JP2013180933A - セラミックス基板、磁気ヘッドスライダー、ハードディスクドライブおよびセラミックス基板の製造方法 - Google Patents

セラミックス基板、磁気ヘッドスライダー、ハードディスクドライブおよびセラミックス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】切断時のチッピングが抑制され、快削性に優れたセラミックス基板、磁気ヘッドおよびセラミックス基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のセラミックス基板は、第1の主面10aおよび第2の主面10bを有し、20質量%以上80質量%以下の金属炭化物とアルミナとを主成分として含むセラミックス材料から構成されるセラミックス基板であって、セラミックス基板10は、平均結晶粒径aの微粒子層12と平均結晶粒径bの粗粒子層13とを含み、微粒子層12の厚さt1、セラミックス基板10の厚さT、平均結晶粒径aおよび平均結晶粒径bは0.05T≦t1≦0.95Tおよび1.1≦b/aの関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハードディスクドライブやテープ記録装置などの磁気ヘッドスライダーの製造に用いられるセラミックス基板、磁気ヘッドスライダーおよびセラミックス基板の製造方法に関する。
ハードディスクドライブやテープ記録装置は、データの記録再生を行う磁気ヘッドが形成された磁気ヘッドスライダーを備える。磁気ヘッドスライダーに形成された磁気ヘッドを磁気ディスクや磁気テープに接近させた状態で、磁気ヘッドに磁界を発生させ、磁気ディスクや磁気テープにデータを記録し、また、磁気ディスクや磁気テープに記録された磁気による情報を磁気ヘッドで検出する。
磁気ヘッドスライダーは、セラミックス基板の表面に多数の磁気ヘッドを形成し、セラミックス基板をダイヤモンドブレードなどで切削することにより切断し、個々の磁気ヘッドを含むチップに分割することによって製造される。磁気ヘッドが形成される面のサイズは例えば1mm×0.5mm程度である。また、セラミックス基板の厚さが磁気ヘッドスライダーの長さとなり、例えば、1mm程度である。
このように、磁気ヘッドは、セラミックス基板の微小な領域に形成する必要があり、また、セラミックス基板を微小なサイズに切り分ける必要があるため、磁気ヘッドスライダー用のセラミックス基板には、(1)基板表面の平滑性が高いこと(2)基板切断時にチッピングが生じにくいこと(3)基板切断時における切削抵抗が小さいことが一般に求められる。
また、磁気ヘッドスライダーの側面は切断面であり、そのままハードディスクドライブ内の雰囲気に曝される。この面の切断特性が悪いと、稜線部にチッピング及びクラックが発生し、切断面には大きなピットが発生する。このピット内あるいは、粗い切断面にパーティクルが入り込むと、ハードディスクドライブの完成後、使用中にパーティクルがピットや切断面から脱落したり、チッピングやクラックの部分から基板の破片が脱落し、ヘッドクラッシュを引き起こし得る。このため、磁気ヘッドスライダー用のセラミックス基板には、(4)切断面の平滑性が高いことも求められる。
従来の磁気ヘッドスライダー用基板として、特許文献1は、Al23を主成分とし、TiCを20〜40質量%の割合で含有し、Al23の平均結晶粒径が、TiCの平均結晶粒径より5〜50%大きい磁気ヘッド用基板を開示している。また、特許文献2は、24〜75mol%のα−Al23と残部がNaCl型の結晶構造のTiCXYZからなる磁気ヘッド用基板を開示している。
近年、ハードディスクドライブやテープ記録装置に求められる記録密度はますます高くなっている。このため、記録密度の向上に伴い、磁気ヘッドスライダーのサイズも小さくなってきており、磁気ヘッドスライダー用のセラミックス基板にも、(1)から(4)についての特性向上が求められている。
(1)から(4)についての特性を向上させるためには、セラミックス基板を構成する結晶粒子の粒径をより小さくすることが考えられる。特許文献1は、上述の組成を有するセラミックス基板では、1μm以下の平均結晶粒径および0.25μm以下の表面粗さ(Rmax)を実現できると記載している。
特開平7−242463号公報 特開平8−34662号公報
しかし、本件発明者が、より高密度記録を実現し得る磁気ヘッドスライダー用のセラミックス基板を詳細に検討したところ、セラミックス基板を構成する結晶粒子の粒径を小さくしても、チッピングや切断面の平滑性を十分に向上させることができない場合があることが分かった。また、切削抵抗が十分には小さくならないことが分かった。
本発明はこのような従来技術の課題の少なくとも1つを解決し、切断時のチッピングが抑制され、快削性に優れたセラミックス基板、磁気ヘッドスライダー、ハードディスクドライブおよびセラミックス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のセラミックス基板は、第1の主面および第2の主面を有し、20質量%以上80質量%以下の金属炭化物とアルミナとを主成分として含むセラミックス材料から構成されるセラミックス基板であって、前記セラミックス基板は、平均結晶粒径aの微粒子層と平均結晶粒径bの粗粒子層とを含み、前記微粒子層の厚さt1、前記セラミックス基板の厚さT、平均結晶粒径aおよび平均結晶粒径bは0.05T≦t1≦0.95Tおよび1.1≦b/aの関係を満たす。
