JP2013163835A - Di缶胴用アルミニウム合金板 - Google Patents

Di缶胴用アルミニウム合金板 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、製缶される缶胴の耐突き刺し性を向上させるアルミニウム合金板を得ることを目的とする。
【解決手段】特定の3000系DI缶胴用アルミニウム合金板を製造する際に鋳塊の均熱条件や熱延条件を制御して、製造した冷延板組織における、粗大なMn系金属間化合物を特定量以下とするとともに、Mgの平均固溶量を一定量確保し、DI成形した缶胴の内圧がより低い厳しい使用環境下であっても、耐突き刺し性に優れさせることである。
【選択図】図1

Description

本発明は、飲料、食品用途に使用される包装容器であって、特に飲料缶の胴部にDI成形加工されるアルミニウム合金板に関する。
現在、飲料、食品用途に使用される包装容器の1つとして、底と側壁が一体構造の有底円筒状の胴部(缶胴)と、この胴部の開口部に封止されて上面となる円板状の蓋部(缶蓋)とからなる2ピース缶が知られている。このような缶の材料として、成形性、耐食性、強度等の面から、AA乃至JIS3000系などのアルミニウム合金板が広く適用されている。このアルミニウム合金板で製造される2ピース缶の中でも、特に飲料缶のような高さのある円筒形状の缶の胴部は、DI(Drawing and wall Ironing)成形と呼ばれる絞り加工−しごき加工の多段階の加工により成形されることが多い。そして、塗装、焼付けされ、ネッキング加工により開口部を縮径して、フランジング加工により開口部の縁を外側に拡げて缶胴となる。最後に、内容物(飲料、食品)が胴部に充填され、蓋部を開口部に巻き締めて封止される。このような製法による缶は、DI缶(以下、適宜「缶」という)と呼ばれ、広く流通している。
従来より、このようなアルミニウム合金製の缶で包装された飲料のコスト削減のため、包装容器である缶は、軽量化および原材料(アルミニウム合金)低減の対策として薄肉化が進められている。その結果、現行のアルミニウム合金製の缶の側壁(最薄部)厚さは、塗膜を除いて0.105〜0.110mm程度となっている。しかし、このような薄肉化された缶では、特に板厚が薄い側壁(周面)に突起物が接触して押圧された(押し込まれた)とき、その先端が側壁を貫通し、穴(ピンホール)が開いて内容物が漏れるという不具合が発生することがある。突起物の接触としては、製造時(内容物充填、蓋部巻き締め、製造工程内の搬送系通過時)、流通時、さらに消費者が扱うときに、外部から硬い異物が接触すること等が挙げられる。また、フランジング加工においても、開口部の縁が拡げられるときに、開口部の端部で割れ(フランジ割れ)を生じることがある。
そのため、このような薄肉化された缶の、側壁のピンホール発生および開口部のフランジ割れを防止できる、すなわち側壁の耐突き刺し性およびフランジング加工性(拡缶性)を向上させるように、材料側であるアルミニウム合金板の改良が進められている。
例えば、特許文献1では、3000系組成を有するアルミニウム合金冷延板成を有するアルミニウム合金の冷間圧延板からDI成形または絞り成形により成形される缶ボディを設計する方法が開示されている。すなわち、塗装焼付け相当の熱処理を施された缶胴の厚みが0.07mm〜0.14mmの範囲で、この壁部の缶軸方向の引張強さが300MPa〜500MPa、伸びが3%〜8%である場合に、塗膜などの表面皮膜を脱膜した後の壁厚(t)に対する突き刺し強度が、壁厚0.105mmの缶の突き刺し強度に換算して35N以上の耐突き刺し強度を得られるようにしている。このため、Mg含有量から前記突き刺し強度を得るための壁部の厚さを決定するか、または、所望の突き刺し強度から、所定の壁部の厚さに対するMg含有量を決定している。
また、3000系組成を有するアルミニウム合金冷間圧延板の金属間化合物を制御して、耐突き刺し性を向上させる技術も種々提案されている。例えば、特許文献2には、3000系組成を有するアルミニウム合金冷間圧延板の表面に、金属間化合物を特定密度と特定面積率で分布させる技術が開示されている。そして、これによって、DI成形された缶胴の外面および内面塗装を含む側壁厚さが0.110〜0.130mmの場合に、この側壁の缶軸方向における伸びを3%以上6%未満、引張強さを290MPaを越え330MPa以下として、耐突き刺し性を優れさせるとしている。
特許文献3、4でも、同じく3000系組成を有するアルミニウム合金冷延板の、所定サイズの金属間化合物の分布密度および面積率を制御することにより、強度(耐突き刺し性)および靭性を向上させる技術が開示されている。更に、特許文献5では、同じく3000系組成を有するアルミニウム合金冷延板を、所定の加工率でDI成形し、210〜250℃で熱処理することにより、DI成形による加工硬化と引張強さを制御して、耐突き刺し性を向上させる技術が開示されている。
また、Si、Cu、Mn、Feなどの固溶量を規定して、薄肉化された場合のDI成形性や強度などの特性を向上させる技術も、缶用の3000系組成を有するアルミニウム合金冷延板分野では、従来から種々提案されている。
ちなみに、DI缶ではなく、耐突き刺し性向上目的でもないが、特許文献6では、ボトル缶用アルミニウム合金冷延板の塗装熱処理時の熱変形を防止し、熱処理後の缶強度を確保するとともに、真円度が高いボトル缶を得るために、CuとMgとの固溶量を、熱フェノールによる残査抽出法により粒子サイズが0.2μmを超える析出物と分離された溶液中のCu量として0.05〜0.3%、Mg量として0.75〜1.6%として各々規定している。
特許第4667722号公報 特開2004−68061号公報 特開2007−197815号公報 特開2009−270192号公報 特開2007−169767号公報 特許第4019083号公報
