JP2016192298A - 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】集電体と、LixMPO4(Mは周期表第2族〜第12族の金属からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素、xは0<x≦1.2)で表されるリチウム含有リン酸化合物を正極活物質として含有する正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極活物質を含有する負極と、非水系電解液とを備えた非水系電解液二次電池であって、前記非水系電解液が、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物のうち少なくとも一方を含有することを特徴とする、非水系電解液二次電池;
(一般式(1)及び(2)において、Q、及びR1〜R6は所定の基を表す。)。
【選択図】なし
Description
[1.非水系電解液]
非水系電解液は、特定NCO化合物及び特定Si化合物を含むことを特徴としている。
<1−1−1.特定NCO化合物>
上記のとおり、本発明に使用される特定NCO化合物は、下記一般式(1)で表される。
み合わせて使用してもよい。
本発明に使用される特定Si化合物は、下記一般式(2)で表される。
<リチウム塩>
非水系電解液は電解質を含むが、本発明においては前記電解質として、通常、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、この用途に用いることが知られているものであれば特に制限がなく、任意のものを用いることができ、具体的には以下のものが挙げられる。
LiWOF5等のタングステン酸リチウム類;
HCO2Li、CH3CO2Li、CH2FCO2Li、CHF2CO2Li、CF3CO2Li、CF3CH2CO2Li、CF3CF2CO2Li、CF3CF2CF2CO2Li、CF3CF2CF2CF2CO2Li等のカルボン酸リチウム塩類;
FSO3Li、CH3SO3Li、CH2FSO3Li、CHF2SO3Li、CF3SO3Li、CF3CF2SO3Li、CF3CF2CF2SO3Li、CF3CF2CF2CF2SO3Li等のスルホン酸リチウム塩類;
LiN(FCO)2、LiN(FCO)(FSO2)、LiN(FSO2)2、LiN(FSO2)(CF3SO2)、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、リチウム環状1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のリチウムイミド塩類;
LiC(FSO2)3、LiC(CF3SO2)3、LiC(C2F5SO2)3等のリチウムメチド塩類;
リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムビス(オキサラト)ボレート等のリチウムオキサラトボレート塩類;
リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェート等のリチウムオキサラトホスフェート塩類;
その他、LiPF4(CF3)2、LiPF4(C2F5)2、LiPF4(CF3SO2)2、LiPF4(C2F5SO2)2、LiBF3CF3、LiBF3C2F5、LiBF3C3F7、LiBF2(CF3)2、LiBF2(C2F5)2、LiBF2(CF3SO2)2、LiBF2(C2F5SO2)2等の含フッ素有機リチウム塩類;
等が挙げられる。
本発明の非水系電解液における非水溶媒について特に制限はなく、公知の有機溶媒を用いることが可能である。これらを例示すると、フッ素原子を有していない環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状及び鎖状カルボン酸エステル、エーテル系化合物、スルホン系化合物等が挙げられる。
前記フッ素原子を有していない環状カーボネートとしては、炭素数2〜4のアルキレン基を有する環状カーボネートが挙げられる。
上記鎖状カーボネートとしては、炭素数3〜7の鎖状カーボネートが好ましく、炭素数3〜7のジアルキルカーボネートがより好ましい。
上記環状カルボン酸エステルとしては、炭素原子数が3〜12のものが好ましい。
具体的には、ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン、ガンマカプロラクトン、イプシロンカプロラクトン等が挙げられる。中でも、ガンマブチロラクトンがリチウムイオン解離度の向上に由来する電池特性向上の点から特に好ましい。
鎖状カルボン酸エステルとしては、炭素数が3〜7のものが好ましい。具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸−t−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸−n−プロピル、酪酸イソプロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸−n−プロピル、イソ酪酸イソプロピル等が挙げられる。
上記エーテル系化合物としては、一部の水素がフッ素にて置換されていてもよい炭素数3〜10の鎖状エーテル、及び炭素数3〜6の環状エーテルが好ましい。
ジエチルエーテル、ジ(2−フルオロエチル)エーテル、ジ(2,2−ジフルオロエチル)エーテル、ジ(2,2,2−トリフルオロエチル)エーテル、エチル(2−フルオロエチル)エーテル、エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)エーテル、エチル(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エーテル、(2−フルオロエチル)(2,2,2−トリフルオロエチル)エーテル、(2−フルオロエチル)(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エーテル、エチル−n−プロピルエーテル、エチル(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、エチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、エチル(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、エチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、2−フルオロエチル−n−プロピルエーテル、(2−フルオロエチル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(2−フルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2−フルオロエチル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2−フルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、2,2,2−トリフルオロエチル−n−プロピルエーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−n−プロピルエーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ−n−プロピルエーテル、(n−プロピル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(n−プロピル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(n−プロピル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(3−フルオロ−n−プロピル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3−フルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3−フルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジメトキシメタン、メトキシエトキシメタン、メトキシ(2−フルオロエトキシ)メタン、メトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタンメトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジエトキシメタン、エトキシ(2−フルオロエトキシ)メタン、エトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタン、エトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジ(2−フルオロエトキシ)メタン、(2−フルオロエトキシ)(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタン、(2−フルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタンジ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタン、(2,2,2−トリフルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジメトキシエタン、メトキシエトキシエタン、メトキシ(2−フルオロエトキシ)エタン、メトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、メトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジエトキシエタン、エトキシ(2−フルオロエトキシ)エタン、エトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、エトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジ(2−フルオロエトキシ)エタン、(2−フルオロエトキシ)(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、(2−フルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、(2,2,2−トリフルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
上記スルホン系化合物としては、炭素数3〜6の環状スルホン、及び炭素数2〜6の鎖状スルホンが好ましい。1分子中のスルホニル基の数は、1又は2であることが好ましい。
モノスルホン化合物であるトリメチレンスルホン類、テトラメチレンスルホン類、ヘキサメチレンスルホン類;
ジスルホン化合物であるトリメチレンジスルホン類、テトラメチレンジスルホン類、ヘキサメチレンジスルホン類等が挙げられる。
ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、n−プロピルメチルスルホン、n−プロピルエチルスルホン、ジ−n−プロピルスルホン、イソプロピルメチルスルホン、イソプロピルエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、n−ブチルメチルスルホン、n−ブチルエチルスルホン、t−ブチルメチルスルホン、t−ブチルエチルスルホン、モノフルオロメチルメチルスルホン、ジフルオロメチルメチルスルホン、トリフルオロメチルメチルスルホン、モノフルオロエチルメチルスルホン、ジフルオロエチルメチルスルホン、トリフルオロエチルメチルスルホン、ペンタフルオロエチルメチルスルホン、エチルモノフルオロメチルスルホン、エチルジフルオロメチルスルホン、エチルトリフルオロメチルスルホン、パーフルオロエチルメチルスルホン、エチルトリフルオロエチルスルホン、エチルペンタフルオロエチルスルホン、ジ(トリフルオロエチル)スルホン、パーフルオロジエチルスルホン、フルオロメチル−n−プロピルスルホン、ジフルオロメチル−n−プロピルスルホン、トリフルオロメチル−n−プロピルスルホン、フルオロメチルイソプロピルスルホン、ジフルオロメチルイソプロピルスルホン、トリフルオロメチルイソプロピルスルホン、トリフルオロエチル−n−プロピルスルホン、トリフルオロエチルイソプロピルスルホン、ペンタフルオロエチル−n−プロピルスルホン、ペンタフルオロエチルイソプロピルスルホン、トリフルオロエチル−n−ブチルスルホン、トリフルオロエチル−t−ブチルスルホン、ペンタフルオロエチル−n−ブチルスルホン、ペンタフルオロエチル−t−ブチルスルホン等が挙げられる。
本発明においては、上述のとおりフッ素原子を有していない環状カーボネートを非水溶媒として用いることができるが、フッ素原子を有する環状カーボネートを非水溶媒として用いることもできる。この場合は、フッ素原子を有する環状カーボネート以外の非水溶媒として、上記例示した非水溶媒の1種をフッ素原子を有する環状カーボネートと組み合わせて用いてもよく、2種以上をフッ素原子を有する環状カーボネートと組み合わせて併用してもよい。
モノフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等が挙げられる。
モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等が挙げられる。
モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート
といったモノフルオロエチレンカーボネートと対称鎖状カーボネート類と非対称鎖状カーボネート類を含有するものが、サイクル特性と大電流放電特性のバランスが良いので好ましい。中でも、対称鎖状カーボネート類がジメチルカーボネートであるのが好ましく、又、鎖状カーボネートのアルキル基としては炭素数1〜2のものが好ましい。
後述するとおり本発明の非水系電解液には助剤を添加することができるが、フッ素原子を有する環状カーボネートを助剤として用いる場合は、フッ素原子を有する環状カーボネート以外の非水溶媒として、上記例示した非水溶媒1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等が挙げられる。
なお、本明細書において、非水溶媒の体積は25℃での測定値であるが、エチレンカーボネートのように25℃で固体のものは融点での測定値を用いる。
本発明の非水系電解液においては、目的に応じて適宜助剤を用いてもよい。助剤としては、以下に示される、電池の初回充電時に負極上で還元される化合物、過充電防止剤、その他の助剤、等が挙げられる。
前記炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート(以下、「不飽和環状カーボネート」と記載する場合がある)としては、炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有する環状カーボネートであれば、特に制限はなく、任意の不飽和カーボネートを用いることができる。なお、芳香環を有する環状カーボネートも、不飽和環状カーボネートに包含されることとする。
ビニレンカーボネート類としては、
ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、4,5−ジビニルビニレンカーボネート、アリルビニレンカーボネート、4,5−ジアリルビニレンカーボネート等が挙げられる。
ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−ビニルエチレンカーボネート、4−アリル−5−ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、4,5−ジエチニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−エチニルエチレンカーボネート、4−ビニル−5−エチニルエチレンカーボネート、4−アリル−5−エチニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、4,5−ジフェニルエチレンカーボネート、4−フェニル−5−ビニルエチレンカーボネート、4−アリル−5−フェニルエチレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4−メチル−5−アリルエチレンカーボネート等が挙げられる。
ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、4,5−ビニルビニレンカーボネート、アリルビニレンカーボネート、4,5−ジアリルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−ビニルエチレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4−メチル−5−アリルエチレンカーボネート、4−アリル−5−ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、4,5−ジエチニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−エチニルエチレンカーボネート、4−ビニル−5−エチニルエチレンカーボネートが挙げられる。