ある好ましい実施形態において、前記微粒子層の平均結晶粒径aは1μm以下である。
ある好ましい実施形態において、前記金属炭化物の金属は、Ti、Nb、Cr、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種を含む。
ある好ましい実施形態において、前記セラミックス材料は、100質量%の前記主成分に対して1質量%以下の添加物を更に含み、前記添加物は、Cr、Mg、Ca、Sc、Sr、Y、Zr、Nb、またはTiの酸化物およびCの少なくとも一種を含む。
ある好ましい実施形態において、前記微粒子層は、前記第1の主面または前記第2の主面と接している。
ある好ましい実施形態において、前記微粒子層を2つ含み、前記2つの微粒子層は、前記第1の主面および前記第2の主面とそれぞれ接している。
本発明の磁気ヘッドスライダーは上記いずれかに記載のセラミックス基板を、前記第1の主面および前記第2の主面に対して非平行な方向に切断することによって得られるチップによって構成される本体と、前記本体に保持された記録再生素子とを備える。
ある好ましい実施形態において、前記チップは前記切断によって生じた切断面を有し、前記切断面の表面粗さRmaxは0.3μm以下である。
ある好ましい実施形態において、前記切断面の稜線部におけるチッピングは5μm以下である。
本発明のハードディスクドライブは、上記いずれかに記載の磁気ヘッドスライダーを備える。
本発明のセラミックス基板の製造方法は、上記いずれかに記載のセラミックス基板の製造方法であって、前記金属炭化物を構成する金属および炭素と、アルミナとを含み、第1の粒度を有する第1の原料粉末を成形することによって、層状の第1の成形体を得る工程と、前記金属炭化物を構成する金属および炭素と、アルミナとを含み、第2の粒度を有する第2の原料粉末を成形することによって、層状の第2の成形体を得る工程と、前記第1の成形体及び前記第2の成形体とを積層し、加圧焼結することによって、前記微粒子層および前記粗粒子層を含む前記セラミックス基板を得る工程とを包含する。
本発明のセラミックス基板の製造方法は、上記いずれかに記載のセラミックス基板の製造方法であって、前記金属炭化物を構成する金属および炭素と、アルミナとを含み、所定の粒度分布を有する原料粉末を成形することによって、成形体を得る工程と、反応発生ガスを内部に閉じ込めながら前記成形体を加圧焼結することによって、セラミックス基板を得る工程とを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記セラミックス基板を得る工程において、成形体の内部の粒成長を促進させることにより、一対の前記微粒子層と前記一対の微粒子層に挟まれた前記粗粒子層とを形成する。
本発明のセラミックス基板によれば、セラミックス基板全体の厚さをTとし、微粒子層の厚さをt1とする場合、0.05T≦t1≦0.95Tの関係を満たしており、微粒子層を構成する結晶粒子の平均結晶粒径aおよび粗粒子層を構成する結晶粒子の平均結晶粒径bが1.1≦b/aの関係を満たしていることにより、ダイヤモンドブレードなどの砥石の目詰まりが生じにくく、切削抵抗が小さくなる。このため、快削性に優れ、チッピングの生じにくいセラミックス基板を提供することができる。
本発明によるセラミックス基板の実施形態を示す模式的な断面図である。 本発明によるセラミックス基板の他の実施形態を示す模式的な断面図である。 (a)から(e)は本発明による磁気ヘッドスライダーの実施形態の製造工程を示す模式図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明によるセラミックス基板およびその製造方法の実施形態を説明する。
図1は本実施形態のセラミックス基板10の断面を模式的に示している。セラミックス基板10は、ハードディスクドライブやテープ記録装置などの磁気ヘッドスライダーに用いられる。また、磁気ヘッドスライダーを製造する際に支持基板等として用いられてもよい。図1に示すようにセラミックス基板10は、第1の主面10aおよび第2の主面10bを有する。セラミックス基板10が磁気ヘッドスライダーに用いられる場合には、第1の主面10aまたは第2の主面10bに記録再生素子が設けられる。
セラミックス基板10は、微粒子層12および粗粒子層13を含む。本実施形態では、微粒子層12は、第1の主面10aに接しており、粗粒子層13は第2の主面10bに接している。
