JP2014118658A - 複合ファブリック及び衣料 - Google Patents

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Abstract

【課題】通気性が抑えられ、保温性に優れ、適度な透湿性が確保された複合ファブリックを提供する。また、該複合ファブリックを用いて製造される衣料を提供する。
【解決手段】繊維軸直行方向断面の直径が50nm以上2μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布と、該ナノファイバー不織布の両面に積層された編生地とを有する複合ファブリックであって、前記編生地の少なくとも一方が起毛生地であり、前記ナノファイバー不織布と前記編生地とがドットパターンの接着剤を介して接着されている複合ファブリック。
【選択図】なし

Description

本発明は、通気性が抑えられ、保温性に優れ、適度な透湿性が確保された複合ファブリックに関する。また、本発明は、該複合ファブリックを用いて製造される衣料に関する。
従来から、衣服内環境を快適に保つことを目的とした様々な生地又は衣料が開発されている。なかでも、冬季用の衣料には、防寒のために低通気性、防風性、保温性等が求められている一方で、衣服内の蒸れ感を防ぐために適度な透湿性も必要とされている。加えて、特にインナーウェアの場合には、伸縮性及び柔軟性に優れ、肌触りが良いことも求められている。
特許文献1には、ブルゾン、ウインドブレーカー等の屋外での着用を主な目的とした防風衣料として、熱可塑性ポリマーからなる多孔質シートと少なくとも一層の繊維シートとの積層体からなる防風衣料が記載されている。特許文献1には、適度な柔軟性と通気性を有し、かつ防風性に優れ、さらに必要に応じて伸縮性をも併せもつ防風衣料を得ることができる旨が記載されている。
また、特許文献2には、スポーツウェア等のアウトドア分野の衣料に用いられる生地として、表面層、中間層、裏面層の3層よりなる布帛であって、表面層は透湿防水性の樹脂で構成され、中間層は親水性繊維を含有してなる極細糸で構成され、裏面層は疎水性繊維で構成されている透湿防水性布帛が記載されている。特許文献2には、激しい運動で生ずる汗は裏面層(肌に接する側)から中間層へと拡散され、表面層を通って外へ発散されるため、肌と衣料とのべたつき感がなく、また表面層の防水性により雨風を防ぐことができる旨が記載されている。
近年、冬季用の衣料にはますます高度な機能が要求されており、特許文献1又は2に記載のような従来の生地又は衣料よりも更に高いレベルで、防寒機能と適度な透湿性とを両立することが求められている。
特開2002−54009号公報 特開平5−230770号公報
本発明は、通気性が抑えられ、保温性に優れ、適度な透湿性が確保された複合ファブリックを提供することを目的とする。また、本発明は、該複合ファブリックを用いて製造される衣料を提供することを目的とする。
本発明は、繊維軸直行方向断面の直径が50nm以上2μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布と、該ナノファイバー不織布の両面に積層された編生地とを有する複合ファブリックであって、前記編生地の少なくとも一方が起毛生地であり、前記ナノファイバー不織布と前記編生地とがドットパターンの接着剤を介して接着されている複合ファブリックである。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、既に、所定範囲の直径を有する極細繊維からなるナノファイバー不織布を開発し、該ナノファイバー不織布が、外部からの空気の侵入を防いで通気性を抑えつつ、衣服内の湿気を逃がして適度な透湿性を確保するはたらきを有することを見出している。
本発明者は、該ナノファイバー不織布を用いて、保温性に優れたファブリックを開発することを検討した。その結果、本発明者は、該ナノファイバー不織布の両面に編生地を積層し、該編生地の少なくとも一方を起毛生地とし、かつ、ナノファイバー不織布と編生地とをドットパターンの接着剤を介して接着させることにより、適度な透湿性を確保したままで保温性を大きく向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の複合ファブリックは、繊維軸直行方向断面の直径が50nm以上2μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布を有する。
上記ナノファイバー不織布は、空気からなる極めて微小な断熱層を多数有しており、外部からの空気の侵入を防いで通気性を抑えつつ、衣服内の湿気を逃がして適度な透湿性を確保するはたらきを有する。繊維の直径が50nm未満であると、衣服内の湿気を逃がすはたらきが低下する。繊維の直径が2μm以上であると、外部からの空気の侵入を防ぐはたらきが低下する。繊維の直径は50〜900nmであることが好ましく、50〜700nmであることがより好ましく、100〜700nmであることが特に好ましい。
