JP2013166481A - 建設機械の盗難防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの自動停止後にエンジンキーを抜き忘れても、エンジンキーのみの盗難を防止することができ、建設機械の盗難も防止することができる建設機械の盗難防止装置を提供する。
【解決手段】油圧ショベルは、エンジン31によって駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプから複数の油圧アクチュエータ等への圧油の流れをそれぞれ制御する複数の方向切換弁等と、OFF位置でなければエンジンキーの挿入・抜出しが不可能であって、エンジンキーを挿入した場合にON位置及びSTART位置に操作可能なキースイッチ29と、自動停止条件が成立した場合にエンジン31を自動停止するエンジン制御部39及びコントローラ40とを備える。コントローラ40は、エンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のままである場合に、キーロック装置43を制御してキースイッチ29をON位置でロックする。
【選択図】図4

Description

本発明は、無作業時にエンジンを自動停止する建設機械に係わり、特に、建設機械の盗難防止装置に関する。
建設機械において、燃料消費量の削減や排気の削減等のため、無作業時にエンジンを自動停止するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の従来技術では、例えばブームシリンダ、アームシリンダ、及びバケットシリンダ用の操作レバーの操作情報(若しくは、キャブの出入り口に設けられたゲートレバーの操作情報)に基づいて、エンジンの動力の要否を判断する。そして、例えば操作レバーが操作されていないときにエンジンの動力が不要であると判断して、エンジンを自動停止させるようになっている。
しかし、エンジンを自動停止させると、運転者がエンジンキーを抜き忘れる可能性が生じる。そこで、特許文献1に記載の従来技術では、エンジンの自動停止状態で且つキースイッチがON位置のまま、所定時間が経過した場合に、エンジンが自動停止したことを報知するようになっている。
特開2004−225566号公報
特許文献1に記載の従来技術では、エンジンの自動停止状態で且つキースイッチがON位置のまま、所定時間が経過した場合に、エンジンが自動停止したことを報知するようになっている。しかし、報知では、注意を促すことが可能であるものの、不十分である。何故なら、例えば建設機械から遠い場所にいる管理者に報知した場合は、管理者が建設機械に行くまでの間に、エンジンキーのみが盗難されるか、若しくは建設機械が盗難される可能性がある。また、例えば建設機械から近い場所にいる運転者に報知した場合でも、運転者が何らかの理由で即座に車内に戻ることができず、それまでの間に、エンジンキーのみが盗難されるか、若しくは建設機械が盗難される可能性がある。
本発明の目的は、エンジンの自動停止後にエンジンキーを抜き忘れても、エンジンキーのみの盗難を防止することができ、建設機械の盗難も防止することができる建設機械の盗難防止装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、エンジンと、前記エンジンによって駆動される油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数の方向切換弁と、前記複数の方向切換弁を操作する操作手段と、OFF位置でなければエンジンキーの挿入・抜出しが不可能であって、前記エンジンキーを挿入した場合に電源オンを指示するON位置及び前記エンジンの起動を指示するSTART位置に操作可能なキースイッチと、自動停止条件が成立した場合に前記エンジンを自動停止する自動停止制御手段とを備えた建設機械に設けられ、前記キースイッチをON位置でロック可能なキーロック装置と、前記エンジンの自動停止状態で且つ前記キースイッチがON位置のままである場合に、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチをON位置でロックするキーロック制御手段と、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチのロック状態を解除するキーロック解除制御手段とを備えた建設機械の盗難防止装置である。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記キーロック制御手段は、前記エンジンの自動停止状態で且つ前記キースイッチがON位置のまま、設定時間が経過した場合に、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチをON位置でロックする。
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、暗証番号を入力可能な暗証番号入力手段を備え、前記キーロック解除制御手段は、前記暗証番号入力手段で暗証番号が入力された場合に、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチのロック状態を解除する。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記キーロック制御手段は、前記エンジンの自動停止状態で且つ前記キースイッチがON位置のまま、外部からのキーロック指令を受信した場合に、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチをON位置でロックする。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記キーロック解除制御手段は、外部からのキーロック解除指令を受信した場合に、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチのロック状態を解除する。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記建設機械の乗降口に設けられ乗降許可位置と乗降遮断位置に操作されるゲートロックレバーと、前記ゲートロックレバーが乗降許可位置に操作された場合に、前記操作手段による前記複数の方向切換弁の操作を無効化する操作無効化手段とを備え、前記自動停止制御手段は、自動停止条件として、前記ゲートロックレバーが乗降許可位置に操作されたまま、設定時間が経過した場合に、前記エンジンを自動停止する。
本発明によれば、エンジンの自動停止後にエンジンキーを抜き忘れても、エンジンキーのみの盗難を防止することができ、建設機械の盗難も防止することができる。
