JP2013174713A - 光透過部材の形成方法および撮像装置の製造方法 - Google Patents

光透過部材の形成方法および撮像装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学特性に優れた光透過部材を提供する。
【解決手段】 狭帯域光透過特性を有する光透過部を第1種区域群に形成する第1種工程の後に、光透過部を第2種区域群に形成する第2種工程と、広帯域光透過特性を有する光透過部を第1区域1に形成する第4種工程を行う。
【選択図】 図5

Description

本発明は、狭帯域光透過特性を有する光透過部と広帯域光透過特性を有する光透過部を有する光透過部材に関する。
CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの撮像装置では、従来、赤色光、青色光、緑色光など原色光透過用の光透過部(カラーフィルタ)をベイヤー方式などで配列した光透過部材(カラーフィルタアレイ)が用いられてきた。近年、撮像装置の機能追加や性能向上を目的として、原色光透過用の光透過部に加えて、補色光透過用や白色光透過用の光透過部を追加することが検討されている。これら補色光透過用や白色光透過用の光透過部は、原色光透過用の光透過部よりも光透過波長帯域が広い光透過特性(広帯域光透過特性)を有する。換言すれば、原色光透過用の光透過部は、補色光透過用や白色光透過用の光透過部よりも光透過波長帯域が狭い光透過特性(狭帯域光透過特性)を有する。
特許文献1には、輝度成分を検出することを目的として白色光透過用の光透過部を設けることが開示されている。特許文献2には、ダイナミックレンジの拡大を目的として白色光透過用の光透過部を設けることが開示されている。特許文献3と特許文献4には、焦点検出を目的として白色光透過用の光透過部を設けることが開示されている。特許文献4では、白色光透過用の光透過部Wに隣り合う、赤色光透過用の光透過部Rや形状に起因した画質の低下が指摘されており、それを解決する技術を提案している。
特開2009−130575号公報 特開2011−243817号公報 特開2010−020055号公報 特開2010−147143号公報
しかし、特許文献4の提案では、光透過部Wに隣り合う緑色光透過用の光透過部Gの形状や、光透過部Rに隣り合う光透過部Wと光透過部Gに隣りあう光透過部Wとの形状が十分に考慮されていない。
光透過部材において、広帯域光透過特性を有する光透過部と、狭帯域光透過特性を有する光透過部とが互いに隣り合うと、両者の光透過部の位置や形状によっては、両者が相互に影響し合って、光透過部材の光学特性を低下させる場合がある。
上記課題を解決するための本発明は、所定面内の第1区域と第2区域と第3区域と第4区域と第5区域と第6区域と第7区域と第8区域と第9区域を含む複数の区域の各々に光透過部が配され、前記所定面内の第1方向において、前記第1区域が前記第2区域と前記第3区域の間にあり、前記第2区域および前記第3区域が前記第6区域と前記第7区域の間にあり、前記第2区域が前記第1区域と前記第6区域に隣り合い、前記第3区域が前記第1区域と前記第7区域に隣り合い、前記所定面内の前記第1方向に交差する第2方向において、前記第1区域が前記第4区域と前記第5区域の間にあり、前記第4区域および前記第5区域が前記第8区域と前記第9区域の間にあり、前記第4区域が前記第1区域と前記第8区域に隣り合い、前記第5区域が前記第1区域と前記第9区域に隣り合い、前記第2区域と前記第3区域と前記第4区域と前記第5区域の各々に配された光透過部が所定値以上の透過率を示す波長帯域の少なくとも一部において、前記第1区域に配された光透過部が前記所定値以上の透過率を示し、かつ、前記第2区域と前記第3区域と前記第4区域と前記第5区域の各々に配された前記光透過部が前記所定値未満の透過率を有する波長帯域の少なくとも一部において、前記第1区域に配された光透過部が前記所定値以上の透過率を示す、光透過部材の形成方法であって、前記複数の区域の各々に対応する光透過膜を成膜し、成膜された前記光透過膜を前記複数の区域のいずれかに残留させて光透過部を形成する工程を、互いに異なる光透過特性を有する光透過膜を成膜するごとに行う、一連の工程を有し、前記一連の工程において、前記第2区域と前記第3区域と前記第4区域と前記第5区域に光透過部を形成した後に、前記第1区域と前記第6区域と前記第7区域と前記第8区域と前記第9区域に光透過部を形成することを特徴とする。
本発明によれば、良好な光学特性を有する光透過部材を提供することができる。
撮像装置の一例の模式図。 撮像装置の一例の模式図。 光透過特性の一例。 複数の区域の説明図。 第1実施形態の説明図。 第1実施形態の説明図。 参考形態の説明図。 参考形態の説明図。 第2実施形態の説明図。 第3実施形態の説明図。 第4実施形態の説明図。 前工程、後工程の変形例の説明図。 実施例の説明図。 実施例の説明図。
<光透過部材と撮像装置>
図1、図2を用いて、光透過部材を有する撮像装置の一例を説明する。図1(a)には撮像装置1000としてCMOSイメージセンサを示している。撮像装置1000は撮像領域1100と補助領域1200と周辺領域1300を有することができる。撮像領域1100には光電変換部と画素回路を有する受光画素(有効画素)が行列状に配列されている。補助領域1200には光電変換部と画素回路を有する遮光画素(OB画素)や、画素回路を有し光電変換部を有しない無効画素(NULL画素)を設けることができる。周辺領域1300には画素回路からの信号に対してノイズ除去やAD変換等の信号処理を行う信号処理回路や、画素回路や信号処理回路を駆動する駆動回路、外部との通信を行う電極パッドを設けることができる。本発明はとりわけ撮像領域1100に関する。
本例の撮像領域1100は第1の画素パターンを有する第1撮像領域1110と、第2の画素パターンを有する第2撮像領域1120とを含む。第1撮像領域1110における16行×16列の第1の画素パターンを図1(b−1)に、第2撮像領域1120における16行×16列の第2の画素パターンを図1(b−2)に示す。第1撮像領域1110は撮像領域1100の中央に配されており、第2撮像領域1120は撮像領域1100において第1撮像領域1110の周囲に配されている。図1(b−1)、図1(b−2)では画素の特定を容易にする便宜的な目的で、16行の各々に対してR01〜R16を、16列の各々に対してC01〜C16を示している。
図2はR05/C07〜C11の5画素からなる画素群1110R分のX−Z断面図とR10/C06〜C10の5画素からなる画素群1110L分のX−Z断面図を併記して示している。撮像装置1000は複数の光電変換部501、502、503、504、505、506、507、508、509、510を有する半導体基板500を備える。半導体基板500の上には、第1金属層610と第2金属層620と第3金属層630を含む複数の金属層および絶縁膜600が設けられている。第1金属層610と半導体基板500の間、および各金属層の間には、絶縁膜600を構成する層間絶縁層が設けられている。絶縁膜600の上にはパッシベーション層および/または平坦化層を含む中間膜700が設けられている。光透過部材800は基体としての中間膜700の上に設けられている。なお、基体を中間膜700でなく、半導体基板500あるいは絶縁膜600としてもよく、これ以外の不図示の部材を基体としてもよい。画素群1110Lにおいて、光透過部材800は複数の光透過部206、102、401、103、207を有しており、画素群1110Rにおいて、光透過部材800は複数の光透過部306、102’、401’、103’、307を有している。これら複数の光透過部は、中間膜700の表面から所定距離Dだけ離れた位置の仮想的な平面である所定面PP内に位置しており、撮像領域1100においては、複数の光透過部は撮像面に沿って2次元状に配列されている。また、光透過部材800は、各光透過部206、102、401、103、207、306、102’、401’、103’、307の上設けられた、複数の集光部861、862、863、864、865、866、867、868、869、870を有する。複数の集光部は、それぞれがマイクロレンズである。複数の光電変換部501、502、503、504、505、506、507、508、509、510と、複数の光透過部206、102、401、103、207、306、102’、401’、103’、307と、複数の集光部861、862、863、864、865、866、867、868、869、870とが、それぞれ対応関係を有しており、画素を成している。
説明のために、所定面PPを複数の区域に区分する。図3には複数の区域として、第1区域1、第2区域2、第3区域3、第4区域4、第5区域5、第6区域6、第7区域7、第8区域8、第9区域9、第10区域10、第11区域11、第12区域12、第13区域13を示している。本例では、各区域の形状は四角形であるが、少なくともいずれかの区域が六角形や八角形であってもよく、各区域の形状が互いに異なっていてもよい。
