JP2011202273A - ボトル缶用アルミニウム合金冷延板 - Google Patents

ボトル缶用アルミニウム合金冷延板 Download PDF

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Abstract

【課題】ボトル缶の素材であるアルミニウム合金冷延板の製造コストを低減させ、なおかつ耳率の板幅方向のばらつきを抑制する。
【解決手段】特定の組成からなるボトル缶用アルミニウム合金冷延板であって、板組織中の、FeとMnとの固溶量を規制することによって、熱延板の再結晶の核生成サイトとなる比較的大きな分散粒子の個数密度を増やし、熱延板での板幅方向の中央部側の特に板厚中心部の再結晶を促進させ、熱延板の板幅方向の再結晶率を均一化し、ひいては板幅方向の耳率のばらつきを小さくする。
【選択図】なし

Description

本発明はボトル缶用アルミニウム合金冷延板(ボトル缶用素材板)に関するものである。なお、本発明で言うアルミニウム冷延合金板とは、熱間圧延−冷間圧延を通じて圧延された圧延板(冷間圧延板)であって、冷間圧延上がりの板あるいは更に熱処理を施されて調質された板のことを言う。また、以下、アルミニウム合金をAl合金とも言う。
アルミニウム系飲料缶としては、缶胴体と缶蓋(缶エンド)とをシーミング加工することによって得られる2ピースアルミニウム缶が多用されている。前記缶胴体は、アルミニウム系冷間圧延板をDI加工(深絞り加工及びしごき加工)し、所定のサイズにトリミングを施した後、脱脂・洗浄処理を行い、さらに塗装および印刷を行って焼付け(ベーキング)を行い、缶胴縁部をネッキング加工及びフランジ加工することによって製造されている。
前記缶胴体用の冷間圧延板としては、従来からAl−Mg−Mn系合金であるJIS3004合金、3104合金等の硬質板が広く用いられている。このJIS3004合金、3104合金は、しごき加工性に優れており、強度を高めるために高圧延率で冷間圧延を施した場合でも比較的良好な成形性を示すことから、DI缶胴材として好適であるとされている。
前記飲料缶の中でも、ネジ付きの口部を有するボトル缶では、アルミニウム合金板に、下地処理(クロメート等)を行なった後に樹脂被覆(樹脂塗布又はフィルムラミネート)を行ない、続いて、この樹脂被覆がある状態で、円形のブランクに打抜き、カップ状に成形する。このように、ボトル缶(後述する3ピース・タイプ)の場合は、前記DI缶の製造工程とは若干異なり、アルミニウム合金板の両面に熱可塑性樹脂被膜層(樹脂塗布又はフィルムラミネート)を形成した上で成形する。
このカップ状への成形後、ボトル缶は、絞りしごき加工、トリミング、印刷及び塗装、ネジ・カール成形、ネックフランジ成形の各工程を経て製造される。前記絞りしごき加工では、前記カップ状の成形品に対し、再絞り加工とストレッチ加工又はしごき加工(DI加工)を行って、胴部を小径化し、薄肉化された有底円筒状の缶を成形する。その後、この有底円筒状の缶の底部側を複数回絞り加工することにより、肩部と未開口の口部を成形する。この缶胴部への前記印刷・塗装は、洗浄及び前記トリミング等の後に実施され、次いで、口部を開口して、前記カール部及びネジ部を形成する(ネジ・カール成形)。更に、ネジ部の反対側の部分に対し、ネックイン加工とフランジ加工を施し、シーマーにより、別途成形した底蓋を巻き締めすることによりボトル缶を得る(特許文献1参照)。
近年では、ボトル缶やDI缶のいずれについても、缶の側壁厚が110μm程度で、軽量化のための更なる薄肉化が求められている。このような薄肉化を達成するためには、缶の座屈強度の低下をきたさないように、材料の高強度化を図ることが重要である。さらには、しごき加工時における耳率が低いことも強く求められている。しごき加工時の耳率を低くすれば、しごき加工時の歩留まりを高めることができ、さらには缶胴の耳切れに起因する缶胴破断を防止することができる。
