JP2013183080A - レジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステム - Google Patents

レジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステム Download PDF

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健一 高橋
Kazuaki Seto
一彰 瀬戸
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輝彦 今井
Yukihide Naito
幸英 内藤
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Abstract

【課題】レジスト剥離工程における空気中の二酸化炭素濃度を減少させることで、レジスト剥離液の劣化を抑制することを可能とし、微細な配線パターンを有する電子回路基板又は電子部品の製造効率の向上と、製造コストの低減とを図ることができるレジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステムを提供する。
【解決手段】パターン形成後のレジスト剥離工程で用いる有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステムであって、二酸化炭素除去装置20を用いて、レジスト剥離液12に接触する空気中の二酸化炭素濃度を減少させ、該空気中でレジスト剥離工程を実施するようにしてある。二酸化炭素除去装置20は、水溶性の無機又は有機アルカリ化合物を含有する吸収液22を噴霧して、レジスト剥離液12に接触する空気中の二酸化炭素濃度を約300ppm以下に減少させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板、モジュール基板等の電子回路基板及びリードフレーム等の電子部品の製造における配線パターン形成後のレジスト剥離工程に関し、より詳しくは、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステムに関するものである。
プリント配線板、モジュール基板等の電子回路基板及びリードフレーム等の電子部品の製造法としては、フォトレジストを用いて露光、現像し金属薄膜上にレジストパターンを作製した後、金属薄膜の露出した箇所をエッチング又はパターンめっきすることにより回路を形成する方法が汎用されている。
これらエッチング又はパターンめっき処理の後には、残存するレジストを剥離除去する必要があり、従来、これらのレジスト剥離液としては、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ水溶液が一般に用いられてきた。ところが、近年、配線パターンの微細化が急速に進展し、無機アルカリ水溶液では、レジストの剥離が極めて困難になるという問題が生じた。すなわち、配線パターンの微細化に対応するため、レジスト材料の低膨潤化が進められた結果、レジスト材料自体が剥離しにくいものになったこと、また、狭い配線パターンの間にレジストが挟まれて存在することが相まって、従来の無機アルカリ水溶液によるレジストの剥離が困難になった。
このような問題を解決するには、モノエタノールアミンとテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの組み合わせ等の有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液が有効とされ、最近では広く利用されるようになってきた。
特開平7−86261号公報 特開平11−84686号公報 特開2002−62668号公報
しかしながら、従来の電子回路基板及び電子部品の製造では、空気中の二酸化炭素濃度を何らコントロールすることなく、レジスト剥離工程を実施していたため、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液が、早期に劣化してしまうという問題があった。
すなわち、有機アルカリ化合物は、空気中の二酸化炭素を容易に吸収して有機アルカリ成分が中和されてしまう性質がある。それにもかかわらず、従来のレジスト剥離工程では、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液を、通常の二酸化炭素濃度の空気に曝しながら処理を行っていたため、レジスト剥離液の劣化が激しかった。このため、従来のレジスト剥離工程では、レジスト剥離液が劣化点に達するまでの処理面積が小さく、電子回路基板又は電子部品を効率よく大量に製造することができないという問題があった。
