JP2013177625A - Uv吸収性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】効果的なUV吸収性と透明性の両方を示し、維持し、そして使用時に毒性が低いかもしくはなくかつ/または十分に生分解性であるポリマー材料が必要である。
【解決手段】UV吸収性ポリマー組成物はE308/E524比が10より大きく、有機樹脂と二酸化チタン粒子とを含む。この組成物は、UV吸収特性と改善された透明性を示す、好ましくはポリマーフィルムの形態での最終使用製品の生産における使用に特に好適である。一実施形態では、前記組成物は、有機樹脂と、有機分散媒質と、二酸化チタン粒子とを含むマスターバッチ組成物から製造され得る。このマスターバッチは、好ましくは、有機分散媒質中の二酸化チタン粒子の前分散体を有機樹脂と混合することにより調製される。
【選択図】なし

Description

発明の属する技術分野
本発明は、UV吸収性ポリマー組成物、および特に、有機樹脂と、有機分散媒質と、二酸化チタン粒子とを含むマスターバッチ組成物を用いて作製されるものに関する。
プラスチックマスターバッチ組成物は周知のものである。プラスチックマスターバッチ組成物は、通常、有機樹脂と、様々な非着色プラスチックまたはポリマー材料内に希釈または「レットダウン(let down)」する顔料濃縮物として使用するのに好適な顔料とを含む。マスターバッチまたは顔料濃縮物は、最終組成物に不透明性を、必要に応じて、色または他の機能性を提供するためにバルクプラスチック内に希釈されるように設計される。
マスターバッチ技術は、粘着防止剤、殺生物剤、熱安定剤、光安定剤、顔料およびUV吸収剤などの添加剤をプラスチックに導入する方法としてよく用いられる。かかる添加剤は、プラスチック物質の、光誘起破壊などの物理的制限を克服するのに必要である。
マスターバッチの使用に代わる手段として、液体担体系を使用して、前述の添加剤を、例えば射出成形および吹込成形中に、ポリマーに導入し得る。これらの添加剤は、ポリマー樹脂に導入する前に、通常、相溶化剤の存在下で、液体担体中に前分散される。
多くの用途では、プラスチックが野外などの曝された条件において使用されることが求められる。これらの環境では、添加安定剤を含まないプラスチックは、熱に不安定な性質、光に不安定な性質、風化作用(例えば水の侵入)および他の化学攻撃(例えば酸性雨)という要因が混ざり合って、分解し、変色する。かかる分解は、使用されるポリマーの美的価値と機能の両方に悪影響を及ぼす。光安定剤は、可視速度およびとりわけ、他の保護材料(例えば顔料の二酸化チタン)を使用することができない不透明(半/透明または澄明)プラスチックにおけるUV光誘起分解を遅らせるためによく使用される添加剤の種類である。フィルムなどの、プラスチックの薄い断面が使用される用途において、求められる光安定剤のレベルでは、製造中または使用中のいずれかにおいてフィルムの物理的特性にマイナスの影響を及ぼすことが多いため、多くの場合、耐光性を得ることが難しい。さらに、有機光安定剤化合物の性質は化学的に安定であるべきであるが、特に、生分解性ポリマーについて毒性または生分解性を考慮するときには、それが良くない特性であることがある。
プラスチックフィルムおよび樹脂などの用途において、紫外光のアテニュエーターとして二酸化チタンなどの金属酸化物が使用されてきたが、既存の材料はいずれもUV吸収性が不十分でありかつ/または透明性が欠如しており、さらに/あるいはこれらの特性を経時的に維持しない。
よって、効果的なUV吸収性と透明性の両方を示し、維持し、そして使用時に毒性が低いかもしくはなくかつ/または十分に生分解性であるポリマー材料が必要である。
発明の概要
本発明者らは、驚くべきことに、前述の問題の少なくとも1つを克服するかまたは有意に軽減する改善されたポリマーマスターバッチ組成物を見出した。
従って、本発明は、E308/E524比が10より大きい、有機樹脂と二酸化チタン粒子とを含むUV吸収性ポリマー組成物を提供する。
本発明はまた、有機樹脂と、有機分散媒質と、二酸化チタン粒子とを含むマスターバッチ組成物も提供する。
本発明はさらに、マスターバッチ組成物を製造するための方法であって、有機分散媒質中の二酸化チタン粒子の分散体を有機樹脂と混合することを含む方法を提供する。
本発明はさらに、E308/E524比が10より大きい、有機樹脂と二酸化チタン粒子とを含むUV吸収性ポリマー組成物を製造するための方法であって、
(i)有機樹脂と、有機分散媒質と、二酸化チタン粒子とを含むマスターバッチ組成物を準備し、そして該マスターバッチ組成物を基材有機樹脂と混合する工程、または(ii)有機分散媒質中の二酸化チタン粒子の分散体と準備し、そして該分散体をそのまま基材有機樹脂に導入する工程、を含む方法を提供する。
本発明の一実施形態では、前記UV吸収性ポリマー組成物は、本明細書において定義されるマスターバッチ組成物を用いて製造され得る。
前記マスターバッチ組成物中に存在する有機樹脂は、プラスチックまたはポリマー材料内にレットダウンするのに好適な任意の有機樹脂であってよい。当業者によく知られているような、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であってよい。
好適な熱可塑性樹脂の例としては、ポリ(塩化ビニル)およびそのコポリマー、ポリアミドおよびそのコポリマー、ポリオレフィンおよびそのコポリマー、ポリスチレンおよびそのコポリマー、ポリ(フッ化ビニリデン)およびそのコポリマー、アクリロニトリルブタジエン−スチレン、ポリオキシメチレンおよびアセタール誘導体、ポリブチレンテレフタレートおよびグリコライズド誘導体(glycolised derivatives)、ポリエチレンテレフタレートおよびグリコライズド誘導体、ポリアクリルアミドナイロン(好ましくはナイロン11または12)、ポリアクリロニトリルおよびそのコポリマー、ポリカーボネートおよびそのコポリマーが挙げられる。好適なポリオレフィンは、カルボン酸または無水物基をポリマー主鎖にグラフトすることにより修飾されていてよい、ポリエチレンおよびポリプロピレンである。低密度ポリエチレンを使用してよい。ポリ(塩化ビニル)は可塑化されていてよく、塩化ビニルのホモポリマーであることが好ましい。
使用してよい熱硬化性樹脂の例は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ハイブリッドエポキシ−ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル樹脂である。