一般に、缶胴体の製造にあたっては、缶のブランクは、素材(元板)となるアルミニウム合金板の板幅方向における異なる複数の位置(部分)から、それぞれ採取されることになる。一方、素材となるアルミニウム合金板の製造工程においては、常に板幅方向に均一な特性を有する板が得られるとは限らず、通常は板幅方向に特性のばらつきが生じてしまうことが多い。したがって、素材板の耳率が平均的に低くても、耳率の大きさは、板幅方向の各位置でばらついてしまうことがあり、このような耳率のばらつきが生じれば、安定して歩留まりの高い缶胴体を得ることが困難となってしまう。
耳率自体を低くする技術は従来から種々提案されている。その多くは、均質化熱処理(以下、均質化処理、均熱処理とも言う)、熱間粗圧延−熱間仕上圧延からなる工程において、均質化熱処理を比較的高温として、熱間圧延後を終了した熱延板の再結晶を板幅方向に均一に進行させ、板幅方向における再結晶状態が均一な板を得ることで共通している。
例えば、特許文献2には、従来の熱間圧延条件では、熱間圧延において、立方体方位が優先した集合組織を十分に生じさせて、缶胴用アルミニウム合金板の耳率を低下させる技術が提案されている。このため、特許文献2では、530〜630℃の高温で均質化熱処理を施し、特に熱間仕上げ圧延条件を詳細に規定している。
特許文献3には、耳が圧延材の結晶学的異方性に起因して生じるものであり、その高低は熱延終了後に進行する再結晶により形成される立方体方位の結晶粒の集合組織成分(主に0°−90°耳)と、冷間圧延により形成される圧延集合組織成分(45°耳)とのバランスによって決まることが記載されている。この特許文献3では、缶径の縮小に伴うより厳しい耳率の低減を実現するために、熱間圧延条件に加え、上工程である均熱処理条件も重要であるとして、560〜620℃の比較的高温で均熱処理を施した缶胴用アルミニウム合金冷延板の製造方法が提案されている。
また、耳率自体を低くしても、冷延板の耳率の板幅方向のばらつきを抑制しなければ、安定して耳率が良好な材料とは限らない。このため、耳率のばらつきの抑制に関しても、従来から提案がなされている。
例えば、特許文献4では、鋳塊に対して540〜610℃の高温で均質化熱処理を施す。均質化熱処理の温度が540℃未満では、析出物の分布が密となって熱間圧延上がりの状態で再結晶しにくい組織となってしまうからである。また、熱間粗圧延の終了温度を430℃以上として、その後の熱間仕上圧延工程が開始されるまでの間の、比較的温度が高く再結晶が進行しやすい板幅中央部と、比較的温度が低く再結晶が起きにくい板幅端部との、板幅方向での再結晶の進行にばらつきを抑制している。また、熱間仕上圧延では、熱間圧延上がりで再結晶状態とし、その後の冷間圧延中途での中間焼鈍時において適度な立方体方位を発達させて耳率自体を低下させるために、その終了温度を330〜360℃の範囲内としている。
特許文献5では、アルミニウム合金熱間圧延板の板断面において板表面から板厚中心に至る領域のCube方位の結晶粒の面積率の差を小さくして、板幅方向に安定して耳率が良好な材料を得ることが提案されている。このため、均熱処理温度は600〜620℃程度の高温で均質化処理を施し、Al−Mn−Fe−Si系金属間化合物相と、熱間圧延工程でCube方位の結晶粒の核を提供する無析出帯(PFZ)とを均一に分布させている。また、同文献では、上記均熱処理(第1均熱処理)後に一旦冷却して、熱間粗圧延開始温度と同等あるいはやや高い温度に再加熱して数時間程度保持する第2均質化熱処理を施す、2回均熱と呼ばれる2回の均質化熱処理を施すことを推奨している。
特許文献6では、熱間圧延板のMnの平均固溶量を0.12〜0.38%の範囲、Cuの平均固溶量を0.01〜0.3%の範囲などに制御して、中間焼鈍することなく冷間圧延板を製造しても、この冷間圧延板をDI成形したときの耳率を小さくすることが提案されている。同文献では、MnやCuの平均固溶量が大きくなれば、再結晶時にCube方位(立方体方位)が発達し易くなって、熱間圧延板の平均耳率が小さくなる傾向があることを知見したものである。従来の熱間圧延後に中間焼鈍を行う方法では、内部組織のばらつきを前記中間焼鈍によって一旦キャンセルすることにより、耳率の安定化を図っていたのに対して、同文献によれば、中間焼鈍を行わなくても平均耳率を安定化させることができる。ただ、同文献でも、均質化熱処理温度はやはり550〜650℃程度の比較的高温としている。また、この均質化熱処理を、2回均熱など、複数の段階に分けて行っている。
