JP2014234561A - 顔部用保温具 - Google Patents

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Abstract

【課題】防風性に優れ、充分な透湿性、伸縮性が確保された顔部用保温具を提供する。
【解決手段】平均直径3μm未満の極細繊維からなるナノファイバー不織布層と、少なくとも1層の布帛との複合ファブリックで構成され、JIS L 1096B−1に準拠した方法で測定した5N荷重伸長率が50%以上、かつ、5N荷重伸長弾性率が50%以上である顔部用保温具。
【選択図】図1

Description

本発明は、防風性に優れ、充分な透湿性、伸縮性が確保された顔部用保温具に関する。
従来から、スキーやサイクリング等の各種スポーツを寒冷地や冬場に行う際には、顔に装着することで寒さから保護するためのフェイスマスクが使用されている。このフェイスマスクとしては、ニット製のものや布製のもの等があり、これらは主に鼻と口を覆うデザインとなっている。しかしながら、従来のフェイスマスクは、当該フェイスマスクの息がかかる部分が濡れ、着用感が悪くなるという問題があった。
特許文献1には、息がかかる部分に通気性シートを用いることによって、濡れによる着用感の低下を防止できる旨が記載されている。
また、特許文献2には、透湿性を高める手段として、表生地となる布帛と多孔質フィルムとを接着し、多孔質フィルムのもう片面には裏生地となる布帛とを接着することにより作製される積層布帛が記載されている。
しかし、特許文献1又は2に記載のような従来の生地又は衣料では、伸縮性や通気性は有するが、寒さからの保護が充分でなかったり、防風性は備えているが、顔部用保温具に用いるのに充分な透湿性や伸縮性が得られなかったりしており、高いレベルで防風性、透湿性及び伸縮性を兼備したものはなかった。
登録実用新案第3029811号公報 特開2003−236963号公報
本発明は、防風性に優れ、充分な透湿性、伸縮性が確保された顔部用保温具を提供することを目的とする。
本発明は、平均直径3μm未満の極細繊維からなるナノファイバー不織布層と、少なくとも1層の布帛との複合ファブリックで構成され、JIS L 1096B−1に準拠した方法で測定した5N荷重伸長率が50%以上、かつ、5N荷重伸長弾性率が50%以上である顔部用保温具である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、平均直径が所定の大きさ未満の極細繊維からなるナノファイバー不織布層と、少なくとも1層の布帛との複合ファブリックを、フェイスマスクやネックウォーマー等の顔部用保温具に用いることで、充分な防風性、透湿性及び伸縮性を確保しつつ、呼気等によって発せられた水分による濡れによる着用感の悪化を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の顔部用保温具を構成する複合ファブリックの一例を図1に示す。
図1に示すように、複合ファブリックは、ナノファイバー不織布層2の両面に外側の布帛1、肌側の布帛3を積層させた構成となっている。
本発明の顔部用保温具を構成する複合ファブリックは、ナノファイバー不織布層2によって、外部からの風は遮断しつつ、呼気等により発せられた水蒸気はナノファイバー不織布層2を通過して外部へと放出される。これにより、防風性に優れ、かつ、高い透湿性も実現できるという効果が得られる。
加えて、このような複合ファブリックは、顔部用保温具に用いられることで、呼気等によって発せられた水分による濡れによる着用感の悪化を抑制できる。
図2は、複合ファブリックを構成するナノファイバー不織布層2の顕微鏡写真を併記したものである。図2に示すように、ナノファイバー不織布層2は、平均直径が3μm未満の極細繊維が互いに重なった構造となっている。これにより、外部からの空気の侵入を防ぎつつ、水蒸気は透過するという機能を発現することができる。
本発明の顔部用保温具は、平均直径が3μm未満の極細繊維からなるナノファイバー不織布層を有する。
上記ナノファイバー不織布層は、空気からなる極めて微小な断熱層を多数有しており、外部からの空気の侵入を防ぎつつ、顔部用保温具内の湿気を逃がして適度な透湿性を確保するはたらきを有する。平均直径が3μm以上であると、外部からの空気の侵入を防ぐはたらきが低下する。
上記平均直径は1nm以上であることが好ましく、100〜1500nmであることがより好ましく、200〜1000nmであることが特に好ましい。
なお、平均直径は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope(SEM)、倍率:10000〜50000倍)にて撮影し、無作為に選んだ繊維の繊維軸直行方向断面の直径(太さ)を30点測定し、その平均値によって表される。
上記ナノファイバー不織布層を構成する繊維の素材は、布帛の伸縮性に追従できる伸度を有していれば特に限定されない。また、布帛の繊維として用いられる合成繊維、熱可塑性エラストマー繊維等を用いることもできる。
上記ナノファイバー不織布層を構成する繊維の素材として、具体的には例えば、ポリウレタン(例えば、スパンデックス等)、エラストマー系ポリマー(例えば、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー)等が挙げられる。これらの素材からなる繊維は伸縮性に優れることから、本発明の顔部用保温具に用いる場合に好適である。なかでも、ポリウレタン、ウレタン系エラストマーが好ましい。
上記ウレタン系エラストマーとしては、吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂が好ましい。吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂を用いることにより、複合ファブリックの吸水速乾性を高めることができる。