前記有機樹脂は、生分解性特性を有するまたは有さないポリマーフィルムによく使用される以下のポリマーまたはモノマーから選択または重合された樹脂が好ましい;アルキルビニルアルコール、アルキルビニルアセテート、炭水化物、カゼイン、コラーゲン、セルロース、セルロースアセテート、グリセロール、リグニン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ナイロン、ポリアルキレンエステル、ポリアミド、ポリ酸無水物、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート/アジペート、ポリカプロラクトン、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエチレンスクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリグリセロール、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリプロピレン、ポリラクテート、多糖類、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート、ポリビニルアルコールポリビニルジエンクロリド(polyvinyl alcohol polyvinyldiene chloride)、タンパク質、ダイズタンパク質、トリグリセリドおよびその変形物またはコポリマー。
前記有機樹脂は、好ましくは、融点が40℃より高く、より好ましくは50〜500℃の範囲内、特に75〜400℃、とりわけ90〜300℃である。前記有機樹脂は、好ましくは、ガラス転移点(Tg)が−200〜500℃の範囲内、より好ましくは−150〜400℃、特に−125〜300℃である。
有機樹脂の濃度は、前記マスターバッチ組成物の総重量に対して、好ましくは20〜95重量%の範囲内、より好ましくは30〜90重量%、特に40〜80重量%、とりわけ50〜70重量%である。
本発明に使用される二酸化チタン粒子は、実質的に純粋な二酸化チタンを含んでよいが、コーティングされていることが好ましい。
本発明の一実施形態では、前記粒子は無機コーティング、好ましくはアルミニウム、ジルコニウムもしくはケイ素の酸化物、またはその混合物(アルミナおよびシリカなど)を有する。無機コーティング、好適にはアルミナの量は、二酸化チタンコア粒子の重量に対して算出して、好ましくは2〜25重量%の範囲内、より好ましくは4〜20重量%、特に6〜15重量%、とりわけ8〜12重量%である。
本発明に使用される二酸化チタンは、疎水性であることが好ましい。二酸化チタンの疎水性は、当技術分野で公知の標準的な技術により、二酸化チタン粉末のディスクをプレスし、その上に置かれた水滴の接触角を測定することによって決定することができる。疎水性二酸化チタンの接触角は50°より大きいことが好ましい。
前記二酸化チタン粒子は、それらの粒子を疎水性にするためにコーティングすることが好ましい。好適なコーティング材料は、撥水性の、好ましくは有機物であり、脂肪酸、好ましくは10〜20個の炭素原子を含有する脂肪酸(ラウリン酸、ステアリン酸およびイソステアリン酸など)、上記脂肪酸の塩(ナトリウム塩およびアルミニウム塩など)、脂肪アルコール(ステアリルアルコールなど)、ならびにシリコーン(ポリジメチルシロキサンおよび置換ポリジメチルシロキサンなど)、および反応性シリコーン(メチルヒドロシロキサンおよびそのポリマーおよびコポリマーなど)を含む。ステアリン酸および/またはその塩が特に好ましい。一般に、前記粒子は、二酸化チタンコア粒子に対して算出して、25重量%まで、好適には5〜20重量%の範囲内、より好ましくは11〜16重量%、特に12〜15重量%、とりわけ13〜14重量%の有機材料、好ましくは脂肪酸で処理される。
好ましい実施形態では、前記二酸化チタン粒子は、無機アルミナと有機コーティングの両方により、連続的にまたは混合物としてコーティングされる。まずアルミナを、続いて有機コーティング、好ましくは脂肪酸および/またはその塩を適用することが好ましい。
個別または一次二酸化チタン粒子は、好ましくは針状形状であり、長軸(最大寸法すなわち長さ)および短軸(最小寸法すなわち幅)を有する。該粒子の第3の軸(すなわち奥行き)は幅とほぼ同じ寸法であることが好ましい。
一次二酸化チタン粒子の数での平均長さは、好適には125nm未満、好ましくは50〜90nmの範囲内、より好ましくは55〜77nm、特に60〜70nm、とりわけ60〜65nmである。該粒子の数での平均幅は、好適には25nm未満、好ましくは5〜20nmの範囲内、より好ましくは10〜18nm、特に12〜17nm、とりわけ14〜16nmである。一次二酸化チタン粒子は、好ましくは、平均アスペクト比d1:d2(この場合、d1およびd2は、それぞれ、該粒子の長さおよび幅である)が2.0〜8.0:1の範囲内、より好ましくは3.0〜6.5:1、特に4.0〜6.0:1、とりわけ4.5〜5.5:1である。一次粒子のサイズは、好適には、電子顕微鏡を使用して測定することができる。粒子のサイズは、透過型電子顕微鏡を使用して得られる写真画像から選択された充填剤粒子の長さおよび幅を測定することによって決定することができる。
一次金属酸化物粒子は、好適には、本明細書に記載のとおりに測定された、中央体積粒径(全ての粒子の体積の50%に対応する相当球径であって、容量%と粒子直径との関係を示す累積分布曲線において読み取られる−これは「D(v,0.5)」値と呼ばれることが多い)が45nm未満、好ましくは25〜35nmの範囲内、より好ましくは27〜33nm、特に28〜32nm、とりわけ29〜31nmである。
前記二酸化チタン粒子は、好適には、(本明細書に記載のとおりにX線回折によって測定された)平均結晶サイズが15nm未満、好ましくは4〜10nmの範囲内、より好ましくは5〜9nm、特に6〜8nm、とりわけ6.5〜7.5nmである。
二酸化チタン粒子の結晶サイズのサイズ分布は重要であり得、好適には少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、特に少なくとも60重量%、とりわけ少なくとも70重量%の二酸化チタン粒子は、結晶サイズが、平均結晶サイズについての上記の1つ以上の好ましい範囲内である。
分散体にする場合には、前記粒子二酸化チタンは、好適には、本明細書に記載のとおりに測定された、中央体積粒径(全ての粒子の体積の50%に対応する相当球径であって、容量%と粒子直径との関係を示す累積分布曲線において読み取られる−これは「D(v,0.5)」値と呼ばれることが多い))(以後、分散体粒子サイズと呼ぶ)が85nm未満、好ましくは24〜50nmの範囲内、より好ましくは30〜45nm、特に32〜40nm、とりわけ34〜36nmである。
分散体中の二酸化チタン粒子のサイズ分布も、必要な特性を有するUV吸収性ポリマーマスターバッチ組成物を得ることにおいて重要なパラメーターであり得る。好ましい実施形態では、好適には、10容量%未満の二酸化チタン粒子は、体積直径が13nmより大きく、好ましくは11nmより大きく、より好ましくは10nmより大きく、特に9nmより大きく、とりわけ8nmより大きく中央体積粒径より小さい。加えて、好適には、16容量%未満の二酸化チタン粒子は、体積直径が11nmより大きく、好ましくは9nmより大きく、より好ましくは8nmより大きく、特に7nmより大きく、とりわけ6nmより大きく中央体積粒径より小さい。さらに、好適には、30容量%未満の二酸化チタン粒子は、体積直径が7nmより大きく、好ましくは6nmより大きく、より好ましくは5nmより大きく、特に4nmより大きく、とりわけ3nmより大きく中央体積粒径より小さい。