なお、繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope(SEM)、倍率:10000〜50000倍)にて撮影し、無作為に選んだ繊維の繊維軸直行方向断面の直径(太さ)を30点測定し、その平均値によって表される。
上記ナノファイバー不織布を構成する繊維の素材は、編生地の伸縮性に追従できる伸度を有していれば特に限定されず、従来公知の素材を用いることができる。また、編生地の繊維として用いられる合成繊維、熱可塑性エラストマー繊維等を用いることもできる。
上記ナノファイバー不織布を構成する繊維の素材として、具体的には例えば、ポリウレタン(例えば、スパンデックス等)、エラストマー系ポリマー(例えば、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー)等が挙げられる。これらの素材からなる繊維は伸縮性に優れることから、本発明の複合ファブリックをインナーウェア等に用いる場合に好適である。なかでも、ポリウレタン、ウレタン系エラストマーが好ましい。
上記ウレタン系エラストマーとしては、吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂が好ましい。吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂を用いることにより、複合ファブリックの吸水速乾性を高めることができる。
なお、吸水速乾性とは、生地又は衣服が汗等の水分に直接接した場合に、生地又は衣服の内部を通じて水分が即時に外部に放出され、かつ、生地又は衣服自体も素早く乾燥することのできる性質を意味する。吸水速乾性に優れた生地又は衣服は、衣服内環境を快適に保つことができる。
上記吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオールと、鎖伸張剤と、ポリイソシアネートとを反応して得られるポリエーテル系ポリウレタン樹脂が挙げられる。このようなポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、軟質のエラストマーであり、数平均分子量が5000以上であることが好ましく、5000〜10万であることがより好ましい。
上記ポリエーテルポリオールは特に限定されず、ポリウレタンの製造に用いられる従来公知のポリエーテルポリオールを用いることができ、例えば、ポリテトラメチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールエーテル、ポリプロピレングリコールエーテル等が挙げられる。
上記鎖伸張剤は特に限定されず、従来公知の多価アルコール類、アミン類等が挙げられ、特に、平均分子量が250以下の2価アルコールが好ましい。上記鎖伸張剤として、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール;ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環族グリコール;キシリレングリコール等の芳香族グリコール等が挙げられる。
上記ポリイソシアネートは特に限定されず、従来公知のポリイソシアネートを用いることができ、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート等が挙げられる。
上記ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を製造する方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができ、例えば、ポリエーテルポリオールと、鎖伸張剤と、ポリイソシアネートとを適当な有機溶剤中で必要に応じて触媒を使用し反応させる方法、無溶剤で溶融反応させる方法等が挙げられる。また、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.9〜1.1程度となるように、原料の配合割合を調整することが好ましい。
また、上記吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン構造中に親水性部分を有することが好ましい。ポリウレタン構造中に親水性部分を有する吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂を用いることにより、肌側となる編生地に接触した汗等の水分を、より容易にナノファイバー不織布に移行させることができ、また、ナノファイバー不織布に移行した水分を、より容易に外部に放出させることができる。即ち、複合ファブリックの吸水速乾性が向上する。
一方、ポリウレタン構造中に親水性部分をもたない吸水性又は透湿性ポリウレタン樹脂を用いた場合には、ロータス効果により撥水性が高くなり、水分の移行を妨げることがある。
