JP2013170698A - 制振装置及び建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘弾性体の性能を十分発揮させて減衰性を高めることができる制振装置を提供する。
【解決手段】上下フランジ110・120と、上下フランジ110・120をつなぐウェブ130と、を有する梁100に装着され、梁100の上下方向の振動を抑制する制振装置1であって、梁100に固定された振動体保持部10と、振動体保持部10によって梁100の長軸方向に沿って延在し梁100の上下方向の振動に伴って上下方向に振動する振動体20と、振動体20と振動体保持部10との間に装着された減衰材30と、を備える。振動体20は、振動体保持部10によって中央部を保持される板バネ21と、板バネ12の先端付近に固定された一対の重錘22と、を有する。振動体保持部10は、減衰材30と重錘22とを梁100の長軸方向に沿って並べた状態で減衰材30を保持する。
【選択図】図2

Description

本発明は、制振装置及び建物に関する。
従来より、鉄骨造の建物は、比較的軽量且つ高強度という特徴を生かしてスパン長を大きくとることが多い。このような鉄骨造の建物が鉄道や幹線道路近くに建造された場合、軽量であるがゆえに列車や大型車両の通行に起因する振動(環境振動)の影響を受けて振動し易く、建物の使用者に不快感を与える場合がある。このため、環境振動による建物の振動を低減させる為の制振装置が種々提案され、実用化されている。
例えば、現在においては、複数の板バネを粘弾性体により層状に接合するとともに、板バネの端部に錘を取り付けた動吸振器を鋼製枠(又は鋼製桟)に固定し、床パネルの振動を低減する技術が提案されている(特許文献1参照)。しかし、かかる構成では、板バネに接合された粘弾性体の物性を一定に保つ必要があり、特別な装置によって製造しないかぎり、安価に板バネと粘弾性体との複合体を得ることが困難であり、板バネと錘などの接合工程も必要で、総合的に動吸振器の製作には高いコストを要するという欠点があった。
そこで、前記特許文献1のような問題を解決すべく、鋼製床板と、この鋼製床板を支持する鋼製部材と、からなる鋼製床構造に取り付けられる床振動減衰器において、鋼製部材に、錘と粘弾性体とをその積層方向が振動方向に一致するように直列に取り付ける構成が提案されている(特許文献2参照)。
特開平5-302643号公報 特開平9-328858号公報
しかし、前記特許文献2に開示された構成においては、粘弾性体上に錘が積層されているために、粘弾性体に錘からの荷重が常時作用することとなり、これによって粘弾性体のクリープが進み、粘弾性体の劣化が早まってしまうという問題がある。また、圧縮された状態で振動を受けることとなるため、減衰性を十分に発揮し難いという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、粘弾性体の性能を十分発揮させて減衰性を高めることができる制振装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明に係る制振装置は、上下フランジと、上下フランジをつなぐウェブと、を有する梁に装着され、梁の上下方向の振動を抑制する制振装置であって、梁に固定された振動体保持部と、振動体保持部によって梁の長軸方向に沿って延在し梁の上下方向の振動に伴って上下方向に振動する振動体と、振動体と振動体保持部との間に装着された粘弾性体からなる減衰材と、を備え、振動体は、振動体保持部によって中央部を保持される板バネと、板バネの先端付近に固定された一対の重錘と、を有し、振動体保持部は、振動体を天秤棒状に保持する保持中心を有するとともに、減衰材と重錘とを梁の長軸方向に沿って並べた状態で減衰材を保持するものである。
かかる構成を採用すると、減衰材に重錘の荷重に伴う圧縮力が殆ど作用しないため、減衰材のクリープ(及びこれに伴う劣化)を抑制することができる。また、振動発生時には重錘の上下動に伴って減衰材が伸縮することとなるため、減衰材の減衰性能を十分に発揮することができる。
