JP5093948B2 - 磁気ヘッド用基板及びその製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明はコンピューターの記録装置であるハードディスクドライブやテープドライブ等の高保持力媒体の記録再生に用いられる磁気ヘッド用基板として用いられる非磁性セラミックスとその製造方法及びそれを用いた磁気ヘッド用基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録の高密度化は急速に進んでおり、一般に記録再生用の磁気ヘッドとして磁性薄膜を利用した薄膜磁気ヘッドが使用されている。
【0003】
かかる薄膜磁気ヘッドには、耐摩耗性、摺動面における表面平滑性及び機械加工性に優れることが要求されており、Al2O3−TiC系セラミックスから成るセラミック基板上にアモルファスアルミナから成る絶縁膜をスパッタリング法により成膜し、表面に鏡面加工を施してABS(エア・ベアリング・サーフェイス)面を形成した後、磁気抵抗効果を用いたMR(Magnetroresistive)、或いはGMR(Giant MR)素子を形成し、イオンミリング加工や反応性イオンエッチングによって溝加工を施したものが用いられている。
【0004】
最近では、ハードディスクドライブ用のMR、GMR素子を備えた磁気ヘッドの場合、磁気ヘッドの浮上量(磁気ヘッドと記録媒体であるディスクとの隙間)が1マイクロインチ程度、即ちニアコンタクトに近くなってきており、摺動時に磁気ヘッドがディスクと接触して摩擦熱が発生しやすく、この摩擦熱によってMR、GMR素子に温度変化が生じ、磁気ヘッドの読み取り感度が低下するサーマルアスペリティ現象を生じるという問題点があった。
【0005】
そこで、上述の問題を解決すべく、上記Al2O3−TiC系セラミックスから成るセラミック基板上にMR、GMR素子を形成する際のGAP膜(情報を読み取るGMR、MR素子と書き込みコイル間の絶縁やコイルの磁界を発生させるためのスペーシングをとるための膜)に、AlNやDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の熱伝導率の高い材質を用いる手段や、磁気ヘッド用基板のアモルファスアルミナ膜の厚みを薄くして、その上面に備えるMR、GMR素子をAl2O3−TiC系セラミックスから成るセラミック基板に近づける手段、及びAl2O3−TiC系基板にα−SiCを添加して熱伝導に優れた磁気ヘッド用基板を形成する手段等によってMR、GMR素子周辺の放熱性を向上させた磁気ヘッドが用いられている。
【0006】
また、セラミック基板の表面にイオンミリング加工によって、0.1〜1μmの溝及びABS面を形成する際、精密加工が可能で、ディスクとの摩擦力が小さく優れた摺動特性を有する磁気ヘッド用基板を得るため、SiCを40〜95体積%、Al2O3を5〜60体積%含有したAl2O3−SiC系セラミックスが提案されている(特開平7−237963号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のAl2O3−TiC系セラミックスから成るセラミック基板では、GMRやMR素子を形成する際にAlNやDLC等の熱伝導率が100W/(m・K)以上あるGAP膜を用いても、上記Al2O3−TiC系セラミックスは、例えばTiCが20〜30体積%含有されている場合、基板自体の熱伝導率が18〜25W/(m・K)程度と低いため、磁気ヘッド全体として十分な放熱性を得ることができないという欠点を有していた。
【0008】
また、磁気ヘッド用基板のアモルファスアルミナ膜の厚みを薄くすると、膜の耐電圧が不十分になり、MR、GMR素子とセラミック基板が通電してしまうという欠点を有していた。
【0009】
さらに、Al2O3−TiCにα−SiCを添加したセラミック基板を用いた場合、その表面にイオンミリング加工によって、0.1〜1μmの溝及びABS面を形成する際、α−SiCはAl2O3やTiCとのミリングレートの違いによって、チッピングが生じやすく良好な表面粗さを得ることができず、磁気ヘッドの浮上量が安定しないという欠点を有していた。