上記親水性部分として、例えば、エチレンオキシド(−(OCHCH−)等のポリオキシアルキレン(−(OR)−、Rは炭素数1〜5のアルキレン基、nは整数である)、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等の親水性基等が挙げられる。
上記吸水性又は透湿性ポリウレタンの市販品として、例えば、アクアファイブAQ−60(吸水性ポリウレタン樹脂、オカダエンジニアリング社製)、レザミンPM−2081(大日精化工業社製)、サンプレンLQ−120(三洋化成工業社製)、ハイムレンY−237NS(大日精化工業社製)、ハイムレンY−210B(透湿性ウレタン樹脂、大日精化工業社製)、ハイムレンY−119E(大日精化工業社製)等が挙げられる。
上記ナノファイバー不織布の吸水性は、バイレック法での測定値が3.0cm以上、滴下法での測定値が200秒以下であることが好ましい。吸水性が上記範囲を外れると、複合ファブリックの吸水速乾性が低下することがある。吸水性は、バイレック法での測定値が5.0cm以上、滴下法での測定値が200秒以下であることがより好ましく、バイレック法での測定値が7.0cm以上、滴下法での測定値が155秒以下であることが更に好ましい。
なお、滴下法とは、JIS L 1907(1)(a)で規定された測定方法であり、バイレック法とは、JIS L 1907(1)(b)で規定された測定方法である。
上記ナノファイバー不織布の目付は、100g/m未満であることが好ましい。目付が100g/m以上であると、衣服内の湿気を逃がすはたらきが低下することがある。目付は1〜50g/mであることがより好ましく、5〜30g/mであることが更に好ましい。
なお、目付とは、所定面積のサンプルの重量を測定し、単位面積あたりの重量を算出した値である。
上記ナノファイバー不織布の厚みは、10〜300μmであることが好ましい。厚みがこのような範囲を外れると、外部からの空気の侵入を防いで通気性を抑えつつ、衣服内の湿気を逃がして適度な透湿性を確保するはたらきが低下することがある。厚みは50〜200μmであることがより好ましい。
本発明の複合ファブリックは、上記ナノファイバー不織布の両面に積層された編生地を有しており、該編生地の少なくとも一方は、起毛生地である。
上記ナノファイバー不織布の両面に編生地を積層し、該編生地の少なくとも一方を起毛生地とすることにより、適度な透湿性を確保したままで保温性を大きく向上させることができる。また、ナノファイバー不織布の繊維の磨耗、脂汚れの付着等を抑制して、耐久性を向上させることもでき、ナノファイバー不織布が肌に直接接触する場合と比較して、肌触りを良くすることもできる。
なお、上記編生地のうち片面のみが起毛生地であってもよいし、両面が起毛生地であってもよい。片面のみが起毛生地である場合には、外側となる編生地及び肌側となる編生地のいずれが起毛生地であってもよく、求められる性能に合わせて適宜決定されるが、保温性をより向上させることができることから、肌側となる編生地が起毛生地であることが好ましい。
上記起毛生地は、表面に存在する起毛によって空気からなる微小な断熱層を多数有するため、保温性を大きく向上させるはたらきを有する。
なお、起毛生地とは、生地のベースとなる組織に対して、例えば、起毛加工が施されていたり、ループパイル、カットパイル等の嵩高い繊維層が表面に形成されていたりする生地を意味する。
上記起毛生地を構成する繊維は、親水性素材からなる繊維であってもよいし、疎水性素材からなる繊維であってもよい。上記親水性素材からなる繊維としては、従来公知の繊維が用いられ、例えば、綿、麻等の植物性繊維;ウール等の獣毛繊維;親水性の付与されたポリエステル等の合成繊維;キュプラ、レーヨン、アセテート、ポリノジック、リヨセル等の再生繊維等が挙げられる。なかでも、肌触り、保温性等の観点から、綿、ウールが好ましい。これらの親水性素材からなる繊維は、単独で又は2種以上が組み合わされて用いられる。
上記疎水性素材からなる繊維としても、従来公知の繊維が用いられ、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(例えば、ナイロン−6、ナイロン−66等のナイロン系繊維)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン(例えば、スパンデックス等)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン等)等の合成繊維等が挙げられる。なかでも、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリウレタンが好ましい。これらの疎水性素材からなる繊維は、単独で又は2種以上が組み合わされて用いられる。