不飽和環状カーボネートの分子量は、特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。分子量は、好ましくは、80以上、250以下である。この範囲であれば、非水系電解液に対する不飽和環状カーボネートの溶解性を確保しやすく、本発明の効果が十分に発現されやすい。不飽和環状カーボネートの分子量は、より好ましくは85以上であり、また、より好ましくは150以下である。不飽和環状カーボネートの製造方法は、特に制限されず、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。
上記フッ素原子を有する環状カーボネートとしては、炭素原子数2〜6のアルキレン基を有する環状カーボネートのフッ素化物、及びその誘導体が挙げられ、例えばエチレンカーボネートのフッ素化物、及びその誘導体が挙げられる。エチレンカーボネートのフッ素化物の誘導体としては、例えば、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜4個のアルキル基)で置換されたエチレンカーボネートのフッ素化物が挙げられる。中でもフッ素原子を1〜8個有するエチレンカーボネート、及びその誘導体が好ましい。
フルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(ジフルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(トリフルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−4−フルオロエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−5−フルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5,5−ジメチルエチレンカーボネート等が挙げられる。
上記フッ素化不飽和環状カーボネートが有するフッ素原子の数は1以上であれば、特に制限されない。中でもフッ素原子が通常6以下、好ましくは4以下であり、1又は2のものが最も好ましい。
4−フルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−アリルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート等が挙げられる。
4−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルビニレンカーボネート、4−アリル−5−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−アリルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネートが挙げられる。これらは、安定な界面保護皮膜を形成するので、より好適に用いられる。
上記無水カルボン酸の配合量は、通常、非水系電解液100質量%中、好ましくは、0.01質量%以上、より好ましくは、0.1質量%以上、さらに好ましくは、0.2質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは、4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
上記アート型錯体化合物の配合量は、通常、非水系電解液100質量%中、好ましくは、0.01質量%以上、より好ましくは、0.1質量%以上、さらに好ましくは、0.2質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは、4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
本発明の非水系電解液において、非水系電解液二次電池が過充電等の状態になった際に電池の破裂・発火を効果的に抑制するために、過充電防止剤を用いることができる。
ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;
2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の上記芳香族化合物の部分フッ素化物;
2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物等が挙げられる。
ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物が好ましい。
本発明の非水系電解液には、公知のその他の助剤を用いることができる。その他の助剤としては、
エリスリタンカーボネート、スピロ−ビス−ジメチレンカーボネート、メトキシエチル−メチルカーボネート等のカーボネート化合物;無水グルタル酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物及びフェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ジビニル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のスピロ化合物;
エチレンサルファイト、フルオロスルホン酸メチル、フルオロスルホン酸エチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、ブスルファン、スルホレン、ジフェニルスルホン、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;
1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びN−メチルスクシンイミド等の含窒素化合物;
ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物;
フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等の含フッ素芳香族化合物;
等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの助剤を添加することにより、二次電池の高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上させることができる。
次に、本発明の非水系電解液二次電池について説明する。当該二次電池は、特定正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極活物質を含有する負極と、非水系電解液とを備えている。以下、これらの各構成について説明する。
前記非水系電解液としては、上述の本発明の非水系電解液を用いる。なお、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、本発明の非水系電解液に対し、その他の非水系電解液を配合して用いることも可能である。
以下に本発明のリチウム二次電池に使用される正極について説明する。
本発明の非水系電解液電池は、LixMPO4(Mは周期表第2族〜第12族の金属からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素、xは0<x≦1.2)で表されるリチウム含有リン酸化合物を基本組成とする正極活物質を備えている。
また、正極活物質としては、LixMPO4の表面に、これとは異なる組成の物質が付着したものを用いてもよい。表面付着物質としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、炭素等が挙げられる。
本発明における前記正極活物質の粒子の形状は、従来用いられるような、塊状、多面体状、球状、楕円球状、板状、針状、柱状等が用いられるが、中でも一次粒子が凝集して、二次粒子を形成して成り、その二次粒子の形状が球状ないし楕円球状であるものが好ましい。通常、電気化学素子はその充放電に伴い、電極中の活物質が膨張収縮をするため、そのストレスによる活物質の破壊や導電パス切れ等の劣化がおきやすい。そのため一次粒子のみの単一粒子活物質であるよりも、一次粒子が凝集して、二次粒子を形成したものである方が膨張収縮のストレスを緩和して、劣化を防ぐため好ましい。また、板状等軸配向性の粒子であるよりも球状ないし楕円球状の粒子の方が、電極の成形時の配向が少ないため、充放電時の電極の膨張収縮も少なく、また電極を作成する際の導電材との混合においても、均一に混合されやすいため好ましい。
前記正極活物質のタップ密度は、好ましくは0.1g/cm3以上、より好ましくは0.2g/cm3以上、更に好ましくは0.3g/cm3以上、最も好ましくは0.4g/cm3以上である。該正極活物質のタップ密度が上記下限を下回ると正極活物質層形成時に、必要な分散媒量が増加すると共に、導電材や結着剤の必要量が増加し、正極活物質層への正極活物質の充填率が制約され、電池容量が制約される場合がある。タップ密度の高い複合酸化物粉体を用いることにより、高密度の正極活物質層を形成することができる。タップ密度は一般に大きいほど好ましく、特に上限はないが、大きすぎると、正極活物質層内における電解液を媒体としたリチウムイオンの拡散が律速となり、負荷特性が低下しやすくなる場合があるため、上限は、好ましくは2.0g/cm3以下、より好ましくは1.8g/cm3以下である。
