JP5430323B2 - 冷感素材用複合ファブリック - Google Patents
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Description
項1.直径が50nm以上2.5μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布及び少なくとも1層の編生地が積層されてなる冷感素材用複合ファブリック。
項2.前記ナノファイバー不織布が、接着剤を介して前記編生地に積層されている上記項1に記載の冷感素材用複合ファブリック。
項3.前記編生地が、メッシュ状の編生地である、上記項1又は2に記載の冷感素材用複合ファブリック。
項4.前記接着剤がメッシュ状の熱融着フィルムである上記項1〜3のいずれかに記載の複合ファブリック。
項5.直径が50nm以上2.5μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布、接着層及び編生地の3層である上記項2に記載の冷感素材用複合ファブリック。
項6.上記項1〜5のいずれかに記載の複合ファブリックからなる冷感素材。
本発明の冷感素材用複合ファブリックは、直径が50nm以上2.5μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布及び少なくとも1層の編生地が積層されてなるものである。以下に本発明の構成について詳細に説明する。
本発明において使用されるナノファイバー不織布を構成するナノファイバーの直径は、50nm以上2.5μm未満であり、好ましくは100nm〜2.2μm、さらに好ましくは500nm〜2.0μmである。ここで、ナノファイバーの直径は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope(SEM)、倍率:10,000〜50,000倍)にて撮影し、無作為に選んだ繊維の太さ(繊維軸直行方向断面の直径)を30点測定し、その平均値によって表される。
本発明の複合ファブリックは、ナノファイバー不織布に少なくとも1層の編生地が積層されている形態を有する。より高い冷却効果が得られる点から、編生地がナノファイバー不織布の一方の面に積層されている形態が好ましく、特に編生地とナノファイバー不織布の2層(接着剤層が介在する場合は3層)からなる形態が好ましい。本発明の複合ファブリックにおいては、ナノファイバー不織布からなる面を肌に接触するように用いることで、優れた冷感が得られるものである。従って、上記態様ように、複合ファブリックの片面がナノファイバー不織布面となることが好ましい。
本発明の複合ファブリックは、ナノファイバー不織布と編生地が接着剤を介して積層されていることが好ましい。接着剤を介することにより、ナノファイバー不織布と編生地が強固に接着され、強度が強い複合ファブリックとすることができるためである。
本発明の複合ファブリックの製造方法については特に限定されないが、前述したように、ナノファイバー不織布は電界紡糸法により製造されることが好ましい。以下に、製造方法について記載する。
本発明において使用されるナノファイバー不織布は、ナノファイバー不織布を構成する素材を溶媒に溶解させた溶液を用いて、電界紡糸法(ElectroSpinning Deposition(ESD))によって形成されることが好ましい。
本発明の複合ファブリックの製造方法においては、前述のナノファイバー不織布の一方の面に編生地を積層する工程を含むものである。編生地については、前述のものを用いることができる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂(ウレタン系エラストマー、商品名:Pandex1185、DICBayer Ltd.製)をDMFに溶解し、23重量%DMF溶液とした。これを電界紡糸装置(ES−2300(装置名)、ヒューエンス社製)の溶液充填部に充填し、55kVの電圧をかけて電界紡糸を行い、ナノファイバー不織布を製造した。なお、この時に用いた金属製ノズルの径は26G(内径:0.23mm)で、コレクターまでの距離は15cmであった。得られたナノファイバー不織布は、厚み50μm、目付け13.7g/m2、平均繊維径1108nmであった。製造例1で得られた不織布を、以下、PU電界紡糸不織布という。
一液型ポリエーテル系ポリウレタン樹脂溶液(透湿性ポリウレタン、商品名:ハイムレンY−210B、不揮発分30%、大日精化工業(株)製)をDMFとMEK混合溶媒(1:1(体積比))を用いて、不揮発分が24重量%となるように希釈し、これを前記同様の電界紡糸装置の溶液充填部に充填し、55kVの電圧をかけて電界紡糸を行った。なお、この時に用いた金属製ノズルの径は21G(内径:0.51mm)で、コレクターまでの距離は15cmであった。得られたナノファイバー不織布は、厚み70μm、目付け23.7g/m2、平均繊維径1415nmであった。製造例2で得られた不織布を、以下、透湿PU電界紡糸不織布という。
6ナイロン樹脂(平均分子量:30,000、宇部興産(株)製)を、ギ酸を用いて不揮発分が25重量%となるように希釈し、これを前記同様の電界紡糸装置の溶液充填部に充填し、40kVの電圧をかけて電界紡糸を行い、ナノファイバー不織布を製造した。なお、この時に用いた金属製ノズルの径は24G(内径:0.30mm)で、コレクターまでの距離は26cmであった。得られたナノファイバー不織布は、厚み70μm、目付け4.7g/m2、平均繊維径925nmであった。製造例3で得られた不織布を、以下、NY電界紡糸不織布という。
セルロースファイバーARBOCEL BE600−10(RETTENMAIER社製)5重量部、水酸化銅(化学用、キシダ化学(株)製)3重量部、28%アンモニア水(特級、キシダ化学(株)製)68重量部、蒸留水24重量部を室温下で混合し、前記セルロースファイバーを溶解してセルロース濃度5重量%の紡糸溶液を調製した。前記紡糸溶液を前記同様の電界紡糸装置の溶液充填部に充填し、60kVの電圧をかけて電界紡糸を行い、ナノファイバー不織布を製造した。なお、この時に用いた金属製ノズルの径は21G(内径:0.51mm)で、コレクターまでの距離は25cmであった。得られたナノファイバー不織布は、厚み180μm、目付け21.7g/m2、平均繊維径644nmであった。製造例4で得られた不織布をセルロース電界紡糸不織布という。
