JPH07287815A - 記録再生ヘッド用非磁性セラミックスおよびその製造方法 - Google Patents

記録再生ヘッド用非磁性セラミックスおよびその製造方法

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JPH07287815A
JPH07287815A JP7032346A JP3234695A JPH07287815A JP H07287815 A JPH07287815 A JP H07287815A JP 7032346 A JP7032346 A JP 7032346A JP 3234695 A JP3234695 A JP 3234695A JP H07287815 A JPH07287815 A JP H07287815A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】加工時の変形を抑制できるとともに、加工時の
負荷が小さく、時間当たりの加工量が大きく、加工後の
凹凸も小さく、さらに、ディスクとの吸着力や摩擦力が
小さい摺動性に優れた非磁性セラミックスおよびその製
法を提供する。 【構成】酸化チタンを1〜17体積%と、アルミナを9
9〜83体積%からなるもので、酸化チタンを1〜17
体積%と、アルミナを99〜83体積%とからなる主成
分100重量部に対して、ジルコニアを0.1〜5重量
部含有することが望ましい。このような非磁性セラミッ
クスは、例えば、原料の平均粒径が0.6μm以下の酸
化チタンを1〜17体積%、アルミナを99〜83体積
%含有する混合粉末、またはこの混合粉末の成形体、或
いは前記混合粉末の焼結体をホットプレスまたは熱間静
水圧処理することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、薄膜磁気ヘッ
ド用セラミック基板,各種磁気ヘッド用スライダー,磁
気ヘッドのスペーサ,磁気記録用テープガイド等に使用
される記録再生ヘッド用非磁性セラミックスおよびその
製造方法に関するものであり、材料自体が大きな硬度、
ヤング率を有することから高い加工精度のヘッドを作製
でき、信頼性の優れた情報記録装置を提供できるととも
に、高密度化された記録媒体である記録ディスク及び記
録テープ等との摩擦力や吸着力が小さい記録再生ヘッド
用非磁性セラミックスおよびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】近年においては、磁気記録の高密度化は急
速な進歩を遂げているが、この高密度化に伴い、ハード
ディスク,8mmVTR,電子スチルカメラ,ビデオフ
ロッピィーやデジタルオーディオ等の高保磁力媒体の記
録再生用磁気ヘッドとして、従来のフェライト等を使用
した磁気ヘッドに代わって、磁性薄膜を利用した磁気記
録の高密度化に好適な薄膜ヘッドが注目されている。
【0003】磁性薄膜を利用した薄膜ヘッドは、例えば
以下のようにして作製される。先ず、直径6インチない
し直径3インチの基板の表面にアルミナのスパッタ膜を
絶縁膜として形成した後、このアルミナ膜の上面にリソ
グラフィ技術を用い数千個のトランスデューサを形成す
る。トランスデューサを形成した基板上に再び絶縁性ア
ルミナ膜を形成する。そして、スライダーとしての研磨
代を考慮して、基板から個々の磁気ヘッドを切り出すこ
とにより得られる。個々の薄膜ヘッドを含むバー材を切
り出した後、そのバー材の一面が摺動面として研磨加工
される。
【0004】ところで、近年では、ウインチェスター型
の磁気ヘッドの記録密度の向上と共に、ディスク表面か
らの磁気ヘッドの浮上量はサブミクロン以下と小さくな
りつつあるが、磁気ディスクの内周及び外周における周
速の違いからスライダーの浮上量が変化する。この浮上
量の変化を小さくするために、浮上面に従来の正圧部を
設けるだけでなく、摺動面の一部に微小な溝(凹部)を
形成して負圧部を形成し、ディスクの内外周でヘッドの
浮上量を一定化することが提案されている。
