JP6934739B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品、化粧品等を内容品として収容する包装体に関し、より詳しくは、小児や高齢者が包装体のまま誤飲して消化管壁等を傷つけることを防止する事が可能な包装体であり、且つ高齢者や手指の不自由な患者でも容易に開封する事ができる機能とを有する包装体を安価に提供する。
従来から、錠剤やカプセルなどの固形物を収納する包装にプレス・スルー・パッケージやブリスター包装を使用した包装体(以下、PTPと言う)が広く使用されている。
PTPは、錠剤やカプセルなどの固形物を収納するための凹部(ポケット)を熱や圧力等により成形したフィルムまたはシート状の単層又は多層の積層体と、ポケットに収容した固形物を封入するための蓋材からなる包装形態である。
PTPは、ポケット部分の内側に錠剤やカプセルなどの固形の製剤を収容した状態で、その周縁部に蓋材を熱溶着することにより、製剤が収納されたPTPとする。収納されている製剤は、ポケット部分を押して蓋材部分を収容されている製剤自身で破くことで取り出すか、又は蓋材部分を指で破ることで取り出すことが可能である。
さらに、PTPには、通常、複数の収容部と、所定の数量の収容部ごとにPTPを切断するためのミシン目またはスリットが形成されている。
このようなPTPにおいて、ミシン目またはスリットが形成されている場合には、該ミシン目またはスリット部において切断されたPTP切断体の切片は小さく、違和感なくそのままで口に入る大きさとなり、誤って乳幼児、小児や高齢者等によってそのまま飲み込まれる恐れがある。このようにPTPの誤飲が生じた場合には、誤飲されたPTP切断体の周縁部によって食道や胃腸等の消化管壁や、気道壁等が損傷を起こす危険があり、時には突き破られ(穿孔され)、大量の出血が引き起こされるため、極めて危険となる。また、例えば、腸の粘膜が穿孔された場合には、腹膜炎が引き起こされ、特に大腸が穿孔された場合には、腹腔内に便汁が流れ出し、敗血症等の合併症が引き起こされることとなる。
そこで、PTPの誤飲を防止するために、複数の収容部が1つずつ切り離されないよう、上記ミシン目またはスリットがシートの一方向のみに形成されたPTPが提案されている(非特許文献1)。
しかし、このようなケースでも容易に口に入る為、PTP切断体の周縁部において損傷を発生させてしまう。またこのようなミシン目またはスリットが1方向のみに形成されたPTPであっても、医療現場や家庭においては、服用管理や携帯性などの利便性等の理由から、ミシン目またはスリットが形成されていない領域においてシートがさらに切断されることにより、ポケットを1つ有するようにシートが切断されてしまう場合があり、この場合には、上記したような誤飲が生じるおそれがある。このように、PTPの誤飲対策は未だ十分になされているとは言い難い。一方、高齢者等は、手指の力が弱いため、PTP包装体が開封し難い場合には被収容物を取り出すことが困難となり、その結果、服薬が遵守されなくなるおそれがある。
特許文献1、2には、小児が誤飲し難い包装形態として、紙製のパッケージとPTPの組み合わせ包装体が提案されている。しかし、このような包装形態は誤飲リスクを減らす事には有効であるが、分離する或いは切り離すなどして小さな包装形態とすることは可能であり、その状態で誤飲した場合には消化管等が損傷することに変わりなく好ましくないだけでなく、包装材料のコスト高と生産性の低下を招く事で結果として採用されるケースが限られてしまうため好ましくない。
特許文献3には、誤飲により消化管壁等の穿孔を防止することが可能なPTPが提案されている。該シートは、収容部と同方向に突出しているように形成された、シートを補強する複数の突出部をさらに有し、複数の突出部が収容部を包囲するように配され、突出部の間の複数の凹部が収容部を挟んで両側に対をなすように配されてなり、シール部において切断されて収容部を1つ有するようなPTP包装体の切断体が形成された際、突出部が切断体の周縁部において突出し、複数対の凹部がシール部の折れ曲がり支軸を構成するようにしてなることで、穿孔しないPTP包装体とするものであるが、図4,5に示される通り、切断体は鋭利な角を有することで、図6に示されるように消化管壁を傷つけることは明らかであり、また穿孔しない状態で切断体が止まったとしても、傷ついた消化管壁はその後の消化管の活動などにより傷ついた消化管の傷が広がる事が考えられ、このような包装体は消化管の損傷をさせない事を目的とする誤飲対策として不十分であることは言うまでもない。また、シートの曲げ弾性率が5,000kgf/cm以下の柔軟性を有するプラスチックであっても、消化管壁を傷つけないという事はできない。
特許文献4には、シートのベース樹脂である熱可塑性樹脂に軟化剤がブレンドされた柔軟性プラスチックであって、軟化剤は、エステル系可塑剤、エラストマー、およびベース樹脂より軟質の熱可塑性樹脂からなる群から選ばれるシートで、ベース樹脂がポリ塩化ビニルおよびポリオレフィンからなるシートが提案されている。シートのベース樹脂の引張弾性率が100MPa以上1100MPa以下であるとシートの保形性と柔軟性の観点から好ましいとされているが、シート単体としての弾性率や柔軟性は、消化管損傷に対する実態を反映しておらず、誤飲時の消化管損傷に与える影響を図る指標としては適切ではなく好ましくない。PTPの誤飲時の包装形態はシートを成形したブリスターシートと蓋材としてのアルミ箔等の金属箔等が溶着された状態であり、該文献では300μmの厚いシートと20μmのアルミ箔を溶着したPTPであり、該PTPを切断した切断体の角は、シートが柔軟であっても十分に鋭利な状態であり、消化管損傷を防止する誤飲対策としては完全に問題を解決するに至っていない。
特開2002-337938号公報 特開2004-299724号公報 特開2012-246033号公報 特開2015-199503号公報
"注意!高齢者に目立つ薬の包装シートの誤飲事故−飲み込んだPTP包装が喉や食道などを傷つけるおそれも−"、[online]、2010年9月15日公表、独立行政法人国民生活センター、[平成28年3月1日検索]、インターネット<URL:http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20100915_1.html>