微粒子層12および粗粒子層13は、本実施形態では同じ組成を有する。つまりセラミックス基板10全体として均一な組成を有し、磁気ヘッドスライダーに適したセラミックス材料からなる。しかし、微粒子層12および粗粒子層13の組成は互いに異なっていてもよい。例えば、以下において詳細に説明するように、微粒子層12を構成する粒子の平均結晶粒径は粗粒子層13を構成する粒子の平均結晶粒径よりも小さい。このため、結晶粒径を異ならせる目的で微粒子層12および粗粒子層13の一方に添加剤を添加したり、焼結時等における結晶成長条件の差異などによって、平均結晶粒径の違い等による組成の差異が生じていてもよい。セラミックス基板10は微粒子層12および粗粒子層13以外の層を含まないことが好ましい。
セラミックス基板10を構成するセラミックス材料は、金属炭化物とアルミナ(Al23)とを主成分として含む。主成分中、金属炭化物が20質量%以上80質量%以下の割合で含まれることが好ましい。セラミックス材料がこの範囲の組成を有する場合、セラミックス基板10は良導体となり、静電気の発生を忌避する電気電子分野の部品、ジグ(治具)等にセラミックス基板10を好適に用いることができる。ここで良導体とは、静電気の蓄積を抑制する程度に導電性を有するという意味である。具体的には、1×10-5Ω・cm以上1×109Ω・cm以下の体積抵抗率を有することをいう。より好ましくは、セラミックス基板10は、1×10-5Ω・cm以上1×102Ω・cm以下の体積抵抗率を有する。また、金属炭化物とアルミナとの組み合わせは、単層のセラミックス材料と比較して、機械加工性に優れる。金属炭化物とアルミナとの粒界は、アルミナとアルミナの粒界よりも結合が弱く、それにより切削抵抗を低減させる効果がある。
金属炭化物は、主として金属および炭素からなり、炭化物の格子の一部が空孔、もしくは他の元素に置換されていてもよい。主成分中、金属炭化物の含有量が20質量%未満である場合、セラミックス基板10の電気抵抗は急激に上昇する。また、80質量%を超える場合、セラミックス基板10の曲げ強度の低下と相対密度の低下が顕著になる。金属炭化物を構成する金属はTi、Nb、Cr、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種である。
セラミックス基板10のセラミックス材料は、主成分以外の添加物を含んでいてもよい。具体的には、焼結助剤等を含んでいてもよい。セラミックス材料が焼結助剤を含む場合、添加物の添加量は、100質量%の主成分に対して1.0質量%以下であることが好ましい。添加物としては、Cr、Mg、Ca、Sc、Sr、Y、Zr、Nb、またはTiの酸化物もしくは、Cから選択される少なくとも1種である。添加物の添加量が1.0質量%を超えると各加工面の表面粗さが大きくなる場合がある。MgOにはアルミナの粒成長を抑制する効果がある。このため、微粒子層12にMgOを添加すると、容易に微粒子層12と粗粒子層13の粒径比を制御することができる。一方、Y23にはアルミナの粒成長を助長する働きがある。このため、粗粒子層13にY23を添加すると同様に粒径比を制御することが容易になる。ただし、上述したように添加物は加工面の表面粗さを大きくする場合がある。このため、添加物の添加量は0.5質量%以下が好ましく、添加物を含まない(0質量%)ことがより好ましい。
本実施形態のセラミックス基板10において、微粒子層12を構成する結晶粒子12pの平均結晶粒径aは、粗粒子層13を構成する結晶粒子13pの平均結晶粒径bよりも小さい。これによりセラミックス基板10は快削性に優れ、切断時のチッピングも抑制される。このような効果が得られる詳細な理由は完全には明らかではないが、以下のように考えられる。
一般に、セラミックス基板を切削する場合、ダイヤモンドブレードのダイヤモンドにセラミックス基板の切削屑が付着あるいは堆積し、ダイヤモンドブレードの目詰まりが生じると考えられる。しかし、結晶粒子12pと結晶粒子13pとで粒径に差異があることにより、ダイヤモンドブレードがドレッシングされ、目詰まりをおこしていた切削屑が除去されるものと考えられる。つまり自生作用によって、ダイヤモンドブレードの切削性能が維持されると考えられる。
また、結晶粒子12pと結晶粒子13pとで結晶粒径が異なるので、切断時に発生する熱の局所的な熱の伝わり方が微粒子層12と粗粒子層13とで異なる。具体的には、粗粒子層13では熱を散乱させる結晶粒界が少ないため、微粒子層12に比べて、熱伝導率が高くなる。このため、微粒子層12と粗粒子層13とで熱による膨張に差異が生じ、粗粒子層13に引っ張り応力が発生する。これにより、切削抵抗を低減させると考えられる。
このような効果は、結晶粒径の異なる微粒子および粗粒子がセラミックス基板を構成しているセラミックス材料に含まれていることによって得られる。しかし、セラミックス基板10中に結晶粒子12pおよび結晶粒子13pが均一に分布している場合には、上述した効果は十分には発揮されず、ある程度、微粒子および粗粒子が偏在していることが好ましい。平均結晶粒径の相対的に小さい結晶粒子12pによって構成される微粒子層12と平均結晶粒径の相対的に大きい結晶粒子13pによって構成される粗粒子層13とを含むことが好ましい。ただし、微粒子層12および粗粒子層13の厚さはセラミックス基板10全体において均一でなくてもよい。
詳細な実験の結果、図1に示すようにセラミックス基板10全体の厚さをTとし、微粒子層12の厚さおよび粗粒子層13の厚さをそれぞれt1、t2とする場合、0.05T≦t1≦0.95Tの関係を満たしている場合にセラミックス基板10は快削性に優れることが分かった。
