を有して
いる必要があり、PTPシートに現在広く用いられてい
るポリ塩化ビニル(透湿度は約4g/m2・day(4
0℃,90%RH))よりも防湿性に優れていることが
好ましい。通常は、底材の透湿度が約4g/m2・da
y以下であれば、防湿性の点では充分であるが、特に高
防湿性の包装が求められる場合には、底材の透湿度を1
g/m2・day以下とするのが好ましい。高防湿性の
樹脂としては、低結晶性ポリプロピレンのようなポリオ
レフィンを例示することができる。
【0037】PTPシートの底材に現在広く利用されて
いるポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンは、焼却する
と塩素系ガスを発生しやすい。本発明で使用する底材又
はそのための樹脂シートは、焼却しても塩素系ガスを発
生しない環境対応樹脂で形成されているのが好ましい。
底材を形成するのに好適な環境対応樹脂としては、低結
晶性ポリプロピレンのように塩素を含有していない軟質
樹脂を例示することができる。
【0038】上記の如き適度な軟質性、形状保持性およ
び成形性を備えた単層樹脂シート、2層以上の樹脂層を
有する多層樹脂シート、あるいはアルミニウム箔等の樹
脂以外の層を含んだ複合樹脂シートの中から適宜選択し
て、底材用の樹脂シートとして使用することができる。
【0039】具体的には、本発明における底材用の樹脂
シートとしては、低結晶性ポリオレフィンシート(特に
低結晶性ポリプロピレンシート)、ゴム状弾性を有する
樹脂のシート、ゴム状弾性を有する樹脂を他の樹脂に均
一に混合又は分散させた材料のシート、オレフィンとア
クリル酸を重合させた熱可塑性樹脂のシートなどの単層
シートを例示することができる。また、これらのうちの
いずれかの樹脂で形成されるシート又は層を、押し出し
ラミネーション、共押し出しラミネーション或いはドラ
イラミネーションなどの任意の方法で他の樹脂で形成さ
れるシート又は層と積層して引張伸度を調節した多層シ
ートも、底材用の樹脂シートとして使用することができ
る。
【0040】これに対して、PTPシートの底材として
使用されている可塑剤無添加の硬質塩化ビニルは、剛性
が高すぎて本発明における底材には向かない。また、軟
質塩化ビニルは可塑剤が溶出するおそれがあり、衛生上
の問題がある。汎用オレフィン樹脂、汎用スチレン樹脂
あるいは汎用アクリル樹脂なども、大部分のものは本発
明における底材としては剛性が高すぎる。軟質材料とし
てよく知られている天然ゴムまたは合成ゴムは、シート
化段階で加硫や硬化剤添加するので衛生上の問題があ
り、また、シート化した後にポケット成形する際に必要
な熱可塑性にも問題があるので、本発明における底材に
は向かない。
【0041】一方、本発明のブリスター包装体の蓋材と
しては、底材に対する適度な接着性と、底材から引き剥
がす時のイージーピール性と、底材から引き剥がす時に
破断しないある程度の引張強度を有する可とう性のフィ
ルムが用いられる。このような蓋材としては、例えば、
単層または多層の樹脂フィルム、あるいは樹脂以外の層
を含んでいる複合樹脂フィルムを使用することができ
る。
【0042】包装すべき薬剤の品質を保護する観点か
ら、本発明で使用する蓋材には、底材と同様に、医療用
固形薬剤を包装するのに使用した時に衛生上の安全性を
充分に確保できるものであることが求められる。このた
め、例えば、厚生省告示20号に定める規格に適合する
か、又は、日本薬局方(好ましくは最新の改正版であ
り、本願の出願時においては第13改正日本薬局方が最
新である)の輸液用プラスチック容器試験法のポリエチ
レン製又はポリプロピレン製容器の項に定める溶出物試
験で規格に適合するものであることが好ましい。
【0043】本発明のブリスター包装体においても、P
TPシートに広く用いられているようなアルミ箔の基材
にシーラント層を設けた蓋材を使用することができる
が、廃棄適性又は焼却容易性をよくするためにはアルミ
箔のような金属箔を使用せずに、樹脂フィルムを基材層
とし必要に応じてシーラント層を設けた樹脂フィルムを
蓋材として使用するのが好ましい。蓋材用の樹脂フィル
ムは、底材と同様に、焼却しても塩素系ガスを発生しな
い環境対応樹脂、例えば、ポリオレフィン樹脂やポリエ
ステル樹脂のような塩素を含有していない樹脂で形成す
るのが好ましい。
【0044】また蓋材は、包装すべき薬剤の耐湿性に応
じてある程度の防湿性を有していることが好ましい。通
常は、蓋材の透湿度が約1g/m2・day以下であれ
ば、防湿性の点では充分である。樹脂フィルムに金属又
は無機化合物の蒸着層を設けることにより、アルミ箔を
用いなくても蓋材に高防湿性を付与することができる。
特に、珪素酸化物や酸化アルミナなどの無機酸化物から
なる蒸着層を有する樹脂フィルムは、透明性、耐熱性、
耐屈曲性に優れており好ましい。本発明においては、底
材および蓋材ともに中身が確認できるように透明素材で
形成されているのが好ましい。また、蓋材用の樹脂フィ
ルムが蒸着層のような樹脂層以外の層を有する場合に