本発明は、上記問題点に鑑み、小児や高齢者がPTP包装体のまま誤飲して消化管壁等を傷つけることを防止する事が可能で、且つ高齢者や手指の不自由な患者でも容易に開封する事ができる機能を有する包装体を安価に提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を行った結果、一部に凹部(ポケット)が成形されたフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されてなる包装体であって、前記フィルムまたはシートに蓋材が溶着された状態で少なくとも1ポケットになるように切断して切断体を作成して、刺通試験Aを実施した時に、一定規格のアルミ箔を貫通しない包装体とするか、刺通試験BまたはCを実施した時に、一定規格の試験板に傷や裂けを発生させない包装体とすることで、誤飲時にも消化管に損傷を与えない、安全な包装体を得ることができ、上記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記包装体を提供する。本発明は、下記の構成をとる。
請求項1:
一部に凹部(ポケット)が成形されたフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されてなる包装体であり、前記フィルムまたはシートと前記蓋材の厚みを合わせた厚みが、250μm以下であり、前記フィルムまたはシートと前記蓋材に含まれる金属箔の合計厚みが35μm以下であるか金属箔を使用していない包装体あって、前記包装体の前記フィルムまたはシートに前記蓋材が溶着された部分を直角に切断して切断体を作成し、下記刺通試験Aを実施した時に、厚み25μmのアルミ箔を貫通しないことを特徴とする包装体。
<刺通試験A>
直角に切断した切断片の該直角の頂部を、皺や弛みなく張った状態のアルミ箔に100gの荷重で押し当てた状態で、速度30mm/分の速度で平行移動させる。
請求項2:
一部に凹部(ポケット)が成形されたフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されてなる包装体であり、前記フィルムまたはシートと前記蓋材の厚みを合わせた厚みが、250μm以下であり、前記フィルムまたはシートと前記蓋材に含まれる金属箔の合計厚みが35μm以下であるか金属箔を使用していない包装体あって、前記包装体の前記フィルムまたはシートに前記蓋材が溶着された部分を直角に切断して切断体を作成し、下記刺通試験BまたはCを実施した時に、試験板に傷や裂けが発生しないことを特徴とする包装体。
<刺通試験B>
直角に切断した切断片を、JIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)を準用し、鉛筆硬度試験機に鉛筆の代わりに前記切断片の直角の頂部が試験板に接するように固定し、前記試験板としてバイオシートを使用し、750gの荷重をかけ、水平な状態で試験速度1mm/秒の速度で平行移動させる。
<刺通試験C>
直角に切断した切断片を、JIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)を準用し、鉛筆硬度試験機に鉛筆の代わりに前記切断片の直角の頂部が試験版に接するように固定し、前記試験板としてポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、750gの荷重をかけ、水平な状態で試験速度1mm/秒の速度で平行移動させる。
請求項3:
前記フィルムまたはシートが、最外層を構成する層がセロファン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含み、最内層がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含む、少なくとも2層以上の積層体であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装体。
請求項4:
前記蓋材が、最外層がセロファン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含み、最内層がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含む樹脂層で構成されるか、イージーピールを発現する素材で構成されている、少なくとも2層以上の積層体で構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装体。
請求項5:
前記蓋材が、シール性を有するコーティング剤を塗工されている金属箔であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装体。
請求項6:
前記フィルムまたはシートが、最外層の軟化温度が最内層の軟化温度よりも低いことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の包装体。
請求項7:
フィルムまたはシートおよび蓋材の一方あるいは両方に、刃またはレーザーによる開封誘導部が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の包装体。
請求項8:
該包装体には、多層に積層されたフィルムまたはシートか多層に積層された蓋材の少なくともどちらか一方に、レーザーマーキング用インキが層間に印刷されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の包装体。
請求項9:
該包装体は、内容物を個別に分離切断した切断体の少なくとも対向する2辺にフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されていない未溶着部が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の包装体。
請求項10:
該包装体は、内容物を個別に分離切断した切断体の全周にフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されていない未溶着部が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の包装体。
