JP2013177670A - フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 - Google Patents
フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013177670A JP2013177670A JP2012246479A JP2012246479A JP2013177670A JP 2013177670 A JP2013177670 A JP 2013177670A JP 2012246479 A JP2012246479 A JP 2012246479A JP 2012246479 A JP2012246479 A JP 2012246479A JP 2013177670 A JP2013177670 A JP 2013177670A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluoride
- spraying
- spray
- particles
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
【解決手段】基材または炭化物サーメットのアンダーコートを設けた基材表面に、フッ化物溶射材料粒子を、不活性ガスを成膜用作動ガスにより、その不活性ガスを温度600℃〜1300℃、飛行粒子速度:500m/sec.以上の速度にて噴射して、フッ化物溶射皮膜を被覆形成する方法、およびフッ化物溶射皮膜被覆部材。
【選択図】図1
Description
(2)フッ化物溶射材料の溶射は、毎秒500m以上の高速度で飛行させることが好ましい。このような高速溶射により、溶射粒子表面に大きな運動エネルギーで衝突するため、少なくとも一部の溶射粒子が被着面の凹部などに食い込んだ状態、即ち植毛構造となって付着する。その結果、被覆形成されたフッ化物溶射皮膜は、基材の粗面化凹部あるいは炭化物サーメットの膜状のアンダーコート層の凹凸部を介して植毛状態を形造って強く固着させることができる。即ち、このことによって、フッ化物溶射皮膜の密着性の向上を図ることができる。
(3)フッ化物溶射皮膜を被覆するための基材は、その表面を予めJIS H9302規定のセラミック溶射皮膜作業標準に準拠して、脱脂や脱スケールと共に、A12O3やSiCなどの研削材粒子を用いたブラスト粗面化処理して凹凸を形成したり、さらには予熱することが好ましい。
(4)フッ化物皮膜の被覆に先立ち、基材表面に形成する炭化物サーメットは、WC−CoやWC−Ni−Crなどの炭化物サーメット材料を、上記(2)の方法によって高速フレーム溶射することが好ましい。
(5)前記炭化物サーメットを用いた前記アンダーコート層は、基材表面の全体を略均等に覆う膜状化した状態の層であることが好ましい。
(6)不活性ガスを駆動源とする溶射ガンのノズルと基材表面との距離は5〜50mmに保持して成膜し、密着性に優れたフッ化物溶射皮膜を被覆形成することが好ましい。
(7)前記アンダーコート層は、基材表面の全体を略均等に覆う膜状化した状態の層であることが好ましい。
(1)フッ化物溶射に先立つ前記基材の表面に、炭化物サーメット粒子を飛行速度150〜600m/sec.の吹き付け速度の溶射を行なうことにより、膜状の炭化物サーメットのアンダーコート層を被覆形成すること、
(2)基材表面に、炭化物サーメットの膜状のアンダーコート層を形成するには、予め基材表面に対して、Al2O3、SiCなどの研削材粒子を吹き付けて粗面化処理した後、市販のCr3C2−Ni−Crなどの炭化物サーメット材料を、溶射ガンへの供給量100〜200g/min、溶射ガンの移動の速度300〜1000mm/sec.、溶射回数(溶射ガンの移動の数)を6回以上の条件で吹き付けて、30〜200μmの略均一な粗い表面を有する膜厚になるように施工すること、
(3)前記フッ化物溶射皮膜の植毛構造は、フッ化物の溶射粒子の少なくとも一部の溶射粒子が、基材表面または炭化物サーメットのアンダーコート層表面の凹部に食い込むか凹部を覆うように付着した構造であること、
(4)前記前処理は、脱脂、脱スケール、粗面化および予熱のうちのいずれか1以上を行なう処理であること、
(5)前記基材は、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、炭素を含む鋼鉄、各種ステンレス鋼、Ni及びその合金、酸化物、窒化物、炭化物、珪化物、炭素焼結体のいずれかを用いること、
(6)前記フッ化物溶射皮膜は、周期律表IIa族のMg、周期律表IIIb族のAl、周期律表IIIa族Y、原子番号57〜71のランタノイド系金属であるランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロビウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジズプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のフッ化物から選ばれる1種以上の、粒径が5μm〜80μmのフッ化物粒子を吹き付けて、20μm〜500μmの膜厚に形成された皮膜であること、
(7)前記基材は、Al2O3、SiCなどの研削材を吹き付ける前処理によって、表面粗さをRa:0.05〜0.74μm、Rz:0.09〜2.0μmに粗面化すること、
(8)前記不活性ガスを成膜用作動ガスとして用いる溶射法では、フッ化物粒子を噴射するときの噴射ノズル先端と基材表面との距離は、5〜50mmの間隔に保持されること、
(9)フッ化物溶射粒子の飛行速度は、600m/sec.以上800m/sec.以下の速さにすること、