微粒子層12の厚さt1がセラミックス基板10の厚さTの5%未満である場合、粗粒子13pがダイヤモンドブレードの周辺に堆積し、切削抵抗が高くなる。また、微粒子層12の厚さt1がセラミックス基板10の厚さTの95%を超える場合、微粒子12pがダイヤモンドブレードの周辺に堆積し、同様に切削抵抗が高くなる。
微粒子層12を構成する結晶粒子12pの平均結晶粒径aおよび粗粒子層13を構成する結晶粒子13pの平均結晶粒径bは1.1≦b/aの関係を満たしていることが好ましい。b/aが1.1未満である場合(下限は1である)、結晶粒子12pおよび結晶粒子13pの粒径差が小さいすぎるためダイヤモンドブレードの自生作用が働かず、切削抵抗は著しく上昇する。一方、b/aが大きいほど上述した効果を得ることができ、快削性は高まる。つまり、機械加工性については上限値はない。しかし、b/aが3.0を超えると、セラミックス基板10の曲げ強度が低下する場合がある。このため、b/aは3.0以下であることが好ましい。
なお、平均結晶粒径は、セラミックス基板10の断面を鏡面に研磨し、加熱エッチング処理を行い粒界を出現させ、微分干渉顕微鏡、もしくは走査型電子顕微鏡により結晶を撮影し、コード法により算出して求められる。セラミックス基板10の厚さ方向における平均結晶粒径の分布は、セラミックス基板10の厚さ方向の任意の深さにおいて、セラミックス基板10の厚さ方向と垂直な所定の長さを有する線分上に位置する粒子の直径を上述の方法で計測し、得られた値の平均を求めることによって得られる。また、本願明細書では、微粒子層12は、厚さ方向において、平均結晶粒径が最も小さくなる点から、平均結晶粒径の変化率が10%を下回る範囲として規定され、残部が粗粒子層として規定される。微粒子層12の比率は、微粒子層12の面積を断面の面積で除し、粗粒子層13の比率は残部として求める。
上述の理由から分かるように、これらの条件を満たす限り、セラミックス基板10において、微粒子層12および粗粒子層13がいずれに位置していても本実施形態の上述した効果を得ることができる。また、セラミックス基板10は微粒子層12および粗粒子層13をそれぞれ複数含んでいてもよい。例えば図2に示すようにセラミックス基板10’は、一対の微粒子層12とこれらに挟まれた粗粒子層13を備えていてもよい。この場合、微粒子層12の厚さをそれぞれt11、t12とし、t11とt12の合計の厚さをt1としたとき、合計の厚さt1がセラミックス基板10’全体の厚さTに対して、0.05T≦t1≦0.95Tの関係を満たしていればよい。
ただし、磁気ヘッドスライダーの記録再生素子を形成する面は平滑であることが好ましい。このため、セラミックス基板10を磁気ヘッドスライダーに用いる場合、第1の主面10aまたは第2の主面10bのいずれか一方に微粒子層12が接しており、微粒子層12の表面が第1の主面10aまたは第2の主面10bであることが好ましい。
さらに、記録再生素子を形成する面の平滑性を高めるために、微粒子層12の平均結晶粒径aは、1.0μm以下であることが好ましい。また、第1の主面10aまたは第2の主面10bは、セラミックス基板10を用いて磁気ヘッドスライダーを作製した場合に磁気ヘッドの浮上量を測定するための面となる。一般に、磁気ヘッドの浮上量を計測する場合、記録再生素子が設けられた面の直径25μmの領域に測定用の光を照射し、反射光を検出することによって行われる。このため、測定用の光が照射される領域の反射率のばらつきは小さい方が好ましく、具体的には、平均結晶粒径は1μm以下であることが好ましい。反射率のばらつきは、セラミックス基板10の第1の主面10aまたは第2の主面10bを鏡面に研磨したのち、画像解析装置で、直径25μmの領域を任意で30点測定し、その標準偏差の値をバラツキとした。
このように本実施形態のセラミックス基板によれば、セラミックス基板全体の厚さをTとし、微粒子層の厚さをt1とする場合、0.05T≦t1≦0.95Tの関係を満たしており、微粒子層を構成する結晶粒子の平均結晶粒径aおよび粗粒子層を構成する結晶粒子の平均結晶粒径bが1.1≦b/aの関係を満たしていることにより、ダイヤモンドブレードなどの砥石の目詰まりが生じにくく、切削抵抗が小さくなる。このため、快削性に優れ、チッピングの生じにくいセラミックス基板を提供することができる。
なお、上述したように、セラミックス基板において、微粒子層および粗粒子層の厚さは、セラミックス基板全体において、均一でなくてもよく、上述した微粒子層の厚さの関係を満たす限り、本実施形態の効果を得ることができる。また、微粒子層および粗粒子層の平均結晶粒径の比率もセラミックス基板全体において、一定でなくてもよく、上述した比率の関係を満たす限り、本実施形態の効果を得ることができる。
次に、図1および図2を参照しながら本実施形態によるセラミックス基板10の製造方法を説明する。