本発明の包装体は、小児や高齢者がPTP包装体のまま誤飲して消化管壁等を傷つけることを防止する事が可能で、且つ高齢者や手指の不自由な患者でも容易に開封する事ができる機能を有する包装体を安価に提供することを目的として、一部に凹部(ポケット)が成形されたフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されてなる包装体であり、前記フィルムまたはシートに蓋材が溶着された部分を直角に切断して切断体を作成して、刺通試験Aを実施した時に、厚み25μmのアルミ箔を貫通しないこと、または、刺通試験BまたはCにより試験板に傷や裂けが発生しないことを特徴とする包装体として、安価で実用性に優れている。
詳細には以下の通りである。
請求項1の発明によれば、ポケットが成形されたシートまたはフィルムと蓋材とが溶着されたPTPにおいては、医療現場や家庭においては、服用管理や携帯性などの利便性等から、ポケット単位で切断されてしまい、切断体が容易に口に入る大きさとなり、誤飲してしまう事態になった場合においても、フィルムまたはシートと前記蓋材の厚みを合わせた厚みが、250μm以下であり、前記フィルムまたはシートと前記蓋材に含まれる金属箔の合計厚みが35μm以下であるか金属箔を使用していない包装体とすることで、刺通試験Aによりアルミ箔を貫通することがないほどの柔らかさとなっているため、切断体の鋭利な角部において消化管を損傷させることがない安全な包装体を得ることができる。
請求項2の発明によれば、ポケットが成形されたシートまたはフィルムと蓋材とが溶着されたPTPにおいては、医療現場や家庭においては、服用管理や携帯性などの利便性等から、ポケット単位で切断されてしまい、切断体が容易に口に入る大きさとなり、誤飲してしまう事態になった場合においても、フィルムまたはシートと前記蓋材の厚みを合わせた厚みが、250μm以下であり、前記フィルムまたはシートと前記蓋材に含まれる金属箔の合計厚みが35μm以下であるか金属箔を使用していない包装体とすることで、刺通試験BまたはCにより試験板に傷や裂けが発生しないほどの柔らかさとなっているため、切断体の鋭利な角部において消化管を損傷させることがない安全な包装体を得ることができる。
請求項3の発明によれば、一部に凹部(ポケット)が成形されたフィルムまたはシートの最外層を構成する層をセロファン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含み、最内層がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含む、少なくとも2層以上の積層体とすることで、ポケットの成型性と強度及び柔軟性を兼ね備えたシートまたはフィルムとすることができる。
請求項4の発明によれば、蓋材を薄くした場合でも内容物を保存、流通させるために十分な強度を有することが可能であり、また水蒸気や酸素などのバリア性を付与する事が容易となる。フィルムまたはシートと蓋材とを溶着した時に包装体を柔軟にすることができる。またイージーピール性を付与することが容易となり、小児の誤飲防止効果を高めることにいっそう役立つことができる。
請求項5の発明によれば、内容品の取り出し性を向上させるために蓋材にアルミ箔等の金属箔を使用する場合でも、フィルムまたはシートと蓋材に含まれる金属箔の合計厚みが35μm以下となっていれば誤飲時の消化管等の損傷を防ぐことができる。
請求項6の発明によれば、フィルムまたはシートが、最外層の軟化温度が最内層の軟化温度よりも低いため、熱成型によりポケットを成形する時の成型性が向上して、成形速度を早くすることが可能なり、生産性の向上により安価な包装体を製造する事が可能となる。
請求項7の発明によれば、従来はポケットを押してアルミ等の金属箔を破ったり、アルミ等の金属箔を手で直接破くなどして内容物を取り出していたが、フィルムまたはシート乃至蓋材あるいは両方に刃またはレーザーによる取り出し開封誘導部が設けられていることで、包装体自体を手で引裂いて内容物を取り出す事が可能となる。このような開封方法は特に小児の誤飲防止に効果がある。
請求項8の発明によれば、医療現場や家庭においては、服用管理や携帯性などの利便性等の理由から、ポケットを1つ有するようにシートが切断されてしまう場合でも、後日どのような製剤であるかや、また使用期限や有効期限が明確となり、残薬が廃棄されることに役立つことができる。また、レーザーマーキング用インキが積層体の層間に施されていることにより、偽造や改竄をする事ができなくなり、安全性をいつそう高めることが出来る。
請求項9の発明によれば、少なくとも1ポケットに切断した時に、切断体の角部にフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されていない未溶着部が露出するため、消化管を損傷させるリスクをさらな低くすることが可能となる。
請求項10の発明によれば、1ポケットに切断した時に、切断体の全周にフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されていない未溶着部が露出するため、消化管を損傷させるリスクをさらに低くすることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る包装体の形状を例示する模式図である。 図1の模式図の側面図である。 本発明の易開封を施した時の包装体の形状を例示する模式図である。 (a)は、本発明の未溶着部を施した時の包装体の形状を例示する模式図、(b)(c)は、包装体を2ポケットまたは1ポケットに切り離した形状を例示する模式図である。 刺通試験Aの模式図である。 (a)(d)は、本発明の全周に未溶着部を施した時の包装体の形状を例示する模式図、(b)(c)(e)(f)は、包装体を2ポケットまたは1ポケットに切り離した形状を例示する模式図である。 刺通試験B、Cの模式図である。
以下、本発明に係る包装体の好適な実施の形態につき説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の記載や図面にのみ限定されるものではない。
本発明の包装体において最内層とは、本発明の包装体の内面側であり、該包装体に収容される内容品と直接に接触する層を指す。
本発明の包装体において最外層とは、本発明の包装体の外面側であり、該包装体の最外層となって当該包装体の外部と接触する層を指す。