本発明の第1の実施形態における油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。 本発明の第1の実施形態における油圧ショベルの運転席廻りの詳細構造を表す斜視図である。 本発明の第1の実施形態における油圧ショベルに搭載された油圧駆動装置の構成のうち、代表としてブームの駆動に係わる要部構成を表す油圧回路図である。 本発明の第1の実施形態における油圧ショベルに搭載された盗難防止装置の構成を、関連機器とともに表すブロック図である。 本発明の第1の実施形態におけるキーロック装置の構造を表す断面図であり、キースイッチがOFF位置、ON位置、及びSTART位置である状態をそれぞれ示す。 本発明の第1の実施形態におけるコントローラのエンジン自動停止制御及びキーロック制御の処理内容を表すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態におけるコントローラのキーロック解除制御及び電源オン制御の処理内容を表すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における油圧ショベルの盗難防止システムの構成を表す概略図である。 本発明の第2の実施形態における油圧ショベルに搭載された盗難防止装置の構成を、関連機器とともに表すブロック図である。 本発明の第2の実施形態におけるコントローラのエンジン自動停止制御及びキーロック制御の処理内容を表すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるコントローラのキーロック解除制御及び電源オン制御の処理内容を表すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における情報処理端末の表示画面を表す図である。 本発明の第3の実施形態における油圧ショベルの盗難防止装置の構成を、関連機器とともに表すブロック図である。 本発明の第3の実施形態におけるコントローラのエンジン自動停止制御及びキーロック制御の処理内容を表すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態におけるコントローラのキーロック解除制御及び電源オン制御の処理内容を表すフローチャートである。
以下、本発明の適用対象の建設機械として小型の油圧ショベルを例に取り、本発明の実施形態を説明する。
本発明の第1の実施形態を、図1〜図7により説明する。
図1は、本実施形態における油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。図2は、油圧ショベルの運転席廻りの詳細構造を表す斜視図である。なお、以降、油圧ショベルが図1に示す状態にて運転者が運転席に着座した場合における運転者の前側(図1中左側)、後側(図1中右側)、左側(図1中紙面に向かって手前側)、右側(図1中紙面に向かって奥側)を、単に前側、後側、左側、右側と称する。
これら図1及び図2で示すように、油圧ショベル100は、クローラ式の下部走行体1と、この下部走行体1上に旋回可能に設けられた上部旋回体2と、この上部旋回体2の前側に左右方向に回動可能に設けられたスイングポスト3と、このスイングポスト3に上下方向に回動可能(俯仰可能)に連結された多関節型の作業装置4とを備えている。
下部走行体1は、上方から見て略H字形状のトラックフレーム5と、このトラックフレーム5の左右両側の後端近傍に回転可能に支持された左右の駆動輪6,6と、トラックフレーム5の左右両側の前端近傍に回転可能に支持された左右の従動輪(アイドラ)7,7と、左右それぞれの駆動輪6と従動輪7とで掛けまわされた左右の履帯(クローラ)8,8とを備えている。そして、左の走行用油圧モータ9の駆動により、左の駆動輪6(すなわち、左の履帯8)が回転し、右の走行用油圧モータ9の駆動により、右の駆動輪6(すなわち、右の履帯8)が回転するようになっている。
トラックフレーム5の前側には、排土用のブレード10が上下動可能に設けられている。そして、ブレード用油圧シリンダ(図示せず)の伸縮駆動により、ブレード10が上下動するようになっている。
上部旋回体2は、その基礎下部構造をなす旋回フレーム11と、この旋回フレーム11上に設けられたキャノピータイプの運転室12と、旋回フレーム11の後端部に設けられたカウンタウェイト13と、旋回フレーム11上の運転室12以外の大部分を覆う外装カバー14とを備えている。
下部走行体1のトラックフレーム5の中央部には旋回輪15が設けられ、この旋回輪15を介し上部旋回体2の旋回フレーム11が旋回可能に設けられている。そして、旋回用油圧モータ(図示せず)の駆動により、上部旋回体2が下部走行体1に対して旋回するようになっている。
スイングポスト3は、上部旋回体2の旋回フレーム11の前側に左右方向に回動可能に設けられている。そして、スイング用油圧シリンダ(図示せず)の伸縮駆動により、スイングポスト3が左右方向に回動し、これによって作業装置4が左右にスイングするようになっている。
作業装置4は、スイングポスト3に上下方向に回動可能に連結されたブーム16と、このブーム16に上下方向に回動可能に連結されたアーム17と、このアーム17に上下方向に回動可能に連結されたバケット18とを備えている。そして、ブーム用油圧シリンダ19、アーム用油圧シリンダ20、及びバケット用油圧シリンダ21の伸縮駆動により、ブーム16、アーム17、及びバケット18が上下方向に回動するようになっている。なお、バケット18は、例えばオプション用油圧アクチュエータが組み込まれたアタッチメント(図示せず)と交換可能になっている。
運転室12には、運転者が着座する運転席(座席)22が設けられている。運転席22の前方には、手または足で操作可能とし前後方向に操作することで左右の走行用油圧モータ9,9(すなわち、左右の履帯8,8)の動作をそれぞれ指示する左右の走行用操作レバー23A,23Bが設けられている。左の走行用操作レバー23Aのさらに左側の足元部分には、左右方向に操作することでオプション用油圧アクチュエータ(すなわち、アタッチメント)の動作を指示するオプション用操作ペダル24が設けられている。右の走行用操作レバー23Bのさらに右側の足元部分には、左右方向に操作することでスイング用油圧シリンダ(すなわち、スイングポスト3)の動作を指示するスイング用操作ペダル25が設けられている。
運転席22の左側には、前後方向に操作することでアーム用油圧シリンダ20(すなわち、アーム17)の動作を指示し、左右方向に操作することで旋回用油圧モータ(すなわち、上部旋回体2)の動作を指示する十字操作式のアーム・旋回用操作レバー26が設けられている。運転席22の右側には、前後方向に操作することでブーム用油圧シリンダ19(すなわち、ブーム16)の動作を指示し、左右方向に操作することバケット用油圧シリンダ21(すなわち、バケット18)の動作を指示する十字操作式のブーム・バケット用操作レバー27が設けられている。また、運転席22の右側には、前後方向に操作することでブレード用油圧シリンダ(すなわち、ブレード10)の動作を指示するブレード用操作レバー(図示せず)が設けられている。
また、運転席22の左側(言い換えれば、運転室12の乗降口)には、乗降阻止位置(詳細には、運転者の乗降を妨げる下降位置)と乗降許可位置(詳細には、運転者の乗降を許容する上昇位置)に操作されるゲートロックレバー28が設けられている。
また、運転席の右側には、キースイッチ29、テンキー入力装置30、及び図示しない回転数指示器等が設けられている。回転数指示器は、例えばダイヤルの回転操作位置に応じてエンジン31の目標回転数を指示する信号を出力するようになっている。
キースイッチ29は、詳細を図示しないが、キーシリンダと、このキーシリンダ内に回転可能に収納されたキーロータと、このキーロータの挿入口に挿入・抜出し可能なエンジンキーとで構成されている。そして、キーロータがOFF位置でなければエンジンキーの挿入・抜出しが不可能であって、エンジンキーを挿入した場合に、電源オンを指示するON位置及びエンジンの起動を指示するSTART位置に回転操作可能としている。
テンキー入力装置30は、詳細を図示しないが、暗証番号を入力するための0〜9までのテンキーと、暗証番号や後述する設定時間の変更を行うためのファンクションキーとを有している。
外装カバー14の内部には、エンジン31(後述の図3参照)、油圧ポンプ32(後述の図3参照)、パイロットポンプ33(後述の図3参照)、燃料タンク、作動油タンク、及びバッテリ34(後述の図3参照)等の機器が搭載されている。