は、樹脂層を環境対応樹脂で形成するだけでなく、樹脂
層以外の層を含めた蓋材全体として充分に環境に配慮す
るのが好ましく、例えば、樹脂製蓋材中の蒸着層もまた
塩素を含有しない成分で形成するのが好ましい。
【0045】図1〜図4に、本発明のブリスター包装体
の一例(101)を示す。図1はブリスター包装体10
1の平面図、図2は底面図、図3は側面図、そして図4
はA−A断面図である。
【0046】ブリスター包装体101を構成する底材1
と蓋材2の素材は、上述したようなものの中から適宜選
択して使用することができる。廃棄時の焼却性をよくす
るためには、底材と蓋材は共にアルミ箔のような金属箔
の層を含んでいないことが好ましい。金属箔を使用しな
いとブリスター包装体の防湿性が不足しやすいが、底材
として低結晶性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹
脂で形成された樹脂シートを使用すると共に、蓋材とし
て金属又は無機化合物の蒸着層を有する樹脂フィルムを
使用することにより、高防湿性の包装体が得られる。無
機化合物の蒸着層は透明性を有しているので、内容物の
視認性を確保できて好ましい。また、焼却時の塩素系ガ
スの発生を防止するためには、底材と蓋材のいずれも塩
素を含有していない材料だけで形成されていることが好
ましい。
【0047】ブリスター包装体101は、樹脂シートを
部分的に陥没させて、当該樹脂シートの上面側に開口
し、当該樹脂シートの下面側に膨隆する中空のポケット
部3を設けた形状を有している底材1の各ポケット部3
に、内服用錠剤4を収納し、当該底材1の上面にフィル
ム状の蓋材2が被覆され且つ剥離可能な接着強度で接着
された構成となっている。底材1は適度に柔らかくて、
少なくとも次のうちのいずれか一つの物理的特性を備え
ている。 (1)JIS K7127により規定される引張弾性率
が6000kg/cm2以下、好ましくは700kg/
cm2以上6000kg/cm2以下であるか、または
(2)前記底材の90度切削角を厚さ15μmの軟質ア
ルミ箔を3枚重ねた積層体に垂直に押し当てて貫通させ
る代用特性試験において、貫通時の最大荷重が20g以
上となるか、または前記樹脂シートが折れ曲がり前記積
層体を貫通しない。
【0048】ブリスター包装体101の底材1にはポケ
ット部3が10個設けられており、各ポケット部は底材
の長手方向に沿って5個ずつ2列に等間隔で配列されて
いる。このような底材は、例えば、上記範囲の引張弾性
率または代用特性試験の最大荷重を有する平坦な樹脂シ
ートをブリスター包装体101のサイズに裁断し、プレ
ス成型、真空成型、圧空成型などの方法でポケット部を
形成することにより得られる。
【0049】蓋材2は、通常、ヒートシールにより底材
1に接着するが、シール方法は特に限定されるわけでな
く、例えば、コールドシールや粘着加工により蓋材をシ
ールしてもよい。図2に示すように、蓋材2は底材1に
部分シールされており、各ポケット部3は部分シール部
5によって密封されている。なお、内服用の錠剤、カプ
セル剤あるいはその他の内服用固形薬剤を包装する場合
にはポケット部3を密封するのが通常であるが、ポケッ
ト部に収納すべき固形薬剤によっては当該固形薬剤が包
装体から自然脱落しないようにシールするのであれば、
密封することを要しない。
【0050】ブリスター包装体101は、蓋材2の部分
シール部6によって各ポケット部3の周囲が完全にシー
ルされるように被覆されていると共に、例えば、ポケッ
ト部3aに対して未シール部6a、ポケット部3bに対
して未シール部6bのように、ポケット部に隣接し且つ
ブリスター包装体の端縁部に開放している未シール部が
どのポケット部にもそれぞれ割り振られている。蓋材2
の未シール部6は底材1に接着しておらず且つブリスタ
ー包装体の端縁からめくることができるので、この部分
をきっかけにして蓋材を容易に剥離し、ポケット部3を
開封することが可能である。また、どのポケット部にも
それぞれ隣接する未シール部が設けられているので、い
ずれのポケット部に対しても容易にアプローチすること
ができる。
【0051】本発明のブリスター包装体には、ブリスタ
ー包装体の部分的な切り離しを容易にするため或いはポ
ケット部の開封に便利なように、底材及び/又は蓋材に
ミシン目又はハーフカットのスリットを入れてもよい。
図1および図2に示すように、ブリスター包装体101
には、ポケット部6を各横列ごとに区切るようにブリス
ター包装体の横方向(幅方向)に伸びるミシン目7が入
れられている。このミシン目7は、底材1と蓋材2を貫
通しているので、はさみ等の切断手段を使用しなくても
手で容易にブリスター包装体101を各横列の2錠分ご
とに切り離すことができる。
【0052】また、開封したいポケット部、例えばポケ
ット部3aに隣接して包装体の側縁部に設けられている
未シール部6aをきっかけにして蓋材2をブリスター包
装体101の横方向に剥離していくと、最も近いミシン