本発明の包装体1は、一部に凹部(ポケット4)が成形されたフィルムまたはシート2と蓋材3とが溶着されてなる包装体1であり、ポケット4には図示しない錠剤やカプセル剤などの医薬品、医薬部外品や機能性食品、健康食品等が収容される。このような包装体1では、携帯したり、服用する為に、しばしば1ポケットや2ポケット単位に切り離すためのミシン目またはスリット5が設けられており、このミシン目またはスリット5によって切り離された形態となることで、小児や高齢者が包装体ごと誤飲してしまい、消化管を損傷することがあり社会問題となっている。対策としてシート自体の柔軟性を高めた包装体が古くから提案されているが、包装体はシート単独ではなく、蓋材が溶着されているため、シートだけの柔軟性を高めても誤飲時に消化管を損傷することを防止する事は出来ない。本発明は、前記フィルムまたはシート2と前記蓋材3の厚みを合わせた厚みが、250μm以下であり、好ましくは220μm以下、より好ましくは170μm以下であると刺通試験Aによってアルミ箔9を貫通することがなく、また刺通試験BまたはCによって試験板10に傷や裂けを発生させることがない。250μmを超えると、包装体1に柔軟な素材を使用したとしても、刺通試験Aによってアルミ箔9を貫通してしまい、また刺通試験BまたはCによって試験板10に傷や裂けが発生してしまい、PTP切断体の角により消化管を損傷する可能性が高くなり好ましくない。また、前記フィルムまたはシート2と前記蓋材3に含まれる金属箔は、合計厚みが35μm以下、好ましくは30μm以下であると刺通試験Aによってアルミ箔9を貫通する事ができず、また刺通試験BまたはCによって試験板10に傷や裂けを発生させることがなく、PTP切断体8の角により消化管を損傷するリスクを低くすることが可能となり好ましい。さらに金属箔を使用していないとPTP切断体8はいっそう柔軟となりより好ましい。
また、前記フィルムまたはシート2単独の厚みとしては50μm以上であることが好ましく、50μm未満であると防湿性や、ポケットの成形性が悪くなる。
本発明で一部に凹部(ポケット4)が成形されるフィルムまたはシート2の構成は、最外層を構成する層がセロファン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含み、最内層がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含む、少なくとも2層以上の積層体であること以外は特に制限はなく、3層以上の積層体であっても良く、最外層と最内層以外の層には、柔軟性を付与する層や各層との接着性樹脂層、酸素や水分に対するバリア層等、一般的に使用される材料を広く使用することが可能である。また最内層を構成する樹脂層にPVDCコート剤等の防湿性を付与する為のコーティング層を、1〜30g/m以下の塗工量の範囲となるように、内容品と直接接触するように設けても良い。30g/mを超えるとフィルムまたはシートが硬くなり好ましくなく、1g/m未満であると防湿性を付与する観点から好ましくない。最外層を構成する層は無延伸でも延伸してあっても良いが、延伸したフィルムで構成すると、包装体全体の厚みを出来るだけ薄くするために、フィルムまたはシート2の厚みを薄くしたとしても強度を保つことが可能であり好ましい。また印刷を層間に施すことが可能であり、印刷の改竄防止効果の観点からも好ましい。
前記フィルムまたはシート2の製造方法としては、従来公知の方法を使用することが可能であり特に制限はない。多層共押出工法、押出ラミネート工法、共押出インフレーション法や共押出Tダイ法等の共押出ラミネート工法、ドライラミネート工法、共押出水冷インフレーション、ヒートラミネーションなどの従来公知の方法を単独或いは複数を組み合わせて層を構成する事ができる。各層を接着させる方法は、接着性樹脂(単に接着性を有する樹脂を含む)を使用したり、アンカー剤や接着剤を使用しても良い。また構成する各層の樹脂やフィルムはその製造方法には特に制限はなく、従来公知の方法を使用することが可能である。
接着剤としては、二液硬化型のポリエステルウレタン系接着剤やポリエーテルウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の有機系接着剤が適宜選択可能である。
アンカー剤としては、ポリウレタン系、ポリエーテル系、アルキルチタネート(有機チタン化合物)系等、一般的に使用されるアンカー剤が使用でき、適宜選択可能である。
柔軟性を付与する層としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン系エラストマーやプロピレン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の柔軟性を付与する為の従来公知の樹脂やフィルムを使用することが可能であり、それぞれ単独で層を構成しても他の樹脂に単独或いは複数種類をブレンドして層を構成しても良く、2層以上の層としても良い。
接着性樹脂としては、異種材質との接着性に優れるものであれば従来公知の樹脂を用いることができ、単独或いは複数を使用することが出来る。例えば低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、酸変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。直鎖状低密度ポリエチレンはメタロセン系触媒を用いて重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であるとより好ましい。酸変性ポリオレフィン樹脂として好適な樹脂の具体例としては、金属架橋ポリエチレン(アイオノマー)、エチレン―アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン―メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン―アクリル酸エチル共重合体(EEA)、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどが挙げられる。酸変性ポリオレフィン樹脂の原料にグラフト重合される不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、またはそれらの酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩等の誘導体を挙げることができる。この他、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピンなどにエポキシ化ポリブタジエンをブレンドした樹脂を使用しても良い。
