JP2013175369A - 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、該非水系電解液が鎖状カルボン酸エステルを該非水系電解液の質量に対して5〜70質量%含有
し、さらにイソシアネート基を2つ以上有する化合物を含有することを特徴とする非水系電解液。
【選択図】なし
Description
通常のリチウム二次電池用の電解液は、支持電解質であるリチウム塩と非水系有機溶媒を主成分とする。用いられる非水系有機溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を有すること、広い温度領域で高いイオン伝導度を発現させること、及び、電池中で安定であること等が要求される。これらの要求を一つの溶媒で達成するのは困難であるので、通常は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等に代表される高沸点溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の低沸点溶媒とを組み合わせて、非水溶媒として使用している。
あった。
以上有する化合物を含有する非水系電解液を用いることによりサイクル特性、保存特性及び連続充電特性などの諸特性、中でも高温保存特性の諸特性を改善できることを見出し、本発明を完成させた。
リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、該非水系電解液が鎖状カルボン酸エステルを該非水系電解液の質量に対して5〜70質量%含有し、さらに
イソシアネート基を2つ以上有する化合物を含有することを特徴とする非水系電解液に存する。
このとき、イソシアネート基を2つ以上有する化合物の含有量が、該非水電解液の質量に対して0.001〜10質量%であることが好ましい。
また、鎖状カルボン酸エステルが下記一般式(1)で表される鎖状カルボン酸エステルであることが好ましい。
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、フッ素置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基である)
また、該非水系電解液がさらに不飽和環状カーボネート、モノフルオロリン酸塩、及びジフルオロリン酸塩から選ばれる少なくとも1種以上を該非水電解液の質量に対して0.001〜10質量%含有することが好ましい。
また本発明の別の要旨は、正極と、負極と、本発明の非水系電解液とを備えたリチウム二次電池に存する。
本発明の非水系電解液はリチウム塩と非水系有機溶媒を主成分とする。また、本発明のリチウム二次電池は、非水系電解液と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極とを備えて構成される。また、本発明のリチウム二次電池はその他の構成要素を備えていても良い。
本発明の非水系電解液(以下適宜、「本発明における非水系電解液」という)は、リチウム塩が非水系有機溶媒(以下適宜、「本発明における非水系有機溶媒」に溶解されてなる非水系電解液であって、該非水系電解液が鎖状カルボン酸エステル(以下適宜、「本発明における鎖状カルボン酸エステル」という)を該非水系電解液の質量に対して5〜70質
量%含有し、さらにイソシアネート基を2つ以上有する化合物(以下適宜、「本発明におけるイソシアネート基を2つ以上有する化合物」という)を含有することを特徴とする非水系電解液である。
[1−1.種類]
本発明におけるイソシアネート基を2つ以上有する化合物は、分子内にイソシアナト基を2つ以上有する化合物であれば特に制限はない。好ましくは分子内にイソシアナト基を2つ以上4つ以下有する化合物であり、さらに好ましくは分子内にイソシアナト基を2つ以上3つ以下有する化合物である。
分子内にイソシアナト基を2つ有する化合物としては、下記一般式(2)で表されるものが好ましい。
(式中、Xはフッ素で置換されていても良い炭素数1〜16の炭化水素基である)
上記一般式(2)において、Xはフッ素で置換されていても良い炭素数1〜16の炭化水素基である。Xの炭素数は好ましくは2以上、より好ましくは3以上、特に好ましくは4以上であり、また好ましくは14以下、より好ましくは12以下、特に好ましくは10以下、最も好ましくは8以下である。またXの種類については炭化水素基である限り特に限定されない。脂肪族鎖状アルキレン基、脂肪族環状アルキレン基及び芳香環含有炭化水素基のいずれであっても良いが、好ましくは脂肪族鎖状アルキレン基、脂肪族環状アルキレン基、より好ましくは脂肪族鎖状アルキレン基である。
エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、等の直鎖ポリメチレンジイソシアネート類;メチルテトラメチレンジイソシアナート、ジメチルテトラメチレンジイソシアナート、トリメチルテトラメチレンジイソシアナート、メチルヘキサメチレンジイソシアナート、ジメチルヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、メチルオクタメチレンジイソシアナート、ジメチルオクタメチレンジイソシアナート、トリメチルオクタメチレンジイソシアナート、等の分岐アルキレンジイソシアネート類;1,4−ジイソシアナト−2−ブテン、1,5−ジイソシアナト−2−ペンテン、1,5−ジイソシアナト−3−ペンテン、1,6−ジイソシアナト−2−ヘキセン、1,6−ジイソシアナト−3−ヘキセン、1,8−ジイソシアナト−2−オクテン、1,8−ジイソシアナト−3−オクテン、1,8−ジイソシアナト−4−オクテン、等のジイソシアナトアルケン類;1,3−ジイソシアナト−2−フルオロプロパン、1,3−ジイソシアナト−2,2−ジフルオロプロパン、1,4−ジイソシアナト−2−フルオロブタン、1,4−ジイソシアナト−2,2−ジフルオロブタン、1,4−ジイソシアナト−2,3−ジフルオロブタン、1,6−ジイソシアナト−2−フルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3−フルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,2−ジフルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,3−ジフルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4−ジフルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,5−ジフルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3−ジフルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,4−ジフルオロヘキサン、1,8−ジイソシアナト−2−
フルオロオクタン、1,8−ジイソシアナト−3−フルオロオクタン、1,8−ジイソシアナト−4−フルオロオクタン、1,8−ジイソシアナト−2,2−ジフルオロオクタン、1,8−ジイソシアナト−2,3−ジフルオロオクタン、1,8−ジイソシアナト−2,4−ジフルオロオクタン、1,8−ジイソシアナト−2,5−ジフルオロオクタン、1,8−ジイソシアナト−2,6−ジフルオロオクタン、1,8−ジイソシアナト−2,7−ジフルオロオクタン、等のフッ素置換ジイソシアナトアルカン類;1,2−ジイソシアナトシクロペンタン、1,3−ジイソシアナトシクロペンタン、1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,2−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−2,2'−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−2
,4'−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−3,3'−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアナート、等のシクロアルカン環含有ジイソシ
