JP2013166340A - 複合ファブリック及び衣料 - Google Patents

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Abstract

【課題】通気性が抑えられ保温性に優れていながらも、軽量であり、適度な透湿性が確保された複合ファブリックを提供する。また、該複合ファブリックを用いて製造される衣料を提供する。
【解決手段】繊維軸直行方向断面の直径が50nm以上2μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布と、該ナノファイバー不織布の少なくとも片面に積層された編生地とを有する複合ファブリックであって、前記編生地の目付が35〜95g/m、生地厚みが0.10〜0.35mmであり、複合ファブリックのJIS L−1096 A法(フラジール法)による通気度が5cc/cm/秒以下、KES法による熱伝達抵抗(クロー値)が0.05CLO以上、JIS L−1099 A−1法(塩化ナトリウム法)による透湿性が300g/m/h以上である複合ファブリック。
【選択図】なし

Description

本発明は、通気性が抑えられ保温性に優れていながらも、軽量であり、適度な透湿性が確保された複合ファブリックに関する。また、本発明は、該複合ファブリックを用いて製造される衣料に関する。
従来から、衣服内環境を快適に保つことを目的とした様々な生地又は衣料が開発されている。例えば、ブルゾン、ウインドブレーカー等の屋外での着用を主な目的とした防風衣料として、特許文献1には、熱可塑性ポリマーからなる多孔質シートと少なくとも一層の繊維シートとの積層体からなる防風衣料が記載されている。特許文献1には、適度な柔軟性と通気性を有し、かつ防風性に優れ、さらに必要に応じて伸縮性をも併せもつ防風衣料を得ることができる旨が記載されている。
また、スポーツウェア等のアウトドア分野の衣料に用いられる生地として、特許文献2には、表面層、中間層、裏面層の3層よりなる布帛であって、表面層は透湿防水性の樹脂で構成され、中間層は親水性繊維を含有してなる極細糸で構成され、裏面層は疎水性繊維で構成されている透湿防水性布帛が記載されている。特許文献2には、激しい運動で生ずる汗は裏面層(肌に接する側)から中間層へと拡散され、表面層を通って外へ発散されるため、肌と衣料とのべたつき感がなく、また表面層の防水性により雨風を防ぐことができる旨が記載されている。
しかしながら、特許文献1又は2に記載のような従来の生地又は衣料は、比較的通気性は抑えられているため防風性、保温性等は得られるものの、生地が重いため着用感が悪く、透湿性も不充分である。また、軽量化又は透湿性の改善を図ろうとすると通気性が高くなりすぎてしまい、これらの性能を兼備させることは難しかった。
特開2002−54009号公報 特開平5−230770号公報
本発明は、通気性が抑えられ保温性に優れていながらも、軽量であり、適度な透湿性が確保された複合ファブリックを提供することを目的とする。また、本発明は、該複合ファブリックを用いて製造される衣料を提供することを目的とする。
本発明は、繊維軸直行方向断面の直径が50nm以上2μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布と、該ナノファイバー不織布の少なくとも片面に積層された編生地とを有する複合ファブリックであって、前記編生地の目付が35〜95g/m、生地厚みが0.10〜0.35mmであり、複合ファブリックのJIS L−1096 A法(フラジール法)による通気度が5cc/cm/秒以下、KES法による熱伝達抵抗(クロー値)が0.05CLO以上、JIS L−1099 A−1法(塩化ナトリウム法)による透湿性が300g/m/h以上である複合ファブリックである。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、通気性を抑えつつ適度な透湿性を確保するために、極細繊維からなるナノファイバー不織布を用いることを検討した。更に、このようなナノファイバー不織布を単独で用いると、しなやかさ、耐摩耗性、肌触り感等が不充分となることから、また、より一層保温性を高めることを目的として、ナノファイバー不織布と編生地とを積層して複合ファブリックとすることを検討した。
ここで、編生地の通気性を抑えて保温性を高めようとする場合には、通常、編目の詰まった編生地とすることが有効であると考えられる。これに対し、本発明者は、ナノファイバー不織布と編生地とを積層して複合ファブリックとする場合には、編生地の編目を粗くしても保温性が高まることを見出した。これは、通気性の低いナノファイバー不織布と編目の粗い編生地とを積層することにより、編生地の糸の隙間に空気からなる断熱層が形成され、保温性が高まるためと推測される。このような複合ファブリックにおいては、編生地の編目が粗いことに加えて、編生地の生地厚みを薄くしても充分な保温性が得られることから、軽量化が可能となる。
本発明者は、所定範囲の直径を有する繊維からなるナノファイバー不織布と、所定範囲の比較的小さい目付と薄い生地厚みとを有する編生地とを積層して複合ファブリックとすることにより、通気性を抑え保温性を高めながらも、軽量化を実現するとともに適度な透湿性を確保することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の複合ファブリックは、繊維軸直行方向断面の直径が50nm以上2μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布と、該ナノファイバー不織布の少なくとも片面に積層された編生地とを有する。