ただ、DI缶の取り扱いや使用条件は、缶内外での圧力差がより大きくなって缶胴の変形がしやすくなるなど、より厳しい条件となっており、これにしたがって、缶胴に要求される耐突き刺し性(耐突き刺し強度)もより厳しいものとなっている。これに対して、前記した従来技術は、この厳しくなった耐突き刺し性を得るために未だ改善の余地がある。
例えば、特許文献1のようなMg含有量の制御のみからでは、組織中の化合物の存在にも大きく影響される突き刺し強度を、前記要求レベルにすることには限界がある。また、特許文献3に開示された技術は、缶の側壁厚さを0.110mm超に厚くすることにより耐突き刺し性を向上させており、缶の側壁厚さの薄肉化傾向に対応できていない。更に、特許文献5に開示された技術は、缶の塗装時における焼付けの温度範囲が高めに限定されているため、より低温で熱処理したい場合の製缶側の要求には不適である。
また、特許文献3〜5が開示する前記金属間化合物の制御は、確かに耐突き刺し性の向上には有効である。ただ、特許文献3〜5の規定を満足するか否かの評価のためには、制御対象となる金属間化合物の検出手段として、倍率500倍など、走査型電子顕微鏡(SEM)の適用が欠かせない。しかし、周知の通り、コイル状態の広幅で長尺の冷延板は、幅方向や圧延長手方向の全部位に亘って、数千から数万個の多数の缶胴にDI製缶される。
そして、コイル状態の広幅で長尺の冷延板には、その製造条件を最適化したとしても、板幅方向などで温度やひずみの分布がどうしても異なり、マクロ的な機械特性には影響せずとも、ミクロ組織としての金属間化合物の個数密度や面積率あるいは分布に、当然ながらばらつきが生じる。
したがって、特許文献3〜5が開示するような顕微鏡によるミクロ観察では、幾ら測定箇所を増したとしても、多数の缶胴にDI製缶される、コイル状態の長尺で広幅の冷延板の、幅方向の部位に亘る、ミクロ組織としての金属間化合物の個数密度や面積率あるいは分布を、全てマクロ的に代表しているものとは限らない。また、顕微鏡観察は、板厚方向における任意の1箇所を測定するものであり、板厚方向における組織のばらつきを考慮できない。このため、長尺で広幅の冷延板から製缶される缶胴の耐突き刺し性を総じて向上させることには限界がある。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、長尺で広幅の冷延板から製缶される缶胴のより厳しくなった耐突き刺し性(耐突き刺し強度)を向上できるDI缶胴用アルミニウム合金板を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明DI缶胴用アルミニウム合金板の要旨は、質量%で、Mn:0.3〜1.3%、Mg:1.0〜3.0%、Si:0.1〜0.5%、Fe:0.1〜0.8%を各々含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有するアルミニウム合金板からなり、このアルミニウム合金板の組織として、熱フェノールによる残渣抽出法により分離された粒子サイズが0.1μmを超える残渣化合物に含まれるMn量が、1.0%以下(0%を含む)であるとともに、前記熱フェノールによる残渣抽出法により分離された溶液中のMgの固溶量が、0.7%以上、2.5%以下であることとする。
ここで、前記アルミニウム合金板がさらにCu:0.05〜0.4%、あるいはCr:0.001〜0.1%、Zn:0.05〜0.5%の一種または二種を含有しても良い。また、前記アルミニウム合金板は、最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の缶胴にDI成形し、この缶胴の200℃×20分間の熱処理後の側壁の缶軸方向の0.2%耐力が280MPa以上350MPa以下である強度を有することが好ましい。また、前記アルミニウム合金板が、最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の缶胴にDI成形され、この缶胴が200℃×20分間熱処理された際の、缶胴側壁の缶軸方向の0.2%耐力が280MPa以上350MPa以下である強度特性を有することが好ましい。また、前記アルミニウム合金板の前記耐突き刺し性は、前記缶胴に1.7kgf/cm2(=166.6kPa)の内圧をかけ、この缶胴側壁の缶底から缶軸方向の距離L=60mmの部位に、先端が半径0.5mmの半球面である突き刺し針を缶胴側壁に対して垂直に速度50mm/分で突き刺し、この突き刺し針が缶胴側壁を貫通するまでの荷重測定値のうちの最大値で35N以上であることが好ましい。
前記した通り、従来からの金属間化合物の制御は、確かに耐突き刺し性(耐突き刺し強度)の向上には有効で、缶胴組織中にサイズの大きな金属間化合物が多いと破断し易くなって、耐突き刺し性が低下する。
ただ、従来からのアルミニウム合金板組織における、ミクロな金属間化合物の面積率、サイズ、個数密度の規定では、前記した通り、制御対象となる金属間化合物の検出手段は、走査型電子顕微鏡(SEM)などのミクロ観察となって、多数の缶胴にDI製缶される、コイル状態の広幅の冷延板の、幅方向や板厚方向に亘る部位のミクロ組織をマクロ的に代表できない。
このため、本発明者らは、走査型電子顕微鏡(SEM)などのミクロ観察手段を使わず、熱フェノールによる残渣抽出法による謂わばマクロ的かつ平均的な情報が得られる分析手段により、コイル状態の広幅の冷延板の、特に幅方向や板厚方向に亘る部位の組織の(金属間化合物の)をマクロ的に制御する。これによって、耐突き刺し性を目的とするレベルに向上させることができる。
缶胴の突き刺し強度の測定方法を模式的に説明する断面図である。
以下、本発明に係る缶胴用アルミニウム合金板(以下、アルミニウム合金板と称す)を実現するための形態について説明する。
(アルミニウム合金組成)
本発明に係るアルミニウム合金板の組成は、質量%で、Mn:0.3〜1.3%、Mg:1.0〜3.0%、Si:0.1〜0.5%、Fe:0.1〜0.8%を各々含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるものとする。このアルミニウム合金組成に、さらにCu:0.05〜0.4%を含有する組成としてもよい。なお、組成(各元素含有量)に関する%表示は全て質量%の意味である。