アネート類;1,2−フェニレンジイソシアナート、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシアナート、トリレン−2,3−ジイソシアナート、トリレン−2,4−ジイソシアナート、トリレン−2,5−ジイソシアナート、トリレン−2,6−ジイソシアナート、トリレン−3,4−ジイソシアナート、トリレン−3,5−ジイソシアナート、1,2−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシア
ナトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、2,4−ジイソシ
アナトビフェニル、2,6−ジイソシアナトビフェニル、2,2'−ジイソシアナトビフ
ェニル、3,3'−ジイソシアナトビフェニル、4,4'−ジイソシアナト−2−メチルビフェニル、4,4'−ジイソシアナト−3−メチルビフェニル、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルビフェニル、4,4'−ジイソシアナトジフェニルメタン、4,4'−ジイソシアナト−2−メチルジフェニルメタン、4,4'−ジイソシアナト−3−メチル
ジフェニルメタン、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニルメタン、1
,5−ジイソシアナトナフタレン、1,8−ジイソシアナトナフタレン、2,3−ジイソシアナトナフタレン、1,5−ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、1,8−ビス(イ
ソシアナトメチル)ナフタレン、2,3−ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン等の芳香
環含有ジイソシアネート類;
などが挙げられる。これらの中でも、詳細は[9.メカニズム]の項で詳述するように、鎖状カルボン酸エステルとともに形成したハイブリッド被膜の安定性が高いという観点から、
が好ましく、さらには
ン−4,4'−ジイソシアナート、から選ばれるシクロアルカン環含有ジイソシアネート
類;
が特に好ましい。
分子内にイソシアナト基を3つ有する化合物としては、下記一般式(3)〜(5)で表されるものが好ましい。
上記一般式(3)において、Yはフッ素で置換されていても良い炭素数3〜16の炭化水素基である。Yの炭素数は好ましくは4以上、より好ましくは5以上、特に好ましくは6以上であり、また好ましくは14以下、より好ましくは12以下、特に好ましくは10以下、最も好ましくは8以下である。またYの種類については炭化水素基である限り特に限定されない。脂肪族鎖状アルキレン基、脂肪族環状アルキレン基及び芳香環含有炭化水素基のいずれであっても良いが、好ましくは脂肪族鎖状アルキレン基、脂肪族環状アルキレン基である。
上記一般式(4)において、Z1はフッ素で置換されていても良い炭素数1〜16の炭
化水素基である。Z1の炭素数は好ましくは2以上、より好ましくは3以上、特に好まし
くは4以上であり、また好ましくは14以下、より好ましくは12以下、特に好ましくは10以下、最も好ましくは8以下である。またZ1の種類については炭化水素基である限
り特に限定されない。脂肪族鎖状アルキレン基、脂肪族環状アルキレン基及び芳香環含有炭化水素基のいずれであっても良いが、好ましくは脂肪族鎖状アルキレン基、脂肪族環状アルキレン基である。
化水素基である。Z2の炭素数は好ましくは2以上、より好ましくは3以上、特に好まし
くは4以上であり、また好ましくは14以下、より好ましくは12以下、特に好ましくは10以下、最も好ましくは8以下である。またZ2の種類については炭化水素基である限
り特に限定されない。脂肪族鎖状アルキレン基、脂肪族環状アルキレン基及び芳香環含有炭化水素基のいずれであっても良いが、好ましくは脂肪族鎖状アルキレン基、脂肪族環状アルキレン基である。
また上述した本発明におけるイソシアネート基を2つ以上有する化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明におけるイソシアネート基を2つ以上有する化合物の含有量は、該非水系電解液の全体の質量に対して、通常0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、また、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。含有量が上記範囲内にあることにより、負極抵抗が上昇して容量が低下することを抑制し、また、本発明の効果を十分に発揮できる。
[2−1.種類]
本発明における鎖状カルボン酸エステルは、エステル基で環状構造を形成していない、いわゆる鎖状のカルボン酸エステルである限り特に限定されない。塩素、フッ素、臭素などのハロゲン原子を含有したもの、シアノ基、アミノ基、アミド基、エーテル基などの置換基を有していても良い。その中でも特に下記一般式(1)で表される化合物群から選ばれた少なくとも1種以上であることがより好ましい。
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、フッ素置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基である)
式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、フッ素置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基であるが、R1は好ましくはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜6の炭化
水素基であり、さらに好ましくはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基であり、特に好ましくはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜3の炭化水素基であり、最も好ましくはフッ素置換されていない炭素数2〜3の炭化水素基である。
、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1、2−トリフルオロエチル基、1,2、2−トリフルオロエチル基、2、2、2−トリフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、アミル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、フルオロフェニル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基が挙げられる。これらの中でも好ましくは、メチル基、エチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1、2−トリフルオロエチル基、1,2、2−トリフルオロエチル基、2、2、2−トリフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、フルオロフェニル基であり、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1、2−トリフルオロエチル基、1,2、2−トリフルオロエチル基、2、2、2−トリフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基であり、特に好
ましくは、メチル基、エチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1、2−トリフルオロエチル基、1,2、2−トリフルオロエチル基、2、2、2−トリフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基であり、最も好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基である。
基、エチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1、2−トリフルオロエチル基、1,2、2−トリフルオロエチル基、2、2、2−トリフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、
ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、フルオロフェニル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基が挙げられる。これらの中でも好ましくは、メチル基、エチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1、2−トリフルオロエチル基、1,2、2−トリフルオロエチル基、2、2、2−トリフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ア
ミル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、フルオロフェニル基であり、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1、2−トリフルオロエチル基、1,2、2−トリフルオロエチル基、2、2、2−トリフルオロエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基であり、特に好ましくは、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基であり、最も好ましくはメチル基、エチル基である。
また、上記一般式(1)で表される鎖状カルボンエステル類の好ましい具体例を挙げると、酢酸メチル、酢酸フルオロメチル、酢酸ジフルオロメチル、酢酸トリフルオロメチル、酢酸エチル、酢酸1−フルオロエチル、酢酸2−フルオロエチル、酢酸1,1−ジフルオロエチル、酢酸1,2−ジフルオロエチル、酢酸2,2−ジフルオロエチル、酢酸1,1,2−トリフルオロエチル、酢酸1,2,2−トリフルオロエチル、酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸フェニル、酢酸2−
フルオロフェニル、酢酸3−フルオロフェニル、酢酸4−フルオロフェニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸オクチル、酢酸デシル、酢酸ドデシルなどの酢酸エステル類、
モノフルオロ酢酸メチル、モノフルオロ酢酸フルオロメチル、モノフルオロ酢酸ジフルオロメチル、モノフルオロ酢酸トリフルオロメチル、モノフルオロ酢酸エチル、モノフルオロ酢酸1−フルオロエチル、モノフルオロ酢酸2−フルオロエチル、モノフルオロ酢酸1,1−ジフルオロエチル、モノフルオロ酢酸1,2−ジフルオロエチル、モノフルオロ酢酸2,2−ジフルオロエチル、モノフルオロ酢酸1,1,2−トリフルオロエチル、モノフルオロ酢酸1,2,2−トリフルオロエチル、モノフルオロ酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、モノフルオロ酢酸n-プロピル、モノフルオロ酢酸イソプロピル、モノフルオロ酢酸n-ブチル、モノフルオロ酢酸イソブチル、モノフルオロ酢酸sec−ブチル、モノフ
ルオロ酢酸tert−ブチル、モノフルオロ酢酸シクロヘキシル、モノフルオロ酢酸フェニル、モノフルオロ酢酸2−フルオロフェニル、モノフルオロ酢酸3−フルオロフェニル、モ
ノフルオロ酢酸4−フルオロフェニル、モノフルオロ酢酸シクロヘキシル、モノフルオロ酢酸オクチル、モノフルオロ酢酸デシル、モノフルオロ酢酸ドデシルなどのモノフルオロ酢酸エステル類、
酸シクロヘキシル、ジフルオロ酢酸フェニル、ジフルオロ酢酸2−フルオロフェニル、ジフルオロ酢酸3−フルオロフェニル、ジフルオロ酢酸4−フルオロフェニル、ジフルオロ酢酸シクロヘキシル、ジフルオロ酢酸オクチル、ジフルオロ酢酸デシル、ジフルオロ酢酸ドデシルなどのジフルオロ酢酸エステル類、
フルオロ酢酸tert−ブチル、トリフルオロ酢酸シクロヘキシル、トリフルオロ酢酸フェニル、トリフルオロ酢酸2−フルオロフェニル、トリフルオロ酢酸3−フルオロフェニル、トリフルオロ酢酸4−フルオロフェニル、トリフルオロ酢酸シクロヘキシル、トリフルオロ酢酸オクチル、トリフルオロ酢酸デシル、トリフルオロ酢酸ドデシルなどのトリフルオロ酢酸エステル類、
ル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピオン酸シクロヘキシル、プロピオン酸フェニル、プロピオン酸2−フルオロフェニル、プロピオン酸3−フルオロフェニル、プロピオン酸4−フルオロフェニル、プロピオン酸シクロヘキシル、プロピオン酸オクチル、プロピオン酸デシル、プロピオン酸ドデシルなどのプロピオン酸エステル類、
フルオロフェニル、酪酸3−フルオロフェニル、酪酸4−フルオロフェニル、酪酸シクロ
ヘキシル、酪酸オクチル、酪酸デシル、酪酸ドデシルなどの酪酸エステル類、
ン酸tert−ブチル、シクロヘキサンカルボン酸シクロヘキシル、シクロヘキサンカルボン酸フェニル、シクロヘキサンカルボン酸2−フルオロフェニル、シクロヘキサンカルボン酸3−フルオロフェニル、シクロヘキサンカルボン酸4−フルオロフェニル、シクロヘキサンカルボン酸シクロヘキシル、シクロヘキサンカルボン酸オクチル、シクロヘキサンカルボン酸デシル、シクロヘキサンカルボン酸ドデシルなどのシクロヘキサンカルボン酸エステル類、
香酸2−フルオロフェニル、安息香酸3−フルオロフェニル、安息香酸4−フルオロフェニル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸オクチル、安息香酸デシル、安息香酸ドデシルなどの安息香酸エステル類、
酸tert−ブチルなどの酢酸エステル類、
フルオロ酢酸tert−ブチルなどのモノフルオロ酢酸エステル類、
フルオロエチル、ジフルオロ酢酸2−フルオロエチル、ジフルオロ酢酸1,1−ジフルオロエチル、ジフルオロ酢酸1,2−ジフルオロエチル、ジフルオロ酢酸2,2−ジフルオロエチル、ジフルオロ酢酸1,1,2−トリフルオロエチル、ジフルオロ酢酸1,2,2−トリフルオロエチル、ジフルオロ酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、ジフルオロ酢酸n-プロピル、ジフルオロ酢酸イソプロピル、ジフルオロ酢酸n-ブチル、ジフルオロ酢酸イソブチル、ジフルオロ酢酸sec−ブチル、ジフルオロ酢酸tert−ブチルなどのジフルオ
ロ酢酸エステル類、
フルオロ酢酸tert−ブチルなどのトリフルオロ酢酸エステル類、
ル、プロピオン酸tert−ブチルなどのプロピオン酸エステル類、
などが挙げられ、特に好ましいものとして、
などが挙げられ、最も好ましいものとして、
プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、が挙げられる。
本発明における鎖状カルボン酸エステルの含有量は、非水系電解液全体に対して、5質量%以上、好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは
15質量%以上であり、最も好ましくは20質量%以上である。また、70質量%以下、好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、特に好ましくは45質量%以下、最も好ましくは40質量%以下である。
カルボン酸エステルの含有量が上記範囲内にあることにより、本発明の効果を十分に発揮でき、また、電導度が低下することに起因する高負荷容量の減少を抑制する。
本発明における非水系電解液は上述した様に鎖状カルボン酸エステルを含有するが、その他に含有する溶媒について特に制限はなく、公知の有機溶媒を用いることが可能である。これらを例示すると、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、環状エステル(ラクトン化合物)類、鎖状エーテル類、環状エーテル類、含硫黄有機溶媒、含窒素有機溶媒などが挙げられる。なかでも高いイオン導電性を発現させる溶媒として、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、環状エステル類、鎖状エーテル類、環状エーテル類、含硫黄有機溶媒が好ましい。