上述した上部旋回体2、スイングポスト3、履帯8,8、ブレード10、ブーム16、アーム17、及びバケット18は、油圧ショベル100に搭載された油圧駆動装置によって駆動される被駆動部材を構成している。図3は、この油圧駆動装置のうち、代表としてブーム16の駆動に係わる要部構成を表す油圧回路図である。
この図3で示すように、油圧駆動装置は、エンジン(原動機)31と、このエンジン31によって駆動される可変容量型の油圧ポンプ32及び固定容量型のパイロットポンプ33と、油圧ポンプ32から吐出された圧油によって駆動される上記ブーム用油圧シリンダ19と、油圧ポンプ32からブーム用油圧シリンダ19への圧油の流れを制御する油圧パイロット式のブーム用方向切換弁35と、ブーム16等の動作を指示する上記操作レバー27を備えた油圧パイロット方式の操作装置36とを備えている。
操作装置36は、操作レバー27と、この操作レバー27の操作量に応じてパイロットポンプ33からの元圧(1次パイロット圧)を減圧した操作パイロット圧(2次パイロット圧)を出力する一対の減圧弁36a,36bとを備えている。そして、例えば操作レバー27を前側に操作すると、その操作量に応じて減圧弁36aで生成された操作パイロット圧がブーム用方向切換弁35の受圧部35aへ出力され、これによってブーム用方向切換弁35が図中右側の切換位置に切換えられる。その結果、ブーム用油圧シリンダ19が縮短して、ブーム16が下がる。一方、例えば操作レバー27を後側に操作すると、その操作量に応じて減圧弁36bで生成された操作パイロット圧がブーム用方向切換弁35の受圧部35bへ出力され、これによってブーム用方向切換弁35が図中左側の切換位置に切換えられる。その結果、ブーム用油圧シリンダ19が伸長して、ブーム16が上がるようになっている。
なお、図示しないが、上部旋回体2、スイングポスト3、履帯8,8、ブレード10、アーム17、及びバケット18の駆動に係わる要部構成も、上述したブーム16の駆動に係わる要部構成と同様、方向切換弁及び操作装置をそれぞれ備えている。以降、それらの方向切換弁を「方向切換弁35等」と称し、それらの操作装置を「操作装置36等」と称す。
パイロットポンプ33の吐出油路には、図示しないリリーフ弁が設けられており、パイロットポンプ33の最高吐出圧を規定するようになっている。また、パイロットポンプ33の吐出油路には、ロックバルブ37が設けられている。ロックバルブ37は、上記ゲートロックレバー28の操作に応じて切換えられて油路を連通・遮断するようになっている。詳しく説明すると、例えばゲートロックレバー28を乗降阻止位置(下降位置)に引き下げると、ロックスイッチ38が閉じ状態となり、このロックスイッチ38を介してロックバルブ37のソレノイド駆動部37aが通電されて、ロックバルブ37が図中左側の連通位置に切換えられる。これにより、パイロットポンプ33からの元圧が操作装置36等へ導かれ、操作装置36等による方向切換弁35等の操作を有効化する。一方、ゲートロックレバーを乗降許可位置(上昇位置)に引き上げると、ロックスイッチ38が開き状態となり、ロックバルブ37のソレノイド駆動部37aが通電されず、バネ37bの付勢力で、ロックバルブ37が図中左側の遮断位置に切換えられる。これにより、パイロットポンプ33からの元圧が遮断され、操作装置36等による方向切換弁35等の操作を無効化するようになっている。
ここで、上述した油圧ショベル100は、燃料消費量の削減や排気の削減等のため、無作業時に、キースイッチ29がON位置のまま、エンジン31を自動停止するようになっている(詳細は後述)。しかし、エンジン31の自動停止後に運転者がエンジンキーを抜き忘れる可能性がある。そして、他者によってキースイッチ29がON位置からOFF位置に操作されてエンジンキーが抜出されて、エンジンキーのみが盗難されるか、若しくは、他者によってキースイッチ29がON位置からSTART位置に操作されてエンジン31が再起動されて、油圧ショベル100が盗難される可能性がある。そこで、本発明の盗難防止装置は、エンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のままである場合に、キースイッチ29をON位置でロックするようになっている。以下、詳細を説明する。
図4は、本実施形態における盗難防止装置の構成を、関連機器とともに表す電気回路図である。
この図4で示すように、油圧ショベル100には、上述したキースイッチ29、テンキー入力装置30、エンジン31、バッテリ34、及びロックスイッチ38以外に、エンジン制御部(ECU)39、コントローラ(車体制御部)40、常開接点型の電源リレー41、電装品42、及びキーロック装置43が設けられている。
キースイッチ29は、B端子、Acc端子、及びC端子を有している。そして、キースイッチ29がOFF位置に操作されると、B端子、C端子、及びAcc端子が互いに接続されないようになっている。また、キースイッチ29がON位置に操作されると、B端子及びAcc端子が互いに接続されるようになっている。また、キースイッチ29がSTART位置に操作されると、B端子、C端子、及びAcc端子が互いに接続されるようになっている。なお、キースイッチ29は、START位置に操作されてから手放されると、バネ等の付勢力によってON位置に移行するようになっている。
キースイッチ29のB端子は、バッテリ34、テンキー入力装置30、及びコントローラ40に接続されている。すなわち、テンキー入力装置30及びコントローラ40は、キースイッチ29の操作位置にかかわらず、バッテリ34からの電力が供給されるようになっている。キースイッチ29のAcc端子は、電源リレー41を介してエンジン制御部39及び電装品42に接続されている。すなわち、エンジン制御部39及び電装品42は、キースイッチ29がON位置(及びSTART位置)に操作され且つ電源リレー41の接点が閉じ状態に制御された場合に、バッテリ34からの電力が供給されるようになっている。また、キースイッチ29のAcc端子は、コントローラ40に接続されている。すなわち、キースイッチ29からのオン信号がコントローラ40に出力されるようになっている。キースイッチ29のC端子は、エンジン制御部39に接続されている。すなわち、キースイッチ29からのスタート信号がエンジン制御部39に出力されるようになっている。
エンジン制御部39は、キースイッチ29からのスタート信号が入力された場合に、エンジン31を起動する。また、回転数指示器からの目標回転数の指示信号を入力し、エンジン31の実回転数が目標回転数となるようにエンジン31の燃料噴射量を制御するようになっている。また、エンジン31の状態を監視し、オーバヒート等の異常が発生した場合にその情報をコントローラ40に出力するようになっている。
コントローラ40は、電源制御機能を有している。詳細には、キースイッチ29からのオン信号が入力された場合に、キースイッチ29がON位置に操作されたと判断して、通常、電源リレー41のコイルを励磁してその接点を閉じ状態に制御する。これにより、エンジン制御部39及び電装品42の電源をオンに制御する。一方、キースイッチ29からのオン信号が入力されない場合に、キースイッチ29がOFF位置に操作されたと判断して、電源リレー41のコイルを消磁してその接点を開き状態に制御する。これにより、エンジン制御部39及び電装品42の電源をオフに制御するようになっている。
また、コントローラ40は、自動停止制御機能を有している。詳細には、ロックスイッチ38からの信号の有無により、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作されたかどうかを判断するようになっている。そして、自動停止条件として、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作されたまま、予め設定された設定時間t1が経過した場合に、エンジン制御部39にエンジン停止指令を出力してエンジン31を停止させる。その後、電源リレー41のコイルを消磁してその接点を開き状態に制御する。すなわち、エンジン制御部39及び電装品42の電源をオフに制御するようになっている。
