JP2013164175A - 燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼装置1は、比例弁43とその比例弁43の下流側に設けられた複数の電磁弁44が1組となって構成された燃焼系統を、2系統備え、系統ごとに電磁弁44の故障を検知できる故障検知機能を有している。故障検知動作は、少なくとも2つの燃焼系統が同時に燃焼している状態から、いずれかの燃焼系統の燃焼を停止する際に、燃焼を停止する側の燃焼系統に属する比例弁43を開成した状態で、電磁弁44を閉止する制御を実行し、その際の残火の兆候の有無を検知し、残火の兆候が認められる場合には、当該燃焼を停止する側の燃焼系統に属する開閉弁が故障していると判断するものである。
【選択図】図5
Description
例えば、特許文献1には、給湯運転に使用される給湯用の燃焼部と、風呂追い焚き運転に使用される追い焚き用の燃焼部を備えた2缶2水路式の燃焼装置が開示されている。
また、元ガス電磁弁と能力切換用弁のいずれか一方の弁が開故障した状態を放っておくと、さらに他方の弁も開故障してしまった場合に、これらの弁によるガス漏れ防止機能が果たされなくなり、ガスが多量放出してしまうおそれがあった。
このように、従来技術の燃焼装置においては、元ガス電磁弁と能力切換用弁のいずれかが故障した場合は、ガス漏れを防止することは可能であるが、安全面での不安が残るためさらなる改善が望まれていた。
このように、従来技術によれば、能力切換用弁の故障を検出することはできるが、使用感を損なわせてしまう不満があり、さらなる改善が望まれていた。
本発明の燃焼装置は、燃料流量調整弁とその燃料流量調整弁の下流側に設けられた開閉弁と燃焼部が1組となって構成された燃焼系統を複数備えている。すなわち、各燃焼系統には個々に燃料流量調整弁が設けられており、各燃焼系統は、独立して燃料の流量調整を行うことができる。換言すれば、複数の燃焼系統が同時に燃焼している状態では、その燃焼系統と同数の燃料流量調整弁と、各燃焼系統に属する開閉弁が開成され、また、その同時燃焼の状態から、いずれかの燃焼系統の燃焼を停止させたい場合は、その燃焼を停止させたい燃焼系統に属する燃料流量調整弁及び開閉弁のみが閉止される。すなわち、本発明の基本構成は、いずれかの燃焼系統の開閉弁が開故障をしており、その燃焼系統の燃焼を停止させた場合において、燃焼が継続されている燃焼系統に供給される燃料が、その燃焼を停止させた燃焼系統に属する燃料流量調整弁を通過することがない構成である。
このように、本発明の燃焼装置が有する基本構成によって、各燃焼系統は、それぞれの燃焼系統に属する燃料流量調整弁及び開閉弁が制御されて燃焼制御が実施されるため、各燃焼系統への燃料の供給は、その燃焼系統の属する燃料流量調整弁とその下流側に位置する開閉弁の双方に依存する。
また、本発明における故障判定は、燃焼を停止する燃焼系統に実施されるため、従来の燃焼装置のように、使用者に対する使用感を損ねるおそれがない。
特に、本発明では、故障判定動作をするべく強制的に同時燃焼を実施する場合、風呂に関連する燃焼動作、つまり追い焚き運転と落とし込み運転を実施するため、運転に無理がなく、また使用者が違和感を覚えることもない。
また、追い焚き運転と落とし込み運転は、いずれも運転開始から所定時間継続される運転であるため、同時燃焼を実施してから、燃焼を停止するまでの所要時間を十分確保することができる。すなわち、強制的に同時燃焼を実施するタイミングとしては最も合理的である。
本実施形態の燃焼装置1は、燃料配管41の末端側に位置し燃料ガスの流通を規制する電磁弁44a〜44fの故障を的確に判定することができ、さらにその判定によって機器の使用感を損ねることがない故障判定機能を有するところに特徴があり、基本的な機器の構成に関しては、公知のそれと同様である。