(10)フッ化物溶射粒子の飛行速度は、650m/sec.以上1000m/sec.以下の速さにすること、
(11)作動ガスおよび溶射雰囲気の温度は、700℃以上1300以下にすること、
が、より好ましい解決手段となる。
(1)成膜用のフッ化物溶射用粒子を加熱するための溶射熱源が、ArやN2、Heなどの不活性ガスを用いているため、溶射熱源中を飛行するフッ化物粒子が酸化、変質することなく被着面に達して溶射皮膜となる。従って、無酸化雰囲気下での溶射になるため酸化反応が抑制され、フッ化物本来の性能を損ねるようなことがなく、安定した品質のものが得られる。
(2)フッ化物粒子を加熱するための前記不活性ガスの溶射熱源温度が、一般的なプラズマ溶射法の熱源温度:5000℃〜7000℃、高速フレーム溶射法の熱源温度:1800℃〜2800℃に比べて、はるかに低温の600℃〜1300℃であるため、フッ化物粒子の熱分解反応を抑えて化学的質量変化とそれに伴う物理化学的性質の劣化を起こさないような溶射皮膜が成膜できる。
(3)さらに、不活性ガス中を飛行するフッ化物溶射粒子の速度を毎秒500m以上に設定しているため、粒子の温度被曝時間が短く(1/1000秒)、前記(1)、(2)の効果を一段と高めると共に、フッ化物粒子に大きな運動エネルギーを付与することで得られる基材表面への衝突エネルギーの増大によって、炭化物サーメットのアンダーコート層の存在と相俟って、溶射皮膜の密着力の向上を果すことができる。
(4)低温度、不活性ガス熱源、高速度飛行粒子など前述した条件を揃えることにより、現在のプラズマ溶射法などでは成膜できなかった高温下で高蒸気圧性のフッ化物粒子(例えば、AlF3)などの成膜が容易となる。
(5)前記溶射法の条件に加え、溶射皮膜を被成するための基材表面をブラストによる粗面化処理と炭化物サーメットのアンダーコートの施工、ならびに基材を80℃〜700℃に予熱するので、基材表面に衝突するフッ化物粒子の付着力(密着力)を向上させることができる。
(6)とくに、粗面化(Ra:0.05〜0.74μm、Rx:0.09〜2.0μm)した前記基材表面に対し、高速フレーム溶射法によって形成した、WC−Ni−Cr、Cr3C2−Ni−Crなどの硬質の炭化物サーメットのアンダーコート層の表面もまた、Ra:0.1〜0.85μm、Rz:0.10〜2.0μm程度の粗面となるので、その上に吹き付けられたフッ化物粒子の一部が凹凸部に食い込んで投錨効果(粒子が基材の粗面(凹部)に機械的に噛み合うことによって、皮膜とアンダーコート層の密着度を向上させる働き)が一段と向上してフッ化物溶射材料粒子の付着堆積率の向上と密着力の向上とが図れる。
(7)フッ化物は、表面エネルギーが小さいため、皮膜を構成するフッ化物粒子の相互結合力や基材との密着性が低く、しばしば剥離する欠点がある。この点、本発明によれば、トップコートであるフッ化物とアンダーコート層である炭化物サーメット(主成分は炭素)とは、互いの化学的親和力が強くかつよく濡れ合うため、前記粗面化によるフッ化物粒子の物理的付着作用に加え、化学的親和力とが相乗的に作用して、皮膜の密着力が向上する。
(1)基材
本発明で使用することができる基材は、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、ステンレス鋼を含む各種の合金鋼、炭素鋼、Niおよびその合金などである。その他、酸化物や窒化物、炭化物、珪化物などのセラミック焼結体、焼結炭素材料であってもよい。
この処理は、基材表面は、JIS H9302に規定されているセラミック溶射作業標準に準拠して実施することが好ましい。例えば、基材表面の錆や油脂類などを除去する脱脂、脱スケールの処理あるいはその後に、Al2O3、SiCなどの研削粒子を吹き付けて粗面化して、フッ化物粒子が付着しやすい状態にする。粗面化後の基材表面粗さは、Ra:0.05〜0.74μm、Rz:0.09〜2.0μm程度にすることが好ましい。
ブラスト処理後の粗面化基材表面に、高速フレーム溶射法または後述する本発明に特有の不活性ガス溶射法と同一の方法によって、粒径5〜80μmの炭化物サーメット粒子を吹き付け、少なくともその一部の溶射粒子先端部が基材表面に突き刺さって埋没したような状態にすると共に、他の一部は基材表面に付着・堆積した状態にすることで、該炭化物サーメットの植毛構造部分をもつアンダーコート層を形成する。このようなアンダーコート層は、炭化物サーメット粒子(粒径:5μm〜80μm)を、150〜600m/sec.好ましくは、300〜600m/sec.の飛行速度にすることが可能な溶射ガンを用いて、溶射回数6回以上10回程度移動させつつ吹き付けて膜状にする。なお、吹き付け粒子の飛行速度が150μm未満では粒子の基材表面への突き刺さりの程度が弱くなって付着強度が不十分になる。一方、600m/sec.超では効果が飽和する。なお、溶射回数が5回以下では、溶射皮膜が均一に膜状化しない。
図2(a)は、吹き付けられたWC−Coサーメット粒子の一部が基材表面に、それぞれ減り込むように付着している一方、他のWC−Coサーメット粒子は基材への衝突エネルギーによって、一部が破砕された状態で分散して付着被覆されている。また、図2(b)は、基材表層部に吹き付けられたWC−Coサーメット粒子の分布状況を断面状態で観察したものである。この写真から明らかなように、WC−Coサーメット粒子は、基材表面に突き刺さって小さな杭が疎らに林立したような状態であると共に、他の一部は、単に付着するか埋没した状態となって、溶射回数を重ねる程均一になる。
前記粗面化処理後の基材及び炭化物サーメットのアンダーコート層を形成した後の基材は、フッ化物溶射に先駆けて予熱を行う。この予熱の温度は、基材質によって管理することが好ましく、下記の温度が推奨される。
(i)Al、Ti及びそれらの合金:80℃〜250℃