なお、本発明の複合ファブリックは、編生地が肌側となるようにして用いられる。編生地は、ナノファイバー不織布の片面のみに積層されていてもよく、両面に積層されていてもよいが、ナノファイバー不織布の繊維の磨耗を抑制し、複合ファブリックの耐久性を向上できることから、両面に積層されていることが好ましい。編生地がナノファイバー不織布の両面に積層されている場合、肌側となる編生地を裏地、外側となる編生地を表地という。
上記ナノファイバー不織布は、空気からなる極めて微小な断熱層を多数有しており、外部からの空気の侵入を防いで優れた保温効果を発揮しつつ、衣服内の湿気を逃がすはたらきを有する。
繊維の直径が50nm未満であると、断熱層が更に微小になり、衣服内の湿気を逃がすはたらきが低下する。繊維の直径が2μm以上であると、断熱層が大きくなり、外部からの空気の侵入を防ぐはたらきが低下し、保温効果が不充分となる。繊維の直径は50〜900nmであることが好ましく、50〜700nmであることがより好ましく、100〜700nmであることが特に好ましい。
なお、繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope(SEM)、倍率:10000〜50000倍)にて撮影し、無作為に選んだ繊維の繊維軸直行方向断面の直径(太さ)を30点測定し、その平均値によって表される。
上記ナノファイバー不織布を構成する繊維の素材は、編生地の伸縮性に追従できる伸度を有していれば特に限定されず、従来公知の素材を用いることができる。また、編生地の素材として用いられる合成繊維、熱可塑性エラストマー繊維等を用いることもできる。
上記ナノファイバー不織布を構成する繊維の素材として、具体的には例えば、ポリウレタン(例えば、スパンデックス等)、エラストマー系ポリマー(例えば、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー繊維)等が挙げられる。これらの素材からなる繊維は伸縮性に優れることから、本発明の複合ファブリックを肌着等に用いる場合に好適である。なかでも、ポリウレタン、ウレタン系エラストマーが好ましい。
上記ウレタン系エラストマーとしては、吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂が好ましい。吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂を用いることにより、複合ファブリックの吸水速乾性を高めることができる。
なお、吸水速乾性とは、生地又は衣服が汗等の水分に直接接した場合に、生地又は衣服の内部を通じて水分が即時に外部に放出され、かつ、生地又は衣服自体も素早く乾燥することのできる性質を意味する。吸水速乾性に優れた生地又は衣服は、衣服内環境を快適に保つことができる。
上記吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオールと、鎖伸張剤と、ポリイソシアネートとを反応して得られるポリエーテル系ポリウレタン樹脂が挙げられる。このようなポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、軟質のエラストマーであり、数平均分子量が5000以上であることが好ましく、5000〜10万であることがより好ましい。
上記ポリエーテルポリオールは特に限定されず、ポリウレタンの製造に用いられる従来公知のポリエーテルポリオールを用いることができ、例えば、ポリテトラメチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールエーテル、ポリプロピレングリコールエーテル等が挙げられる。
上記鎖伸張剤は特に限定されず、従来公知の多価アルコール類、アミン類等が挙げられ、特に、平均分子量が250以下の2価アルコールが好ましい。上記鎖伸張剤として、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール;ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環族グリコール;キシリレングリコール等の芳香族グリコール等が挙げられる。
上記ポリイソシアネートは特に限定されず、従来公知のポリイソシアネートを用いることができ、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート等が挙げられる。
上記ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を製造する方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができ、例えば、ポリエーテルポリオールと、鎖伸長剤と、ポリイソシアネートとを適当な有機溶剤中で必要に応じて触媒を使用し反応させる方法、無溶剤で溶融反応させる方法等が挙げられる。また、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.9〜1.1程度となるように、原料の配合割合を調整することが好ましい。