本発明に係る制振装置において、減衰材を、一対の重錘の間の空間に設けることができる。例えば、板バネの中央部を保持する束部材を有する振動体保持部を採用した場合には、束部材と重錘との間の空間に減衰材を設けることができる。
かかる構成を採用すると、振動体の一対の重錘の間(例えば、振動体保持部の束部材と、振動体の重錘と、の間)に減衰材を取り付けることができるので、梁の軸方向に対する制振装置全体の大きさを小さくすることができ、装置としてのコンパクト化を図ることができる。
また、本発明に係る制振装置において、板バネの中央部を保持する束部材を有するとともに、束部材と重錘との間に減衰材を固定するための固定具を有する振動体保持部を採用することができる。
かかる構成を採用すると、減衰材を、固定具を介して重錘に連結することができる。この種の制振装置においては、一方の重錘から保持中心までの間隔と、他方の重錘から保持中心までの間隔と、を異ならせることが多いが、このような間隔の変更を伴う場合においても、減衰材の大きさを変更することなく、固定具の位置を変えるだけで当該間隔の変更に対応することができる。従って、部材数を増大させることなく装置としての調整機能を高めることができる。
また、本発明に係る制振装置において、減衰材を、振動体保持部の保持中心からみて一対の重錘よりも外側となる位置に設けることもできる。
振動体は振動体保持部に天秤棒状に保持されているため、重錘の外側は最も上下振動が大きい位置となるが、このような上下振動の大きい位置に減衰材を設置することで、振動に伴って減衰材を大きく変形させて有効活用することができ、これによって減衰性を高めることができる。
また、本発明に係る制振装置において、重錘と振動体保持部とにより形成される減衰材設置スペースにおける梁の長軸方向寸法よりも僅かに長い軸長を有しかつ少なくとも梁軸方向に弾性復帰可能に収縮する柱状に形成された減衰材を採用することができる。そして、減衰材が減衰材設置スペースの梁の長軸方向寸法まで予圧縮された状態で、減衰材の一方の端面を重錘に接合し、減衰材の他方の端面を振動体保持部に接合することができる。
かかる構成を採用すると、減衰材は、予め僅かに変形した状態で元の形状に復帰可能に設置スペースに設置される。これによって、振動の初期から減衰能を効果的に発揮することができる。
本発明に係る建物は、前記した制振装置を備えるものである。
本発明によれば、粘弾性体の性能を十分発揮させて減衰性を高めることができる制振装置を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る制振装置が適用された梁の平面図である。 図1に示す梁の正面図(II方向から見た図)である。 図1に示す梁の側面図(III方向から見た図)である。 本発明の第一実施形態に係る制振装置の振動体保持部の構成図である。 本発明の第二実施形態に係る制振装置が適用された梁の正面図である。 本発明の第二実施形態の変形例を示す正面図である。
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態について説明する。以下の各実施形態においては、建物の梁に本発明を適用することとする。なお、以下の各実施形態はあくまでも好適な適用例であって、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではない。
本発明の各実施形態に係る制振装置が備えられる建物は、所定寸法の平面モジュールを有する鉄骨ラーメン構造の工業化住宅である。建物の基本架構は、基礎上に立設固定された柱部材、柱部材に剛接合された梁部材等で構成されている。各階の梁部材には小梁部材が適宜架設されており、小梁部材や梁部材(以下、これらを「梁」と称する)によって支持されるALC(Autoclaved Light-weight Concrete;軽量気泡コンクリート)製の床パネルにより各階床が構成されている。柱部材は角形の鋼管から構成され、梁はH形鋼から構成されている。以下の各実施形態においては、本建物を構成する梁の上下方向の振動を抑制する制振装置について説明することとする。
<第一実施形態>