また、有機アルカリ化合物は、無機アルカリ化合物と比較すると薬剤の単価が高く、従来のレジスト剥離工程では、高価なレジスト剥離液の劣化を抑制できないばかりか、劣化した分のレジスト剥離液を頻繁に補給しなければならず、レジスト剥離工程に要するコストが嵩むという問題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、レジスト剥離工程における空気中の二酸化炭素濃度を減少させることで、レジスト剥離液の劣化を抑制することを可能とし、微細な配線パターンを有する電子回路基板又は電子部品の製造効率の向上と、製造コストの低減とを図ることができるレジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステムの提供を目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の第1のレジスト剥離液の劣化抑制方法は、パターン形成後のレジスト剥離工程で用いる有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液の劣化抑制方法であって、二酸化炭素除去装置を用いて、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を減少させ、該空気中で前記レジスト剥離工程を実施するようにしてある。
(2)本発明の第2のレジスト剥離液の劣化抑制方法は、上記(1)の方法において、前記二酸化炭素除去装置により、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を約300ppm以下に減少させるようにしてある。
(3)本発明の第3のレジスト剥離液の劣化抑制方法は、上記(1)又は(2)の方法において、前記二酸化炭素除去装置が、水溶性の無機又は有機アルカリ化合物を含有する吸収液により、空気中の二酸化炭素濃度を減少させるようにしてある。
(4)本発明の第4のレジスト剥離液の劣化抑制方法は、上記(1)〜(3)のいずれかの方法において、前記二酸化炭素除去装置が、前記吸収液を噴霧した空間に空気を通過させ、該空気中の二酸化炭素濃度を減少させるようにしてある。
(5)本発明の第5のレジスト剥離液の劣化抑制方法は、上記(3)又は(4)のいずれかの方法において、前記吸収液が含有する水溶性の有機アルカリ化合物を、前記レジスト剥離液が含有する有機アルカリ化合物と同じ成分にしてある。
(6)上記目的を達成するために、本発明の第1のレジスト剥離方法は、パターン形成後のレジスト剥離工程で、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液を用いて不要なレジストを除去するレジスト剥離方法であって、二酸化炭素除去装置を用いて、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を減少させ、該空気中で前記レジスト剥離工程を実施するようにしてある。
(7)本発明の第2のレジスト剥離方法は、上記(6)の方法において、前記二酸化炭素除去装置により、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を約300ppm以下に減少させるようにしてある。
(8)本発明の第3のレジスト剥離方法は、上記(6)又は(7)の方法において、前記二酸化炭素除去装置が、水溶性の無機又は有機アルカリ化合物を含有する吸収液により、空気中の二酸化炭素濃度を減少させるようにしてある。
(9)本発明の第4のレジスト剥離方法は、上記(6)〜(8)のいずれかの方法において、前記二酸化炭素除去装置が、前記吸収液を噴霧した空間に空気を通過させ、該空気中の二酸化炭素濃度を減少させるようにしてある。
(10)本発明の第5のレジスト剥離方法は、上記(8)又は(9)のいずれかの方法において、前記吸収液が含有する水溶性の有機アルカリ化合物を、前記レジスト剥離液が含有する有機アルカリ化合物と同じ成分にしてある。
(11)上記目的を達成するために、本発明の第1のレジスト剥離システムは、パターン形成後のレジスト剥離工程を実施するためのレジスト剥離システムであって、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液を用いて不要なレジストを除去するレジスト剥離装置と、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を減少させる二酸化炭素除去装置と、を備えた構成としてある。
(12)本発明の第2のレジスト剥離システムは、上記(11)のシステムにおいて、前記二酸化炭素除去装置により、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を約300ppm以下に減少させる構成としてある。
(13)本発明の第3のレジスト剥離システムは、上記(11)又は(12)のシステムにおいて、前記二酸化炭素除去装置が、水溶性の無機又は有機アルカリ化合物を含有する吸収液により、空気中の二酸化炭素濃度を減少させる構成としてある。
(14)本発明の第4のレジスト剥離システムは、上記(11)〜(13)のいずれかのシステムにおいて、前記二酸化炭素除去装置が、前記吸収液を噴霧した空間に空気を通過させ、該空気中の二酸化炭素濃度を減少させる構成としてある。
(15)本発明の第5のレジスト剥離システムは、上記(13)又は(14)のいずれかのシステムにおいて、前記二酸化炭素除去装置が、空気の吸気口及び排気口を有する前記吸収液の貯留槽と、前記貯留槽内で前記吸収液を噴霧するスプレーノズルと、前記貯留槽の排気口に接続され、前記吸収液の噴霧により二酸化炭素濃度を減少させた空気を、前記レジスト剥離装置内又は前記レジスト剥離装置を設置した空間内へ供給する排風機と、を備えた構成としてある。
(16)本発明の第6のレジスト剥離システムは、上記(13)〜(15)のいずれかのシステムにおいて、前記吸収液が含有する水溶性の有機アルカリ化合物を、前記レジスト剥離液が含有する有機アルカリ化合物と同じ成分にした構成としてある。