また、上記吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン構造中に親水性部分を有することが好ましい。ポリウレタン構造中に親水性部分を有する吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂を用いることにより、肌側となる編生地に接触した汗等の水分を、より容易にナノファイバー不織布に移行させることができ、また、ナノファイバー不織布に移行した水分を、より容易に外部に放出させることができる。即ち、複合ファブリックの吸水速乾性が向上する。
一方、ポリウレタン構造中に親水性部分をもたない吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂を用いた場合には、ロータス効果により撥水性が高くなり、水分の移行を妨げることがある。
上記親水性部分として、例えば、エチレンオキシド(−(OCHCH−)等のポリオキシアルキレン(−(OR)−、Rは炭素数1〜5のアルキレン基、nは整数である)、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等の親水性基等が挙げられる。
上記吸水性又は透湿性ポリウレタンの市販品として、例えば、アクアファイブAQ−60(吸水性ポリウレタン樹脂、オカダエンジニアリング社製)、レザミンPM−2081(大日精化工業社製)、サンプレンLQ−120(三洋化成工業社製)、ハイムレンY−237NS(大日精化工業社製)、ハイムレンY−210B(透湿性ウレタン樹脂、大日精化工業社製)、ハイムレンY−119E(大日精化工業社製)等が挙げられる。
上記ナノファイバー不織布の吸水性は、バイレック法での測定値が3.0cm以上、滴下法での測定値が200秒以下であることが好ましい。吸水性が上記範囲を外れると、複合ファブリックの吸水速乾性が低下することがある。吸水性は、バイレック法での測定値が5.0cm以上、滴下法での測定値が200秒以下であることがより好ましく、バイレック法での測定値が7.0cm以上、滴下法での測定値が155秒以下であることが更に好ましい。
なお、滴下法とは、JIS L 1907(1)(a)で規定された測定方法であり、バイレック法とは、JIS L 1907(1)(b)で規定された測定方法である。
上記ナノファイバー不織布の目付は、300g/m未満であることが好ましい。目付が300g/m以上であると、衣服内の湿気を逃がすはたらきが低下することがある。目付は10〜200g/mであることがより好ましく、10〜50g/mであることが更に好ましい。
なお、目付とは、150×150mmの試験片の重量を測定し、単位面積あたりの重量を算出した値である。
上記ナノファイバー不織布の生地厚みは、10〜300μmであることが好ましい。生地厚みがこのような範囲を外れると、外部からの空気の侵入を防いで優れた保温効果を発揮しつつ、衣服内の湿気を逃がすはたらきが低下することがある。生地厚みは50〜200μmであることがより好ましい。
なお、生地厚みは、例えばダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作所社製)等を用いて測定することができる。
上記編生地は、複合ファブリックの保温性を高めるとともに、しなやかさ、耐摩耗性、肌触り感等を付与するはたらきを有する。
上記編生地の目付は、35〜95g/mである。このような目付を有する編目の粗い編生地を、通気性の低いナノファイバー不織布に積層することにより、編生地の糸の隙間に空気からなる断熱層が形成され、複合ファブリックの保温性を高めることできる。また、このような目付を有していたとしても、編生地単独では、高い保温性を得ることはできず、外部からの空気の侵入を防いで優れた保温効果を発揮しつつ、衣服内の湿気を逃がすはたらきも発揮されない。
目付が35g/m未満であると、編生地自体の強度が足りず、複合ファブリックとして成立しない。目付が95g/mを超えると、衣服内にムレ感が生じたり、重くなって着用感が悪くなったりしてしまう。目付は35〜90g/mであることが好ましく、38〜88g/mであることがより好ましい。
上記編生地の生地厚みは、0.10〜0.35mmである。本発明の複合ファブリックにおいては、編生地の編目が粗いことに加えて、編生地の生地厚みを薄くしても充分な保温性が得られることから、軽量化が可能となる。生地厚みが0.10mm未満であると、複合ファブリックの強度が低下したり、保温性が低下したりしてしまう。生地厚みが0.35mmを超えると、複合ファブリックが重くなり、着用感が悪くなってしまう。生地厚みは0.13〜0.33mmであることが好ましく、0.15〜0.32mmであることがより好ましい。
なお、編生地がナノファイバー不織布の両面に積層されている場合、編生地の生地厚みとは、それぞれの編生地の生地厚みを意味する。
上記編生地は、上記ナノファイバー不織布の両面に積層されている場合には、表地が親水性素材で構成され、裏地が疎水性素材で構成されていることが好ましい。ただし、本発明の効果を損なわない限りにおいて、親水性素材と疎水性素材とを組み合わせて用いることもでき、表地と裏地とを同じ素材で構成してもよい。