この他、特許文献7では、やはり、550〜650℃程度の高温で均質化処理を施し、一旦冷却してから再加熱してから熱間粗圧延を行う、前記2回均熱を施し、熱間圧延板のMn平均固溶量及び結晶粒径を所定の範囲に制御し、熱間圧延板の耳率を安定して−3〜−6%にし、これを、その後、中間焼鈍することなく冷間圧延することによって、得られる冷間圧延板の耳率を安定して0〜2%にすることが提案されている。
特開2001−162344号公報 特開平9−268355号公報 特開平10−310837号公報 特開2008−156710号公報 特開2004−244701号公報 特許4205458号公報 特開2003−342657号公報
ボトル缶の中には、アルミ板を成形した後に内外面塗装を行う2ピース・ボトル缶(缶胴を一体成形し、これにキャップを備えた“2ピース・タイプ”)と、素材に予めフィルムラミネートを施したのち缶胴成形する3ピース・ボトル缶(缶胴、底蓋、キャップから構成される“3ピース・タイプ”)があり、本発明は後者に適用する技術である。この3ピースタイプでは、前記カップ状に成形された缶胴体の上部に、更に、飲み口部を成形する前記しごき加工時に、前段のカップ状の缶胴体成形時に残留した、缶胴体底部周縁部のフランジを残す形で成形している。そして、この飲み口部の成形後(前記しごき加工後)に、このフランジはトリミングにて除去される。
前記3ピースタイプのボトル缶では、耳率自体を低く、そして耳率の板幅方向のばらつきを抑制できれば、トリミングにて除去されるフランジの量(トリミング量)を減らせることとなって、特に材料の歩留りを向上できることとなる。
また、これだけでなく、ボトル缶について、最近では、軽量化のための前記缶の板厚の薄肉化のレベルにおいて、耳率の板幅方向のばらつきを抑制するような特性の向上だけでなく、素材板の製造コストを低減させることも必要となっている。言い換えると、耳率の板幅方向のばらつき抑制のために従来から採用していた製造条件を見直してでも、缶素材冷延板の製造コストを低減させて、なおかつ耳率の板幅方向のばらつきを抑制する、という難しい課題がある。
このような、製造コスト低減と耳率の向上という要求課題に対して、前記従来技術では応えることができない。前記従来技術では、前記した通り、熱間圧延板を中間焼鈍することなく冷間圧延することも提案されてはいる。しかし、例えば、前記均質化熱処理は前記高温のままであり、また、前記均質化熱処理を2回行うなど、缶素材冷延板の耳率低減や耳率の板幅方向のばらつきを抑制した上での製造コストの本格的な低減には何らつながっていない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ボトル缶の素材であるアルミニウム合金冷延板の製造コストを低減させ、なおかつ耳率の板幅方向のばらつきを抑制することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明のボトル缶用アルミニウム合金冷延板の要旨は、質量%で、Mn:0.3〜1.2%、Mg:1.0〜3.0%、Fe:0.3〜0.7%、Si:0.1〜0.5%を含有し、前記FeとMnとの組成比Fe/Mnが0.6〜1.5の範囲であり、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、冷延板組織中の重心直径が2〜15μmの範囲のAl−Fe−Mn−Si系の分散粒子の平均個数密度が2500個/mm2 以上であり、更に、前記FeとMnとの平均固溶量が、熱フェノールによる残渣抽出法により粒子サイズが0.1μmを超える析出物と分離された溶液中の各々の含有量として、前記Feの平均固溶量は0.01%未満であり、前記Mnの平均固溶量は、このMn平均固溶量と前記Mn含有量との比で、0.50以下であることとする。