まず、微粒子層12用の原料粉末および粗粒子層13用の原料粉末を用意する。具体的には、セラミックス基板10のセラミックス材料に含まれる金属炭化物を構成している金属および炭素と、アルミナを構成しているアルミニウムとを含み、第1の粒度を有する第1の原料粉末および第2の粒度を有する第2の原料粉末を用意する。例えば、アルミナ、TiC、およびTiO2を用意し、上述したセラミックス材料の組成比となるように各原料を秤量し、ボールミルなどで混合、粉砕する。この際、混合、粉砕条件を調整することで、粒度の異なるスラリーを得ることができる。焼結後に生成する微粒子層12および粗粒子層13の平均結晶粒径a、bが、上述した条件を満たすように第1の原料粉末の第1の粒度および第2の原料粉末の第2の粒度を決定する。その後、各々、噴霧乾燥装置により乾燥し、第1の原料粉末および第2の原料粉末を得る。
次に、第1の原料粉末および第2の原料粉末を成形することによって、層状の第1及び第2の成形体をそれぞれ得る。具体的には、第1の原料粉末と第2の原料粉末をそれぞれ所定の寸法を有する金型でプレス成型して、所定の板形状(層状)を有する第1の成形体および第2の成形体を得る。あるいは、第1の原料粉末と第2の原料粉末とバインダ(例えば、アクリル系またはポリビニルアルコール系結合剤、脂肪酸エステル系またはポリエチレングリコール系可塑剤、分散剤)および溶媒(水またはメタノール、エタノール等有機溶媒)とを混合し、押出し成形、ドクターブレード成形等でいわゆるシート成形を行い、シート状に成形した後に所定寸法に切断、脱脂して、所定の板形状(層状)を有する第1の成形体および第2の成形体を得る。焼結後に生成する微粒子層12および粗粒子層13の厚さt1、t2およびこれらの合計の厚さTが上述した数値範囲を満たすように、第1の成形体および第2の成形体の厚さを調製する。
次に、モールドの中に第2の成形体を配置しその上に第1の成形体を積層する。HP(ホットプレス)処理によって、第1の成形体および第2の成形体を加圧焼結し、セラミックス基板10を得る。本実施形態では、図1に示すセラミックス基板10が製造できるが、第1の成形体を追加し、図2に示す構造を有するセラミックス基板10’を製造することも可能である。
また、セラミックス基板は、単一の粒径分布を有する原料粉末を用いても製造することができる。この場合、図2に示す構造を有するセラミックス基板10’が得られる。
まず、原料粉末を用意する。具体的には、セラミックス基板10’のセラミックス材料に含まれる金属炭化物を構成している金属および炭素と、アルミナを構成しているアルミニウムとを含み、所定の粒度を有する原料粉末を用意する。例えば、アルミナ、TiC、およびTiO2を用意し、上述したセラミックス材料の組成比となるように各原料を秤量し、ボールミルなどで混合、粉砕する。この際、混合、粉砕条件を調整することで、所定の粒度のスラリーを得ることができる。その後、噴霧乾燥装置により乾燥し、原料粉末を得る。
次に、原料粉末を成形することによって、層状の成形体を得る。具体的には、原料粉末を、所定の寸法を有する金型でプレス成型して、所定の板形状(層状)を有する成形体を得る。その後、反応によって発生したガス(以下、反応発生ガスという)を内部に閉じ込めながら成形体を加圧焼結することによってセラミックス基板10’を得る。反応発生ガスを内部に閉じ込めることによって、成形体のうち、内部部分において選択的に粒成長が促進し、粗粒子層13が形成する。これにより、図2に示すように粗粒子層13が一対の微粒子層12に挟まれたセラミックス基板10’を得ることができる。原料粉末の粒度および焼結時の温度および圧力を調整することによって、上述した平均結晶粒径の比および基板全体の厚さに対する微粒子層の厚さの関係を満たすセラミックス基板10’を得ることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明による磁気ヘッドスライダーおよびその製造方法の実施形態を説明する。
まず、磁気ヘッドスライダーの製造方法を説明する。図3(a)に示すように、第1の実施形態で説明した第1の主面10aおよび第2の主面10bを有するセラミックス基板10を用意する。セラミックス基板10の厚さTは、磁気ヘッドスライダー30(図3(e))のスライダー長となる。
次に、図3(b)に示すように、セラミックス基板10の第1の主面10a上に、フォトリソグラフィプロセスを用いて磁気回路を含む複数の記録再生素子20を形成する。その後、図3(c)に示すように、ダイヤモンドブレードなどによって、第1の主面10aおよび第2の主面10bに対して非平行な方向、例えば、第1の主面10aおよび第2の主面10bに対して垂直な方向にセラミックス基板10を切断することによって、複数の棒状片(Rowといわれる。)15を得る。図3(d)に示すように、切断された棒状片15は、2つの切断面15a、15bを含む。2つの切断面15a、15bのうち、切断面15bにエアベアリング構造21等の浮上面加工を施す。
その後、図3(e)に示すように、棒状片15を切断し、複数の磁気ヘッドスライダー30が得られる。磁気ヘッドスライダー30の長さTは用いたセラミックス基板10の厚さに概ね一致し、0.8mmから1.2mm程度である。また、磁気ヘッドスライダー30の幅Wは1.0mm程度であり、厚さHは0.3mm程度である。