(Mn:0.3〜1.3%)
Mnは、アルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、アルミニウム合金板が缶胴に成形されたときに、側壁強度を高めて座屈強度や耐突刺し性を確保する。また、Mnはアルミニウム合金中でAl−Mn−Fe系金属間化合物を形成し、適度に分散されることで、熱間圧延後の再結晶が促進されてアルミニウム合金板の加工性が向上する。Mnの含有量が0.3%未満では、これらの効果が不十分である。このため、Mnの含有量は0.3%以上、好ましくは0.4%以上とする。一方、Mnの含有量が1.2%を超えると、アルミニウム合金板の固溶強化が過大となって加工性が低下し、また、Al−Mn−Fe系金属間化合物の生成量が増加して、耐突刺し性が低下する。それゆえ、Mnの上限は1.3%とし、好ましくは1.1%、さらに好ましくは1.0%とする。
(Mg:1.0〜3.0%)
Mgは、アルミニウム合金の強度を向上させる効果がある。Mgの含有量が1.0%未満では、アルミニウム合金板が缶胴に成形されたときに、側壁強度が低くなって耐突刺し性が不足する。一方、Mgの含有量が3.0%を超えると、アルミニウム合金板の加工硬化が過大となって、しごき加工時のティアオフ(胴体割れ)等の割れ、ネッキング加工時のシワやスジ等の不良が発生し易くなる。したがって、Mgの含有量は、1.0〜3.0%の範囲とし、Mg量の上限は好ましくは2.5%とする。
(Si:0.1〜0.5%)
Siは、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物を形成し、それが適正に分布している程、成形性が向上する。このため、Siの含有量は0.1%以上、好ましくは0.2%以上とする。一方、Siが過剰になると、Al−Mn−Fe−Si系金属間化合物やMg−Si系金属間化合物の大きなものが多数形成されて、耐突き刺し性が低下する。このため、Si含有量の上限は0.5%、好ましくは0.4%とする。
(Fe:0.1〜0.8%)
Feは、地金不純物としてアルミニウム合金中に混入されるが、アルミニウム合金中でAl−Mn−Fe系金属間化合物を形成し、適度に分散されることで、熱間圧延後の再結晶が促進されてアルミニウム合金板の加工性が向上する。また、Feは、Mnの晶出や析出を促進し、アルミニウム基地中のMn平均固溶量やMn系金属間化合物の分散状態を制御する点でも有用である。このため、Feの含有量は0.1%以上、好ましくは0.3%以上とする。一方、Fe含有量が過剰になると、直径15μmを超えるサイズの巨大な初晶金属間化合物が発生しやすくなり、DI成形性や耐突き刺し性も低下する。したがって、Fe含有量の上限は0.8%、好ましくは0.7%とする。
(Cu:0.05〜0.4%)
Cuは、固溶強化によって強度を増加させる。このため、Cuを選択的に含有させる場合の下限量は0.05%以上、好ましくは0.1%以上とする。一方、Cuが過剰になると、高強度は容易に得られるものの、硬くなりすぎるために、成形性が低下し、さらには耐食性も劣化する。このため、Cu含有の上限量は0.4%、好ましくは0.3%とする。
(Cr:0.001〜0.1%、Zn:0.05〜0.5%)
このCuと同効の強度向上元素としてはCr、Znが挙げられ、Cr:0.001〜0.1%、Zn:0.05〜0.5%の一種または二種を、Cuに加えて、あるいはCuに代えて選択的に含有させることができる。選択的に含有させる場合のCrの含有量は0.001%以上、好ましくは0.002%以上とする。一方、Crが過剰になると、巨大晶出物が生成して成形性が低下するので、Cr量の上限は0.1%、好ましくは0.05%程度とする。また、選択的に含有させる場合のZnの含有量は0.05%以上、好ましくは0.06%以上とする。一方、Znが過剰になると耐食性が低下するので、Zn含有量の上限は0.5%、好ましくは0.45%程度とする。
これらの元素以外に不可避的不純物があるが、この不可避的不純物として、例えば、Zr:0.10%以下、Ti:0.2%以下、好ましくは0.1%以下、B:0.05%以下、好ましくは0.01%であれば、本発明に係るアルミニウム合金板の特性に影響せず、含有が許容される。このうち、Tiは結晶粒を微細化する効果もあり、微量のBと共に含有すると、この結晶粒の微細化効果がさらに向上するが、これらの含有量が過剰になると、巨大なAl−Ti系金属間化合物やTi−B系の粗大粒子が晶出して成形性を阻害する。
(DI缶胴用アルミニウム合金板の組織)
耐突き刺し性(耐突き刺し強度)の向上のために、本発明でも、DI缶胴用アルミニウム合金板あるいは、これをDI成形したDI缶胴の組織中の、Al−Fe−Mn系化合物などの金属間化合物の制御や固溶Mg量の制御を行う。
(化合物に含まれるMn量)
缶の側壁に突起物が押し込まれたときにピンホールが生じる突き刺しのメカニズムは、前記特許文献4にも開示される通り、突起物が接触している部位を中心にして缶の内側へすり鉢状に窪んで変形する際に、この中心部の周縁(すり鉢の傾斜した面)で局所的な減肉およびせん断帯が生じ、このせん断帯端部(缶の内側表面)からクラックが発生するためである。このクラックがせん断帯に沿って伝播することによって破断に至り、この減肉部に金属間化合物の量、特にサイズの大きな金属間化合物が多いと破断し易くなる。
ただ、走査型電子顕微鏡(SEM)などの観察手段を用いた、金属間化合物の面積率、サイズ、個数密度などのミクロ的な規定では、前記した通り、DI缶用冷延板の板幅方向や板厚方向に亘る部位の組織をマクロ的に代表できない。このため、冷延板から製缶される缶胴の耐突き刺し性を総じて向上させられるとは限らない。