前記正極活物質の粒子のメジアン径d50(一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には二次粒子径)は好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、更に好ましくは0.3μm以上、最も好ましくは2μm以上であり、上限は、好ましくは20μm以下、より好ましくは18μm以下、更に好ましくは16μm以下、最も好ましくは15μm以下である。上記下限を下回ると、高タップ密度品が得られなくなる場合があり、上限を超えると粒子内のリチウムの拡散に時間がかかるため、電池性能の低下をきたしたり、電池の正極作成、すなわち活物質と導電材やバインダー等を溶媒でスラリー化し、薄膜状に塗布する際に、スジを引く等の問題を生ずる場合がある。ここで、異なるメジアン径d50をもつ該正極活物質を2種類以上混合することで、正極作成時の充填性を更に向上させることができる。
一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には、該正極活物質の平均一次粒子径としては、好ましくは0.02μm以上、より好ましくは0.03μm以上、更に好ましくは0.05μm以上であり、上限は、好ましくは2μm以下、より好ましくは1.6μm以下、更に好ましくは1.3μm以下、最も好ましくは1μm以下である。上記範囲内であると、球状の二次粒子を形成し易く、粉体充填性に悪影響を及ぼしたり、比表面積が大きく低下するために、出力特性等の電池性能が低下する可能性が高くなるといった事態を回避しやすい。さらに、結晶が未発達であるために充放電の可逆性が劣る等の問題も生じ難くなる。
本発明の二次電池に供する該正極活物質のBET比表面積は、好ましくは0.4m2/g以上、より好ましくは0.5m2/g以上、更に好ましくは0.6m2/g以上であり、上限は50m2/g以下、好ましくは40m2/g以下、更に好ましくは30m2/g以下である。BET比表面積が上記範囲内であると、電池性能の低下を抑制でき、さらに正極活物質層形成時の塗布性も良好である。
該正極活物質の製造法としては、無機化合物の製造法として一般的な方法が用いられる。特に球状ないし楕円球状の活物質を作成するには種々の方法が考えられるが、例えば、リン酸等のリン原料物質と、LixMPO4におけるMの原料物質を水等の溶媒中に溶解ないし粉砕分散して、攪拌をしながらpHを調節して球状の前駆体を作成回収し、これを必要に応じて乾燥した後、LiOH、Li2CO3、LiNO3等のLi源を加えて高温で焼成して活物質を得る方法等が挙げられる。
以下に、本発明に使用される正極の構成について述べる。
本発明のリチウム二次電池用の正極は、正極活物質と結着剤とを含有する正極活物質層を、集電体上に形成して作製される。すなわち、本発明のリチウム二次電池用の正極は、前記正極活物質と結着剤とを含有する正極活物質層を、集電体上に形成して作製される。正極活物質を用いる正極の製造は、常法により行うことができる。即ち、正極活物質と結着剤、並びに必要に応じて導電材及び増粘剤等を乾式で混合してシート状にしたものを正極集電体に圧着するか、又はこれらの材料を液体媒体に溶解又は分散させてスラリーとして、これを正極集電体に塗布し、乾燥することにより、正極活物質層を集電体上に形成されることにより正極を得ることができる。
導電材としては、公知の導電材を任意に用いることができる。具体例としては、銅、ニッケル等の金属材料;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト);アセチレンブラック等のカーボンブラック;ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。導電材は、正極活物質層中に、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また上限は、通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下含有するように用いられる。含有量が上記範囲内であると、導電性を十分に確保することができ、好適な電池容量を提供することができる。
正極活物質層の製造に用いる結着剤としては、特に限定されず、塗布法の場合は、電極製造時に用いる液体媒体に対して溶解又は分散される材料であれば良いが、具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子;SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム等のゴム状高分子;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・エチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子;シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子;ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフッ素系高分子;アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物等が挙げられる。なお、これらの物質は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
スラリーを形成するための液体媒体としては、正極活物質、導電材、結着剤、並びに必要に応じて使用される増粘剤を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いても良い。水系媒体としては、例えば、水、アルコールと水との混合媒等が挙げられる。有機系媒体としては、例えば、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類;キノリン、ピリジン等の複素環化合物;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、アクリル酸メチル等のエステル類;ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン等のアミン類;ジエチルエーテル、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類;N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。
正極集電体の材質としては特に制限は無く、公知のものを任意に用いることができる。具体例としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の金属材料;カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が挙げられる。中でも金属材料、特にアルミニウムが好ましい。
本発明の非水系電解液を用いる場合、高出力かつ高温時の安定性を高める観点から、正極活物質層の面積は、電池外装ケースの外表面積に対して大きくすることが好ましい。具体的には、二次電池の外装の表面積に対する前記正極の電極面積の総和が面積比で15倍以上とすることが好ましく、更に40倍以上とすることがより好ましい。外装ケースの外表面積とは、有底角型形状の場合には、端子の突起部分を除いた発電要素が充填されたケース部分の縦と横と厚さの寸法から計算で求める総面積をいう。有底円筒形状の場合には、端子の突起部分を除いた発電要素が充填されたケース部分を円筒として近似する幾何表面積である。正極の電極面積の総和とは、負極活物質を含む合材層に対向する正極合材層の幾何表面積であり、集電体箔を介して両面に正極合材層を形成してなる構造では、それぞれの面を別々に算出する面積の総和をいう。
正極板の厚さは特に限定されるものではないが、高容量かつ高出力の観点から、芯材の金属箔厚さを差し引いた合材層の厚さは、集電体の片面に対して下限として、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上で、上限としては、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下である。
また、上記正極板の表面に、これとは異なる組成の物質が付着したものを用いてもよい。表面付着物質としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、炭素等が挙げられる。