18G、30インチの編機を使用し、図1のフライス編変化組織で丸編地を作製した。1〜8コースすべてポリエステル84T72(84dtex、72フィラメント)の糸使いで、ポリエステル100%のメッシュ編生地を得た。ポリエステル100%のメッシュ編生地の厚みは550μmであり、目付け77g/m2であった。
図2に示す編組織にて、1、5コースをポリエステル84T72(84dtex、72フィラメント)の糸使い、2、4、6、8コースを、SCY3384(シングルカバードヤーン、33dtexのポリウレタンに84dtexのポリエステルをカバーリングしたもの)の糸使い、3、7コースをスカイクールUP118T(旭化成せんい(株)製、ポリエステル(34dtex、18フィラメント)とキュプラ(84dtex、54フィラメント)の混合フィラメント)118dtexマルチフィラメントの糸使いで8コースのリピートで、目移しは、第1コースと第2コース間、第5コースと第6コースの間で下針から上針へループを移した。得られたメッシュ編生地の組成は、ポリエステル73.7%、キュプラ21.6%、ポリウレタン4.7%であった。
特開2005−36361号公報の記載を参考に、アトフィナ・ジャパン社製ポリアミドエラストマー、ペバックスMV1041SA01とペバックス6333SA01とを8:2の重量比で溶融混合し、ペレタイザーを用いて樹脂混合物のペレットを調製した。3前記ペレットを用い溶融紡糸法にて140dtex、34フィラメントのポリアミドエラストマーマルチフィラメントを得た。この繊維には優れた接触冷感があることが知られている。
64dtex、36フィラメントのポリエステルマルチフィラメント1種の糸使いで28Gの編機を使用しプレーンな天竺組織で編生地を作製した。ポリエステル天竺編生地の厚みは230μmであり、目付け63.1g/m2であった。
製造例1で得られたナノファイバー不織布の一方の面に、メッシュタイプのウレタン系熱融着フィルム(東海サーモ(株)製FUSEC C6J5;目付28g/m2)を用いて、製造例5で得られたポリエステルメッシュ生地を、熱プレス機(TABLE TYPE TEST PRESS SA−302、テスター産業(株)製)を用いて、125℃、プレス圧力0.003MPa、プレス時間17秒にて熱融着して、複合ファブリックを得た。
ナノファイバー不織布を、製造例2で得られた透湿PU電界紡糸不織布に変更した以外は、実施例1と同様にして複合ファブリックを得た。
ナノファイバー不織布を、製造例3で得られたNY電界紡糸不織布に変更した以外は、実施例1と同様にして複合ファブリックを得た。
編生地を、製造例6で得られたポリエステル/キュプラ混メッシュ編生地に変更した以外は、実施例2と同様にして複合ファブリックを得た。
編生地を、製造例7で得られたポリアミドエラストマー天竺編生地に変更した以外は、実施例2と同様にして複合ファブリックを得た。
編生地を、製造例7で得られたポリエステル天竺編生地に変更した以外は、実施例2と同様にして複合ファブリックを得た。
ナノファイバー不織布を、製造例4で得られたセルロース電界紡糸不織布にした以外は、実施例1と同様にして複合ファブリックを得た。
編生地を用いずに、PU電界紡糸不織布のみとした。
ナノファイバー不織布を用いずに、ポリエステルメッシュ編生地のみとした。
ナノファイバー不織布として、市販のPUメルトブローン不織布(UC0060F不織布、クラレクラフレックス社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして複合ファブリックを得た。
ナノファイバー不織布を用いずに、ポリエステル天竺編生地のみとした。
ナノファイバー不織布として、市販のPUメルトブローン不織布(UC0060F不織布、クラレクラフレックス社製)を用いた以外は、実施例4と同様にして複合ファブリックを得た。
ナノファイバー不織布として、市販のNYメルトブローン不織布(NS0050H不織布、クラレクラフレックス社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして複合ファブリックを得た。
実施例1〜7で得られた複合ファブリック、及び比較例1〜6で得られたファブリックを10cm×10cmにカットし、それぞれのファブリックにつき水(25℃)4mlを含ませ、測定用試料とした。
実施例1で得られた複合ファブリックを10cm×10cmにカットし、水(25℃)4mlを含ませ、測定用試料とした。該測定用試料のナノファイバー不織布側を被験者の上腕部に貼り付け、経時的に貼り付けた部分の皮膚温度を測定した(被験者:年齢20代〜30代;男性3名女性3名)。
Claims (6)
- 直径が50nm以上2.5μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布及び少なくとも1層の編生地が積層されてなる冷感素材用複合ファブリックであって、
該ナノファイバー不織布の総厚みが5〜300μmであり、
該編生地が該ナノファイバー不織布の一方の面に積層されてなり、該ナノファイバー不織布からなる面が肌に接触するように用いられるものであり、
該編生地において、公定水分率0.0〜1.9%の素材の含有率が編生地全重量に対して50重量%以上であり、公定水分率2.0〜15%の素材の含有率が編生地全重量に対して30重量%未満である、冷感素材用複合ファブリック。 - 前記ナノファイバー不織布が、接着剤を介して前記編生地に積層されている請求項1に記載の冷感素材用複合ファブリック。
- 前記編生地が、メッシュ状の編生地である、請求項1又は2に記載の冷感素材用複合ファブリック。
- 前記接着剤がメッシュ状の熱融着フィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の複合ファブリック。
- 直径が50nm以上2.5μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布、接着層及び編生地の3層である請求項2に記載の冷感素材用複合ファブリック。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の複合ファブリックからなる冷感素材。
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