上記親水性素材として、従来公知の素材が用いられ、例えば、綿、麻等の植物性繊維;ウール等の獣毛繊維;親水性の付与されたポリエステル等の合成繊維;キュプラ、レーヨン、アセテート、ポリノジック、リヨセル等の再生繊維等が挙げられる。なかでも、肌触り感、保温性等の観点から、綿、ウールが好ましい。これらの親水性素材は、単独で又は2種以上が組み合わされて用いられる。
上記疎水性素材としても、従来公知の素材が用いられ、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(例えば、ナイロン−6、ナイロン−66等のナイロン系繊維)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン(例えば、スパンデックス等)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン等)等の合成繊維等が挙げられる。なかでも、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンが好ましい。これらの疎水性素材は、単独で又は2種以上が組み合わされて用いられる。
親水性素材と疎水性素材との組み合わせは特に限定されないが、例えば、キュプラ/ポリエステル、キュプラ/ポリエステル/ポリウレタン等が挙げられる。
上記編生地を構成する素材としては、熱可塑性エラストマー繊維を用いることもできる。上記熱可塑性エラストマー繊維として、従来公知の繊維が用いられ、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等からなる繊維が挙げられる。なかでも、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーからなる繊維が好ましい。
上記ウレタン系エラストマーの市販品として、例えば、ディーアイシーバイエルポリマー社製のパンデックス、デスモパン、日清紡績社製の日清紡モビロン等が挙げられる。上記ポリアミド系エラストマーの市販品として、例えば、アトフィナ・ジャパン社製のペバックス、エムス昭和電工社製のグリロンELX、グリルアミドELY、ダイセル・デクサ社製のダイアミド、ベスタミド等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上が組み合わされて用いられる。
また、上記編生地は、上記ナノファイバー不織布の両面に積層されている場合には、表地の水分率が1.4%以上、裏地の水分率が1.4%未満であることが好ましい。表地及び裏地をこのような水分率とすることにより、親水度が低い裏地に接触した汗等の水分を、ナノファイバー不織布を経由して、親水度が高い表地にまでより容易に移行させ、外部に放出させることができる。表地の水分率は1.4〜15%であることがより好ましく、1.45〜11%であることが更に好ましく、1.45〜7%であることが特に好ましい。裏地の水分率は0.1〜1.2%であることがより好ましく、0.2〜1.0%であることが更に好ましい。
なお、水分率は、JIS L1018の規定に従って、標準状態(温度20±2℃、相対湿度(65±4)%(JIS L0105))において測定した値である。
表地の水分率を上記範囲内とする方法として、例えば、公定水分率8%以上、好ましくは8〜20%、更に好ましくは8〜15%の素材を、表地全重量に対して20重量%以上、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは21.5〜75重量%含有させる方法が挙げられる。
公定水分率8%以上の素材として、例えば、綿(公定水分率:8.5%)、麻(公定水分率:12.0%)、絹(公定水分率:12.0%)等の植物性繊維;ウール(公定水分率:15.0%)等の獣毛繊維;キュプラ(公定水分率:11.0%)、レーヨン(公定水分率:11.0%)、ポリノジック(公定水分率:11.0%)、リヨセル等の再生繊維等が挙げられる。
裏地の水分率を上記範囲内とする方法として、例えば、公定水分率8%未満、好ましくは0〜8%、より好ましくは0〜3%の素材を、裏地全重量に対して80重量%以上、好ましくは80〜100重量%、より好ましくは85〜100重量%含有させる方法が挙げられる。
公定水分率8%未満の素材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル(公定水分率:0.4%);ポリアクリロニトリル;ナイロン−6、ナイロン−66等のナイロン系繊維等のポリアミド;ポリ塩化ビニル(公定水分率:0.0%);ポリ塩化ビニリデン(公定水分率:0.0%);例えば、スパンデックス等のポリウレタン(公定水分率:1.0%);ポリプロピレン等のポリオレフィン;アクリル(公定水分率:2%)、トリアセテート(公定水分率:3.5%)、ビニロン(公定水分率:5.0%)、ベンゾエート(公定水分率:0.4%)等の樹脂で構成される合成繊維、アセテート(公定水分率:6.5)等の再生繊維、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー繊維、フッ素繊維(公定水分率:0%);ポリクラール(登録商標)(公定水分率:3.0%);プロミックス(登録商標)(公定水分率:5.0%)等が挙げられる。
上記編生地の繊維の総繊度は、複合ファブリックの強度を保つ観点から、通常50dtex以上であり、60〜300dtexであることが好ましく、70〜200dtexであることがより好ましい。