まず、図1〜図4を用いて、本発明の第一実施形態に係る制振装置1について説明する。なお、本制振装置1が適用される梁100は、図1〜図3に示すように、上フランジ110と、下フランジ120と、上下フランジ110・120をつなぐウェブ130と、を有している。梁100のウェブ130には、モジュールに対応したピッチで他の部材をボルト接合するための(図示していない)ボルト孔が穿設されている。
制振装置1は、図1〜図3に示すように、梁100に固定された振動体保持部10と、振動体保持部10によって上下フランジ110・120の略中間位置に保持され梁100の長軸方向に沿って延在し梁100の上下方向の振動に伴って上下方向に振動する振動体20と、振動体20と振動体保持部10との間に装着された粘弾性体からなる減衰材30と、を備えている。本実施形態においては、梁100の振動時の振幅がもっとも大きくなる長さ方向中央部に制振装置1を設置している。梁100が振動した際には、制振装置1が梁100と逆位相で振動し、減衰材30の変形によってエネルギーを吸収することにより振動を抑制するようになっている。
振動体保持部10は、図4に示すように、持出板11と、断面コ字状の束部材12と、挟み板13と、を有している。束部材12は、振動体20を所定の高さ(上下フランジ110・120の中間位置)に保持するものであり、上フランジ12a及び下フランジ12bと、上下フランジ12a・12bをつなぐ水平断面T字状のウェブ12cと、から構成される。束部材12の下フランジ12bの両端には、図2に示すように、振動体20の重錘22の下方まで延在する持出板11が一体的に連接されており、持出板11は、下フランジ120にボルト11aで固定されている。挟み板13は、束部材12の上フランジ12aとともに、振動体20の板バネ21を挟んでボルト13aで固定するものである。
振動体20は、図1〜図3に示すように、短冊状の板バネ21と、板バネ21の先端付近に固定された重錘22と、を有している。板バネ21の両端部には、重錘22を固定するための丸孔が穿設されており、板バネ21の中央部には、振動体保持部10への固定用の丸孔が穿設されている。振動体保持部10に板バネ21を固定することにより、振動体20が、図2に示すように、梁100の高さ方向の中心(上下フランジ110・120の中間位置)にウェブ130の延在方向に沿った状態で天秤棒状に水平に保持される。本実施形態においては、図1及び図3に示すように、一本の梁100に一個の制振装置1を取り付けている。
重錘22は、直方体形状を有しており、ボルト22aを挿通させるボルト孔が穿設されている。本実施形態においては、図2及び図3に示すように、同一形状の重錘22で板バネ21を挟み、各重錘22のボルト孔にボルト22aを挿通することにより、重錘22を板バネ21に固定している。重錘22の上方及び下方には、円筒形状のゴム体からなる緩衝材23が取り付けられている。緩衝材23は、振動体20の一対の重錘22が上下に振動した際に各重錘22が梁100の上フランジ110及び下フランジ120を直接打撃することを防止するものである。なお、広い振動域に対応するため、一方の重錘22(左側の重錘22)から保持中心Cまでの間隔と、他方の重錘22(右側の重錘22)から保持中心Cまでの間隔と、を異ならせている。なお、振動体20の一対の重錘22が上下に振動するとは、振動前の静止状態に対し少なくとも振動時に上下方向に移動している状態をいうのであって、振動体20の一対の重錘22が保持中心Cに対し円弧状に振動する態様を含むことはもちろんである。
振動体保持部10の束部材12と振動体20の重錘22との間には、図1及び図2に示すように、一対のステイ(固定具)14が設けられている。各ステイ14は、減衰材30を振動体保持部10の持出板11に連結固定するための正面視略L字型の部材であり、持出板11に接触する水平部14aと、水平部14aから鉛直方向上方に立ち上がる立上部14bと、を有している。ステイ14の水平部14aは、ボルト14cで持出板11に取り付けられている。ステイ14の立上部14bの一方の面には、減衰材30が接合されて保持されている。これにより、減衰材30と重錘22とが、梁100の長軸方向(板バネ21の延在方向)に沿って並べられるように配置されることとなる。なお、持出板11には、複数のボルト孔が梁100の軸方向に沿って複数設けられており、梁100の長軸方向に沿ってステイ14の取付け位置が変更できるようになっている。