このため、本発明では、このようなミクロ観察手段を使わず、熱フェノールによる残渣抽出法による謂わばマクロ的な分析手段により、コイル状態の広幅で長尺の冷延板の、板幅方向や板厚方向に亘る部位の組織の金属間化合物をマクロ的に制御する。すなわち、熱フェノールによる残渣抽出法により分離された残渣としての化合物に含まれるMn量(化合物残渣におけるMn量)によって、缶の側壁に突起物が押し込まれたとき(突き刺しのとき)の破壊の起点となるAl−Fe−Mn系などのMnを含む化合物量を規定する。
突き刺しのときの破壊の起点となるのは、Al−Fe−Mn系などの、共通してMnを含む、粒子サイズが0.1μmを超える粗大な化合物である。この点で、熱フェノールによる残渣抽出法により、DI缶胴用アルミニウム合金冷延板あるいは、これをDI成形したDI缶胴試料を熱フェノールにより溶解した際の、0.1μmのメッシュのフィルターによって分離された残渣としての化合物に含まれるMn(化合物残渣におけるMn)の含有量(Mn析出量)を測定すれば、このMnを含む、前記した破壊の起点となるAl−Fe−Mn系などのMnを含む化合物の板や缶胴の組織中の量が分かる。
ちなみに、DI缶胴用アルミニウム合金冷延板の組織である、前記残渣としての化合物に含まれるMnの含有量あるいは、後述する前記分離された溶液中のMgの含有量は、このDI缶胴用アルミニウム合金冷延板をDI成形してDI缶胴としても(DI缶胴の側壁部を試料に測定しても)、互いの値の違いは、アルミニウム合金冷延板の部位による値の違い程度でしかなく、本発明の各含有量規定に影響を及ぼすほどには変化しない。したがって、DI缶胴用アルミニウム合金冷延板を試料として測っても、このDI缶胴用アルミニウム合金冷延板をDI成形したDI缶胴の側壁を試料として測っても良い。
本発明では、この板や缶胴の組織中のAl−Fe−Mn系などのMnを含む、粒子サイズが0.1μmを超える粗大な化合物の量を、熱フェノールによる残渣抽出法により分離された化合物におけるMnの平均含有量として、1.0%以下に規制する。これによって、DI缶胴用アルミニウム合金冷延板が、最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の缶胴にDI成形され、かつ缶胴が塗膜の焼付け相当の熱処理(200℃×20分間の熱処理)され、缶胴側壁の缶軸方向の0.2%耐力が280MPa以上350MPa以下となった場合の、DI缶胴の耐突き刺し性を向上させる。
本発明で、前記残渣としての化合物に含まれるMnの含有量を「平均」としたのは、広幅な冷延板の板幅方向のMn系金属間化合物量をマクロ的に制御するためである。1000mm以上の広幅な冷延板の板幅方向では、製造における温度やひずみの分布の違いによって組織状態がばらつきやすくなる。このばらつきを抑制して組織の均一度を上げ、冷延板の板幅方向の各製缶部位から製缶されたDI缶胴の耐突き刺し性を総じて(一様にあるいは均一に)向上させるために、前記Mnの含有量を前記各製缶部位の「平均」とする。
このために、後述する実施例の通り、冷延板の長手方向中央部の板幅方向中央部1箇所とこの中央部からの板幅方向両端部2箇所の計3箇所の、板の板幅方向の製缶部位を代表する複数個所からサンプリングして試料を採取する、そして、これらの板の各部位試料の各Mn系金属間化合物量(前記残渣としての化合物に含まれるMnの含有量)を各々測定し、これら測定値を平均化した平均値としてMn系金属間化合物量を規定、評価する。
このMnの平均含有量が1.0%を超えた場合には、板や缶胴の組織中のAl−Fe−Mn系などのMnを含む、粒子サイズが0.1μmを超える粗大な金属間化合物が多くなりすぎる。この結果、缶胴が前記薄肉で前記高強度であり、かつ使用環境が厳しくなった場合の、耐突き刺し性が低下してしまう。
(固溶Mg量)
固溶Mg量が増加すると、板や缶胴の固溶強化による加工硬化特性が向上し、缶の側壁に突起物が押し込まれたとき(突き刺しのとき)の、板や缶胴の変形能が向上して、耐突き刺し性が向上する。このため、本発明では、板や缶胴の固溶Mg量を、前記熱フェノールによる残渣抽出法により分離された溶液中のMgの平均含有量で0.7%以上、2.5%以下とする。
Mgは、他の元素量が少ないときには添加あるいは含有させたMgのほぼ全量が固溶するが、他の元素の含有量が多いときには、これら他の元素の含有量との関係で固溶量が左右される。したがって、板や缶胴の固溶強化を確実に図る場合には、通常のMgの含有量ではなく、固溶量を直接測って制御する必要がある。
このため、本発明では、板や缶胴のMgの平均固溶量を、前記熱フェノールによる残渣抽出法により分離された溶液中のMgの平均含有量で0.7%以上、2.5%以下として、このアルミニウム合金板を最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の缶胴にDI成形し、かつ前記塗膜の焼付け相当の熱処理後の側壁の缶軸方向の0.2%耐力を280MPa以上350MPa以下とした場合の耐突き刺し性を向上させる。そして、前記した破壊の起点となるAl−Fe−Mn系化合物量の低減と合わせて、前記薄肉化させ、高強度化させたDI缶胴の耐突き刺し性を目的とするレベルに向上させる。
具体的には、前記缶胴に1.7kgf/cm2(=166.6kPa)の内圧をかけ、この缶胴側壁の缶底から缶軸方向の距離L=60mmの部位に、先端が半径0.5mmの半球面である突き刺し針を缶胴側壁に対して垂直に速度50mm/分で突き刺し、この突き刺し針が缶胴側壁を貫通するまでの荷重測定値のうちの最大値で、35N以上のレベルに向上させる。
本発明で、板や缶胴のMgの固溶量(前記熱フェノールによる残渣抽出法により分離された溶液中のMgの含有量)を「平均」としたのは、前記した残渣としての化合物中に含まれるMnの含有量と同様、冷延板から製缶される缶胴の耐突き刺し性を目的とするレベルに向上させるためである。すなわち、冷延板の特に板幅方向の製缶部位のMg固溶量を制御するために、後述する実施例の通り、前記Mnと同じく、冷延板の板幅方向中央部、両端部など、板の板幅方向の製缶部位を代表する計3箇所から採取した各試料の前記熱フェノールによる残渣抽出法により分離された各溶液中の各Mgの固溶量を各々測定して、これらの測定値を平均化した平均値としてMg固溶量を規定、評価する。