また、コントローラ40は、キーロック制御機能を有している。詳細には、エンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のまま、予め設定された設定時間t2が経過した場合に、キーロック装置43へ駆動信号(駆動電流)を出力するようになっている。
キーロック装置43は、図5(a)、図5(b)、及び図5(c)で示すように、キースイッチ29のキーロータに連結されたカム部材44と、ロックピン45と、このロックピン45をカム部材44から遠ざける方向(図中下側)に付勢するバネ46と、このバネ46の付勢力に対抗してロックピン45をカム部材44に近づける方向(図中上側)に駆動するソレノイド47とで構成されている。カム部材44は、キースイッチ29がOFF位置にある場合に図5(a)で示すような回転位置にあり、キースイッチ29がON位置にある場合に図5(b)で示すような回転位置にあり、キースイッチ29がSTART位置にある場合に図5(c)で示すような回転位置にある。そして、キースイッチ29がON位置にあって、コントローラ40からの駆動電流によってソレノイド47が通電されると、図5(b)中点線で示すように、ロックピン45が駆動してカム部材44の溝44aに係合する。これにより、カム部材44の回転すなわちロックスイッチ29の操作を規制する。したがって、キースイッチ29をON位置でロックするようになっている。
コントローラ40は、キーロック解除制御機能を有している。詳細には、上述したキースイッチ29のロック状態にて、テンキー入力装置30で正しい暗証番号が入力された場合に(言い換えれば、テンキー入力装置30で入力された暗証番号とコントローラ30で予め設定記憶された暗証番号とが一致した場合に)、キーロック装置43への駆動信号の出力を停止する。これにより、ロックピン45がバネ46の付勢力によって戻されてカム部材44の溝44aとの係合が外れる。これにより、カム部材44の回転すなわちロックスイッチ29の回転操作が可能となる。したがって、ロックスイッチ29のロック状態を解除するようになっている。
次に、上述したコントローラ40の自動停止制御及びキーロック制御の処理手順を、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態におけるコントローラ40の自動停止制御及びキーロック制御の処理内容(プログラム)を表すフローチャートである。
この図6において、まず、ステップ50にて、エンジン31の駆動状態にて、自動停止条件(詳細には、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作されたまま設定時間t1が経過する条件)が成立したかどうかを判定する。例えば自動停止条件が成立しない場合は、ステップ50の判定が満たされず、その判定が繰り返される。
一方、例えば自動停止条件が成立した場合は、ステップ50の判定が満たされ、ステップ51に移る。ステップ51では、エンジン制御部39にエンジン停止指令を出力してエンジン31を停止させる。その後、ステップ52に進み、電源リレー41のコイルを消磁してその接点を開き状態に制御して、エンジン制御部39及び電装品42の電源をオフに制御する。
そして、ステップ53に進み、キースイッチ29がON位置にあるかどうかを判定する。最初は、ON位置であるから、ステップ53の判定が満たされ、ステップ54に移る。ステップ54では、エンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のまま、設定時間t2が経過したかどうかを判定する。最初は、設定時間t2が経過しないから、ステップ54の判定が満たされず、前述のステップ53に戻る。そして、例えば設定時間t2が経過する前にキースイッチ29がOFF位置に操作された場合は、ステップ53の判定が満たされず、プログラムが終了する。
一方、例えばエンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のまま、設定時間t2が経過した場合は、ステップ54の判定が満たされ、ステップ55に移る。ステップ55では、キーロック装置43に駆動信号を出力して、キースイッチ29をON位置でロックする。
次に、上述したコントローラ40のキーロック解除制御及び電源オン制御の処理手順を、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態におけるコントローラ40のキーロック解除制御及び電源オン制御の処理内容(プログラム)を表すフローチャートである。
この図7において、まず、ステップ60にて、キースイッチ29のロック状態にて、テンキー入力装置30で正しい暗証番号が入力されたかどうかを判定する。例えば正しい暗証番号が入力されない場合は、ステップ60の判定が満たされず、その判定が繰り返される。なお、このとき、例えばテンキー入力装置30で入力された1回目若しくは複数回目の暗証番号が正しくない場合は、図示しないブザーやホーンを所定時間吹鳴させる。
一方、例えば正しい暗証番号が入力された場合は、ステップ60の判定が満たされ、ステップ61に移る。ステップ61では、キーロック装置43への駆動信号の出力を停止して、ロックスイッチ29のロック状態を解除する。
そして、ステップ62に進み、キースイッチ29がON位置からOFF位置に操作されてON位置に戻されたかどうかを判定する。例えばキースイッチ29がON位置からOFF位置に操作されてON位置に戻されていない場合は、ステップ62の判定が満たされず、その判定が繰り返される。一方、例えばキースイッチ29がON位置からOFF位置に操作されてON位置に戻された場合は、ステップ62の判定が満たされ、ステップ63に移る。ステップ63では、電源リレー41のコイルを励磁してその接点を閉じ状態に制御して、エンジン制御部39及び電装品42の電源をオンに制御する。
なお、上記において、走行用操作レバー23A,23B、オプション用操作ペダル24、スイング用操作ペダル25、アーム・旋回用操作レバー26、ブーム・バケット用操作レバー27、及びブレード用操作レバーは、特許請求の範囲に記載の複数の方向切換弁を操作する操作手段を構成する。ロックバルブ37は、ゲートロックレバーが乗降許可位置に操作された場合に、操作手段による複数の方向切換弁の操作を無効化する操作無効化手段を構成する。コントローラ40及びエンジン制御部39は、自動停止条件が成立した場合にエンジンを自動停止する自動停止制御手段を構成し、詳しくは、自動停止条件として、ゲートロックレバーが乗降許可位置に操作されたまま、設定時間が経過した場合に、エンジンを自動停止する自動停止制御手段を構成する。
また、コントローラ40は、エンジンの自動停止状態で且つキースイッチがON位置のままである場合に、キーロック装置を制御してキースイッチをON位置でロックするキーロック制御手段を構成し、詳しくは、エンジンの自動停止状態で且つキースイッチがON位置のまま、設定時間が経過した場合に、キーロック装置を制御してキースイッチをON位置でロックするキーロック制御手段を構成する。テンキー入力装置30は、暗証番号を入力可能な暗証番号入力手段を構成する。また、コントローラ40は、キーロック装置を制御してキースイッチのロック状態を解除するキーロック解除制御手段を構成し、詳しくは、暗証番号入力手段で暗証番号が入力された場合に、キーロック装置を制御してキースイッチのロック状態を解除するキーロック解除制御手段を構成する。