また、好適には、90容量%を超える二酸化チタン粒子は、体積直径が30nmより小さく、好ましくは27nmより小さく、より好ましくは25nmより小さく、特に23nmより小さく、とりわけ21nmより小さく中央体積粒径より大きい。加えて、好適には、84容量%を超える二酸化チタン粒子は、体積直径が19nmより小さく、好ましくは18nmより小さく、より好ましくは17nmより小さく、特に16nmより小さく、とりわけ15nmより小さく中央体積粒径より大きい。さらに、好適には、70容量%を超える二酸化チタン粒子は、体積直径が8nmより小さく、好ましくは7nmより小さく、より好ましくは6nmより小さく、特に5nmより小さく、とりわけ4nmより小さく中央体積粒径より大きい。
本明細書において記載される二酸化チタン粒子の分散体粒子サイズは、電子顕微鏡、コールターカウンター、沈降分析および静的または動的光散乱によって測定してよい。沈降分析に基づく技術が好ましい。中央粒子サイズは、累積分布曲線を描いて、選択した粒子サイズより小さい粒子体積の割合を表し、50パーセンタイルを測定することにより決定してよい。分散体中の二酸化チタン粒子の中央粒子体積直径と粒子サイズの分布は、好適には、本明細書に記載のとおりにBrookhaven社製粒子寸法測定器を使用して測定される。
本発明の特に好ましい実施形態では、前記二酸化チタン粒子は、本明細書に記載のとおりに測定して、BET比表面積が40m2-1より大きく、より好ましくは50〜100m2-1の範囲内、特に60〜90m2-1、とりわけ65〜75m2-1である。
本発明に使用される好ましい二酸化チタン粒子は、透明であり、好適には、本明細書に記載のとおりに測定して、524nmにおける吸光係数(E524)が2.0l/g/cmより小さく、好ましくは0.3〜1.5l/g/cmの範囲内、より好ましくは0.4〜1.2l/g/cm、特に0.5〜1.0l/g/cm、とりわけ0.6〜0.9l/g/cmである。加えて、該二酸化チタン粒子は、好適には、本明細書に記載のとおりに測定して、450nmにおける吸光係数(E450)が0.8〜2.2l/g/cmの範囲内、好ましくは1.0〜2.0l/g/cm、より好ましくは1.2〜1.8l/g/cm、特に1.3〜1.7l/g/cm、とりわけ1.4〜1.6l/g/cmである。
前記二酸化チタン粒子は、効果的なUV吸収を示し、好適には、本明細書に記載のとおりに測定して、360nmにおける吸光係数(E360)が2〜14l/g/cmの範囲内、好ましくは4〜11l/g/cm、より好ましくは5〜9l/g/cm、特に6〜8l/g/cm、とりわけ6.5〜7.5l/g/cmである。前記二酸化チタン粒子はまた、好適には、本明細書に記載のとおりに測定して、308nmにおける吸光係数(E308)が、38〜55l/g/cmの範囲内、好ましくは40〜52l/g/cm、より好ましくは42〜50l/g/cm、特に44〜48l/g/cm、とりわけ45〜47l/g/cmである。
前記二酸化チタン粒子は、好適には、本明細書に記載のとおりに測定された、最大吸光係数E(max)が50〜70l/g/cmの範囲内、好ましくは53〜67l/g/cm、より好ましくは56〜64l/g/cm、特に58〜62l/g/cm、とりわけ59〜61l/g/cmである。前記二酸化チタン粒子は、好適には、本明細書に記載のとおりに測定して、λ(max)が270〜292l/g/cmの範囲内、好ましくは274〜288l/g/cm、より好ましくは277〜285l/g/cm、特に279〜283l/g/cm、とりわけ280〜282nmである。
前記二酸化チタン粒子は、好適には、E308/E524比が20より大きく、好ましくは40より大きく、より好ましくは45〜85の範囲内、特に50〜75、とりわけ55〜65である。
前記二酸化チタン粒子は、好適には、白色度の低下を示し、本明細書に記載のとおりに測定された、二酸化チタン粒子を含有する分散体の白色度の変化ΔLが7より小さく、好ましくは1〜6の範囲内、より好ましくは2〜5、特に3〜4である。加えて、前記二酸化チタン粒子は、好ましくは、本明細書に記載のとおりに測定された、白色度指数が100%より低く、より好ましくは20〜80%の範囲内、特に30〜70%、とりわけ40〜60%である。
前記二酸化チタン粒子は、光活性が有意に低いことが好ましく、好適には、本明細書に記載のとおりに測定して、フォトグレイイング指数(a photogreying index)が7より低く、好ましくは0.1〜5の範囲内、より好ましくは0.3〜3、特に0.5〜2、とりわけ0.7〜1である。
フォトグレイイングは、二酸化チタンコア粒子上のコーティング層の品質の間接的な指標であり、低い値ほど改善されたコーティング被覆率、例えばコーティング層のより完全な表面被覆率、増加した厚みおよび/またはより高い密度を示す。
本発明によるマスターバッチ組成物中の二酸化チタン粒子の濃度は、該マスターバッチ組成物の総重量に対して、好ましくは1〜50重量%の範囲内、より好ましくは5〜40重量%、特に10〜30重量%、とりわけ12〜20重量%である。
前記二酸化チタン粒子は、前記有機分散媒質中に分散されていることが好ましい。前記有機分散媒質は、好ましくは、融点が前記マスターバッチ組成物中の前記有機樹脂の融点より低く、より好ましくはガラス転移温度(Tg)より低い。
前記有機分散媒質は、好ましくは、融点が400℃より低く、より好ましくは300℃より低く、特に270℃より低く、とりわけ250℃より低い。前記分散媒質は、周囲温度(25℃)で液体であることが好ましい。
好適な分散媒質としては、非極性材料、例えばC13−14イソパラフィン、イソヘキサデカン、流動パラフィン(鉱油)、スクアラン、スクアレン、水添ポリイソブテン、ポリデセン;シリコーン油ならびに極性材料、例えばC12−15アルキルベンゾエート、セテアリルイソノナノエート、エチルヘキシルイソステアレート、エチルヘキシルパルミテート、イソノニルイソノナノエート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルミリステート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルネオペンタノエート、オクチルドデカノール、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、PPG−15ステアリルエーテル、トリエチルヘキシルトリグリセリド、ジカプリリルカーボネート、エチルヘキシルステアレート、helianthus annus(ヒマワリ)種子油、イソプロピルパルミテート、オクチルドデシルネオペンタノエート、グリセロールモノエステル(C4〜C24脂肪酸、例えばグリセロールモノステアレート、グリセロールモノイソステアレート)、グリセロールジエステル(C4〜C24脂肪酸)、グリセロールトリエステルまたはトリグリセリド(C4〜C24脂肪酸、例えばカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドまたはEstol 1527)、エチレンビス−アミド(C4〜C24脂肪酸、例えばエチレンビス−ステアラミド)、C4〜C24脂肪酸アミド(例えばエルカミド)、ポリグリエルコールエステル(polyglyercol ester)(C4〜C24脂肪酸)および有機シリコーンが挙げられる。好ましくは、分散媒質は、グリセロールエステル、グリセロールエーテル、グリコールエステル、グリセロールエーテル、アルキルアミド、アルカノールアミン、およびその混合物からなる群から選択される。より好ましくは、分散媒質は、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノイソステアレート、ジエタノールアミン、ステアラミド、オレアミド、エルカミド、ベヘナミド、エチレンビス−ステアラミド、エチレンビス−イソステアラミド、ポリグリセロールステアレート、ポリグリセロールイソステアレート、ポリグリコールエーテル、トリグリセリド、またはその混合物である。