なお、吸水速乾性とは、顔部用保温具が汗等の水分に直接接した場合に、顔部用保温具の内部を通じて水分が即時に外部に放出され、かつ、顔部用保温具自体も素早く乾燥することのできる性質を意味する。吸水速乾性に優れた顔部用保温具は、保温具内環境を快適に保つことができる。
上記吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオールと、鎖伸張剤と、ポリイソシアネートとを反応して得られるポリエーテル系ポリウレタン樹脂が挙げられる。このようなポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、軟質のエラストマーであり、数平均分子量が5000以上であることが好ましく、5000〜10万であることがより好ましい。
上記ポリエーテルポリオールは特に限定されず、ポリウレタンの製造に用いられる従来公知のポリエーテルポリオールを用いることができ、例えば、ポリテトラメチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールエーテル、ポリプロピレングリコールエーテル等が挙げられる。
上記鎖伸張剤は特に限定されず、従来公知の多価アルコール類、アミン類等が挙げられ、特に、平均分子量が250以下の2価アルコールが好ましい。上記鎖伸張剤として、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール;ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環族グリコール;キシリレングリコール等の芳香族グリコール等が挙げられる。
上記ポリイソシアネートは特に限定されず、従来公知のポリイソシアネートを用いることができ、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート等が挙げられる。
上記ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を製造する方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができ、例えば、ポリエーテルポリオールと、鎖伸張剤と、ポリイソシアネートとを適当な有機溶剤中で必要に応じて触媒を使用し反応させる方法、無溶剤で溶融反応させる方法等が挙げられる。また、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.9〜1.1程度となるように、原料の配合割合を調整することが好ましい。
また、上記吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン構造中に親水性部分を有することが好ましい。ポリウレタン構造中に親水性部分を有する吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂を用いることにより、肌側となる布帛に接触した汗等の水分を、より容易にナノファイバー不織布層に移行させることができ、また、ナノファイバー不織布層に移行した水分を、より容易に外部に放出させることができる。即ち、複合ファブリックの吸水速乾性が向上する。
一方、ポリウレタン構造中に親水性部分をもたない吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂を用いた場合には、ロータス効果により撥水性が高くなり、水分の移行を妨げることがある。
上記親水性部分として、例えば、エチレンオキシド(−(OCHCH−)等のポリオキシアルキレン(−(OR)−、Rは炭素数1〜5のアルキレン基、nは整数である)、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等の親水性基等が挙げられる。
上記吸水性又は透湿性ポリウレタンの市販品として、例えば、アクアファイブAQ−60(吸水性ポリウレタン樹脂、オカダエンジニアリング社製)、レザミンPM−2081(大日精化工業社製)、サンプレンLQ−120(三洋化成工業社製)、ハイムレンY−237NS(大日精化工業社製)、ハイムレンY−210B(透湿性ウレタン樹脂、大日精化工業社製)、ハイムレンY−119E(大日精化工業社製)等が挙げられる。
上記ナノファイバー不織布層の目付は、30g/m未満であることが好ましい。上記目付が30g/m以上であると、顔部用保温具内の湿気を逃がすはたらきが低下することがある。上記目付は5〜20g/mであることがより好ましく、8〜12g/mであることが更に好ましい。
なお、目付とは、所定面積のサンプルの重量を測定し、単位面積あたりの重量を算出した値である。
上記ナノファイバー不織布層の厚みは、10〜60μmであることが好ましく、10〜45μmであることが更に好ましい。厚みがこのような範囲を外れると、外部からの空気の侵入を防ぎつつ、衣服内の湿気を逃がして適度な透湿性を確保するはたらきが低下することがある。
上記ナノファイバー不織布層を製造する方法としては、ナノファイバー不織布層の繊維を構成する素材を溶媒に溶解させた溶液を用いて、電界紡糸法(Electro Spinning Deposition(ESD))によりナノファイバー不織布層を形成する方法が好ましい。上記溶媒として、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ヘキサフルオロイソプロパノール、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上が混合されて用いられる。
上記電界紡糸法における条件として、例えば、電圧−70〜70kV、ノズル径14〜32G、ノズル先端からコレクターまでの距離5〜30cmが挙げられる。また、ナノファイバー不織布の繊維を構成する素材の溶液中の濃度は、使用される繊維の素材によって異なるが、例えばポリウレタンの場合、3〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。他の素材を使用する場合は、各種素材に適した従来公知の溶媒を用いることができ、上記濃度を参考に濃度を設定することができる。