次に、本実施形態の動作及び作用効果を説明する。
例えば油圧ショベル100の起動を意図して、運転者がキースイッチ29をOFF位置からON位置に操作し、さらにSTART位置に操作すると、エンジン制御部29及び電装品42の電源がオンになるとともに、エンジン31が起動する。そして、例えば掘削作業を意図して、運転者がゲートロックレバー28を乗降阻止位置に操作し、さらに操作レバー27等を操作すると、方向切換弁35等が切換えられて、ブーム用油圧シリンダ19等が駆動する。そして、例えば掘削作業の中断若しくは中止を意図して、運転者がゲートロックレバー28を乗降許可位置に操作して降車し、そのまま設定時間t1が経過すると、エンジン31が自動停止する。このとき、運転者がキースイッチ29を操作しなければ、キースイッチ29はON位置のままである。
そこで、本実施形態では、エンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のまま、設定時間t2が経過すれば、キースイッチ29をON位置でロックする。これにより、キースイッチ29がOFF位置に操作不能なため、エンジンキーを抜出すことができず、エンジンキーのみの盗難を防止することができる。また、キースイッチ29がSTART位置に操作不能なため、エンジン31を起動することができず、油圧ショベル100の盗難も防止することができる。
また、運転者が乗車してテンキー入力装置30で暗証番号を入力すれば、キースイッチ29のロック状態を解除することができる。これにより、運転者がキースイッチ29をON位置からOFF位置に操作して、エンジンキーを抜出すことができる。あるいは、運転者がキースイッチ29をOFF位置に操作してからON位置に戻せば、エンジン制御部39及び電装品42の電源をオンにすることができ、さらにキースイッチ29をSTART位置に操作すれば、エンジン31を起動することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、特に説明しなかったが、コントローラ40は、キースイッチ29がOFF位置からON位置に操作されたときに、テンキー入力装置30で正しい暗証番号が入力されたかどうかを判定し、正しい暗証番号が入力された場合に、電源リレー41の接点を閉じ状態に制御してもよい。このような変形例においては、油圧ショベルの盗難防止機能を高めることができる。
本発明の第2の実施形態を、図8〜図12により説明する。なお、本実施形態において、上記第1の実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図8は、本実施形態における建設機械の盗難防止システムの構成を表す概略図である。図9は、本実施形態における油圧ショベル100に搭載された盗難防止装置の構成を表す図である。
図8で示すように、建設機械の盗難防止システムは、例えば作業現場等に配置された複数の油圧ショベル100と、これら油圧ショベル100との間で無線通信を行う無線通信局101と、例えば建設機械の製造会社等に設置され、公衆回線通信網102(例えばインターネット等)を介し無線通信局101に接続されたセンタサーバ103と、例えば油圧ショベル100を管理する管理者(例えばレンタル会社等)に所有され、公衆回線通信網102を介しセンタサーバ103に接続された情報処理端末104とで構成されている。
図9で示すように、油圧ショベル100には、キースイッチ29、エンジン31、バッテリ34、ロックスイッチ38、エンジン制御部39、コントローラ40A、常開接点型の電源リレー41、電装品42、及びキーロック装置43が設けられている。すなわち、本実施形態では、上記第1の実施形態とは異なり、テンキー入力装置30が設けられなくともよい。
コントローラ40Aは、上記第1の実施形態のコントローラ40と同様、電源制御機能及び自動停止制御機能を有している。
また、コントローラ40Aは、通信機能を有しており、無線通信局101及び公衆回線通信網102を介してセンタサーバ103と通信可能としている。すなわち、コントローラ40Aは、キーON位置情報(詳細には、キースイッチ29がON位置に操作された状態であること)、キーOFF位置情報(詳細には、キースイッチ29がOFF位置に操作された状態であること)、自動停止情報(詳細には、エンジン31が自動停止した状態であること)、キーロック情報(詳細には、キースイッチ29がON位置でロックされた状態であること)、及びキーロック解除情報(詳細には、キースイッチ29のロック状態が解除されたこと)を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連付けてセンタサーバ103に送信するとともに、センタサーバ103からキーロック指令及びキーロック解除指令を受信するようになっている。
また、コントローラ40Aは、キーロック制御機能を有しており、エンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のまま、センタサーバ103からのキーロック指令を受信した場合に、キーロック装置43へ駆動信号を出力して、キースイッチ29をON位置でロックするようになっている。
また、コントローラ40Aは、キーロック解除制御機能を有しており、上述したキースイッチ29のロック状態にて、センタサーバ103からのキーロック解除指令を受信した場合に、キーロック装置43への駆動信号の出力を停止して、ロックスイッチ29のロック状態を解除するようになっている。
次に、コントローラ40Aの自動停止制御及びキーロック制御の処理手順を、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態におけるコントローラ40Aの自動停止制御及びキーロック制御の処理内容(プログラム)を表すフローチャートである。
この図10において、まず、ステップ50にて、エンジン31の駆動状態にて、自動停止条件(詳細には、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作されたまま設定時間t1が経過する条件)が成立したかどうかを判定する。例えば自動停止条件が成立しない場合は、ステップ50の判定が満たされず、その判定が繰り返される。
一方、例えば自動停止条件が成立した場合は、ステップ50の判定が満たされ、ステップ51に移る。ステップ51では、エンジン制御部39にエンジン停止指令を出力してエンジン31を停止させる。その後、ステップ52に進み、電源リレー41のコイルを消磁してその接点を開き状態に制御して、エンジン制御部39及び電装品42の電源をオフに制御する。その後、ステップ56に進み、自動停止情報を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連づけて送信する。
そして、ステップ53に進み、キースイッチ29がON位置にあるかどうかを判定する。最初は、ON位置であるから、ステップ53の判定が満たされ、ステップ57に移る。ステップ57では、エンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のまま、キーロック指令を受信したかどうかを判定する。例えばキーロック指令を受信しない場合は、ステップ57の判定が満たされず、前述のステップ53に戻る。そして、例えばキーロック指令を受信しないで、キースイッチ29がOFF位置に操作された場合は、ステップ53の判定が満たされず、ステップ58に移る。ステップ58では、キーOFF位置情報を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連づけて送信する。