本実施形態の燃焼装置1は、前記した特徴的な故障判定機能が最大限に発揮し得る構成であり、燃焼系統ごとに比例弁(燃料流量調整弁)43a、43bが設けられた2缶2水路式の熱源機が採用されている。
すなわち、図1に示すように、独立した2つの燃焼系統、具体的には右側に給湯燃焼系統、左側に風呂・暖房燃焼系統を有し、さらに燃焼に関連する動作を司る制御装置2を有する。
給湯燃焼系統には、燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する給湯側燃焼部7と、その給湯側燃焼部7に燃焼用の空気を送風する公知の給湯側送風機9と、湯水あるいは熱媒体が流通し燃焼ガスによって加熱される給湯側熱交換部11と、給湯流水系統20が備えられ、同様に風呂・暖房燃焼系統には、風呂・暖房側燃焼部8と、その風呂・暖房側燃焼部8に送風する風呂・暖房側送風機10と、風呂・暖房側熱交換部12と、暖房流水系統21と、追い焚き流水系統22と、ドレン排出系統13とが備えられている。
また、給湯側熱交換部11の出湯側には、給湯側缶体サーミスタ(温度検知手段)50が設けられており、給湯側熱交換部11の温度が監視されている。
また、風呂・暖房側熱交換部12の出湯側には、風呂・暖房側缶体サーミスタ(温度検知手段)51が設けられており、風呂・暖房側熱交換部12の温度が監視されている。
燃焼装置1の基本的動作は、給湯運転、暖房運転、並びに、風呂落とし込みや追い焚き運転があり、いずれも公知のそれと同様である。
以下に簡単に説明する。
具体的に説明すると、カラン等の操作によって出湯流量が燃焼に必要な最低流量(MOQ)以上となれば、元ガス電磁弁42と、給湯燃焼系統側の比例弁43aと、電磁弁44a〜44cのうちの所定数の電磁弁44が開成側に制御されて、給湯側燃焼部7での燃焼動作が開始される。このとき、給湯側燃焼部7は、給湯側熱交換部11に入水する湯水の温度と、流量と、設定温度に基づいた燃焼制御(フィードフォワード制御)が行われる。その後、給湯側熱交換部11で加熱された湯水の出湯温度が検知されると、給湯側燃焼部7は、さらにその出湯温度と設定温度との差異に基づいた情報を加味した燃焼制御(フィードバック制御)が行われる。
このように、給湯運転では、設定温度、湯水の温度及び流量情報等に基づいて、給湯側比例弁43aと電磁弁44a〜44cを開閉制御して、給湯側燃焼部7を燃焼させ、カラン等から設定温度の湯を出湯する。
なお、前記給湯運転は、他の運転が実施されていない単独運転の場合を例示したため、元ガス電磁弁42の開成制御が実行されているが、他の運転が実施されて他の燃焼系統が作動している場合においては、元ガス電磁弁42の制御は省略することができる。以下の運転に関しても同様とする。
高温暖房運転では、暖房側ポンプ36を起動して高温端末経路32に水流を形成し、風呂・暖房側燃焼部8で生成された燃焼ガスで風呂・暖房側熱交換部12を加熱して、加熱された湯を高温側端末側に循環させる。具体的には、図示しないリモコン等によって、高温暖房運転のスイッチがオンにされれば、元ガス電磁弁42と、風呂・暖房側比例弁43bと、電磁弁44d〜44fのうちの所定数の電磁弁44が開成側に制御されて、風呂・暖房側燃焼部8での燃焼が開始される。このとき、風呂・暖房側燃焼部8は、膨張タンク37から吐出される湯の温度を、予め定めた目標温度(例えば、60℃)に近づくような燃焼制御が行われる。
このように、高温暖房運転は、予め定めた目標温度、湯水の温度情報等に基づいて、風呂・暖房側比例弁43bと電磁弁44d〜44fを開閉制御して、風呂・暖房側燃焼部8を燃焼させ、高温側端末に所望の温度の湯を循環して暖房を行う。
なお、追い焚き側ポンプ48を停止するタイミングは、風呂・暖房側燃焼部8の燃焼が停止されるタイミング、あるいは、暖房側ポンプ36が停止されるタイミングのいずれでも構わない。