【0005】従って、上記のような理由から、基板から
切り出されたバー材の一面である摺動面を研磨した後、
この摺動面に溝(凹部)を形成する。この溝は、一般的
には機械加工されるが、その他数μmの溝を有する負圧
スライダーを形成する場合はイオンビームによるミリン
グ,反応性イオンミリング,ケミカルエッチング等で加
工される。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】従来の薄膜ヘッドで
は、上記切り出し加工の際にスライダー用バー材に長さ
50mm当たり数ミクロンの反りが生じ、摺動面にある
磁気ギャップデプス(スロートハイト)の変化も数ミク
ロンとなるものの、再生記録に関する電気特性への影響
は少なかった。
【0007】しかしながら、さらに高密度記録用の磁気
ヘッドでは、この反りによるギャップデプスのばらつき
は電気特性の低下の原因となる。そのため、スライダー
用バー材を切り出した状態での反りは長さ50mm当た
りサブミクロン以下が必要となる。高密度記録用の磁気
ヘッド等には、従来スライダー材料としてアルミナ・炭
化チタン系材料が使用されているが、この材料系では、
スライダー用バー材を切りだした状態での反りをある程
度小さくすることはできるが、ダイヤモンド砥石による
切断加工時の負荷が大きく、短時間で精度良く切断加工
することが困難であるとの問題があった。
【0008】更に、スライダー用バー材に溝を形成する
際には、イオンミリング等で摺動面の微細加工をする必
要もあるが、量産および精度という観点から、加工時間
と加工面の均一性は製造上重要な特性である。しかしな
がら、従来のアルミナ・炭化チタン複合材料ではイオン
ミリングによる時間当たり加工量が小さく、イオンミリ
ング後の加工面の凹凸も大きいという問題があった。即
ち、近年においてはイオンミリングによる加工速度が大
きく、加工面凹凸の小さな材料が要求されている。
【0009】また、従来のアルミナ・炭化チタンからな
る薄膜ヘッド用スライダー材料では、ディスクとの吸着
力や摩擦力が大きく、ヘッドクラシュ等の故障の原因と
なり情報記録装置の信頼性を著しく低下させるという問
題があった。磁気ヘッドの信頼性を高める為にも、磁気
ヘッドとディスクの間に発生する摩擦力や吸着力の小さ
な、摺動特性の優れた材料が要求されていた。
【0010】このような記録ディスクと記録または及び
再生ヘッドとの摩擦力や吸着力を軽減するために、ヘッ
ドの浮上面にクラウン等を形成して吸着力を軽減するこ
とが提案されているが、このクラウンの大きさは数ナノ
メータであり、これを精度良く作製するには加工治具、
装置の高精度化等が必要であり、この点から安価なヘッ
ドの量産を困難なものとしていた。
【0011】本発明は、ダイヤモンド砥石等による研削
加工の変形を抑制できるとともに、精密加工が可能で研
削加工時の負荷が小さく、イオンミリング等による微細
加工において時間当たりの加工量が大きく、加工後の凹
凸も小さく、さらに、ディスクとの吸着力や摩擦力が小
さい摺動性に優れた非磁性セラミックスおよびその製造
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、上記の問
題点に対して検討した結果、ヘッド用非磁性材料では、
材料自体のヤング率を大きくすることにより、スライダ
ー用バー材の加工時の変形を抑制することができるこ
と、また、記録再生ヘッド用非磁性セラミックスを、酸
化チタンを1〜17体積%、アルミナを99〜83体積
%とから構成し、酸化チタンとしてルチル結晶相を含ま
せることにより、精密加工が可能で、研削加工負荷が小
さく、イオンミリングによる加工速度が大きく、微細加
工面における凹凸も小さく、ディスクとの摩擦力や吸着
力の小さな、摺動特性の優れた材料を得ることができる
ことを見いだし、本発明に至った。
【0013】即ち、本発明の記録再生ヘッド用非磁性セ
ラミックスは、酸化チタンを1〜17体積%と、アルミ
ナを99〜83体積%からなるもので、酸化チタンを1
〜17体積%と、アルミナを99〜83体積%からなる