また、鎖状エーテル類の具体例を挙げると、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル等が挙げられる。
また含硫黄有機溶媒の具体例を挙げるとスルホラン、ジメチルスルホン、メチルエチルスルホン、ジエチルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホン、1,3−プロパンスルトンが挙げられる。これらの中でもスルホランが好ましい。
良いが、2種以上の溶媒が混合して使用されることが好ましい。
また本発明における非水系有機溶媒では、鎖状カルボン酸エステル以外の非水系有機溶媒の含有量は特に限定されるものではない。鎖状カルボン酸エステル以外の非水系有機溶媒として好ましく使用されるのは環状カーボネート及び鎖状カーボネートである。環状カーボネートの含有量は、通常10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、また、通常50質量%以下、好ましくは40質量%以下である。より好ましくは35質量%以下である。
リチウム塩は電解質として用いられる。リチウム塩の種類に特に制限はなく、無機リチウム塩及び有機リチウム塩のいずれを用いても良い。 具体的には以下のものが挙げられ
る。
例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAlF4、LiSbF6、LiTaF6、LiWF7等の無機リチウム塩;LiWOF5等のタングステン酸リチウム類;HCO2Li、CH3CO2Li、CH2FCO2Li、CHF2CO2Li、CF3CO2Li、CF3CH2CO2Li、CF3CF2CO2Li、CF3CF2CF2CO2Li、CF3CF2CF2CF2CO2Li等のカルボン酸リチウム塩類; FSO3Li、CH3SO3Li、CH2FSO3Li、CHF2SO3Li、CF3SO3Li、CF3CF2SO3Li、CF3CF2CF2SO3Li、CF3CF2CF2CF2SO3Li等のスルホン酸リチウム塩類; LiN(FCO)2、LiN(FCO)(FSO2)、LiN(FSO2)2、LiN(FSO2)(CF3SO2)、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、リチウム環状1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のリチウムイミド塩類; LiC(FSO2)3、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3等のリチウムメチド塩類; リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムビス(オキサラト)ボレート等のリチウムオキサラトボレート塩類; リチウムテトラフルオロオキサラトフォスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)フォスフェート、リチウムトリス(オキサラト)フォスフェート等のリチウムオキサラトフォスフェート塩類; その他、LiPF4(CF3)2、LiPF4(C2F5)2、LiPF4(CF3SO2)2、LiPF4(C2F5SO2)2、LiBF3CF3、LiBF3C2F5、LiBF3C3F7、LiBF2(CF3)2、LiBF2(C2F5)2、LiBF2(CF3SO2)2、LiBF2(C2F5SO2)2等の含フッ素有機リチウム塩類;等が挙げられる。
明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の非水系電解液に対して、通常0
.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であり、また、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。
本発明にかかる非水系電解液は、負極上に被膜を形成させ、電池特性を改善させる目的で、さらに不飽和カーボネート、モノフルオロリン酸塩、及びジフルオロリン酸塩から選ばれる少なくとも1種以上を該非水電解液の質量に対して0.001〜10質量%含有していることが好ましい。また同様に負極上に被膜を形成させ、電池特性を改善させる目的で、フッ素置換環状カーボネートを該非水電解液の質量に対して0.001〜30質量%含有していることが好ましい。
なお、不飽和環状カーボネートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、不飽和環状カーボネートの炭素数は通常3以上、また、通常20以下、好ましくは15以下である。さらに、不飽和環状カーボネートの分子量は通常80以上であり、また、通常250以下、好ましくは150以下である。炭素数や分子量が上記範囲内であることにより、電解液に対する溶解性を保ち、本発明の効果を十分に発現できる。
エン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プ
ロピル、亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤を少量含んだものを用いてもよい。
またモノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩としては、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸リチウム、モノフルオロリン酸カリウム、 ジフルオロリン
酸ナトリウム、ジフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸カリウムが好ましく、さらにはモノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウムが特に好ましい。
本発明におけるフッ素置換環状カーボネートの含有量は、該非水系電解液の全体の質量に対して、通常0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、また通常30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。含有量が上記範囲内にあることにより、有効な皮膜を負極上に形成させることができ、また、高温保存特性の悪化を抑制することができ、さらにはコストを抑えることができる。
本発明における非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、非水系電解液の濡れ性、過充電特性等を改善する目的で他の助剤を含有させても良い。
助剤の例としては、エリスリタンカーボネート、スピロ−ビス−ジメチレンカーボネート、メトキシエチル−メチルカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水フェニルマレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物及びフェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ジビニル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のスピロ化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシンイミド、スクシノニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル等の含窒素化合物;ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイト、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、メチルメタンスルホネート、エチルメタンスルホネート、メチルベンゼンスルホネート、エチルベンゼンスルホネート、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、ジメチルスルフェート、ジエチルスルフェート、1,3,2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド、1,3,2−ジオキサチアン−2,2−ジオキシド等の含硫黄化合物;ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ビフェニル、o−ターフェニル、2−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、2,4−ジフルオロビフェニル、フルオロベンゼン、2,4−ジフルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテル、2,4−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール、ベンゾトリフルオライド等の芳香族化合物等が挙げられる。これらの中でも無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等の環状酸無水物;1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン等の含硫黄化合物;スクシノニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル等のジニトリルが好ましい。