上記編生地の組織の種類(編み方の種類)、繊維の長短(フィラメント(長繊維)、ステープル(短繊維))等は特に限定されないが、裏地は肌との接触面積の少ない組織にする等により、肌触り感、風合い等に考慮することが好ましい。
上記編生地の組織として、例えば、横編み、丸編からなる平編み組織、ゴム編み組織、両面編組織等が挙げられる。例えば、編み立てる組織にあった丸編み機を用いて、ゲージ数16〜40Gの範囲内で糸長及びループ長、給糸テンション、生地張力等を設定し編み立てることができる。また、たて編みであってもよい。
本発明の複合ファブリックにおいては、ナノファイバー不織布と編生地とが接着剤を介して積層されていてもよい。
上記接着剤は特に限定されず、従来公知の接着剤が用いられるが、ナノファイバー不織布及び編生地の断熱層を塞ぐと保温性、透湿性等を損なうおそれがあることから、接着方法として、メッシュ状又は不織布状の熱融着フィルムを用いたホットプレス、高透湿性接着剤等をスプレーする方法、ナノファイバー不織布と編生地との間に何点か接着剤を塗布し、ポイント接着(ドット接着)する方法等が好ましい。
上記メッシュ状又は不織布状の熱融着フィルムとして、例えば、ポリアミド系、ポリエステル系、ブタジエンゴム系、ポリウレタン系等のフィルムが挙げられる。なかでも、接着性、伸縮性等の観点から、ポリウレタン系フィルムが好ましい。ポリウレタン系フィルムの市販品として、例えば、東海サーモ社製FUSEC C6J5が挙げられる。ポリアミド系不織布の市販品として、例えば、東海サーモ社製FUSEC 1G8 D8が挙げられる。このような熱融着フィルムを使用する場合には、ナノファイバー不織布と編生地との間に接着剤層が形成される。接着層の厚みは特に限定されないが、複合ファブリックのしなやかさ、伸縮性等を損なわない観点から、200μm以下であることが好ましく、30〜150μmであることがより好ましい。
また、上記高透湿性接着剤として、例えば、親水基を導入したポリウレタン等が挙げられる。
上記接着剤の使用量は特に限定されないが、複合ファブリックの風合いを損なわないためには、目付5〜100g/mが好ましく、目付6〜30g/mがより好ましい。また、表地の接着と裏地の接着に同じ接着剤を用いてもよいが、表地と裏地とが異なる種類の編生地である場合には、編生地の種類によってそれぞれ異なる接着剤を用いてもよい。
本発明の複合ファブリックの総目付は、ナノファイバー不織布及び編生地が上述したような目付を有していればよいが、55〜210g/mであることが好ましく、60〜200g/mであることがより好ましい。また、本発明の複合ファブリックの総厚みは、ナノファイバー不織布及び編生地が上述したような生地厚みを有していればよいが、0.20〜0.90mmであることが好ましく、0.25〜0.85mmであることがより好ましい。
なお、複合ファブリックの総目付、総厚みとは、複合ファブリック全体の目付、生地厚みを意味する。
本発明の複合ファブリックは、JIS L−1096 A法(フラジール法)による通気度が5cc/cm/秒以下、KES法による熱伝達抵抗(クロー値)が0.05CLO以上、JIS L−1099 A−1法(塩化ナトリウム法)による透湿性が300g/m/h以上である。これらの物性を上記範囲内とすることにより、通気性が抑えられ保温性に優れていながらも、適度な透湿性が確保された複合ファブリックとすることができる。
JIS L−1096 A法(フラジール法)による通気度が5cc/cm/秒を超えると、通気性が高くなりすぎ、衣服内温度を低下させてしまう。通気度は3cc/ccm/秒以下であることが好ましく、2cc/cm/秒以下であることがより好ましい。
本発明の複合ファブリックのJIS L−1096 A法(フラジール法)による通気度の下限は特に限定されないが、好ましい下限は0.10cc/cm/秒である。
KES法による熱伝達抵抗(クロー値)を上記範囲内とすることにより、冬場等の外気温が低い状況下においても優れた保温効果を発揮させることができる。なお、クロー値は、例えばKES−F7−IIサーモラボ(カトーテック社製)等を用いて測定することができる。
クロー値が0.05CLO未満であると、保温性が低くなりすぎ、衣服内の熱エネルギーが衣服外に大量に移動したり、外気(冷気)が衣服内に侵入したりしやすくなり、寒く感じてしまう。クロー値は0.064〜0.15CLOであることが好ましく、0.07〜0.15CLOであることがより好ましい。
JIS L−1099 A−1法(塩化ナトリウム法)による透湿性が300g/m/h未満であると、透湿性が低くなりすぎ、衣服内にムレ感が生じてしまう。透湿性は340g/m/h以上であることが好ましい。
本発明の複合ファブリックのJIS L−1099 A−1法(塩化ナトリウム法)による透湿性の上限は特に限定されないが、好ましい上限は800g/m/hである。
本発明の複合ファブリックは、G式吸水速乾性試験による肌側の水分率が10.0%以下、水分拡散面積が5.0cm以上であることが好ましい。水分率が10.0%を超えたり、水分拡散面積が5.0cm未満であったりすると、汗をすばやく衣服外に放出することができず、衣服内にムレ感が生じることがある。水分率は9.5〜3%であることがより好ましく、9〜5%であることが更に好ましい。水分拡散面積は7〜25cmであることがより好ましく、8〜20cmであることが更に好ましい。
なお、G式吸水速乾性試験は、以下の方法により実施することができる。