板や缶胴のMgの平均固溶量が、前記熱フェノールによる残渣抽出法により分離された溶液中のMgの含有量で0.7%未満と少なくなり過ぎると、前記した破壊の起点となるAl−Fe−Mn系化合物量を低減させたとしても、前記薄肉化させ、高強度化させたDI缶胴の耐突き刺し性を目的とするレベル以上には向上できなくなる。一方、前記Mgの平均固溶量が多いほど耐突き刺し性は高くなるが、固溶Mg量が2.5%を超えて多くなり過ぎると、Mgの固溶強化によって冷延板の耐力が著しく高くなりすぎ、製缶加工に必要なしごき加工性が低下し、ティアオフが発生しやすくなる。したがって、固溶Mg量の制御だけでは、耐突き刺し性と製缶加工性(DI成形性)がトレードオフになる。
(製造方法)
次に、本発明におけるアルミニウム合金板の製造方法を説明する。本発明のアルミニウム合金板は、前記成分のアルミニウム合金を溶解、鋳造して鋳塊とする鋳造工程と、鋳塊を熱処理により均質化する均熱処理工程と、均質化した鋳塊を熱間圧延して熱間圧延板とする熱間圧延工程と、熱間圧延板を焼鈍することなく冷間圧延する冷間圧延工程によって製造される。そして、この製造方法において、鋳塊の均熱処理を後述する条件によって2回行うとともに、熱間粗圧延も後述する条件によって行い、冷延後のアルミニウム合金板組織を、本発明で規定する、前記熱フェノールによる残渣抽出法による分離残渣化合物中のMnの平均含有量を1.0%以下(0%を含む)とするとともに、Mgの平均固溶量を前記熱フェノールによる残渣抽出法による分離溶液中のMgの平均含有量として0.7%以上、2.5%以下とする。
(溶解、鋳造)
先ず、アルミニウム合金を溶解し、DC鋳造法等の公知の半連続鋳造法により鋳造し、アルミニウム合金の固相線温度未満まで冷却して鋳塊とする。鋳造速度が40mm/分未満、あるいは冷却速度が0.5℃/秒未満と遅いと、鋳塊中に粗大な金属間化合物が多量に晶出する。一方、鋳造速度が65mm/分、あるいは冷却速度が1.5℃/秒をそれぞれ超えて速いと、鋳塊割れや“す”が発生し易くなって鋳造歩留が低下する。したがって、鋳造において、鋳造速度は40〜65mm/分、冷却速度は0.5〜1.5℃/秒とする。また、この冷却速度は、鋳塊の中央部の温度、すなわち鋳造方向に垂直な面の中央部の温度についてのものであり、アルミニウム合金の液相線温度から固相線温度までの冷却における速度とする。
(均熱処理)
鋳塊を圧延する前に、所定温度で均質化熱処理(均熱処理)することが必要である。熱処理を施すことによって、内部応力を除去し、鋳造時に偏析した溶質元素を均質化し、鋳造時に晶出した金属間化合物を拡散固溶させて、組織が均質化される。
但し、本発明では、均熱処理を2回均熱とする。この2回均熱とは、2段均熱とは区別される。2段均熱とは、1回目の均熱後に冷却はするものの、200℃以下までは冷却せず、より高温で冷却を停止した上で、その温度で維持した後に、そのままの温度か、より高温に再加熱した上で熱延を開始するものである。これに対して、本発明の2回均熱とは、1回目の均熱後に、一旦室温を含む200℃以下の温度まで冷却し、更に、再加熱し、その温度で一定時間維持した後に、熱延を開始するものである。
具体的には、先ず、1回目の均熱温度を580℃以上、融点温度未満とする。この均熱温度を580℃以上とするのは、鋳造時に生成した粗大なAl−Fe−Mn系化合物を固溶させるためである。均熱温度が580℃未満になると、粗大なAl−Fe−Mn系化合物が固溶せずに残存するため、缶胴への冷延板の成形性が低下する。
この1回目の均熱処理後に一旦、室温を含む200℃以下まで冷却する。この際、500〜200℃の間の鋳塊の平均冷却速度を80℃/時間以上とする。この温度間の平均冷却速度80℃/時間未満では、冷却中に生成するAl−Fe−Mn系化合物量が増加するだけでなく、Mg−Si系化合物量も増加して、固溶Mg量が低下する。また、前記2段均熱のように、この冷却を途中の高温状態(200℃を超える)で止め、連続的に2回目の均熱処理を行うと、すでに分散しているAl−Fe−Mn系化合物を核にして、その量が増加するため、200℃以下まで一旦冷却することが必要である。この条件を外れると、DI缶用冷延板の板幅方向や板厚方向に亘る部位の組織を缶胴の耐突き刺し性が優れたものとできない。
2回目の均熱温度は450℃以上、550℃以下とする。そして、この2回目の均熱における200〜400℃の温度間の鋳塊の平均加熱速度を30℃/時間を超える速度とする。これは、この2回目の均熱における昇温中にMg−Si系化合物が生成するが、前記200〜400℃の温度間の鋳塊の平均加熱速度を30℃/時間超とすることによって、Mg−Si系化合物が微細かつ高密度に生成し、さらに450℃以上まで昇温する過程で再固溶して固溶Mg量を増加させるだけでなく、2回目均熱中や熱延中に生成する粗大なAl−Fe−Mn系化合物量を低減することができる。したがって、前記熱フェノールによる残渣抽出法で規定するMn量やMg固溶量を満足させ、耐突き刺し性を向上できる。この加熱速度が小さいと、Mg−Si系化合物が微細かつ高密度に生成せず、さらに450℃以上まで昇温する過程で再固溶せずに固溶Mg量を増加させることができず、2回目の均熱中や熱延中に生成する粗大なAl−Fe−Mn系化合物量も増加してしまう。したがって、前記熱フェノールによる残渣抽出法で規定するMn量やMg固溶量を満足できず、耐突き刺し性を向上できなくなる可能性が高い。このため、DI缶用冷延板の板幅方向や板厚方向に亘る部位の組織を缶胴の耐突き刺し性が優れたものとできない。
これら1回目、2回目の各均熱処理時間が、各々2時間未満では、鋳塊の均質化が完了していないことがある。一方、8時間を超える均熱処理を行っても効果の向上はなく、生産性が低下する。したがって、1回目、2回目の各均熱処理時間は2〜8時間とすることが好ましいが、特に限定するものではない。