また、これらの助剤はBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤を少量含んでいても良い。
非水系電解液は、本発明のリチウム二次電池に用いる際、通常は液体状態で存在するが、例えば、これを高分子によってゲル化して、半固体状電解質にしてもよい。ゲル化に用いる高分子は任意であるが、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなどが挙げられる。なお、ゲル化に用いる高分子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明における非水系電解液の製造方法は特に制限は無いが、例えば、鎖状カルボン酸エステルを含有した非水系有機溶媒にリチウム塩を加え、さらに本発明におけるイソシアネート基を2つ以上有する化合物を添加することにより調製することができる。
非水系電解液を調製するに際しては、非水系電解液の各原料、即ち、リチウム塩、本発明における鎖状カルボン酸エステル、他の非水系有機溶媒、本発明におけるイソシアネート基を2つ以上有する化合物並びに他の助剤は、予め脱水しておくことが好ましい。非水系電解液中に水が存在すると、水の電気分解、水とリチウム金属との反応、リチウム塩の加水分解などが起こる可能性があり、好ましくないからである。脱水の程度としては、水分含有率が通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下となるまで脱水することが望ましい。なお、本明細書においてppmとは、質量を基準にした比率を意味する。
本発明の効果が得られるメカニズムは定かではないが、以下のように考えられる。
本発明のイソシアネート化合物は電池作製の初期充電時にその一部が反応し、負極上に被膜を形成する。この被膜は高抵抗であり、加熱により反応が進行しさらに高抵抗なものとなるので、保存試験後の容量低下を招く虞がある。一方、鎖状カルボン酸エステルも同様に初期充電時に反応し、負極上に被膜を形成する。この被膜は抵抗が低いが熱安定性が悪いため、保存試験時に多くのガスを発生させてしまう。
[II.リチウム二次電池]
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明の非水系電解液と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極とを備えて構成される。また、本発明のリチウム二次電池はその他の構成を備えていても良い。例えば、リチウム二次電池は、通常、スペーサを備えている。
以下に正極に使用される正極活物質(リチウム遷移金属系化合物)について述べる。
〈リチウム遷移金属系化合物〉
リチウム遷移金属系化合物とは、Liイオンを脱離、挿入することが可能な構造を有する化合物であり、例えば、硫化物やリン酸塩化合物、リチウム遷移金属複合酸化物などが挙げられる。硫化物としては、TiS2やMoS2などの二次元層状構造をもつ化合物や、一般式MexMo6S8(MeはPb,Ag,Cuをはじめとする各種遷移金属)で表される強固な三次元骨格構造を有するシュブレル化合物などが挙げられる。リン酸塩化合物としては、オリビン構造に属するものが挙げられ、一般的にはLiMePO4(Meは少なくとも1種以上の遷移金属)で表され、具体的にはLiFePO4、LiCoPO4、LiNiPO4、LiMnPO4などが挙げられる。リチウム遷移金属複合酸化物としては、三次元的拡散が可能なスピネル構造や、リチウムイオンの二次元的拡散を可能にする層状構造に属するものが挙げられる。スピネル構造を有するものは、一般的にLiMe2O4(Meは少なくとも1種以上の遷移金属)と表され、具体的にはLiMn2O4、LiCoMnO4、LiNi0.5Mn1.5O4、LiCoVO4などが挙げられる。層状構造を有するものは、一般的にLiMeO2(Meは少なくとも1種以上の遷移金属)と表される。具体的にはLiCoO2、LiNiO2、LiNi1−xCoxO2、LiNi1−x−yCoxMnyO2、LiNi0.5Mn0.5O2、Li1.2Cr0.4Mn0.4O2、Li1.2Cr0.4Ti0.4O2、LiMnO2などが挙げられる。
また、リチウム含有遷移金属化合物は、例えば、下記組成式(A)または(B)で示されるリチウム遷移金属系化合物であることが挙げられる。
1)下記組成式(A)で示されるリチウム遷移金属系化合物である場合
ただし、xは通常0以上、0.5以下である。Mは、Ni及びMn、或いは、Ni、Mn及びCoから構成される元素であり、Mn/Niモル比は通常0.1以上、5以下である。Ni/Mモル比は通常0以上、0.5以下である。Co/Mモル比は通常0以上、0.5以下である。なお、xで表されるLiのリッチ分は、遷移金属サイトMに置換している場合もある。
一般式中、αは、0<α<1を満たす数である。
Mは、平均酸化数が4+である少なくとも一種の金属元素であり、具体的には、Mn、Zr、Ti、Ru、Re及びPtからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素である。
M’は、平均酸化数が3+である少なくとも一種の金属元素であり、好ましくは、V、Mn、Fe、Co及びNiからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素であり、より好ましくは、Mn、Co及びNiからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素である。
2)下記一般式(B)で表されるリチウム遷移金属系化合物である場合。
ただし、Mは、Ni、Cr、Fe、Co、Cu、Zr、AlおよびMgから選ばれる遷移金属のうちの少なくとも1種から構成される元素である。
bの値は通常0.4以上、0.6以下である。
bの値がこの範囲であれば、リチウム遷移金属系化合物における単位質量当たりのエネルギー密度が高い。
さらに、δの値は通常±0.5の範囲である。
ここでリチウム遷移金属系化合物の組成であるリチウムニッケルマンガン系複合酸化物におけるリチウム組成の化学的な意味について、以下により詳細に説明する。
構造的視点では、aに係るリチウムは、同じ遷移金属サイトに置換されて入っていると考えられる。ここで、aに係るリチウムによって、電荷中性の原理によりMとマンガンの平均価数が3.5価より大きくなる。
また、上記リチウム遷移金属系化合物は、フッ素置換されていてもよく、LiMn2O4‐xF2xと表記される。
上記の組成のリチウム遷移金属系化合物の具体例としては、例えば、Li1+xNi0.5Mn0.5O2、Li1+xNi0.85Co0.10Al0.05O2、Li1+
xNi0.33Mn0.33Co0.33O2、Li1+xNi0.45Mn0.45Co0.1O2、Li1+xMn1.8Al0.2O4、Li1+xMn1.5Ni0.5O4等が挙げられる。これらのリチウム遷移金属系化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上をブレンドして用いても良い。