目7aが切断していくので、確実にターゲットのポケッ
ト部3aだけ開封することができ、ミシン目7aを超え
て剥離が進行するのを防止することができる。このよう
に、本発明のブリスター包装体の蓋材に、当該蓋体の剥
離方向に向けてポケット部の列と列の間を走るミシン目
又はハーフカットのスリットを入れると、開封したいポ
ケット部だけを確実に開封することができる。
【0053】図5および図6に、本発明のブリスター包
装体の別の一例(102)を示す。図5はブリスター包
装体102の平面図、そして図6は底面図である。ブリ
スター包装体102を構成する底材11と蓋材12の素
材も、すでに述べたようなものの中から適宜選択して使
用することができる。
【0054】ブリスター包装体102は長い連続シート
状に形成されており、長手方向に沿って複数のポケット
部13が二列に整列配置された連続シート状の底材11
を用い、当該底材の各ポケット部に錠剤を収納してから
長い連続フィルム状の蓋材12を重ね合わせてシールし
た構成となっている。なお、このような連続シート状の
ブリスター包装体には、長手方向に沿ってポケット部を
任意の列数だけ整列配置することができる。
【0055】ブリスター包装体102の底材11には、
複数のポケット部13が底材の長手方向に沿って2列に
分けて整列配置されており、各列のポケット部は一列に
つき5個、二列分の合計で10個が一つの組となって等
間隔に配置され、このような10個の組が他の組とは明
確に区別できるように若干広めの間隔を空けて配置され
ている。
【0056】底材11の各ポケット部13の開口部周囲
は、蓋材12により全周に亘ってリングシール(15)
されて密封されている。ブリスター包装体102は、リ
ングシール部15において部分シールされているだけな
ので、リングシール部の周囲は未シール部16によって
完全に取り囲まれており、各ポケット部は未シール部1
6によって他のポケット部から隔離されている。また、
蓋材12には幅方向中央を通って長手方向に沿って伸び
るミシン目17が入っており、このミシン目17によっ
てポケット部16の左右の縦列が区切られている。
【0057】このような連続シート状のブリスター包装
体は、例えば、引張弾性率または上述の代用特性試験で
測定される最大荷重が適切に調節された長い連続樹脂シ
ートをリールから繰り出し、プレス成型や真空成型ある
いは圧空成型などを行ってポケット部を形成して底材を
成形し、各ポケットに錠剤やカプセル剤などの固形薬剤
を収納してから、底材の上面に連続シート状の蓋材を重
ね、前面シール又は部分シールすることにより作製する
ことができる。
【0058】作製された連続シート状のブリスター包装
体は、再びリール状に巻き取って袋や箱などの外装容器
に詰めて、出荷、保管することができる。そして、医療
機関などにおいては、リール状のブリスター包装体を一
端から引き出し、必要分を切り取って調剤、分配するこ
とができる。このようなリール状の包装形態は、従来の
瓶や缶を用いた大入り包装と同様に、大量の固形薬剤を
ひとまとめに出荷、包装或いは保管するのに便利であ
る。
【0059】ブリスター包装体102は、ポケット部の
開口部周囲においてリングシールされているだけなの
で、当該ブリスター包装体102の周囲のどこからでも
蓋材12をめくることができる。このブリスター包装体
102の長手方向の2列のうちのどちらかを選び、選ん
だ側の蓋材12を長手方向の一端から当該長手方向に向
かってめくると、やがて長手方向の先頭にあるリングシ
ール部15が先頭側から徐々に剥離されてポケット部1
3が開封する。ポケット部を開封させたら、その底を指
で押し上げて錠剤の一部を開口部から突き出し、摘み上
げて取り出すことができる。蓋材12の長手方向の一端
の左右どちらかに偏った位置を摘まんで引張り上げる
と、幅方向中央部のミシン目17が裂けるので、選択し
ていない縦列のポケット部まで開封するような事態を防
止できる。
【0060】リングシールに限らず、底材に対して蓋材
を部分シールすると接着面積が少ないので、比較的弱い
力でも開封することができる。また、未シール部によっ
て各ポケット部を他のポケット部から隔離すると、勢い
余って次のポケット部まで一緒に開封してしまう事態を
防止することができる。
【0061】特に、ポケット部をリングシールした場合
には、当該ポケット部の剥離が始まる部分と剥離が終了
する部分においては一度に剥離しなければならない面積
が大きく、途中部分では一度に剥離しなければならない
面積が小さい。このため、開封の初期には若干強めの力
を必要とするが、開封の途中では弱い力でも剥離し、開
封が完了したところで再び剥離抵抗が大きくなるので、
各ポケット部を円滑に開封することが可能で、しかも開
封動作を一錠分ごとに確実に停止させることができる。
【0062】図7および図8に、本発明のブリスター包
装体のさらに別の一例(103)を示す。図7はブリス
ター包装体103の平面図、そして図8は底面図であ
る。ブリスター包装体103を構成する底材21と蓋材