また、本発明のボトル缶用アルミニウム合金冷延板の製造方法の要旨は、上記組成か、または上記組成に、更に、Cu:0.05〜0.5%、Cr:0.001〜0.3%、Zn:0.05〜0.5%から選択された一種または二種以上か、および/または、0.005〜0.2%のTiを単独で、又は0.0001〜0.05%のBと併せて含有する、いずれかの組成のアルミニウム合金鋳塊を、450℃以上、540℃未満の温度にて1回のみの均質化熱処理を行ったのちに、この温度範囲で熱間粗圧延を開始し、次いで、熱間仕上圧延、冷間圧延を順次行って、冷延板組織中の重心直径が2〜15μmの範囲のAl−Fe−Mn−Si系の分散粒子の平均個数密度を2500個/mm2 以上とし、更に、前記FeとMnとの平均固溶量を、熱フェノールによる残渣抽出法により粒子サイズが0.1μmを超える析出物と分離された溶液中の各々の含有量として、前記Feの平均固溶量は0.01%未満とし、前記Mnの平均固溶量は、このMn平均固溶量と前記Mn含有量との比で、0.50以下とすることである。
因みに、本発明で制御するのは、後述する通り、熱延される(均熱後の)鋳塊組織の組成比や平均固溶量、あるいは粗大な分散粒子の平均個数密度であるが、本発明でこれらを規定しているのは冷延板の状態においてである。これらの粗大な分散粒子は、製造条件にも勿論よるが、本発明の製造条件範囲とすれば、熱延や冷延を経ても、均熱後の状態がそのまま維持されて、熱延板や冷延板でも殆ど変化しない。このため、本発明では、これら熱延される(均熱後の)鋳塊組織を、分析が難しい鋳塊や熱延板などの中間製品ではなく、分析が容易な最終の缶素材である冷延板において(冷延板として)規定している。
本発明では、耳率の板幅方向のばらつき(代表的には板中央部と端部との平均耳率の差)を抑制するために、熱延板組織の板幅方向の均一な再結晶を保証する点は、従来と同様である。但し、従来とは全く逆に、前記均熱処理温度をできるだけ低い温度として、熱延される(均熱後の)鋳塊組織の、再結晶を促進する、粗大な分散粒子を一定量存在させる点が特徴的である。
耳率の板幅方向のばらつきの要因は、缶素材板の熱間圧延(熱延)終了後の再結晶の進行状況のばらつきである。この熱延工程では、導入されるひずみ量が比較的高い、缶素材板(熱延板)の板幅方向の端部側で再結晶が進行してしまうのに対し、導入されるひずみ量が低い、缶素材板(熱延板)の板幅方向の中央部側の、特に板厚中心部では、再結晶が起きにくくなる。この現象は、その後の冷間圧延後まで影響を及ぼし、最終板(成形缶)の耳として、大きなばらつきを示す結果になる。
これに対して、本発明では、最終板の耳率の板幅方向のばらつきを低減するために、成分組成と、前記均質化熱処理(均熱処理)後で熱延前の鋳塊の分散粒子状態を制御して、特に、この分散粒子を比較的粗大化させることが大きな特徴である。これによって、前記した缶素材板(熱延板)の板幅方向の中央部側の、特に板厚中心部の再結晶を促進させ、熱延板の板幅方向の再結晶率を均一化し、ひいては最終板耳率の板幅方向のばらつきを低減する。
このために、前記均熱処理温度は540℃未満のできるだけ低い温度として、晶出物をあまり固溶させず、また、固溶Fe量および固溶Mn量も低下させ、前記熱延板の再結晶の核生成サイトとなる直径2〜15μmの比較的粗大な分散粒子量を積極的に増加させる。
前記従来技術では、この反対に、前記した通り540℃以上の比較的高温の均熱処理を行ったり、2回の均熱処理を行ったりしているために、晶出物は固溶され、固溶Fe量および固溶Mn量も増して、前記熱延板の再結晶が進みにくい組織となっている。例えば、特許文献4では、再結晶させやすい組織を指向して、析出物の分布が密となる再結晶しにくい組織を防止しようとしているにもかかわらず、鋳塊に対して540〜610℃の高温で均質化熱処理を施している。
これでは、前記均質化熱処理を1回のみで行うなどの工程省略を行い、均熱温度も低くして、素材板の製造コストを低減した上で、缶素材板の耳率自体や耳率の板幅方向のばらつきを抑制できない。この結果、前記した、ボトル缶の中でも3ピースタイプの缶の、前記のカップ状の缶胴体成形時に残留する、缶胴体底部周縁部のフランジの量(トリミング量)を減らせない。
これに対して、本発明では、前記均質化熱処理を1回のみで行うなどの工程省略を行い、均熱温度も低くして、素材板の製造コストを低減した上で、缶素材板の耳率自体や耳率の板幅方向のばらつきを抑制できる。この結果、前記した、ボトル缶の中でも3ピースタイプの缶の、前記のカップ状の缶胴体成形時に残留する、缶胴体底部周縁部のフランジの量(トリミング量)を減らすことができる。