また、リチウム遷移金属系化合物は、異元素が導入されてもよい。異元素としては、B,Na,Mg,Al,K,Ca,Ti,V,Cr,Fe,Cu,Zn,Sr,Y,Zr,Nb,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sb,Te,Ba,Ta,Mo,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Pb,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Bi,N,F,S,Cl,Br,I,As,Ge,P,Pb,Sb,SiおよびSnの何れか1種以上の中から選択される。これらの異元素は、リチウム遷移金属系化合物の結晶構造内に取り込まれていてもよく、あるいは、リチウム遷移金属系化合物の結晶構造内に取り込まれず、その粒子表面や結晶粒界などに単体もしくは化合物として偏在していてもよい。
リチウム二次電池用正極は、上述のリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体及び結着剤を含有する正極活物質層を集電体上に形成してなるものである。
正極活物質層は、通常、正極材料と結着剤と更に必要に応じて用いられる導電材及び増粘剤等を、乾式で混合してシート状にしたものを正極集電体に圧着するか、或いはこれらの材料を液体媒体中に溶解又は分散させてスラリー状にして、正極集電体に塗布、乾燥することにより作成される。
れらの物質は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
正極活物質層には、通常、導電性を高めるために導電材を含有させる。その種類に特に制限はないが、具体例としては、銅、ニッケル等の金属材料や、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料などを挙げることができる。なお、これらの物質は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。正極活物質層中の導電材の割合は、通常0.01質量%以上、50質量%以下である。導電材の割合が低すぎると導電性が不十分になることがあり、逆に高すぎると電池容量が低下することがある。
また、正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。
なお、塗布、乾燥によって得られた正極活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるために、ローラープレス等により圧密化することが好ましい。
かくして、リチウム二次電池用正極が調製できる。
以下に負極に使用される負極活物質について述べる。負極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、特に制限はない。具体例としては、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を任意に組み合わせて併用してもよい。
負極活物質としては、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が
挙げられる。
炭素質材料としては、(1)天然黒鉛、(2)人造黒鉛、(3)非晶質炭素、(4)炭素被覆黒鉛、(5)黒鉛被覆黒鉛、(6)樹脂被覆黒鉛等が挙げられる。
球形化処理に用いる装置としては、例えば、衝撃力を主体に粒子の相互作用も含めた圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を繰り返し粒子に与える装置を用いることができる。具体的には、ケーシング内部に多数のブレードを設置したローターを有し、そのローターが高速回転することによって、内部に導入された炭素材に対して衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与え、球形化処理を行なう装置が好ましい。また、炭素材を循環させることによって機械的作用を繰り返して与える機構を有するものであるのが好ましい。
(4)炭素被覆黒鉛としては、天然黒鉛及び/又は人造黒鉛と、タール、ピッチや樹脂等の有機化合物である炭素前駆体を混合し、400〜2300℃の範囲で1回以上熱処理し得られる天然黒鉛及び/又は人造黒鉛を核黒鉛とし、非晶質炭素が核黒鉛を被覆している炭素黒鉛複合体が挙げられる。複合の形態は、表面全体または一部を被覆しても、複数の一次粒子を前記炭素前駆体起源の炭素をバインダーとして複合させたものであってもよい。また、天然黒鉛及び/又は人造黒鉛にベンゼン、トルエン、メタン、プロパン、芳香族系の揮発分等の炭化水素系ガス等を高温で反応させ、黒鉛表面に炭素を堆積(CVD)さ
せることでも炭素黒鉛複合体を得ることもできる。
1回以上熱処理し得られる天然黒鉛及び/又は人造黒鉛を核黒鉛とし、黒鉛化物が核黒鉛の表面全体または一部を被覆している黒鉛被覆黒鉛が挙げられる。
(6)樹脂被覆黒鉛としては、天然黒鉛及び/又は人造黒鉛と、樹脂等を混合、400℃未満の温度で乾燥し得られる天然黒鉛及び/又は人造黒鉛を核黒鉛とし、樹脂等が核黒鉛を被覆している樹脂被覆黒鉛が挙げられる。
また、(1)〜(6)の炭素質材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、核黒鉛の原料となる天然黒鉛及び/又は人造黒鉛としては、球形化処理を施した天然黒鉛が好ましい。
負極活物質として炭素質材料を用いる場合、以下の物性を有するものであることが望ましい。
(X線パラメータ)
炭素質材料の学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が、通常0.335nm以上であり、また、通常0.360nm以下であり、0.350nm以下が好ましく、0.345nm以下がさらに好ましい。また、学振法によるX線回折で求めた炭素質材料の結晶子サイズ(Lc)は、1.0nm以上であることが好ましく、中でも1.5nm以上であることがさらに好ましい。
炭素質材料の体積基準平均粒径は、レーザー回折・散乱法により求めた体積基準の平均粒径(メジアン径)であり、通常1μm以上であり、3μm以上が好ましく、5μm以上がさらに好ましく、7μm以上が特に好ましく、また、通常100μm以下であり、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましく、25μm以下が特に好ましい。
体積基準平均粒径の測定は、界面活性剤であるポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液(約10mL)に炭素粉末を分散させて、レーザー回折・散乱式粒度分布計(例えば、堀場製作所社製LA−700)を用いて行なう。該測定で求められるメジアン径を、本発明の炭素質材料の体積基準平均粒径と定義する。
炭素質材料のラマンR値は、レーザーラマンスペクトル法を用いて測定した値であり、通常0.01以上であり、0.03以上が好ましく、0.1以上がさらに好ましく、また、通常1.5以下であり、1.2以下が好ましく、1以下がさらに好ましく、0.5以下が特に好ましい。
一方、上記範囲を上回ると、粒子表面の結晶性が低下し、非水系電解液との反応性が増し、効率の低下やガス発生の増加を招く場合がある。
・レーザー波長 :Arイオンレーザー514.5nm(半導体レーザー532nm)
・測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
・ラマンR値 :バックグラウンド処理、
・スムージング処理 :単純平均、コンボリューション5ポイント
炭素質材料のBET比表面積は、BET法を用いて測定した比表面積の値であり、通常0.1m2・g−1以上であり、0.7m2・g−1以上が好ましく、1.0m2・g−1以上がさらに好ましく、1.5m2・g−1以上が特に好ましく、また、通常100m2・g−1以下であり、25m2・g−1以下が好ましく、15m2・g−1以下がさらに好ましく、10m2・g−1以下が特に好ましい。
炭素質材料の球形の程度として円形度を測定した場合、以下の範囲に収まることが好ましい。なお、円形度は、「円形度=(粒子投影形状と同じ面積を持つ相当円の周囲長)/(粒子投影形状の実際の周囲長)」で定義され、円形度が1のときに理論的真球となる。