22の素材も、すでに述べたようなものの中から適宜選
択して使用することができる。
【0063】ブリスター包装体103は長い連続シート
状に形成されており、長手方向に沿ってポケット部23
が一列だけ等間隔に整列配置された連続シート状の底材
21を用い、当該底材の各ポケット部に錠剤を収納して
から長い連続フィルム状の蓋材12を重ね合わせ、各ポ
ケット部の周囲だけリングシール(25)した構成とな
っている。ブリスター包装体103のリングシール部2
5以外の部分は未シール部26である。なお、ブリスタ
ー包装体103についても、長手方向に沿ってポケット
部を任意の列数だけ整列配置することができる。
【0064】蓋材22は、少なくとも一方向に延伸され
た延伸樹脂フィルムまたはそのような延伸樹脂フィルム
の層を含んでいる多層または複合フィルムであり、当該
延伸樹脂フィルムの延伸方向が底材21の長手方向に対
して直角となるように方向合わせされている。さらに蓋
材22の両側縁には、相互に向かい合って対をなすノッ
チ28が蓋材の長手方向に沿って等間隔で形成されてい
る。このノッチ28の長手方向の間隔はポケット部相互
の間隔と等しいが、ポケット部の位置に対してずらされ
ており、対を成すノッチ同士を結ぶ仮想線がポケット部
とポケット部の間を通るような位置に調節されている。
【0065】このブリスター包装体103は、通常、リ
ール状に巻き取って保存され、医療機関などにおいて
は、リール状のブリスター包装体103を一端から引き
出し、必要分を切り取って調剤、分配することができ
る。ブリスター包装体103の蓋材22は、その幅方向
に延伸されているので、幅方向に裂けやすい。そのた
め、薬剤の服用者がブリスター包装体103の蓋材22
の一箇所を摘まんで幅方向に引張ると、当該蓋材は摘ま
まれた付近のノッチ28をきっかけにして幅方向に裂け
はじめ、一錠分の領域だけ分離して底材から剥離する。
このようにして内容物を一錠分ずつ確実且つ容易に取り
出すことができる。
【0066】また、このブリスター包装体103の蓋材
22の一端を摘まんで長手方向に向けて引張り続ける
と、それほど強い力を使わなくても多数のポケット部が
順次開封され、一度に多数の固形薬剤を取り出すことが
できる。従って、裸の固形薬剤を迅速且つ容易に入手す
ることができ、市販の大入り包装の代用にもなる。
【0067】さらに、ブリスター包装体103の蓋材2
2は、幅方向に引張って一錠分ずつ剥離する時あるいは
長手方向に引張って多数錠分を一度に剥離する時のいず
れも、底材と蓋材が完全に分離するので、開封後に底材
と蓋材を分別廃棄および分別回収することが可能であ
る。
【0068】
【実施例】本発明に係るブリスター包装体について、実
施例を通じてさらに詳述する。
【0069】[実施例1]下記の第1表に示す単層又は
多層のポリオレフィン樹脂シート(1)乃至(5)をT
ダイ又は共押出しTダイを用いて成形し、JIS K7
127で引張弾性率を測定した。その後、樹脂シートを
予備加熱し、油圧プレス成型機(HYP505H、日本
オートマチックマシン社製)でポケット部(横2列×縦
5個)を成形したところ、樹脂シート(1)乃至(5)
のどのシートからも良好な寸法精度を有するイージーピ
ール包装用底材(底材(1)乃至(5))が得られた。
【0070】得られた5種類の底材のうち、(1)の底
材はポケット内に錠剤又はカプセル剤を入れ、外側から
指でポケット内の錠剤又はカプセル剤を押し出そうとし
ても内容物の半分も露出しなかったので、もう片方の手
の指をポケット内に差し込んで摘まみ出す必要が生じ
た。これに対して、(2)乃至(5)の底材は、同様の
動作により内容物の錠剤又はカプセル剤が半分以上露出
したので、片手又は両手を使っても簡単に内容物を取り
出すことができた。その際に(2)乃至(5)の底材の
ポケット部以外の部分が変形することはなかった。
【0071】
【表1】 (注) RPP:ランダムポリプロピレン 低結晶性PP:低結晶性ポリプロピレン(CAP35
0、宇部興産製)
【0072】さらに市販されている2種のポリプロピレ
ン系PTP用シート(大成化工製TAS−2230、住
友ベークライト製NS−3450)の引張弾性率を、上
記と同様にJIS K7127により測定した。その結
果を第2表に示す。
【0073】
【表2】
【0074】[実施例2]実施例1で使用した樹脂シー
ト(2)および(5)の透湿度(40℃、90%RH)
を、JIS K7127のB法に従い、MOCON社の
透湿度測定装置を使用して測定したところ、いずれも同
等の厚みのポリ塩化ビニルシートより高い防湿性を示し
た。
【0075】また、樹脂シート(2)について第13改
正日本薬局方、一般試験法の「輸液用プラスチック容器
試験法」に準じて、溶出温度70℃、溶出時間24時間
で試験したとき、「泡立ち」、「pH」、「過マンガン
酸カリウム還元性物質」、「紫外吸収スペクトル」、
「蒸発残留物」の5項目全てで規格値内であった。
【0076】[実施例3]実施例1で得た各底材(1)