(Al合金冷延板組成)
先ず、本発明に係るアルミニウム合金冷延板(鋳塊)の化学成分組成(単位:質量%)について、各元素の限定理由を含めて、以下に説明する。
本発明におけるアルミニウム合金組成は、本発明ボトル缶用の冷間圧延板素材として、前記した缶への成形性や強度などの必要特性を満たし、かつ、前記本発明の規定する組織を化学成分組成の点から満たす必要がある。このため、質量%で、Mn:0.3〜1.2%、Mg:1.0〜3.0%、Fe:0.3〜0.7%、Si:0.1〜0.5%を含有し、前記FeとMnとの組成比Fe/Mnが0.6〜1.5の範囲であり、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成とする。
上記組成に加えて、更に、Cu:0.05〜0.5%、Cr:0.001〜0.3%、Zn:0.05〜0.5%から選択された一種または二種以上か、および/または、0.005〜0.2%のTiを単独で、又は0.0001〜0.05%のBと併せて含有しても良い。以下に各元素の規定の意義につき順に説明する。
Mn:0.3〜1.2%
Mnは強度の向上に寄与し、さらには成形性の向上にも寄与する有効な元素である。特に本発明の缶胴材(冷間圧延板)では、DI成形時にしごき加工が行われるため、Mnは極めて重要となる。Mnは、前記Al−Fe−Mn−Si系分散粒子(Mn系分散粒子)を形成し、その粗大な化合物が熱延板の再結晶促進に寄与する。また、製品板の高強度化にも有効である。
Mnの含有量が少な過ぎると、上記効果が発揮されない。このため、Mnの含有量は0.3%以上、好ましくは0.4%以上である。一方、Mnが過剰になると、固溶Mn量が多くなり過ぎ、熱延板での再結晶が困難になる。また、MnとAlとの初晶巨大金属化合物が晶出しやすくなり、成形性も低下する。それゆえ、Mn含有量の上限は1.2%、好ましくは1.1%、さらに好ましくは1.0%とする。
Mg:1.0〜3.0%、
Mgは単独で固溶強化によって強度を向上できる点で有効である。また、Mg−Si系の分散粒子を形成する効果もある。このためのMgの含有量は1.0%以上、好ましくは1.2%以上である。一方、Mgが過剰になると、加工硬化が生じやすくなるため、成形性が著しく低下する。したがって、Mg量の上限は3.0%、好ましくは2.5%である。
Mg含有量とMn含有量との組成比:
ここで、前記Mg含有量とMn含有量との組成比Mg/Mnが1.5以上8.0未満であることが好ましい。このMg含有量とMn含有量の組成比Mg/Mnが高いほど、Al−Fe−Mn−Si系の分散粒子よりも優先的にMg−Si系の分散粒子が生成して、その個数密度が増加する。この結果、重心直径が2〜15μmのMg−Si系の分散粒子の平均個数密度が250個/mm2以上と多くなる。Al−Fe−Mn−Si系の分散粒子よりも、このMg−Si系の分散粒子の方が、拡散速度が大きいために粗大化しやすく、再結晶の核生成サイトになりやすい。したがって、Mg含有量とMn含有量の組成比Mg/Mnが高く、Mg−Si系の分散粒子の個数密度が大きいほど、熱延板の再結晶が促進されて、耳率のばらつきがより小さくなる。これに対して、前記Mg含有量とMn含有量の組成比Mg/Mnが1.5未満の場合は、Mg−Si系の分散粒子の析出が少なくなり、平均個数密度が250個/mm2未満となって、再結晶を促進する粗大なMg−Si系の分散粒子が不足する。このため、前記Mg含有量とMn含有量との組成比Mg/Mnはより好ましくは2.0以上とする。ただ、一方で、このMg含有量とMn含有量との組成比Mg/Mnが8.0以上となった場合は、直径2〜15μmのAl−Fe−Mn−Si系の分散粒子の生成量が少なくなって、このAl−Fe−Mn−Si系の分散粒子の平均個数密度が2500個/mm2以上にならない可能性が出てくる。このため、熱延板組織の板幅方向の均一な再結晶を保証できない可能性も生じる。
Fe:0.3〜0.7%、