炭素質材料の粒径が3〜40μmの範囲にある粒子の円形度は1に近いほど望ましく、
また、0.1以上が好ましく、中でも0.5以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、0.85以上がさらに好ましく、0.9以上が特に好ましい。高電流密度充放電特性は、円形度が大きいほど向上する。従って、円形度が上記範囲を下回ると、負極活物質の充填性が低下し、粒子間の抵抗が増大して、短時間高電流密度充放電特性が低下する場合がある。
炭素質材料のタップ密度は、通常0.1g・cm−3以上であり、0.5g・cm−3以上が好ましく、0.7g・cm−3以上がさらに好ましく、1g・cm−3以上が特に好ましく、また、2g・cm−3以下が好ましく、1.8g・cm−3以下がさらに好ましく、1.6g・cm−3以下が特に好ましい。タップ密度が、上記範囲を下回ると、負極として用いた場合に充填密度が上がり難く、高容量の電池を得ることができない場合がある。また、上記範囲を上回ると、電極中の粒子間の空隙が少なくなり過ぎ、粒子間の導電性が確保され難くなり、好ましい電池特性が得られにくい場合がある。
炭素質材料の配向比は、通常0.005以上であり、0.01以上が好ましく、0.015以上がさらに好ましく、また、通常0.67以下である。配向比が、上記範囲を下回ると、高密度充放電特性が低下する場合がある。なお、上記範囲の上限は、炭素質材料の配向比の理論上限値である。
・ターゲット:Cu(Kα線)グラファイトモノクロメーター
・スリット :
発散スリット=0.5度
受光スリット=0.15mm
散乱スリット=0.5度
・測定範囲及びステップ角度/計測時間:
(110)面:75度≦2θ≦80度 1度/60秒
(004)面:52度≦2θ≦57度 1度/60秒
炭素質材料のアスペクト比は、通常1以上、また、通常10以下であり、8以下が好ましく、5以下がさらに好ましい。アスペクト比が、上記範囲を上回ると、極板化時にスジ引きや、均一な塗布面が得られず、高電流密度充放電特性が低下する場合がある。なお、上記範囲の下限は、炭素質材料のアスペクト比の理論下限値である。
電極の製造は、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のいずれの方法を用いることができる。例えば、負極活物質に、バインダー、溶媒、必要に応じて、増粘剤、導電材、充填材等を加えてスラリーとし、これを集電体に塗布、乾燥した後にプレスすることによって形成することができる。
また、合金系材料を用いる場合には、蒸着法、スパッタ法、メッキ法等の手法により、上述の負極活物質を含有する薄膜層(負極活物質層)を形成する方法も用いられる。
負極活物質を電極化した際の電極構造は特に制限されないが、集電体上に存在している負極活物質の密度は、1g・cm−3以上が好ましく、1.2g・cm−3以上がさらに好ましく、1.3g・cm−3以上が特に好ましく、また、2.2g・cm−3以下が好ましく、2.1g・cm−3以下がより好ましく、2.0g・cm−3以下がさらに好ましく、1.9g・cm−3以下が特に好ましい。集電体上に存在している負極活物質の密度が、上記範囲を上回ると、負極活物質粒子が破壊され、初期不可逆容量の増加や、集電体/負極活物質界面付近への非水系電解液の浸透性低下による高電流密度充放電特性悪化を招く場合がある。また、上記範囲を下回ると、負極活物質間の導電性が低下し、電池抵抗が増大し、単位容積当たりの容量が低下する場合がある。
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。この場合、本発明の非水系電解液は、通常はこのセパレータに含浸させて用いる。
セパレータの材料や形状については特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のものを任意に採用することができる。中でも、本発明の非水系電解液に対し安定な材料で形成された、樹脂、ガラス繊維、無機物等が用いられ、保液性に優れた多孔性シート又は不織布状の形態の物等を用いるのが好ましい。
0μm以上がさらに好ましく、また、通常50μm以下であり、40μm以下が好ましく、30μm以下がさらに好ましい。セパレータが、上記範囲より薄過ぎると、絶縁性や機械的強度が低下する場合がある。また、上記範囲より厚過ぎると、レート特性等の電池性能が低下する場合があるばかりでなく、非水系電解液二次電池全体としてのエネルギー密度が低下する場合がある。
一方、無機物の材料としては、例えば、アルミナや二酸化ケイ素等の酸化物、窒化アルミや窒化ケイ素等の窒化物、硫酸バリウムや硫酸カルシウム等の硫酸塩が用いられ、粒子形状もしくは繊維形状のものが用いられる。
<電極群>
電極群は、上記の正極板と負極板とを上記のセパレータを介してなる積層構造のもの、及び上記の正極板と負極板とを上記のセパレータを介して渦巻き状に捲回した構造のもののいずれでもよい。電極群の体積が電池内容積に占める割合(以下、電極群占有率と称する)は、通常40%以上であり、50%以上が好ましく、また、通常90%以下であり、80%以下が好ましい。
外装ケースの材質は用いられる非水系電解液に対して安定な物質であれば特に制限されない。具体的には、ニッケルめっき鋼板、ステンレス、アルミニウム又はアルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属類、又は、樹脂とアルミ箔との積層フィルム(ラミネートフィルム)が用いられる。軽量化の観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金の金属、ラミネートフィルムが好適に用いられる。
保護素子として、異常発熱や過大電流が流れた時に抵抗が増大するPTC(Positive Temperature Coefficient)、温度ヒューズ、サーミスター、異常発熱時に電池内部圧力や内部温度の急激な上昇により回路に流れる電流を遮断する弁(電流遮断弁)等を使用することができる。上記保護素子は高電流の通常使用で作動しない条件のものを選択することが好ましく、保護素子がなくても異常発熱や熱暴走に至らない設計にすることがより好ましい。
本発明の非水系電解液二次電池は、通常、上記の非水系電解液、負極、正極、セパレータ等を外装体内に収納して構成される。この外装体は、特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のものを任意に採用することができる。具体的に、外装体の材質は任意であるが、通常は、例えばニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミウム又はその合金、ニッケル、チタン等が用いられる。
また、外装体の形状も任意であり、例えば円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大型等のいずれであってもよい。
<試験操作の説明>
[正極の製造]
正極活物質であるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)94質量部とポリフッ化ビニリデン(以下適宜、「PVdF」という)3質量部とアセチレンブラック3質量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にしたものを、アルミニウムからなる集電体の両面に塗布・乾燥して正極を得た。
負極活物質であるグラファイト粉末94質量部とPVdF6質量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものを、銅からなる集電体の片面に塗布・乾燥して負極を得た。
[リチウム二次電池の製造]
上記の正極、負極、及びポリエチレン製セパレータを、負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層した。こうして得られた電池要素を筒状のアルミニウムラミネートフィルムで包み込み、後述する電解液を注入した後で真空封止し、シート状の非水系電解液二次電池を作製した。更に、電極間の密着性を高めるために、ガラス板でシート状電池を挟んで加圧した。