本発明の非水系電解液二次電池の負極に使用される負極活物質としては、電気化学的に金属イオンを吸蔵・放出可能なものであれば、特に制限はない。その具体例としては、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が挙げられる。これらの中でもサイクル特性及び安全性が良好でさらに連続充電特性も優れている点で、炭素質材料を使用するのが最も好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、また2種以上を任意に組み合わせて併用してもよい。
炭素質材料としては、(1)天然黒鉛、(2)人造黒鉛、(3)非晶質炭素、(4)炭素被覆黒鉛、(5)黒鉛被覆黒鉛、(6)樹脂被覆黒鉛等が挙げられる。
本発明における負極活物質としての炭素質材料は、上記した要件に加えて、更に、下記の(1)〜(9)に示した物性及び形状等の特徴の内、少なくとも1項目を満たしていることが好ましく、複数の項目を同時に満たすことが特に好ましい。
炭素質材料の学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が、0.335nm以上であることが好ましく、また、通常0.360nm以下であり、0.350nm以下が好ましく、0.345nm以下がさらに好ましい。また、学振法によるX線回折で求めた炭素質材料の結晶子サイズ(Lc)は、1.0nm以上であることが好ましく、中でも1.5nm以上であることがより好ましく、中でも2nm以上であることがさらに好ましい。
本発明において炭素質材料の体積基準平均粒径は、レーザー回折・散乱法により求めた体積基準の平均粒径(メジアン径d50)であり、これは通常1μm以上であり、3μm以上が好ましく、5μm以上がさらに好ましく、7μm以上が特に好ましく、また、通常100μm以下であり、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましく、25μm以下が特に好ましい。
炭素質材料のラマンR値は、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトル法を用いて測定した値であり、通常0.01以上であり、0.03以上が好ましく、0.1以上がさらに好ましく、また、通常1.5以下であり、1.2以下が好ましく、1以下がさらに好ましく、0.5以下が特に好ましい。
・アルゴンイオンレーザー波長 :514.5nm
・試料上のレーザーパワー :15〜25mW
・分解能 :10〜20cm−1
・測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
・ラマンR値、ラマン半値幅解析:バックグラウンド処理
・スムージング処理 :単純平均、コンボリューション5ポイント
炭素質材料のBET比表面積は、BET法を用いて測定した比表面積の値であり、通常0.1m2・g−1以上であり、0.7m2・g−1以上が好ましく、1.0m2・g−1以上がさらに好ましく、1.5m2・g−1以上が特に好ましく、また、通常100m2・g−1以下であり、25m2・g−1以下が好ましく、15m2・g−1以下がさらに好ましく、10m2・g−1以下が特に好ましい。
炭素質材料の球形の程度として円形度を測定した場合、以下の範囲に収まることが好ましい。なお、円形度は、「円形度=(粒子投影形状と同じ面積を持つ相当円の周囲長)/(粒子投影形状の実際の周囲長)」で定義され、円形度が1のときに理論的真球となる。
炭素質材料の粒径が3〜40μmの範囲にある粒子の円形度は1に近いほど望ましく、また、0.1以上が好ましく、中でも0.5以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、0.85以上がさらに好ましく、0.9以上が特に好ましい。
炭素質材料のタップ密度は、通常0.1g・cm−3以上であり、0.5g・cm−3以上が好ましく、0.7g・cm−3以上がさらに好ましく、1g・cm−3以上が特に好ましく、また、2g・cm−3以下が好ましく、1.8g・cm−3以下がさらに好ましく、1.6g・cm−3以下が特に好ましい。タップ密度が上記範囲であると、電池容量を確保することができるとともに、粒子間の抵抗の増大を抑制することができる。
炭素質材料の配向比は、通常0.005以上であり、0.01以上が好ましく、0.015以上がさらに好ましく、また、通常0.67以下である。配向比が、上記範囲であると、優れた高密度充放電特性を確保することができる。なお、上記範囲の上限は、炭素質材料の配向比の理論上限値である。
・ターゲット:Cu(Kα線)グラファイトモノクロメーター
・スリット :
発散スリット=0.5度
受光スリット=0.15mm
散乱スリット=0.5度
(110)面:75度≦2θ≦80度 1度/60秒
(004)面:52度≦2θ≦57度 1度/60秒
炭素質材料のアスペクト比は、通常1以上、また、通常10以下であり、8以下が好ましく、5以下がさらに好ましい。アスペクト比が、上記範囲であると、極板化時のスジ引きを抑制し、さらに均一な塗布が可能となるため、優れた高電流密度充放電特性を確保することができる。なお、上記範囲の下限は、炭素質材料のアスペクト比の理論下限値である。
副材混合とは、負極電極中及び/又は負極活物質中に「性質」の異なる炭素質材料が2種以上含有されていることである。ここでいう「性質」とは、X線回折パラメータ、メジアン径、アスペクト比、BET比表面積、配向比、ラマンR値、タップ密度、真密度、細孔分布、円形度、灰分量の群から選ばれる1つ以上の特性を示す。
負極活物質として用いられる合金系材料としては、リチウムを吸蔵・放出可能であれば、リチウム単体、リチウム合金を形成する単体金属及び合金、又はそれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硫化物若しくはリン化物等の化合物のいずれであってもよく、特に制限されない。リチウム合金を形成する単体金属及び合金としては、13族及び14族の金属・半金属元素(即ち炭素を除く)を含む材料であることが好ましく、より好ましくはアルミニウム、ケイ素及びスズ(以下、「特定金属元素」と略記する場合がある)の単体金属及びこれら原子を含む合金又は化合物である。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
負極活物質として用いられるリチウム含有金属複合酸化物材料としては、リチウムを吸蔵・放出可能であれば、特に制限されないが、高電流密度充放電特性の点からチタン及びリチウムを含有する材料が好ましく、より好ましくはチタンを含むリチウム含有複合金属酸化物材料が、さらに好ましくはリチウムとチタンの複合酸化物(以下、「リチウムチタン複合酸化物」と略記する場合がある)が挙げられる。即ちスピネル構造を有するリチウムチタン複合酸化物を、非水系電解液二次電池用負極活物質に含有させて用いると、出力抵抗が大きく低減するので特に好ましい。
[一般式(C)中、Mは、Na、K、Co、Al、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表わす。]
(a)1.2≦x≦1.4、1.5≦y≦1.7、z=0
(b)0.9≦x≦1.1、1.9≦y≦2.1、z=0
(c)0.7≦x≦0.9、2.1≦y≦2.3、z=0
の構造が、電池性能のバランスが良好なため特に好ましい。
本発明における負極活物質としてのリチウムチタン複合酸化物は、上記した要件に加えて、更に、下記の(1)〜(7)に示した物性及び形状等の特徴の内、少なくとも1項目を満たしていることが好ましく、複数の項目を同時に満たすことが特に好ましい。
負極活物質として用いられるリチウムチタン複合酸化物のBET比表面積は、BET法を用いて測定した比表面積の値が、0.5m2・g−1以上が好ましく、0.7m2・g−1以上がより好ましく、1.0m2・g−1以上が更に好ましく、1.5m2・g−1以上が特に好ましく、また、200m2・g−1以下が好ましく、100m2・g−1以下がより好ましく、50m2・g−1以下が更に好ましく、25m2・g−1以下が特に好ましい。
リチウムチタン複合酸化物の体積基準平均粒径(一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には二次粒子径)は、レーザー回折・散乱法により求めた体積基準の平均粒径(メジアン径)で定義される。
一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合においては、リチウムチタン複合酸化物の平均一次粒子径は、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上が更に好ましく、0.2μm以上が特に好ましく、また、2μm以下が好ましく、1.6μm以下がより好ましく、1.3μm以下が更に好ましく、1μm以下が特に好ましい。体積基準平均一次粒子径が、上記範囲を上回ると、球状の二次粒子を形成し難く、粉体充填性に悪影響を及ぼしたり、比表面積が大きく低下したりするために、出力特性等の電池性能が低下する可能性が高くなる場合がある。また、上記範囲を下回ると、通常、結晶が未発達になるために充放電の可逆性が劣る等、二次電池の性能を低下させる場合がある。