複数の区域の位置関係を説明するために、所定面PP内にX方向とY方向とφ方向とθ方向を定義する。X方向とY方向とφ方向とθ方向は互いに交差する。本例のように典型的には、X方向とY方向、θ方向とφ方向は、それぞれ互いに直交するが、これに限定されることはなく、例えばX方向とY方向の成す角度が60度であってもよい。また、本例のように典型的にはX方向とφ方向、Y方向とφ方向、X方向とθ方向、Y方向とθ方向のそれぞれの成す角度は45°であるが、45度以外の角度であってもよい。本例では、撮像領域1100に設けられた複数の水平走査線(不図示)がX方向に沿って設けられ、複数の垂直出力線(不図示)がY方向に沿って設けられる。しかし、複数の水平走査線がX方向およびY方向に交差して例えばφ方向に沿って設けられ、複数の水平走査線がX方向およびY方向に交差して例えばθ方向に沿って設けられていてもよい。
X方向において、第1区域1が第2区域2と第3区域3の間にある。X方向において、第2区域2および第3区域3が第6区域6と第7区域7の間にある。第2区域2が第1区域1と第6区域6に隣り合う。第3区域3が第1区域1と第7区域7に隣り合う。すなわち、X方向の−X側から+X側へ向かって、第6区域6と第2区域2と第1区域1と第3区域3と第7区域7がこの順で連続して並んでいる。
Y方向において、第1区域1が第4区域4と第5区域5の間にある。Y方向において、第4区域4および第5区域5が第8区域8と第9区域9の間にある。第4区域4が第1区域1と第8区域8に隣り合い、第5区域5が第1区域1と第9区域9に隣り合う。すなわち、Y方向の−Y側から+Y側へ向かって、第8区域8と第4区域4と第1区域1と第5区域5と第9区域9がこの順で連続して並んでいる。
φ方向において第1区域1が第10区域10と第11区域11の間にある。第10区域10が第2区域2および第5区域5に隣り合う。第11区域11が第3区域3および第4区域4に隣り合う。すなわち、φ方向の−φ側から+φ側へ向かって、第10区域10と第1区域1と第11区域11がこの順で並んでいる。
第10区域10と第11区域11の間隔は、第6区域6と第7区域7の間隔および第8区域8と第9区域9の間隔よりも狭い。本例では、第10区域10と第11区域11の間隔は第2区域2と第3区域3の間隔および第4区域4と第5区域5の間隔よりも広い。しかし第10区域10と第11区域11の間隔は第2区域2と第3区域3の間隔および第4区域4と第5区域5の間隔の少なくとも一方の間隔以下であってもよい。
なお、本例では、第10区域10は第1区域1に点で隣り合っているが、辺で隣り合っていてもよい。第10区域10と第1区域1との間に第2区域2と第5区域5の一部が位置する場合には、第10区域10が第1区域1に隣り合わなくてもよい。第11区域11と第1区域1と第3区域3と第4区域4についても同様である。
θ方向において第1区域1が第12区域12と第13区域13の間にある。第12区域12が第2区域2および第4区域4に隣り合う。第13区域13が第3区域3および第5区域5に隣り合う。すなわち、θ方向の−θ側から+θ側へ向かって、第12区域12と第1区域1と第13区域13がこの順で並んでいる。
第12区域12と第13区域13の間隔は、第6区域6と第7区域7の間隔および第8区域8と第9区域9の間隔よりも狭い。本例では、第12区域12と第13区域13の間隔は第2区域2と第3区域3の間隔および第4区域4と第5区域5の間隔よりも広い。しかし、第12区域12と第13区域13の間隔は第2区域2と第3区域3の間隔および第4区域4と第5区域5の間隔の少なくとも一方の間隔以下であってもよい。
なお、本例では、第12区域12は第1区域1に点で隣り合っているが、辺で隣り合っていてもよい。第12区域12と第1区域1との間に第2区域2と第4区域4の一部が位置する場合には、第12区域12が第1区域1に隣り合わなくてもよい。第13区域11と第1区域1と第3区域と第5区域5についても同様である。
第2区域2と第3区域3と第4区域4と第5区域5を含む区域群を「第1種区域群」と称する。第1種区域群の各区域は第1区域1に隣り合う。第6区域6と第7区域7と第8区域8と第9区域9を含む区域群を「第2種区域群」と称する。第2種区域群の各区域は、第1種区域群に隣り合い、第1種区域群に対して第1区域1とは反対側に位置する。第10区域10と第11区域11と第12区域12と第13区域13を含む区域群を「第3種区域群」と称する。第3種区域群の各区域は、第1種区域群に隣り合い、第2種区域群よりも第1区域1の近くに位置する。本実施形態では、とりわけ、第1区域1と第1種区域群と第2種区域群が重要である。
図2に示した光透過部材800の複数の光透過部206、102、401、103、207、306、102’、401’、103’、307、は、互いに光透過特性が異なる。具体的には、光透過部102、103、102’、103’は、第1光透過特性Gを有する。光透過部206、207は、第2光透過特性Bを有する。光透過部306、307は、第3光透過特性Rを有する。光透過部401、401’は第4光透過特性Wを有する。典型的な撮像装置においては、第1光透過特性Gを有する光透過部102、103、102’、103’と、第2光透過特性Bを有する光透過部206、207と、第3光透過特性Rを有する光透過部306、307は、それぞれカラーフィルタである。そのため、典型的な撮像装置においては、光透過部材800はカラーフィルタアレイを含む。なお、図1(b−1)、図1(b−2)に示したG,B,R,Wは、図2に示した、中間膜700の表面から所定距離Dだけ離れた位置の仮想的な平面である所定面PPにおける各画素ごとの光透過部の光透過特性を表している。以下の説明では、第1区域1に位置する光透過部401、401’は、第4光透過特性を有するものとして説明を行う。例えば、図1(b−1)に示したように、R10/C08の画素の光透過部401が第1区域1に位置するから、R10/C07とR10/C09とR09/C08とR11/C08の画素の光透過部が第1種区域群に位置することになる。また、R10/C06とR10/C10とR08/C08とR12/C08の画素の光透過部が第2種区域群に位置することになる。また、R09/C07とR09/C09とR11/C07とR11/C09の画素の光透過部が第3種区域群に位置することになる。
図4には第1光透過特性G,第2光透過特性B,第3光透過特性R,第4光透過特性Wの分光透過率の一例を示している。ここで、第1光透過特性G,第2光透過特性Bおよび第3光透過特性Rを狭帯域光透過特性と総称し、第4光透過特性Wを広帯域光透過特性と言い換える。狭帯域光透過特性の各々について、他の狭帯域光透過特性より高い透過率を示す波長帯域を「相対的透過波長帯域」と呼ぶことにする。狭帯域光透過特性の各々について、他の狭帯域光透過特性の透過率以下の透過率を示す波長帯域を「相対的不透過波長帯域」と呼ぶことにする。例えば、第1光透過特性Gを有する光透過部は、その相対的透過波長帯域である波長帯域g1において、第2光透過特性Bを有する光透過部および第3光透過特性Rを有する光透過部よりも高い透過率を示す。第1光透過特性Gを有する光透過部は、その相対的不透過波長帯域である波長帯域b1において、第2光透過特性Bを有する光透過部の透過率以下の透過率を示す。第1光透過特性Gを有する光透過部は、その相対的不透過波長帯域である波長帯域r1において、第3光透過特性Rを有する光透過部の透過率以下の透過率を示す。第2光透過特性Bの相対的透過波長帯域である波長帯域b1と、第2光透過特性Bの相対的不透過波長帯域である波長帯域g1、r1についても同様である。第3光透過特性Rの相対的透過波長帯域である波長帯域r1と、第3光透過特性Rの相対的不透過波長帯域である波長帯域g1、b1についても同様である。
また、狭帯域光透過特性の各々について、所定値以上の透過率を示す波長帯域を「絶対透過波長帯域」と呼ぶことにする。狭帯域光透過特性の各々について、所定値未満の透過率を示す波長帯域を「絶対的不透過波長帯域」と呼ぶことにする。所定値は25%以上であればよいが、実用的には所定値は50%以上とする。図4には、所定値を50%とした場合の、第1光透過特性Gの絶対的透過波長帯域である波長帯域g2と第2光透過特性Bの絶対的透過波長帯域である波長帯域b2と第3光透過特性Rの絶対的透過波長帯域である波長帯域r2を示している。図4から理解されるように、光透過特性R,G,Bごとの相対的透過波長帯域は互いに重ならないが、絶対的透過波長帯域は重なる場合がある。所定値は、絶対的透過波長帯域が相対的波長帯域よりも狭くなるように設定するとよい。たとえば、図4の光透過特性R,G,Bにおいて、所定値を75%に設定すると、各光透過特性の絶対的透過波長帯域は、その光透過特性の相対的透過波長よりも狭くなる。
本例では、狭帯域光透過特性を有する光透過部206、102、103、207、306、102’、103’、307は、原色光透過用のカラーフィルタである。そのため、第1光透過特性Gと第2光透過特性Bと第3光透過特性Gの各々について、相対的透過波長帯域および絶対的透過波長帯域が連続した1つの波長帯域のみで構成されている。具体的には、第1光透過特性Gの相対的透過波長帯域g1と絶対的透過波長帯域g2は緑色光の波長帯域にあり、青色光の波長帯域と赤色光の波長帯域にはない。第2光透過特性Bの相対的透過波長帯域b1と絶対的透過波長帯域b2は青色光の波長帯域にあり、緑色光と赤色光の波長帯域にはない。第3光透過特性Rの相対的透過波長帯域r1と絶対的透過波長帯域r2は赤色光の波長帯域にあり、緑色光と青色光の波長帯域にはない。