上記起毛生地を構成する繊維としては、熱可塑性エラストマー繊維を用いることもできる。上記熱可塑性エラストマー繊維として、従来公知の繊維が用いられ、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等からなる繊維が挙げられる。なかでも、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーからなる繊維が好ましい。
上記編生地のうち片面が起毛生地ではない場合、起毛生地ではない編生地を構成する繊維は特に限定されず、上述したような起毛生地を構成する繊維と同様の繊維を用いることができる。なかでも、外側となる編生地とした場合に撥水効果を付与することが想定されることから、上述したような疎水性素材からなる繊維(例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(例えば、ナイロン−6、ナイロン−66等のナイロン系繊維)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン(例えば、スパンデックス等)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン等)等の合成繊維等)が好ましい。なかでも、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリウレタンがより好ましい。これらの疎水性素材からなる繊維は、単独で又は2種以上が組み合わされて用いられる。
本発明の複合ファブリックにおいては、上記外側となる編生地が親水性素材で構成され、上記肌側となる編生地が疎水性素材で構成されていることが好ましい。ただし、本発明の効果を損なわない限りにおいて、親水性素材と疎水性素材とを組み合わせて用いることもでき、上記外側となる編生地と上記肌側となる編生地とを同じ素材で構成してもよい。親水性素材と疎水性素材との組み合わせ(親水性素材/疎水性素材)は特に限定されないが、例えば、キュプラ/ポリエステル、キュプラ/ポリエステル及びポリウレタン等が挙げられる。
また、上記外側となる編生地の水分率が1.4%以上、上記肌側となる編生地の水分率が1.4%未満であることが好ましい。編生地をこのような水分率とすることにより、親水度が低い肌側となる編生地に接触した汗等の水分を、ナノファイバー不織布を経由して、親水度が高い外側となる編生地にまでより容易に移行させ、外部に放出させることができる。上記外側となる編生地の水分率は1.4〜15%であることがより好ましく、1.45〜11%であることが更に好ましく、1.45〜7%であることが特に好ましい。上記肌側となる編生地の水分率は0.1〜1.2%であることがより好ましく、0.2〜1.0%であることが更に好ましい。
なお、水分率は、JIS L 1018の規定に従って、標準状態(温度20±2℃、相対湿度(65±4)%(JIS L 0105))において測定した値である。
上記外側となる編生地の水分率を上記範囲内とする方法として、例えば、公定水分率8%以上、好ましくは8〜20%、更に好ましくは8〜15%の素材を、編生地全重量に対して20重量%以上、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは21.5〜75重量%含有させる方法が挙げられる。
公定水分率8%以上の素材からなる繊維として、例えば、綿(公定水分率:8.5%)、麻(公定水分率:12.0%)、絹(公定水分率:12.0%)等の植物性繊維;ウール(公定水分率:15.0%)等の獣毛繊維;キュプラ(公定水分率:11.0%)、レーヨン(公定水分率:11.0%)、ポリノジック(公定水分率:11.0%)、リヨセル等の再生繊維等が挙げられる。
上記肌側となる編生地の水分率を上記範囲内とする方法として、例えば、公定水分率8%未満、好ましくは0〜8%未満、より好ましくは0〜3%の素材を、編生地全重量に対して80重量%以上、好ましくは80〜100重量%、より好ましくは85〜100重量%含有させる方法が挙げられる。
公定水分率8%未満の素材からなる繊維として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル(公定水分率:0.4%);ポリアクリロニトリル;ナイロン−6、ナイロン−66等のナイロン系繊維等のポリアミド;ポリ塩化ビニル(公定水分率:0.0%);ポリ塩化ビニリデン(公定水分率:0.0%);例えば、スパンデックス等のポリウレタン(公定水分率:1.0%);ポリプロピレン等のポリオレフィン;アクリル(公定水分率:2%)、トリアセテート(公定水分率:3.5%)、ビニロン(公定水分率:5.0%)、ベンゾエート(公定水分率:0.4%)等の樹脂で構成される合成繊維、アセテート(公定水分率:6.5)等の再生繊維、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー繊維、フッ素繊維(公定水分率:0%);ポリクラール(登録商標)(公定水分率:3.0%);プロミックス(登録商標)(公定水分率:5.0%)等が挙げられる。