本発明によるマスターバッチ組成物中の有機分散媒質の濃度は、該マスターバッチ組成物の総重量に対して、好ましくは1〜50重量%の範囲内、より好ましくは5〜40重量%、特に12〜30重量%、とりわけ15〜25重量%である。
本発明の好ましい実施形態では、前記粒子二酸化チタンは、前述の好適な有機分散媒質中のスラリー、より好ましくは液体分散体へと作り上げられる。この前分散体は、さらに前述の有機樹脂と混合することができる。
液体分散体とは、真の分散体、すなわち、固体粒子が凝集に対して安定しているものを意味する。該分散体中の粒子は、比較的均一に分散しており、沈降または固定しにくく、多少の沈降が起こっても、簡単な攪拌により該粒子を容易に再分散させることができる。
前記分散液にはまた、その特性を改善するために分散剤も含めてよい。前記分散剤は、好適には、二酸化チタン粒子の総重量に対して、1〜30重量%の範囲内、好ましくは2〜20重量%、より好ましくは9〜20重量%、特に11〜17重量%、とりわけ13〜15重量%含まれる。
好適な分散剤としては、置換カルボン酸、石鹸基剤およびポリヒドロキシ酸が挙げられる。一般には、分散剤は、式X.CO.AR(式中、Aは二価架橋基であり、Rは第1級第2級もしくは第3級アミノ基または酸とのその塩あるいは第四級アンモニウム塩基であり、Xは式HO−R’−COOHのヒドロキシカルボン酸から、−CO−基とともに誘導されるポリエステル鎖の残基である)を有するものであり得る。典型的な分散剤の例として、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸の他に少量のステアリン酸とパルミチン酸を含む水添ヒマシ油脂肪酸をベースとするものがある。ヒドロキシカルボン酸およびヒドロキシ基を含まないカルボン酸の1種以上のポリエステルまたは塩をベースとする分散剤も使用することができる。様々な分子量の化合物を使用することができる。
他の好適な分散剤は、脂肪酸アルカノールアミドおよびカルボン酸のモノエステルならびにそれらの塩である。アルカノールアミドは、例えばエタノールアミン、プロパノールアミンまたはアミノエチルエタノールアミンに基づくものである。代替分散剤は、アクリル酸またはメタクリル酸のポリマーまたはコポリマー、例えばかかるモノマーのブロックコポリマーをベースとするものである。類似一般形態の他の分散剤は、構成基中にエポキシ基を有するもの、例えばエトキシル化リン酸エステルをベースとするものである。分散剤は商業的にハイパー分散剤(hyper dispersant)と呼ばれるもののうちの1つであり得る。特に好ましい分散剤はポリヒドロキシステアリン酸である。
本発明に使用される分散体は、好適には、該分散液の総重量の少なくとも35重量%、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも45重量%、特に少なくとも50重量%、とりわけ少なくとも55重量%、一般には最大60重量%の二酸化チタン粒子を含む。
本発明によるマスターバッチ組成物中の二酸化チタン分散体の濃度は、該マスターバッチ組成物の総重量に対して、好ましくは、5〜80重量%の範囲内、より好ましくは10〜70重量%、特に20〜60重量%、とりわけ30〜50重量%である。
本発明によるマスターバッチ及びUV吸収性ポリマー組成物は、かかる組成物に使用されることが多い他の追加成分、例えば顔料、染料、触媒および硬化促進剤、流れ制御添加剤、消泡剤、つや消し剤、酸化防止剤、滑り止め剤、および特に他のUV吸収剤をさらに含んでよい。
マスターバッチ及びUV吸収ポリマー組成物は、唯一のUV吸収剤として本明細書において記載される二酸化チタン粒子を含んでよく、または二酸化チタン粒子を他のUV吸収剤(他の金属酸化物ならびに/または有機物および/もしくは有機金属錯体など)とともに使用してもよい。例えば、二酸化チタン粒子を他の既存の市販二酸化チタンおよび/または亜鉛酸化物粒子と組み合わせて使用してよい。
本明細書において記載される二酸化チタン粒子および分散体は、有機UV吸収剤(ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、トリアジン、ヒンダードベンゾエート、ヒンダードアミン(HALS)または配位有機ニッケル錯体など)と二元組合せ物、三元組合せ物またはさらに複数の組合せ物で使用してよい。かかる有機UV吸収材料の例としては、2−ヒドロキシ−4−n−ブチルオクチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ(1、1−ジメチルベンジル))−2H−ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)セバケートおよび[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)] N−ブチルアミン−ニッケルが挙げられる。
マスターバッチ組成物中の有機UV吸収剤の濃度は、該マスターバッチ組成物の総重量に対して、好ましくは、0.1〜50重量%の範囲内、より好ましくは1〜40重量%、特に5〜30重量%、とりわけ10〜20重量%である。
満足のいく均質な完成濃縮物を得るために、本発明のマスターバッチ組成物の成分を完全混合することが一般に必要である。完全混合物を作り出す慣用法には溶融混合および乾式混合が含まれる。
溶融混合法では、乾燥成分(例えば有機樹脂、および他の添加剤)を秤量してバッチ式ミキサー(高強度インペラーミキサー、中強度プローシェアーミキサーまたはタンブルミキサーなど)に入れる。混合時間は使用する装置によって決まる。高強度ミキサーの場合、混合時間は通常1〜5分であり、タンブルミキサーでの混合時間は多くの場合30〜60分である。このようにして得られた前混合物は、その後、高剪断押出成形機(シングルスクリュー押出成形機(例えばBuss Ko−kneader[RTM])またはツインスクリュー押出成形機など)において液体成分(例えば二酸化チタン分散液)とともに配合される。混合物の温度と熱硬化性組成物の滞留時間の組合せが、押出成形機内でほとんどまたは全く硬化が起こらないようなものであることを確実にすることが特に重要であるが、該温度は通常有機樹脂の融点より少し高い。適当な処理温度は熱硬化性組成物に含まれる樹脂に合わせて選択されるが、通常60〜300℃の範囲内である。