アクリル板上に水の液滴を0.2mL滴下し、複合ファブリックの編生地(裏地)が液滴に接するように、複合ファブリックを液滴にかぶせる。次いで、複合ファブリックの上に5gの錘をのせて、1分間放置した後、複合ファブリックの編生地(裏地)の水分率をモイスチャーチェッカー707S(スカラー社製)を用いて測定する。測定は4回行い、その平均値を肌側の水分率とする。また、複合ファブリックの編生地(裏地)に抜けた液滴のシミの面積を測定する。測定は3回行い、その平均値を肌側の水分拡散面積とする。
本発明の複合ファブリックを製造する方法として、例えば、ナノファイバー不織布を製造した後、上述した接着剤を用いて、ナノファイバー不織布の少なくとも片面に編生地を積層する方法等が挙げられる。
ナノファイバー不織布を製造する方法としては、ナノファイバー不織布の繊維を構成する素材を溶媒に溶解させた溶液を用いて、電界紡糸法(Electro SpinningDeposition(ESD))によりナノファイバー不織布を形成する方法が好ましい。上記溶媒として、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ヘキサフルオロイソプロパノール、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上が混合されて用いられる。
電界紡糸法における条件として、例えば、電圧−70〜70kV、ノズル径14〜32G、ノズル先端からコレクターまでの距離5〜30cmが挙げられる。また、ナノファイバー不織布の繊維を構成する素材の溶液中の濃度は、使用される繊維の素材によって異なるが、例えばポリウレタンの場合、3〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。他の素材を使用する場合は、各種素材に適した従来公知の溶媒を用いることができ、上記濃度を参考に濃度を設定することができる。
本発明の複合ファブリックは、通気性が抑えられ保温性に優れていながらも、軽量であり、適度な透湿性が確保されたものである。より詳しくは、本発明の複合ファブリックは、肌への直接的な外気の接触を抑制しながら衣服内の湿度を適度に保つことができ、重すぎて着用時に不快感を与えることもなく、しなやかさ、耐摩耗性、肌触り感等も兼ね備えている。
本発明の複合ファブリックは、衣料、特にインナーウェア(好ましくは防寒用肌着、保温性を目的とする肌着等)、スポーツウェア等に好適に使用される。インナーウェアとして、例えば、シャツ、ブリーフ、腹巻き、ステテコ、パッチ、ショーツ、ガードル、ペチコート、レギンス、ソックス、タイツ等が挙げられる。また、スポーツウェアとして、例えば、オートバイ、自転車ロードレース、フィッシング、ヨットセーリング、ゴルフ等の競技を行う際に着用されるウェア等が挙げられる。
本発明の複合ファブリックを用いて製造される衣料もまた、本発明の1つである。本発明の衣料は、外気温が低い時でも衣服内環境を快適に保つことができる。本発明の複合ファブリックを用いて衣料を製造する方法としては、従来公知の方法が用いられ、裁断方法、縫製方法等も特に限定されない。
本発明の衣料の総重量は特に限定されないが、例えば、本発明の衣料が肌着である場合、50〜250gであることが好ましい。このような重量とすることで、重すぎて着用時に不快感を与えることのない肌着とすることができる。総重量は50〜230gであることがより好ましい。
本発明によれば、通気性が抑えられ保温性に優れていながらも、軽量であり、適度な透湿性が確保された複合ファブリックを提供することができる。また、本発明によれば、該複合ファブリックを用いて製造される衣料を提供することができる。
(実施例1)
(1)ナノファイバー不織布の製造
一液型ポリエーテル系ポリウレタン樹脂溶液(透湿性ポリウレタン、ハイムレンY−210B、不揮発分30%、大日精化工業社製)をDMFとMEKとの混合溶媒(65:35(重量比))を用いて、不揮発分が15重量%となるように希釈し、これを電界紡糸装置(ES−2300、ヒューエンス社製)の溶液充填部に充填し、40kVの電圧をかけて電界紡糸を行い、ナノファイバー不織布を製造した。なお、このときに用いた金属製ノズルの径は23G(内径:0.33mm)で、コレクターまでの距離は15cmであった。得られたナノファイバー不織布(表1中、NF22と示す)は、生地厚み0.1mm、目付22g/m、繊維軸直行方向断面の直径(平均直径)782nmであった。
なお、ナノファイバー不織布の生地厚みは、ダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作所社製)を用いて3箇所の測定を行い、その平均値とした。目付は、150×150mmの試験片の重量を測定し、目付(g/m)を求めた。繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(Scanning ElectronMicroscope(SEM)、倍率:10000〜50000倍)にて撮影し、無作為に選んだ繊維の繊維軸直行方向断面の直径(太さ)を30点測定し、その平均値を求めた。
(2)複合ファブリックの製造