しかし、光透過部206、102、103、207、306、102’、103’、307は、原色光透過用のカラーフィルタであることには限定されない。例えば、各透過部のいずれかが青緑色(シアン)、赤紫色(マゼンタ)、黄色(イエロー)など、原色光に対する補色光透過用のカラーフィルタであってもよい。その場合、各透過部の光透過特性において、相対的透過波長帯域および/または絶対的透過波長帯域が互いに分離した複数の波長帯域で構成される場合がある。また、狭帯域光透過特性を有する光透過部が、原色光透過用のカラーフィルタである光透過部と、原色光に対する補色光透過用のカラーフィルタである光透過部を含んでいてもよい。
少なくとも第1種区域群の全区域に位置する光透過部は、それぞれが狭帯域光透過特性を有する。図1(b−1)に示した例では、第1種区域群の全区域に位置する光透過部は全て第1光透過特性Gを有する。なお、第1種区域群の全区域に位置する光透過部が互いに異なる狭帯域光透過特性を有していてもよい。また、第2種区域群と第3種区域群に位置する光透過部は狭帯域光透過特性を有していてもよいし、広帯域光透過特性を有していてもよい。
そして、上述したように、第4光透過特性Wとして説明した、第1区域1に位置する光透過部401、401’の光透過特性(広帯域光透過特性)は次の条件(1)および条件(2)を満たす。
条件(1) 第4光透過特性Wは、第1種区域群の全区域の各々に位置する光透過部の光透過特性の絶対的透過波長帯域の少なくとも一部において、所定値以上の屈折率を示す。
条件(2) 第4光透過特性Wは、第1種区域群の全区域の各々に位置する光透過部の光透過特性の絶対的不透過波長帯域の少なくとも一部において、所定値以上の屈折率を示す。
例えば、第1種区域群の全区域に位置する光透過部が全て第1光透過特性Gを有する場合、第4光透過特性Wは、第1光透過特性Gの絶対的透過波長帯域である波長帯域g2において、所定値以上の透過率を示すため、条件(1)を満たす。加えて、第4光透過特性Wは、第1光透過特性Gの絶対的透過波長帯域である波長帯域r2とb2の少なくとも一方において、所定値以上の透過率を示すため、条件(2)を満たす。本例のように、第4光透過特性Wは、絶対的透過波長帯域および絶対的不透過波長帯域の全帯域において、所定値以上の屈折率を示すことが好ましい。
第1種区域群の全区域に位置する光透過部が全て同じ光透過特性を有する必要はない。第1種区域群の一部の区域に位置する光透過部が第1光透過特性Gを有し、第1種区域群の残りの一部の区域に位置する光透過部が第2光透過特性Bを有する場合について説明する。第4光透過特性Wは、第1光透過特性Gの絶対的透過波長帯域である波長帯域g2において、所定値以上の透過率を示し、かつ、第4光透過特性Wは、第2光透過特性Bの絶対的透過波長帯域である波長帯域b2において、所定値以上の透過率を示すため、条件(1)を満たす。加えて、第4光透過特性Wは、第1光透過特性Gの絶対的不透過波長帯域であり、かつ、第2光透過特性Bの絶対的不透過波長帯域である波長帯域r2において、所定値以上の透過率を示すため、条件(2)を満たす。
第1区域1に位置する光透過部401、401’の光透過特性(広帯域光透過特性)は次の条件(3)を満たすことが好ましい。
条件(3) 第4光透過特性Wは、第1種区域群の全区域の各々に位置する光透過部の光透過特性の絶対的透過波長帯域において、第1種区域群の全区域の各々に位置する光透過部の透過率の最大値より高い透過率を示す。
図4の例では、第1光透過特性Gの絶対的透過波長帯域である波長帯域g2において、第4光透過特性Wの透過率は50%以上であり、さらには、第1光透過特性Gの透過率(86%)より高い透過率(95%以上)を示す。第2光透過特性Bの絶対的透過波長帯域である波長帯域b2において、第4光透過特性Wの透過率は50%以上であり、さらには、第2光透過特性Bの透過率(78%)より高い透過率(90%以上)を示す。第3光透過特性Rの絶対的透過波長帯域である波長帯域r2において、第4光透過特性Wの透過率は50%以上であり、さらには、第3光透過特性Rの透過率(94%)より高い透過率(95%以上)を示す。このように、典型的には、第4光透過特性Wを有する光透過部は白色光透過用の材料からなる。
第1区域1に位置する光透過部が白色光透過用の材料からなることには限定されない。第1種区域群の全区域に位置する光透過部が全て緑色光透過用のカラーフィルタである場合、第1区域1に位置する光透過部が、黄色光透過用または青緑色光透過用のカラーフィルタであっても上記条件(1)および条件(2)を満たすことができる。また、第1種区域群に位置する光透過部が緑色光透過用のカラーフィルタと青色光透過用のカラーフィルタである場合、第1区域1に位置する光透過部が赤紫光透過用のカラーフィルタであっても、上記条件(1)および条件(2)を満たすことができる。なお、第1種区域群に、赤色光透過用のカラーフィルタと緑色光透過用のカラーフィルタと青色光透過用のカラーフィルタが位置する場合には、第1区域1に位置する光透過部としては白色光透過用の材料が用いられる。また、第1種区域群に、原色光に対する補色光透過用のカラーフィルタが位置する場合にも、第1区域1に位置する光透過部としては白色光透過用の材料が用いられる。
図1に示した撮像装置は、撮像面で焦点検出が可能である。第1撮像領域1110は狭帯域光透過特性(R,G,B)を有する光透過部が設けられた撮像用画素と、広帯域光透過特性(W)を有する光透過部が設けられた焦点検出用画素を含んでいる。第1撮像領域1120は撮像用画素のみを含み焦点検出用画素を含んでいない。なお、本例のように焦点検出用画素を撮像領域1100の一部に偏在させた配置に限らず、焦点検出用画素を撮像領域1100の全体に遍在させた配置を採用することもできる。また、焦点検出用画素は撮像用画素として兼用することもできる。
本例では、R05/C09(5行目9列目)とR10/C08(5行目9列目)の画素が焦点検出用画素であり、この2つの焦点検出用画素が対になって焦点検出を行う。このほか、図1(b−1)では、R03/C03とR06/C02の焦点検出用画素が対になり、R03/C15とR06/C14の焦点検出用画素が対になり、R15/C03とR12/C14の焦点検出用画素が対になっている。
図2に示す様に、R05/C09の焦点検出用画素では第1金属層710の一部が光電変換部503の一部を遮光している。R05/C09の焦点検出用画素に入射した光は、第1金属層610のスリットを介して図面上、光電変換部503の左半分にのみ入射し得るように構成されている。図2に示す様に、R10/C08の焦点検出用画素では第1金属層610の一部が光電変換部513の一部を遮光している。図2R10/C08の焦点検出用画素に入射した光は、第1金属層610のスリットを介して、図面上光電変換部508の右半分にのみ入射し得るように構成されている。このような構成において、図2に示した光線のように、図面上で右斜め上から入射した光は、R05/C09の焦点検出用画素で検出される。また、図2には不図示であるが、図面上で左斜め上から入射した光線は、R10/C08の焦点検出用画素で検出される。対になるR05/C09の焦点検出用画素WとR10/C08の焦点検出用画素の信号を比較することにより、撮像領域1100で撮影する像の合焦状態を判断することが可能になる。なお、図2に示す様に、焦点検出用画素の集光部863、868は、他の集光部に比べて焦点距離が短くなっている、すなわち、他の集光部に比べて集光部863、868の焦点が所定面PPに近いことが好ましい。本例では、集光部863、868は他の集光部に比べて曲率が大きく、さらに、厚みも大きいが、曲率と厚みのどちらか一方のみが大きくてもよい。撮像用画素の集光部は第1金属層610に対して光電変換部側に焦点を形成するのに対し、焦点検出用画素の集光部は撮像用画素の集光部よりも光電変換部から遠い位置、本例では第1金属層610の高さに焦点を形成する。これにより、焦点検出の精度を向上することができる。本例では、対を成す2つの焦点検出用画素を用いて焦点検出を行うものとして説明したが、焦点検出用画素の光電変換部を、拡散分離や絶縁分離を用いて互いに電気的に分離した複数の光電変換領域を有するように構成することもできる。その場合、複数の光電変領域の各々で光電変換された信号電荷に基づく信号を比較することにより、一つの焦点検出用画素で焦点検出が可能となる。
なお、広帯域光透過特性を有する光透過部が設けられた画素が、焦点検出用画素であることは必須ではなく、単なる撮像用画素として用いてもよいし、測光用画素や、ダイナミックレンジを向上するための画素として用いてもよい。
<光透過部材の形成方法>
光透過部材の形成方法は、大別して、前工程、主工程、後工程を有することができる。前工程は、主工程に備えて基体を用意する工程である。主工程は、複数の区域の各々に光透過部を形成する工程である。後工程は、複数の集光部を形成する工程である。後工程は省略することもできる。
実施形態に係る光透過部材の形成方法においては、主工程で、第1区域1と第1種区域群と第2種区域群に少なくとも2種類の光透過特性を有する光透過部を形成する。第1区域1には第4光透過特性Wを有する光透過部が形成され、第1種区域群の全区域の各々には、第1光透過特性Gと第2光透過特性Bと第3光透過特性Rから選ばれた光透過特性を有する光透過部が形成される。