一方、例えばエンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のまま、キーロック指令を受信した場合は、ステップ57の判定が満たされ、ステップ55に移る。ステップ55では、キーロック装置43に駆動信号を出力して、キースイッチ29をON位置でロックする。その後、ステップ59に進み、キーロック情報を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連づけて送信する。
次に、コントローラ40Aのキーロック解除制御及び電源オン制御の処理手順を、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態におけるコントローラ40Aのキーロック解除制御及び電源オン制御の処理内容(プログラム)を表すフローチャートである。
この図7において、まず、ステップ64にて、キースイッチ29のロック状態にて、キーロック解除指令を受信したかどうかを判定する。例えばキーロック解除指令を受信しない場合は、ステップ64の判定が満たされず、その判定が繰り返される。
一方、例えばキーロック解除指令を受信した場合は、ステップ64の判定が満たされ、ステップ61に移る。ステップ61では、キーロック装置43への駆動信号の出力を停止して、ロックスイッチ29のロック状態を解除する。その後、ステップ65に進み、キーロック解除情報を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連づけて送信する。
そして、ステップ62に進み、キースイッチ29がON位置からOFF位置に操作されてON位置に戻されたかどうかを判定する。例えばキースイッチ29がON位置からOFF位置に操作されてON位置に戻されていない場合は、ステップ62の判定が満たされず、その判定が繰り返される。一方、例えばキースイッチ29がON位置からOFF位置に操作されてON位置に戻された場合は、ステップ62の判定が満たされ、ステップ63に移る。ステップ63では、電源リレー41のコイルを励磁してその接点を閉じ状態に制御して、エンジン制御部39及び電装品42の電源をオンに制御する。その後、ステップ66に進み、キーON位置情報を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連づけて送信する。
前述の図8に戻り、センタサーバ103は、各油圧ショベル100における機種、号機、及び管理者等の情報を記憶したデータベースを有している。また、センタサーバ103は、各油圧ショベル100から受信した情報をデータベース上で記憶するとともに情報処理端末104に提供したり、情報処理端末104で入力された指令を油圧ショベル100へ送信したりするようになっている。
情報処理端末は104、センタサーバ103から提供された情報により、例えば図12で示すような管理画面105を表示するようになっている。管理画面105は、管理者が管理する油圧ショベル100の情報をリスト表示する油圧ショベル情報表示領域106を有している。この油圧ショベル情報表示領域106には、機種の表示欄106aと、号機の表示欄106bと、キースイッチ29がON位置にあるかどうかを表示する表示欄106cと、エンジン31が自動停止したかどうかを表示する表示欄106dと、キースイッチ31をON位置でロックしたかどうかを表示する表示欄106eと、経過時間の表示欄106fとが設けられている。また、管理画面105は、「キーロック」指示ボタン107及び「キーロック解除」指示ボタン108を有している。
管理画面105の油圧ショベル情報表示領域106では、キースイッチ29がOFF位置であれば、表示欄106cに「×」を表示するとともに、表示欄106d〜106fをブランク(空白)にする。その後、キースイッチ29がON位置になれば、表示欄106cを「×」から「○」に変えるとともに、表示欄106d,106eをブランクから「×」に変える。その後、エンジン31が自動停止すれば、表示欄106dを「×」から「○」に変えるとともに、経過時間表示欄106fにエンジン自動停止から現在までの経過時間を表示するようになっている。なお、このとき、例えば「機種(***)−号機(****)は、エンジンが自動停止しました」というメッセージ画面を表示してもよい。
そして、管理画面105の油圧ショベル情報表示領域106にて表示欄106cが「○」、表示欄106dが「○」、表示欄106eが「×」である油圧ショベル(すなわち、リストの一行)を選択して、「キーロック」指示ボタン107を操作すると、選択された油圧ショベルの機種及び号機とともにキーロック指令がセンタサーバ103に送信され、センタサーバ103から対応する油圧ショベルにキーロック指令が送信されるようになっている。その後、センタサーバ103が油圧ショベルからキーロック情報を受信すると、その情報をデータベース上に記憶する。これに伴い、対応する表示欄106eの「×」が「○」に変わり、経過時間表示欄がブランク(空白)に変わるようになっている。
また、管理画面105の油圧ショベル情報表示領域106にて表示欄106cが「○」、表示欄106dが「○」、表示欄106eが「○」である油圧ショベルを選択して、「キーロック解除」指示ボタン108を操作すると、選択された油圧ショベルの機種及び号機とともにキーロック解除指令がセンタサーバ103に送信され、センタサーバ103から対応する油圧ショベルにキーロック解除指令が送信されるようになっている。その後、センタサーバ103が油圧ショベルからキーロック情報を受信すると、その情報をデータベース上に記憶する。これに伴い、対応する表示欄106eの「○」を「×」に変えるとともに、経過時間表示欄106fにキーロック解除から現在までの経過時間を表示するようになっている。
その後、センタサーバ103が油圧ショベルからキーOFF位置情報を受信すると、その情報をデータベース上に記憶する。これに伴い、対応する表示欄106cの「○」を「×」に変えるとともに、表示欄106d〜106fをブランクに変えるようになっている。
次に、本実施形態の動作及び作用効果を説明する。
例えば油圧ショベル100の起動を意図して、運転者がキースイッチ29をOFF位置からON位置に操作し、さらにSTART位置に操作すると、エンジン制御部29及び電装品42の電源がオンになるとともに、エンジン31が起動する。このとき、油圧ショベル100のコントローラ40Aからセンタサーバ103にキーON位置情報が送信されて記憶され、情報処理端末104で表示される。これにより、管理者は、油圧ショベル100の稼働状態を確認することができる。
また、例えば掘削作業を意図して、運転者がゲートロックレバー28を乗降阻止位置に操作し、さらに操作レバー27等を操作すると、方向切換弁35等が切換えられて、ブーム用油圧シリンダ19等が駆動する。そして、例えば掘削作業の中断若しくは中止を意図して、運転者がゲートロックレバー28を乗降許可位置に操作して降車し、そのまま設定時間t1が経過すると、エンジン31が自動停止する。このとき、油圧ショベル100のコントローラ40Aからセンタサーバ103に自動停止情報が送信されて記憶され、情報処理端末104で表示される。これにより、管理者は、油圧ショベル100の自動停止状態を確認することができる。
そして、管理者が油圧ショベル100のキースイッチ29をロックしたほうがよいと判断して、管理画面105の「キーロック」指示ボタン107を操作すると、センタサーバ103からキーロック指令が油圧ショベル100のコントローラ40Aに送信される。このキーロック指令に応じて、コントローラ40Aは、キーロック制御装置43を制御して、キースイッチ29をON位置でロックすることができる。これにより、キースイッチ29がOFF位置に操作不能なため、エンジンキーを抜出すことができず、エンジンキーのみの盗難を防止することができる。また、キースイッチ29がSTART位置に操作不能なため、エンジン31を起動することができず、油圧ショベル100の盗難も防止することができる。また、このとき、油圧ショベル100のコントローラ40Aからセンタサーバ103にキーロック情報が送信されて記憶され、情報処理端末104で表示される。これにより、管理者は、油圧ショベル100のキースイッチ29のロック状態を確認することができる。