このようにして作製される磁気ヘッドスライダー30は、セラミックス基板10を切断することにより得られたチップである本体16を含む。本体16は、切断面16a、16bと平滑面16c、16dとを含む。切断面16a、16bは、セラミックス基板10を切断することにより形成され、切断面16bにエアベアリング構造21が設けられている。一方、平滑面16c、16dは、それぞれ、セラミックス基板10の第1の主面10aおよび第2の主面10bの一部であり、平滑面16cに記録再生素子20が設けられている。
第1の実施形態で説明したように、セラミックス基板10は、第1の実施形態で説明した構造を備えることにより、快削性に優れ、切削抵抗が小さくなっている。このため、セラミックス基板10の切断に要する時間が短くなり、セラミックス基板10から多数の磁気ヘッドスライダー30を作製するのに要する時間が大幅に短縮される。よって、スループットが大きく向上する。
また、快削性に優れることにより、切断面16a、16bの表面粗さも小さくなる。具体的には、切断面16a、16bの表面粗さRmaxは、0.3μm以下であることが好ましい。これにより、切削屑などのパーティクルが、切断面16a、16bに付着しにくくなり、また、超音波洗浄等により切断面16a、16bに付着したパーティクルは容易に除去し得る。このため、本実施形態の磁気ヘッドスライダー30を用いて、ハードディスクドライブを製造した場合、使用中における磁気ヘッドスライダー30からのパーティクルの脱離による発塵が抑制され、信頼性の高い磁気ヘッドスライダーおよび、ハードディスクドライブを実現することができる。
また、快削性に優れることにより、切断面16a、16bの稜16eにおけるチッピングが抑制される。具体的には、稜16eに生じるチッピングの長さは5μm以下に抑制されることが好ましい。ここでチッピングの長さとは、稜16eに対して垂直な方向におけるチッピングのサイズをいう。このようなチッピング特性を備えることにより、ハードディスクドライブの使用中にチッピング部分から本体16の一部が脱落し、パーティクルとなって発塵することが抑制され、信頼性の高い磁気ヘッドスライダーおよび、ハードディスクドライブを実現することができる。
上述したように、本実施形態の磁気ヘッドスライダーは好適にハードディスドライブに用いられる。具体的には、本実施形態の磁気ヘッドスライダーをサスペンションに取り付け、ヘッドジンバルを作製し、作製したヘッドジンバルに駆動コイルなどを取り付け、ヘッドスタックアッセンブリを作製する。ヘッドスタックアッセンブリおよび磁気ディスクを組み込み、ハードディスクドライブを作製する。このようにして作製されるハードディスクドライブは、本実施形態の磁気ヘッドスライダーを備えているため、磁気ヘッドスライダーからの発塵が抑制されており、高い信頼性を有する。
なお、本実施形態の効果は、セラミックス基板を切削する際に、上述した微粒子層の厚さの関係および微粒子層および粗粒子層の平均結晶粒径の比率の関係を満たしていれば、得ることができる。したがって、セラミックス基板を切断後に、第1および第2の主面をエッチングあるいは、研磨し、微粒子層を薄くしてもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。セラミックス基板の微粒子層および粗粒子層の平均結晶粒径サイズおよび厚さを異ならせた試料を作製し、特性を評価した。
上述したように、セラミックス基板中の微粒子層は、以下の方法によって定義した。まず、セラミックス基板中、厚さ方向において平均結晶粒径が最も小さくなる点を決定し、この点を通り、第1の主面および第2の主面に平行な線を規定した。次に、この線から厚さ方向に平均結晶粒径が10%より大きくならない範囲を決定した。決定した範囲を微粒子層とし、残部を粗粒子層とした。微粒子層の比率は、微粒子層の面積を全体の面積で除し、粗粒子層の比率は残部として求めた。
切削抵抗の評価は以下の方法にしたがった。まず、作製したセラミックス基板を切断し、研削および研磨を行って、50mm×50mm×0.5mmの大きさのサンプルを作製した。これを、砥石の切り込み部分を凹状に切り抜いたジグ(治具)の上に、熱可塑性のワックスで接着固定し、サンプルを準備した。切断は以下の条件で行った。切断装置は、不二越社製の精密切断装置を用い、砥石を回転させるためのスピンドルの負荷抵抗、すなわち所定の回転数を得るための消費電力が計測できるように電気配線を行い、レコーダーで消費電力をモニターした。砥石には、外径がφ80mm、厚さ0.1mmであり、800番のダイヤモンドを有するメタルブレードを用いた。各評価の前には砥石のドレッシングを行い、常に初期状態で評価ができるようにした。準備ができたサンプルを装置の中にセットし、10000回転(rpm)の回転数で砥石を回転させ、200mm/minの送り速度で加工を行い、50mmのサンプルを切断した時の最大値の消費電力の値を求めた。この値は、セラミックス基板の切削抵抗に比例すると考えられため、この値をセラミックス基板の切削抵抗の評価に用いた。以下、この値を切削特性と呼ぶ。
(実施例1)