【0010】
さらにまた、Al2O3−SiCセラミックスは、SiCの含有量が40〜95体積%と多いため、強度、硬度は高いものとできるが、硬度が高すぎるため、快削性が劣り、磁気ヘッド用基板等を形成する際の切削加工がスムーズにいかず、歩留が低下するという欠点を有していた。
【0011】
本発明は上述の欠点に鑑み案出されたものであり、その目的は磁気ヘッドの素子部の放熱性を向上させ、安定した浮上高さを保持できる磁気ヘッド用基板を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気ヘッド用基板は、Al2O3を主成分として、SiCを30〜46重量%含有するとともに、結晶相としてAl 2 O 3 、SiC及び3Al 2 O 3 ・2SiO 2 (ムライト相)を有する非磁性セラミックスからなり、X線回折における前記SiCのピーク強度の最大値に対する前記3Al2O3・2SiO 2 のピーク強度の最大値の比が0.04以下であることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の磁気ヘッド用基板の製造方法は、Al2O3を54〜70重量%、及び平均粒径が1μm以下の炭化珪素を30〜46重量%含有してなる混合粉末を、所定形状に成形した後、得られた成形体を、非酸化雰囲気で、20℃/分以下の昇温速度にてホットプレスして非磁性セラミックスを作製する工程を具備することを特徴とするものである。
【0014】
本発明の磁気ヘッド用基板によれば、Al2O3を主成分として、SiCを30〜46重量%含有するとともに、結晶相としてAl 2 O 3 、SiC及び3Al 2 O 3 ・2SiO 2 (ムライト相)を有する非磁性セラミックスからなり、X線回折におけるSiCのピーク強度の最大値に対する3Al2O3・2SiO 2 のピーク強度の最大値の比が0.04以下であることから、熱伝導率が高く充分な放熱性を得ることができるとともに、磁気ヘッド用基板のABS面を形成時のイオンミリング加工において、加工面を表面粗さの優れたものとできるため、安定した浮上高さを保持でき、読み取り感度の優れたものとすることができる。
【0015】
また、本発明の非磁性セラミックスの製造方法によれば、Al2O3を54〜70重量%、平均粒径が1μm以下の炭化珪素を30〜46重量%含有し、得られた成形体を、非酸化雰囲気で、20℃/分以下の昇温速度にてホットプレスすることから、Al2O3とSiC粉末表面のSiO2が反応することによって生成するムライト相の生成を抑制して、緻密で高強度な非磁性セラミックスを得ることができ、イオンミリング加工後の面粗さを優れたものとして、磁気ヘッドの読み取り感度を優れたものとすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
本発明の磁気ヘッド用基板となる非磁性セラミックスは、Al2O3を主成分とし、SiCを30〜46重量%含有するものであり、特に磁気ヘッド用基板として好適に用いられ、熱伝導の非常に優れたものである。
【0018】
上記非磁性セラミックス中のSiCは、60〜100W/m・Kの高い熱伝導率を有するものであり、非磁性セラミックスの熱伝導を向上させるとともに高剛性を付与する作用を成し、非磁性セラミックス中に30〜46重量%含有している。SiCの含有量が30重量%未満となると、熱伝導率が低下し、磁気ヘッドの素子部の放熱性が低下するため、安定した浮上高さを保持することが困難となる。一方、46重量%を越えると、SiCは硬度が高いため、切断等の加工時の抵抗が大きくなるとともに、チッピングサイズが大きくなり、磁気ヘッドからパーティクル(粉塵)が発生して磁気ヘッドのクラッシュや記録の読み取り不良を生じる恐れがある。従って、上記SiCの含有量は30〜46重量%に特定され、特に、30〜38重量%とすることがより好ましく、加工性をさらに高め、快削性を有する非磁性セラミックスとすることができる。