本発明の顔部用保温具は、上記ナノファイバー不織布層と、少なくとも1層の布帛とを有する。
本発明の顔部用保温具に用いる複合ファブリックの形態としては、布帛がナノファイバー不織布層の表面及び裏面のいずれか一方に積層されているものも包含されるが、ナノファイバー不織布層が、少なくとも1層の布帛と、もう1層の布帛との間に挟まれた構造であることが好ましい。このようにナノファイバー不織布層を布帛で挟み込むことによって、ナノファイバー不織布層を構成するナノファイバーの磨耗を抑制することができ、複合ファブリックの耐久性を向上させることができる。
上記布帛は、伸縮性を付与する観点から、編生地であることが好ましい。
上記布帛の組織の種類(編み方の種類)、繊維の長短(フィラメント(長繊維)、ステープル(短繊維))等は特に限定されないが、肌側となる布帛は肌との接触面積の少ない組織にする等により、肌触り、風合い等に考慮することが好ましい。
上記布帛の組織として、例えば、横編み、丸編からなる平編み組織、ゴム編み組織、両面編組織等が挙げられる。例えば、編み立てる組織にあった丸編み機を用いて、ゲージ数16〜40Gの範囲内で糸長及びループ長、給糸テンション、生地張力等を設定し編み立てることができる。また、たて編みであってもよい。
特に、上記布帛が編生地である場合は緯編地であることが好ましい。
上記緯編地の組織としては、例えば、平編(天竺編みともいう)、ゴム編(リブ編又はフライス編ともいう)、パール編(リンクス編ともいう)等の組織、及び、これらの変化組織が挙げられる。
上記変化組織としては、例えば、ミラノリブ、コードレーン、あぜ編、スムース、かの子、テレコ、メッシュ等の組織が挙げられる。なかでもスムース編みが好ましい。
このような変化組織を用いることで、伸縮を規制する方向、繊維密度等をコントロールすることができる。
なかでも、ゴム編組織が好ましい。ゴム編組織を用いることで、より伸縮性に優れた放射線遮蔽用繊維構造物とすることができる。
上記ゴム編組織の中でもスムース編組織を採用することで伸長性および伸長弾性の向上ができることから特に好ましい。
上記布帛は、起毛層を有することが好ましい。
上記起毛層は、起毛生地からなり、表面に存在する起毛によって空気からなる微小な断熱層を多数有するため、保温性を大きく向上させるはたらきを有する。
なお、起毛生地とは、生地のベースとなる組織に対して、例えば、起毛加工が施されていたり、ループパイル、カットパイル等の嵩高い繊維層が表面に形成されていたりする生地を意味する。上記起毛加工としては、針布起毛、エメリー起毛等が挙げられる。
上記起毛層を構成する繊維は、親水性素材からなる繊維であってもよいし、疎水性素材からなる繊維であってもよい。上記親水性素材からなる繊維としては、従来公知の繊維が用いられ、例えば、綿、麻等の植物性繊維;ウール等の獣毛繊維;親水性の付与されたポリエステル等の合成繊維;キュプラ、レーヨン、アセテート、ポリノジック、リヨセル等の再生繊維等が挙げられる。
上記疎水性素材からなる繊維としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリルからなる繊維が挙げられる。
上記布帛のうち片面が起毛生地ではない場合、起毛生地ではない布帛を構成する繊維は特に限定されず、上述したような起毛生地を構成する繊維と同様の繊維を用いることができる。なかでも、外側となる布帛とした場合に撥水効果を付与することが想定されることから、上述したような疎水性素材からなる繊維(例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(例えば、ナイロン−6、ナイロン−66等のナイロン系繊維)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン(例えば、スパンデックス等)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン等)等の合成繊維等)、ポリビニルアルコール等が挙げられる。なかでも、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリウレタンがより好ましい。これらの疎水性素材からなる繊維は、単独で又は2種以上が組み合わされて用いられる。
また、上記疎水性素材からなる繊維と親水性素材からなる繊維とを混合したものを用いてもよい。
本発明の顔部用保温具が、ナノファイバー不織布層が、少なくとも1層の布帛と、もう1層の布帛との間に挟まれた構造である場合、外側となる布帛が疎水性素材で構成されていることが好ましい。外側に疎水性素材を用いることで、雪等により濡れるのを防ぐことができる。ただし、本発明の効果を損なわない限りにおいて、親水性素材と疎水性素材とを組み合わせて用いることもでき、上記外側となる布帛と上記肌側となる布帛とを同じ素材で構成してもよい。
上記起毛層は、上記ナノファイバー不織布層が、少なくとも1層の布帛と、もう1層の布帛との間に挟まれた構造である場合には、上記布帛の少なくとも一方を起毛生地とすることにより、適度な透湿性を確保したままで保温性を大きく向上させることができる。また、ナノファイバー不織布の繊維の磨耗、脂汚れの付着等を抑制して、耐久性を向上させることもでき、不織布が肌に直接接触する場合と比較して、肌触りを良くすることもできる。なお、上記布帛のうち片面のみが起毛生地であってもよいし、両面が起毛生地であってもよい。片面のみが起毛生地である場合には、外側となる布帛及び肌側となる布帛のいずれが起毛生地であってもよく、求められる性能に合わせて適宜決定されるが、保温性をより向上させることができることから、肌側となる布帛が起毛生地であることが好ましい。