本発明のレジスト剥離方法及びシステムによれば、レジスト剥離工程における空気中の二酸化炭素濃度を減少させることで、レジスト剥離液に含まれる有機アルカリ化合物の二酸化炭素の吸収を抑え、レジスト剥離液の劣化を抑制することができる。これにより、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液の寿命を延ばし、劣化点に達するまでの処理面積を増大させることが可能となる。
また、レジスト剥離工程を長期間連続して運用する場合には、レジスト剥離液の補給量及び補給回数を低減させることができ、再建浴サイクルを長期化するとともに、サイクル数を削減することが可能となる。
したがって、本発明のレジスト剥離方法及びシステムによれば、微細な配線パターンを有する電子回路基板又は電子部品の製造効率の向上と、製造コストの低減とを図ることができる。
本発明の一実施形態に係るレジスト剥離液の劣化抑制方法及びレジスト剥離方法を実施するためのレジスト剥離システムを示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態に係るレジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステムについて説明する。ここで、本実施形態に係るレジスト剥離液の劣化抑制方法及びレジスト剥離方法は、図1に例示したようなレジスト剥離システムにより実施されるものである。したがって、説明の便宜上、レジスト剥離液の劣化抑制方法及びレジスト剥離方法の実施形態は、図1に示すレジスト剥離システムの実施形態に含めて説明する。
<レジスト剥離液>
本実施形態に係るレジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステム(以下「方法及びシステム」と省略する場合がある)は、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液に適用されるものである。まず、本実施形態で用いるレジスト剥離液について説明する。
微細化された配線パターン形成後のレジスト剥離工程では、例えば、アルカノールアミン類、第四級アンモニウム水酸化物類、ポリアミン類などの有機アルカリ化合物のうちの一種又は二種以上を選択し、これを合計濃度1〜50重量%含有する水溶液をレジスト剥離液として用いる。このような有機アルカリ化合物の濃度が、1重量%未満ではレジストの剥離速度が低下し、50重量%を超えると材料や基板に対して腐食が発生するなどの問題を生じる。
本実施形態に係る方法及びシステムは、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液であれば、その組成は特に限定されないが、後述する実施例のとおり、アルカノールアミン類、第四級アンモニウム水酸化物類及びポリアミン類から選ばれた一種又は二種以上の有機アルカリ化合物を1〜50重量%含有するレジスト剥離液に対する劣化の抑制効果が高い。以下、本実施形態で用いるレジスト剥離液に好適な有機アルカリ化合物の具体例を挙げる。
アルカノールアミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、N−プロピルイソプロパノールアミン、2−アミノプロパン−1−オール、N−メチル−2−アミノプロパン−1−オール、N−エチル−2−アミノプロパン−1−オール、1−アミノプロパン−3−オール、N−メチル−1−アミノプロパン−3−オール、N−エチル−1−アミノプロパン−3−オール、1−アミノブタン−2−オール、N−メチル−1−アミノブタン−2−オール、N−エチル−1−アミノブタン−2−オール、2−アミノブタン−1−オール、N−メチル−2−アミノブタン−1−オール、N−エチル−2−アミノブタン−1−オール、3−アミノブタン−1−オール、N−メチル−3−アミノブタン−1−オール、N−エチル−3−アミノブタン−1−オール、1−アミノブタン−4−オール、N−メチル−1−アミノブタン−4−オール、N−エチル−1−アミノブタン−4−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール、2−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノペンタン−4−オール、2−アミノ−4−メチルペンタン−1−オール、2−アミノヘキサン−1−オール、3−アミノヘプタン−4−オール、1−アミノオクタン−2−オール、5−アミノオクタン−4−オール、1−アミノプロパン−2,3−ジオール、2−アミノプロパン−1,3−ジオール、トリス(オキシメチル)アミノメタン、1,2−ジアミノプロパン−3−オール、1,3−ジアミノプロパン−2−オール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール等が挙げられる。これら有機アルカリ化合物のうち、特に好ましいのは、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、2−アミノプロパン−1−オール、N−メチル−2−アミノプロパン−1−オール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール等である。