【0019】
一般に、上記SiCはその粉末表面が酸化することによって、SiO2を有しており、このSiO2はAl2O3と反応して、ムライト相(3Al2O3・2SiO2)を生成するが、該ムライト相はAl2O3−SiC焼結体からなる非磁性セラミックスにおいて、粒界相として存在し、熱伝導率を低下させるばかりでなく、磁気ヘッドスライダーとして、ABS面をイオンミリング加工等を施す場合に、その他の成分とのミリングレートの差によって表面粗さを悪くする要因となる。
【0020】
そこで、本発明の磁気ヘッド用基板となる非磁性セラミックスは、X線回折におけるSiCのピーク強度の最大値に対する3Al2O3・2SiO2(ムライト相)のピーク強度の最大値の比が0.04以下とするものであり、非磁性セラミックスの粒界に存在するムライト相を減少させることによって、熱伝導率を高いものとし、磁気ヘッドにおけるMR、GMR素子部の放熱性を高め、浮上量の安定した読み取り感度の高い磁気ヘッドを得ることができる。また、イオンミリング加工における各結晶のミリングレートを高め、優れた表面粗さを有する磁気ヘッドを得ることができる。
【0021】
なお、上記本発明の磁気ヘッド用基板となる非磁性セラミックスは、MR素子及びGMR素子の読みとり感度をよくするために、磁気ヘッドスライダー本体の材料が非磁性とする必要があり、磁気ヘッドスライダーにおいては飽和磁束密度を5μT(マイクロテスラ)以下とすることが必要である。
【0022】
なお、上記非磁性セラミックスには、Al2O3、SiC、3Al2O3・2SiO2(ムライト)の他、不純物としてFe、Ni、Co等の磁性金属成分を総量で0.1重量%以下含有していても良い。
【0023】
ここで、本発明の磁気ヘッド用基板の製造方法を説明する。
【0024】
先ず、所定の配合組成となるように、例えば原料の平均粒径が1μm以下のSiCとAl2O3の比率を重量%比で36:64となるような原料調合を行い、これらの混合物をボールミル等の粉砕混合装置を用いて粉砕混合し、スプレードライヤー等によって噴霧乾燥して均一な形状の粉体を得る。
【0025】
なお、上記SiCの平均粒径を1μm以下とすることによって、スライシング時の加工によりチッピングが生じるのを防止することができる。
【0026】
次いで、得られた粉体を粉末プレス機で所定の形状に成形し、該成形体をホットプレスカーボン型に充填した後、Arガスの非酸化雰囲気中、圧力300kg/cm2以上、昇温速度を20℃/分以下とし、焼成温度1800〜1900℃、焼成時間1時間以上の条件でホットプレスを施すことによって製作できる。
【0027】
また、上述で得られた非磁性セラミックスにポリッシングによって表面を平滑に加工し、その表面上にアモルファスアルミナ等の絶縁膜をスパッタリング法を用いて形成することによって磁気ヘッド用基板が製作される。
【0028】
さらに、この磁気ヘッド用基板を用いて磁気ヘッドを形成するには、フォトリソグラフィ技術を用いて基板上にMR、GMR素子等の読み取り素子やコイル膜等からなる書き込み素子を形成するウェハ工程を経た後、スライシング加工により所定の形状に切断するとともに、記録媒体との対向面に鏡面加工を施してABS面を形成した後、イオンミリングやRIE加工技術を用いてレール溝加工を施すスライダー工程を経て製作される。
【0029】
上述の製造方法によって得られた非磁性セラミックスは、磁気ヘッド用基板及び磁気ヘッドとして好適に用いられ、磁気ヘッドの通電時に発生する書き込みコイルからの発熱、及び素子近傍の発熱が基板に伝わった後、効率よく磁気ヘッドのABS面から放熱され、磁気ヘッドの読み取り感度を優れたものとすることができる。
【0030】