(ii)鋼鉄(低合金鋼):80℃〜250℃
(iii)ステンレス鋼:80℃〜250℃
(iv)酸化物・炭化物などのセラミック焼結体:120℃〜500℃
(v)焼結炭素:200℃〜700℃
a.フッ化物溶射材料
本発明において用いられるフッ化物溶射材料としては、元素の周期律表IIa族のMg、周期律表IIIb族のAl、周期律表IIIa族のY、原子番号57〜71に属するランタノイド系金属のフッ化物である。原子番号57〜71の金属元素名は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジズプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)の17種である。
本発明の実施に当たって用いる装置としては、発明者らが先に提案した特許番号第4628578号に記載の低温溶射皮膜被覆部材及びその製造方法において使用した装置などを用いることができる。図2および図3は、そうした装置の中の本発明に係るフッ化物溶射皮膜を基材表面に形成するのに有効な装置の好適例を示すものである。図示のlは圧縮ガスボンベから供給される作動ガス源、2は溶射材料の供給器、3はガス加圧用熱交換器、4は溶射容器、5は噴射ガン、6はノズル、7は被処理体、8は消音器、9は作動ガス用主ガス管、10は溶射材料粉末搬送用の副ガス管、11は
作動ガスの整流板、12、13はそれぞれのガス管に設けられた流量調整バルブである。
フッ化物自体の物理化学的性質としては、次の点を指摘することができる。即ち、フッ化物の膜は、金属皮膜やセラミック皮膜と比較して、ハロゲン系ガスに対する化学的安定性を有するものの、表面エネルギーが小さいため、皮膜を構成するフッ化物粒子の相互結合力及び基材の密着強さが弱い点が挙げられる。また、成膜時に大きな残留応力を発生しやすいため、基材が成膜後の僅かな変形によって、容易に皮膜の剥離が起こることが多い。加えて、フッ化物は延性に乏しい性質を示すために皮膜が容易に“ひび割れ”し、前記成膜時に発生する気孔部とともに、酸やアルカリ洗浄液などの内部浸入によって、基材の腐食原因となるなど、フッ化物そのものの耐食性は良好であっても、その性質を防食膜としては利用できないという問題点もある。
この実施例では、フッ化物としてYF3とAlF3を用い、成膜用作動ガスの温度とフッ化物溶射皮膜の形成の可否について調査した。
(1)基材:基材として、SUS304鋼(寸法:30mm×30mm×厚さ5mm)を用い、その表面をブラスト粗面化処理後、高速フレーム溶射によりWC−12Co(数字はmass%を示す。以下の実施例も同じ)を溶射飛行速度630m/sec.溶射回数8回の条件にて溶射することにより、アンダーコート層を100μmの厚さに施工し、その後、180℃に予熱したものを供試した。
(2)溶射雰囲気:成膜用作動ガスとして、Ar、N2およびHeからなる不活性カスを用い、それぞれのガス温度を500℃未満から最高1300℃に加熱し、そうした溶鋼雰囲気中を飛行するフッ化物粒子の飛行速度を600〜660m/Sに維持しながら基材表面に形成されるフッ化物皮膜の有無と良否について調べた。
(3)成膜用フッ化物材料:フッ化物として粒径10〜35μmのYF3とAlF3を用いた。また比較例の溶射法として、Arと水素ガスをプラズマ作動ガスとする現行の大気プラズマ溶射法と減圧プラズマ溶射法(粒子飛行速度:350から500m/S)を用い、それぞれのプラズマジェットを熱源として、YF3とAlF3を成膜した。
試験結果を表1に示した。この表に示す結果から明らかなように、本発明に係る溶射法では、成膜用作動ガス(Ar、N2、He)が500℃未満ではフッ化物皮膜の形成が見られず(フッ化物粒子の付着が認められる場合でも、多孔質で実用できない状態)、また、600℃以上のガス温度によって、外観上、良好な皮膜の形成が確認できた。
これに対して、現行の大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法による方法では、YF3の成膜は見られるが、AlF3の皮膜は欠陥(多孔質、均一性に劣る)が多く、実用的な皮膜性状は得られなかった。この原因は、AlF3は蒸気圧が非常に高いため、高温のプラズマジェット中を飛行する際、AlF3粒子の表面から蒸気化したり、分解したためと思われる。
この実施例では、SS400鋼の表面に形成したフッ化物溶射皮膜の気孔率に及ぼす成膜方法と基材への前処理の影響について調査した。
(1)基材:基材として、SS400鋼(寸法:幅50mm×縦50mm×厚さ3.2mm)を用い、現行のアルミナ粒子によるブラスト粗面化処理のみを施したものと実施例1と同じ方法によりWC−12Coのアンダーコート層を80μmに施工したものとの2種類を用意した。
(2)溶射雰囲気:成膜用作動ガスとして750℃に加熱したArガスを用い、この溶射雰囲気中を飛行するYF3粒子の飛行速度を650〜700m/sec.範囲に制御した。
(3)成膜用フッ化物:YF3(粒径10〜40μm)を用い、本発明の方法及び比較例の成膜として実施例1と同じ現行の大気プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法により、120μmの厚さに形成させた。
(4)フェロキシル試験(気孔率)
フェロキシル試験方法として、具体的には、次に示すような方法を用いた。すなわち、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム10g及び塩化ナトリウム15gを1リットルの蒸留水に溶解し、これを分析用の濾紙に十分含浸させる。その後、この濾紙を試験片表面に貼り付けし、30分間静置した後、濾紙を剥がして、濾紙面での青色斑点の有無を目視判定した。これはアモルファス状膜に貫通気孔が存在するとフェロキシル試験液が浸透し、鉄基材界面に達して鉄イオンを生成させ、これにヘキサシアノ(III)酸カリウム塩が反応して、濾紙の表面に青色斑点を生成させることによって判定することができる。