第四級アンモニウム水酸化物類としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。これら有機アルカリ化合物のうち、特に好ましいのは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド等である。
ポリアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,3−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタン、ペンタメチレンジアミン、2,4−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、トリメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、トリエチルエチレンジアミン、1,2,3−トリアミノプロパン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラ(アミノメチル)メタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン等が挙げられる。これら有機アルカリ化合物のうち、特に好ましいのは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等である。
以上、列挙した有機アルカリ化合物の組み合わせとしては、モノエタノールアミンとテトラメチルアンモニウムヒドロキシドとの組み合わせ、及びモノエタノールアミンとエチレンジアミンの組み合わせが、特に好ましい。
なお、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液には、その他成分として防食剤、溶剤等の様々な添加剤成分が配合される。本実施形態の方法及びシステムでは、レジスト剥離液の添加剤の成分は、特に限定されるものではない。以下、レジスト剥離液に添加される防食剤及び溶剤として、代表的な化合物の具体例を挙げる。
防食剤としては、例えば、各種のアゾール化合物が好ましく、イミダゾール類、ピラゾール類、トリアゾール類、テトラゾール類が挙げられ、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール等が代表的な化合物として挙げられる。また、溶剤としては、例えば、汎用のグリコール化合物のモノアルキルエーテル類等の極性溶剤が代表例として挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノブチルエーテル等が挙げられる。
<レジスト剥離システム>
上述した有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液は、レジスト剥離工程において空気中の二酸化炭素を吸収すると、有機アルカリ成分が中和されて劣化してしまう。そこで、本実施形態では、図1に示すようなレジスト剥離システム1を用いて、レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を減少させ、該空気中でレジスト剥離工程を実施するようにしている。
図1において、本実施形態に係るレジスト剥離システム1は、主として、レジスト剥離装置10及び二酸化炭素除去装置20を備えた構成となっている。
<<レジスト剥離装置>>
レジスト剥離装置10は、パターン形成後の基板16にレジスト剥離工程を実施するためのものであり、レジスト剥離液12の貯留槽11を備えている。この貯留槽11の側壁には、基板16の搬入口11a及び搬出口11bが開口している。搬入口11aの近傍には空気の給気口11cが設けてあり、搬出口11bの近傍には空気の排気口11dが設けてある。また、搬入口11a及び搬出口11bを介して、貯留槽11の内外にわたる搬送ローラ15が敷設してある。そして、貯留槽11内における搬送ローラ15の上下には、レジスト剥離液12を噴霧するための複数のスプレーノズル14、14、14…が設置してある。貯留槽11内のレジスト剥離液12は、ポンプ13によって各スプレーノズル14に供給される。このポンプ13によって、各スプレーノズル14のスプレー圧を調整し、貯留槽11内のレジスト剥離液12を噴霧・循環させている。
露光、現像後のパターンめっき処理を経た基板16は、搬送ローラ15によって、搬入口11aからレジスト剥離装置10内に搬送され、各スプレーノズル14から噴霧されたレジスト剥離液12により、配線パターン形成後の不要なレジストが除去される。このようなレジスト剥離工程を経た基板16は、搬出口11bから次工程へ搬送される。
<<二酸化炭素除去装置>>
二酸化炭素除去装置20は、二酸化炭素を減少させた空気をレジスト剥離装置10に供給するためのものであり、二酸化炭素の吸収液22を貯留する貯留槽21を備えている。貯留槽21内の上方には、吸収液22を噴霧するための複数のスプレーノズル24、24、24…が設置してある。貯留槽21内の吸収液22は、ポンプ23によって各スプレーノズル24に供給される。このポンプ23によって、各スプレーノズル24のスプレー圧を調整し、貯留槽21内の吸収液22を噴霧・循環させている。ここで、二酸化炭素除去装置20の貯留槽21は、上述したレジスト剥離装置10の貯留槽11と比較して、約1/10程度の容量とすることができる。
貯留槽21には、空気の吸気口21a及び排気口21bが設けてある。このうち排気口21bは、ダクト26を介して、排風機25の吸引側に接続してある。この排風機25の排出側は、ダクト27を介して、レジスト剥離装置10の貯留槽11に設けた給気口11cに接続してある。