99.9%以上の純度のアルミナ、98%以上の純度のTiCおよび99.9%以上の純度のTiO2を用い、これらを65質量%のアルミナ、25質量%のTiCおよび10質量%のTiO2となる比率で秤量し、ボールミルなどで混合、粉砕した。この際、混合、粉砕条件を調整することで、粒度の異なるスラリーを得た。その後、各々、噴霧乾燥装置により乾燥し、微粒子層用の第1の原料粉末および粗粒子層用の第2の原料粉末を準備した。
第1および第2の原料粉末を、所定の寸法を有する金型でプレス成型することで、所定の板状(層状)の微粒子層となる第1の成形体と粗粒子層になる第2の成形体を得た。あるいは、第1の原料粉末と第2の原料粉末とバインダ(例えば、アクリル系またはポリビニルアルコール系結合剤、脂肪酸エステル系またはポリエチレングリコール系可塑剤、分散剤)および溶媒(水またはメタノール、エタノール等有機溶媒)とを混合し、押出し成形、ドクターブレード成形等でいわゆるシート成形を行い、シート状に成形した後に所定寸法に切断、脱脂することで所定の板状(層状)の微粒子層となる第1の成形体と粗粒子層になる第2の成形体を得てもよい。この第1および第2の成形体をカーボンモールドの中に、第2の成形体、第1の成形体の順番に充填し、これを非酸化性雰囲気中で相対密度が99%以上になる温度圧力条件(温度:1500〜1800℃ 圧力:20MPa〜35MPa)でHP(ホットプレス)処理を行い、所定の微粒子層および粗粒子層の断面比率を有する焼結体を得た。
得られた焼結体の切断特性、切断面の表面粗さ、チッピング特性を評価した。結果を表1に示す。表1において、微粒子層(a)および粗粒子層(b)の粒径は平均結晶粒径を示している。微粒比率は粗粒子層の粒径を微粒子層の粒径で割った値((b)の粒径/(a)の粒径)である。
Figure 2013180933
試料1から試料8の結果から、微粒子層の厚さが5%未満である場合(試料1)および微粒子層の厚さが95%を超える場合(試料8)、切削特性が大きくなり、また、チッピングも大きくなることが分かる。さらに、切断面の表面粗さも大きい。これに対し、微粒子層の厚さが5%以上95%以下であれば、切削特性は概ね200W以下であり、また、チッピングも概ね5μmよりも小さい。切断面の表面粗さも概ね0.2μm以下である。したがって、これらの範囲で微粒子層および粗粒子層を含むことにより、良好な快削性、平滑な切断面が得られ、チッピングも抑制されることが分かる。特に、微粒子層の厚さが10%以上90%以下であれば(試料3から試料6)、これらの特性はより向上することが分かる。つまり、微粒子層の厚さt1およびセラミックス基板の厚さTは0.10T≦t1≦0.90Tであることがより好ましいことが分かる。
また、試料4と試料17との比較から、微粒子層の平均結晶粒径aおよび粗粒子層の平均結晶粒径bが1.1≦b/aを満たさない場合(試料17)、切削特性が大きく、切断面の表面粗さが大きく、また、チッピングが大きくなる。
試料9から試料15および試料18から試料20の結果から、微粒子層の平均結晶粒径aが大きくなると、切断面の表面粗さは大きくなり、チッピングも大きくなる傾向がある。ただし、切削抵抗は特に大きくなるわけではない。このことから、セラミックス基板の快削性には、平均結晶粒径の異なる2つ以上の層が含まれていることが重要であることが分かる。また、特に、チッピングを抑制し、切断面の表面粗さを小さくするためには、微粒子層の平均結晶粒径aは小さい方が好ましく、1μm以下であることがより好ましいことが分かる。さらに、試料19、試料20の結果から分かるように、微粒子層の平均結晶粒径aが3μm以上になるとセラミックス基板の曲げ強度が小さくなる。
なお、試料16および例えば試料19を比較すれば分かるように、平均結晶粒径が0.8μmであっても、粗粒子層を含まないセラミックス基板では、微粒子層の平均結晶粒径が3μmであっても粗粒子層を含むセラミックス基板に比べて、切削抵抗が大きくなり、また、チッピングも大きくなる。これらの結果から、本発明の効果、特に、快削性、切断面の表面粗さおよびチッピング特性は、平均結晶粒径だけで単純に決まるものではなく、本発明の効果が当業者が容易に想到し得るものではないことが分かる。
(実施例2)
実施例1と同様、99.9%以上の純度のアルミナ、98%以上の純度のTiCおよび99.9%以上の純度のTiO2を用い、これらを65質量%のアルミナ、25質量%のTiCおよび10質量%のTiO2となる比率で秤量し、ボールミルなどで混合、粉砕した。得られたスラリーをスプレードライヤーで噴霧造粒し、原料粉末を調製した。
原料粉末を所定の寸法を有する金型でプレス成型することで、所定の板状(層状)の成形体を得た。あるいは、原料粉末とバインダ(例えば、アクリル系またはポリビニルアルコール系結合剤、脂肪酸エステル系またはポリエチレングリコール系可塑剤、分散剤)および溶媒(水またはメタノール、エタノール等有機溶媒)とを混合し、押出し成形、ドクターブレード成形等でいわゆるシート成形を行い、シート状に成形した後に所定寸法に切断、脱脂して成形体を得てもよい。作製した成形体をカーボンモールドの中に、エンボス加工が施されたカーボンシートに上下面を挟み充填した。これを非酸化性雰囲気(例えばアルゴン)中で相対密度が99%以上になる温度圧力条件(温度:1400℃〜1700℃圧力:20MPa〜35MPa)でHP(ホットプレス)処理を行い、所定の微粒子層と粗粒子層の断面比率となる焼結体を得た。この時、成型体内部の粒成長を促進させるため、反応発生ガス(炭酸ガスなど)を内部に閉じ込めることができる雰囲気圧力で焼結を行った。このような条件で焼結を行うことにより、図2に示す構造のセラミックス基板を得た。試料25は、比較のために反応発生ガスを内部に閉じ込めない条件で焼結を行った。結果を表2に示す。