主成分と、この主成分100重量部に対して、ジルコニ
アを0.1〜5重量部含有することが望ましい。このよ
うな記録再生ヘッド用非磁性セラミックスは、例えば、
原料の平均粒径が0.6μm以下の酸化チタンを1〜1
7体積%、アルミナを99〜83体積%含有する混合粉
末、またはこの混合粉末の成形体、或いは前記混合粉末
の焼結体をホットプレスまたは熱間静水圧処理すること
により得られる。或いは、例えば、原料の平均粒径が
0.6μm以下の酸化チタンを1〜17体積%、アルミ
ナを99〜83体積%含有する混合粉末、またはこの混
合粉末の成形体、或いは前記混合粉末の焼結体をホット
プレスまたは熱間静水圧処理した後、酸化雰囲気中にお
いて800〜1200℃で熱処理することにより得られ
る。
【0014】ここで、酸化チタンおよびアルミナを上記
の比率に限定したのは、酸化チタンが1体積%より少な
いと(アルミナが99体積%よりも多いと)、酸化チタ
ンによる摺動特性及び焼結性の向上の効果が小さくなる
からであり、酸化チタンが17体積%を越えると(アル
ミナが83体積%よりも少なくなると)、ヤング率が小
さくなり、バー材の加工時の変形が大きくなり、スライ
ダーの浮上面を精度良く平面に加工することが困難とな
るからである。また、ミリング面粗度が大となる傾向に
あるからである。特に、摺動特性であるディスクとの摩
擦力、吸着力という点から、酸化チタンは10〜17体
積%、アルミナは90〜83体積%含有することが望ま
しく、さらには、スライダー用バー材の反り、または平
坦な摺動面を精度良く加工するという点から、酸化チタ
ンは3.6〜10.1体積%、アルミナは96.4〜8
9.9体積%含有することが望ましい。
【0015】そして、本発明の非磁性セラミックスは、
酸化チタンとアルミナからなる主成分100重量部に対
してジルコニアを0.1〜5重量部含有することが望ま
しいが、これは、ジルコニアを添加することで機械加工
時のチッピング特性を改善し、平坦な摺動面を得ること
ができるからである。ここで、主成分に対してジルコニ
アを0.1〜5重量部含有したのは、ジルコニアが0.
1重量部よりも少ない場合には、ダイヤモンドホイール
による加工、或いは溝加工で作製したエッジ部が欠け易
く、5重量部よりも多い場合には、材料のヤング率が低
下する傾向にあり好ましくないからである。酸化チタン
とアルミナからなる主成分100重量部に対するジルコ
ニア量は、平坦な摺動面を得るという点からは3〜5重
量部、さらには高ヤング率という点からは0.1〜3重
量部含有することが望ましい。
【0016】また、本発明の非磁性セラミックスは、体
積固有抵抗が1010Ωcm以上であることが望ましい
が、これは、体積固有抵抗が1010Ωcmよりも小さい
場合には、導電材料に近くなり、電流がリークするから
である。体積固有抵抗は、絶縁材料という点からは1×
1011Ωcm以上であることが望ましく、さらにはリー
ク電流の防止という点から1×1012Ωcm以上である
ことが最適である。本発明の非磁性セラミックスでは、
焼結体中における酸化チタンの平均結晶粒径は、1μm
以下であることが望ましい。これは、イオンミリングの
微細加工面の表面粗さを小さくすることができるからで
ある。酸化チタンの平均結晶粒径は、0.6μm以下で
あることが望ましく、特には0.3μm以下が望まし
い。
【0017】さらに、本発明の非磁性セラミックスで
は、例えば、原料の平均粒径が0.6μm以下(マイク
ロトラックによる50%粒径、ここで、マイクロトラッ
クによる50%粒径とは粒径と積算体積分率のグラフに
おいて、積算体積分率50%となる粒径をいう)の酸化
チタンとアルミナを含有する混合粉末をホットプレスま
たは熱間静水圧処理(HIP)したり、前記混合粉末の
成形体をホットプレスまたは熱間静水圧処理したり、前
記混合粉末を上記のようにして成形、焼成した焼結体を
ホットプレスまたは熱間静水圧処理したりすることによ
り得られる。これらの中でも特に真空焼成炉、酸化雰囲
気焼成炉等により作製した予備焼結体を熱間静水圧処理