特に、起毛生地からなる起毛層を肌側となる布帛に用いる場合は、ポリエステル起毛ニットやマイクロフリースを用いることが好ましい。
上記布帛を構成する繊維の繊度は、複合ファブリックの強度を保つ観点から、10〜150dtexであることが好ましく、20〜100dtexであることがより好ましい。
上記布帛の目付は、50〜500g/mであることが好ましく、100〜300g/mであることがより好ましい。また、上記布帛の生地厚みは、200〜2000μmであることが好ましく、500〜1000μmであることがより好ましい。上記布帛の目付及び生地厚みがこのような範囲を外れると、顔部用保温具として適切な重量感を保ちつつ、生地の保温性を確保するはたらきが低下することがある。
上記布帛は、公定水分率が5.5%以下の繊維からなることが好ましい。上記公定水分率が5.5%を超えると、繊維が水分を多く含み、生地の温度が低下することがある。
上記公定水分率は、0.1〜4.5%であることがより好ましく、0.1〜2.0%であることが更に好ましい。
なお、上記公定水分率は、JIS L0105に準拠する方法により測定することができる。
本発明の顔部用保温具に用いる複合ファブリックを製造する方法としては、例えば、ナノファイバー不織布層を製造した後、接着剤を用いて、ナノファイバー不織布層に布帛を接着する方法等が挙げられる。
本発明の顔部用保温具に用いる複合ファブリックにおいては、上記ナノファイバー不織布層と上記布帛とがドットパターンの接着剤を介して接着されていることが好ましい。
上記ナノファイバー不織布層と上記布帛とをドットパターンの接着剤を介して接着させることにより、上記ナノファイバー不織布層の断熱層を塞いでしまったり、保温性、透湿性、伸長性等を損なったりすることを抑制することができる。また、複合ファブリックの風合いを良くしたり、耐久性を向上させたりすることもできる。なお、上記ナノファイバー不織布層と上記布帛とを接着させない場合には、着用時に上記ナノファイバー不織布層の繊維が磨耗しやすくなる。
なお、ドットパターンとは、生地全面ではなく複数のポイントで、点形状が分散して配置された模様を意味する。接着剤は、点形状部分に塗布されていてもよいし、点形状部分には塗布されず点形状以外の部分に塗布されていてもよい(反転模様)。
上記ドットパターンは、点形状が規則的に配置されていてもよいし、ランダムパターンで配置されていてもよい。上記ドットパターンの点形状は特に限定されず、例えば、円状、多角形状等が挙げられる。
上記ドットパターンの点形状1つあたりの面積は特に限定されないが、20〜80mmであることが好ましい。上記ドットパターンの点形状1つあたりの面積が20mm未満であると、上記ナノファイバー不織布層と上記布帛との接着性が低下することがある。上記ドットパターンの点形状1つあたりの面積が80mmを超えると、複合ファブリックの保温性、透湿性等が低下することがある。
また、上記ドットパターンの点形状の中心間距離は特に限定されないが、0.1〜10mmであることが好ましく、0.5〜5mmであることがより好ましい。
上記ドットパターンの接着剤としては、加工温度185〜195℃程度の一般的な熱溶融型の接着剤を用いることもできるが、加工温度のより低い接着剤を用いることが好ましい。このような接着剤を用いることにより、上記布帛が起毛層を構成する場合であっても、起毛が倒れてしまうことを抑制し、複合ファブリックの保温性をより向上させることができる。
上記加工温度のより低い接着剤は特に限定されないが、例えば、2液硬化型(加工温度:常温〜100℃)、湿気硬化型(加工温度:常温〜100℃)、低融点溶融型(加工温度:100〜135℃)等の接着剤が挙げられる。
上記2液硬化型の接着剤として、例えば、末端に水酸基を持つポリオールとポリイソシアネートとを含むポリウレタン樹脂系接着剤、末端にイソシアネート基を持つウレタンプレポリマーとポリオールとを含むポリウレタン樹脂系接着剤、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとを縮合反応させて得られたエポキシ樹脂プレポリマーと、アミン等の硬化剤とを含むエポキシ樹脂系接着剤等が挙げられる。上記湿気硬化型の接着剤として、例えば、空気中の水分と反応させて硬化するエポキシ樹脂系接着剤、変性シリコーン樹脂系接着剤等が挙げられる。上記低融点溶融型の接着剤として、例えば、低融点ポリウレタン樹脂系接着剤、低融点ポリアミド樹脂系接着剤等が挙げられる。
上記ドットパターンの接着剤の厚みは特に限定されないが、複合ファブリックのしなやかさ、伸縮性等を損なわない観点から、200μm以下であることが好ましく、30〜150μmであることがより好ましい。
上記ドットパターンの接着剤の使用量は特に限定されないが、複合ファブリックの風合いを損なわないためには、目付5〜100g/mが好ましく、目付8〜30g/mがより好ましい。また、上記したように、ナノファイバー不織布層が少なくとも1層の布帛と、もう1層の布帛との間に挟まれた構造を有する場合、上記外側となる布帛の接着と上記肌側となる布帛の接着に同じ接着剤を用いてもよいが、上記外側となる布帛と上記肌側となる布帛とが異なる布帛である場合には、布帛の種類によってそれぞれ異なる接着剤を用いてもよい。
上記ナノファイバー不織布層と上記布帛とをドットパターンの接着剤を介して接着する方法は特に限定されず、例えば、接着剤を、スクリーン版を使用する等によりナノファイバー不織布層及び/又は布帛にドットパターンで塗布し、ポイント接着(ドット接着)する方法等が好ましい。
上記複合ファブリックの目付は、100〜500g/mであることが好ましく、200〜400g/mであることがより好ましい。また、上記複合ファブリックの総厚みは、100〜3000μmであることが好ましく、500〜2000μmであることがより好ましい。上記複合ファブリックの目付及び総厚みがこのような範囲を外れると、顔部用保温具として適切な重量感を保ちつつ、生地の保温性を確保するはたらきが低下することがある。