〔熱間圧延〕
前記均熱処理工程で均質化された鋳塊に熱間圧延を行う。まず、鋳塊を粗圧延して、さらに仕上げ圧延により、所定の板厚のアルミニウム合金熱間圧延板とする。
(熱間粗圧延)
450℃以上、550℃以下の温度範囲で、熱間粗圧延を開始する。この粗圧延開始温度が450℃よりも低いと、粗圧延中に析出するMg−Si系化合物の量が増えて、固溶Mg量が減少するだけでなく、圧延自身も困難となる。一方、粗圧延開始温度が550℃を超える場合は、圧延中の焼付きによって板の表面性状が悪化する。
また、粗圧延におけるパス間の時間、当該の圧延実施(パス)から次の圧延実施(パス)までに要する時間(パス間の時間)もできるだけ短くする。このパス間の時間は、好ましくは100秒以内のできるだけ短い時間とする。ここでのパス間時間とは、板の長さ方向の中央位置でのミル通過時刻の差を示す。板厚が薄い領域での圧下率が低いほど、そしてパス間時間が長くなるほど、粗圧延中に析出するAl−Fe−Mn系化合物やMg−Si系化合物の量がともに増加する。さらに、この熱間粗圧延において、リバース圧延機であれば数回から数十回の、すべてのパスの定常速度のうちで、最低の定常速度を50m/分以上とする。ここでいう定常速度とは、1パス当たりで圧延速度(ライン速度)が最高でかつ一定となる速度である。熱間粗圧延における全パスでの比較で最低となる定常速度(パス中最低定常速度)が50m/分未満の速度では、圧延時間が長くなって、冷却中に生成するAl−Fe−Mn系化合物量が増加し、前記残渣Mn量が過大となる。このため、これらの条件が外れると、前記熱フェノールによる残渣抽出法で規定するMn量やMg固溶量を満足できず、目的とする缶胴の耐突き刺し性を得られなくなる可能性がある。
この熱間粗圧延の終了温度は400℃以上とすることが好ましい。熱延を、粗圧延と仕上げ圧延とに分けて、かつ連続して実施するに際し、熱間粗圧延の終了温度が低くなり過ぎると、次工程の熱間仕上圧延で圧延温度が低くなって、エッジ割れが生じやすくなる。
(熱間仕上圧延)
熱間粗圧延が終了したアルミニウム合金板は、連続的など、速やかに熱間仕上圧延する。速やかに熱間仕上圧延することによって、Al−Fe−Mn系化合物やMg−Si系化合物の増加を防止することができる。熱間粗圧延が終了したアルミニウム合金板は、例えば、5分以内、好ましくは3分以内に熱間仕上圧延することが好ましい。熱間仕上圧延の終了温度は300℃以上とすることが好ましい。300℃未満では、温度が低すぎて板全体が再結晶せずに、部分的に加工組織となるため、特に板幅方向の耳率ばらつきが増加する。
〔冷間圧延〕
アルミニウム合金熱間圧延板は、焼鈍せずに冷間圧延して所定の板厚のアルミニウム合金板に仕上げる。冷間圧延における総圧延率(冷間加工率)は77〜90%、冷延後の冷延板の板厚は0.25〜0.33mmとすることが好ましい。
〔DI缶の作製方法〕
本発明に係るアルミニウム合金板(冷延板)からDI缶の缶胴を作製する方法の一例を以下に説明する。先ず、本発明に係るアルミニウム合金板を円板形状に打ち抜いて(ブランキング加工)、浅いカップ形状に絞り加工し(カッピング加工)、DI成形を施す。これら絞り加工さらにしごき加工を複数回繰り返して徐々に側壁を高くして、所定の底面形状および側壁高さの有底筒形状とする。
これらの加工による缶胴の側壁の板厚減少率(しごき加工率)は、60〜70%とすることが好ましい。そして、側壁(開口部)の縁を切り落として整える(トリミング加工)。この状態で、最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の薄肉の缶胴にDI成形される。
次いで、缶胴は脱脂洗浄され、外面、内面にそれぞれ塗装、塗膜の焼付け(ベーキング)を施され、最薄部の側壁の缶軸方向の強度として、0.2%耐力が280MPa以上350MPa以下程度となる高強度とされる。ちなみに、この強度は、実際に前記塗膜の焼付け(ベーキング)をせずとも、成形された缶胴を本発明で言う「缶胴の塗膜の焼付け相当の熱処理」として、塗膜の焼付け相当の温度と時間を200℃×20分で熱処理した後の強度で、代用できる。
塗膜焼付け後の缶胴は、開口部を縮径し(ネッキング加工)、開口部の縁を外側に拡げて(フランジング加工)、最終の缶胴となる。飲料、食品用途に使用する際には、開口部から内容物(飲料、食品)が缶胴に充填され、別工程で作製された缶蓋を開口部に巻き締めて封止される。
以上、本発明を実施するための形態について述べたが、以下に、本発明の効果を確認した実施例を、本発明の要件を満たさない比較例と対比して具体的に説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(供試材アルミニウム合金板)
表1に示す組成のアルミニウム合金を、溶解し、半連続鋳造法を用いて、各例とも共通して前記した好ましい数値範囲内の鋳造速度および冷却速度で鋳塊を作製した。
この鋳塊を前記2回均熱し、各例とも共通して600℃の均熱温度で4時間の1回目の均熱後に、一旦室温まで500〜200℃の平均冷却速度(℃/時間)を表1の通り種々変えて冷却した。その後、2回目の均熱として、鋳塊を室温から再度加熱し、200〜400℃の平均加熱速度(℃/時間)を表1の通り種々変える一方、各例とも共通して500℃の均熱温度で4時間の2回目の均熱処理を行った。
そして、この温度で熱間粗圧延を開始した。この際、この熱間粗圧延(リバース圧延機)におけるパス回数12のパス間の時間のうち、当該の圧延実施(パス)から次の圧延実施(パス)までに要したパスの時間のうちの最長時間(秒)を、表1の通り種々変えた。また、これらすべてのパスの定常速度のうちで、最低の定常速度(m/分)を、表1の通り種々変えた。そして、各例とも共通して、熱間粗圧延の終了温度は450℃とし、この熱間粗圧延終了後3分以内に熱間仕上圧延を開始し、熱間仕上圧延の終了温度を330℃として、板厚2.5mmの熱間圧延板とした。さらに、この熱間圧延板を荒鈍(焼鈍)することなく、また途中で中間焼鈍を施すことなく、冷間圧延を施して、板厚0.28mmで、板幅が2000mmのコイル状の長尺アルミニウム合金板とした。なお表1のアルミニウム合金板化学成分組成で「−」は、検出限界以下であることを示す。