乃至(5)に、無機酸化物を蒸着したカバーフィルムに
シーラント層を設けた3層構造の蓋材用樹脂フィルム
[珪素酸化物蒸着PET(IB−PET、大日本印刷
製):12μm/PE:20μm/PE(50重量部)
とEVA(50重量部)の混合物(CMPS−006、
東セロ製):30μm]を、105℃、1kg、2秒、
リング幅1.5mmの条件でリングシールしたところ、
どの底材でも良好なシール性と易開封性を示した。
【0077】また、シール温度を125℃および145
℃に変更した以外は上記と同じ条件でリングシールを行
ったところ、やはり良好なシール性と易開封性を示し
た。
【0078】この蓋材用樹脂フィルムの透湿度を実施例
2と同様にして測定したところ、透湿度は0.7g/m
2・day・atm(40℃、90%RH)であった。
次に、この蓋材用樹脂フィルムを50回のゲルボテスト
(屈曲耐性)に掛けた後で同様に測定したところ、透湿
度は1.0g/m2・day・atm(40℃、90%
RH)であった。
【0079】[実施例4]実施例1で使用した樹脂シー
ト(2)の中間層を低結晶性PPからゴム成分均一微分
散PP(キャタロイC200F、Montell−JP
O製)に変えて成形した樹脂シートを予備加熱およびプ
レス成形して、ポケット部(横2列×縦5個)を成形し
たところ、良好な寸法精度を有するイージーピール包装
用底材が得られた。また、得られた底材を用いて実施例
3と同様にして蓋材との熱シールを行ったところ、実施
例3と同等のシール性および易開封性を示した。
【0080】[実施例5]実施例1で使用した樹脂シー
ト(2)の中間層を低結晶性PPからPP−PER共重
合体(ポリプロピレン−プロピレンエチレンラバー共重
合体)(T310E、トクヤマ製)に変えて成形した樹
脂シートを予備加熱およびプレス成形して、ポケット部
(横2列×縦5個)を成形したところ、良好な寸法精度
を有するイージーピール包装用底材が得られた。また、
得られた底材を用いて実施例3と同様にして蓋材との熱
シールを行ったところ、実施例3と同等のシール性およ
び易開封性を示した。
【0081】[実施例6]実施例1で使用した樹脂シー
ト(2)の中間層を低結晶性PPからEMMA樹脂(エ
チレンメチルメタクリレート樹脂)(アクリフトWH3
03、住友化学工業製)に変えて成形した樹脂シートを
予備加熱およびプレス成形して、ポケット部(横2列×
縦5個)を成形したところ、良好な寸法精度を有するイ
ージーピール包装用底材が得られた。また、得られた底
材を用いて実施例3と同様にして蓋材との熱シールを行
ったところ、実施例3と同等のシール性および易開封性
を示した。
【0082】さらに、このEMMA樹脂を実施例1で使
用した樹脂シート(1)のランダムPPの代わりに用い
て単層シートを成形した場合でも、透明度は落ちるが、
良好な寸法精度を有するイージーピール包装用底材が得
られた。
【0083】[実施例7]実施例1で使用した樹脂シー
ト(2)を25mm幅にスリットし、その幅方向のセン
ターに、図9に示すような間口(a)9.0mm、奥行
き(b)5.05mmのポケットを17mmピッチで連
続形成し、連続シート状の底材を作製した。こうして得
られた連続シート状の底材に、同幅にスリットした実施
例3の蓋材用樹脂フィルムを125℃、1kg、2秒、
リング幅1.5mmでリングシールしたところ、良好な
シール性と易開封性を示した。
【0084】こうして得られた連続シート状のプルオー
プン包装体について、蓋材の剥離強度をピークメーター
で測定したところ、剥離動作がリングシール部に突入す
る位置と出て行く位置、すなわちリングシール部が包装
体の幅方向に伸びている部分では100g前後であり、
ポケットのサイド部、すなわちリングシール部が包装体
の長手方向に伸びている部分では30g前後であり、M
字型の抵抗チャートを示した。そして、包装体の蓋材を
容易に1ポケットずつはがすことができ、1ポケットず
つ確実に剥離を停止することができた。
【0085】また、同じ連続シート状の底材と蓋材を用
い、錠剤を充填した連続シート状のプルオープン包装体
を3インチ径のリールに20回、繰り返し巻き直して
も、シール不良は発生しなかった。
【0086】また、連続シート状の前記底材に、実施例
3の蓋材用樹脂フィルムに代えて、延伸樹脂フィルムで
あるOPP(延伸ポリプロピレン)を含む4層構造の蓋
材用樹脂フィルム[珪素酸化物蒸着PET(IB−PE
T、大日本印刷製):12μm/OPP(トレファンY
T‐22、東レ製):25μm/PE:20μm/PE
(50重量部)とEVA(50重量部)の混合物(CM
PS−006、東セロ製):30μm]を用い、上記と
同様にしてリングシールした。その後、得られた中間包
装体の長手方向に沿ってポケットとポケットの中間位置
に間口2.0mm、奥行き2.0mmのVノッチを形成
した。こうして得られた包装体の蓋材を長手方向に引張
ると、連続的に蓋材が剥離して複数のポケットを一動作
で開封することが出来、また、同じ包装体の蓋材を短手