上記複合ファブリックの定応力荷重時の伸度は、上記ナノファイバー不織布層の破断伸度よりも小さいことが好ましい。定応力荷重時の伸度が上記ナノファイバー不織布層の破断伸度以上であると、複合ファブリックの伸張によって上記ナノファイバー不織布層が破断してしまうことがある。
具体的には、複合ファブリックが使用される環境を鑑みると、複合ファブリックに生地幅2.5cm当たり20N、好ましくは30N、より好ましくは40Nの荷重をかけた際の伸度が、上記ナノファイバー不織布層の破断伸度よりも小さいことが好ましい。
上記複合ファブリックの定応力荷重時の伸度を上記ナノファイバー不織布層の破断伸度よりも小さくする方法は特に限定されず、例えば、上記布帛の破断伸度を上記ナノファイバー不織布の破断伸度以下に調整する方法等が挙げられる。上記布帛の破断伸度は、上記ナノファイバー不織布層の破断伸度よりも5〜50%小さいことが好ましく、10〜20%小さいことがより好ましい。なお、上記布帛の破断伸度は、100〜400%であることが好ましく、200〜400%であることがより好ましい。
本発明の顔部用保温具としては、例えば、フェイスマスク、ネックウォーマー、フード等が挙げられる。なかでも、フェイスマスク、ネックウォーマーが好ましい。なお、本発明の顔部用保温具は、顔面全体に直接接するものほか、顔面に部分的に接するものも含む。上記フェイスマスク、ネックウォーマーのように、口や鼻を直接覆う顔部用保温具に使用されることで、息がかかる部分での濡れによる不快感を防止することが可能となることから、特に好適に使用することができる。
また、伸縮性に優れることから、圧迫感を感じることなく、着用することができる。
上記フェイスマスクは、広く顔を覆うためのマスクをいい、逆三角形、横長長方形等のマスクのほか、顔全体を覆うフルフェイスマスクも含む。
なお、上記フェイスマスクの具体的な形状としては特に限定されないが、布状のマスク部をファスナ等の連結器具で繋ぎ合わせたもの等が挙げられる。
上記ネックウォーマーは、首回りに装着して保温するための顔部用保温具である。
本発明の顔部用保温具を製造する方法としては、例えば、フェイスマスクを製造する場合は、上述した方法で複合ファブリックを作製した後、鼻から口を覆う部分を複合ファブリックとしてファスナ等の連結器具を取り付ける方法や、上記裁断した後、目の部分に開口を設ける方法等が挙げられる。なお、上記複合ファブリックを製造する場合は、伸長率が最も大きくなる方向を伸長方向とした場合に、ナノファイバー不織布層と布帛の伸長方向が一致するよう複合化することが好ましい。
また、上記フェイスマスクの縁の部分は、密着性、保温性を高めるためにゴムが縫いこまれていてもよい。これにより、上記フェイスマスクを顔部に密着させ、防風性を高めるとともに、顔に固定させることができる。
本発明の顔部用保温具を製造する方法としては、例えば、ネックウォーマーを製造する場合は、一枚の生地からなる複合ファブリックを筒状に折り曲げて重ね合わせ、縫い合わせる方法等が挙げられる。また、ネックウォーマーに紐状部材を通して、締め付け部を形成してもよい。
本発明の顔部用保温具は、JIS L 1096A法による通気度が5.0cm/cm/sec以下であることが好ましい。通気度が5.0cm/cm/secを超えると、通気性が高くなり、保温性が低下することがある。上記通気度は、4.0cm/cm/sec以下であることが好ましく、3.0cm/cm/sec以下であることがより好ましい。
本発明の顔部用保温具は、JIS L 1099A−1法による透湿度が200g/h・m以上であることが好ましい。上記透湿度が200g/h・m未満であると、発汗や呼気による水分のために、着用感が悪くなることがある。上記透湿度は、250g/h・m以上であることがより好ましく、300g/h・m以上であることが更に好ましい。
本発明の顔部用保温具は、JIS L 1096B−1法による幅2.5cm時の5N荷重伸長度が50%以上である。上記5N荷重伸長度が50%未満であると、顔部用保温具に用いるのに必要な伸縮性が損なわれてしまう。上記5N荷重伸長度は、50〜300%であることが好ましく、60〜200%であることがより好ましい。
本発明の顔部用保温具は、JIS L 1096B−1法による幅2.5cm時の5N荷重伸長弾性率が50%以上である。上記5N荷重伸長弾性率が50%未満であると、顔部用保温具に用いるのに必要な形状追従性が損なわれてしまう。上記5N荷重伸長弾性率は、60〜100%であることが好ましく、75〜100%であることがより好ましい。
本発明の顔部用保温具は、特に、布帛として緯編地の組織を用いること、ナノファイバー不織布層の素材としてポリウレタンを用いることが好ましい。これにより、5N荷重伸長率及び5N荷重伸長弾性率を好適な範囲とすることができる。
また、ナノファイバー不織布層と布帛とを接着する接着剤や、ナノファイバー不織布層と布帛との配置によっても調整することができる。
例えば、ドットパターンの接着剤を介して接着すること、ナノファイバー不織布層の両側に布帛を配置する形態とすること、布帛の編み組織の伸長方向を同一方向にすること等が挙げられる。なお、伸長方向とは、伸長率が最も大きくなる方向を言う。
本発明の顔部用保温具は、生地の伸長方向が顔に対して横方向となることが好ましい。生地の伸長方向が顔に対して縦方向であると、顔部用保温具を装着する際に形状追従性が得られず、顔への密着が薄れ、隙間より空気が侵入してしまうことがある。
本発明によれば、防風性に優れ、充分な透湿性、伸縮性が確保された顔部用保温具を提供することができる。
本発明の顔部用保温具を構成する複合ファブリックの一例を示す模式図である。 本発明の顔部用保温具を構成する複合ファブリックの一例を示す模式図である。 実施例1及び比較例2で得られた複合ファブリックの透湿性測定の結果を示すグラフである。 実施例1で作製したフェイスマスクの写真である。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