リチウムチタン複合酸化物の粒子の形状は、従来用いられるような、塊状、多面体状、球状、楕円球状、板状、針状、柱状等のいずれでもよいが、中でも一次粒子が凝集して、二次粒子を形成して成り、その二次粒子の形状が球状ないし楕円球状であるものが好ましい。
リチウムチタン複合酸化物のタップ密度は、0.05g・cm−3以上が好ましく、0.1g・cm−3以上がより好ましく、0.2g・cm−3以上が更に好ましく、0.4g・cm−3以上が特に好ましく、また、2.8g・cm−3以下が好ましく、2.4g・cm−3以下が更に好ましく、2g・cm−3以下が特に好ましい。リチウムチタン複合酸化物のタップ密度が、上記範囲を下回ると、負極として用いた場合に充填密度が上がり難く、また粒子間の接触面積が減少するため、粒子間の抵抗が増加し、出力抵抗が増加する場合がある。また、上記範囲を上回ると、電極中の粒子間の空隙が少なくなり過ぎ、非水系電解液の流路が減少することで、出力抵抗が増加する場合がある。
リチウムチタン複合酸化物の球形の程度として、円形度を測定した場合、以下の範囲に収まることが好ましい。なお、円形度は、「円形度=(粒子投影形状と同じ面積を持つ相当円の周囲長)/(粒子投影形状の実際の周囲長)」で定義され、円形度が1のときに理論的真球となる。
リチウムチタン複合酸化物のアスペクト比は、1以上が好ましく、また、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下が更に好ましく、2以下が特に好ましい。アスペクト比が、上記範囲を上回ると、極板化時にスジ引きや、均一な塗布面が得られず、短時間高電流密度充放電特性が低下する場合がある。なお、上記範囲の下限は、リチウムチタン複合酸化物のアスペクト比の理論下限値である。
負極の製造は、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のいずれの方法を用いることができる。例えば、負極活物質に、バインダー、溶媒、必要に応じて、増粘剤、導電材、充填材等を加えてスラリーとし、これを集電体に塗布、乾燥した後にプレスして負極活物質層とすることによって形成することができる。
負極活物質層を保持させる集電体としては、公知のものを任意に用いることができる。負極の集電体としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられるが、加工し易さとコストの点から特に銅が好ましい。
さらに、集電体の形状は、集電体が金属材料の場合は、例えば、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル等が挙げられる。中でも、好ましくは金属箔、より好ましくは銅箔であり、さらに好ましくは圧延法による圧延銅箔と、電解法による電解銅箔があり、どちらも集電体として用いることができる。
集電体と負極活物質層の厚さの比は特に制限されないが、「(非水系電解液注液直前の片面の負極活物質層の厚さ)/(集電体の厚さ)」の値が、150以下が好ましく、20以下がさらに好ましく、10以下が特に好ましく、また、0.1以上が好ましく、0.4以上がさらに好ましく、1以上が特に好ましい。集電体と負極活物質層の厚さの比が、上記範囲であると、電池容量を確保することができるとともに、高電流密度充放電時における集電体の発熱を抑制することができる。
負極活物質を結着するバインダー(結着剤)としては、非水系電解液や電極製造時に用いる溶媒に対して安定な材料であれば、特に制限されない。
スラリーを形成するための溶媒としては、負極活物質、バインダー、並びに必要に応じて使用される増粘剤及び導電材を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いてもよい。
増粘剤は、通常、スラリーの粘度を調整するために使用される。増粘剤としては、特に制限されないが、具体的には、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン及びこれらの塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
負極活物質を電極化した際の電極構造は特に制限されないが、集電体上に存在している負極活物質層の密度は、1g・cm−3以上が好ましく、1.2g・cm−3以上がさらに好ましく、1.3g・cm−3以上が特に好ましく、また、2.2g・cm−3以下が好ましく、2.1g・cm−3以下がより好ましく、2.0g・cm−3以下がさらに好ましく、1.9g・cm−3以下が特に好ましい。集電体上に存在している負極活物質層の密度が、上記範囲であると、負極活物質粒子の破壊を防止して、初期不可逆容量の増加や、集電体/負極活物質界面付近への非水系電解液の浸透性低下による高電流密度充放電特性悪化を抑制することができる一方、電池容量の低下や抵抗の増大を抑制することができる。
以上説明した、集電体上に負極活物質層が形成されてなる負極板の厚さは用いられる正極板に合わせて設計されるものであり、特に制限されないが、芯材の金属箔厚さを差し引いた合材層の厚さは通常15μm以上、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、また、通常300μm以下、好ましくは280μm以下、より好ましくは250μm以下である。
また、上記負極板の表面に、これとは異なる組成の物質が付着したものを用いてもよい。表面付着物質としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩等が挙げられる。
負極板の面積は、特に限定されないが、充放電を繰り返したサイクルの寿命や高温保存による劣化を抑制する観点から、できる限り正極に等しい面積に近づけることが、より均一かつ有効に働く電極割合を高めて特性が向上するので好ましい。特に、大電流で使用される場合には、この負極板の面積の設計が重要である。
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。この場合、本発明の非水系電解液は、通常はこのセパレータに含浸させて用いる。
樹脂、ガラス繊維セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、芳香族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエステル、ポリオキシアルキレン、ガラスフィルター等を用いることができる。中でも好ましくはガラスフィルター、ポリオレフィンであり、さらに好ましくはポリオレフィンであり、特に好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンである。これらの材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また上記材料を積層させて用いてもよい。
セパレータの厚さは任意であるが、通常1μm以上であり、5μm以上が好ましく、10μm以上がさらに好ましく、また、通常50μm以下であり、40μm以下が好ましく、30μm以下がさらに好ましい。セパレータが、上記範囲より薄過ぎると、絶縁性や機械的強度が低下する場合がある。また、上記範囲より厚過ぎると、レート特性等の電池性能が低下する場合があるばかりでなく、非水系電解液二次電池全体としてのエネルギー密度が低下する場合がある。
セパレータとして多孔性シートや不織布等の多孔質のものを用いる場合、セパレータの空孔率は任意であるが、通常20%以上であり、35%以上が好ましく、45%以上がさらに好ましく、また、通常90%以下であり、85%以下が好ましく、75%以下がさらに好ましい。空孔率が、上記範囲より小さ過ぎると、膜抵抗が大きくなってレート特性が悪化する傾向がある。また、上記範囲より大き過ぎると、セパレータの機械的強度が低下し、絶縁性が低下する傾向にある。
セパレータの平均孔径も任意であるが、通常0.5μm以下であり、0.2μm以下が好ましく、また、通常0.05μm以上である。平均孔径が、上記範囲を上回ると、短絡が生じ易くなる。また、上記範囲を下回ると、膜抵抗が大きくなりレート特性が低下する場合がある。
一方、無機物の材料としては、例えば、アルミナやチタニアや二酸化ケイ素等の酸化物、窒化アルミや窒化ケイ素等の窒化物、硫酸バリウムや硫酸カルシウム等の硫酸塩が用いられ、粒子形状もしくは繊維形状のものが用いられる。
セパレータの形態としては、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状が挙げられる。薄膜形状では、孔径が0.01〜1μm、厚さが5〜50μmのものが好適に用いられる。上記の独立した薄膜形状以外に、樹脂製の結着材を用いて上記無機物の粒子を含有する複合多孔層を正極及び/又は負極の表層に形成させてなるセパレータを用いることができる。例えば、正極の両面に90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子を、PVdFなどのフッ素樹脂を結着剤として多孔層を形成させることが挙げられる。