本実施形態の燃焼装置1は、上記したように、特徴的機能として、燃料配管41の末端側に位置する電磁弁44a〜44fの故障を判定する故障判定機能が備えられている。
そして、本実施形態の燃焼装置1では、
(1)現在、2つの燃焼系統が同時燃焼しており、且つ、最初の使用からあるいは前回の故障判定から燃焼動作の実施回数が所定回数以上行われている、
(2)現在、2つの燃焼系統が同時燃焼しており、且つ、最初の使用からあるいは前回の故障判定から今回の燃焼動作を実施するまでに所定期間経過している、
という、既に2つの燃焼系統が同時燃焼しているという状況から故障判定動作へ移行する場合と、
(3)現在、1つの燃焼系統のみが燃焼する単独燃焼であり、且つ、その単独燃焼は追い焚き運転又は風呂落とし込み運転によるものであり、且つ、最初の使用からあるいは前回の故障判定から今回の燃焼動作を実施するまでに所定期間経過している、
という、追い焚き運転又は風呂落とし込み運転による単独燃焼が実施されているという状況から故障判定動作に移行する場合がある。
すなわち、本実施形態では、上記(1)〜(3)条件のうちのいずれか1つの条件が満足された場合に故障判定動作への移行が可能となる。
まず、燃焼動作を伴う前記したいずれかの運転が実施されると、現在、2つの燃焼系統において同時燃焼が行われているか否かが確認される(図5のステップ1)。すなわち、ステップ1では、給湯燃焼系統に属する給湯側燃焼部7と、風呂・暖房燃焼系統に属する風呂・暖房側燃焼部8との双方が、同時に燃焼が行われているか否かが確認される。そして、ステップ1において、給湯側燃焼部7と風呂・暖房側燃焼部8が同時燃焼していることが確認されると、ステップ2に移行して、所定の基準時から燃焼動作が所定回数以上に至ったか否かが確認される。
なお、ここで言う「所定の基準時」とは、以前に故障判定動作が行われていなければ、初めて燃焼動作が実施された時点であり、以前に故障判定動作が行われていれば、前回の故障判定動作の後、最初に燃焼動作が実施された時点である。また、燃焼動作の実施回数は、制御装置2の演算部等によって演算され、記憶部等によって記憶される。
なお、本実施形態では、判定側比例弁43aの開度を、全ての判定側電磁弁44a〜44cを開成した状態で最低限燃焼し得る程度の開度に制御している。
なお、所定期間が経過したか否かは、制御装置2と電気的に接続されたタイマ等によって計時され、記憶部等に記憶される。
前記したように、通常、風呂・暖房燃焼系統に属する風呂・暖房側燃焼部8の燃焼が停止した後、一定時間経過するまで、暖房側ポンプ36の駆動が継続される。すなわち、燃焼停止後であっても、一定時間は暖房流水系統21には水流が形成される。そのため、風呂・暖房側熱交換部12は、燃焼停止後も湯水によって熱エネルギーが回収される。換言すれば、風呂・暖房側燃焼部8が燃焼していたとしても、風呂・暖房側熱交換部12は過度に温度上昇を起こすことはない。
このような事情に鑑みると、故障判定動作において、風呂・暖房燃焼系統に属する暖房側ポンプ36が通常の停止動作を行って、電磁弁44d〜44fを閉止した後、一定時間駆動を継続する制御が行われると、たとえ風呂・暖房側燃焼部8が燃焼していたとしても、風呂・暖房側缶体サーミスタ51の検知温度が、一定温度以上昇温することはないため、残火の兆候の有無が正確に検知できなくなる可能性が高くなる。
また同様に、風呂暖房燃焼系統に替えて、暖房運転のみに寄与する暖房燃焼系統を備えた構成であっても構わない。
また、上記実施形態では、開閉弁として電磁弁44を用いた構成を示したが、駆動源にモータを用いた弁であっても構わない。
7 給湯側燃焼部
8 風呂・暖房側燃焼部
11 給湯側熱交換部
12 風呂・暖房側熱交換部
29 フレームロッド(火炎検知手段)