バリア層としては、アルミニウム箔や合金箔等からなる金属箔層、PVDC樹脂やフィルムやPVDCをコーティングしたフィルム、環状オレフィン系樹脂、EVOH、PVA樹脂又はそのコート、MXDナイロン、フッ素系樹脂等を使用することができる。これらのフィルム、樹脂を単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。
フッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(略号:PTFE)、ポリクロロ三フッ化エチレン(ポリクロロトリフルオロエチレン 略号:PCTFE,CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(略号:PVDF)、ポリフッ化ビニル(略号:PVF)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(略号:PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(略号:FEP)、エチレンと−テトラフルオロエチレン共重合体(略号:ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(略号:ECTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、パーフルオロエチレン−プロペンコポリマー(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、パーフルオロエチレンープロピレン共重合体、パーフルオロエチレンプロペン共重合体、ポリふっ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチン、テトラフルオロエチレンーパーフルオロジオキソール共重合体、ポリふっ化ビニル、接着性を改良したEFEP、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/クロロトリフルオロエチレン共重合体(CPT)等が挙げられる。なかでも、より好ましくはポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)であると、水分遮断効果を出すための厚みを薄くすることが可能であり最も好ましい。
本発明の蓋材3の構成は、最外層がセロファン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含み、最内層がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含む樹脂層で構成されるか、または最内層がイージーピールを発現する素材で構成されている、少なくとも2層以上の積層体で構成されていること以外は特に制限はなく、3層以上の積層体であっても良く、最外層と最内層以外の層には一般的に使用される材料を広く使用することが可能である。最外層を構成する層は無延伸でも延伸してあっても良いが、延伸したフィルムで構成すると、包装体全体の厚みを出来るだけ薄くするために、蓋材の厚みを薄くしたとしても強度を保つことが可能であり好ましい。また印刷を層間に施すことが可能であり、印刷の改竄防止効果の観点からも好ましい。
前記蓋材3の製造方法としては、従来公知の方法を使用することが可能であり特に制限はない。多層共押出工法、押出ラミネート工法、共押出インフレーション法や共押出Tダイ法等の共押出ラミネート工法、ドライラミネート工法、共押出水冷インフレーション、ヒートラミネーションやグラビアコート、ダイコートやメイヤーバーコート、コンマリバースコート、コンマダイレクトコート、エアーナイフコート、キスコート、ホットメルトコートなどのコーティング工法などの従来公知の方法を単独或いは複数を組み合わせて層を構成する事ができる。各層を接着させる方法は、接着性樹脂を使用したり、アンカー剤や接着剤を使用しても良い。また構成する各層の樹脂やフィルムはその製造方法には特に制限はなく、従来公知の方法を使用することが可能である。
接着剤としては、二液硬化型のポリエステルウレタン系接着剤やポリエーテルウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の有機系接着剤が適宜選択可能である。
アンカー剤としては、ポリウレタン系、ポリエーテル系、アルキルチタネート(有機チタン化合物)系等、一般的に使用されるアンカー剤が使用でき、適宜選択可能である。
柔軟性を付与する層としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン系エラストマーやプロピレン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の柔軟性を付与する為の従来公知の樹脂やフィルムを使用することが可能であり、それぞれ単独で層を構成しても他の樹脂に単独或いは複数種類をブレンドして層を構成しても良く、2層以上の層としても良い。
接着性樹脂としては、異種材質との接着性に優れるものであれば従来公知の樹脂を用いることができ、単独或いは複数を使用することが出来る。例えば低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、酸変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。直鎖状低密度ポリエチレンはメタロセン系触媒を用いて重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であるとより好ましい。酸変性ポリオレフィン樹脂として好適な樹脂の具体例としては、金属架橋ポリエチレン(アイオノマー)、エチレン―アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン―メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン―アクリル酸エチル共重合体(EEA)、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどが挙げられる。酸変性ポリオレフィン樹脂の原料にグラフト重合される不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、またはそれらの酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩等の誘導体を挙げることができる。この他、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピンなどにエポキシ化ポリブタジエンをブレンドした樹脂を使用しても良い。