することが望ましい。
【0018】尚、酸化チタンの原料の平均粒径を0.6
μm以下としたのは、0.6μmよりも大きいと焼結温
度が高くなるため、アルミナ結晶の粒径が大きくなり、
焼結体中にポアが残存し、これを除去することが困難と
なるからである。また、焼結体が緻密化されてもイオン
ミリングにより微細加工した加工面の表面粗さRaが1
00nm以上と大きくなり、例えばスライダー材料とし
て適切でないからである。この酸化チタンの原料粒径は
0.3μm以下、特には0.2μm以下であることが望
ましい。
【0019】また、焼成するにホットプレスまたは熱間
静水圧処理を採用するのは、焼結体中の1μm以上のポ
アを除去できるからである。ホットプレス処理はカーボ
ン型において圧力50〜500kgf/cm2 、110
0〜1300℃で0.5〜1時間行い、熱間静水圧処理
はアルゴンまたは窒素雰囲気において圧力500〜20
00kgf/cm2 、1000〜1300℃で1時間行
うのが適当である。
【0020】本発明においては、ホットプレスまたは熱
間静水圧処理した後、酸化性雰囲気において800〜1
200℃で熱処理することが望ましいが、これは体積固
有抵抗を大きくするためである。ここで、800〜12
00℃で熱処理したのは、800℃以下であると充分体
積固有抵抗を大きくすることができないからであり、1
200℃よりも高い温度で熱処理するとポアを発生させ
るからである。
【0021】
【作用】スライダーの浮上面を鏡面加工する際、ディス
クに対面する浮上面の平坦度はその浮上量の低下に従い
厳しくコントロールする必要が生じている。図1に、鏡
面加工時にワークに荷重をかけた状態でのワークの変形
量を有限要素法で計算した模式図を示す。このような状
態は、ワーク固定治具に、例えば、接着剤で固定した場
合、接着剤の効果により端部にfの力が作用する。尚、
ワーク形状は4mm×1.3mm×2.5mmであり、
荷重を1.0kgfとした。そして、ヤング率が130
00kgf/mm2 、25000kgf/mm2 、40
000kgf/mm2 と異なる材料についてそれぞれ計
算した結果、ワークの変形量Δxは2.19×10-4
1.14×10-4、7.13×10-5であり、ヤング率
が大きい程変形が小さくなることが判る。これより、ヤ
ング率の大きな材料ほど変形が少なく平面度の小さい面
に加工できることが判る。
【0022】そこで、本発明の記録再生ヘッド用非磁性
セラミックスは、ヤング率の大きいアルミナに対して、
摺動特性の優れた酸化チタンを均一に分散させることに
より、材料自体のヤング率を向上し、ダイヤモンド砥石
等による研削加工時の変形を抑制することが可能となる
とともに、精密加工が可能で研削加工時の負荷を小さく
し、イオンミリングによる加工速度が大きく、加工後の
凹凸も小さく、さらに、ディスクとの摩擦力や吸着力を
小さくすることが可能となる。
【0023】また、上記酸化チタンとアルミナからなる
主成分に対してジルコニアを含有させることにより、機
械加工時のチッピング特性を改善し、加工後の表面粗さ
を向上することが可能となる。
【0024】さらに、酸化チタンの原料粒径を0.6μ
m以下(マイクロトラックによる50%粒径)とするこ
とにより、ホットプレスまたはHIP処理をする前の予
備焼成時の温度範囲を1175〜1300℃と広い範囲
に設定することができ、95%以上の相対密度を有する
予備焼結体が得られ、その後のHIP処理が可能とな
る。しかも、このような原料粒径が0.6μm以下の酸
化チタンを用いることにより、焼結体の平均結晶粒径が
1.0μm以下の微細な結晶粒径を有するコンポジット
材料を作製できる。酸化チタンの原料粒径が0.6μm
以上では予備焼成温度の範囲が限られ、相対密度95%
以上の安定した予備焼結体を得ることが困難となるから
である。予備焼成温度が高くなるに伴い酸化チタン結晶
の粒径が大きくなり、1300℃を越えると酸化チタン
とアルミナは反応し、チタン酸アルミニウムを合成し、
硬度、ヤング率の低下を示すことから、チタン酸アルミ