32 高温端末経路(循環流路)
33 低温端末経路(循環流路)
35 風呂加熱経路(循環流路)
36 暖房側ポンプ(循環ポンプ)
41 燃料配管
42 元ガス電磁弁
43 比例弁(燃料流量調整弁)
43a 給湯側比例弁(燃料流量調整弁)
43b 暖房側比例弁(燃料流量調整弁)
44 電磁弁(開閉弁)
47 追い焚き流路(循環流路)
48 追い焚き側ポンプ(循環ポンプ)
50 給湯側缶体サーミスタ(温度検知手段)
51 暖房側缶体サーミスタ(温度検知手段)
Claims (7)
- 燃料流量調整弁と当該燃料流量調整弁の下流側に設けられた1又は複数の開閉弁と燃焼部が1組となって構成された燃焼系統を複数備えた燃焼装置において、
少なくとも2つの燃焼系統が同時に燃焼している状態から、いずれかの燃焼系統の燃焼を停止する際に、燃焼を停止する側の燃焼系統に属する燃料流量調整弁を開成した状態で、開閉弁を閉止する制御を実行し、その際の残火の兆候の有無を検知し、残火の兆候が認められる場合には、当該燃焼を停止する側の燃焼系統に属する開閉弁が故障していると判断する故障判定機能を有することを特徴とする燃焼装置。 - 故障判定動作においては、故障判定が行われる燃焼系統に属する燃料流量調整弁の開度が、当該燃焼系統で最低限燃焼し得る開度以上に制御されることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 風呂の追い焚き運転を行う追い焚き機能及び/又は暖房端末を利用する暖房運転を行う暖房機能を有し、
燃焼系統の1つは、追い焚き運転に寄与する風呂燃焼系統、あるいは、暖房運転に寄与する暖房燃焼系統、あるいは、追い焚き運転及び暖房運転に寄与する風呂・暖房燃焼系統であり、
前記いずれかの燃焼系統によって加熱される熱交換器を有し、当該熱交換器は、湯水又は熱媒体が循環する循環流路の一部を形成し、当該循環流路には湯水又は熱媒体の流れを形成する循環ポンプが設けられており、
前記いずれかの燃焼系統の故障判定動作が実施される場合は、循環ポンプを強制的に停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。 - 浴槽の湯を加熱する追い焚き運転機能と、浴槽に加熱された湯を落とし込む落とし込み運転機能とを有し、
燃焼系統の1つは、少なくとも追い焚き運転に寄与する風呂燃焼系統で、別の燃焼系統の1つは、少なくとも落とし込み運転に寄与する給湯燃焼系統であり、
所定期間、風呂燃焼系統と給湯燃焼系統の同時燃焼が行われなければ、追い焚き運転と落とし込み運転のいずれか一方の運転が行われる際に、強制的に追い焚き運転と落とし込み運転の同時運転を行い、その後、故障判定動作を行う機能を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃焼装置。 - 故障判定動作は、燃焼系統を燃焼させる回数が所定回数以上であるか否かを条件の1つとすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃焼装置。
- 各燃焼系統には、火炎の有無を検知する火炎検知手段が設けられ、
火炎検知手段の検知情報によって、前記残火の兆候の有無が判断されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃焼装置。 - 燃焼系統ごとに、缶体を備えた熱交換器が設けられ、
缶体又は熱交換器は、温度検知手段によって温度が検知されるもので、
温度検知手段の検知温度によって、前記残火の兆候の有無が判断されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の燃焼装置。
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