バリア層としては、アルミニウム箔や合金箔等からなる金属箔層、シリカあるいはアルミナの蒸着PETフィルムや蒸着ナイロンフィルム、アルミ蒸着PET、アルミ蒸着ナイロン、有機及び/又は無機のナノコンポジット樹脂又は有機及び/又は無機のナノコンポジットコートフィルム、PVDCやPVDCをコーティングしたフィルム、環状オレフィン系樹脂、EVOH、PVA樹脂又はそのコート、PVDC樹脂又はそのコート、MXDナイロン等を使用することができる。これらのフィルム、樹脂を単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。
イージーピール層は、一部に凹部(ポケット)が成形されるフィルムまたはシートとの溶着部の剥離強度が、1N/15mm以上15N/15mm以下であり、好ましくは2N/15mm以上10N/15mm以下であるとより好ましい。1N/15mmより低い場合には、流通過程において開封してしまう危険があり好ましくなく、15N/15mmを超えると、容易に開封する事が困難となり好ましくない。
このようなイージーピール層としては、従来公知のフィルムや樹脂を使用することが可能である。また、コーティングやホットメルト剤なども使用することが可能である。イージーヒール層の厚みは、包装体の価格に影響するため、厚くするほど包装体が高価となり好ましくなく、70μm以下、より好ましくは50μm以下であるとより好ましい。
本発明の別の蓋材3の構成としては、シール性を有するコーティング剤を塗工されている金属箔でも良い。金属箔の厚みは、フィルムまたはシート2と蓋材3に使用される金属箔の合計厚みが35μm以下であれば良いが、20μm以下であると、包装体1としての柔軟性が増す事となりより好ましく、内容物の取り出し性も向上する。コーティング剤としては従来公知のコーティング剤を幅広く使用することが可能であり、フィルムまたはシート2に熱溶着される際に、金属箔に対して良好に接着可能な材料であれば良い。コーティング剤は、フィルムまたはシート2と同一の樹脂又は特定の樹脂を混合したものを主剤とするコート剤を使用することが好ましい 。例えば、フィルムまたはシート2の最内層がポリプロピレン系樹脂を主成分として含む層で構成されている時には、ポリプロピレン用接着性コーティング剤を使用し、ポリエチレン系樹脂を主成分として含む層で構成されている時には、ポリエチレン用接着性コーティング剤を使用し、ポリ塩化ビニル系樹脂を主成分として含む層で構成されている時には、ポリ塩化ビニル系樹脂用接着性コーティング剤を使用する。
フィルムまたはシート2は、最外層の軟化温度を最内層の軟化温度よりも低くすることで、通常よりも高速でポケット4の成形を行ったとしても、最外層側からの加熱温度を高める事が可能となり、熱成型によりポケット4を成形する時の成型性が向上して、成形速度を早くすることが可能なり、生産性の向上により安価な包装体1を製造する事が可能となる。最外層と最内層の軟化温度の指標としては、融点で比較する事が最も好ましく、最外層の融点が最内層の融点よりも10℃以上高いと高速成形性の観点からより好ましい。融点の次に好ましい指標としては軟化温度(JIS K6734)がある。これは融点を示さない環状オレフィンやポリ塩化ビニルなどの非晶性の材料の場合の指標として用いられるが、例えば融点を示す材料を最外層に用いて、融点を示さない材料を最内層に用いた場合にも、単純に融点と軟化温度の両者の温度を比較して、最外層を10℃以上高くすることでポケットの高速成形性が得られる。
内容品を取り出すには、従来は包装体1のポケット4を押してアルミ等の金属箔を破ったり、アルミ等の金属箔を手で直接破くなどして内容物を取り出すことが一般的であったが、本発明では、フィルムまたはシート2および蓋材3の一方あるいは両方に、刃またはレーザーによる開封誘導部6が設けられていることで、包装体自体を手で引裂いて内容物を容易に取り出す事が可能となる。このような開封方法は特に小児の誤飲防止に効果がある。開封誘導部6を施す方法としては、例えば、ダイカット、トムソン刃等の金属刃による方式で、最外層或いは、最内層以外の内側の層に、打ち抜き加工や、炭酸ガスレーザー照射による基材層のアブレーション等によって開封誘導部6を形成することができる。このような開封誘導部6の形状としては、特に制限されるものではないが、カット部が連続して設けられていても良いが、破線状にカット部(断裁部)と非カット部(非断裁部)が交互に連続して設けられると、開封性の付与と開封前の流通時に誤って開封されてしまうリスクの両方の効果が最も発揮しやすくより好ましい。カット部と非カット部が交互に連続して設けられている場合には、それぞれ0.05mm以上、1.5mm以下の範囲の長さであると好ましく、0.1mm以上、1.0mm以下であると、直線カット性の観点からより好ましい。カット部と非カット部の長さは、この範囲内で互いに異なっていても良い。
この易開封誘導部6は、開封して内容品を取り出すことが可能であれば、包装体内のどこに配置されていても良く、好ましくは包装体の縦横の長さが長い辺に対して並行に配置されているとより好ましい。
多層に積層されたフィルムまたはシート2か多層に積層された蓋材3の少なくともどちらか一方に、より好ましくは蓋材3側にレーザーマーキング用インキが印刷されていて、少なくとも1ポケット毎に、より好ましくはすべてのポケットに対して1つレーザーマーキング用インキが印刷されていていることで、医療現場や家庭においては、服用管理や携帯性などの利便性等の理由から、ポケット4を1つ有するようにシートが切断されてしまう場合があるが、このような時でも使用期限や有効期限、製造番号、二次元バーコード等が明確となっているため、後日どのような製剤であるか識別しやすく、残薬が廃棄されることがなくなり医療費の抑制に役立つことができる。このレーザーキング用インキは各層の間に印刷されていることで、外部に直接露出する事がなく、後から改竄をする事ができない為、改竄防止効果が高くなる。このようなレーザーマーキング用インキとしては、層間に施されたインキ層に外部からレーザーを照射して初めて発色して文字等を識別できるようになるものであればその組成・材料には特に制限なく、従来公知のインキを使用することが可能である。また層間にインキを印刷することで、改竄防止効果だけではなく、レーザー照射により発生するガスが外部に飛散することも防止する事が可能である。