そして、管理者が油圧ショベル100のキースイッチ29のロック状態をしたほうがよいと判断して、管理画面105の「キーロック解除」指示ボタン108を操作すると、センタサーバ103からキーロック解除指令が油圧ショベル100のコントローラ40Aに送信される。このキーロック解除指令に応じて、コントローラ40Aは、キーロック制御装置43を制御して、キースイッチ29のロック状態を解除することができる。また、このとき、油圧ショベル100のコントローラ40Aからセンタサーバ103にキーロック解除情報が送信されて記憶され、情報処理端末104で表示される。これにより、管理者は、油圧ショベル100のキースイッチ29のロック解除状態を確認することができる。
本発明の第3の実施形態を、図13〜図15により説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態と上記第2の実施形態を組合せた実施形態である。なお、本実施形態において、上記第1及び第2の実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図13は、本実施形態における油圧ショベル100に搭載された盗難防止装置の構成を表す図である。
この図13で示すように、油圧ショベル100には、キースイッチ29、テンキー入力装置30、エンジン31、バッテリ34、ロックスイッチ38、エンジン制御部39、コントローラ40B、常開接点型の電源リレー41、電装品42、及びキーロック装置43が設けられている。コントローラ40Bは、上記第1の実施形態のコントローラ40の機能と上記第2の実施形態のコントローラ40Aの機能を兼ね備えている。
次に、コントローラ40Bの自動停止制御及びキーロック制御の処理手順を、図14を用いて説明する。図14は、本実施形態におけるコントローラ40Bの自動停止制御及びキーロック制御の処理内容(プログラム)を表すフローチャートである。
この図14において、まず、ステップ50にて、エンジン31の駆動状態にて、自動停止条件(詳細には、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作されたまま設定時間t1が経過する条件)が成立したかどうかを判定する。例えば自動停止条件が成立しない場合は、ステップ50の判定が満たされず、その判定が繰り返される。
一方、例えば自動停止条件が成立した場合は、ステップ50の判定が満たされ、ステップ51に移る。ステップ51では、エンジン制御部39にエンジン停止指令を出力してエンジン31を停止させる。その後、ステップ52に進み、電源リレー41のコイルを消磁してその接点を開き状態に制御して、エンジン制御部39及び電装品42の電源をオフに制御する。その後、ステップ56に進み、自動停止情報を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連づけて送信する。
そして、ステップ53に進み、キースイッチ29がON位置にあるかどうかを判定する。最初は、ON位置であるから、ステップ53の判定が満たされ、ステップ54に移る。ステップ54では、エンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のまま、設定時間t2が経過したかどうかを判定する。最初は、設定時間t2が経過しないから、ステップ54の判定が満たされず、ステップ57に移る。ステップ57では、エンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のままであって、キーロック指令を受信したかどうかを判定する。例えばキーロック指令を受信しない場合は、ステップ57の判定が満たされず、前述のステップ53に戻る。そして、例えば設定時間t2が経過する前に、キーロック指令を受信しないで、キースイッチ29がOFF位置に操作された場合は、ステップ53の判定が満たされず、ステップ58に移る。ステップ58では、キーOFF位置情報を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連づけて送信する。
一方、例えばエンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のまま、キーロック指令を受信しないで、設定時間t2が経過した場合は、ステップ54の判定が満たされ、ステップ55に移る。ステップ55では、キーロック装置43に駆動信号を出力して、キースイッチ29をON位置でロックする。また、例えばエンジン31の自動停止状態で且つキースイッチ29がON位置のまま、設定時間t2が経過する前に、キーロック指令を受信した場合は、ステップ57の判定が満たされ、ステップ55に移る。ステップ55では、キーロック装置43に駆動信号を出力して、キースイッチ29をON位置でロックする。その後、ステップ59に進み、キーロック情報を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連づけて送信する。
次に、コントローラ40Bのキーロック解除制御及び電源オン制御の処理手順を、図15を用いて説明する。図15は、本実施形態におけるコントローラ40Bのキーロック解除制御及び電源オン制御の処理内容(プログラム)を表すフローチャートである。
この図15において、まず、ステップ60にて、キースイッチ29のロック状態にて、テンキー入力装置30で正しい暗証番号が入力されたかどうかを判定する。例えば正しい暗証番号が入力されない場合は、ステップ60の判定が満たされず、ステップ64に移る。ステップ64では、キーロック解除指令を受信したかどうかを判定する。例えばキーロック解除指令を受信しない場合は、ステップ64の判定が満たされず、前述のステップ60に戻って、上記同様の手順が繰り返される。
一方、例えば正しい暗証番号が入力された場合は、ステップ60の判定が満たされ、ステップ61に移る。また、例えばキーロック解除指令を受信した場合は、ステップ64の判定が満たされ、ステップ61に移る。ステップ61では、キーロック装置43への駆動信号の出力を停止して、ロックスイッチ29のロック状態を解除する。その後、ステップ65に進み、キーロック解除情報を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連づけて送信する。
そして、ステップ62に進み、キースイッチ29がON位置からOFF位置に操作されてON位置に戻されたかどうかを判定する。例えばキースイッチ29がON位置からOFF位置に操作されてON位置に戻されていない場合は、ステップ62の判定が満たされず、その判定が繰り返される。一方、例えばキースイッチ29がON位置からOFF位置に操作されてON位置に戻された場合は、ステップ62の判定が満たされ、ステップ63に移る。ステップ63では、電源リレー41のコイルを励磁してその接点を閉じ状態に制御して、エンジン制御部39及び電装品42の電源をオンに制御する。その後、ステップ66に進み、キーON位置情報を、油圧ショベル100の機種及び号機と関連づけて送信する。
以上のように構成された本実施形態においても、上記第1及び第2の実施形態と同様、エンジンの自動停止後にエンジンキーを抜き忘れても、エンジンキーのみの盗難を防止することができ、油圧ショベルの盗難も防止することができる。