<親水性ポリウレタンナノファイバー不織布(親水PU不織布−1)の製造>
ポリエーテル系ポリウレタン樹脂溶液(透湿性ポリウレタン、ハイムレンY−210B、不揮発分30%、大日精化工業社製)をDMFを用いて、不揮発分が15重量%となるように希釈し、これを電界紡糸装置(ES−2300、ヒューエンス社製)の溶液充填部に充填し、40kVの電圧をかけて電界紡糸を行い、ポリウレタンナノファイバー不織布(親水PU不織布−1)を製造した。なお、このときに用いた金属製ノズルの径は22G(内径:0.41mm)であった。
得られたナノファイバー不織布(親水PU不織布−1)は、目付10.8g/m、厚み25μm、繊維の繊維軸直行方向断面の直径(平均直径)822nm、破断伸度297%であった。
なお、生地の目付は、200×200mmの試験片の重量を測定して算出した。厚みは、ダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作所社製)を用いて3箇所の測定を行い、その平均値とした。繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope(SEM)、倍率:10000〜50000倍)にて撮影し、無作為に選んだ繊維の繊維軸直行方向断面の直径(太さ)を30点測定し、その平均値を求めた。
更に、破断強伸度は、JIS L 1096A法に準拠して測定した。
<親水性ポリウレタンナノファイバー不織布(親水PU不織布−2〜5)の製造>
上記<親水性ポリウレタンナノファイバー不織布(親水PU不織布−1)の製造>において、原料溶液の不揮発分濃度を調整することで、親水PU不織布−2〜5を製造した。
得られたナノファイバー不織布(親水PU不織布−2〜5)の目付、厚み、繊維の繊維軸直行方向断面の直径(平均直径)、破断伸度は以下の通りであった。
・親水PU不織布−2:目付10.3g/m、厚み26μm、繊維の平均直径894nm、破断伸度258%
・親水PU不織布−3:目付10.6g/m、厚み26μm、繊維の平均直径864nm、破断伸度292%
・親水PU不織布−4:目付21g/m、厚み42μm、繊維の平均直径910nm、破断伸度265%
・親水PU不織布−5:目付21.5g/m、厚み41μm、繊維の平均直径927nm、破断伸度274%
<疎水性ポリウレタンナノファイバー不織布(疎水PU不織布)の製造>
ポリエーテル系ポリウレタン樹脂溶液(透湿性ポリウレタン、CUS−1500、不揮発分30%、大日精化工業社製)をDMFを用いて、不揮発分が15重量%となるように希釈し、これを電界紡糸装置(ES−2300、ヒューエンス社製)の溶液充填部に充填し、40kVの電圧をかけて電界紡糸を行い、ポリウレタンナノファイバー不織布(疎水PU不織布)を製造した。なお、このときに用いた金属製ノズルの径は22G(内径:0.41mm)であった。
得られたナノファイバー不織布(疎水PU不織布)は、目付11.0g/m、厚み26μm、繊維の繊維軸直行方向断面の直径(平均直径)866nm、破断伸度288%であった。
(実施例1)
(複合ファブリックの製造)
得られた親水PU不織布−1の片面に、スクリーン版(穴径φ400μm、穴中心間距離1.5mm、千鳥格子)を使用して、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、ポリエステルニット(スムース編み、目付130g/m、ポリエステル100%、75dtex/36f、生地厚み:0.56mm、破断伸度310%、公定水分率0.4%)を100℃で外側に加圧接着した。
次いで、得られた親水PU不織布−1のもう一方の面に、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、ポリエステル起毛ニット(スムース編み、針布起毛、目付140g/m、ポリエステル100%、50dtex/144f、生地厚み:0.69mm、破断伸度228%、公定水分率0.4%)を100℃で肌側に加圧接着し、複合ファブリックを得た。この時、ポリエステルニットとポリエステル起毛ニットの伸張方向を揃えて構成するようにした。
(フェイスマスクの製造)
得られた複合ファブリックを裁断した後、一枚の生地からなる複合ファブリックを筒状に折り曲げて重ね合わせ、縫製し、該筒状の上部にひも状部材を通して、締め付け部を形成し、フェイスマスクを得た。なお、得られたフェイスマスクの写真を図4に示す。
(実施例2)
実施例1の(複合ファブリックの製造)において、得られた親水PU不織布−1に代えて、得られた疎水PU不織布を用いた以外は実施例1と同様にして複合ファブリック及びフェイスマスクを得た。
(実施例3)
得られた親水PU不織布−1の片面に、スクリーン版(穴径φ400μm、穴中心間距離1.5mm、千鳥格子)を使用して、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、ポリエステルニット(スムース編み、目付130g/m、ポリエステル100%、75dtex/36f、生地厚み:0.56mm、破断伸度310%、公定水分率0.4%)を140℃で外側に加圧接着して複合ファブリックを得た。この複合ファブリックを用いて実施例1の製法にてフェイスマスクを得た。
(実施例4)
得られた親水PU不織布−1の両面に、二液硬化型接着剤(加工温度60〜80℃)を塗布した後、ポリエステルニット(スムース編み、目付130g/m、ポリエステル100%、75dtex/36f、生地厚み:0.54mm、破断伸度302%、公定水分率0.4%)を100℃で外側に加圧接着し、ポリエステル起毛ニット(スムース編み、針布起毛、目付140g/m、ポリエステル100%、50dtex/144f、生地厚み:0.66mm、破断伸度217%、公定水分率0.4%)を100℃で肌側に加圧接着することで、複合ファブリックを得た。この複合ファブリックを用いて実施例1の製法にてフェイスマスクを得た。
(実施例5)