ニウムはX線回折測定では検出されない程度であること
が必要である。また、予備焼成温度の高い、または原料
粒径が大きく焼結体の酸化チタンの平均結晶粒径が1μ
m以上である材料は、イオンミリングにより微細加工し
た加工面の表面粗さRaが100nm以上と大きく、ス
ライダー材料として適切でなかった。
【0025】また、スライダーの絶縁性を高めるために
はアルゴン雰囲気による熱間静水圧加圧処理(HIP)
が望ましく、カーボン型ホットプレス処理で作製した材
料は体積固有抵抗が104 Ωcmと小さい。さらに、絶
縁性を必要とする場合には、ホットプレス処理やHIP
処理した材料を酸化性雰囲気で熱処理することで体積固
有抵抗を1010Ωcm以上とすることができる。
【0026】
【実施例】
実施例1 酸化チタンとして平均粒径0.6μmの原料とアルミナ
として平均粒径0.44μmの原料を、焼結体組成が表
1となるように秤量し、アルミナボールを媒体として粉
砕混合した。混合した原料を乾燥し、40メッシュを通
し整粒した後、カーボン型に充填し350kgf/cm
2 の加圧力を加え1150℃〜1300℃の温度でホッ
トプレス処理した。焼結体の特性を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】ここで、密度はアルキメデス法を使い、硬
度はAVK((株)明石製作所製)の硬度計を使い測定
した。測定条件はビッカース圧子により荷重20kgf
を15秒間加えた後、その圧子による圧痕の大きさから
測定した。強度は3mm×4mmの断面を有する試験片
を作製し、30mmのスパンで3点曲げ試験法により測
定した。この時のヘッドのスピードを0.5mm/mi
nとした。ヤング率は強度測定と同じ形状のサンプルを
作製し、パルスエコー法により測定した。ポアの有無は
1μmのダイヤモンド砥粒を使い研磨した後、走査型電
子顕微鏡で研磨面を観察し1μm以上のポアの有無を観
察した。
【0029】次に、体積固有抵抗を3mm×4mm×4
0mmのテストピースの両端に銀ペーストを塗布して4
端子法で測定した。また、同時に酸化雰囲気中で110
0℃の温度で2時間熱処理した後の試料の体積固有抵抗
を測定した。また、熱処理前の試料をカウフマン型ミラ
トロン(コモンウェルス社製)のアルゴンソース源を使
いミリング加工し、ミリング速度およびミリング面粗度
を求めた。加速電圧は800Vとし、試料の加工面の法
線と45度となる角度からアルゴンビームを照射した。
比較のためにアルミナ・炭化チタンコンポジット材料
(TF700H)を同時にミリング加工した。表面粗さ
はデジタルインスツルメンツ社製のナノスコープ2原子
間力顕微鏡(AFM)を使用した。AFMにはオリンパ
ス(株)で製造した窒化珪素製の探針先端曲率R10n
m〜R30nmの探針を使用した。
【0030】また、この測定視野は10μm角とした。
ミリング速度は表面粗さ計を使いミリングした面とカバ
ーした面の段差を測定することで測定した。
【0031】この表1より、本発明の非磁性セラミック
スは、ヤング率が380GPa以上であり、焼結体中に
は1μm以上のポアが存在せず、ミリング速度も100
A/min以上であり、しかもミリング面粗度も良好な
特性を有していることが判る。これに対して、従来のア
ルミナ・炭化チタンコンポジット材料では、ヤング率が
398GPaと高いが、加工時の負荷が大きく、ミリン
グ速度も遅く、ミリング面粗さRaが大きいことが判
る。
【0032】次に、熱処理前の試料に1.6×2.2×
0.9mmのサイズの2本のレールを有するスライダー
を作製し、榛名通信(株)製のCSSテスタ−を使い、
CSS回数とディスクのダメージ、ヘッドのダメージを
評価する試験を行った。試験方法は、ディスク上にスラ
イダーを摺動させることにより行い、ディスクの最大回
転速度を3600rpmとし、停止時から3600rp
mとなる時間を5秒間とし、3600rpmで3秒間保
持した後、5秒後に停止し、停止状態を5秒間とした。
この動作をCSS回数1回とした。その結果、試料No.