少なくとも1ポケットに切断した時に、切断体8の角は鋭利となることから、本発明では、ポケット4を有するフィルムまたはシート2の柔軟性ではなく、フィルムまたはシート2と蓋材3が溶着された包装体1自体に着眼し、その合わせた合計の厚みと、包装袋内に使用されている金属箔の厚みを規定することで、切断体8を誤飲したとしても消化管に損傷を与えることがない包装体を提案しているが、より好ましくは、少なくとも1ポケットに切断したときに、切断体8の少なくとも対向する2辺に、より好ましくは切断体の全周にフィルムまたはシート2と蓋材3とが溶着されていない未溶着部7があるように溶着部の形状をすることで、切断体8の角部に必ず未溶着部が露出するため、消化管を損傷させるリスクをさらに低くすることが可能となる。
包装体1のポケット4の寸法は、内容品(製剤)の大きさに対して、縦+2.0から+20.0mm、横+2.0から20.0mm、高さ+0.1から+3.0mmとなるようにすることが、誤飲を防止する事により好適である。
なお、本発明において主成分というときは、その成分の含有量が50重量%以上の場合を指す。
つぎに、実施例、比較例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[実施例および比較例]
フィルム及びシート2と蓋材3の詳細な構成を表1に具体的に示す。
なお、包装体を構成する素材として、最外層は下記a〜e、最内層は下記I〜V、バリア層は下記A〜C、接着性及び柔軟性を付与する層には下記i〜v使用した。
a:2軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ製エンブレム)
b:2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡製エステル)
c:ポリプロピレン(MFR1.6の三菱化学製ゼラス)
d:シリカ蒸着ナイロンフィルム(三菱樹脂製テックバリア)
e:アルミナ蒸着ポリエステルフィルム(凸版印刷製GLフィルム)
I:LLDPE直鎖状低密度ポリエチレン(MFR8の日本ポリエチレン製ハーモレックス)
II:ポリプロピレン(MFR3.0の三菱化学製ゼラス)
III:ポリ塩化ビニルフィルム(三菱樹脂製ビニホイル)
IV:イージーピールフィルム(東レフィルム加工性CFフィルム)
V:イージーピールフィルム(三井化学東セロ製CMPS)
A:アルミニウム箔(UACJ製箔製1N30)
B:PVDC(旭化成サラン−UB)
C:PCTFE(ハネウェル社製PCTFE)
i:2液硬化型のポリエステル系ウレタン接着剤(三井化学株式会社製タケラック/タケネート)
ii:アンカー剤2液溶剤型ポリウレタン系(日本曹達製チタボンド)
iii:LLDPE直鎖状低密度ポリエチレン(MFR8の日本ポリエチレン製ハーモレックス)
iv:MFR8のポリエチレン(住友化学製LDPE)50重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)50重量%
v:MFR20のポリプロピレン系エラストマー(三菱化学製ゼラス)50重量%とMFR7のポリプロピレン(日本ポリプロ製ウィンテック)30重量%、MFR8のポリエチレン(日本ポリエチレン製ハーモレックス)10重量%、MFR10のスチレン系エラストマー(クレイトンポリマー社製SEBS KRATON)10重量%のブレンド。
LI:レーザーマーキング用インキ(東洋インキ製Elbima)
Figure 0006934739
[製造方法1]
実施例1、2、4、11、12のフィルムまたはシートは、表1に示す構成として、押出ラミネート工法により作製した。
実施例3、5、7、10及び比較例2のフィルムまたはシート及び実施例1〜7、10の蓋材は、表1に示す構成として、ドライラミネート工法により作製した。
実施例6、8、9及び比較例1のフィルムまたはシートは、表1に示す構成として、多層共押出工法により作製した。
実施例8、9、11、12及び比較例1、2の蓋材は、表1に示す構成として、グラビアコート法により作成した。
その後、フィルムまたはシート及び蓋材の最内層側をそれぞれ対向させて、ポケットの内側となるようにしてCKD株式会社製の成型機にてポケットを作製して、蓋材を熱溶着して密封して包装体を作製した。
[ミシン目]
実施例1、4、10のフィルムまたはシートには、2軸延伸ナイロンフィルムに予め0.8mm間隔で断裁部と非断裁部が連続するミシン目をダイロールにて入れたフィルムを用いて、易開封誘導線を入れて開封性を高めた。
実施例2はフィルムまたはシートには、2軸延伸ポリエステルフィルムに、また蓋材には、2軸延伸ナイロンフィルムにそれぞれ予め0.2mm間隔で断裁部と非断裁部が連続するミシン目をダイロールにて入れたフィルムを用いて、易開封誘導線を入れて開封性を高めた。
[未溶着部]
実施例10、11、12には、フィルムまたはシートと蓋材とを溶着して密封する際に、ポケットを少なくとも1つに切断したとしても、全角部に未溶着部が出るように溶着されている。
[評価方法]
本発明の包装体について、下記の評価を行った。
<刺通試験A>
フィルムまたはシートに蓋材が溶着された状態の包装体を、1ポケットになるようにカッターで切断して、切断体片の1片の角が90度となる切断体片を作成する。この切断体片をクレメンス型引掻き硬度試験機(テスター産業製)に試験片を掴む為の専用取付部品を針に変えて使用してセットする。このとき、切断体片は角の頂点から5mmの位置を掴み、角度45度となるように鋭利な角を下になるようにセットする。一方で硬度試験機には25μmのアルミ箔(JIS H 4160に規定される1N30 H18)を皺や弛みなく張った状態でセットする。切断体片はこのアルミ箔に対して荷重100gをかけた状態で、30mm/分の速度で試験片をスライドした時に、アルミ箔が貫通しない事を確認する。
<刺通試験B>