セパレータの非水系電解液二次電池における特性を、ガーレ値で把握することができる。ガーレ値とは、フィルム厚さ方向の空気の通り抜け難さを示し、100mlの空気が該フィルムを通過するのに必要な秒数で表されるため、数値が小さい方が通り抜け易く、数値が大きい方が通り抜け難いことを意味する。すなわち、その数値が小さい方がフィルムの厚さ方向の連通性が良いことを意味し、その数値が大きい方がフィルムの厚さ方向の連通性が悪いことを意味する。連通性とは、フィルム厚さ方向の孔のつながり度合いである。セパレータのガーレ値が低ければ、様々な用途に使用することが出来る。例えば非水系リチウム二次電池のセパレータとして使用した場合、ガーレ値が低いということは、リチウムイオンの移動が容易であることを意味し、電池性能に優れるため好ましい。セパレータのガーレ値は、任意ではあるが、好ましくは10〜1000秒/100mlであり、より好ましくは15〜800秒/100mlであり、更に好ましくは20〜500秒/100mlである。ガーレ値が1000秒/100ml以下であれば、実質的には電気抵抗が低く、セパレータとしては好ましい。
セパレータ本体や多孔質フィルムを得る方法の例としては、具体的には、次のような方
法が挙げられる。
(2)結晶性樹脂を高ドラフト比でシート化して作成した高弾性シートに低温延伸と高温延伸を加えて多孔化する延伸法
(3)熱可塑性樹脂に無機又は有機の充填剤を加えて溶融混練、シート化を行い、延伸により樹脂と充填剤の界面を剥離させて多孔化する界面剥離法
(4)ポリプロピレン樹脂にβ晶核剤を添加して溶融混練、シート化を行い、β晶を生成させたシートを延伸して結晶転移を利用して多孔化するβ晶核剤法
なお、製法は湿式、乾式は問わないものとする。
<電極群>
電極群は、上記の正極板と負極板とを上記のセパレータを介してなる積層構造のもの、及び上記の正極板と負極板とを上記のセパレータを介して渦巻き状に捲回した構造のもののいずれでもよい。電極群の体積が電池内容積に占める割合(以下、電極群占有率と称する)は、通常40%以上であり、50%以上が好ましく、また、通常90%以下であり、80%以下が好ましい。
電極群が前述の積層構造のものでは、各電極層の金属芯部分を束ねて端子に溶接して形成される構造が好適に用いられる。1枚の電極面積が大きくなる場合には、内部抵抗が大きくなるので、電極内に複数の端子を設けて抵抗を低減することも好適に用いられる。電極群が前述の捲回構造のものでは、正極及び負極にそれぞれ複数のリード構造を設け、端子に束ねることにより、内部抵抗を低くすることができる。
保護素子として、異常発熱や過大電流が流れた時に抵抗が増大するPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスター、温度ヒューズ、異常発熱時に電池内部圧力や内部温度の急激な上昇により回路に流れる電流を遮断する弁(電流遮断弁)等を使用することができる。上記保護素子は高電流の通常使用で作動しない条件のものを選択することが好ましく、保護素子がなくても異常発熱や熱暴走に至らない設計にすることがより好ましい。
本発明の非水系電解液二次電池は、通常、上記の非水系電解液、負極、正極、セパレータ等を外装体(外装ケース)内に収納して構成される。この外装体に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り公知のものを任意に採用することができる。
また、外装ケースの形状も任意であり、例えば円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大型等の何れであってもよい。
<正極1の作製>
正極活物質としてリン酸鉄リチウム(LiFePO4、Tatung社製)83.5質量%と、導電材としてのアセチレンブラック10質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)6.5質量%とを、N−メチルピロリドン溶媒中で混合して、スラリー化した。得られたスラリーを、予め炭素質材料を塗布した厚さ15μmのアルミ箔の片面に均一に塗布、乾燥し、乾燥後の正極活物質層の塗布量が13.8mg・cm−2となるようにした。その後、正極活物質層の密度が1.85g・cm−3となるようにプレスし、幅30mm、長さ40mm、及び幅5mm、長さ9mmの未塗工部を有する形状に切り出して正極1とした。
正極活物質としてニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)90質量部を用い、カーボンブラック7質量部とポリフッ化ビニリデン3質量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンを加えスラリー化した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔の片面に均一に塗布、乾燥し、乾燥後の正極活物質層の塗布量が11.85mg・cm−2となるようにした。その後、正極活物質層の密度が2.6g・cm−3になるようにプレスし、幅30mm、長さ40mm、及び幅5mm、長さ9mmの未塗工部を有する形状に切り出して正極2とした。
黒鉛に、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウムの水性ディスパージョン(カルボキシメチルセルロースナトリウムの濃度1質量%)と、バインダーとしてスチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョン(スチレン−ブタジエンゴムの濃度50質量%)を加え、ディスパーザーで混合してスラリー化した。得られたスラリーを厚さ12μmの銅箔の片面に均一に塗布、乾燥し、乾燥後の負極活物質層の塗布量が6.0mg・cm−2となるようにした。その後、負極活物質層の密度が1.36g・cm−3になるようにプレスし、幅32mm、長さ42mm、及び幅5mm、長さ9mmの未塗工部を有する形状に切り出して負極とした。
上記の正極1及び負極、並びにセパレータを、負極、セパレータ、正極の順に積層した。セパレータにはポリプロピレン製、厚み20μm、空孔率54%のものを用いた。こうして得られた電池要素を筒状のアルミニウムラミネートフィルムで包み込み、後述する非水系電解液を注入した後で真空封止し、シート状の非水系電解液二次電池11を作製した。更に、電極間の密着性を高めるために、ガラス板でシート状電池を挟んで加圧した。
正極1に代えて正極2を用いること以外は、上記と同様に操作して、非水系電解液二次電池21を作製した。更に、電極間の密着性を高めるために、ガラス板でシート状電池を挟んで加圧した。
<非水系電解液二次電池11の初期充放電試験>
25℃の恒温槽中、シート状の非水系電解液二次電池11を0.05Cで10時間充電後、3時間休止させ、その後3.8Vまで0.2Cで定電流充電した。さらに3時間の休止の後に、3.8Vまで0.2Cで定電流−定電圧充電し、次いで1/3Cで2.5Vまで定電流放電した。この一連の充電における充電容量の総和に対する放電容量の割合を初期効率(%)とした。
上記初期充放電試験後の非水系電解液二次電池11を3.8Vに調整し、60℃にて1週間保存した。保存後の電池に対して、25℃にて3.8Vまでの1/3C定電流−定電圧充電と、これに続く2.5Vまでの1/3C定電流放電の充放電サイクルを3サイクル行った。このときの最後の放電容量を高温保存後容量とし、上記初期充放電試験で求めた初期容量に対する高温保存後容量の割合を、高温保存時の容量維持率(%)とした。
初期充放電試験後及び高温保存時の容量維持率試験後の非水系電解液二次電池11を25℃にて3.8Vに調整し、その状態から25℃と−20℃それぞれにおいて2.5Vまで1C定電流放電を行った。25℃における1C放電容量に対する−20℃における1C放電容量の割合(%)を非水系電解液二次電池21の低温特性と定義した。また、初期低温特性に対する保存後低温特性の割合を低温特性維持率(%)と定義した。
25℃の恒温槽中、シート状の非水系電解液二次電池21を0.05Cで10時間充電後、3時間休止させ、その後4.1Vまで0.2Cで定電流充電した。さらに3時間の休止の後に、4.1Vまで0.2Cで定電流−定電圧充電し、次いで1/3Cで3.0Vまで定電流放電した。この一連の充電における充電容量の総和に対する放電容量の割合を初期効率(%)とした。
上記初期充放電試験後の非水系電解液二次電池21を4.2Vに調整し、60℃にて1週間保存した。保存後の電池に対して、25℃にて4.2Vまでの1/3C定電流−定電圧充電と、これに続く3.0Vまでの1/3C定電流放電の充放電サイクルを3サイクル行った。このときの最後の放電容量を高温保存後容量とし、上記初期充放電試験で求めた初期容量に対する高温保存後容量の割合を、高温保存時の容量維持率(%)とした。