特に、上述の製造方法におけるホットプレスの雰囲気を非酸化雰囲気とし、昇温速度を20℃/分以下とすることが重要であり、昇温速度を遅くすることによって、Al2O3とSiC粉末表面のSiO2との反応によって生成するムライト相の生成を抑制し、熱伝導率が高く、磁気ヘッドにおけるMR、GMR素子部の放熱性を高め、浮上量の安定した読み取り感度の高い磁気ヘッドを得ることができるとともに、イオンミリング加工における各結晶のミリングレートを高め、優れた表面粗さを有する磁気ヘッドを得ることができる。
【0031】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能である。
【0032】
【実施例】
次いで、本発明の実施例を説明する。
【0033】
(実施例1)
出発原料としてAl2O3粉末(純度99.9%以上、平均結晶粒子径0.3μm)、SiC粉末(純度99.5%以上、平均結晶粒子径0.2μm)を表1に示す如く割合にて添加混合し、これら混合粉末をボールミルにより30時間の湿式粉砕混合を行い、噴霧乾燥の後、得られた混合粉末を予備成形し、該成形体をホットプレス黒鉛型内に充填し、昇温速度20℃/分にて昇温し、1850℃、350kg/cm2の圧力で1時間のホットプレスを行い、φ60mm×3.5mm厚みのセラミックスを得た。
【0034】
得られたセラミックスからJIS C2141に基づいた試料を切り出し、熱伝導率、ヤング率を測定した。
【0035】
また、セラミックスの表面に鏡面加工を施した50mm×20mm×2mm厚みの試料を直径96mm、刃幅0.095mmのレジンダイヤモンド砥石を用い、10,000rpmの回転数と50mm/分の送り速度により、10本の切断加工を実施し、各試料の最大チッピングサイズを測定して平均値を算出した。
【0036】
なお、チッピングサイズの評価として、磁気ヘッドスライダーを作製する場合、品質に影響を及ぼさない5μm未満の場合を◎、同じく品質に影響を及ぼさない5〜10μm未満の場合を○、スライダーとして満足できない10〜20μm以下である場合を△、著しく品質に影響を及ぼす20μmを越える場合は×として評価を実施した。
【0037】
また、アルゴンイオンビームにて加工した後の基板の表面粗さを測定するため、表面粗さ(Ra)が1.0nmになるまで研磨された鏡面に対して、約500Paの圧力で保持した雰囲気中で、500V、130mAのアルゴンイオンビームにより0.5μmの深さまで表面加工を行い、処理後の表面粗さ(Ra)をAFM(原子間力顕微鏡)を用いて測定した。
【0038】
それぞれの結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1から明らかなように、SiCの含有量が30〜46重量%の試料(No.4〜10)は、熱伝導率が35〜39W/m・K、ヤング率が415〜425GPa、チッピングサイズが非常に小さく加工性に優れ、表面粗さを4.8nm以下と小さくすることができることが判った。
【0041】
特に、SiCの含有量が30〜38重量%の試料(No.6〜10)は、チッピングサイズが非常に小さく、表面粗さを3.8〜4nmと加工性に優れることが判った。
【0042】
これに対し、SiCの含有量が46重量%を超える試料(No.1〜3)は、チッピングサイズが大きくなり磁気ヘッドからパーティクル(粉塵)が発生する。
また、SiCの含有量が30重量%未満の試料(No.11、12)は、熱伝導率が小さいため、放熱性が悪く、表面粗さも6〜7.2nmと非常に大きいことが判った。
【0043】
(実施例2)
次いで、実施例1と同様なAl2O3粉末(純度99.9%以上、平均結晶粒子径0.3μm)、SiC粉末(純度99.5%以上、平均結晶粒子径0.2μm)を64:36の重量比で添加混合し、これら混合粉末をボールミルにより30時間の湿式粉砕混合を行い、噴霧乾燥の後、得られた混合粉末を予備成形し、該成形体をホットプレス黒鉛型内に充填し、表2に示す如く昇温速度にて、1850℃、350kg/cm2の圧力で1時間のホットプレスを行い、φ60mm×3.5mm厚みのセラミックスを得た。
【0044】