編生地A(天竺編生地、素材:ポリエステル、目付:39g/m、生地厚み:0.18mm、繊度:30dtex、ウェール数:6.4/inch、コース数:10.2/inch)を裏地として用いた。編生地Aに、共重合ポリアミド/アクリル接着剤を9ポイント/1inch、6g/mとなるようドット加工した。その加工面にナノファイバー不織布を配し、熱プレス機(TABLE TYPE TEST PRESS SA−302、テスター産業社製)を用いて、100〜135℃、プレス圧力1〜3MPa、ライン速度6m/分にて熱融着して、複合ファブリックを得た。
なお、編生地の生地厚みは、ダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作所社製)を用いて3箇所の測定を行い、その平均値とした。目付は、150×150mmの試験片の重量を測定し、目付(g/m)を求めた。
(3)通気度の測定
JIS L−1096 A法(フラジール法)に従って複合ファブリックの通気度を測定した。
(4)クロー値の測定
KES−F7−IIサーモラボ(カトーテック社製)を用い、KES法に従って複合ファブリックの熱伝達抵抗(クロー値)を測定した。測定は3回繰り返し、その平均値をクロー値とした。
(5)透湿性の測定
JIS L−1099 A−1法(塩化ナトリウム法)に従って複合ファブリックの透湿性を測定した。
(実施例2)
実施例1と同様にして、ナノファイバー不織布を得た。
編生地B(天竺編生地、素材:ポリエステル、目付:85g/m、生地厚み:0.31mm、繊度:58dtex、ウェール数:4.1/inch、コース数:11.9/inch)を裏地として用いた。編生地Bに、共重合ポリアミド接着剤を22ポイント/1inch、6g/mとなるようドット加工した。その加工面にナノファイバー不織布を配し、実施例1と同様にして熱プレスを行い、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(実施例3)
実施例1と同様にして、ナノファイバー不織布を得た。
編生地Aを裏地として用い、編生地Bを表地として用いた。編生地Aに、実施例1と同様にしてドット加工し、編生地Bに、実施例2と同様にしてドット加工した。編生地A及び編生地Bのドット加工面にナノファイバー不織布を配し、実施例1と同様にして熱プレスを行い、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(実施例4)
実施例1と同様にして、ナノファイバー不織布を得た。
編生地Aを2枚用意し、裏地及び表地として用いた。2枚の編生地Aに、実施例1と同様にしてドット加工した。それぞれのドット加工面にナノファイバー不織布を配し、実施例1と同様にして熱プレスを行い、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(実施例5)
実施例1と同様にして、ナノファイバー不織布を得た。
編生地C(天竺編生地、素材:ナイロン−6、目付:73g/m、生地厚み:0.28mm、繊度:56dtex、ウェール数:4.6/inch、コース数:11.7/inch)を裏地として用い、編生地Aを表地として用いた。編生地Cに、共重合ポリアミド接着剤を22ポイント/1inch、6g/mとなるようドット加工し、編生地Aに、実施例1と同様にしてドット加工した。編生地C及び編生地Aのドット加工面にナノファイバー不織布を配し、実施例1と同様にして熱プレスを行い、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(実施例6)
実施例1と同様にして、ナノファイバー不織布を得た。
編生地Cを裏地として用い、編生地Bを表地として用いた。編生地Cに、実施例5と同様にしてドット加工し、編生地Bに、実施例2と同様にしてドット加工した。編生地C及び編生地Bのドット加工面にナノファイバー不織布を配し、実施例1と同様にして熱プレスを行い、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(実施例7)
生地厚み0.05mm、目付7g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、ナノファイバー不織布(表1中、NF7と示す)を得た。このナノファイバー不織布を用いたこと以外は実施例3と同様にして、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(比較例1)
実施例1で得られたナノファイバー不織布をそのまま用いた。
(比較例2)
編生地B(天竺編生地、素材:ポリエステル、目付:85g/m、生地厚み:0.31mm、繊度:58dtex、ウェール数:4.1/inch、コース数:11.9/inch)をそのまま用いた。
(比較例3)
(1)ウレタンフィルムの製造
一液型ポリエーテル系ポリウレタン樹脂溶液(透湿性ポリウレタン、ハイムレンY−210B、不揮発分30%、大日精化工業社製)をDMFとMEKとの混合溶媒(65:35(重量比))を用いて希釈し、これをバーコーターにてフィルム状にキャストした。80℃、20分の条件で乾燥を行い、生地厚み0.15mm、目付30g/mとなるようにウレタンフィルムを作製した。
(2)複合ファブリックの製造
編生地Aを2枚用意し、裏地及び表地として用いた。2枚の編生地Aに、実施例1と同様にしてドット加工した。それぞれのドット加工面にウレタンフィルムを配し、実施例1と同様にして熱プレスを行い、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(比較例4)