試験結果を表2に示した。この表に示す結果から明らかなように、供試したすべてのフッ化物溶射皮膜から青色斑点が発生し、皮膜に貫通気孔が存在していることが判明した。ただ青色斑点数を見ると、比較例の大気プラズマ溶射法や高速フレーム溶射法で形成された皮膜(No.3、4)には、3〜7個の大きな青色斑点が見られるのに対し、本発明に適合する方法で溶射して形成した皮膜では斑点数が少なく、前者に比較して緻密化の傾向を示している。またWC−Co粒子を吹き付けた基材表面に形成した皮膜にも貫通気孔が少なく、フッ化物皮膜形成用の前処理として実用化できることが判明した。
この実施例では、フッ化物粒子の飛行速度と基材の予熱温度をそれぞれ変化させ、フッ化物皮膜の形成に必要な飛行速度と予熱温度を求めた。
(1)基材:実施例1と同じステンレス鋼を用い、ブラスト粗面化処理の後、実施例1と同じようにWC−8Co−5Crのアンダーコート層を120μm厚に施工し、その後、20℃〜520℃の範囲で予熱した試験片を準備した。
(2)溶射雰囲気:成膜用作動ガスとして750℃に加熱したArガスを用い、この溶射雰囲気中を飛行するフッ化物粒子の速度を500m/S未満、600〜700m/S、750m/Sの3条件で成膜した。
(3)成膜用フッ化物:YF3(粒径:10〜35μm)
試験結果を表3に示した。この表に示す結果から明らかなように、YF3粒子の飛行速度が500m/S未満では基材の予熱温度を20℃〜520℃に変化しても十分な成膜が得られなかった(No.1)。しかし、フッ物溶射粒子の飛行速度を600℃以上にすると、基材の予熱温度を80℃以上に維持すると成膜し、この傾向は飛行速度を750m/sec.以上にしてもほぼ変化はなく、良好な状態の溶射皮膜の形成が認められた。このことから、フッ化物皮膜の形成に必要なフッ化溶射粒子の飛行速度は600m/sec.以上、基材(SUS304鋼)の予熱温度を80℃〜500℃であれば所定の効果が得られることが判明した。
この実施例では、フッ化物粒子の飛行速度と基材表面の粗面化状態と炭化物サーメットのアンダーコート層の施工面に対する皮膜の形成状態を調査した。
(1)基材:実施例1と同じSUS304鋼試験片を用い、その表面をブラスト粗面化処理の有無、および実施例1と同じ方法にてWC−18Coのアンダーコート層の施工を行ったものを準備した。また基材は、いずれも200℃に予熱した。
(2)溶射雰囲気:成膜用作動ガスとして700℃に加熱したArガスを用い、この中を飛行するフッ化物粒子の飛行速度を500未満〜750m/sec.になるように調整した。
(3)成膜用フッ化物:YF3(粒径:5〜30μm)
試験結果を表4に示した。この表に示す結果から明らかなように、フッ化物粒子の飛行速度が500m/sec.未満では、基材の表面に炭化物サーメットのアンダーコート層を形成していてもフッ化物皮膜の形成は十分でなく、たとえ形成されたとしても多孔質、不均一なものであった。粒子速度を600m/sec.以上にすると、ブラスト粗面化したもの(No.2)WC−Co粒子吹き付けともに良好な皮膜を形成し、特にWC−Co粒子を吹き付けた試験片上の皮膜は、良好な外観を示した(No.3)。
この実施例では、Al合金基材(寸法:幅30mm×縦50mm×厚さ3mm)の表面に、本発明に適合するの方法によって、フッ化物溶射皮膜を形成し、その皮膜の耐プラズマエッチング特性を評価した。
(1)基材:Al合金(JIS H4000規定のA3003)の表面をブラスト粗面化処理した後、実施例1と同じ方法にてCr3C2−18Ni−8Crを150μmの厚さに施工し、その後200℃に予熱した。
(2)溶射雰囲気:成膜用作動ガスとして800℃に加熱したHeガスを用い、この溶射雰囲気中を飛行するフッ化物粒子の飛行速度を650〜700m/Sの範囲に制御した。
(3)成膜用フッ化物:YF3、DyF3、CeF3(粒径5〜45μm)を用い、膜厚180μmに成膜した。なお、比較例の皮膜として、大気プラズマ溶射法によってY2O3、Dy2O3、CeO2をそれぞれ180μmに成膜した皮膜を同一条件で評価した。
(4)プラズマエッチング雰囲気ガス組成とプラズマ出力
(i)雰囲気ガスと流量条件
(a)含Fガス:CHF3/O2/Ar=80/100/160(1分間当たりの流量cm3)
(b)含CHガス:C2H2/Ar=80/100(1分間当たりの流量cm3)
(ii)プラズマ照射出力
高周波電力:1300W
圧力:4Pa
温度:60℃
(iii)プラズマエッチング試験の雰囲気
(a)含Fガス雰囲気中で実施
(b)含CHガス雰囲気中で実施
(C)含Fガス雰囲気1h⇔含CHガス雰囲気1hを交互に繰り返す雰囲気中で実施
耐プラズマエロージョン試験の評価は、エッチング処理によって供試皮膜から飛散する皮膜成分のパーティクル数を計測することによって、耐プラズマエロージョン性と耐環境汚染性を調査した。パーティクル類は、試験容器内の配設した直径8インチのシリコンウェハーの表面に付着する粒径0.2μm以上の粒子数が30個に達するまでの時間を測定することにより実施した。