減衰材30は、ゴム体からなり、上下・左右・前後の各方向に弾性復帰可能に伸張/収縮してエネルギーを吸収するものである。減衰材30は、振動体20の重錘22と、振動体保持部10のステイ14の立上部14bと、により形成される減衰材設置スペースSにおける梁100の長軸方向寸法LSよりも僅かに長い軸長を有し、かつ、梁100の長軸方向に弾性復帰可能に収縮する円柱状に形成されている。そして、減衰材30は、減衰材設置スペースSにおける梁100の長軸方向寸法LSまで予圧縮された状態で、その一方の端面が重錘22に接合され、その他方の端面がステイ14の立上部14bに接合された状態で、束部材12と重錘22との間に配置されている。すなわち、本実施形態においては、一対の重錘22の間の空間に、減衰材30が配置されている。
なお、減衰材30と、重錘22及びステイ14と、を接着剤によって接合することができる。また、このような接着剤による接合に留まらず、重錘22やステイ14に嵌合部を設けるとともに減衰材30側にフックを設ける等の機械式接合や、鋲着等の手段による接合を採用することも可能である。また、本実施形態においては、振動体保持部10のステイ14と振動体20の重錘22との間に減衰材30を設置する構成を採用しているため、本実施形態に係る制振装置1は、梁100に設置する前から完成した状態とされている。
以上説明した実施形態に係る制振装置1においては、減衰材30と重錘22とが梁100の長軸方向(板バネ21の延在方向)に沿って並べられるように振動体保持部10が減衰材30を保持しており、減衰材30に重錘22の荷重に伴う圧縮力が作用しないため、減衰材30のクリープ(及びこれに伴う劣化)が抑制される。また、振動発生時には重錘22の上下動に伴って減衰材30が伸縮するため、減衰材30の減衰性能が十分に発揮されることとなる。
また、以上説明した実施形態に係る制振装置1においては、振動体20の一対の重錘22の間(振動体保持部10の束部材12と、振動体20の重錘22と、の間)に減衰材30が取り付けられるので、梁100の長軸方向に対する制振装置1全体の大きさを小さくすることができ、装置としてのコンパクト化を図ることができる。
また、以上説明した実施形態に係る制振装置1においては、減衰材30を、ステイ14を介して重錘22に連結することができる。本制振装置1においては、一方の重錘22(左側の重錘22)から保持中心Cまでの間隔と、他方の重錘22(右側の重錘22)から保持中心Cまでの間隔と、を異ならせているが、このような間隔の変更を伴う場合においても、減衰材30の大きさを変更することなく、ステイ14の位置を変えるだけで当該間隔の変更に対応することができる。従って、部材数を増大させることなく装置としての調整機能を高めることができる。
また、以上説明した実施形態に係る制振装置1においては、減衰材30は、予め僅かに変形した状態で元の形状に復帰可能に設置スペースSに設置される。このため、減衰材30には、静止状態から粘弾性能が予め付与されることとなる。よって、最初の振動によって重錘22が減衰材30から離隔する方向に移動することとなっても、このような重錘22の変位は、減衰材30の予圧縮状態から元の形状に復帰するまでの寸法内に含まれる(又は僅かに大きい程度である)ので、振動の初期から減衰能が効果的に発揮されることとなる。
<第二実施形態>
次に、図5を用いて、本発明の第二実施形態に係る制振装置1Aについて説明する。本実施形態に係る制振装置1Aは、第一実施形態に係る制振装置1の減衰材30の位置を変更したものであり、その他の構成については第一実施形態と実質的に同一である。従って、第一実施形態と共通する構成については、同一の符合を付して詳細な説明を省略することとする。
本実施形態に係る制振装置1Aは、図5に示すように、梁100に固定された振動体保持部10Aと、振動体保持部10Aによって上下フランジ110・120の略中間位置に保持され梁100の長軸方向に沿って延在し梁100の上下方向の振動に伴って上下方向に振動する振動体20と、振動体20と振動体保持部10Aとの間に装着された粘弾性体からなる減衰材30と、を備えている。振動体20の構成は、第一実施形態と実質的に同一であるので、詳細な説明を省略する。
振動体保持部10Aは、図5に示すように、持出板11Aと、断面コ字状の束部材12と、挟み板13と、を有している。束部材12及び挟み板13は、第一実施形態と実質的に同一である。本実施形態においては、持出板11Aの梁100の長軸方向における長さを、振動体20の板バネ21の長さよりも長く設定することにより、図5に示すように、振動体20の重錘22の外側にステイ15を配置することができるようになっている。
振動体20の重錘22の外側には、図5に示すように、一対のステイ(固定具)15が設けられている。各ステイ15は、減衰材30を振動体保持部10Aの持出板11Aに連結固定するための正面視略L字型の部材であり、持出板11Aに接触する水平部15aと、水平部15aから鉛直方向上方に立ち上がる立上部15bと、を有している。ステイ15の水平部15aは、ボルト15cで持出板11Aに取り付けられている。ステイ15の立上部15bの一方の面には、減衰材30が接合されて保持されている。これにより、減衰材30と重錘22とが、梁100の長軸方向(板バネ21の延在方向)に沿って並べられるように配置されることとなる。なお、持出板11Aには、複数のボルト孔が梁100の軸方向に沿って複数設けられており、梁100の長軸方向に沿ってステイ15の取付け位置が変更できるようになっている。
減衰材30の素材及び特性は、第一実施形態と同一である。本実施形態における減衰材30は、振動体20の重錘22と、振動体保持部10Aのステイ15の立上部15bと、により形成される減衰材設置スペースSにおける梁100の長軸方向寸法LSよりも僅かに長い軸長を有し、かつ、少なくとも梁100の長軸方向に弾性復帰可能に収縮する円柱状に形成されている。そして、減衰材30は、減衰材設置スペースSの梁100の長軸方向寸法LSまで予圧縮された状態で、その一方の端面が重錘22に接合され、その他方の端面がステイ15の立上部15bに接合された状態で、振動体保持部10Aの保持中心Cからみて一対の重錘22よりも外側となる位置に配置されている。
以上説明した実施形態に係る制振装置1Aにおいては、減衰材30と重錘22とが梁100の長軸方向(板バネ21の延在方向)に沿って並べられるように振動体保持部10Aが減衰材30を保持しており、減衰材30に重錘22の荷重に伴う圧縮力が作用しないため、減衰材30のクリープ(及びこれに伴う劣化)が抑制される。また、振動発生時には重錘22の上下動に伴って減衰材30が伸縮するため、減衰材30の減衰性能が十分に発揮されることとなる。
また、以上説明した実施形態に係る制振装置1Aにおいては、減衰材30が、振動体保持部10Aの保持中心Cからみて一対の重錘22よりも外側となる位置に配置されている。振動体20は振動体保持部10Aに天秤棒状に保持されているため、重錘22の外側は最も上下振動が大きい位置となるが、このような上下振動の大きい位置に減衰材30を設置することで、振動に伴って減衰材30が大きく変形して有効活用され、これによって減衰性が高められることとなる。
また、以上説明した実施形態に係る制振装置1Aにおいては、減衰材30を、ステイ15を介して重錘22に連結することができる。本制振装置1Aにおいては、一方の重錘22(左側の重錘22)から保持中心Cまでの間隔と、他方の重錘22(右側の重錘22)から保持中心Cまでの間隔と、を異ならせているが、このような間隔の変更を伴う場合においても、減衰材30の大きさを変更することなく、ステイ15の位置を変えるだけで当該間隔の変更に対応することができる。従って、部材数を増大させることなく装置としての調整機能を高めることができる。
また、以上説明した実施形態に係る制振装置1Aにおいては、減衰材30は、予め僅かに変形した状態で元の形状に復帰可能に設置スペースSに設置される。このため、減衰材30には、静止状態から粘弾性能が予め付与されることとなる。よって、最初の振動によって重錘22が減衰材30から離隔する方向に移動することとなっても、このような重錘22の変位は、減衰材30の予圧縮状態から元の形状に復帰するまでの寸法内に含まれる(又は僅かに大きい程度である)ので、振動の初期から減衰能が効果的に発揮されることとなる。
なお、第二実施形態においては、持出板11Aの梁100の長軸方向における長さを振動体20の板バネ21の長さよりも長く設定した例(図5)を示したが、このように持出板11Aを延長することなく、振動体20の重錘22の外側にステイ15を配置することもできる。例えば、図6に示すように、梁100の下フランジ120の上の振動体20の重錘22の外側の位置にステイ15を配置し、このステイ15の立上部15bの一方の面に減衰材30を接合して保持することもできる。
本発明は、以上の各実施形態に限定されるものではなく、これら実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、前記各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。例えば、以上の各実施形態では、上下一対のフランジをウェブで連結したH形鋼からなる梁に対して制振装置を取り付けた構成が開示されているが、上下一対のフランジの各側縁部間を縦材からなるウェブにて連結した閉断面状の梁の内部に上記構成の制振装置を取り付ける構成を採用することも可能である。
本発明は、住宅等の建物には限定されず橋梁等にも適用することができる。
1・1A…制振装置
10・10A…振動体保持部
12…束部材
14…ステイ(固定具)
15…ステイ(固定具)
20…振動体
21…板バネ
22…重錘
30…減衰材
100…梁
110…上フランジ
120…下フランジ
130…ウェブ
C…(振動体保持部の)保持中心
S…減衰材設置スペース

Claims (7)

  1. 上下フランジと、前記上下フランジをつなぐウェブと、を有する梁に装着され、前記梁の上下方向の振動を抑制する制振装置であって、
    前記梁に固定された振動体保持部と、
    前記振動体保持部によって前記梁の長軸方向に沿って延在し前記梁の上下方向の振動に伴って上下方向に振動する振動体と、
    前記振動体と前記振動体保持部との間に装着された粘弾性体からなる減衰材と、
    を備え、
    前記振動体は、前記振動体保持部によって中央部を保持される板バネと、前記板バネの先端付近に固定された一対の重錘と、を有し、
    前記振動体保持部は、前記振動体を天秤棒状に保持する保持中心を有するとともに、前記減衰材と前記重錘とを前記梁の長軸方向に沿って並べた状態で前記減衰材を保持する、
    制振装置。
  2. 前記減衰材は、前記一対の重錘の間の空間に設けられている、
    請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記振動体保持部は、前記板バネの中央部を保持する束部材を有し、
    前記減衰材は、前記束部材と前記重錘との間の空間に設けられている、
    請求項2に記載の制振装置。
  4. 前記振動体保持部は、前記板バネの中央部を保持する束部材を有するとともに、前記束部材と前記重錘との間に前記減衰材を固定するための固定具を有している、
    請求項1から3の何れか一項に記載の制振装置。
  5. 前記減衰材は、前記振動体保持部の保持中心からみて前記一対の重錘よりも外側となる位置に設けられている、
    請求項1に記載の制振装置。
  6. 前記減衰材は、前記重錘と前記振動体保持部とにより形成される減衰材設置スペースにおける前記梁の長軸方向寸法よりも僅かに長い軸長を有しかつ少なくとも前記梁の長軸方向に弾性復帰可能に収縮する柱状に形成され、前記減衰材設置スペースの前記梁の長軸方向寸法まで予圧縮された状態で一方の端面が前記重錘に接合され、他方の端面が前記振動体保持部に接合されている、
    請求項1から5の何れか一項に記載の制振装置。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載の制振装置を備える、建物。
JP2012037283A 2012-02-23 2012-02-23 制振装置及び建物 Active JP6134099B2 (ja)

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