上記編生地を構成する繊維の繊度は、複合ファブリックの強度を保つ観点から、通常50dtex以上であり、60〜300dtexであることが好ましく、70〜200dtexであることがより好ましい。
上記編生地の組織の種類(編み方の種類)、繊維の長短(フィラメント(長繊維)、ステープル(短繊維))等は特に限定されないが、肌側となる編生地は肌との接触面積の少ない組織にする等により、肌触り、風合い等に考慮することが好ましい。
上記編生地の組織として、例えば、横編み、丸編からなる平編み組織、ゴム編み組織、両面編組織等が挙げられる。例えば、編み立てる組織にあった丸編み機を用いて、ゲージ数16〜40Gの範囲内で糸長及びループ長、給糸テンション、生地張力等を設定し編み立てることができる。また、たて編みであってもよい。
上記編生地の目付は、50〜500g/mであることが好ましく、80〜200g/mであることがより好ましい。また、上記編生地の生地厚みは、100〜5000μmであることが好ましく、140〜320μmであることがより好ましい。
本発明の複合ファブリックにおいては、上記ナノファイバー不織布と上記編生地とがドットパターンの接着剤を介して接着されている。
上記ナノファイバー不織布と上記編生地とをドットパターンの接着剤を介して接着させることにより、上記ナノファイバー不織布の断熱層を塞いでしまったり、保温性、透湿性等を損なったりすることを抑制することができる。また、複合ファブリックの風合いを良くしたり、耐久性を向上させたりすることもできる。なお、上記ナノファイバー不織布と上記編生地とを接着させない場合には、着用時に上記ナノファイバー不織布の繊維が磨耗しやすくなる。
なお、ドットパターンとは、生地全面ではなく複数のポイントで、点形状が分散して配置された模様を意味する。接着剤は、点形状部分に塗布されていてもよいし、点形状部分には塗布されず点形状以外の部分に塗布されていてもよい(反転模様)。
上記ドットパターンは、点形状が規則的に配置されていてもよいし、ランダムパターンで配置されていてもよい。上記ドットパターンの点形状は特に限定されず、例えば、円状、多角形状等が挙げられる。
上記ドットパターンの点形状1つあたりの面積は特に限定されないが、20〜80mmであることが好ましい。上記ドットパターンの点形状1つあたりの面積が20mm未満であると、上記ナノファイバー不織布と上記編生地との接着性が低下することがある。上記ドットパターンの点形状1つあたりの面積が80mmを超えると、複合ファブリックの保温性、透湿性等が低下することがある。
また、上記ドットパターンの点形状の中心間距離は特に限定されないが、0.1〜10mmであることが好ましく、0.5〜5mmであることがより好ましい。
上記ドットパターンの接着剤としては、加工温度185〜195℃程度の一般的な熱溶融型の接着剤を用いることもできるが、加工温度のより低い接着剤を用いることが好ましい。このような接着剤を用いることにより、上記起毛生地の起毛が倒れてしまうことを抑制し、複合ファブリックの保温性をより向上させることができる。
上記加工温度のより低い接着剤は特に限定されないが、例えば、2液硬化型(加工温度:常温〜100℃)、湿気硬化型(加工温度:常温〜100℃)、低融点溶融型(加工温度:100〜135℃)等の接着剤が挙げられる。
上記2液硬化型の接着剤として、例えば、末端に水酸基を持つポリオールとポリイソシアネートとを含むポリウレタン樹脂系接着剤、末端にイソシアネート基を持つウレタンプレポリマーとポリオールとを含むポリウレタン樹脂系接着剤、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとを縮合反応させて得られたエポキシ樹脂プレポリマーと、アミン等の硬化剤とを含むエポキシ樹脂系接着剤等が挙げられる。上記湿気硬化型の接着剤として、例えば、空気中の水分と反応させて硬化するエポキシ樹脂系接着剤、変性シリコーン樹脂系接着剤等が挙げられる。上記低融点溶融型の接着剤として、例えば、低融点ポリウレタン樹脂系接着剤、低融点ポリアミド樹脂系接着剤等が挙げられる。
上記ドットパターンの接着剤の厚みは特に限定されないが、複合ファブリックのしなやかさ、伸縮性等を損なわない観点から、200μm以下であることが好ましく、30〜150μmであることがより好ましい。
上記ドットパターンの接着剤の使用量は特に限定されないが、複合ファブリックの風合いを損なわないためには、目付5〜100g/mが好ましく、目付8〜30g/mがより好ましい。また、上記外側となる編生地の接着と上記肌側となる編生地の接着に同じ接着剤を用いてもよいが、上記外側となる編生地と上記肌側となる編生地とが異なる編生地である場合には、編生地の種類によってそれぞれ異なる接着剤を用いてもよい。
上記ナノファイバー不織布と上記編生地とをドットパターンの接着剤を介して接着する方法は特に限定されず、例えば、接着剤を、スクリーン版を使用する等によりナノファイバー不織布及び/又は編生地にドットパターンで塗布し、ポイント接着(ドット接着)する方法等が好ましい。