所定の光透過特性を有する光透過部は、成膜段階を含む形成工程によって形成される。成膜段階では所定の光透過特性を有する光透過膜を基体上に成膜する。成膜段階で成膜される光透過膜の厚みは所定距離Dよりも大きい。成膜段階で成膜する光透過膜は複数の区域の全区域に対応して成膜される。詳細には、光透過膜は、複数の区域の全区域の各々に対して、その区域に位置するか、その区域に位置せずにその区域の上方に位置するかのいずれかの状態で成膜される。第1区域1と第1種区域群と第2種区域群に少なくとも2種類の光透過特性を有する光透過部を形成するため、光透過部材の形成方法は、各々が、互いに異なる光透過特性を有する光透過膜を基体上に成膜する成膜段階を含む複数の形成工程を有する。複数の形成工程からなる一連の工程が主工程である。なお、複数の形成工程は、同じ光透過特性を有する光透過膜を基体上に成膜する成膜段階を2回に分けて有していてもよい。複数の形成工程の工程数をnとして、複数の形成工程の最初の形成工程を第1次工程と称し、第1次工程の次の形成工程を第2次工程と称し、複数の形成工程の最後の形成工程を第n次工程と称する。
各形成工程における成膜段階では、複数の区域の全区域に対応して成膜できる成膜法が選択され、液相成膜か固相成膜が用いられる。液相成膜では回転塗布法(スピンコーティング法)や浸漬法(ディッピング法)、噴霧法(スプレー法)などの塗布法を用いることができる。固相成膜では、スパッタ法や蒸着法などを用いることができる。なお、形成工程ごとに成膜法を変えてもよい。回転塗布法が特に実用的であり、好ましく用いることができる。液相成膜でもインクジェット法やスクリーン印刷法は、複数の区域のいずれかに光透過膜が成膜されない区域が生じやすいため、避けることが好ましい。
複数の形成工程の各々は、必要に応じて、その形成工程で成膜された光透過膜の一部を除去してパターニングするパターニング段階を含み得る。パターニング段階では、レジストマスクを用いて光透過膜のエッチングを行うことにより光透過膜をパターニングすることができる。感光性を有する光透過膜を用いることにより、フォトマスクを用いて光透過膜を露光し、現像することにより光透過膜をパターニングすることもできる。光透過部材の形成を簡略化する上では、後者の方法が好ましい。複数の工程の内、パターニング段階を行わない形成工程では、光透過膜が感光性を有する必要はない。
複数の形成工程の内、第1種区域群に残留させるパターニング段階を含む全ての形成工程を、「第1種工程」と称する。1つの形成工程のみが第1種工程に該当する場合もあるし、2つ以上の形成工程が第1種工程に該当する場合もある。
複数の形成工程の内、第2種区域群に残留させるパターニング段階を含む全ての形成工程を、「第2種工程」と称する。1つの形成工程のみが第2種工程に該当する場合もあるし、2つ以上の形成工程が第2種工程に該当する場合もある。
複数の形成工程の内、第3種区域群に残留させるパターニング段階を含む全ての形成工程を、「第3種工程」と称する。1つの形成工程のみが第3種工程に該当する場合もあるし、2つ以上の形成工程が第3種工程に該当する場合もある。
複数の形成工程の内、第1区域1に第4光透過特性Wを有する膜を成膜する形成段階を「第4種工程」と称する。
光透過部材の形成方法では、少なくとも次の条件(i)、(ii)を満たす形成方法を採用する。条件(i)および条件(ii)を満たすことで、良好な光学特性を有する光透過部材800を形成することができる。
条件(i) 第2種工程を第1種工程の後に行う。
条件(ii) 第4種工程を第1種工程の後に行う。
条件(i)および条件(ii)を満たした上で、第1種工程と第2種工程と第3種工程の第4種工程の順序を適宜設定することができる。また、条件(i)および条件(ii)を満たした上で、第2種工程と第3種工程と第4種工程の内の2つ以上の工程を同時に行うことができ、第1種工程と第3種工程を同時に行うこともできる。
複数の形成工程の内、少なくとも第4種工程の前に行う全ての形成工程では、各形成工程で成膜された光透過膜の第1区域1に位置する部分を除去するパターニング段階を含む。これは、第4種工程で第1区域1に光透過膜の一部を第1区域1に配置するためである。
また、各実施形態では、次の条件(iii)を満たす形成方法を採用することが好ましい。条件(iii)を満たすことで、より良好な光学特性を有する光透過部材800を形成することができる。これは、第1種工程で形成される光透過部の形状が第3種工程で形成される光透過部の形状に影響されないことが一因として挙げられる。
条件(iii) 第3種工程を第1種工程の後に行う。
また、次の条件(iv)を満たす形成方法を採用することが好ましい。条件(iv)を満たすことで、より良好な光学特性を有する光透過部材800を形成することができる。これは、第4種工程で形成される光透過部の形状が第3種工程で形成される光透過部の形状に影響されないことが一因として挙げられる。
条件(iv) 第4種工程を第3種工程の後に行う。
各実施形態では、次の条件(v)を満たす形成方法を採用することが好ましい。条件(v)を満たすことで、より良好な光学特性を有する光透過部材800を形成することができる。また、光透過部材800を簡単に形成することができる。
条件(v) 第4種工程を最後に行う。
第4種工程の後に第2種工程と第3種工程の少なくとも一方を行う場合には、第4種工程の後に行う形成工程で成膜される光透過膜を残留させる区域から、第4種工程で成膜される光透過膜を除去するパターニング段階を第4種工程が含むことになる。一方、条件(v)を満たす場合、第4種工程が、第4種工程で成膜される光透過膜を除去するパターニング段階を含む必要はない。
第1種工程と第2種工程と第3種工程と第4種工程の順序の組み合わせは4!=24通り考えられる。なお、下記の24通りの中には順番が前後する2つ以上の工程を同時に行う場合も含まれる。例えば、2番目として記載した種類の工程と3番目として記載した種類の工程を同時に行うこともできる。表1には、24通りの方法イ、ロ、ハ・・・ウについて、条件(i)と条件(ii)のそれぞれについて、条件を満たす方法には○を、満たさない方法には×を付した。また、条件(iii)と条件(iv)と条件(v)について、条件を満たす方法には○を、満たさない方法には△を付した。条件(i)と条件(ii)の少なくとも一方を満たさない方法には×の判定を付している。条件(iii)と条件(iv)のうち、1つを満たし1つを満たさない方法には△または□の判定を付し、2つを満たす方法には○または◎の判定を付している。このうち、条件(v)を満たす方法には□または◎を付している。判定が×よりも△、△よりも□、□よりも○、○よりも◎の方法が、良好な光学特性を有する光透過部材を得ることができる。方法イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、チ、ヌが本実施形態の範疇に含まれる。
Figure 2013174713
後工程では、複数の集光部を形成する。集光部としてのマイクロレンズは、リフロー法やエッチバック法、階調露光法、インプリント(型押し)法等を用いて形成することができる。必要に応じて平坦化層や反射抑制層を形成することもできる。
<撮像装置の製造方法>
撮像装置の製造方法は、半導体基板に複数の光電変換部、画素回路、制御回路、信号処理回路を構成するダイオードやトランジスタなどの半導体素子形成する素子工程を有する。素子工程では、イオン注入等の公知の方法を用いることが出来る。このようにして、複数の光電変換部を有する半導体基板500を形成する。また、ダイオードやトランジスタなどを配線で必要に応じてこれらの半導体素子を配線する配線工程を有する。配線工程では、公知の方法で複数の金属層610〜630および複数の層間絶縁層を含む絶縁膜600を形成する。そして、光透過性部材を形成する工程を有する。光透過性部材を上述した光透過性部材の形成方法を用いて形成する。典型的には、光透過性部材を形成する工程は素子工程および配線工程の後に行われるが、必要に応じて、配線工程の一部を光透過性部材の形成後に行ってもよい。
以下、光透過部材の形成方法の実施形態について具体的に説明する。
<第1実施形態>
図5(a)〜(f)および図6(a)〜(f)には方法イを採用した場合の一例である第1実施形態を示している。なお、図5(a)〜(f)において、光透過部を形成済の区域を示す符号は□で囲んでいる。図6(a)〜(f)は光透過部材の形成工程における断面図を示している。図6(a)〜(f)において、下段は、図4においてX方向の−X側から+X側にこの順で並んだ、第6区域6と第2区域2と第1区域1と第3区域3と第7区域7を含む領域の断面図である。図6(a)〜(f)において、上段は、図4においてX方向の−X側から+X側にこの順で並んだ、第10区域10と第5区域5と第13区域13を含む領域の断面図である。
前工程:絶縁膜600の上に、窒化シリコンからなるパッシベーション層を形成し、樹脂からなる平坦化層を回転塗布法を用いて形成する。これにより、上面が平坦な中間膜700が得られる。エッチバック法を用いて平坦化してもよい。このようにして、平坦な面を有する中間膜700を基体として準備する。図5(a)、図6(a)は図4で説明したように、中間膜700上に光透過部材800を形成する前の所定面PPの各区域を示している。
第1次工程:まず、中間膜700上に第1光透過特性Gを有する光透過膜100を成膜する成膜段階を行う(図6(b−1))。そして、光透過膜100を、第1種区域群の第2区域2、第3区域3、第4区域4、第5区域5に残留させ、第2種区域群の全区域、第2種区域群の全区域および第1区域1から除去するパターニング段階を行う(図6(b−2))。この第1次工程により第1種区域群の全区域に第1光透過特性Gを有する光透過部(光透過部102、103、105のみ図示)を形成する(図5(b))。この第1次工程が第1種工程に該当する。