初期充放電試験後及び高温保存時の容量維持率試験後の非水系電解液二次電池21を3.72Vに調整し、その状態から−30℃において種々の電流値で10秒間定電流放電した。これら種々の電流値に対して10秒後の電圧をプロットし、10秒後の電圧が3Vとなるような電流値を求めた。このようにして求められた点と、初期値(開回路状態)の点、及び3V(電流値=0mA)の3点によって囲まれる三角形の面積を非水系電解液二次電池11の低温特性と定義した。また、初期低温特性に対する保存後低温特性の割合を低温特性維持率(%)と定義した。
乾燥アルゴン雰囲気下、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物(容量比3:3:4)に、十分に乾燥したLiPF6を非水系電解液全量中で1モル/Lとなるように溶解させた(以下、この電解液を「基準電解液」と称する場合がある)。
基準電解液に下記式(ii)で表される化合物を非水系電解液中の含有量が0.5質量%となるように加えて非水系電解液を調製した。この非水系電解液を用いること以外は、実施例1と同様にして、非水系電解液二次電池11を作製した。また、容量維持率向上率及び初期効率向上率を算出した。結果を表1に示す。
基準電解液に下記式(iii)で表される化合物を非水系電解液中の含有量が0.5質量%となるように加えて非水系電解液を調製した。この非水系電解液を用いること以外は、実施例1と同様にして、非水系電解液二次電池11を作製した。また、容量維持率向上率及び初期効率向上率を算出した。結果を表1に示す。
基準電解液に下記式(iv)で表される化合物を非水系電解液中の含有量が0.5質量%となるように加えて非水系電解液を調製した。この非水系電解液を用いること以外は、実施例1と同様にして、非水系電解液二次電池11を作製した。また、容量維持率向上率及び初期効率向上率を算出した。結果を表1に示す。
上記式(i)で表される化合物の含有量を1.0質量%に変更すること以外は、実施例1と同様にして、非水系電解液二次電池11を作製した。また、容量維持率向上率及び初期効率向上率を算出した。結果を表1に示す。
上記式(ii)で表される化合物の含有量を1.0質量%に変更すること以外は、実施例2と同様にして、非水系電解液二次電池11を作製した。また、容量維持率向上率及び初期効率向上率を算出した。結果を表1に示す。
基準電解液に上記式(i)で表される化合物を0.5質量%及び上記式(ii)で表される化合物を0.5質量%配合すること以外は、実施例1と同様にして、非水系電解液二次電池11を作製した。また、容量維持率向上率及び初期効率向上率を算出した。結果を表1に示す。
非水系電解液として基準電解液を用いること以外は、実施例1と同様にして、非水系電解液二次電池11を作製した。高温保存時の容量維持率及び初期効率を測定し、これらの値を基準値(100%)として用いた。
実施例1〜4及び比較例1の非水系電解液を用いて、上述の方法で非水系電解液二次電池21を作製した。また、高温保存時の容量維持率及び初期効率を測定し、比較例6の容量維持率と初期効率をそれぞれ基準値(100%)とした際の容量維持率と初期効率の比率(それぞれ「容量維持率向上率」及び「初期効率向上率」と称する場合がある。)を算出した。結果を表1に示す。
ビニレンカーボネート(以下、「VC」とも表す。)を非水系電解液中の含有量が0.5質量%となるようにさらに加えること以外は、実施例1,2及び7と同様にして非水系電解液を調製した。これらの非水系電解液を用いること以外は、実施例1と同様にして、非水系電解液二次電池11を作製した。また、容量維持率向上率及び初期効率向上率を算出した。結果を表2に示す。
実施例8〜10の非水系電解液を用いて、上述の方法で非水系電解液二次電池21を作製した。また、比較例2〜6と同様の方法で、容量維持率向上率及び初期効率向上率を算出した。結果を表2に示す。
実施例7の非水系電解液を用いて、上述の方法で非水系電解液二次電池21を作製した。
Claims (16)
- 集電体と、LixMPO4(Mは周期表第2族〜第12族の金属からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素、xは0<x≦1.2)で表されるリチウム含有リン酸化合物を正極活物質として含有する正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極活物質を含有する負極と、非水系電解液とを備えた非水系電解液二次電池であって、
前記非水系電解液が、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物のうち少なくとも一方を含有することを特徴とする、
非水系電解液二次電池。 - 前記式(1)中、Qが環状骨格を有することを特徴とする、
請求項1に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記一般式(1)中、Qがシクロヘキサン環を有することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記一般式(2)中、R1〜R6が水素原子又は炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基であることを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記一般式(2)中、R1〜R6がメチル基又はエチル基であることを特徴とする、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記一般式(1)で表される化合物が、前記非水系電解液全体に対して0.01〜10質量%含有されることを特徴とする、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記一般式(2)で表される化合物が、前記非水系電解液全体に対して0.01〜10質量%含有されることを特徴とする、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記非水系電解液が、さらに電池の初回充電時に負極上で還元される化合物を含むことを特徴とする、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記負極上で還元される化合物が、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、無水コハク酸、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート及びリチウムトリス(オキサラト)ホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、
請求項10に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記リチウム含有リン酸化合物が、LixMPO4(Mは周期表第4周期の第4族〜第11族の遷移金属からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素、xは0<x≦1.2)で表されることを特徴とする、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記リチウム含有リン酸化合物が、LiFePO4であることを特徴とする、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記負極活物質が、炭素質材料を含むことを特徴とする、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の非水系電解液二次電池。 - 前記集電体表面に、集電体とは異なる化合物組成の導電層を有する、
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の非水系電解液二次電池。 - 集電体と、LixMPO4(Mは周期表第2族〜第12族の金属からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素、xは0<x≦1.2)で表されるリチウム含有リン酸化合物を正極活物質として含有する正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極活物質を含有する負極と、非水系電解液とを備えた非水系電解液二次電池に用いるための、非水系電解液であって、
下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物のうち少なくとも一方を含有することを特徴とする、
非水系電解液。
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