押出成形機中の滞留時間は通常0.5〜2分である。得られた混合物は、次に、一般にはストランドダイを通して押出成形される。押出成形材料は、通常、水冷により(例えば水桶中で)急冷され、約5〜10mmサイズのペレットまたはチップに分割される。これらのペレットまたはチップは、その後、乾燥させ、必要に応じて従来の技術を用いて適当な粒子サイズにさらに粉砕することができる。熱可塑性樹脂は、多くの場合、極低温技術を用いて粉砕する必要がある。
マスターバッチ組成物はまた、乾式混合によっても調製することができ、有機樹脂が可塑化ポリ(塩化ビニル)である場合にはこの技術が特に好適である。成分全てを高速ミキサーにおいて高温で攪拌して、完全混合を得る。
本発明により製造されるマスターバッチは、配合時にマスターバッチ中に水分または揮発性物質が取り込まれることによって生じる穴または空隙がないことが望ましい。上述のようなことを防止する方法(配合押出成形機バレルの真空での排出など)は当技術分野で周知である。
本発明によるマスターバッチ組成物は、好適には、本明細書に記載のとおりに測定して、524nmにおける吸光係数(E524)が、2.0l/g/cmより小さく、好ましくは0.3〜1.5l/g/cmの範囲内、より好ましくは0.4〜1.2l/g/cm、特に0.5〜1.0l/g/cm、とりわけ0.6〜0.9l/g/cmである。
前記マスターバッチ組成物は、効果的なUV吸収を示し、好適には、本明細書に記載のとおりに測定して、308nmにおける吸光係数(E308)が20l/g/cmより大きく、好ましくは25〜55l/g/cmの範囲内、より好ましくは30〜50l/g/cm、特に35〜45l/g/cm、とりわけ37〜43l/g/cmである。
本発明の特に好ましい実施形態では、前記マスターバッチ組成物は、好適には、E308/E524比が10より大きく、好ましくは20より大きく、より好ましくは30より大きく、特に40より大きく、とりわけ50〜70の範囲内である。
本発明の驚くべき特徴は、E308/E524比が、好適には、(本明細書に記載のとおりに測定された(分散体中の))二酸化チタン粒子についての初期値の、少なくとも45%、好ましくは少なくとも55%、より好ましくは少なくとも65%、特に少なくとも75%、とりわけ少なくとも85%である、二酸化チタン粒子を含有するマスターバッチ組成物を製造することができるということである。
本発明によるマスターバッチ組成物は、マスターバッチによる基材の着色に通常用いられる任意の方法を用いて基材樹脂内にレットダウンするのに好適である。基材または第2の有機樹脂の正確な性質により用途に最適な条件が多くの場合決まるであろう。レットダウンおよび適用に適当な温度は、主に、使用する実際の樹脂によって決まり、当業者により容易に決定される。基材樹脂は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であることができる。マスターバッチが使用される好適な基材樹脂としては、ポリ(塩化ビニル)およびそのコポリマー、ポリアミドおよびそのコポリマー、ポリオレフィンおよびそのコポリマー、ポリスチレンおよびそのコポリマー、ポリ(フッ化ビニリデン)およびそのコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリオキシメチレンおよびアセタール誘導体、ポリブチレンテレフタレートおよびグリコライズド誘導体、ポリエチレンテレフタレートおよびグリコライズド誘導体、ポリアクリルアミドナイロン(好ましいナイロン11または12)、ポリアクリロニトリルおよびそのコポリマー、ポリカーボネートおよびそのコポリマーが挙げられる。好適なポリオレフィンは、カルボン酸または無水物基をポリマー主鎖にグラフトすることにより修飾されていてよい、ポリエチレンおよびポリプロピレンである。低密度ポリエチレンを使用してよい。ポリ(塩化ビニル)は可塑化されていてよく、塩化ビニルのホモポリマーであることが好ましい。
前記基材または第2の有機樹脂は、生分解性特性を有するまたは有さないポリマーフィルムによく使用される以下のポリマーまたはモノマーから選択または重合された樹脂が好ましい;アルキルビニルアルコール、アルキルビニルアセテート、炭水化物、カゼイン、コラーゲン、セルロース、セルロースアセテート、グリセロール、リグニン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ナイロン、ポリアルキレンエステル、ポリアミド、ポリ酸無水物、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート/アジペート、ポリカプロラクトン、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエチレンスクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリグリセロール、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリプロピレン、ポリラクテート、多糖類、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート、ポリビニルアルコールポリビニルジエンクロリド、タンパク質、ダイズタンパク質、トリグリセリドおよびその変形物またはコポリマー。
最終用途において所望の二酸化チタン濃度を与えるための前記マスターバッチ組成物のレットダウンは、前記マスターバッチ組成物をある量の相溶性希釈基材樹脂とタンブル混合することにより行ってよい。この混合物を、次に、シングルスクリュー配合押出成形機またはツインスクリュー配合押出成形機に供給し、(マスターバッチ組成物の調製に関連して)前に述べたように処理して、最終用途に必要な濃度で添加剤を含有する完全配合樹脂を生産するか、あるいは異形押出成形またはシート押出成形に供給し、所望の製品形態に変換するためにポリマーホイルまたはフィルムユニットを吹込成形または流延する。
または、前記マスターバッチと相溶性希釈基材樹脂を、当業界内では一般的な種類の自動計測システムによりシングルスクリュー配合押出成形機またはツインスクリュー配合押出成形機に供給することができ、前に述べたように処理して、最終用途に必要な濃度で添加剤を含有する完全配合樹脂を生産することができるし;あるいは異形押出成形またはシート押出成形に供給し、所望の製品形態に変換するためにポリマーホイルまたはフィルムユニットを吹込成形または流延する。
一般に、(前記マスターバッチに使用される)第1の有機樹脂は基材樹脂(レットダウン)と同じである。しかしながら、これは必ずしもそうとは限らず、第1の有機樹脂が基材または第2の有機樹脂と異なっていてもよい。