第2次工程:第1次工程の後に、中間膜700上に第2光透過特性Bを有する光透過膜200を成膜する成膜段階を行う(図6(c−1))。そして、光透過膜200を、第2種区域群の第5区域5、第6区域6、第7区域7、第8区域および第9区域9に残留させ、第1種区域群の全区域の上方、第3種区域群および第1区域1から除去するパターニング段階を行う(図6(c−2))。なお、第1種区域群の上方から除去するのは、第1種区域群にはすでに第1光透過特性Gを有する光透過部が存在しているため、光透過膜200の一部は第1光透過特性Gを有する光透過部の上に位置していることを意味する。この第2次工程により第2種区域群の全区域に第2光透過特性Bを有する光透過部(光透過部206、207のみ図示)を形成する(図5(c))。この第2次工程が第2種工程に該当する。
第3次工程:第2次工程の後に、中間膜700上に第3光透過特性Rを有する光透過膜300を成膜する成膜段階を行う(図6(d−1))。そして、光透過膜300を、第3種区域群の第10区域10、第11区域11、第12区域12および第13区域13に残留させ、第1種区域群の全区域の上方と、第2種区域群の全区域の上方と、第1区域1から除去するパターニング段階を行う(図6(d−2))。この第3次工程により第3種区域群の全区域に第3光透過特性Rを有する光透過部(光透過部310、313のみ図示)を形成する(図5(d))。この第3次工程が第3種工程に該当する。
第4次工程:第3次工程の後に、中間膜700上に第4光透過特性Wを有する光透過膜400を成膜する成膜段階を行う(図6(e))。その後は、撮像領域1100内でパターニング段階は行わない。したがって、光透過膜400は、第1種区域群の上方、第2種区域群の上方および第3種区域群の上方に残留したままである。この第4次工程により第1区域1に第4光透過特性Wを有する光透過部401を形成する。この第4次工程が第4種工程に該当する(図5(e))。
後工程:第4次工程の後に、光透過膜400上に複数の集光部を形成する。複数の集光部の内、第1種区域群の全区域の上方に位置する集光部と第1種区域群に設けられた光透過部の間には光透過膜400が介在している。
以上のようにして、光透過部材800を形成することができる。
<参考形態>
図7(a)〜(f)および図8(a)〜(f)には方法リを採用した場合の参考形態を示している。図7(a)〜(f)および図8(b)〜(f)の表現方法は図5(a)〜(f)および図6(a)〜(f)と同じであるので、説明を省略する。
前工程:図7(a)は図4で説明したように、中間膜700上に光透過部材800を形成する前の所定面PPの各区域を示しており、図7(a)に対応する断面図は図6(a)と同様であるので説明を省略する。
第1次工程:まず、中間膜700上に第2光透過特性Bを有する光透過膜200を成膜する成膜段階を行う(図8(b−1))。そして、光透過膜200を、第2種区域群の第6区域6、第7区域7、第8区域8、第9区域9に残留させ、第1種区域群の全区域、第3種区域群の全区域および第1区域1から除去するパターニング段階を行う(図8(b−2))。この第1次工程により第2種区域群の全区域に第2光透過特性Bを有する光透過部(光透過部306、307のみ図示)を形成する(図7(b))。この第1次工程が第2種工程に該当する。
第2次工程:第1次工程の後に、中間膜700上に第1光透過特性Gを有する光透過膜100を成膜する成膜段階を行う(図8(c−1))。そして、光透過膜100を、第1種区域群の第2区域2、第3区域3、第4区域4、第5区域5に残留させ、第2種区域群の全区域の上方、第3種区域群および第1区域1から除去するパターニング段階を行う(図8(c−2))。なお、第2種区域群の上方から除去するのは、第2種区域群にはすでに第2光透過特性Bを有する光透過部が存在しているため、光透過膜100の一部は第2光透過特性Bを有する光透過部の上に位置していることを意味する。この第2次工程により第1種区域群の全区域に第1光透過特性Gを有する光透過部(光透過部102、103、105のみ図示)を形成する(図7(c))。この第2次工程が第1種工程に該当する。
第3次工程:第2次工程の後に、中間膜700上に第4光透過特性Wを有する光透過膜400を成膜する成膜段階を行う(図8(d−1))。そして、光透過膜400を、第1区域1に残留させ、第1種区域群の全区域の上方と、第2種区域群の全区域の上方と第3区域群の全区域から除去するパターニング段階を行う(図8(d−2))。この第3次工程により第1区域1に第4光透過特性Wを有する光透過部(光透過部401)を形成する(図7(d))。この第3次工程が第4種工程に該当する。
第4次工程:第3次工程の後に、中間膜700上に第3光透過特性Rを有する光透過膜300を成膜する成膜段階を行う(図8(e))。そして、光透過膜300を、第3種区域群の第10区域10、第11区域11、第12区域12および第13区域13に残留させ、第1種区域群の全区域の上方と、第2種区域群の全区域の上方と、第1区域1の上方から除去するパターニング段階を行う(図8(d−2))。この第4次工程により第1区域1に第3光透過特性Rを有する光透過部(光透過部310、313のみ図示)を形成する(図7(d))。この第4次工程が第3種工程に該当する。
後工程:第4次工程の後に、中間膜700上に平坦化膜850を成膜する。平坦化膜850上に複数の集光部を形成する。複数の集光部の内、第1区域1の上方に位置する集光部と第1区域1に設けられた光透過部の間には平坦化膜850が介在している。
以上のような参考形態を採用しても、光透過部材800を形成することができる。
しかし、参考形態の場合、他の実施形態に比べて不利な点が存在する。不利な点の一つ目は、第1種区域群の各区域の光透過部の形状に関する点である。第1種区域群と第2種区域群を比較すると、第1種区域群の各区域に設けられる光透過部は、広帯域光透過特性を有する、第1区域1に設けられた光透過部の影響を、第2種区域群の各区域に設けられる光透過部よりも受けやすい。
これは、条件(i)と条件(ii)の一方を満たさないことに理由がある。上記参考形態の場合には、条件(i)を満たしていない。参考形態の第2次工程である第1種工程の時点では、第1区域1には光透過部が形成されていないが、第1種区域群の第1区域1とは反対側に位置する第2種区域群の全区域にすでに光透過部が形成されている。そのため、図8(c−1)に示す様に、第1種工程の成膜段階では、第2種区域群の全区域の各々において、第2種区域群側では光透過膜100が厚く、第1区域1側では薄く成膜される。また、第1区域1では光透過膜100さらに薄く成膜される。そして、パターニング段階にてパターニングを行うと、図8(c−2)に示す様に、光透過部102、103は第2種区域群側では厚く、第1区域1側では薄く形成される。光透過部が薄い十分な分光特性が得られないため、画質が低下してしまったり、焦点検出精度が低下したりしてしまう。
一方、方法イを採用した第1実施形態の場合は、第1次工程である第1種工程の時点では、第1区域1にも、第1種区域群の第1区域1とは反対側に位置する第2種区域群の全区域も光透過部が形成されていない。そのため、第1種区域群はX方向およびY方向において対称な状態で、第1種区域群の全区域に光透過部を形成することができる。そのため、第1種区域群の全区域に形成される光透過部の各々について、光透過部内での透過率のばらつきを低減することができる。
不利な点の2つ目は、第4種工程が複雑になる点である。これは条件(v)を満たさないことに理由がある。条件(v)を満たす場合、第4光透過特性Wを有する光透過膜400をパターニングしないことにより工程を簡略化できる。一方、条件(v)を満たさない場合には、第4種工程の後に形成する光透過膜を所望の区域に配置するために、第4種工程ではパターニングを行わざるを得なくなる。
<第2実施形態>
図9(a)〜(f)には方法イ、ロに包含される一例としての第2実施形態を示している。図9(a)〜(f)の表現方法は図5(a)〜(f)と同じであるので、説明を省略する。
前工程:前工程は、第1実施形態と同様に行うことができるので説明を省略する。
第1次工程:まず、中間膜700上に第2光透過特性Bを有する光透過膜200を成膜する成膜段階を行う。そして、光透過膜200を、第1種区域群の第2区域2と第3区域3に残留させ、第1種区域群の第4区域4と第5区域5、第2種区域群の全区域、第3種区域群の全区域および第1区域1から除去するパターニング段階を行う。この第1次工程により第1種区域群の一部の区域に第2光透過特性Bを有する光透過部を形成する(図9(b))。この第1次工程が第1種工程に該当する。
第2次工程:第1次工程の後に、中間膜700上に第3光透過特性Rを有する光透過膜300を成膜する成膜段階を行う。そして、光透過膜300を、第1種区域群の第4区域4と第5区域5に残留させ、第1種区域群の第2区域2と第3区域3の上方、第2種区域群の全区域、第3種区域群の全区域および第1区域1から除去するパターニング段階を行う。この第2次工程により第1種区域群の残りの一部の区域に第3光透過特性Rを有する光透過部を形成する(図9(c))。この第2次工程も第1種工程に該当する。
第3次工程:第2次工程の後に、中間膜700上に第1光透過特性Gを有する光透過膜100を成膜する成膜段階を行う。そして、光透過膜100を、第2種区域群の第6区域6と第7区域7と第8区域と第9区域9、第3種区域群の第10区域10と第11区域11と第12区域12と第13区域13に残留させる。第1種区域群の全区域の上方と、第1区域1から除去するパターニング段階を行う。この第3次工程により第2種区域群の全区域および第3種区域群の全区域に第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する(図9(d))。この第3次工程が第2種工程と第3種工程を兼ねる。