Feは結晶粒を微細化させる作用があり、さらには前記Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物を生成するため、その粗大な化合物が熱延板の再結晶促進に寄与する。また、Feは、Mnの晶出や析出を促進し、アルミニウム基地中のMn平均固溶量やMn系金属間化合物の分散状態を制御する点でも有用である。
このため、Feの含有量は0.3%以上、好ましくは0.4%以上とする。一方、Fe含有量が過剰になると、直径15μmを超えるサイズの巨大な初晶金属間化合物が発生しやすくなり、成形性が低下する。したがって、Fe含有量の上限は0.7%、好ましくは0.6%である。
ここで、本発明では、再結晶の核生成サイトとなる、前記直径2〜15μmの分散粒子(前記Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物)の量を積極的に増加させるために、FeとMnとの質量組成比(Fe/Mn)を0.6〜1.5、好ましくは0.7〜1.4とする。この比が0.6、より厳しくは0.7より小さい場合は、Mnに対するFeの含有量が少なすぎ、直径2〜15μmの分散粒子の生成量が少なくなって、平均個数密度が2500個/mm2以上にならない。一方、この比が1.5、より厳しくは1.4を超えると、分散粒子の個々のサイズが大きくなって、平均個数密度が2500個/mm2以上にならない。
Si:0.1〜0.5%
Siは、Al−Fe−Mn−Si系分散粒子の分散状態を制御するために有用な元素である。また、Mg−Si系の金属間化合物を生成し、前記Mg−Si系の分散粒子の分散状態を制御するためにも有用な元素である。これら金属間化合物が適正に分布している程、成形性を向上できる。このため、Siの含有量は0.1%以上、好ましくは0.2%以上とする。一方、Siが過剰になると、熱延板の再結晶が抑制されて、耳率のばらつきが大きくなる。このため、Si含有量の上限は0.5%、好ましくは0.4%とする。
Cu:0.05〜0.5%
Cuは、固溶強化によって強度を増加させる。このため、Cuを選択的に含有させる場合の下限量は0.05%以上、好ましくは0.1%以上とする。一方、Cuが過剰になると、高強度は容易に得られるものの、硬くなりすぎるために、成形性が低下し、さらには耐食性も劣化する。このため、Cu含有の上限量は0.5%、好ましくは0.4%とする。
Cuの他に、同効の強度向上元素としては、Cr、Znなどが挙げられる。この点、Cuに加えて、更に、Cr、Znの一種または二種を選択的に含有させることができる。
Cr:0.001〜0.3%。
Crも強度向上に効果的な元素である。Crの量は、例えば、0.001%以上、好ましくは0.002%以上である。一方Crが過剰になると、巨大晶出物が生成して成形性が低下する。Cr量の上限は、例えば、0.3%程度、好ましくは0.25%程度である。
Zn:0.05〜0.5%。
Znも強度向上に効果的な元素である。Znの量は0.05%以上、好ましくは0.06%以上である。一方Znが過剰になると耐食性が低下する。Zn量の上限は0.5%程度、好ましくは0.45%程度である。
Ti:0.005〜0.2%。
Tiは結晶粒微細化元素である。この効果を発揮させたい時には選択的に含有させる。その際のTiの含有量は0.005%以上、好ましくは0.01%以上とする。なお、Tiが過剰になると、巨大なAl−Ti系金属間化合物が晶出して成形性を阻害する。したがって、Ti含有量の上限は0.2%、好ましくは0.1%とする。
前記Tiは単独で含有させてもよいが、微量のBと共に含有してもよい。Bと併用すると、結晶粒の微細化効果がさらに向上する。このために選択的含有させる際のBの含有量は、0.0001%以上、好ましくは0.0005%以上とする。一方、Bが過剰になると、Ti−B系の粗大粒子が生成して成形性を低下させる。したがって、B含有量の上限は0.05%、好ましくは0.01%とする。
以上記載した元素以外は不可避的不純物であり、上記板特性を阻害しないために、含有量は基本的に少ない方が良いが、上記板特性を阻害しない範囲で、JIS規格などで記載された、3000系アルミニウム合金の各元素の上限値程度までの含有は許容される。
(冷延板組織)