排風機25を駆動させると、図1中の矢印で示すように、吸気口21aから貯留槽21内に周辺の空気が取り込まれる。取り込まれた空気は、貯留槽21内を通過する過程で、各スプレーノズル24から噴霧された吸収液22と接触し、該空気中の二酸化炭素濃度が減少される。その後、該空気は、ダクト26及び27を介して、レジスト剥離装置10の貯留槽11内に供給され、レジスト剥離液12に接触する空気中の二酸化炭素濃度が減少される。この結果、レジスト剥離工程におけるレジスト剥離液12の劣化が抑制される。
<<吸収液>>
ここで、本実施形態における吸収液22は、二酸化炭素の吸着成分として、水溶性の無機又は有機アルカリ化合物を含有している。
水溶性の無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。これら無機アルカリ化合物は、有機アルカリ化合物と比較して薬剤の単価が安く、空気中の二酸化炭素濃度を減少させるための費用を削減することができる。
一方、水溶性の有機アルカリ化合物としては、例えば、レジスト剥離液12に含まれる有機アルカリ化合物として例示したアルカノールアミン類、第四級アンモニウム水酸化物類及びポリアミン類等を用いることができる。特に、アルカノールアミン類は、一旦吸収した二酸化炭素の離脱が容易であるという利点がある。
また、吸収液22に含有した水溶性アルカリ化合物が、二酸化炭素除去後の空気中に残存し、レジスト剥離装置10内に持ち込まれると問題が生ずるような場合は、該空気中に混入した水溶性アルカリ化合物を捕集等する措置を採ることが望ましい。このような問題を一切生じさせない方法としては、吸収液22に含有する水溶性アルカリ化合物を、レジスト剥離液12に含有した有機アルカリ化合物と同一成分にすればよい。ここで、比較的高価な有機アルカリ化合物を吸収液22に用いたとしても、本実施形態に係る方法及びシステムによれば、レジスト剥離工程に用いるレジスト剥離液12の1/10程度の量の吸収液22で済み、少量の吸収液22で大量のレジスト剥離液12の劣化を抑制することができる。
<<減少させる二酸化炭素濃度>>
レジスト剥離装置10に供給する空気中の二酸化炭素濃度が低いほど、レジスト剥離液12の劣化の抑制効果は大きいが、後述する実施例のとおり、レジスト剥離液12に接触する空気中の二酸化炭素濃度を約300ppm以下に減少させると、レジスト剥離液12の劣化が顕著に抑制されることを見出した。
すなわち、温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)の解析による2010年の大気中の二酸化炭素濃度の世界平均は、389.0ppmである(気象庁ホームページ 平成24年1月12日更新 http://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/21co2.html)。現状の空気中の二酸化炭素濃度約400ppmに対して、二酸化炭素濃度を約300ppm以下に減少させると、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液12の劣化は、顕著に抑制される。
本実施形態の二酸化炭素除去装置20では、吸収液22に含有する水溶性アルカリ化合物の種類、吸収液22の濃度及び温度、噴霧方法、スプレー圧、スプレー流量、貯留槽21内を通過させる空気流量等を、レジスト剥離装置10のスペックに応じて適切に調整することにより、現状の空気の二酸化炭素濃度を約400ppmから約300ppm以下に減少させることが可能である。
なお、レジスト剥離装置10に供給する空気中の二酸化炭素濃度を200ppm以下に減少させると、レジスト剥離液12の劣化をより効果的に抑制できるが、減少させる二酸化炭素濃度をどの程度に設定するかは、二酸化炭素除去に要するコストと劣化抑制効果との兼ね合いにより決定されるべきものと言える。
<<二酸化炭素の除去方法>>
上述のとおり、本実施形態の二酸化炭素除去装置20では、水溶性アルカリ化合物を含有する吸収液22を噴霧した空間に空気を通過させ、該空気中の二酸化炭素濃度を減少させている。このような二酸化炭素の除去方法によれば、吸収液22の噴霧を通過させることで、現状の空気から二酸化炭素を簡単に除去することができ、二酸化炭素濃度を減少させた大量の空気を迅速かつ大量にレジスト剥離装置10に供給することが可能となる。
一般的なレジスト剥離工程では、数〜数十m/min程度の給排気が行われるため、レジスト剥離工程に適した二酸化炭素の除去方法の要件としては、大流量の空気を長期にわたり連続して供給可能であること、及び装置の構成が簡単で低コストであることが重要である。
ここで、二酸化炭素による地球温暖化の対応策として、下記1)〜5)のような二酸化炭素の分離回収技術の開発が行われている(経済産業省ホームページ 「現状のCO2分離回収技術の概要と特性」 http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g81125d04j.pdf)。
1)アミン、炭酸カリ水溶液などのアルカリ水溶液を吸収液として利用し、二酸化炭素を化学反応により吸収させ、その吸収液を加熱することにより、二酸化炭素を放出させて回収する化学吸収法。