試験結果を表5に示した。この結果から明らかなように比較例の酸化物系皮膜(No.1、3、5)は、含CHガス中では最もパーティクルの発生が少なく、含Fガス中ではやや多くなり許容値に達する時間が短くなる状況が見られる。しかし、含Fガスと含CHガスを交互に繰り返す雰囲気下におけるパーティクルの発生数は一段と多くなっていることが判明した。この原因は、含Fガス中におけるフッ化ガスの酸化作用とCHガスの還元作用の繰り返しによって、酸化物セラミック皮膜の表面の酸化膜が常に不安定な状態となって飛散するためと考えられる。これに対して、フッ化物皮膜(No.2、4、6)は、含Fガス中、含CHガス中及びこれらのガス交互繰り返し雰囲気中でも化学的に安定な状態を維持し、パーティクルの発生を抑制したものと考えられる。なお、フッ化物皮膜からのものに比較して1/5〜1/10程度小さいものが多い点も耐環境汚染性をよくしているものと思われる。
この実施例では、フッ化物溶射皮膜の密着性に及ぼす基材表面の前処理の影響を調査した。
(1)前処理の種類
基材としてAl3003合金(寸法:直径25mm×厚さ5mm)の片面に、次に示すような前処理を行なった。
(i)脱脂した後、ワイヤブラシで軽く研磨する。
(ii)脱脂後、Ni−20Crを大気プラズマ溶射法によって、50μm厚さの皮膜を形成する(金属アンダーコート)
(iii)脱脂後、WC−12Coを高速フレーム溶射法(速度680m/sec.溶射回数7回によって、厚さ80μmのアンダーコート層を施工
(iv)脱脂後、Al2O3研削材を用いて、ブラスト粗面化処理を行なう。
(v)同上のブラスト処理面に、Ni−20Crを大気プラズマ溶射法によって、80μm厚さの炭化物サーメットのアンダーコート層を形成
(vi)同上のブラスト処理面に、WC−12Coを高速フレーム溶射法によって、厚さ80μmの炭化物サーメットのアンダーコート層を形成
以上の(i)、(ii)、(iv)、(v)は本発明の比較例、他の(iii)、(vi)は適合例である。
前記基材表面に、800℃に加熱したHeガスを用い、この中を飛行するフッ化物粒子の飛行速度を680〜750m/sec.の範囲に制御したYF3粒子によって、膜厚160μmのフッ化物溶射皮膜を形成した。
溶射皮膜の密着性は、JIS H8666セラミック溶射皮膜試験方法に規定されている密着強さ試験方法によって測定した。
試験結果を表6に示した。この表に示す結果から明らかなように、基材表面を脱脂した後、軽くワイヤブラシングした面に形成したフッ化物溶射皮膜(No.1)は、密着力に乏しく0.5〜1.2MPaで皮膜が剥離し、また、金属アンダーコートを施したフッ化物溶射皮膜(No.2)は、若干の密着力の向上が見られるが、その効果は小さい。これに対して、WC−12Coのアンダーコート層を形成したフッ化物溶射皮膜(No.3)は、12〜17MPaの高い密着力を発揮した。一方、ブラスト粗面化面に形成されたフッ化物溶射皮膜(No.4)の密着力は、ワヤーブラッシング面より高い密着力を示し、この傾向は金属アンダーコート施工後のフッ化物溶射皮膜(No.5)にも認められる。これは、それぞれNo.1、No.2の場合に比較すると高くなる傾向があり、基材の粗面化や金属質アンダーコートの施工は、皮膜の密着性の向上に若干の効果が見られる。これに対して、本発明適合例であるWC−12Coのアンダーコート層を形成した皮膜の密着力は、供試皮膜中最大の密着力を示した(No.6)。また、炭化物サーメットのアンダーコート層は基材表面のブラスト粗面化処理の有無に拘わらず高い密着力を示しているので、粗面化処理の省略を可能とすることが期待できる。
2 溶射材料の供給器
3 ガス加熱用熱交換器
4 溶射容器
5 噴射ガン
6 ノズル
7 被処理体
8 消音器
9 主ガス管
10 副ガス管
11 作動ガス整流板
12、13 流量調整バルブ
Claims (19)
- 基材表面または前処理した基材表面に、フッ化物溶射材料を、ArやN2、Heまたはそれらの混合ガスからなる不活性ガスを成膜用作動ガスとする溶射ガンを用いて、600℃〜1300℃の溶射雰囲気中において、飛行速度:500m/sec.以上の速度で吹き付けることにより、該溶射粒子の少なくとも一部が基材表面の凹部に食い込んだ状態である植毛構造となるように付着させてフッ化物溶射皮膜を被覆形成することを特徴とするフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- フッ化物溶射に先立つ前記基材の表面に、炭化物サーメット粒子を飛行速度150〜600m/sec.の吹き付け速度の溶射を行なうことにより、膜状の炭化物サーメットのアンダーコート層を被覆形成することを特徴とする請求項1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 前記フッ化物溶射皮膜の植毛構造は、フッ化物の溶射粒子の少なくとも一部の溶射粒子の先端部が、基材中または炭化物サーメットのアンダーコートの凹部に食い込むように付着するか、先端部に串刺し状態で結合した構造であることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 前記前処理は、脱脂、脱スケール粗面化および予熱のうちの1以上を行なう処理であることを特徴とする請求項1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 前記基材は、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、炭素を含む鋼鉄、各種ステンレス鋼、Ni及びその合金、酸化物、窒化物、炭化物、珪化物、炭素焼結体のいずれかを用いることを特徴とする請求項1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 