方向に引張ると、各ポケットの領域ごとに蓋材を剥離す
ることが出来た。
【0087】[実施例8]実施例1で使用した樹脂シー
ト(2)を25mm幅にスリットし、その幅方向のセン
ターに、図9に示すような間口(a)9.0mm、奥行
き(b)5.05mmのポケットを17mmピッチで連
続形成し、連続シート状の底材を作製した。こうして得
られた連続シート状の底材のポケット内に0.3gの塩
化カルシウム錠を封入し、底材と同幅にスリットした実
施例3の蓋材用樹脂フィルムを125℃、1kg、2
秒、リング幅1.5mmでリングシールした。このよう
にして作製されたブリスター包装体を作製し、40℃、
75%RHの条件でポケット内への透湿量を測定した。
【0088】また、実施例1で使用した樹脂シート
(3)および樹脂シート(4)を使用した以外は上記と
同様に行ってブリスター包装体を作製し、透湿量を測定
した。
【0089】さらに比較例として、厚さ300μmのポ
リプロピレン(NS−3450、住友ベークライト
製)、厚さ200μmのポリ塩化ビニル(VSS−11
01、住友ベークライト製)、厚さ250μmのポリ塩
化ビニル(VSS−1101、住友ベークライト製)ま
たは厚さ300μmのポリ塩化ビニル(VSS−110
1、住友ベークライト製)を使用して底材を作製し、一
方、蓋材としてアルミ箔を使用した以外は上記と同様に
行ってブリスター包装体を作製し、透湿量を測定した。
【0090】その結果、第3表に示すように、本発明の
ブリスター包装体は、高防湿性PTPシートほどの防湿
性はなかったが、塩化ビニル底材とアルミ箔蓋材を組み
合わせた汎用のPTPシートよりも高い防湿性を示し
た。
【0091】
【表3】
【0092】[実施例9]実施例1で使用した樹脂シー
ト(2)を、鋭利なハサミを使用して5.0mm×3
0.0mmの矩形状に切断成形して、底材サンプル51
を調製した。また、直径5cmの穴の空いた板の上に厚
さ15μmの軟質アルミ箔(日本製箔(株)製1N30
−O、引張強さ:平行が68N/mm2、直角が69N
/mm2、0.2%耐力:平行が26N/mm2、直角が
27N/mm2、伸び:平行が3.3%、直角が3.1
%)を3枚重ねて固定して、食道内壁の簡易モデルを準
備した。
【0093】準備した底材サンプルを、その直角の角部
が2.5mm突出するようにプッシュプルゲージに挟み
こんで装着した。この底材サンプルの角部を、食道内壁
の簡易モデルの穴がある部分に位置合わせし、アルミ箔
の表面に向けて当接し、荷重をかけていき、アルミ箔の
被覆を貫通させる際に要した最大荷重(g)を測定し
た。同一の樹脂シートについて3枚のサンプルを試験し
た。その結果、どのサンプルも約400g荷重で角部の
先端が曲がり、アルミ箔に突き刺さらなかった。
【0094】同様にして実験例1で使用した樹脂シート
(3)、樹脂シート(4)および(5)についても代用
特性試験を行った。さらに、比較例として厚さ150μ
m、200μm、250μmおよび300μmのポリ塩
化ビニルシート(VSS、住友ベークライト製)、厚さ
250μmのポリプロピレンシート(TAS−222
5、大成製)および厚さ300μmのポリプロピレンシ
ート(住友ベークライトのNS−3450と大成のTA
S−1130)を用いて代用特性試験を行った。最大荷
重の測定結果を、第4表に示す。
【0095】
【表4】 (注)*:400gでシートが折れ曲がり突き刺さらな
い。
【0096】
【発明の効果】本発明により提供されるプルオープンタ
イプのブリスター包装体は、品質保護、調剤、配布、開
封、内容物の取り出しなどの点で、PTPシート並みに
簡便性が高く、しかも、包装体ごと誤飲したとしても食
道や胃壁などの消化管を傷つけることが少ない。
【0097】しかも本発明のブリスター包装体は蓋材を
引き剥がすプルオープンタイプなので、PTPシートと
は異なり、突き破り方向の破断性に優れたアルミ箔を蓋
材として用いなくてもよい。従って、廃棄時の焼却性に
優れている。また、底材と蓋材の材質を適切に選定する
ことにより、アルミ箔を用いなくても高防湿性の包装が
可能であり、或いは、焼却時における有害ガスの発生を
少なくすることができる。
【0098】さらに、本発明のブリスター包装体は可と
う性が大きく、長い連続シート状に形成して、リール状
に巻き取ることができる。そして、本発明のブリスター
包装体の蓋材を長手方向に引張り続けると、それほど強
い力を使わなくても多数のポケット部が順次開封され、
一回の動作で多数の固形薬剤を取り出すことができる。
従って、PTPシート並みに簡便性が高いうえに、大入
り包装の代用として使用することができる。
【0099】さらに、本発明のブリスター包装体は、開
封すると底材と蓋材が完全に分離するので、分別廃棄お
よび分別回収が可能である。従って、廃棄物処理および
リサイクルの点で便利である。
【0100】本発明のブリスター包装体は、主に経口用
の固形薬剤を包装するのに利用されるが、固形薬剤全般