2)メタノール、ポリエチレングリコール等の吸収液を使用して、に高圧・低温下で物理的に二酸化炭素を吸収させ、その後減圧(加熱)して二酸化炭素を放出させることにより回収する物理吸収法。
3)膜による、各気体の透過速度の違いを利用して、混合ガスから各気体を分離する膜分離方法。
4)高濃度のCOを含む排ガスを低温に冷却して液化させ、それぞれのガスが凝縮する際の温度の違いを利用して蒸留あるいは部分凝縮によって分離、回収する酸素燃焼+深冷分離方法。
5)ゼオライト、活性炭等の多孔質の吸着剤を用い、高い圧力下で吸着剤にCOを吸着させ、その吸着剤を低い圧力下でCOを脱着させてCOを排ガスから分離回収する吸着剤による分離方法(PSA:Pressure Swing Adsorption)。
本実施形態に係る方法及びシステムでは、レジスト剥離工程に供給する空気の二酸化炭素濃度を減少させることが重要である。したがって、二酸化炭素の除去方法は、図1に示す構成の二酸化炭素除去装置20に限定されるものではなく、上記1)〜5)など、どのような方法を適用してもよい。しかしながら、上記1)〜5)などの地球温暖化の対策として現在開発中の二酸化炭素の分離回収装置は、発電所等への適用を目的とした大掛かりもので、莫大な設備費とエネルギーコストを要する。このため、電子回路基板又は電子部品の製造の一処理工程に、現状の装置をそのまま適用することはできない。
これに対し、本実施形態の二酸化炭素除去装置20によれば、貯留槽21、吸収液22、ポンプ23、複数のスプレーノズル24、排風機25及びダクト26、27からなる小型かつ簡単な構成でありながら、現状の空気から二酸化炭素を十分に除去することができ、二酸化炭素濃度を減少させた大量の空気を迅速かつ大量にレジスト剥離工程に供給することが可能である。また、該二酸化炭素除去装置20は、一般に市販されている汎用部品で構成することができるので、レジスト剥離液12の劣化を抑制するのに十分な二酸化炭素除去を、極めてローコストで実現することが可能である。そして、二酸化炭素除去装置20で採用した二酸化炭素の除去方法は、空気流量の制約を受けにくく、かつ簡単な設備で実現可能であることから、レジスト剥離工程に最も適した方法の一つと言える。
<作用効果>
以上のように、本実施形態に係る方法及びシステムによれば、レジスト剥離工程における空気中の二酸化炭素濃度を減少させることで、レジスト剥離液12に含まれる有機アルカリ化合物の二酸化炭素の吸収を抑え、レジスト剥離液12の劣化を抑制することができる。これにより、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液12の寿命を延ばし、劣化点に達するまでの処理面積を増大させることが可能となる。この結果、微細な配線パターンを有する電子回路基板又は電子部品の製造効率の向上と、製造コストの低減とを図ることができるようになる。
なお、本発明のレジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステムは、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、二酸化炭素濃度を減少させた空気をレジスト剥離装置10内に供給しているが、レジスト剥離装置10が設置されている空間S内に供給する方法ないし構成にしてもよい。レジスト剥離工程において、レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を減少させることができるならば、二酸化炭素濃度を減少させた空気の供給先は、特に限定されるものではない。
また、図1に示すレジスト剥離装置10及び二酸化炭素除去装置20の構成は一例であり、本発明の二酸化炭素除去システムは、図1に示した構成に限定されるものではない。
次に、本発明に係るレジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステムの実施例について説明する。なお、発明は、以下に説明する実施例の条件に限定されるものではない。
<テスト基板の作製>
無電解銅めっき1μmを形成した510mm×340mmの基板に、ドライフィルムレジストを用いて導体部に18μmの電解銅めっきを施して導体パターンを形成し、レジスト剥離用のテスト基板とした。導体パターンは、ライン/スペース=10μm/10μm、ドライフィルムレジストの残存面積を基板面積の20%とした。
<レジスト剥離工程>
レジスト剥離装置は、槽容量500L、スプレーノズルが上下に120個ずつ配置され、基板を搬送するためのコンベアーを備えている。給排気は、基板搬入口付近の給気口から空気が供給され、搬出口付近の排気口から排気される構造になっている。レジスト剥離液として、モノエタノールアミン5重量%、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド1重量%、ベンゾトリアゾール0.1重量%、残部が水である水溶液を使用した。連続処理の場合には、上記のレジスト剥離液の成分が保たれるように20分毎に成分を補充しながらテスト基板を搬送し、液温50℃、基板滞留時間を180秒間としてスプレー処理した。
<レジスト剥離試験判定基準>
テスト基板を用いてレジスト剥離試験を連続で行い、テスト基板に剥離不良が発生した時点をレジスト剥離液の劣化点とした。具体的には、レジスト剥離処理後のテスト基板の導体パターンの間にドライフィルムレジストの残存が発生した時点をレジスト剥離液の劣化点とした。テスト基板の四隅及び中央部の5ポイントを、倍率100倍の金属顕微鏡で観察し、これら5ポイントのうちの1箇所でもドライフィルムレジストの残渣が確認されたときには、これを剥離不良の発生とみなした。試験結果は、試験開始から劣化点までに剥離処理した総基板面積mの数値で示すこととした。