25℃の恒温槽中、0.2Cに相当する電流で4.1Vまで定電流−定電圧充電(以下適宜、「CCCV充電」という)した後、0.2Cで3Vまで放電した。これを3回繰り返し初期のフォーメーションを行なった。次いで、0.2Cで4.2VまでCCCV充電した後、0.5Cで3Vまで再度放電し、初期放電容量を求めた。なお充電時のカット電流は0.05Cとした。ここで、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、例えば、0.2Cとはその1/5の電流値を表す。
容量評価の終了した電池を25℃の恒温槽中、0.2Cで4.2Vまで充電した後に、75℃の高温槽に3日間保存した。その後、電池を25℃まで冷却後、直ちにエタノール浴に漬けて浮力を測定(アルキメデスの原理)することにより発生したガス量を求めた。ついで電池を再び0.2Cで4.2VまでCCCV充電した後0.5Cで3Vまで放電し、保存後の容量を求めた。また保存前後の放電容量から下記計算式により
容量回復率を求めた。
<実施例1>
LiPF6、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、プロピオン酸メチル及びヘキサメチレンジイソシアネートを質量比で15.5/21/17/16/30/0.5となるように混合して非水系電解液とした。得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、容量評価試験、保存特性評価試験を行なった。結果を表1に示す。
ヘキサメチレンジイソシアネートの代わりに1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例3>
ヘキサメチレンジイソシアネートの代わりにテトラメチレンジイソシアネートを用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
ヘキサメチレンジイソシアネートの代わりにジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイ
ソシアナートを用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例5>
ヘキサメチレンジイソシアネートの代わりにデュラネートTMTPA−100〔旭化成ケミカルズ製、一般式(4)において、Z1 = −(CH2)6−〕を用いた以外は実施例1
と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
LiPF6、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、プロピオン酸メチル及び1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを質量比で15.5/21/17/15/30/1.5となるように混合して非水系電解液とした。得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、容量評価試験、保存特性評価試験を行なった。結果を表1に示す。
LiPF6、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、プロピオン酸メチル及びヘキサメチレンジイソシアネートを質量比で17.5/32/34/8/8/0.5となるように混合して非水系電解液とした。得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、容量評価試験、保存特性評価試験を行なった。結果を表1に示す。
LiPF6、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、酢酸エチル及びヘキサメチレンジイソシアネートを質量比で17.5/32/34/8/8/0.5となるように混合して非水系電解液とした。得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、容量評価試験、保存特性評価試験を行なった。結果を表1に示す。
LiPF6、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、ビニレンカーボネート、プロピオン酸メチル及びヘキサメチレンジイソシアネートを質量比で15.5/21/17/15/1/30/0.5となるように混合して非水系電解液とした。得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、容量評価試験、保存特性評価試験を行なった。結果を表1に示す。
ヘキサメチレンジイソシアネートを用いることなく、 LiPF6、エチレンカーボネー
ト、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びプロピオン酸メチルを質量比で15.5/21/17/16.5/30となるように混合して非水系電解液とした。得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、容量評価試験、保存特性評価試験を行なった。結果を表1に示す。
LiPF6、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、プロピオン酸メチル及びヘキサメチレンジイソシアネートを質量比で15.5/21/44/16/3/0.5となるように混合して非水系電解液とした。得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、容量評価試験、保存特性評価試験を行なった。結果を表1に示す。
ヘキサメチレンジイソシアネートの代わりにフェニルイソシアネートを用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。但し、表1中、MPはプロピオン酸メチル、EAは酢酸エチル、ECはエチレンカーボネート、DMCはジメチルカーボネート、EMCはエチルメチルカーボネート、VCはビニレンカーボネートを表す。
、ガス発生が抑制されるものの、容量回復率が大幅に低下してしまう。本発明のイソシアネート化合物と所定量の鎖状カルボン酸エステルとを含有する場合に、相乗効果が発揮されてガス発生抑制と高容量回復率の両立が達成される。また本発明のイソシアネート化合物ではないイソシアネートを含有しても特段の効果は発揮されない(比較例3)。
Claims (6)
- リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、該非水系電解液が鎖状カルボン酸エステルを該非水系電解液の質量に対して5〜70質量%含有し、さらに
イソシアネート基を2つ以上有する化合物を含有することを特徴とする非水系電解液。 - イソシアネート基を2つ以上有する化合物の含有量が、該非水電解液の質量に対して0.001〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の非水系電解液。
- 鎖状カルボン酸エステルが下記一般式(1)で表される鎖状カルボン酸エステルであることを特徴とする請求項1または2に記載の非水系電解液。
R1COOR2 (1)
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、フッ素置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基である) - 該非水系電解液がさらに不飽和環状カーボネート、モノフルオロリン酸塩、及びジフルオロリン酸塩から選ばれる少なくとも1種以上を該非水電解液の質量に対して0.001〜10
質量%含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の非水系電解液。 - 該非水系電解液がさらにフッ素置換環状カーボネートを該非水電解液の質量に対して0.001〜30質量%含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の非水系電
解液。 - リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含むリチウム二次電池であって、該非水系電解液が請求項1ないし5のいずれかに記載の非水系電解液であることを特徴とするリチウム二次電池。
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