第4次工程:第3次工程の後に、中間膜700上に第4光透過特性Wを有する光透過膜400を成膜する成膜段階を行う(図6(e))。その後は、撮像領域1100内でパターニング段階は行わない。したがって、光透過膜400は、第1種区域群の上方、第2種区域群の上方および第3種区域群の上方に残留したままである。この第4次工程により第1区域1に第4光透過特性Wを有する光透過部401を形成する。この第4次工程が第4種工程に該当する(図5(e))。
後工程:後工程は、第1実施形態と同様に行うことができるので説明を省略する。
以上のようにして、光透過部材800を形成することができる。
<第3実施形態>
図10(a)〜(f)には方法チ、ヌに包含される一例としての第3実施形態を示している。図10(a)〜(f)の表現方法は図5(a)〜(f)と同じであるので、説明を省略する。
前工程:前工程は、第1実施形態と同様に行うことができるので説明を省略する。
第1次工程:まず、中間膜700上に第1光透過特性Gを有する光透過膜100を成膜する成膜段階を行う。そして、光透過膜100を、第3種区域群の第10区域10、第11区域11、第12区域12、第13区域13に残留させ、第1種区域群の全区域、第2種区域群の全区域、第3種区域群の全区域および第1区域1から除去するパターニング段階を行う。この第1次工程により第3種区域群の全区域に第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する(図10(b))。この第1次工程が第3種工程に該当する。
第2次工程:第1次工程の後に、中間膜700上に第2光透過特性Bを有する光透過膜200を成膜する成膜段階を行う。そして、光透過膜200を、第1種区域群の第2区域2および第5区域5に残留させ、第3区域群の全区域の上方、第1種区域群の第4区域4と第5区域5、第3種区域群および第1区域1から除去するパターニング段階を行う。この第2次工程により第1種区域群の一部の区域に第2光透過特性Bを有する光透過部を形成する(図10(c))。この第2次工程が第1種工程に該当する。
第3次工程:第2次工程の後に、中間膜700上に第3光透過特性Rを有する光透過膜300を成膜する成膜段階を行う。そして、光透過膜300を、第1種区域群の第4区域4、第5区域5に残留させ、第1種区域群の第2区域2と第3区域3の上方、第3種区域群の上方、第2種区域群の全区域および第1区域1から除去するパターニング段階を行う。この第3次工程により第2区域群の残りの一部の区域に第3光透過特性Rを有する光透過部を形成する(図10(d))。この第3次工程が第1種工程に該当する。
第4次工程:第3次工程の後に、中間膜700上に第4光透過特性Wを有する光透過膜400を成膜する成膜段階を行う(図6(e))。その後は、撮像領域1100内でパターニング段階は行わない。したがって、光透過膜400は、第1種区域群の上方、第3区域群の上方、および第2種区域群の全区域および第1区域1に残留したままである。この第4次工程により第1区域1に第4光透過特性Wを有する光透過部401を形成する。この第4次工程が第4種工程に該当する(図10(e))。
後工程:後工程は、第1実施形態と同様に行うことができるので説明を省略する。
以上のようにして、光透過部材800を形成することができる。
<第4実施形態>
図11(a)〜(f)には方法イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘに包含される一例としての第4実施形態を示している。図11(a)〜(f)の表現方法は図5(a)〜(f)と同じであるので、説明を省略する。
前工程:前工程は、第1実施形態と同様に行うことができるので説明を省略する。
第1次工程:まず、中間膜700上に第1光透過特性Gを有する光透過膜100を成膜する成膜段階を行う。そして、光透過膜100を、第1種区域群の第2区域2、第3区域3に残留させ、第1種区域群の第4区域4、第5区域5、第2種区域群の全区域、第3種区域群の全区域および第1区域1から除去するパターニング段階を行う。この第1次工程により第1種区域群の一部の区域に第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する(図11(b))。この第1次工程が第1種工程に該当する。
第2次工程:第1次工程の後に、中間膜700上に第2光透過特性Bを有する光透過膜200を成膜する成膜段階を行う。そして、光透過膜200を、第1種区域群の第4区域4に残留させ、第1区域群の第2区域2と第3区域3の上方、第1種区域群の第5区域5、第3種区域群の全区域および第1区域1から除去するパターニング段階を行う。この第2次工程により第1種区域群の一部の区域に第2光透過特性Bを有する光透過部を形成する(図11(c))。この第2次工程も第1種工程に該当する。
第3次工程:第2次工程の後に、中間膜700上に第3光透過特性Rを有する光透過膜300を成膜する成膜段階を行う。そして、光透過膜300を、第1種区域群の第5区域5に残留させ、第1種区域群の第2区域2と第3区域3と第4区域4の上方、第2種区域群の全区域、第3種区域群の全区域および第1区域1から除去するパターニング段階を行う。この第3次工程により第1種区域群の第5区域5に第3光透過特性Rを有する光透過部を形成する(図11(d))。この第3次工程も第1種工程に該当する。
第4次工程:第3次工程の後に、中間膜700上に第4光透過特性Wを有する光透過膜400を成膜する成膜段階を行う(図11(e))。その後は、撮像領域1100内でパターニング段階は行わない。したがって、光透過膜400は、第1種区域群の全区域の上方に残留したままである。この第4次工程により第1区域1および第2種区域群の全区域および第3種区域群の全区域に第4光透過特性Wを有する光透過部401を形成する。この第4次工程が第2種工程と第3種工程と第4種工程を兼ねる(図11(e))。
後工程:後工程は、第1実施形態と同様に行うことができるので説明を省略する。
以上のようにして、光透過部材800を形成することができる。
光透過部材800は撮像装置のみならず、透過型液晶表示装置や反射型液晶表示装置、有機EL表示装置、無機EL表示装置、電界放出型電子線表示装置など、カラーフィルタアレイが用いられるカラー表示装置にも適用が可能である。
図12(a−1)、図12(a−2)を用いて、前工程の第1変形例について説明する。図12(a−1)に示す様に、光透過部を形成する前に、中間膜700の上に、各区域の境界に隔壁801を形成することができる。上述した第1〜第4実施形態のように隔壁801を形成しない場合には、各形成工程で成膜される光透過膜は前の形成工程で形成された光透過部の側面に接することになるため、前の形成工程で形成された光透過部の側面の形状の影響を受けやすくなる。本変形例のように、隔壁801を設けることにより、前の形成工程で形成された光透過部の側面の形状の影響を低減することができる。ブラックマトリックスを有する光透過部材800を表示装置に用いると好適である。
図12(b−1)、図12(b−2)、図12(b−3)、図12(b−4)を用いて、前工程の第2変形例について説明する。第2変形例は、複数の半導体基板を有する、積層型の裏面照射撮像装置に適用した例である。複数の光電変換部を有する半導体基板500を作製し、絶縁膜600および複数の金属層610、620を半導体基板500の上に形成する。また、信号処理回路を有する半導体基板500’を作製し、絶縁膜600’および複数の金属層610’、620’を半導体基板500’の上に形成する(図b−1)。絶縁膜600と複数の金属層610、620と絶縁膜600’と複数の金属層610’、620’とを間に挟むようにして、半導体基板500と半導体基板500’を重ねる。そして、接着剤を用いて、あるいは、金属層同士の接合により、絶縁膜同士の接合により、半導体基板500と半導体基板500’とを相互に固定する(図12(b−2))。その後、半導体基板500の絶縁膜600が形成された面とは反対側の面(裏面)から、機械研磨法や化学研磨法、機械化学研磨法(CMP法)などを用いて、1〜10μm程度に半導体基板500を薄くする(図12(b−3))。そして、裏面の上に中間膜700を形成する。そして中間膜700を基体として、中間膜700の上に光透過部材800を形成する(図12(b−4))。勿論、半導体基板500’を単なる支持基板として用いることもでき、その場合には、絶縁膜600’および複数の金属層610’、620’は省略可能である。
図12(c)を用いて後工程の第1変形例について説明する。
図2では、各々が独立しているように複数の集光部862、863、864を記載したが、図12(c)に示す様に、複数の集光部862、863、864が、複数の集光部862、863、864と同じ材料からなる基部860で連結されていてもよい。このような連結された複数の集光部862、863、864は、エッチバック法や階調露光法を用いて形成することができる。また、図12(d)に示す様に、複数の集光部862、863、864同士が境界を成す、いわゆるギャップレスマイクロレンズとしてもよい。また、図2では光透過膜400の上に集光部を形成した例を示したが、図7(e)に示す様に、光透過膜400自体に集光部862、863、864を形成してもよい。光透過膜400自体に集光部862、863、864を形成する場合、第4種工程で成膜する第4光透過特性Wを有する光透過膜400は、他の光透過膜100、200、300よりも厚く成膜することが好ましい。