本発明の複合ファブリックの目付は、100〜450g/mであることが好ましく、140〜420g/mであることがより好ましい。また、本発明の複合ファブリックの総厚みは、0.7〜2.5mmであることが好ましく、0.9〜2.2mmであることがより好ましい。
本発明の複合ファブリックの定応力荷重時の伸度は、上記ナノファイバー不織布の破断伸度よりも小さいことが好ましい。定応力荷重時の伸度が上記ナノファイバー不織布の破断伸度以上であると、複合ファブリックの伸張によって上記ナノファイバー不織布が破断してしまうことがある。
具体的には、本発明の複合ファブリックが使用される環境を鑑みると、本発明の複合ファブリックに生地幅2.5cm当たり20N、好ましくは30N、より好ましくは40Nの荷重をかけた際の伸度が、上記ナノファイバー不織布の破断伸度よりも小さいことが好ましい。
本発明の複合ファブリックの定応力荷重時の伸度を上記ナノファイバー不織布の破断伸度よりも小さくする方法は特に限定されず、例えば、上記編生地の破断伸度を上記ナノファイバー不織布の破断伸度以下に調整する方法等が挙げられる。上記編生地の破断伸度は、上記ナノファイバー不織布の破断伸度よりも0〜95%小さいことが好ましく、30〜90%小さいことがより好ましい。なお、上記編生地の破断伸度は、50〜350%であることが好ましく、80〜320%であることがより好ましい。
本発明の複合ファブリックは、KES法による熱伝達抵抗(クロー値)が0.12CLO以上であることが好ましい。クロー値が0.12CLO未満であると、衣服内の熱エネルギーが衣服外に大量に移動したり、外気(冷気)が衣服内に侵入したりしやすくなり、寒く感じることがある。クロー値は0.12〜0.30CLOであることがより好ましく、0.13〜0.26CLOであることが更に好ましい。
本発明の複合ファブリックは、JIS L−1096A法による通気度が5.0cm/cm・sec以下であることが好ましく、4.0cm/cm・sec以下であることがより好ましい。通気度が5.0cm/cm・secを超えると、通気性が高くなり、保温性が低下することがある。
本発明の複合ファブリックは、JIS L−1099A−1法による透湿度が200g/m・h以上であることが好ましく、240g/m・h以上であることがより好ましい。透湿度を上記範囲内とすることにより、衣服内が蒸れて不快に感じることを抑制することができる。
本発明の複合ファブリックは、G式吸水速乾性試験による肌側の水分率が10.0%以下、水分拡散面積が5.0cm以上であることが好ましい。水分率が10.0%を超えたり、水分拡散面積が5.0cm未満であったりすると、汗をすばやく衣服外に放出することができず、衣服内が蒸れて不快に感じることがある。水分率は9.5〜3%であることがより好ましく、9〜5%であることが更に好ましい。水分拡散面積は7〜25cmであることがより好ましく、8〜20cmであることが更に好ましい。
なお、G式吸水速乾性試験は、以下の方法により実施することができる。
アクリル板上に水の液滴を0.2mL滴下し、複合ファブリックの編生地(肌側)が液滴に接するように、複合ファブリックを液滴にかぶせる。次いで、複合ファブリックの上に5gの錘をのせて、1分間放置した後、複合ファブリックの編生地(肌側)の水分率をモイスチャーチェッカー707S(スカラー社製)を用いて測定する。測定は4回行い、その平均値を肌側の水分率とする。また、複合ファブリックの編生地(肌側)に抜けた液滴のシミの面積を測定する。測定は3回行い、その平均値を肌側の水分拡散面積とする。
本発明の複合ファブリックを製造する方法として、例えば、ナノファイバー不織布を製造した後、上述した接着剤を用いて、ナノファイバー不織布の両面に編生地を積層する方法等が挙げられる。
ナノファイバー不織布を製造する方法としては、ナノファイバー不織布の繊維を構成する素材を溶媒に溶解させた溶液を用いて、電界紡糸法(Electro SpinningDeposition(ESD))によりナノファイバー不織布を形成する方法が好ましい。上記溶媒として、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ヘキサフルオロイソプロパノール、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上が混合されて用いられる。
電界紡糸法における条件として、例えば、電圧−70〜70kV、ノズル径14〜32G、ノズル先端からコレクターまでの距離5〜30cmが挙げられる。また、ナノファイバー不織布の繊維を構成する素材の溶液中の濃度は、使用される繊維の素材によって異なるが、例えばポリウレタンの場合、3〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。他の素材を使用する場合は、各種素材に適した従来公知の溶媒を用いることができ、上記濃度を参考に濃度を設定することができる。