<空気中の二酸化炭素濃度の測定>
空気中の二酸化炭素濃度の測定には、島津製作所製のガスクロマトグラフを使用した。検出器として熱伝導度型検出器(TCD:Thermal Conductivity)を用い、カラムには、Pora PLOT Q,0.53mm×25m,膜厚20μmを用いた。
<二酸化炭素除去装置>
図1に示した二酸化炭素除去装置20とほぼ同じ構成のもの自作して使用した。すなわち、本実施例の二酸化炭素除去装置は、槽容量50L、スプレーノズルが上部に25個配置されており、ポンプを用いて槽内の液をスプレーノズルに導き、スプレー圧を調整して噴霧、循環させる構造となっている。また、空気の吸気口と排気口を備え、このうち排気口は、排風機の吸引側に接続してある。排風機の排出側は、上述したレジスト剥離装置の給気口に接続してある。排風機を運転することにより、吸気口から周辺の空気を層内に取り込み、スプレー噴霧された吸収液を通過することで二酸化炭素が減少される。二酸化炭素が減少された空気は、排風機によってレジスト剥離装置内に供給される。
<予備試験1>
二酸化炭素の吸収液に用いる水溶性アルカリ化合物として、モノエタノールアミンを選定した。また、排風機の風量を調整して、レジスト剥離装置へ供給する風量を2.5m/minとした。吸収液温度を50℃、スプレー圧を0.1MPaに設定した。そして、これら条件におけるモノエタノールアミン水溶液の濃度と、レジスト剥離装置へ供給する空気中の二酸化炭素濃度との関係を求めた。レジスト剥離装置へ供給する空気中の二酸化炭素濃度を測定しつつ、モノエタノールアミン濃度を5重量%から徐々に増加させた結果、空気中の二酸化炭素濃度は、モノエタノールアミン濃度が15重量%で約300ppm、30重量%で約200ppmに減少することが分かった。なお、吸気口付近における二酸化炭素除去前の空気について二酸化炭素濃度を測定したところ、約400ppmであった。
<<実施例1>>
モノエタノールアミン濃度が15重量%の水溶液を吸収液として用い、予備試験と同様に排風機の風量を2.5m/min、吸収液温度を50℃、スプレー圧を約0.1MPaに設定して二酸化炭素除去装置を運転し、二酸化炭素濃度300ppmの空気をレジスト剥離装置に供給しつつ、テスト基板を用いたレジスト剥離試験を長時間連続で行った。
試験期間中、レジスト剥離装置に供給する空気中の二酸化炭素濃度を適宜モニターしながらスプレー圧を微調整し、二酸化炭素濃度を300±15ppmの範囲に保持した。試験の結果、劣化点に達するまでに、総基板面積2000mのレジスト剥離処理が可能であった。
<<実施例2>>
二酸化炭素濃度を約200ppmとするために、モノエタノールアミン濃度が30重量%の水溶液を吸収液として用いた。これ以外の条件は実施例1と同様にし、レジスト剥離装置に空気を供給しつつ、実施例1と同様のレジスト剥離試験を行った。試験期間中の二酸化炭素濃度は、スプレー圧を微調整することで200±10ppmの範囲に保持した。試験の結果、劣化点に達するまでに、総基板面積3100mのレジスト剥離処理が可能であった。
<予備試験2>
二酸化炭素の吸収液に用いる水溶性アルカリ化合物をモノエタノールアミンから水酸化ナトリウムに変更した。二酸化炭素除去装置を予備試験1と同様の条件に設定し、水酸化ナトリウム水溶液濃度と、レジスト剥離装置に供給する空気中の二酸化炭素濃度との関係を求めた。レジスト剥離装置に供給する空気中の二酸化炭素濃度を測定しつつ、水酸化ナトリウム濃度を5重量%から徐々に増加させた結果、空気中の二酸化炭素濃度は、水酸化ナトリウム濃度が8重量%で約300ppm、18重量%で約200ppmに減少することが分かった。
<<実施例3>>
二酸化炭素濃度を約300ppmとするために、水酸化ナトリウム濃度が8重量%の水溶液を吸収液として用いた。これ以外の条件は実施例1と同様にし、レジスト剥離装置に空気を供給しつつ、実施例1と同様のレジスト剥離試験を行った。試験期間中の二酸化炭素濃度は、スプレー圧を微調整することで300±15ppmの範囲に保持した。試験の結果、劣化点に達するまでに、総基板面積1900mのレジスト剥離処理が可能であった。
<<実施例4>>
二酸化炭素濃度を約200ppmとするために、水酸化ナトリウム濃度が18重量%の水溶液を吸収液として用いた。これ以外の条件は実施例1と同様にし、レジスト剥離工程に空気を供給しつつ、実施例1と同様のレジスト剥離試験を行った。試験期間中の二酸化炭素濃度は、スプレー圧を微調整することで200±10ppmの範囲に保持した。試験の結果、劣化点に達するまでに、総基板面積3300mのレジスト剥離処理が可能であった。
<比較例1>
実施例1で用いたレジスト剥離システムにおいて、二酸化炭素除去装置内に如何なる液をも満たさず、スプレー噴霧も行わない状態で、吸気口から二酸化炭素濃度約400ppmの空気をそのままレジスト剥離装置へ供給した。これ以外の条件は、全て実施例1と同様にしてレジスト剥離試験を行った。試験の結果、劣化点に達するまでに、総基板面積1300mのレジスト剥離処理が可能であった。なお、試験期間中の二酸化炭素濃度をモニターしたところ、400±20ppmの範囲に保持されていた。