また、光透過部材は複数の光透過部を光学的に互いに分離する分離部を有していてもよい。分離部は、光透過部の屈折率よりも低い屈折率を有することが好ましい。光透過部を形成した後に、各区域の境界に位置する溝870を、光透過部同士の間に形成する。溝870に空気などの気体が存在する、いわゆるエアギャップ構造としてもよい。また、溝870に固体を埋め込んでもよい。溝870に埋め込む固体としては、金属や黒色材料などの遮光性材料でもよいし、光透過部より屈折率の低い低屈折率材料であってもよい。図12(f)の例では、複数の集光部862、863、864を形成した後に、溝870を形成した例を示しているが、溝870を形成した後に複数の集光部862、863、864を形成してもよい。
図13(1−1G)、(1−2B)、(1−3R)、(1−4W)を用いて、図1(b−1)に示したパターンの光透過部材800の形成方法の実施例を説明する。本実施例の形成方法は、第1実施形態の方法を採用している。
第1次工程として、第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する(図13(1−1G))。第2次工程として、第2光透過特性Bを有する光透過部を形成する(図13(1−2B))。第3次工程として、第3光透過特性Rを有する光透過部を形成する(図13(1−3R))。第4次工程として、第4光透過特性Wを有する光透過部を形成する(図13(1−4W))。以上のようにして、光透過部材800を形成することができる。第1次工程が第1種工程に該当し、第4次工程が第4種工程に該当する。R06/C02、R10/C08、R12/C14、R06/C14の各画素の区域を第1区域1と考えると、第2次工程が第2種工程に該当し、第3次工程が第3種工程に該当する。一方、R03/C03、R05/C09、R03/C15、R15/C03の各画素の区域を第1区域1と考えると、第2次工程が第3種工程に該当し、第3次工程が第2種工程に該当する。
図13(2−1G)、(2−2B)、(2−3R)、(2−4W)を用いて、図1(b−1)に示したパターンを変形した光透過部材800の形成方法の実施例を説明する。本実施例の形成方法は、第2実施形態の方法を採用している。
第1次工程として、第2光透過特性Bを有する光透過部を形成する(図13(2−1B))。第2次工程として、第3光透過特性Rを有する光透過部を形成する(図13(2−2R))。第3次工程として、第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する(図13(2−3G))。第4次工程として、第4光透過特性Wを有する光透過部を形成する(図13(2−4W))。以上のようにして、光透過部材800を形成することができる。第1次工程と第2次工程が第1種工程に該当し、第4次工程が第4種工程に該当する。第2種工程と第3種工程は、第3次工程として同時に行われる。つまり、第3次工程が第2種工程と第3種工程を兼ねる。
光透過部の配列のいくつかのパターンの他の例を図14に挙げて、その形成方法の一例を説明する。図14(a)〜(i)に示した配列は、撮像領域1100の全体に遍在していてもよいし、撮像領域1100の一部に偏在していてもよい。図14(a)〜(i)には行列状に配された12×12の区域を示している。各区域に形成される狭透過帯域光透過特性を有する光透過部の光透過特性を第1光透過特性G、第2光透過特性R、第3光透過特性Bとして示している。広透過帯域光透過特性として第4光透過特性Wとして示している。例えば、第1光透過特性Gは緑色光の透過帯域を有し、第2光透過特性Rは赤色光の透過帯域を有し、第3光透過特性Bは青色光の透過帯域を有し、第4光透過特性Wは白色光の透過帯域を有するが、これに限定されるものではない。第4光透過特性Wを有する光透過部は第1区域に形成されるが、第4光透過特性Wの絶対的透過波長帯域及び/又は相対的透過波長帯域が、第1種区域群の全区域に形成される光透過部の絶対的透過波長帯域及び/又相対的透過波長帯域よりも広ければよい。各区域に形成される光透過部は上述した条件(i)および条件(ii)を満たすように形成する。すなわち、表1に示した方法イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、チ、ヌのいずれかの方法で形成する。とりわけ、方法イ、ロのいずれかの方法で形成することが好ましい。
図14(a)の例では、第1種工程として、第2光透過特性Rを有する光透過部を形成する第2形成工程を行う。また、第1種工程として、第3光透過特性Bを有する光透過部を形成する第3形成工程を行う。第2形成工程と第3形成工程の順序は問わない。その後、第2種工程と第3種工程を兼ねる工程として、第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する第1形成工程を行う。また、第2種工程と第3種工程と第4種工程を兼ねる工程として、第4光透過特性Wを有する光透過部を形成する第4形成工程を行う。第1形成工程と第4形成工程の順序は問わないが、第4形成工程を第1形成工程の後に行うことが好ましい。
図14(b)の例では、第1種工程として、第2光透過特性Rを有する光透過部を形成する第2形成工程を行う。また、第1種工程として、第3光透過特性Bを有する光透過部を形成する第3形成工程を行う。第2形成工程と第3形成工程の順序は問わない。その後、第2種工程と第3種工程を兼ねる工程として、第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する第1形成工程を行う。また、第3種工程と第4種工程を兼ねる工程として、第4光透過特性Wを有する光透過部を形成する第4形成工程を行う。第1形成工程と第4形成工程の順序は問わないが、第4形成工程を第1形成工程の後に行うことが好ましい。
図14(c)の例では、第1種工程として、第2光透過特性Rを有する光透過部を形成する第2形成工程を行う。また、第1種工程として、第3光透過特性Bを有する光透過部を形成する第3形成工程を行う。その後、第2種工程と第4種工程を兼ねる工程として、第4光透過特性Wを有する光透過部を形成する第4形成工程を行う。また、第3種工程として、第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する第1形成工程を行う。第1形成工程のタイミングは問わないが、第2形成工程と第3形成工程の後に行うことが好ましい。また、第1形成工程を第4形成工程の前に行うことが好ましい。また、第4形成工程を最後に行うことが好ましい。
図14(d)と図14(e)の例では、第1種工程として、第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する第1形成工程を行う。また、第1種工程として、第2光透過特性Rを有する光透過部を形成する第2形成工程を行う。また、第1種工程として、第3光透過特性Bを有する光透過部を形成する第3形成工程を行う。第1形成工程と第2形成工程と第3形成工程の順序は問わない。その後、第2種工程と第3種工程と第4種工程を兼ねる工程として、第4光透過特性Wを有する光透過部を形成する第4形成工程を行う。
図14(f)の例では、第1種工程と第3種工程を兼ねる工程として、第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する第1形成工程を行う。また、第1種工程として、第2光透過特性Rを有する光透過部を形成する第2形成工程を行う。また、第1種工程として、第3光透過特性Bを有する光透過部を形成する第3形成工程を行う。第1形成工程と第2形成工程と第3形成工程の順序は問わないが、第2形成工程と第3形成工程を第1形成工程の前に行うことが好ましい。その後、第2種工程と第4種工程を兼ねる工程として、第4光透過特性Wを有する光透過部を形成する第4形成工程を行う。
図14(g)の例では、第1種工程と第3種工程を兼ねる工程として、第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する第1形成工程を行う。その後、第2種工程として、第2光透過特性Rを有する光透過部を形成する第2形成工程を行う。また、第2種工程として、第3光透過特性Bを有する光透過部を形成する第3形成工程を行う。また、第4種工程として、第4光透過特性Wを有する光透過部を形成する第4形成工程を行う。第2形成工程と第3形成工程と第4形成工程の順序は問わないが、第4形成工程を最後に行うことが好ましい。なお、第2形成工程は、例えばR09/C03の区域が第1区域であり、R09/C03、R09/C05、R07/C03、R11/C03の各区域が第2種区域群であるため、第2工程ということになる。
図14(h)の例では、第1種工程として、第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する第1形成工程を行う。その後、第2種工程と第4種工程を兼ねる工程として、第4光透過特性Wを有する光透過部を形成する第4形成工程を行う。任意のタイミングで、第3種工程として、第2光透過特性Rを有する光透過部を形成する第2形成工程を行う。また、第3種工程として、第3光透過特性Bを有する光透過部を形成する第3形成工程を行う。第2形成工程と第3形成工程のタイミングは問わないが、第2形成工程と第3形成工程を第1形成工程の後に行うことが好ましい。また、第4形成工程を最後に行うことが好ましい。