前記フッ化物溶射皮膜は、周期律表IIa族のMg、周期律表IIIb族のAl、周期律表IIIa族Y、原子番号57〜71のランタノイド系金属であるランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロビウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジズプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のフッ化物から選ばれる1種以上の、粒径が5μm〜80μmのフッ化物粒子を吹き付けて、20μm〜500μmの膜厚に形成された皮膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 前記基材は、Al2O3、SiCなどの研削材を吹き付ける前処理によって、表面粗さをRa:0.05〜0.74μm、Rz:0.09〜2.0μmに粗面化することを特徴とする請求項1または2に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 基材表面に、炭化物サーメットの膜状のアンダーコート層を形成するには、予め基材表面に対して、Al2O3、SiCなどの研削材粒子を吹き付けて粗面化処理した後、市販のCr3C2−Ni−Crなどの炭化物サーメット材料を、溶射ガンへの供給量100〜200g/min、溶射ガンの移動の速度300〜1000mm/sec.、溶射回数(溶射ガンの移動の数)を6回以上の条件で吹き付けて、30〜200μmの略均一な粗い表面を有する膜厚になるように施工することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 前記不活性ガスを成膜用作動ガスとする溶射法により、フッ化物粒子を噴射するときの溶射ノズル先端と基材表面との距離は、5〜50mmの間隔にすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 基材もしくは前処理された基材と、その基材表面に被覆形成されたフッ化物溶射皮膜とからなるものにおいて、そのフッ化物溶射皮膜が基材表面に接する部分は、溶射粒子の少なくとも一部の先端部が基材表面の凹部内に食い込んだ状態の植毛構造を有することを特徴とするフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記フッ化物溶射皮膜は、20〜500μmの膜厚であることを特徴とする請求項10に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記フッ化物溶射皮膜の植毛構造は、フッ化物の溶射粒子の少なくとも一部の溶射粒子が、基材表面または炭化物サーメットのアンダーコート層表面の凹部内に食い込むか凹部を覆うように付着した態様であることを特徴とする請求項10または11に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- フッ化物溶射に先立つ前記基材の表面に、炭化物サーメット材料を飛行速度150〜600m/sec.の吹き付け速度での溶射によって形成された膜状の炭化物サーメットのアンダーコート層を有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記前処理は、脱脂、脱スケール粗面化および予熱のうちの1以上の処理であることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 基材表面に、炭化物サーメットの膜状のアンダーコート層を形成するには、予め基材表面に対して、Al2O3、SiCなどの研削材粒子を吹き付けて粗面化処理した後、市販のCr3C2−Ni−Crなどの炭化物サーメット材料を、溶射ガンへの供給量100〜200g/min、溶射ガンの移動の速度300〜1000mm/sec.、溶射回数(溶射ガンの移動の数)を6回以上の条件で吹き付けて、30〜200μmの略均一な粗い表面を有する膜厚になるように施工することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記基材は、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、炭素を含む鋼鉄、各種ステンレス鋼、Ni及びその合金、酸化物、窒化物、炭化物、珪化物、炭素焼結体のいずれかであることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記フッ化物溶射皮膜は、周期律表IIa族のMg、周期律表IIIb族のAl、周期律表IIIa族Y、原子番号57〜71のランタノイド系金属であるランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロビウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジズプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のフッ化物から選ばれる1種以上の、粒径が5μm〜80μmのフッ化物粒子を吹き付けて、20μm〜500μmの膜厚に形成された皮膜であることを特徴とする請求項10に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記前処理した基材の表面は、粗さがRa:0.05〜0.74μm、Rz:0.09〜2.0μmの粗面であることを特徴とする請求項10〜17のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記炭化物サーメットのアンダーコート層は、WC−Co、WC−Ni−Cr、WC−Co−Cr、Cr3C2−Ni−Crなどから選ばれる1種以上の炭化物サーメット粒子を吹き付けて形成された30〜200μmの厚さの層であることを特徴とする請求項10〜18のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012246479A JP5727447B2 (ja) | 2012-02-09 | 2012-11-08 | フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012025700 | 2012-02-09 | ||