12の材料では、CSS回数が30000回でディスク
やヘッドに損傷を与えるのに対して、No.2〜5,7〜
11の試料では、CSS回数が40000回でもディス
クやヘッドにおけるダメージがなく、優れた摺動特性を
示すことを確認した。
【0033】実施例2 酸化チタンとして平均粒径0.55μmの原料とアルミ
ナとして平均粒径0.44μmの原料を、焼結体組成が
表2となるように秤量し、アルミナボールを媒体として
粉砕混合した。混合した原料を乾燥し、40メッシュを
通し整粒した後、バインダーとしてパラフィンワックス
を加え造粒した。そしてこれを成形した後、1175℃
から1300℃で予備焼成した。予備焼成体の比重と組
成から計算した相対密度を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】これらの予備焼結体をアルゴン雰囲気にお
いて1200〜1300℃で1時間HIP処理し、実施
例1と同様に、密度、硬度、強度、ヤング率、ポアの有
無、ミリング速度、ミリング面粗度および体積固有抵抗
を測定し、表2に記した。体積固有抵抗は、HIP後
と、実施例1と同様に酸化雰囲気中で1100℃の温度
で、2時間熱処理した後の値を記した。尚、本発明の試
料14〜20のHIP後の相対密度は99.5%以上で
あり、緻密な焼結体となっていた。また、実施例1と同
様にして熱処理前の試料について摺動特性を調べたとこ
ろ、試料No.14〜20では、CSS回数が40000
回でもディスクやヘッドにおけるダメージがなく、優れ
た摺動特性を示すことを確認した。
【0036】比較例 酸化チタンとして平均粒径1.5μmの原料とアルミナ
として0.44μmの原料を、焼結体組成が表3になる
ように秤量し、アルミナボールを媒体として粉砕混合し
た。混合した原料を乾燥し、40メッシュを通し整粒し
た後、バインダーとしてパラフィンワックスを加え造粒
した。成形した後、酸化性雰囲気において1175〜1
350℃で2時間予備焼成した。予備焼成体の比重と組
成から計算した相対密度を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】これらの予備焼結体をアルゴン雰囲気にお
いて1200〜1350℃で1時間HIP処理した。し
かし、相対密度99%以上の緻密な焼結体は作製できな
かった。このことから、酸化チタンの平均粒径が1.5
μmの原料を用いた場合には、HIP処理しても緻密な
焼結体を作製できないことが判る。
【0039】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の記録再生ヘ
ッド用非磁性セラミックスでは、材料自体のヤング率を
高くすることができ、これにより、加工時の変形が小さ
く、浮上面の平坦度を精度良くコントロールでき、微細
加工が可能で、加工速度が大きく、微細加工面における
凹凸も小さく、ヘッドとディスクの間に発生する摩擦力
や吸着力の小さな、摺動特性の優れた材料を得ることが
できる。これにより、例えば、薄膜磁気ヘッド用セラミ
ック基板、各種磁気ヘッド用スライダー、磁気ヘッドの
スペーサ、磁気テープ用ガイド等に最適な記録再生ヘッ
ド用非磁性セラミックスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鏡面加工時にワークに荷重をかけた状態でのワ
ークの変形量を有限要素法で計算した模式図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化チタンを1〜17体積%と、アルミナ
    を99〜83体積%からなることを特徴とする記録再生
    ヘッド用非磁性セラミックス。
  2. 【請求項2】酸化チタンを1〜17体積%と、アルミナ
    を99〜83体積%とからなる主成分と、この主成分1
    00重量部に対して、ジルコニアを0.1〜5重量部含
    有することを特徴とする記録再生ヘッド用非磁性セラミ
    ックス。
  3. 【請求項3】原料の平均粒径が0.6μm以下の酸化チ
    タンを1〜17体積%、アルミナを99〜83体積%含
    有する混合粉末、またはこの混合粉末の成形体、或いは
    前記混合粉末の焼結体をホットプレスまたは熱間静水圧
    処理することを特徴とする記録再生ヘッド用非磁性セラ
    ミックスの製造方法。
  4. 【請求項4】原料の平均粒径が0.6μm以下の酸化チ
    タンを1〜17体積%、アルミナを99〜83体積%含
    有する混合粉末、またはこの混合粉末の成形体、或いは
    前記混合粉末の焼結体をホットプレスまたは熱間静水圧
    処理した後、酸化雰囲気中において800〜1200℃
    で熱処理することを特徴とする記録再生ヘッド用非磁性
    セラミックスの製造方法。
JP03234695A 1994-02-25 1995-02-21 記録再生ヘッドスライダー用非磁性セラミックスおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3215000B2 (ja)

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