(缶胴)
得られたコイル状のアルミニウム合金板を、カッピング加工、DI成形(しごき加工率65〜70%)し、開口部をトリミング加工して、外径約66mm、高さ(缶軸方向長)124mm、側壁厚さ0.090mmの有底筒形状の缶胴とした。さらに、この缶胴を脱脂洗浄の後、塗装時の焼付けを想定(模擬)した前記200℃×20分間の条件での熱処理を行って、缶胴供試材とした。
〔評価〕
評価は、前記アルミニウム合金冷延板で0.2%耐力および熱フェノール残渣抽出法によるMn系金属間化合物量(化合物残渣におけるMn含有量)、Mg固溶量(分離された溶液中のMg含有量)を測定して行った。また、缶胴(前記塗装焼付け想定の熱処理後)で、DI成形性、耐突き刺し性、0.2%耐力をそれぞれ測定、評価した。これらの結果も表1に示す。
(組織=熱フェノール残渣抽出法)
前記アルミニウム合金冷延板コイルの長手方向中央部の、板幅方向中央部1箇所と、この中央部からの板幅方向両端部2箇所の計3箇所から採取した各試料を熱フェノールにより溶解した際の、0.1μmのメッシュのフィルターによって分離された残渣としての化合物におけるMn(化合物残渣中のMn)含有量を各々測定して平均化し、前記アルミニウム合金冷延板組織中の化合物の平均Mn含有量を分析値として求めた。同時に、前記各試料における、この残渣より分離された各溶液中のMgの含有量を測定して平均化し、前記アルミニウム合金冷延板組織中の平均Mg固溶量を分析値として求めた。
(成形性)
前記したDI成形では、アルミニウム合金冷延板コイルの長手方向中央部の、前記板幅方向中央部近傍1箇所と、前記両端部2箇所の各近傍の計3箇所から1000枚ずつブランクを切り出し、しごき加工率65%で連続成形(カッピング加工、DI成形)して製缶した。そして、成形時に不良(ティアオフ、ピンホール等)が発生しなかった場合は成形性が優れているとして「○」、不良が発生した場合は成形性不良として「×」で評価した。
(耐突き刺し性)
各例について、1枚の板から製缶される数多くの缶胴の耐突き刺し性、特に冷延板の板幅方向や板厚方向の各耐突き刺し性が総じて向上されているかを検証した。このために、各例とも、前記アルミニウム合金冷延板コイルの板幅方向中央部、両端部の3箇所から製缶された缶胴が均等に含まれるように、前記成形できた10個全てについて突き刺し試験を実施して、耐突き刺し性を評価した。
この耐突き刺し性試験は、図1に示すように、缶胴を固定して、1.7kgf/cm2(=166.6kPa)の内圧をかけ、缶胴の側壁の、アルミニウム合金板の圧延方向が缶軸方向と一致し、缶底からの缶軸方向の距離Lが60mmである部位に、先端が半径0.5mmの半球面である突き刺し針を、側壁に対して垂直に、速度50mm/分で突き刺した。そして、突き刺し針が側壁を貫通するまでの荷重(N)を測定し、得られた最大荷重を突き刺し強度とした。
耐突き刺し性試験結果において、全缶胴の前記最大荷重が平均で40N以上であったものを、前記アルミニウム合金冷延板の板幅方向全体が耐突き刺し性に優れているとして「◎」、平均で35N以上であったものも「○」と評価した。一方、全缶胴の前記最大荷重が平均で平均が35N未満であったものは、前記アルミニウム合金冷延板の板幅方向や板厚方向全体では耐突き刺し性が不良であるとして「×」で評価した。
本発明では、DI缶の取り扱い乃至使用条件として、缶の内外での圧力差がより大きく、缶胴の変形が大きくなり、耐突き刺し性がより厳しい条件となる、前記1.7kgf/cm2(=166.6kPa)のより低い内圧とした。実際の缶胴の突き刺し時の破裂は、様々な形状のものが衝突することにより起きているが、それら全てを評価することができず、より厳しい評価方法で評価することが求められている。そのため、内圧を下げ、変形を大きくした条件を採用することで、突刺し強度が高くなることを難しくした。
これまでの耐突き刺し性の評価は、通常、より高い、2.0kgf/cm2(=196kPa)の内圧をかけて行われている。このため、同じ試験材料であっても、本発明の試験方法の方が試験条件は厳しく、突刺し強度は低めになる。すなわち、前記2.0kgf/cm2の内圧による試験での突き刺し強度(N)の値と、本発明の試験方法による突き刺し強度(N)の値が例え同じか、あるいは例え、多少低い数値であったとしても、本発明の材料の方が耐突刺し性に優れるといえる。言い換えると、2.0kgf/cm2の内圧試験での耐突き刺し性が優れていたとしても、本発明の1.7kgf/cm2のより低い内圧での耐突き刺し性が優れているとは全く言えない。
(0.2%耐力)
前記冷延板と前記缶胴側壁の0.2%耐力測定のための引張試験は、冷延板と、缶胴(前記塗装焼付け想定の熱処理後)側壁から各々採取した試験片を、JIS Z 2201にしたがって行うとともに、試験片形状はJIS 5 号試験片で行い、試験片の長手方向が圧延方向(缶軸方向)と一致するように作製した。また、クロスヘッド速度は5mm/分で、試験片が破断するまで一定の速度で行った。
表1に示すように、各発明例1〜11は、アルミニウム合金の組成が本発明範囲内であり、好ましい製造条件で製造されている。すなわち、鋳塊の2回均熱処理における、1回目の均熱後の室温までの冷却の際の500〜200℃の平均冷却速度が80℃/時間以上であり、2回目の均熱の鋳塊の室温からの再加熱の際の200〜400℃の平均加熱速度が30℃/時間以上である。そして、熱間粗圧延におけるパス間の時間のうちの最長時間が100秒以内、最低の定常速度が50m/分以上である。