実施例1と同様にして、ナノファイバー不織布を得た。
編生地D(天竺編生地、素材:ナイロン−6、目付:100g/m、生地厚み:0.39mm、繊度:80dtex、ウェール数:4.5/inch、コース数:11.5/inch)を裏地として用い、編生地E(天竺編生地、素材:ポリエステル、目付:105g/m、生地厚み:0.41mm、繊度:77dtex、ウェール数:4.3/inch、コース数:11.7/inch)を表地として用いた。編生地D及び編生地Eに、共重合ポリアミド接着剤を22ポイント/1inch、6g/mとなるようドット加工した。編生地D及び編生地Eのドット加工面にナノファイバー不織布を配し、実施例1と同様にして熱プレスを行い、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(比較例5)
実施例1と同様にして、ナノファイバー不織布を得た。
編生地F(天竺編生地、素材:ポリエステル、目付:34g/m、生地厚み:0.09mm、繊度:30dtex、ウェール数:5.4/inch、コース数:10.2/inch)を裏地として用いた。編生地Fに、共重合ポリアミド/アクリル接着剤を9ポイント/1inch、6g/mとなるようドット加工した。その加工面にナノファイバー不織布を配し、実施例1と同様にして熱プレスを行い、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(比較例6)
生地厚み0.01mm、目付2g/mしたこと以外は実施例1と同様にして、ナノファイバー不織布(表1中、NF2と示す)を得た。このナノファイバー不織布を用いたこと以外は実施例3と同様にして、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(比較例7)
実施例1と同様にして、ナノファイバー不織布を得た。
編生地G(天竺編生地、素材:ポリエステル、目付:105g/m、生地厚み:0.30mm、繊度:56dtex、ウェール数:5.3/inch、コース数:11.5/inch)を2枚用意し、裏地及び表地として用いた。2枚の編生地Gに、共重合ポリアミド接着剤を22ポイント/1inch、6g/mとなるようドット加工した。その加工面にナノファイバー不織布を配し、実施例1と同様にして熱プレスを行い、複合ファブリックを得た。
その後、実施例1と同様にして、通気度、クロー値及び透湿性を測定した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた複合ファブリックについて以下の評価を行った。
(1)総目付及び総厚み
複合ファブリックの総目付及び総厚みを測定した。なお、総厚みは、ダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作所社製)を用いて3箇所の測定を行い、その平均値とした。総目付は、150×150mmの試験片の重量を測定し、目付(g/m)を求めた。
(2)総重量
複合ファブリックを用いて肌着を縫製し、その重量を測定した。
(3)着用試験
実施例及び比較例で得られた複合ファブリックを用いて肌着を縫製し、保温性、重量感及びムレ感について評価した(被験者:年齢20代〜30代、男性3名、女性3名)。
(保温性)
気温25度の室内において、20cm離れた位置から10℃の冷気を直径20cmのホースから流し、どのように感じたかを下記指標により評価した。
○:暖かい
△:少し寒い
×:寒い
(重量感)
着用した際や手で扱った際の重量感について、どのように感じたかを下記指標により評価した。
○:軽い
△:普通
×:重い
(ムレ感)
1分間に30往復の踏み台昇降運動を行った後の衣服内のムレ感について、下記指標により評価した。
○:ムレない
△:少しムレる
×:ムレる
Figure 2013166340
本発明によれば、通気性が抑えられ保温性に優れていながらも、軽量であり、適度な透湿性が確保された複合ファブリックを提供することができる。また、本発明によれば、該複合ファブリックを用いて製造される衣料を提供することができる。

Claims (4)

  1. 繊維軸直行方向断面の直径が50nm以上2μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布と、該ナノファイバー不織布の少なくとも片面に積層された編生地とを有する複合ファブリックであって、
    前記編生地の目付が35〜95g/m、生地厚みが0.10〜0.35mmであり、
    複合ファブリックのJIS L−1096 A法(フラジール法)による通気度が5cc/cm/秒以下、KES法による熱伝達抵抗(クロー値)が0.05CLO以上、JIS L−1099 A−1法(塩化ナトリウム法)による透湿性が300g/m/h以上である
    ことを特徴とする複合ファブリック。
  2. ナノファイバー不織布を構成する繊維が、ウレタン系エラストマーからなることを特徴とする請求項1記載の複合ファブリック。
  3. ナノファイバー不織布が電界紡糸法により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の複合ファブリック。
  4. 請求項1、2又は3記載の複合ファブリックを用いて製造されることを特徴とする衣料。
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