JP2012025700 | 2012-02-09 | ||
JP2012246479A JP5727447B2 (ja) | 2012-02-09 | 2012-11-08 | フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014193543A Division JP5939592B2 (ja) | 2012-02-09 | 2014-09-24 | フッ化物溶射皮膜の形成方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013177670A true JP2013177670A (ja) | 2013-09-09 |
JP2013177670A5 JP2013177670A5 (ja) | 2013-11-21 |
JP5727447B2 JP5727447B2 (ja) | 2015-06-03 |
Family
ID=49269569
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012246479A Expired - Fee Related JP5727447B2 (ja) | 2012-02-09 | 2012-11-08 | フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
JP2014193543A Active JP5939592B2 (ja) | 2012-02-09 | 2014-09-24 | フッ化物溶射皮膜の形成方法 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014193543A Active JP5939592B2 (ja) | 2012-02-09 | 2014-09-24 | フッ化物溶射皮膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP5727447B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019123924A (ja) * | 2018-01-19 | 2019-07-25 | 学校法人 芝浦工業大学 | Yf3成膜体の製造方法 |
JP2020504786A (ja) * | 2015-12-28 | 2020-02-13 | アイワンス カンパニー リミテッドIones Co., Ltd. | 透明フッ素系薄膜の形成方法およびこれによる透明フッ素系薄膜 |
WO2021182107A1 (ja) * | 2020-03-11 | 2021-09-16 | 昭和電工株式会社 | 耐食性部材 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10110253A (ja) * | 1996-10-04 | 1998-04-28 | Tocalo Co Ltd | 電気めっき用コンダクターロールおよびその製造方法 |
JPH11219937A (ja) * | 1998-01-30 | 1999-08-10 | Toshiba Corp | プロセス装置 |
JP2000273614A (ja) * | 1999-03-26 | 2000-10-03 | Tocalo Co Ltd | 溶融ガラス製造設備用ロールおよびその製造方法 |
JP2005260046A (ja) * | 2004-03-12 | 2005-09-22 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | プラズマ処理装置用部材 |
JP2008302317A (ja) * | 2007-06-08 | 2008-12-18 | Ihi Corp | コールドスプレー方法、コールドスプレー装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3894313B2 (ja) * | 2002-12-19 | 2007-03-22 | 信越化学工業株式会社 | フッ化物含有膜、被覆部材及びフッ化物含有膜の形成方法 |
JP2009215574A (ja) * | 2008-03-07 | 2009-09-24 | Honda Motor Co Ltd | 積層体の製造方法 |
-
2012
- 2012-11-08 JP JP2012246479A patent/JP5727447B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2014
- 2014-09-24 JP JP2014193543A patent/JP5939592B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10110253A (ja) * | 1996-10-04 | 1998-04-28 | Tocalo Co Ltd | 電気めっき用コンダクターロールおよびその製造方法 |
JPH11219937A (ja) * | 1998-01-30 | 1999-08-10 | Toshiba Corp | プロセス装置 |
JP2000273614A (ja) * | 1999-03-26 | 2000-10-03 | Tocalo Co Ltd | 溶融ガラス製造設備用ロールおよびその製造方法 |