の包装に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブリスター包装体の一例について
の平面図である。
【図2】本発明に係るブリスター包装体の一例について
の底面図である。
【図3】本発明に係るブリスター包装体の一例について
の側面図である。
【図4】図1に示したブリスター包装体のA−A断面図
である。
【図5】本発明に係るブリスター包装体の別の一例につ
いての平面図である。
【図6】本発明に係るブリスター包装体の別の一例につ
いての底面図である。
【図7】本発明に係るブリスター包装体の別の一例につ
いての平面図である。
【図8】本発明に係るブリスター包装体の別の一例につ
いての底面図である。
【図9】実施例で作製した底材のポケット部の寸法を説
明するための図である。
【図10】本発明において実施される代用特性試験で使
用される底材サンプルを説明する図である。
【図11】本発明において実施される代用特性試験で使
用される食道内壁の簡易モデルを説明する図である。
【図12】本発明において実施される代用特性試験の手
順を説明する図である。
【符号の説明】
101、102、103…ブリスター包装体 1、11、21…底材 2、12、22、…蓋材 3、13、23…ポケット部 4…錠剤 5、15、25…部分シール部又はリングシール部 6、16、26…未シール部 7、17…ミシン目 28…ノッチ 51…底材サンプル 52…板 53…穴 54…アルミ箔 55…食道内壁の簡易モデル 56…プッシュプルゲージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 信 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 吉川 末廣 静岡県榛原郡金谷町金谷河原588 第一製 薬株式会社内 (72)発明者 岩崎 竜之 静岡県榛原郡金谷町金谷河原588 第一製 薬株式会社内 (72)発明者 伊藤 国彦 静岡県榛原郡金谷町金谷河原588 第一製 薬株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB81 AC04 BA26A BB14A BB15A BB16A CA05 EA04 EA35 EA36 EB03 EB27 FA07 FB02 GD08 4F071 AA13 AA15X AA20 AA33 AA33X AA80 AF05Y AF10 AF20Y AH04 BB06 BB11 BC01 BC10 4F100 AA17B AB01B AK01A AK01B AK07A BA02 BA15 BA22 BA32 DA03 DD25A EH66B EJ37B EJ94 EJ99 GB15 GB18 GB66 JA11A JK06B JK07A JL11B JL14B YY00A

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS K7127により規定される引
    張弾性率が6000kg/cm2以下であることを特徴
    とする、医療用固形薬剤のブリスター包装用樹脂シー
    ト。
  2. 【請求項2】 樹脂シートの90度切削角を厚さ15μ
    mの軟質アルミ箔を3枚重ねた積層体に垂直に押し当て
    て貫通させる代用特性試験において、貫通時の最大荷重
    が20g以上となるか、または前記樹脂シートが折れ曲
    がり前記積層体を貫通しないことを特徴とする、医療用
    固形薬剤のブリスター包装用樹脂シート。
  3. 【請求項3】 JIS K7127により規定される引
    張弾性率が700kg/cm2以上であることを特徴と
    する、請求項1または請求項2のいずれかに記載のブリ
    スター包装用樹脂シート。
  4. 【請求項4】 厚生省告示20号に定める規格に適合し
    ているか又は日本薬局方の輸液用プラスチック容器試験
    法のポリエチレン製又はポリプロピレン製容器の項に定
    める溶出物試験で規格に適合することを特徴とする、請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載のブリスター包装
    用樹脂シート。
  5. 【請求項5】 樹脂シートを部分的に陥没させて、当該
    樹脂シートの上面側に開口し、当該樹脂シートの下面側
    に膨隆し、固形薬剤を収納可能なポケット部を設けた形
    状を有しており、且つ、JIS K7127により規定
    される引張弾性率が6000kg/cm2以下であるこ
    とを特徴とする、医療用固形薬剤のブリスター包装用底
    材。
  6. 【請求項6】 樹脂シートを部分的に陥没させて、当該
    樹脂シートの上面側に開口し、当該樹脂シートの下面側
    に膨隆し、固形薬剤を収納可能なポケット部を設けた形
    状を有しており、且つ、前記樹脂シートの90度切削角
    を厚さ15μmの軟質アルミ箔を3枚重ねた積層体に垂
    直に押し当てて貫通させる代用特性試験において、貫通