本発明の複合ファブリックは、通気性が抑えられ、保温性に優れ、適度な透湿性が確保されたものであり、衣料、特にインナーウェア(好ましくは防寒用肌着、保温性を目的とする肌着等)、スポーツウェア等に好適に使用される。インナーウェアとして、例えば、シャツ、ブリーフ、腹巻き、ステテコ、パッチ、ショーツ、ガードル、ペチコート、レギンス、ソックス、タイツ等が挙げられる。また、スポーツウェアとして、例えば、オートバイ、自転車ロードレース、フィッシング、ヨットセーリング、ゴルフ等の競技を行う際に着用されるウェア等が挙げられる。
本発明の複合ファブリックを用いて製造される衣料もまた、本発明の1つである。本発明の衣料は、冬季において外気温が低い時でも衣服内環境を快適に保つことができる。本発明の複合ファブリックを用いて衣料を製造する方法としては、従来公知の方法が用いられ、裁断方法、縫製方法等も特に限定されない。
本発明によれば、通気性が抑えられ、保温性に優れ、適度な透湿性が確保された複合ファブリックを提供することができる。また、本発明によれば、該複合ファブリックを用いて製造される衣料を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
<ナノファイバー不織布(NF10)の製造>
ポリエーテル系ポリウレタン樹脂溶液(透湿性ポリウレタン、ハイムレンY−210B、不揮発分30%、大日精化工業社製)をDMFを用いて、不揮発分が15重量%となるように希釈し、これを電界紡糸装置(ES−2300、ヒューエンス社製)の溶液充填部に充填し、55kVの電圧をかけて電界紡糸を行い、ナノファイバー不織布(NF10)を製造した。なお、このときに用いた金属製ノズルの径は23G(内径:0.34mm)で、コレクターまでの距離は15cmであった。
得られたナノファイバー不織布(NF10)は、目付10.0g/m、厚み22μm、繊維の繊維軸直行方向断面の直径(平均直径)850nm、破断伸度221%であった。
なお、ナノファイバー不織布の目付は、150×150mmの試験片の重量を測定して算出した。厚みは、ダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作所社製)を用いて3箇所の測定を行い、その平均値とした。繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(Scanning ElectronMicroscope(SEM)、倍率:10000〜50000倍)にて撮影し、無作為に選んだ繊維の繊維軸直行方向断面の直径(太さ)を30点測定し、その平均値を求めた。
<ナノファイバー不織布(NF20)の製造>
目付等を調整したこと以外はナノファイバー不織布(NF10)と同様にして、ナノファイバー不織布(NF20)を製造した。
得られたナノファイバー不織布(NF20)は、目付19.9g/m、厚み42μm、繊維の繊維軸直行方向断面の直径(平均直径)852nm、破断伸度240%であった。
<起毛生地>
以下の起毛生地を使用した。
・起毛生地A(繊維の素材:ポリエステル、繊維の繊度:55dtex/144f、目付:141g/m、生地厚み:1.0mm、破断伸度221%)
・起毛生地B(繊維の素材:ナイロン、繊維の繊度:50dtex/144f、目付:316g/m、生地厚み:1.3mm、破断伸度200%)
・起毛生地C(繊維の素材:ポリエステル、繊維の繊度:55dtex/132f、目付:143g/m、生地厚み:0.6mm、破断伸度190%)
・高伸縮性起毛生地(繊維の素材:ポリエステル、繊維の繊度:55dtex/144f、目付:118g/m、生地厚み:0.8mm、破断伸度378%)
<起毛生地ではない編生地>
以下の編生地を使用した。
・PETスムース(繊維の素材:ポリエステル、繊維の繊度:83dtex/36f、目付:128g/m、生地厚み:0.6mm、破断伸度310%)
・高伸縮性PETスムース(繊維の素材:ポリエステル、繊維の繊度:83dtex/36f、目付:105g/m、生地厚み:0.5mm、破断伸度512%)
・CC309(繊維の素材:ポリエステル、繊維の繊度:30dtex、目付:31g/m、生地厚み:0.3mm)
・HM(繊維の素材:アクリル36%、レーヨン30%、ナイロン24%、ポリビニルアルコール10%、繊維の繊度:120dtex、目付:143g/m、生地厚み:0.6mm)
・Ny天竺(繊維の素材:ナイロン、繊維の繊度:83dtex、目付:66g/m、生地厚み:0.5mm)
<その他の材料>
以下の材料を使用した。
・織物(繊維の素材:ポリエステル、繊維の繊度:120dtex/48f、密度:経110本/inch、緯100本/inch、組織:平織、生地厚み:0.5mm、破断伸度:52%)
・フィルム(ポリエーテル系ポリウレタン樹脂溶液(透湿性ポリウレタン、ハイムレンY−210B、不揮発分30%、大日精化工業社製)をナイフコーターで製膜し、乾燥して得られたポリウレタンフィルム、目付:50g/m、厚み:22μm)
(実施例1〜8及び比較例1〜5)