図14(i)の例では、第1種工程と第3種工程を兼ねる工程として、第1光透過特性Gを有する光透過部を形成する第1形成工程を行う。その後、第2種工程として、第2光透過特性Rを有する光透過部を形成する第2形成工程を行う。また、第2種工程として、第3光透過特性Bを有する光透過部を形成する第3形成工程を行う。また、第2種工程と第4種工程を兼ねる工程として、第4光透過特性Wを有する光透過部を形成する第4形成工程を行う。第2形成工程と第3形成工程と第4形成工程の順序は問わないが、第2形成工程と第3形成工程を第1形成工程の後に行うことが好まし。また、第4形成工程を最後に行うことが好ましい。
以上のように、条件(i)および条件(ii)を満たす様な順序で形成工程を複数回行って光透過部を形成することにより、光学特性に優れた光透過部材を得ることができる。
1 第1区域
2 第2区域
3 第3区域
4 第4区域
5 第5区域
6 第6区域
7 第7区域
8 第8区域
9 第9区域
100 第1光透過膜
200 第2光透過膜
300 第3光透過膜
400 第4光透過膜
800 光透過部材
1000 撮像装置
500 半導体基板

Claims (13)

  1. 所定面内の第1区域と第2区域と第3区域と第4区域と第5区域と第6区域と第7区域と第8区域と第9区域を含む複数の区域の各々に光透過部が配され、
    前記所定面内の第1方向において、前記第1区域が前記第2区域と前記第3区域の間にあり、前記第2区域および前記第3区域が前記第6区域と前記第7区域の間にあり、前記第2区域が前記第1区域と前記第6区域に隣り合い、前記第3区域が前記第1区域と前記第7区域に隣り合い、
    前記所定面内の前記第1方向に交差する第2方向において、前記第1区域が前記第4区域と前記第5区域の間にあり、前記第4区域および前記第5区域が前記第8区域と前記第9区域の間にあり、前記第4区域が前記第1区域と前記第8区域に隣り合い、前記第5区域が前記第1区域と前記第9区域に隣り合い、
    前記第2区域と前記第3区域と前記第4区域と前記第5区域の各々に配された光透過部が所定値以上の透過率を示す波長帯域の少なくとも一部において、前記第1区域に配された光透過部が前記所定値以上の透過率を示し、かつ、前記第2区域と前記第3区域と前記第4区域と前記第5区域の各々に配された前記光透過部が前記所定値未満の透過率を有する波長帯域の少なくとも一部において、前記第1区域に配された光透過部が前記所定値以上の透過率を示す、光透過部材の形成方法であって、
    前記複数の区域の各々に対応する光透過膜を成膜し、成膜された前記光透過膜を前記複数の区域のいずれかに残留させて光透過部を形成する工程を、互いに異なる光透過特性を有する光透過膜を成膜するごとに行う、一連の工程を有し、
    前記一連の工程において、前記第2区域と前記第3区域と前記第4区域と前記第5区域に光透過部を形成した後に、前記第1区域と前記第6区域と前記第7区域と前記第8区域と前記第9区域に光透過部を形成することを特徴とする光透過部材の形成方法。
  2. 前記一連の工程において、前記第1区域に光透過部を形成する工程を最後に行う請求項1に記載の光透過部材の形成方法。
  3. 前記複数の区域は、第10区域と第11区域と第12区域と第13区域を含み、前記第1区域が第10区域と第11区域の間にあり、前記第2区域および前記第4区域が前記第10区域に隣り合い、前記第3区域および前記第5区域が前記第11区域に隣り合い、前記第1区域が第12区域と前記第13区域の間にあり、前記第3区域および前記第4区域が前記第12区域に隣り合い、前記第2区域および前記第5区域が前記第13区域に隣り合い、
    前記一連の工程において、前記第2区域と前記第3区域と前記第4区域と前記第5区域に光透過部を形成した後に、前記第10区域と前記第11区域と前記第12区域と前記第13区域に光透過部を形成する請求項1または2に記載の光透過部材の形成方法。
  4. 前記複数の区域は、第10区域と第11区域と第12区域と第13区域を含み、前記第1区域が第10区域と第11区域の間にあり、前記第2区域および前記第4区域が前記第10区域に隣り合い、前記第3区域および前記第5区域が前記第11区域に隣り合い、前記第1区域が第12区域と前記第13区域の間にあり、前記第3区域および前記第4区域が前記第12区域に隣り合い、前記第2区域および前記第5区域が前記第13区域に隣り合い、
    前記一連の工程において、前記第10区域と前記第11区域と前記第12区域と前記第13区域に光透過部を形成した後に、前記第1区域に光透過部を形成する請求項1または2に記載の光透過部材の形成方法。
  5. 前記複数の区域は、第10区域と第11区域と第12区域と第13区域を含み、前記第1区域が第10区域と第11区域の間にあり、前記第2区域および前記第4区域が前記第10区域に隣り合い、前記第3区域および前記第5区域が前記第11区域に隣り合い、前記第1区域が第12区域と前記第13区域の間にあり、前記第3区域および前記第4区域が前記第12区域に隣り合い、前記第2区域および前記第5区域が前記第13区域に隣り合い、
    前記一連の工程において、前記第1区域に光透過部を形成すると同時に、前記第10区域と前記第11区域と前記第12区域と前記第13区域の少なくともいずれかに光透過部を形成する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光透過部材の形成方法。
  6. 前記一連の工程において、前記第1区域に光透過部を形成すると同時に、前記第6区域と前記第7区域と前記第8区域と前記第9区域の少なくともいずれかに光透過部を形成する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光透過部材の形成方法。
  7. 前記所定値は50%である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光透過部材の形成方法。
  8. 前記第2区域と前記第3区域と前記第4区域と前記第5区域の各々に形成された光透過部が所定値以上の透過率を示す波長帯域において、前記第1区域に配された光透過部が前記第2区域と前記第3区域と前記第4区域と前記第5区域の各々に配された前記光透過部の透過率の最大値よりも高い透過率を示す請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光透過部材の形成方法。
  9. 前記一連の工程は、
    緑色光の透過率が50%以上であり赤色光と青色光の透過率が50%未満である第1光透過膜を回転塗布法を用いて成膜する成膜段階、および、前記第1光透過膜の一部を少なくとも前記第1区域から除去するパターニング段階を含む工程と、
    青色光の透過率が50%以上であり緑色光と赤色光の透過率が50%未満である第2光透過膜を回転塗布法を用いて成膜する成膜段階、および、前記第2光透過膜の一部を少なくとも前記第1区域から除去するパターニング段階を含む工程と、
    赤色光の透過率が50%以上であり緑色光と青色光の透過率が50%未満である第3光透過膜を回転塗布法を用いて成膜する段階、および、前記第3光透過膜の一部を少なくとも前記第1区域から除去するパターニング段階を含む工程と、
    緑色光と赤色光と青色光の透過率が50%以上である第4光透過膜をその一部が前記第1区域に位置するように回転塗布法を用いて成膜する成膜段階を含む工程と、
    を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光透過部材の形成方法。
  10. 前記一連の工程の後、前記一連の工程の内の前記第1区域に光透過部を形成する工程で成膜された光透過膜を挟んで、前記複数の区域の上に複数の集光部を形成する工程を有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光透過部材の形成方法。
  11. 前記一連の工程の後、前記複数の区域の境界に溝を設ける工程を有する請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光透過部材の形成方法。
  12. 前記一連の工程の後、前記複数の区域の上に複数の集光部を形成する工程を有し、前記第1区域の上に形成する集光部の焦点は、前記複数の区域の内の前記第1区域以外の区域の上に形成する集光部の焦点よりも前記所定面に近い請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光透過部材の形成方法。
  13. 互いに光透過特性の異なる複数の光透過部を有する光透過部材と、
    各々が、対応する前記光透過部を透過した光を光電変換する複数の光電変換部を有する半導体基板と、を備えた撮像装置の製造方法において、
    前記光透過部材を請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光透過部材の形成方法を用いて形成することを特徴とする撮像装置の製造方法。
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