得られた親水PU不織布−2の片面に、スクリーン版(穴径φ400μm、穴中心間距離1.5mm、千鳥格子)を使用して、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、アクリル系ニット(フライス編み、目付143g/m、混率;アクリル33.6%、レーヨン29.4%、ナイロン24.6%、ポリビニルアルコール10.5%、ポリウレタン1.9%、生地厚み:0.59mm、公定水分率5.5%)を100℃で外側に加圧接着した。
次いで、得られた親水PU不織布−2のもう一方の面に、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、マイクロフリース(スムース編み、針布起毛、目付146g/m、ポリエステル100%、生地厚み:1.02mm、公定水分率0.4%)を100℃で肌側に加圧接着し、複合ファブリックを得た。この時、ポリエステルニットとポリエステル起毛ニットの伸張方向を揃えて構成するようにした。この複合ファブリックを用いて実施例1の製法にてフェイスマスクを得た。
(実施例6)
得られた親水PU不織布−3の片面に、スクリーン版(穴径φ400μm、穴中心間距離1.5mm、千鳥格子)を使用して、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、極薄ポリエステルニット(天竺編み、目付34g/m、ポリエステル100%、生地厚み:0.30mm、公定水分率0.4%)を100℃で外側に加圧接着した。
次いで、得られた親水PU不織布−3のもう一方の面に、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、マイクロフリース(スムース編み、針布起毛、目付146g/m、ポリエステル100%、生地厚み:1.02mm、公定水分率0.4%)を100℃で肌側に加圧接着し、複合ファブリックを得た。この時、ポリエステルニットとポリエステル起毛ニットの伸張方向を揃えて構成するようにした。この複合ファブリックを用いて実施例1の製法にてフェイスマスクを得た。
(実施例7)
得られた親水PU不織布−4の片面に、スクリーン版(穴径φ400μm、穴中心間距離1.5mm、千鳥格子)を使用して、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、極薄ポリエステルニット(天竺編み、目付34g/m、ポリエステル100%、生地厚み:0.30mm、公定水分率0.4%)を100℃で外側に加圧接着した。
次いで、得られた親水PU不織布−4のもう一方の面に、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、マイクロフリース(スムース編み、針布起毛、目付146g/m、ポリエステル100%、生地厚み:1.02mm、公定水分率0.4%)を100℃で肌側に加圧接着し、複合ファブリックを得た。この時、ポリエステルニットとポリエステル起毛ニットの伸張方向を揃えて構成するようにした。この複合ファブリックを用いて実施例1の製法にてフェイスマスクを得た。
(実施例8)
得られた親水PU不織布−5の片面に、スクリーン版(穴径φ400μm、穴中心間距離1.5mm、千鳥格子)を使用して、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、ナイロンニット(天竺編み、目付66g/m、ナイロン6、100%、生地厚み:0.50mm、公定水分率4.5%)を100℃で外側に加圧接着した。
次いで、得られた親水PU不織布−5のもう一方の面に、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、マイクロフリース(スムース編み、針布起毛、目付146g/m、ポリエステル100%、生地厚み:1.02mm、公定水分率0.4%)を100℃で肌側に加圧接着し、複合ファブリックを得た。この時、ポリエステルニットとポリエステル起毛ニットの伸張方向を揃えて構成するようにした。この複合ファブリックを用いて実施例1の製法にてフェイスマスクを得た。
(比較例1)
ポリエステル起毛ニット(スムース編み、針布起毛、目付140g/m、ポリエステル100%、50dtex/144f、生地厚み:0.60mm、破断伸度225%、公定水分率0.4%)を生地として用いた。このファブリックを用いて実施例1の製法にてフェイスマスクを得た。
(比較例2)
実施例1の(複合ファブリックの製造)において、得られた親水PU不織布−1に代えて、PE製樹脂シート(素材:ポリエチレン、目付15g/m、生地厚み:25μm、破断伸度162%、公定水分率0.4%)を用いた以外は実施例1と同様にして複合ファブリック及びフェイスマスクを得た。
(比較例3)
IRONMASK JACKET(ポリウレタンコーティング膜複合ファブリック、品番:NP16006、ゴールドウィン社製)のファブリックを使用し、実施例1の製法を用いてフェイスマスクを得た。
(比較例4)
ポリエステルニット(スムース編み、目付130g/m、ポリエステル100%、75dtex/36f、生地厚み:0.60mm、破断伸度298%、公定水分率0.4%)の片面に、22ポイント/1inch、目付14〜16g/mとなるようなドットパターンで、ポリアクリルアミド系熱融着接着剤(融点106〜115℃)を塗布した後、ポリエステル起毛ニット(スムース編み、針布起毛、目付140g/m、ポリエステル100%、50dtex/144f、生地厚み:0.60mm、破断伸度220%、公定水分率0.4%)を100℃で肌側に加圧接着し、複合ファブリックを得た。この複合ファブリックを用いて実施例1の製法にてフェイスマスクを得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた複合ファブリック(比較例1は生地)及びフェイスマスクについて以下の評価を行った。
(1)通気度の測定