レットダウンに成功した、本明細書に記載の二酸化チタン粒子を含有するマスターバッチの分析により得られたデータは、ポリマーを含有していない本明細書に記載のマスターバッチと十分に類似しているかまたは商業的に適用できるほどのそれら自体で十分に価値がある透過率、ヘイズ、透明度、L*、a*、b*の値ならびに他の物理的特性(例えば光沢60°および20°)、機械的特性および毒性学的特性を示す。典型的なマスターバッチ処方は経済的経路により製造されるように開発されるため、本発明により提供される添加剤を使用することによりかかる処理に及ぼす影響ができるだけ少ないことが望ましい。これは、ブレンダー/押出成形機ユニットの電力消費量と生産速度を測定することによって一般に評価される。
プラスチックのレットダウンにおいてマスターバッチを適用するには、処理効率にも最終製品の品質にも経済的に有害ではない材料を作り出す必要がある。レットダウン製品の品質は、マスターバッチ自体に関して測定される(不透明性、L*、a*、b*、光沢(60および20)および他の機械的データ)。レットダウン製品の製造効率は、マスターバッチ処方により測定される(電力消費量および速度)。
本発明の代替実施形態では、前記UV吸収性ポリマー組成物は、液体担体系として本明細書において定義される二酸化チタン分散体を使用して製造され得る。液体担体系は射出成形および吹込成形において通常使用されるが、ポリマーフィルムおよびポリマー繊維の製造にも液体担体系を適用することができる。
前記前分散体は蠕動ポンプ、歯車ポンプまたは他の好適なポンプを使用してプロセスの押出成形機セクションに供給することができ、そこで前分散体がポリマー樹脂に直接注入される。好適なポリマー樹脂は、本明細書において記載される基材または第2の有機樹脂の任意の1つ以上を含む。
本発明による、例えばポリマーフィルム形態の、最終または最終使用UV吸収性ポリマー組成物は、好適には、本明細書に記載のとおりに測定して、524nmにおける吸光係数(E524)が2.0l/g/cmより小さく、好ましくは0.3〜1.5l/g/cmの範囲内、より好ましくは0.4〜1.2l/g/cm、特に0.5〜1.0l/g/cm、とりわけ0.6〜0.9l/g/cmである。
例えばポリマーフィルム形態の、前記UV吸収性ポリマー組成物は、効果的なUV吸収を示し、好適には、本明細書に記載のとおりに測定して、308nmにおける吸光係数(E308)が20l/g/cmより大きく、好ましくは25〜55l/g/cmの範囲内、より好ましくは30〜50l/g/cm、特に35〜45l/g/cm、とりわけ37〜43l/g/cmである。
例えばポリマーフィルム形態の、前記UV吸収性ポリマー組成物は、E308/E524比が10より大きく、好ましくは20より大きく、より好ましくは30より大きく、特に40より大きく、とりわけ50〜70の範囲内である。
本発明の驚くべき特徴は、E308/E524比が、好適には、(本明細書に記載のとおりに測定された(分散体中で))二酸化チタン粒子の初期値の、少なくとも45%、好ましくは少なくとも55%、より好ましくは少なくとも65%、特に少なくとも75%、とりわけ少なくとも85%である、例えばポリマーフィルム形態の、UV吸収性ポリマー組成物を製造することができるということである。
一実施形態では、例えばポリマーフィルム形態の、最終または最終使用UV吸収性ポリマー組成物は、好適には、(i)60〜99.9重量%、好ましくは80〜99.7重量%、より好ましくは90〜99.6重量%、特に98〜99.5重量%の有機樹脂と;(ii)0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜5重量%、特に0.3〜2重量%の有機分散媒質と;(iii)0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜5重量%、特に0.25〜2重量%の二酸化チタン粒子とを含む。
本発明のUV吸収性ポリマー組成物は多くの用途に使用することができる(例えば、作物を覆い、保護するために農業において、食品包装や医学的用途において使用されるプラスチックフィルムなど)。該組成物は、飲料ボトルなどの容器としても、そして衣服またはカーペットおよびカーテン材料などの他の布帛の製造のための紡績にも使用することができる。
本明細書では次の試験方法を用いた:
1)一次二酸化チタン粒子の粒子サイズ測定
少量の二酸化チタン、一般には2mg、をおよそ2滴の油にスチール製のスパチュラの先を用いて1分または2分間圧入した。得られた懸濁液を溶媒で希釈し、透過型電子顕微鏡に好適な炭素被覆グリッドをその懸濁液で湿潤させ、ホットプレート上で乾燥させた。適当な正確な倍率でおよそ18cmx21cmの写真を作成した。一般に約300〜500個の結晶を約2直径間隔で表示した。最小で300個の一次粒子を、球状結晶を表す連なった漸増直径の円からなる透明なサイズグリッドを使用してサイズ順に並べた。各円に基づいて、等体積および漸増離心率の回転楕円体を表す一連の楕円体の輪郭を描いた。基本的方法ではlog正規分布標準偏差を1.2〜1.6範囲内と仮定する(より幅広い結晶サイズ分布の場合にははるかに多くの(例えば1000個の)結晶を計数する必要があるであろう)。上記の懸濁液法は、結晶破壊が生じるのを最小限に抑えながら、一次金属酸化物粒子のほぼ完全な分散分布を作り上げるのに好適であることが分かった。任意の残留凝集体(すなわち二次粒子)は、それらを、任意の小破片とともに無視することができると十分に定義されており、事実上、一次粒子だけが計数に含められる。
一次二酸化チタン粒子の平均長さ、平均幅および長さ/幅サイズ分布は、上記の測定から算出することができる。同様に、一次粒子の中央粒子体積直径も算出することができる。
2)二酸化チタン粒子の結晶サイズ測定
結晶サイズはX線回折(XRD)線幅拡大により測定した。単色光分光器としての機能を果たすSoI−Xエネルギー分散型検出器を備えたSiemens社製D5000回折計においてCu Kα放射線により回折パターンを測定した。プログラム可能なスリットを使用して、12mmの長さの試料の回折をステップサイズ0.02°およびステップ計数時間3秒で測定した。このデータを、22〜48°2θ間の回折パターンをルチルの反射位置に相当する一連のピークと、アナターゼが存在する場合はそれらの反射に相当するさらなる一連のピークにフィッティングすることにより解析した。フィッティング処理により回折線形に対する計器による拡大の影響を排除することが可能となった。重量平均結晶サイズの値は、Stokes and Wilsonの方法(B. E. Warren, “X-Ray Diffraction”, Addison-Wesley, Reading, Massachusetts, 1969, pp 254-257)の原理に従ってルチル110反射に対して(およそ27.4°2θにおいて)その積分幅に基づき決定した。
3)分散体中の二酸化チタン粒子の中央粒子体積直径と粒子サイズの分布
7.2gのポリヒドロキシステアリン酸を47.8gのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドと混合し、その後、この混合物に45gの二酸化チタン粉末を加えることにより分散体を作製した。この混合物を1500r.p.m.で運転している、粉砕媒体としてジルコニアビーズの入った水平ビーズミルに15分間通した。二酸化チタン粒子の分散体をイソプロピルミリステートと混合することにより30〜40g/l間に希釈した。この希釈したサンプルをBrookhaven社製BI−XDC粒子寸法測定器において遠心分離モードで解析し、中央粒子体積直径と粒子サイズの分布を測定した。