外側、中間層及び肌側の材料として、表1に示すものを使用した。
接着剤(ボンドMOS8、2液硬化型エポキシ樹脂、コニシボンド社製)を、スクリーン版(穴径φ400μm、穴中心間距離1.5mm、千鳥格子)を使用して目付20g/mとなるようにドットパターンで外側及び肌側の材料に塗布した。ただし、実施例7では接着剤(ポリアミド系熱融着接着剤、加工温度155〜170℃)を使用し、比較例5では目付20g/mとなるようにスクリーン版を使用せず全面に塗布した。
接着剤塗布面に中間層が接するようにして、外側、中間層、肌側の材料をこの順で配置し、表1に示す加工温度で緩やかな圧力をかけることにより、中間層と外側及び肌側の材料とを接着し、複合ファブリックを得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた複合ファブリックについて以下の評価を行った。
(1)保温性(クロー値の測定)
複合ファブリックについて、KES−F7−IIサーモラボ(カトーテック社製)を用いて、KES法による熱伝達抵抗(クロー値)を測定した。測定は3回繰り返し、その平均値をクロー値とした。
(2)通気度の測定
JIS L−1096A法に準拠して、以下のようにして通気度を測定した。
複合ファブリックを裁断して20cm×20cmの試験片を得た。フラジール試験機の円筒の一端に試験片を取り付けた後、傾斜形気圧計が125Paの圧力を示すように吸込みファンを調整した。このときの垂直形気圧計の示す圧力と、使用した空気孔の種類とから、フラジール試験機に付属の表によって試験片を通過する空気量(cm/cm・sec)を求めた。この試験を5回行い、平均値を算出した。
(3)透湿度の測定
JIS L−1099A−1法に準拠して、以下のようにして透湿度を測定した。
複合ファブリックを裁断して直径約7cmの試験片を得た。あらかじめ約40℃に温めた透湿カップに吸湿剤を約33g入れ、表面を平らにならした。次に、試験片を、吸湿剤との距離3mmで吸湿剤に向けて透湿カップに載せ、パッキン及びリングを順次装着し、ちょうナットで固定した後、試験片を装着した面をビニル粘着テープでシールして試験体とした。この試験体を恒温恒湿装置(温度40±2℃、湿度90±5%RH)内に置き、1時間後に試験体を取り出し、直ちに質量(a1)を測定した。測定後、再び試験体を恒温恒湿装置内に置き、1時間後に試験体を取り出し、直ちに質量(a2)を測定し、下記式によって透湿度を算出した。この試験を3回行い、平均値を算出した。
PA1={10×(a2−a1)}/SA1
PA1:透湿度(g/m・h)
a2−a1:試験体の1時間当たりの質量変化量(mg/h)
SA1:透湿面積(cm
(4)40N荷重時の伸度の測定
複合ファブリックを裁断して2.5cm×20cmの試験片を得た。引張試験機を用いて40Nの応力が生じるまで速度15cm/minで試験片を引張り、その際の伸度を測定した。この試験を3回行い、3回の試験で得た伸度全てが、中間層単体について同じ試験を行ったときの伸度、又は、中間層単体の破断伸度よりも小さかった場合を○、大きかった場合を△とした。
なお、複合ファブリックの伸度が中間層単体の伸度又は破断伸度よりも小さい場合には、中間層が破断してしまう可能性が低いといえる。
(5)着用試験
複合ファブリックを用いて肌着を縫製し、保温性、蒸れ感及び動きやすさについて評価した(被験者:年齢20代〜40代、男性20名、女性10名)。
(保温性)
気温10℃、湿度40%RHの室内において、100cm離れた位置から直径30cmのファンを用いて風速4.8m/sの風を流し、どのように感じたかを下記指標により評価した。
○:暖かい
△:少し寒い
×:寒い
(蒸れ感)
1分間に30往復の踏み台昇降運動を行った後の衣服内の蒸れ感について、下記指標により評価した。
○:蒸れない
△:少し蒸れる
×:蒸れる
(動きやすさ)
「ラジオ体操第1」の体操を行ったときの動きやすさについて、下記指標により評価した。
○:動きが抑制される感じがほとんどない
△:動きが抑制される感じが若干ある
×:動きが抑制される感じがある
Figure 2014118658
本発明によれば、通気性が抑えられ、保温性に優れ、適度な透湿性が確保された複合ファブリックを提供することができる。また、本発明によれば、該複合ファブリックを用いて製造される衣料を提供することができる。

Claims (2)

  1. 繊維軸直行方向断面の直径が50nm以上2μm未満の繊維からなるナノファイバー不織布と、該ナノファイバー不織布の両面に積層された編生地とを有する複合ファブリックであって、
    前記編生地の少なくとも一方が起毛生地であり、
    前記ナノファイバー不織布と前記編生地とがドットパターンの接着剤を介して接着されている
    ことを特徴とする複合ファブリック。
  2. 請求項1記載の複合ファブリックを用いて製造されることを特徴とする衣料。
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