JIS L 1096A法に準拠して、以下のようにして通気度を測定した。
得られた複合ファブリックを裁断して20cm×20cmの試験片を得た。フラジール試験機の円筒の一端に試験片を取り付けた後、傾斜形気圧計が125Paの圧力を示すように吸込みファンを調整した。このときの垂直形気圧計の示す圧力と、使用した空気孔の種類とから、フラジール試験機に付属の表によって試験片を通過する空気量(cm/cm/sec)を求めた。この試験を5回行い、平均値を算出した。
(2)透湿度の測定
(2−1)JIS L 1099A−1法
JIS L 1099A−1法に準拠して、以下のようにして透湿度を測定した。
得られた複合ファブリックを裁断して直径約7cmの試験片を得た。あらかじめ約40℃に温めた透湿カップに吸湿剤を約33g入れ、表面を平らにならした。次に、試験片を、吸湿剤との距離3mmで吸湿剤に向けて透湿カップに載せ、パッキン及びリングを順次装着し、ちょうナットで固定した後、試験片を装着した面をビニル粘着テープでシールして試験体とした。この試験体を恒温恒湿装置(温度40±2℃、湿度90±5%RH)内に置き、1時間後に試験体を取り出し、直ちに質量(a1)を測定した。測定後、再び試験体を恒温恒湿装置内に置き、1時間後に試験体を取り出し、直ちに質量(a2)を測定し、下記式によって透湿度を算出した。この試験を3回行い、平均値を算出した。
PA1={10×(a2−a1)}/SA1
PA1:透湿度(g/h・m
a2−a1:試験体の1時間当たりの質量変化量(mg/h)
SA1:透湿面積(cm
(2−2)G法
G法に準拠して、以下のようにして透湿性を測定した。
得られた複合ファブリックを裁断して20cm角の試験片を得た。加熱装置にて水を加熱し、水温が45℃付近で安定した後、試験片を加熱装置上に載せ、試験片と水面の間での湿度を測定した。湿度が100%を超えたところで加熱を止め、湿度の変化を評価した。この試験を3回行い、平均値を算出した。
なお、実施例1及び比較例2の複合ファブリックについて、得られた結果を図3に示す。この結果から、実施例1の複合ファブリックは、湿気を逃がす能力が高いといえる。
(3)5N荷重伸長率、5N荷重伸長弾性率の測定
JIS L 1096B−1法に準拠して、以下のようにして伸長率を測定した。
得られた複合ファブリックを裁断して2.5×15cmの試験片を得た。試験片の一端を上部クランプで固定し、通常他端に試験片の幅で1mの長さにかかる重力に相当する荷重(N)(整数位までの値)の初荷重を加え、試験片にクランプ下端から100mmの位置に印を付ける。次いで、静かに5Nの荷重を加えすぐに印間の長さ(mm)を測定した。その後、荷重を取り除き、すぐに初荷重を加えて再び印間の長さを測定した。
下記式によって透湿度を算出した。この試験を3回行い、平均値を算出した。
=(L−L´)/(L−L
:伸長弾性率(%)
:初荷重を加えたときの印間の長さ(mm)
:5Nの荷重を0時間加えた後の印間の長さ(mm)
L´:荷重を取り除いた後、すぐに初荷重を加えたときの印間の長さ(mm)
(4)着用試験
得られたフェイスマスクを着用し、試験法として、温度5℃湿度40%RHに設定した恒温恒湿室内にて風速2.0m/sの風を送風しながら10分間ルームランナーにて6km/hの速度にて歩行運動を行った。評価項目は風の侵入度合、メガネの曇り度合、生地のべたつきとし、非常に不快に感じる:1点、不快に感じる:2点、不快ではないが違和感がある:3点、特に気にならない:4点、快適に感じる:5点とし、平均点より評価点とした。被験者人数を5人とした。
本発明によれば、防風性に優れ、充分な透湿性、伸縮性が確保された顔部用保温具を提供することができる。
1 外側の布帛
2 ナノファイバー不織布層
3 肌側の布帛

Claims (10)

  1. 平均直径3μm未満の極細繊維からなるナノファイバー不織布層と、少なくとも1層の布帛との複合ファブリックで構成され、
    JIS L 1096B−1に準拠した方法で測定した5N荷重伸長率が50%以上、かつ、5N荷重伸長弾性率が50%以上である
    ことを特徴とする顔部用保温具。
  2. 布帛は、編生地からなることを特徴とする請求項1記載の顔部用保温具。
  3. 布帛は、起毛層を有することを特徴とする請求項1又は2記載の顔部用保温具。
  4. 布帛は、公定水分率が5.5%以下の繊維からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の顔部用保温具。
  5. ナノファイバー不織布層と、布帛とが、ドットパターンの接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の顔部用保温具。
  6. ナノファイバー不織布層は、少なくとも1層の布帛と、他の1層の布帛との間に挟まれていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の顔部用保温具。
  7. ナノファイバー不織布層は、ポリウレタンで構成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の顔部用保温具。
  8. ナノファイバー不織布層は、電界紡糸法により製造されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の顔部用保温具。
  9. JIS L 1096Aに準拠した方法で測定した通気度が、5.0cm/cm/sec以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の顔部用保温具。
  10. JIS L 1099A−1に準拠した方法で測定した透湿度が、200g/h・m以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の顔部用保温具。
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