    時の最大荷重が20g以上となるか、または前記樹脂シ
    ートが折れ曲がり前記積層体を貫通しないことを特徴と
    する、医療用固形薬剤のブリスター包装用底材。
  7. 【請求項7】 JIS K7127により規定される引
    張弾性率が700kg/cm2以上であることを特徴と
    する、請求項5または請求項6のいずれかに記載のブリ
    スター包装用底材。
  8. 【請求項8】 樹脂シートを部分的に陥没させて、当該
    樹脂シートの上面側に開口し、当該樹脂シートの下面側
    に膨隆する中空のポケット部を設けた形状を有してお
    り、且つ、JIS K7127により規定される引張弾
    性率が6000kg/cm2以下である底材の前記ポケ
    ット部に、医療用固形薬剤が収納されており、当該底材
    の上面にフィルム状の蓋材が被覆され剥離可能な接着強
    度で接着されていることを特徴とする、プルオープン可
    能なブリスター包装体。
  9. 【請求項9】 樹脂シートを部分的に陥没させて、当該
    樹脂シートの上面側に開口し、当該樹脂シートの下面側
    に膨隆する中空のポケット部を設けた形状を有してお
    り、且つ、前記樹脂シートの90度切削角を厚さ15μ
    mの軟質アルミ箔を3枚重ねた積層体に垂直に押し当て
    て貫通させる代用特性試験において、貫通時の最大荷重
    が20g以上となるか、または前記樹脂シートが折れ曲
    がり前記積層体を貫通しない底材の前記ポケット部に、
    医療用固形薬剤が収納されており、当該底材の上面にフ
    ィルム状の蓋材が被覆され剥離可能な接着強度で接着さ
    れていることを特徴とする、プルオープン可能なブリス
    ター包装体。
  10. 【請求項10】 前記底材のJIS K7127により
    規定される引張弾性率が700kg/cm2以上である
    ことを特徴とする、請求項8または請求項9のいずれか
    に記載のブリスター包装体。
  11. 【請求項11】 ポケット部に隣接して、前記蓋材が前
    記底材に接着していない未シール部が設けられているこ
    とを特徴とする、請求項8乃至請求項10のいずれかに
    記載のブリスター包装体。
  12. 【請求項12】 前記底材に複数のポケット部が設けら
    れており、前記蓋材は前記底材に部分シールされてお
    り、各ポケット部の開口部は前記未シール部により他の
    ポケット部から隔離されていることを特徴とする、請求
    項11に記載のブリスター包装体。
  13. 【請求項13】 各ポケット部の開口部周囲が全周に亘
    ってリングシールされて密封され、且つ、リングシール
    部の周囲が前記未シール部により完全に取り囲まれてい
    ることを特徴とする、請求項12に記載のブリスター包
    装体。
  14. 【請求項14】 前記の蓋材は、延伸樹脂フィルム又は
    延伸樹脂フィルムの層を含んだ多層フィルムであり、当
    該延伸樹脂フィルムの延伸方向が前記底材の長手方向に
    対して直角となるように方向合わせされていることを特
    徴とする、請求項8乃至請求項13のいずれかに記載の
    ブリスター包装体。
  15. 【請求項15】 前記底材および前記蓋材は、いずれも
    金属箔の層を含んでいないことを特徴とする、請求項8
    乃至請求項14のいずれかに記載のブリスター包装体。
  16. 【請求項16】 前記蓋材が、金属又は無機酸化物の蒸
    着層を有する樹脂フィルムであることを特徴とする、請
    求項15に記載のブリスター包装体。
  17. 【請求項17】 前記底材および前記蓋材は、いずれも
    塩素を含有しない材料だけで形成されていることを特徴
    とする、請求項8乃至請求項16のいずれかに記載のブ
    リスター包装体。
  18. 【請求項18】 前記底材の少なくとも一部が低結晶性
    ポリプロピレン樹脂で形成されていることを特徴とす
    る、請求項8乃至請求項17のいずれかに記載のブリス
    ター包装体。
  19. 【請求項19】 前記の底材として連続シート状で且つ
    その長手方向に沿って複数のポケット部が一列又は複数
    列整列配置された底材を用い、前記の蓋材として連続フ
    ィルム状の蓋材を用いて、連続シート状に形成されてい
    ることを特徴とする、請求項8乃至請求項18のいずれ
    かに記載のブリスター包装体。
  20. 【請求項20】 リール状に巻き取られた形態をとって
    いることを特徴とする、請求項19に記載のブリスター
    包装体。
  21. 【請求項21】 前記の医療用固形薬剤として経口用固
    形薬剤を収納していることを特徴とする、請求項8乃至
    請求項20のいずれかに記載のブリスター包装体。
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