Figure 2013180933
実施例1と同様、試料21から試料24も、快削性に優れ、切断面の表面粗さが小さく、チッピングが小さくなることが分かった。また、反応発生ガスを内部に閉じ込めない条件で焼結を行った場合、粗粒子層が生成されていないため、切削特性が大きく切断面の表面粗さも大きいことが分かった。
本発明は、ハードディスクドライブやテープ記録装置などの磁気ヘッドスライダーの製造に用いられるセラミックス基板や磁気ヘッドスライダーの製造の際に用いられる支持基板等に好適に使用される。
10、10’ セラミックス基板
10a 第1の主面
10b 第2の主面
12 微粒子層
12p、13p 結晶粒子
13 粗粒子層
15 棒状片
20 記録再生素子
16 本体
30 磁気ヘッドスライダー

Claims (13)

  1. 第1の主面および第2の主面を有し、20質量%以上80質量%以下の金属炭化物とアルミナとを主成分として含むセラミックス材料から構成されるセラミックス基板であって、
    前記セラミックス基板は、平均結晶粒径aの微粒子層と平均結晶粒径bの粗粒子層とを含み、
    前記微粒子層の厚さt1、前記セラミックス基板の厚さT、平均結晶粒径aおよび平均結晶粒径bは
    0.05T≦t1≦0.95T
    1.1≦b/a
    の関係を満たすセラミックス基板。
  2. 前記微粒子層の平均結晶粒径aは1μm以下である請求項1に記載のセラミックス基板。
  3. 前記金属炭化物の金属は、Ti、Nb、Cr、Mo、Wから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1または2に記載のセラミックス基板。
  4. 前記セラミックス材料は、100質量%の前記主成分に対して1質量%以下の添加物を更に含み、
    前記添加物は、Cr、Mg、Ca、Sc、Sr、Y、Zr、Nb、またはTiの酸化物およびCの少なくとも1種を含む請求項1から3のいずれかに記載のセラミックス基板。
  5. 前記微粒子層は、前記第1の主面または前記第2の主面と接している請求項1から4のいずれかに記載のセラミックス基板。
  6. 前記微粒子層を2つ含み、前記2つの微粒子層は、前記第1の主面および前記第2の主面とそれぞれ接している請求項1から5のいずれかに記載のセラミックス基板。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のセラミックス基板を、前記第1の主面および前記第2の主面に対して非平行な方向に切断することによって得られるチップによって構成される本体と、
    前記本体に保持された記録再生素子と
    を備える、磁気ヘッドスライダー。
  8. 前記チップは前記切断によって生じた切断面を有し、
    前記切断面の粗表面粗さRmaxは0.3μm以下である請求項7に記載の磁気ヘッドスライダー。
  9. 前記切断面の稜線部におけるチッピングは5μm以下である請求項8に記載の磁気ヘッドスライダー。
  10. 請求項9に記載の磁気ヘッドスライダーを備えたハードディスクドライブ。
  11. 請求項1に記載のセラミックス基板の製造方法であって、
    前記金属炭化物を構成する金属および炭素と、アルミナとを含み、第1の粒度を有する第1の原料粉末を成形することによって、層状の第1の成形体を得る工程と、
    前記金属炭化物を構成する金属および炭素と、アルミナとを含み、第2の粒度を有する第2の原料粉末を成形することによって、層状の第2の成形体を得る工程と、
    前記第1の成形体及び前記第2の成形体とを積層し、加圧焼結することによって、前記微粒子層および前記粗粒子層を含む前記セラミックス基板を得る工程と
    を包含するセラミックス基板の製造方法。
  12. 請求項1に記載のセラミックス基板の製造方法であって、
    前記金属炭化物を構成する金属および炭素と、アルミナとを含み、所定の粒度分布を有する原料粉末を成形することによって、成形体を得る工程と、
    反応発生ガスを内部に閉じ込めながら前記成形体を加圧焼結することによって、セラミックス基板を得る工程と
    を包含するセラミックス基板の製造方法。
  13. 前記基板を得る工程において、成形体の内部の粒成長を促進させることにより、一対の前記微粒子層と前記一対の微粒子層に挟まれた前記粗粒子層とを形成する請求項12に記載のセラミックス基板の製造方法。
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