そして、実施例1と同様な測定に加え、鏡面加工部をX線回折によりSiCと3Al2O3・2SiO2(ムライト)のそれぞれのピーク強度の最大値の比を測定した。
【0045】
その結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
表2より明らかなように、昇温速度が20℃以下の試料(No.13〜15、18〜20)は、X線回折におけるピーク強度の最大値の比が0.038以下と、ムライト相の析出が少ないため、熱伝導率が32〜37W/m・K、ヤング率が415〜425GPaと優れ、チッピング評価、表面粗さも4nm以下と非常に加工性が優れることが判った。
【0048】
これに対し、昇温速度が20℃を超える試料(No.16,17,21,22)は、X線回折におけるピーク強度の比が0.045〜0.06と大きく、ムライト相が増加する傾向にある。そのため、熱伝導率が30W/m・K以下、ヤング率が410GPa以下と小さく、チッピング評価及び表面粗さが8.5〜9.8nmと非常に低下することが判った。
【0049】
ここで、Al2O3粉末(純度99.9%以上、平均結晶粒子径0.3μm)、SiC粉末(純度99.5%以上、平均結晶粒子径0.2μm)を64:36の重量比で添加混合し、昇温速度18℃/分でホットプレスによって得た試料(No.14)をX線回折した結果を図1に示す。
【0050】
図1より明らかなように、ムライトのピーク強度の最大値は(2θ=約26.4°)182、SiCのピーク強度の最大値は(2θ=約35.8°)5340であり、このSiCのピーク強度の最大値である5340に対するムライトのピーク強度の最大値は182の比は、0.034と0.04以下の小さなものとなっていることが判る。
【0051】
【発明の効果】
本発明の磁気ヘッド用基板によれば、Al2O3を主成分として、SiCを30〜46重量%含有するとともに、結晶相としてAl 2 O 3 、SiC及び3Al 2 O 3 ・2SiO 2 (ムライト相)を有する非磁性セラミックスからなり、X線回折におけるSiCのピーク強度の最大値に対する3Al2O3・2SiO 2 のピーク強度の最大値の比が0.04以下であることから、熱伝導率が高く充分な放熱性を得ることができるとともに、磁気ヘッド用基板のABS面を形成時のイオンミリング加工において、加工面を表面粗さの優れたものとして安定した浮上高さを保持できる読み取り感度の優れたものとすることができる。
【0052】
また、本発明の磁気ヘッド用基板の製造方法によれば、Al2O3を54〜70重量%、平均粒径が1μm以下の炭化珪素を30〜46重量%含有し、得られた成形体を、非酸化雰囲気で、20℃/分以下の昇温速度にてホットプレスすることから、Al2O3とSiC粉末表面のSiO2が反応することによって生成するムライト相の生成を抑制して、緻密で高強度な非磁性セラミックスを得ることができ、イオンミリング加工後の面粗さを優れたものとして、磁気ヘッドの読み取り感度を優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線回折の結果を示すグラフである。
Claims (2)
- Al2O3を主成分として、SiCを30〜46重量%含有するとともに、結晶相としてAl2O3、SiC及び3Al2O3・2SiO2(ムライト相)を有する非磁性セラミックスからなり、X線回折における前記SiCのピーク強度の最大値に対する前記3Al2O3・2SiO2のピーク強度の最大値の比が0.04以下であることを特徴とする磁気ヘッド用基板。
- 請求項1に記載の磁気ヘッド用基板の製造方法であって、Al2O3を54〜70重量%、及び平均粒径が1μm以下のSiCを30〜46重量%含有してなる混合粉末を、所定形状に成形した後、得られた成形体を、非酸化雰囲気で、20℃/分以下の昇温速度にてホットプレスして前記非磁性セラミックスを作製する工程を具備することを特徴とする磁気ヘッド用基板の製造方法。
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