4)二酸化チタン粒子のBET比表面積
BET一点法比表面積は、Micromeritics社製Flowsorb II 2300を使用して測定した。
5)白色度の変化および白色度指数
例えば上記3)において作製された、二酸化チタン分散体を光沢のある黒色カードの表面にコーティングし、No2 Kバーを用いてドローダウンして、湿潤状態の厚さ12μmのフィルムを形成した。このフィルムを室温にて10分間乾燥させ、Minolta社製CR300比色計を使用して黒色表面上のコーティングの白色度(LF)を測定した。白色度の変化ΔLは、コーティングの白色度(LF)から基材の白色度(Ls)を引いて算出した。白色度指数は、標準的な二酸化チタン(=100%値)と比較した相対白色度ΔL(Tayca MT100T(Tayca Corporation社製))である。
6)透過率、ヘイズおよび透明度の決定
好ましくは65μm厚の、ポリマーフィルムの透過率、ヘイズおよび透明度をByk社製Haze−gard PLUS meter(カタログ番号4725)を使用して測定した。透過率は、全透過光の入射光に対する比率として定義される。透明度は、狭角散乱として定義される。さらに詳しくは、透明度は、入射から平均して2.5度より小さく外れる透過光の割合である。ヘイズは、広角散乱として定義される。さらに詳しくは、ヘイズは、入射から2.5度より大きく外れる透過光の百分率である。
7)フォトグレイイング指数
15gの二酸化チタン粉末を85gのC12−15アルキルベンゾエート中に、0.8〜1.25mmジルコニアビーズ(ER120SWIDE)を70%充填したミニモーターミル(Eiger Torrance社製MK M50 VSE TFV)を使用して5000rpmで15分間粉砕することにより二酸化チタン分散体を調製した。新たに粉砕した分散体を65x30x6mmアクリルセル中16mm直径x3mm深さの陥凹にロードした。空気と接触しないようにサンプルの上に石英ガラスカバースリップを置き、ブラスキャッチにより適所に固定した。回転プラットフォーム上には最大12個のセルを置くことができ、それらのセルを75W UV光源(4個のTL29D16/09Nランプを備えたPhilips社製HB 171/A)から12cmに配置し、120分間照射した。標準的な白色タイル(L*=97.95)を用いて予め較正した市販の色度計(Minolta社製chroma meter CR−300)によりサンプルの色(L***値)を記録した。白色度の変化ΔL*は、UV光に曝露した後の基体の白色度からUV光に曝露する前の基体の白色度(L* 初期)を引いて算出した。フォトグレイイング指数ΔL*=L*初期)−L*120分)。
8)吸光係数
(A)分散体中の二酸化チタン粒子
例えば上記3)において作製された、二酸化チタン分散体の0.1gサンプルを100mlのシクロヘキサンで希釈した。この希釈したサンプルを、次いで、シクロヘキサンでサンプル:シクロヘキサン 1:19の比でさらに希釈した。総合希釈率は1:20,000であった。続いて、希釈したサンプルを分光光度計(Perkin-Elmer社製ラムダ2UV/VIS分光光度計)内に路長1cmに置き、UV光および可視光の吸光度を測定した。吸光係数は、方程式A=E.c.I(式中、A=吸光度、E=吸光係数(l/g/cm)、c=二酸化チタン粒子の濃度(g/l)、I=路長(cm))から算出した。
(b)マスターバッチ組成物およびUV吸収ポリマー組成物
例えば(実施例に記載のとおりに作製された)二酸化チタンマスターバッチ組成物を使用して形成された、65μmフィルムの1x5cm切片を、二酸化チタン粒子を含まないブランクまたは対照フィルムを用いて予め較正した分光光度計(Perkin-Elmer社製ラムダ2UV/VIS分光光度計)内に置き、特別に設計されたサンプルホルダーにより適所に保持した。フィルムサンプル上の10箇所のランダムな位置で吸光度測定を行い、平均吸光係数値を算出した。
本発明を次の限定されない例により例示する。
実施例
例1
酸性溶液中の2モルのチタンオキシジクロライドと水溶液中の6モルのNaOHとを3lのガラス容器内で攪拌しながら反応させた。最初の反応段階の後、およそ1℃/分の速度で加熱することにより70℃より高い温度まで温度を上昇させ、攪拌を少なくともさらに60分間続けた。その後、水溶液中のNaOHを加えることによりこの混合物を中和し、70℃より低い温度まで冷却させた。
得られた分散体に、TiO2重量に対して10.5重量%のAl23に相当するナトリウムアルミネートのアルカリ性溶液を加えた。加える間、温度を70℃より低い温度に維持した。その後、70℃より高い温度まで温度を上昇させ、少なくともさらに10分攪拌した。TiO2重量に対して13.5重量%のステアレートに相当するナトリウムステアレートを加え、反応混合物を再び少なくともさらに10分間攪拌した。
その分散体を、塩酸溶液を30分かけて加えることによりpH6.5〜7.0に中和した。中和したスラリーを攪拌しながら15分間熟成させた。次いで、このスラリーを濾過して、濾過ケーキを得て、この濾過ケーキの導電率が(小サンプルを100g/lまで再びスラリー化したときに)500μsより低くなるまで、この濾過ケーキを繰り返し脱塩水で洗浄した。この濾過ケーキをオーブン中105℃で16時間乾燥させた後、ハンマーミルを使用して微粉化して、粒子の二酸化チタンを作出した。
7.2gのポリヒドロキシステアリン酸を47.8gのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドと混合し、その後、この混合物に、上記で作製された前乾燥されたコーティングされた二酸化チタン粉末45gを加えることにより分散体を作製した。この混合物を1500r.p.m.で運転している粉砕媒体としてジルコニアビーズの入った水平ビーズミルに15分間通した。
前記分散液を本明細書において記載される試験手順に供し、二酸化チタンは次の吸光係数値を示した:
Figure 2013177625
例2
例1において作製された二酸化チタン分散体を使用して、エチレンビニルアセテート(EVA)マスターバッチ組成物を調製した。プラスチック袋内で308gのEVA(Evatene 2020、Arkema社製(MFI=20、ビニルアセテート含量=20%))を132gの二酸化チタン分散体と合わせ、続いて攪拌を(手動で)行って、均質混合物を得た。次いで、この混合物を、温度範囲85〜100℃(供給ゾーン85℃、圧縮ゾーン90℃、計量ゾーン100℃)で運転されるThermo Prism 16mmツインスクリュー押出成形機内に入れた。1時間当たり3kgの速度で押出成形マスターバッチを連続的に生産し、16mm直径のマスターバッチ押出成形品を温度6〜10℃の水桶ですぐに冷却した。押出成形の間中、スクリュートルク値35〜40%を維持した。その後、平均押出成形品長を5mm程度にさらに縮小するために、押出成形マスターバッチサンプルを処理した(刻んだ)。得られたペレットを回収し、乾燥オーブン内におよそ40℃で30分間置いた。これにより70%EVAおよび30%二酸化チタン分散液(12%TiO2)組成物の最終マスターバッチサンプルを得た。