なお、上記第3の実施形態においては、コントローラ40Bは、上記第1の実施形態におけるコントローラ40のキーロック制御機能(設定時間の経過によるもの)及びキーロック解除制御機能(暗証番号の入力によるもの)と上記第2の実施形態におけるコントローラ40Aのキーロック制御機能(キーロック指令の受信によるもの)及びキーロック解除制御機能(キーロック解除指令の受信によるもの)を全て兼ね備えた場合を例にとって説明したが、これに代えて、それらの制御機能のうちのいずれかを備えるように構成してもよい。このような変形例においても、上記第1〜第3の実施形態と同様、エンジンの自動停止後にエンジンキーを抜き忘れても、エンジンキーのみの盗難を防止でき、油圧ショベルの盗難も防止することができる。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、キースイッチ29からのスタート信号がエンジン制御部39に出力され、このスタート信号に応じてエンジン制御部39がエンジン31を起動する場合を例にとって説明したが、これに代えて、キースイッチ29からのスタート信号がコントローラ40(又は40A,40B)に出力されてもよい。そして、コントローラ40(又は40A,40B)は、キースイッチ29からのスタート信号が入力されたときに、ゲートロックレバー28が乗降許可位置であるかどうかを判定し、ゲートロックレバー28が乗降許可位置である場合にエンジン制御部28にスタート信号を出力してもよい。このような変形例においても、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、コントローラ40(又は、40A,40B)は、エンジン制御部39にエンジン停止指令を出力して、エンジン31を自動停止させる場合を例にとって説明したが、これに代えて、電源リレー41の接点を閉じ状態に制御してエンジン制御部39への電力供給を遮断することにより、エンジン31を自動停止させてもよい。このような変形例においても、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、自動停止条件として、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作されたまま、設定時間t2が経過した場合を例にとって説明したが、これに代えて、例えば、走行用操作レバー23A,23B、オプション用操作ペダル24、スイング用操作ペダル25、アーム・旋回用操作レバー26、ブーム・バケット用操作レバー27、及びブレード用操作レバーの全てが中立位置であって予め設定された設定時間t3が経過した場合としてもよい。また、エンジン31の異常(例えばオーバヒート等)が発生しないことや、エンジン31の目標回転数が回転数指示器の操作によって変更されないこと等を条件に追加してもよい。また、上記第1〜第3の実施形態においては、特に説明しなかったが、エンジン31の自動停止前に、エンジン31の回転数が予め設定された所定の低速回転数となるように制御するアイドル制御を行ってもよい。このような変形例においても、上記同様の効果を得ることができる。
なお、以上においては、本発明の適用対象として、小型の油圧ショベルを例にとって説明したが、これに限られず、中型や大型の油圧ショベルに適用してもよいし、油圧クレーンやホイールローダ等の他の建設機械に適用してもよいことは言うまでもない。
9 走行用油圧モータ
19 ブーム用油圧シリンダ
20 アーム用油圧シリンダ
21 バケット用油圧シリンダ
28 ゲートロックレバー
29 キースイッチ
30 テンキー入力装置(暗証番号入力手段)
31 エンジン
32 油圧ポンプ
35 ブーム用方向切換弁
36 操作装置(操作手段)
37 ロックバルブ(操作無効化手段)
39 エンジン制御部(自動停止制御手段)
40,40A,40B コントローラ(自動停止制御手段、キーロック制御手段、キーロック解除制御手段)
43 キーロック装置
100 油圧ショベル
104 情報処理端末

Claims (6)

  1. エンジンと、前記エンジンによって駆動される油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数の方向切換弁と、前記複数の方向切換弁を操作する操作手段と、OFF位置でなければエンジンキーの挿入・抜出しが不可能であって、前記エンジンキーを挿入した場合に電源オンを指示するON位置及び前記エンジンの起動を指示するSTART位置に操作可能なキースイッチと、自動停止条件が成立した場合に前記エンジンを自動停止する自動停止制御手段とを備えた建設機械に設けられ、
    前記キースイッチをON位置でロック可能なキーロック装置と、
    前記エンジンの自動停止状態で且つ前記キースイッチがON位置のままである場合に、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチをON位置でロックするキーロック制御手段と、
    前記キーロック装置を制御して前記キースイッチのロック状態を解除するキーロック解除制御手段とを備えたことを特徴とする建設機械の盗難防止装置。
  2. 請求項1記載の建設機械の盗難防止装置において、
    前記キーロック制御手段は、前記エンジンの自動停止状態で且つ前記キースイッチがON位置のまま、設定時間が経過した場合に、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチをON位置でロックすることを特徴とする建設機械の盗難防止装置。
  3. 請求項1又は2記載の建設機械の盗難防止装置において、
    暗証番号を入力可能な暗証番号入力手段を備え、
    前記キーロック解除制御手段は、前記暗証番号入力手段で暗証番号が入力された場合に、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチのロック状態を解除することを特徴とする建設機械の盗難防止装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の建設機械の盗難防止装置において、
    前記キーロック制御手段は、前記エンジンの自動停止状態で且つ前記キースイッチがON位置のまま、外部からのキーロック指令を受信した場合に、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチをON位置でロックすることを特徴とする建設機械の盗難防止装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の建設機械の盗難防止装置において、
    前記キーロック解除制御手段は、外部からのキーロック解除指令を受信した場合に、前記キーロック装置を制御して前記キースイッチのロック状態を解除することを特徴とする建設機械の盗難防止装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の建設機械の盗難防止装置において、
    前記建設機械の乗降口に設けられ乗降許可位置と乗降遮断位置に操作されるゲートロックレバーと、
    前記ゲートロックレバーが乗降許可位置に操作された場合に、前記操作手段による前記複数の方向切換弁の操作を無効化する操作無効化手段とを備え、
    前記自動停止制御手段は、自動停止条件として、前記ゲートロックレバーが乗降許可位置に操作されたまま、設定時間が経過した場合に、前記エンジンを自動停止することを特徴とする建設機械の盗難防止装置。
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