フィルムまたはシートに蓋材が溶着された状態の包装体を、1ポケットになるようにカッターで切断して、切断体片の1片の角が90度となる切断体片を作成する。鉛筆硬度試験機(テスター産業製)に、上記切断体片を鉛筆の代わりにセットする。このとき、角度45度となるように鋭利な角を下にしてセットする。試験板として、バイオシートミディアムタイプ(ウェトラブ製 HXBNXTB858510MX)を使用し、JIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)に準じて、荷重を750gとし、水平な状態で1mm/秒の速度で試験を行う。試験後、試験板を目視で確認し、キズ、裂けが発生していないことを確認する。
<刺通試験C>
前記刺通試験Bの試験板としてバイオシートに替えてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み20μm)を使用する他は前記刺通試験Bと同様に試験を行う。試験後、試験板を目視で確認し、キズ、裂け、擦り跡、破れがないことを確認する。
1 包装体
2 フィルムまたはシート
3 蓋材
4 ポケット
5 ミシン目またはスリット
6 開封誘導部
7 未溶着部
8 切断体
9 アルミ箔
10 試験板

Claims (10)

  1. 一部に凹部(ポケット)が成形されたフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されてなる包装体であり、前記フィルムまたはシートと前記蓋材の厚みを合わせた厚みが、97μm以上168μm以下であり、前記フィルムまたはシートに含まれる金属箔の厚みと前記蓋材に含まれる金属箔の厚みとの合計厚みが35μm以下であるか金属箔を使用していない包装体であって、前記包装体の前記フィルムまたはシートに前記蓋材が溶着された部分を直角に切断して切断体を作成し、下記刺通試験Aを実施した時に、厚み25μmのアルミ箔を貫通しないことを特徴とする包装体。
    <刺通試験A>
    直角に切断した切断片の該直角の頂部を、皺や弛みなく張った状態のアルミ箔に100gの荷重で押し当てた状態で、速度30mm/分の速度で平行移動させる。
  2. 一部に凹部(ポケット)が成形されたフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されてなる包装体であり、前記フィルムまたはシートと前記蓋材の厚みを合わせた厚みが、97μm以上168μm以下であり、前記フィルムまたはシートに含まれる金属箔の厚みと前記蓋材に含まれる金属箔の厚みとの合計厚みが35μm以下であるか金属箔を使用していない包装体であって、前記包装体の前記フィルムまたはシートに前記蓋材が溶着された部分を直角に切断して切断体を作成し、下記刺通試験BまたはCを実施した時に、試験板に傷や裂けが発生しないことを特徴とする包装体。
    <刺通試験B>
    直角に切断した切断片を、JIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)を準用し、鉛筆硬度試験機に鉛筆の代わりに前記切断片の直角の頂部が試験板に接するように固定し、前記試験板としてバイオシートを使用し、750gの荷重をかけ、水平な状態で速度1mm/秒の速度で平行移動させる。
    <刺通試験C>
    直角に切断した切断片を、JIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)を準用し、鉛筆硬度試験機に鉛筆の代わりに前記切断片の直角の頂部が試験版に接するように固定し、前記試験板としてポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、750gの荷重をかけ、水平な状態で速度1mm/秒の速度で平行移動させる。
  3. 前記フィルムまたはシートが、最外層を構成する層がセロファン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含み、最内層がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含む、少なくとも2層以上の積層体であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装体。
  4. 前記蓋材が、最外層がセロファン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含み、最内層がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂の少なくともいずれか1つを主成分として含む樹脂層で構成されるか、イージーピールを発現する素材で構成されている、少なくとも2層以上の積層体で構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装体。
  5. 前記蓋材が、シール性を有するコーティング剤を塗工されている金属箔であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装体。
  6. 前記フィルムまたはシートが、最外層の軟化温度が最内層の軟化温度よりも低いことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の包装体。
  7. フィルムまたはシートおよび蓋材の一方あるいは両方に、刃またはレーザーによる開封誘導部が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の包装体。
  8. 該包装体には、多層に積層されたフィルムまたはシートか多層に積層された蓋材の少なくともどちらか一方に、レーザーマーキング用インキが層間に印刷されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の包装体。
  9. 該包装体は、内容物を個別に分離切断した切断体の少なくとも対向する2辺にフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されていない未溶着部が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の包装体。
  10. 該包装体は、内容物を個別に分離切断した切断体の全周にフィルムまたはシートと蓋材とが溶着されていない未溶着部が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の包装体。
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