上述した実施例1〜4及び比較例1の試験の結果を、下記の表1に示す。
表1の結果より、レジスト剥離装置に供給する空気から二酸化炭素を除去すると、剥離液が劣化点に至るまでに処理可能な総基板面積は増大し、二酸化炭素濃度の低下に応じて剥離液の劣化抑制効果が高くなることが分かる。
1 レジスト剥離システム
10 レジスト剥離装置
11 貯留槽
11a 搬入口
11b 搬出口
11c 給気口
11d 排気口
12 レジスト剥離液
13 ポンプ
14 スプレーノズル
15 搬送ローラ
16 基板
20 二酸化炭素除去装置
21 貯留槽
21a 吸気口
21b 排気口
22 吸収液
23 ポンプ
24 スプレーノズル
25 排風機
26、27 ダクト
S 空間

Claims (16)

  1. パターン形成後のレジスト剥離工程で用いる有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液の劣化抑制方法であって、
    二酸化炭素除去装置を用いて、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を減少させ、該空気中で前記レジスト剥離工程を実施することを特徴とするレジスト剥離液の劣化抑制方法。
  2. 前記二酸化炭素除去装置により、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を約300ppm以下に減少させる請求項1に記載のレジスト剥離液の劣化抑制方法。
  3. 前記二酸化炭素除去装置が、水溶性の無機又は有機アルカリ化合物を含有する吸収液により、空気中の二酸化炭素濃度を減少させる請求項1又は2に記載のレジスト剥離液の劣化抑制方法。
  4. 前記二酸化炭素除去装置が、前記吸収液を噴霧した空間に空気を通過させ、該空気中の二酸化炭素濃度を減少させる請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジスト剥離液の劣化抑制方法。
  5. 前記吸収液が含有する水溶性の有機アルカリ化合物を、前記レジスト剥離液が含有する有機アルカリ化合物と同じ成分にした請求項3又は4に記載のレジスト剥離液の劣化抑制方法。
  6. パターン形成後のレジスト剥離工程で、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液を用いて不要なレジストを除去するレジスト剥離方法であって、
    二酸化炭素除去装置を用いて、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を減少させ、該空気中で前記レジスト剥離工程を実施することを特徴とするレジスト剥離方法。
  7. 前記二酸化炭素除去装置により、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を約300ppm以下に減少させる請求項6に記載のレジスト剥離方法。
  8. 前記二酸化炭素除去装置が、水溶性の無機又は有機アルカリ化合物を含有する吸収液により、空気中の二酸化炭素濃度を減少させる請求項6又は7に記載のレジスト剥離方法。
  9. 前記二酸化炭素除去装置が、前記吸収液を噴霧した空間に空気を通過させ、該空気中の二酸化炭素濃度を減少させる請求項6〜8のいずれか1項に記載のレジスト剥離方法。
  10. 前記吸収液が含有する水溶性の有機アルカリ化合物を、前記レジスト剥離液が含有する有機アルカリ化合物と同じ成分にした請求項8又は9に記載のレジスト剥離方法。
  11. パターン形成後のレジスト剥離工程を実施するためのレジスト剥離システムであって、
    有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液を用いて不要なレジストを除去するレジスト剥離装置と、
    前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を減少させる二酸化炭素除去装置と、を備えたことを特徴とするレジスト剥離システム。
  12. 前記二酸化炭素除去装置により、前記レジスト剥離液に接触する空気中の二酸化炭素濃度を約300ppm以下に減少させる請求項11に記載のレジスト剥離システム。
  13. 前記二酸化炭素除去装置が、水溶性の無機又は有機アルカリ化合物を含有する吸収液により、空気中の二酸化炭素濃度を減少させる請求項11又は12に記載のレジスト剥離システム。
  14. 前記二酸化炭素除去装置が、前記吸収液を噴霧した空間に空気を通過させ、該空気中の二酸化炭素濃度を減少させる請求項11〜13のいずれか1項に記載のレジスト剥離システム。
  15. 前記二酸化炭素除去装置が、
    空気の吸気口及び排気口を有する前記吸収液の貯留槽と、
    前記貯留槽内で前記吸収液を噴霧するスプレーノズルと、
    前記貯留槽の排気口に接続され、前記吸収液の噴霧により二酸化炭素濃度を減少させた空気を、前記レジスト剥離装置内又は前記レジスト剥離装置を設置した空間内へ供給する排風機と、を備えた請求項13又は14に記載のレジスト剥離システム。
  16. 前記吸収液が含有する水溶性の有機アルカリ化合物を、前記レジスト剥離液が含有する有機アルカリ化合物と同じ成分にした請求項13〜15のいずれか1項に記載のレジスト剥離システム。
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