例3
例2の手順を繰り返し、ただし、EVAの代わりに低密度ポリエチレン(LDPE)(Exxon PLX6101RQP、MFI=26)を使用した。処理条件においては、Thermo Prism 16mmツインスクリュー押出成形機を温度範囲105〜125℃(供給ゾーン105℃、圧縮ゾーン115℃、計量ゾーン125℃)で運転したことのみ変更した。
例4
例2において作製されたマスターバッチ組成物を使用して、65μm厚のLDPE吹込成形フィルムサンプルを作製した。
フィルムを調製するために、プラスチック袋内で25gの例2において調製されたマスターバッチ組成物と975gのLDPE(Exxon LD165BW1)の均質なレットダウン混合物を手でブレンドした。次いで、この完全混合物を、三相プレダイヒーティング(B1、B2およびB3、B1がフィルムダイに最も近い)、ならびに外径50mmおよび内径49.5mmの調節可能なフィルムダイを含む三相ダイヒーティング(ダイ1、ダイ2およびダイ3)を取り付けたSecor 25mmシングルスクリュー押出成形機に入れた。以下に示す条件を用いて処理を行って、65μm厚の吹込成形ポリエチレンフィルムを得た。このフィルムを、案内板およびニップロールを備えた従来のフィルム塔で回収した。これらのフィルムサンプルを手動で厚紙スプールに回収し、静的ダスト汚染を避けるためにポリエチレンバッグにすぐに保存した。押出成形温度およびスクリュー速度は一定に保った。
処理条件
スクリュー押出成形機
B1 169℃
B2 180℃
B3 190℃
ダイ1 190℃
ダイ2 191℃
ダイ3 185℃
ポリマー滞留 5分
スクリューrpm 36
モーター電流 13A
出力速度 3.42m/分
出力速度 52g/分
フィルムの物理的特性
シングルフィルム 65μm
フィルム幅 130mm
例5
例4の手順を繰り返し、ただし、代わりに25gの例3において作製されたマスターバッチ組成物を使用して、65μm厚のLDPE吹込成形フィルムサンプルを作製した。
例6
比較例として、例4の手順を繰り返し、ただし、マスターバッチ組成物を使用せずに1000gのLDPE(Exxon LD165BW1)を使用して、65μm厚のLDPE吹込成形フィルムサンプルを作製した。
前記フィルムを本明細書において記載される試験手順に供し、前記フィルムは次の特性を示した:
Figure 2013177625
Figure 2013177625
上記の実施例は本発明によるUV吸収ポリマーマスターバッチ組成物の改善された特性を例示するものである。

Claims (17)

  1. 308/E524比が10より大きい、有機樹脂と二酸化チタン粒子とを含むことを特徴とするUV吸収性ポリマー組成物。
  2. 524nmにおける吸光係数(E524)が2.0l/g/cmより小さいことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 308nmにおける吸光係数(E308)が20l/g/cmより大きいことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項に記載の組成物。
  4. 308/E524比が20より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 308/E524比が前記二酸化チタン粒子の最初の値の少なくとも55%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. (i)60〜99.9重量%の有機樹脂と;(ii)0.05〜20重量%の有機分散媒質と;(iii)0.05〜20重量%の二酸化チタン粒子とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記分散媒質が、グリセロールエステル、グリセロールエーテル、グリコールエステル、グリセロールエーテル、アルキルアミド、アルカノールアミン、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
  8. 前記二酸化チタンは分散体中の中央体積粒径が24〜50nmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 有機樹脂と、有機分散媒質と、二酸化チタン粒子とを含むことを特徴とするマスターバッチ組成物。
  10. 前記有機樹脂は融点が75〜400℃であることを特徴とする請求項9に記載のマスターバッチ。
  11. 前記分散媒質が、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノイソステアレート、ジエタノールアミン、ステアラミド、オレアミド、エルカミド、ベヘナミド、エチレンビス−ステアラミド、エチレンビス−イソステアラミド、ポリグリセロールステアレート、ポリグリセロールイソステアレート、ポリグリコールエーテル、トリグリセリド、およびその混合物からなる群より選ばれることを特徴とする請求項9および10のいずれか一項に記載のマスターバッチ。
  12. 308/E524比が20より大きい二酸化チタン粒子から形成されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載のマスターバッチ。
  13. 524nmにおける吸光係数(E524)が2.0l/g/cmより小さくかつ/または308nmにおける吸光係数(E308)が20l/g/cmより大きいことを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載のマスターバッチ。
  14. 308/E524比が20より大きいことを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載のマスターバッチ。
  15. 308/E524比が前記二酸化チタン粒子についての初期値の少なくとも55%であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載のマスターバッチ。
  16. 請求項9〜15のいずれか一項に記載のマスターバッチ組成物を製造するための方法であって、有機分散媒質中の二酸化チタン粒子の分散体を有機樹脂と混合することを含むことを特徴とする方法。
  17. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のUV吸収性ポリマー組成物を製造するための方法であって、(i)請求項9〜15のいずれか一項に記載のマスターバッチ組成物を準備し、そして前記マスターバッチ組成物を基材有機樹脂と混合する工程、または(ii)有機分散媒質中の二酸化チタン粒子の分散体を準備し、そして前記分散体をそのまま基材有機樹脂に導入する工程、を含むことを特徴とする方法。
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