このため、各発明例は、表1の通り、冷間圧延板(DI成形された缶胴側壁)の熱フェノールによる残渣抽出法により分離された粒子サイズが0.1μmを超える化合物中のMnの平均含有量(表1は残渣Mn量と略記)で1.0%以下となる組織であり、Mn系金属間化合物が少ない。同時に、冷間圧延板(DI成形された缶胴側壁)組織のMgの平均固溶量が、前記熱フェノールによる残渣抽出法により分離された溶液中のMgの含有量(表1は固溶Mg量と略記)で0.7%以上、2.5%以下であり、確保されている。
この結果、各発明例は、DI成形性が良好である前提で、前記アルミニウム合金板を最薄部の側壁厚さが0.090mmの薄肉の缶胴にDI成形し、かつ前記塗膜の焼付け相当の熱処理後の側壁の缶軸方向の0.2%耐力が280MPa以上350MPa以下の高強度とした場合の耐突き刺し性に優れている。しかも、この耐突き刺し性は、缶胴に1.7kgf/cm2(=166.6kPa)の内圧をかけた厳しい評価であるにも関わらず、35N以上あるいは40N以上と優れている。すなわち、缶壁厚さが薄肉化、高強度化された缶胴において、良好な成形性、より厳しい条件での優れた耐突き刺し性が得られた。
これに対して、表1の比較例12〜15は、アルミニウム合金の組成が本発明範囲内であるものの、前記均熱や熱間粗圧延における条件のいずれかが、本発明の前記好ましい条件から外れている。このため、各比較例は、冷間圧延板(DI成形された缶胴側壁)の熱フェノールによる残渣抽出法により分離された粒子サイズが0.1μmを超える化合物中のMnの平均含有量(表1は残渣Mn量と略記)か、Mgの平均固溶量(表1は固溶Mg量と略記)かが外れた組織となっている。この結果、各比較例は、共通して、DI成形性は良好であるものの、最薄部側壁厚さを前記薄肉の缶胴にDI成形し、かつ前記塗膜の焼付け相当の熱処理後の側壁を前記高強度とし、内圧条件が厳しい場合の板幅方向に亘る耐突き刺し性に著しく劣っている。
比較例12は、1回目の均熱処理後の室温までの冷却の際の500〜200℃の平均冷却速度が80℃/時間未満と小さすぎる。この結果、冷却中に生成するAl−Fe−Mn系化合物量が増加し、前記残渣Mn量が過大となっている。
比較例13は、2回目の均熱温度時における200〜400℃の平均加熱速度が30℃/時間未満と小さすぎる。この結果、Mg−Si系化合物が微細かつ高密度に生成せず、さらに450℃以上まで昇温する過程で再固溶せず、前記固溶Mg量が過少となっている。
比較例14は、粗圧延におけるパス間の時間が100秒を超えて長すぎる。この結果、粗圧延中に析出するAl−Fe−Mn系化合物やMg−Si系化合物の量が増加し、特に前記Mg固溶量が過少となっている。
比較例15は、粗圧延におけるパスの定常速度のうち、最低の定常速度が50m/分未満と遅すぎる。この結果、圧延時間が長くなって、冷却中に生成するAl−Fe−Mn系化合物量が増加し、前記残渣Mn量が過大となっている。
また、表1の比較例16〜20は、Mn、Mg、Si、Feのいずれかが少なすぎて、アルミニウム合金の組成が本発明の範囲を外れる。
比較例16はMg量が過少で、前記固溶Mg量が過少となっている。比較例17はMn量が過多で、前記残渣Mn量が過多となっている。この結果、これら比較例は前記内圧条件が厳しい場合の板幅方向に亘る耐突き刺し性が劣っている。
比較例18はMn量が過少である。比較例19はSi量が過多である。比較例19はSi量が過少である。この結果、これらの比較例は、DI成形時に不良が発生したため、缶用としては実用化できず、その後の突き刺し試験も実施する意味がないゆえに中止した。
Figure 2013163835
以上、本発明DI缶胴用アルミニウム合金板(冷延板)は、アルミニウム合金冷延板から製缶される缶胴の耐突き刺し性を目的とするレベルまで向上させ、缶胴の耐突き刺し性を保障することができる。このため、缶壁厚さが薄肉化、高強度化され、より厳しい使用条件での耐突き刺し性が要求されるDI缶胴に用いられるアルミニウム合金冷延板に最適である。

Claims (5)

  1. 質量%で、Mn:0.3〜1.3%、Mg:1.0〜3.0%、Si:0.1〜0.5%、Fe:0.1〜0.8%を各々含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有するアルミニウム合金板からなり、このアルミニウム合金板の組織として、熱フェノールによる残渣抽出法により分離された粒子サイズが0.1μmを超える残渣化合物に含まれるMn量が、1.0%以下(0%を含む)であるとともに、前記熱フェノールによる残渣抽出法により分離された溶液中のMgの固溶量が、0.7%以上、2.5%以下であることを特徴とするDI缶胴用アルミニウム合金板。
  2. 前記アルミニウム合金板がさらにCu:0.05〜0.4%を含有する請求項1に記載のDI缶胴用アルミニウム合金板。
  3. 前記アルミニウム合金板がさらにCr:0.001〜0.1%、Zn:0.05〜0.5%の一種または二種を含有する請求項1または2に記載のDI缶胴用アルミニウム合金板。
  4. 前記アルミニウム合金板が、最薄部の側壁厚さが0.085〜0.110mmの範囲の缶胴にDI成形され、この缶胴が200℃×20分間熱処理された際の、缶胴側壁の缶軸方向の0.2%耐力が280MPa以上350MPa以下である強度特性を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のDI缶胴用アルミニウム合金板。
  5. 前記アルミニウム合金板の前記耐突き刺し性が、前記缶胴に1.7kgf/cm2(=166.6kPa)の内圧をかけ、この缶胴側壁の缶底から缶軸方向の距離L=60mmの部位に、先端が半径0.5mmの半球面である突き刺し針を缶胴側壁に対して垂直に速度50mm/分で突き刺し、この突き刺し針が缶胴側壁を貫通するまでの荷重測定値のうちの最大値で35N以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のDI缶胴用アルミニウム合金板。
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