JP2005260046A (ja) * | 2004-03-12 | 2005-09-22 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | プラズマ処理装置用部材 |
JP2008302317A (ja) * | 2007-06-08 | 2008-12-18 | Ihi Corp | コールドスプレー方法、コールドスプレー装置 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020504786A (ja) * | 2015-12-28 | 2020-02-13 | アイワンス カンパニー リミテッドIones Co., Ltd. | 透明フッ素系薄膜の形成方法およびこれによる透明フッ素系薄膜 |
JP2019123924A (ja) * | 2018-01-19 | 2019-07-25 | 学校法人 芝浦工業大学 | Yf3成膜体の製造方法 |
WO2021182107A1 (ja) * | 2020-03-11 | 2021-09-16 | 昭和電工株式会社 | 耐食性部材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5727447B2 (ja) | 2015-06-03 |
JP5939592B2 (ja) | 2016-06-22 |
JP2015042786A (ja) | 2015-03-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2013118354A1 (ja) | フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 | |
WO2013140668A1 (ja) | フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 | |
US6783863B2 (en) | Plasma processing container internal member and production method thereof | |
KR20070095211A (ko) | 반도체 가공 장치용 세라믹 피복 부재 | |
JP5568756B2 (ja) | 耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 | |
JP5521184B2 (ja) | フッ化物溶射皮膜被覆部材の製造方法 | |
JP5939592B2 (ja) | フッ化物溶射皮膜の形成方法 | |
WO2013114942A1 (ja) | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 | |
JP5858431B2 (ja) | フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 | |
JP5463555B2 (ja) | 黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材およびその製造方法 | |
JP2013177670A5 (ja) | ||
JP5524992B2 (ja) | フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 | |
JP5524993B2 (ja) | フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 | |
CN104204267B (zh) | 氟化物喷涂覆膜的形成方法及氟化物喷涂覆膜覆盖部件 | |
JP5406323B2 (ja) | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 | |
JP5720043B2 (ja) | 耐食性や耐プラズマエロージョン性に優れるサーメット溶射用粉末材料およびその製造方法 | |
JP3946660B2 (ja) | 耐ハロゲンガス性の半導体加工装置用部材の製造方法 | |
JP5406317B2 (ja) | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 | |
JP2013181239A (ja) | 白色フッ化物溶射皮膜の黒色化方法および表面に黒色層を有するフッ化物溶射皮膜被覆部材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131007 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131007 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140728 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140805 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140924 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150331 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150402 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5727447 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |