JP2016138578A - 動吸振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】外力によって制振対象構造物の基礎が弾性支持棒と直交する平面内方向に振動した場合に、錘が外力と同じ周波数で振動する動吸振器を用いた場合において、制振対象構造物に発生する慣性モーメントを小さくする動吸振器を得る。【解決手段】この動吸振器は、制振対象構造物の基礎1に基端部に形成されたオネジ部5で固定される弾性支持棒2と、この弾性支持棒2の先端部に上側フランジ4とオネジ部5に螺旋されたナット7とにより挟まれて固定された錘6と、を備えており、錘6の重心13は、基礎1と上側フランジ4との間にある。【選択図】図2

Description

この発明は、制振対象構造物の基礎に固定され、錘とばねにより制振対象構造物の振動を低減させる動吸振器に関するものである。
人工衛星には、衛星本体の姿勢やアンテナの向きを制御するために、複数のアクチュエータが搭載されている。衛星本体に固定された回転機構を有する支持構造物の先端にアンテナが設置されており、衛星本体の姿勢制御に合わせてアンテナの向きが変更される。
複数のアクチュエータから発生した加振力(以下、外力と呼ぶ)によって、支持構造物の回転機構を回転中心として、アンテナは支持構造部物の回転軸に直交する面内で2次元に振動する。
また、アンテナと支持構造を一つの系とした場合の固有振動数と、アクチュエータの回転数が近接した場合、共振現象によりアンテナの振動が増大する。増大した振動によって、アンテナから送信される画像や映像に乱れが生じる。
このような振動問題に対して、アンテナの振動方向に合わせて、複数の制振装置を設置する必要があった。
制振対象構造物の振動低減方法の1つとして、外力の周波数に同調するように、錘とばねを組み合わせた動吸振器が用いられる。
動吸振器は、減衰を付加することで、ある程度の周波数範囲において振動低減効果が得られるという特徴を有する。
特許文献1では、基礎に固定された複数の支持棒と、この支持棒の先端に固定された錘から構成される動吸振器において、支持棒は3個以上かつ、基礎の同一円周上に等間隔で設けられている。
このような構成の場合、錘は支持棒に直交する面内方向に振動するため、1つの動吸振器によって2次元の振動を低減することが可能である。
特開2007−032626号公報
しかしながら、このような動吸振器にあっては、制振対象構造物の振動を低減するように錘が振動するが、錘が振動することによって、動吸振器の取り付け位置である制振対象構造物の基礎から錘の重心までの距離に比例する慣性モーメントも発生する。この慣性モーメントが加振力となり、制振対象構造物にも大きな慣性モーメントが発生して振動を与えるという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、制振対象構造物に発生する慣性モーメントを小さくした動吸振器を得ることを目的としている。
この発明に係る動吸振器は、
制振対象構造物の基礎に基端部が固定される弾性支持棒と、
この弾性支持棒の先端部に錘固定部で固定された錘と、を備え、
前記錘の重心は、前記基礎と前記錘固定部との間にある。
この発明に係る動吸振器によれば、錘の重心は、基礎と弾性支持棒の先端部の錘固定部との間にあるので、錘の重心は基礎側に接近しており、錘が振動したときの動吸振器の慣性モーメントを低減することができ、制振対象構造物に発生する慣性モーメントを小さくすることができる。
この発明の実施の形態1による動吸振器を示す上面図である。 図1のII−II線に沿った矢視断面図である。 この発明の実施の形態1による動吸振器の変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態2による動吸振器を示す上面図である。 図4のV−V線に沿った矢視断面図である。 図4のVI−VI線に沿った矢視断面図である。 錘と弾性支持棒から構成される振動系の曲げモードの図である。 錘と弾性支持棒から構成される振動系の並進モードの図である。 この発明の実施の形態2による動吸振器の変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態3による動吸振器を示す上面図である。 図10のXI−XI線に沿った矢視断面図である。 図10のXII−XII線に沿った矢視断面図である。 この発明の実施の形態3による動吸振器の変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態4による動吸振器を示す上面図である。 図14のXV−XV線に沿った矢視断面図である。 図14のXVI−XVI線に沿った矢視断面図である。 この発明の実施の形態4による動吸振器の変形例を示す断面図である。
以下、この発明の動吸振器の各実施の形態について図に基いて説明するが、各図において同一、または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の動吸振器を示す上面図、図2は図1のII−II線に沿った矢視断面図である。
この動吸振器では、弾性支持棒2の基端部のオネジ部5が制振対象構造物の基礎1に螺着して固定されている。弾性支持棒2の下側には、基礎1に面接触した下側フランジ3が設けられている。弾性支持棒2の上側端部には、オネジ部5が形成されている。このオネジ部5の下側には、上側フランジ4が設けられている。
弾性支持棒2の先端部には、上側フランジ4、オネジ部5及びナット7で構成された錘固定部で円柱形状の錘6が固定されている。錘固定部により中心部で弾性支持棒2に固定された錘6は、ナット7と上側フランジ4で挟まれたた第1の分割錘部8と、第1の分割錘部8よりも肉厚の第2の分割錘部9とを有している。第2の分割錘部9と、第2の分割錘部9に重ねられた第1の分割錘部8とは、円周方向に沿って等分間隔で配置された3個のボルト10により固定されて一体化されている。第2の分割錘部9は、中空であり、この中空に、下側フランジ3、弾性支持棒2及び上側フランジ4が配置されている。
基礎当接面11で当接した下側フランジ3と錘当接面12で当接した上側フランジ4との間の距離Lの部位が、弾性支持棒2のばねとして機能する部位である。
錘6の重心13は、基礎1と錘固定部の上側フランジ4との間にある。
なお、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9とはボルト10で分割可能に固定されているが、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9とが溶接で固定されていてもよい。
また、錘固定部は、上側フランジ4、オネジ部5及びナット7で構成されているが、第1の分割錘部8に弾性支持棒の先端に形成したオネジ部を形成し、このオネジ部を第1の分割錘部に螺着して錘を弾性支持棒に固定するようにしてもよい。
弾性支持棒2は、下側フランジ3と上側フランジ4との間において、距離L、半径rのばねとして作用し、この弾性支持棒2のばね定数kは(1)式で示すことができる。
=3E/L ----------(1)
ここで、Eは弾性支持棒2の縦弾性係数、Iは弾性支持棒2の断面2次モーメントである。
弾性支持棒2の断面2次モーメントIは、(2)式で示すことができる。
=πr /64--------------(2)
この実施の形態1の動吸振器は、固有振動数が外力の周波数fと一致するように、動吸振器は設計されている。
動吸振器の仕様と外力の周波数との関係は次式で示すことができる。
f=1/2π×(k/m)1/2 ----(3)
ここで、mは錘6の質量である。
従って、この実施の形態1の動吸振器は、その固有振動数が、錘6の質量m及び弾性支持棒2のばね定数kを調整することで、外力の周波数fと一致させている。
このような構成にすることで、外力によって制振対象構造物の基礎1が弾性支持棒2と直交する平面内方向に振動した場合、錘6は、その振動を吸収するように外力と同じ周波数で振動し、動吸振器は、弾性支持棒2と直交する平面内の全方向の振動を低減することができる。
この実施の形態1の動吸振器によれば、錘6の重心13は、基礎1と錘固定部の上側フランジ4との間であって、弾性支持棒2の軸線上にある。
従って、第1の分割錘部8よりも質量が大きな第2の分割錘部9を第1の分割錘部8の上に重ねて固定した場合には、錘6の重心は、上側フランジ4の錘当接面12よりも上方となるのに対して、この発明の実施の形態1の動吸振器では、錘6の重心13は、基礎1側に接近しており、基礎1から錘6の重心13までの距離が小さいので、動吸振器の慣性モーメントが小さくなり、制振対象構造物に発生する慣性モーメントは小さくなる。
また、第2の分割錘部9を第1の分割錘部8の上に重ねて固定した場合には、動吸振器の高さは、弾性支持棒2の全長よりも高くなってしまう。
これに対して、この発明の実施の形態1の動吸振器では、錘6は、弾性支持棒2の全長の範囲内に設けられており、弾性支持棒2の全長がそのまま動吸振器の高さに相当し、動吸振器は、コンパクトになる。
また、錘6は、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9とに分割されているので、錘6を弾性支持棒2に簡単に組み付けることができる。
なお、図3は、この発明の実施の形態1の動吸振器の変形例を示す断面図である。
この変形例では、基礎1と第2の分割錘部9との間に粘弾性材料14が介在している。
このようにすることで、錘6が弾性支持棒2と直交する平面内を振動したときに、粘弾性材料14がせん断変形し、錘6による振動エネルギーが減衰し、動吸振器の振動低減を図ることができる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2の動吸振器を示す上面図、図5は図4のV−V線に沿った矢視断面図、図6は図4のVI−VI線に沿った矢視断面図である。
この実施の形態2の動吸振器では、弾性支持棒2は、錘6に円周方向に沿って等分間隔で3個配置されている。
また、隣接した錘6間にはボルト10が配置されている。
個々の弾性支持棒2は、実施の形態1の弾性支持棒2と同様に、弾性支持棒2の基端部のオネジ部5が制振対象構造物の基礎1に螺着して固定されている。弾性支持棒2の下側には、基礎1に面接触した下側フランジ3が設けられている。弾性支持棒2の上側端部には、オネジ部5が形成されている。このオネジ部5の下側には、上側フランジ4が設けられている。
弾性支持棒2の先端部には、上側フランジ4、オネジ部5及びナット7で構成された錘固定部で円柱形状の錘6が固定されている。
他の構成は、実施の形態1の動吸振器と同じである。
弾性支持棒2の基端部は、オネジ部5で基礎1に固定されている。また、弾性支持棒2の先端部は錘固定部で固定されている。
従って、弾性支持棒2の1個当たりのばね定数kは次式で示すことができる。
=12E/L ---------(4)
この実施の形態2による動吸振器の合成ばね定数Kは次式で示すことができる。
=n -----------------(5)
ここで、nは弾性支持棒2の個数である。
この実施の形態2の動吸振器では、固有振動数が外力の周波数fと一致するように、設計されている。
動吸振器の仕様と外力の周波数fとの関係は次式で示すことができる。
f=1/2π×(K/m)1/2------(6)
錘6と弾性支持棒2とから構成される振動系の曲げモードを図7に、錘6と弾性支持棒2とから構成される振動系の並進モードを図8に示す。
1つの振動系には複数の固有振動モードがあり、そのうちの2つが曲げモードと並進モードである。
弾性支持棒2が1個の場合、図7及び図8に示した固有振動モードの固有振動数が近接することで互いに影響し合うため、錘6と弾性支持棒2の設計が困難になる。
しかしながら、この実施の形態2の動吸振器に示すように、弾性支持棒2を3個にすることで、図8の並進モードの固有振動数と比較して、曲げモードを含めたその他のモードの固有振動数は大きくなり、錘6と弾性支持棒2の設計が容易となる。
また、この実施の形態2の動吸振器は、その固有振動数を錘6の質量m及び弾性支持棒2のばね定数kを調整することで、外力の周波数fと一致させている。
このような構成にすることで、外力によって制振対象構造物の基礎1が弾性支持棒2と直交する平面内方向に振動した場合、錘6は、その振動を吸収するように外力と同じ周波数で振動し、動吸振器は、弾性支持棒2と直交する平面内の全方向の振動を低減することができる。
また、実施の形態1の動吸振器と同様に、錘6の重心13は、基礎1と錘固定部の上側フランジ4との間にあり、基礎1側に接近しているので、基礎1から錘6の重心13までの距離が小さく、動吸振器に発生する慣性モーメントが小さくなり、錘6が振動したときの制振対象構造物の慣性モーメントを低減させることができる。
また、実施の形態1の動吸振器と同様に、錘6は、弾性支持棒2の全長の範囲内に設けられており、弾性支持棒2の全長がそのまま動吸振器の高さに相当し、動吸振器は、コンパクトになる。
また、錘6は、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9とに分割されているので、錘6を弾性支持棒2に簡単に組み付けることができる。
なお、実施の形態2の動吸振器においては、弾性支持棒2の個数は3個であるが、3個以上でもよい。
また、弾性支持棒2は、異なる円周上にあってもよく、また隣接した弾性支持棒2間が不等間隔になるように配置してもよい。
なお、図9は、この発明の実施の形態2の動吸振器の変形例を示す断面図である。
この変形例では、基礎1と第2の分割錘部9との間に粘弾性材料14が介在している。
このようにすることで、錘6が弾性支持棒2と直交する平面内を振動したときに、粘弾性材料14がせん断変形し、錘6による振動エネルギーが減衰し、動吸振器の振動低減を図ることができる。
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3の動吸振器を示す上面図、図11は図10のXI−XI線に沿った矢視断面図、図12は図10のXII−XII線に沿った矢視断面図である。
この動吸振器では、3個の弾性支持棒2は、円周方向に沿って等間隔で配置されている。また、それぞれの弾性支持棒2は、基端部のオネジ部5が制振対象構造物の基礎1に螺着して固定されている。
弾性支持棒2の下側には、基礎1に面接触した下側フランジ3が設けられている。各弾性支持棒2の上側端部には、オネジ部5が形成されている。このオネジ部5の下側には、上側フランジ4が設けられている。
上側フランジ4とナット7とに挟まれた円板状の接続用板15は、ナット7をオネジ部5に螺着することで弾性支持棒2の先端部に固定されている。
接続用板15には、接続用棒16が隣接した弾性支持棒2間に配置されている。
接続用棒16の基端部に形成されたオネジ部17にナット18が螺着されている。先端部が基礎1に向かって延びた接続用棒16の基端部にも、オネジ部17が形成されており、このオネジ部17は、第2の分割錘部9よりも肉薄の第1の分割錘部8に螺着している。
また、接続用棒16の上側には、接続用板15の下面と面接触した接続上側フランジ19が設けられている。接続用棒16の下側には第1の分割錘部8の上面と面接触した接続下側フランジ20が設けられている。
錘6は、3個のボルト10により、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9とが一体化されているが、実施の形態1及び2の錘6と比較して、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9との上下関係が逆転している。
なお、弾性支持棒2、接続用棒16及びボルト10は、それぞれ異なる円周上にあってもよく、また不等間隔に配置されてもよい。
また、弾性支持棒2と接続用棒16は3個であるが、これらは3個以上であってもよく、また弾性支持棒2及び接続用棒16は同数でなくてもよい。
また、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9はボルト10による締結ではなく、溶接で固定してもよい。
他の構成は、実施の形態1の動吸振器と同じである。
この実施の形態3の動吸振器では、接続用棒16は、接続上側フランジ19と接続下側フランジ20との間の半径r、長さLの部位がばねとして作用する構造になっており、1個当たりのばね定数kは次式で示すことができる。
=12E/L -------------(7)
ここで、Eは接続用棒16の縦弾性係数、Iは接続用棒16の断面2次モーメントである。
接続用棒16の断面2次モーメントIは次式で示すことができる。
=πr /64---------------(8)
この実施の形態3の動吸振器では、基礎1に基端部が固定される弾性支持棒2の先端部に、上側フランジ4、ナット7及びオネジ部5により構成された接続板固定部で接続用板15が固定されている。この接続用板15に基端部が固定され先端部が基礎に向かって延びた接続用棒16の先端部のオネジ部17で錘6が固定されている。
従って、基礎1と錘6との間では、接続用板15を介して弾性支持棒2と接続用棒16とが直列に接続されており、動吸振器の全体での合成ばね定数Kは次式で示すことができる。
=n/(n+n)--------(9)
ここで、nは接続用棒16の個数である。
この実施の形態3の動吸振器では、固有振動数が外力の周波数fと一致するように、設計されている。動吸振器の仕様と外力の周波数fとの関係は次式で示すことができる。
f=1/2π×(K/m)1/2---------(10)
また、この実施の形態3の動吸振器は、その固有振動数を錘6の質量m及び弾性支持棒2のばね定数kを調整することで、外力の周波数fと一致させている。
このような構成にすることで、外力によって制振対象構造物の基礎1が弾性支持棒2と直交する平面内方向に振動した場合、錘6は、その振動を吸収するように外力と同じ周波数で振動し、動吸振器は、弾性支持棒2と直交する平面内の全方向の振動を低減することができる。
また、接続用板15の上に接続用棒16を設置し、接続用棒16に錘6を固定した場合には、錘6の重心は、接続用板15よりも上方にある。このとき、接続用棒16のばねの部位の長さを大きくすると、制振対象構造物に生じる慣性モーメントが大きくなってしまう。
これに対して、この実施の形態3の動吸振器では、弾性支持棒2及び接続用棒16のそれぞれのばね部を長くしても、錘6の重心13は、基礎1と接続用板15との間にあり、基礎1から錘6の重心13までの距離は小さいので、動吸振器の慣性モーメントは小さい。
従って、従来の動吸振器と比較して錘6が振動したときの制振対象構造物に対する慣性モーメントを低減することができる。
また、錘6の重心13は、基礎1と接続用板15との間にあり、弾性支持棒2の全長がそのまま動吸振器の高さとなり、動吸振器は、コンパクトになる。
また、弾性支持棒2あるいは接続用棒16が3個以上の場合、錘6が並進する固有振動モードに比べ、他の固有振動モードの固有振動数は高くなるため、前記の並進する固有振動モードは、他のモードの影響を受け難くなる効果がある。
また、n=n、r=r、L=Lである場合、式(9)で示した動吸振器の合成ばね定数Kは、式(5)で示したKの2分の1になる。
弾性支持棒2と接続用棒16とを直列の関係で繋げることで、ばね定数を下げることが可能である。
ばね定数を下げる他の方法として、弾性支持棒2のばねとして機能する部位であるばね部の直径を小さくすることと、ばね部の長さを大きくすることが挙げられる。
ばね部の直径を小さくすると、ばね部の強度不足が生じる場合がある。
これに対して、この実施の形態3の動吸振器では、外力の周波数が低い場合でも、それぞれのばね部の直径を小さくする必要がなく、ばね部の強度を確保しつつ、動吸振器の固有振動数を外力の周波数fに一致させることができる。
また、錘6は、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9とに分割されているので、錘6を弾性支持棒2及び接続用棒16に簡単に組み付けることができる。
なお、図13は、この発明の実施の形態3の動吸振器の変形例を示す断面図である。
この変形例では、基礎1と第1の分割錘部8との間に粘弾性材料14が介在している。また、第2の分割錘部9と接続用板15とのの間にも粘弾性材料14が介在している。
このようにすることで、錘6が弾性支持棒2と直交する平面内を振動したときに、粘弾性材料14がせん断変形し、錘6による振動エネルギーが減衰し、動吸振器の振動低減を図ることができる。
実施の形態4.
図14はこの発明の実施の形態4の動吸振器を示す上面図、図15は図14のXV−XV線に沿った矢視断面図、図16は図14のXVI−XVI線に沿った矢視断面図である。
この動吸振器では、制振対象構造物である基礎1に3個の弾性支持棒2の先端部が円周方向に沿って固定されている。弾性支持棒2の下側には、基礎1に面接触した下側フランジ3が設けられている。各弾性支持棒2の上側端部には、オネジ部5が形成されている。このオネジ部5の下側には、上側フランジ4が設けられている。
各オネジ部5にナット7が螺着して円板状の接続用板15が弾性支持棒2に固定されている。
接続用板15は、3個の接続用棒16が円周に沿って固定されている。接続用棒16は、隣接した弾性支持棒2間に配置されている。
接続用棒16の先端部には、オネジ部17が形成されており、このオネジ部17にナット18が螺着されている。接続用棒16の基端部にも、オネジ部17が形成されており、このオネジ部17は、円板形状の固定用板22に螺着されている。
また、接続用棒16の上側には、接続用板15の下面と面接触した接続上側フランジ19が設けられている。接続用棒16の下側には固定用板22と面接触した接続下側フランジ20が設けられている。
固定用板22では、接続用棒16の外側に、3個の固定用棒21が円周方向に沿って固定されている。
固定用棒21の基端部には、オネジ部25が形成されており、このオネジ部25が固定用板22に螺着されている。また、固定用棒21の基端部には、固定用板22の上面に面接触した固定下側フランジ24が設けられている。固定用棒21の先端部にもオネジ部25が形成されており、このオネジ部25にナット23が螺着されている。また、固定用棒21の先端部には錘6の第1の分割錘部8に下面に面接触した固定上側フランジ26が設けられている。
基端部が固定用板22で固定され第2の分割錘部9の穴を貫通した固定用棒21は、先端部のオネジ部25にナット23が螺着して第1の分割錘部8に固定されている。
錘6は、固定用棒21と同一円周上であって、隣接した固定用棒21間の3個のボルト10により、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9とが一体化されている。
なお、弾性支持棒2、接続用棒16、固定用棒21及びボルト10は、それぞれ異なる円周上にあってもよく、また不等間隔に配置されてもよい。
また、弾性支持棒2、接続用棒16、固定用棒21及びボルト10は、3個であるが、これらは3個以上であってもよく、また弾性支持棒2、接続用棒16、固定用棒21及びボルト10は、は同数でなくてもよい。
また、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9はボルト10による締結ではなく、溶接で固定してもよい。
他の構成は、実施の形態1の動吸振器と同じである。
固定用棒21は、固定下側フランジ24と固定上側フランジ26との間の半径r、長さLの部位がばねとして作用する構造になっており、1個当たりのばね定数kは次式で示すことができる。
=12EI/L --------(11)
ここで、Eは固定用棒21の縦弾性係数、Iは固定用棒21の断面2次モーメントである。
この実施の形態4の動吸振器では、基礎1に基端部が固定される弾性支持棒2の先端部に接続用板15が固定され、この接続用板15に基端部が固定された接続用棒16の先端部は基礎1に向かって延びている。この接続用棒16の先端部に固定された固定用板22には先端部が接続用板15に向かって延びた固定用棒21の先端部に錘6が固定されている。
従って、基礎1と錘6との間では、接続用板15、固定用板22を介して弾性支持棒2、接続用棒16及び固定用棒21が直列に接続されており、動吸振器の全体でのばね定数Kは次式で示すことができる。
=n/[(n+n)n4+]---(12)
ここで、nは固定用棒21の個数である。
この実施の形態4の動吸振器では、固有振動数が外力の周波数fと一致するように、設計されている。
動吸振器の仕様と外力の周波数fとの関係は次式で示すことができる。
f=1/2π×(K/m)1/2---------------(13)
この実施の形態4の動吸振器は、その固有振動数を錘6の質量m及び弾性支持棒2のばね定数kを調整することで、外力の周波数fと一致させている。
このような構成にすることで、外力によって制振対象構造物の基礎1が弾性支持棒2と直交する平面内方向に振動した場合、錘6は、その振動を吸収するように外力と同じ周波数で振動し、動吸振器は、弾性支持棒2と直交する平面内の全方向の振動を低減することができる。
また、基礎1、弾性支持棒2、接続用板15、接続用棒16、固定用板22、固定用棒21及び錘6を積み重ねた場合、錘の重心は、接続用板15よりも上方にある。このとき、ばね部の長さを大きくすると、制振対象構造物に生じる慣性モーメントが大きくなってしまう。
これに対して、この実施の形態4の動吸振器では、弾性支持棒2、接続用棒16及び固定用棒21のそれぞれのばね部を長くしても、錘6の重心13は、基礎1と接続用板15との間にあり、基礎1から錘6の重心13までの距離は小さいので、動吸振器の慣性モーメントは小さい。
従って、従来の動吸振器と比較して錘6が振動したときの制振対象構造物に対する慣性モ−メントを低減することができる。
また、錘6の重心13は、基礎1と接続用板15との間にあり、弾性支持棒2の全長がそのまま動吸振器の高さとなり、動吸振器は、コンパクトになる。
また、弾性支持棒2、接続用棒16及び固定用棒21の何れかが3個以上の場合、錘6が並進する固有振動モードに比べ、他の固有振動モードの固有振動数は高くなるため、前記の並進する固有振動モードは他のモードの影響を受け難くなる効果がある。
また、n=n=n、r=r=r、L=L=Lである場合、式(12)で示したKは式(5)で示したKの3分の1になる。
弾性支持棒と接続用棒を直列の関係で繋げることで、実施の形態3よりもさらにばね定数を下げることが可能である。
従って、この実施の形態4の動吸振器では、外力の周波数が低い場合でも、ばね部の直径を小さくする必要がなく、ばね部の強度を確保しつつ、動吸振器の固有振動数を外力の周波数に一致させることが可能である。
また、錘6は、第1の分割錘部8と第2の分割錘部9とに分割されているので、錘6を弾性支持棒2、接続用棒16及び固定用棒21に簡単に組み付けることができる。
なお、図17は、この発明の実施の形態4の動吸振器の変形例を示す断面図である。
この変形例では、錘6と固定用板22との間、錘6と接続用板15との間、固定用板22と基礎1との間にそれぞれ粘弾性材料14が介在している。
このような構成にすることで、錘6が弾性支持棒2と直交する平面内を振動したときに、粘弾性材料14がせん断変形し、振動エネルギーの減衰が増大することにより動吸振器の振動低減効果の向上を図ることができる。
なお、粘弾性材料14が挿入される位置は、上記の3ヶ所の何れかのヶ所、またはそれらの組合せでもよい。
なお、上記各実施の形態1〜4では、円柱形状の錘6について説明したが、このものに限定されるものではなく、例えば多角形柱であってもよい。
1 基礎、2 弾性支持棒、3 下側フランジ、4 上側フランジ、5 オネジ部、6 錘、7 ナット、8 第1の分割錘部、9 第2の分割錘部、10 ボルト、11 基礎当接面、12 錘当接面、13 重心、14 粘弾性部材、15 接続用板、16 接続用棒、17 オネジ部、18 ナット、19 接続上側フランジ、20 接続下側フランジ、21 固定用棒、22 固定用板、23 ナット、24 固定下側フランジ、25 オネジ部、26 固定上側フランジ。

Claims (10)

  1. 制振対象構造物の基礎に基端部が固定される弾性支持棒と、
    この弾性支持棒の先端部に錘固定部で固定された錘と、を備え、
    前記錘の重心は、前記基礎と前記錘固定部との間にある動吸振器。
  2. 制振対象構造物の基礎に基端部が固定される弾性支持棒と、
    この弾性支持棒の先端部に固定された接続用板と、
    この接続用板に基端部が固定され先端部が前記基礎に向かって延びた接続用棒と、
    この接続用棒の先端部に固定された錘と、を備え、
    前記錘の重心は、前記基礎と前記接続用板との間にある動吸振器。
  3. 制振対象構造物の基礎に基端部が固定される弾性支持棒と、
    この弾性支持棒の先端部に固定された接続用板と、
    この接続用板に基端部が固定され先端部が前記基礎に向かって延びた接続用棒と、
    この接続用棒の先端部に固定された固定用板と、
    この固定用板に基端部が固定され先端部が前記接続用板に向かって延びた固定用棒と、
    この固定用棒の先端部に固定された錘と、を備え、
    前記錘の重心は、前記基礎と前記接続用板との間にある動吸振器。
  4. 前記基礎と前記錘との間には、粘弾性部材が介在している請求項1または2に記載の動吸振器。
  5. 前記基礎と前記接続用板との間には、粘弾性部材が介在している請求項2または3に記載の動吸振器。
  6. 前記固定用板と前記基礎との間及び前記固定用板と前記錘との間の少なくとも一方には、粘弾性部材が介在している請求項3に記載の動吸振器。
  7. 前記接続用棒は、3個以上である請求項2、3、5及び6の何れか1項に記載の動吸振器。
  8. 前記固定用棒は、3個以上である請求項3または6に記載の動吸振器。
  9. 前記弾性支持棒は、3個以上である請求項1〜8の何れか1項に記載の動吸振器。
  10. 前記錘は、第1の分割錘部と、この第1の分割錘部に重ねられた第2の分割錘部とを有している請求項1〜9の何れか1項に記載の動吸振器。
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