次ぎに、本発明冷延板組織について、以下に説明する。本発明では、前記成分組成に加えて、熱延板組織の板幅方向の均一な再結晶を保証し、耳率の板幅方向のばらつき(代表的には板中央部と端部との平均耳率の差)を低減するために、熱延される(均熱後の)鋳塊の前記主要元素(Mn、Mg、Si、Fe、Cu)の組成比や平均固溶量、そして熱延される(均熱後の)鋳塊の組織の、再結晶を促進する粗大な分散粒子の平均個数密度を保証する。本発明で規定する、この粗大な分散粒子とは、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物およびMg−Si系の金属間化合物からなる二種類(二つ)の分散粒子である。
ちなみに、本発明で分散粒子を制御するのは、熱延される(均熱後の)鋳塊の前記組織であるが、段落0024で記載した理由で、本発明ではこれらを冷延板の状態において規定する。
前記FeとMnとの平均固溶量:
本発明では、熱延板組織の板幅方向の均一な再結晶を保証するために、熱延される(均熱後の)鋳塊の前記FeとMnとの平均固溶量を極力少なくする。固溶状態のFeとMnとは、熱延板組織の再結晶を妨げる機能が大きく、前記FeとMnとの平均固溶量を極力少なくしないと、製造コストを低減した、特に1回のみの均熱処理では、熱延板組織を板幅方向に均一な再結晶組織とはできない。
具体的には、冷延板の前記FeとMnとの平均固溶量を、熱フェノールによる残渣抽出法により粒子サイズが0.1μmを超える析出物と分離された溶液中の各々の含有量として、前記Feの平均固溶量は0.01%未満とする。また、前記Mnの平均固溶量は、このMn平均固溶量と前記Mn含有量との比で、0.50以下とする。
これらの平均固溶量の測定は、板幅方向の両端部と中央部から採取した、3個程度の試験材の固溶量測定結果を平均して算出する。なお、前記FeとMnとの平均固溶量を、熱フェノールによる残渣抽出法により、粒子サイズが0.1μmを超える析出物と分離された溶液中の各々の含有量とすることは、この残渣抽出法を含めて、前記特許文献6などでも公知である。
分散粒子の平均個数密度:
本発明では、熱延板組織の板幅方向の均一な再結晶を保証するために、熱延される(均熱後の)鋳塊組織の、再結晶を促進する粗大な分散粒子(Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物およびMg−Si系の金属間化合物)を、成形性を阻害しない範囲で、一定量存在させる。通常では、粗大な分散粒子は、強度やDI缶への成形性の低下を招きやすいために、極力微細化させる。従来の均熱処理温度が高いのも、このような理由による。具体的には、冷延板組織中の重心直径が2〜15μmの範囲のAl−Fe−Mn−Si系分散粒子の平均個数密度を2500個/mm2 以上とする。このような大きさのAl−Fe−Mn−Si系分散粒子の平均個数密度が2500個/mm2 未満では、再結晶を促進する粗大な分散粒子の数が不足し、熱延板組織の板幅方向の均一な再結晶効果や耳率のばらつき低減効果が保証できなくなる。ここで、重心直径が2〜15μmの範囲のAl−Fe−Mn−Si系分散粒子の平均個数密度の、想定される製造可能な上限値は、6000個/mm2 程度である。
また、本発明では、重心直径が2〜15μmのMg−Si系の分散粒子の平均個数密度を250個/mm2以上とすることが好ましい。このMg−Si系の分散粒子は、前記した通り、Al−Fe−Mn−Si系の分散粒子よりも拡散速度が大きいために粗大化しやすく、再結晶の核生成サイトになりやすい。したがって、このMg−Si系の分散粒子の個数密度が大きいほど、熱延板の再結晶が促進されて、耳率のばらつきがより小さくなる。これに対して、Mg−Si系の分散粒子の平均個数密度が250個/mm2未満となっては、粗大なMg−Si系の分散粒子の再結晶促進効果が得られず、Al−Fe−Mn−Si系分散粒子のみの再結晶促進効果や耳率のばらつき低減効果となり、発揮される効果が相対的に小さくなる可能性がある。ちなみに析出する個数(個数密度)は、Al−Fe−Mn−Si系分散粒子の方が圧倒的に多いために、全体の効果としてはAl−Fe−Mn−Si系分散粒子の方が大きく、熱延板組織の板幅方向の均一な再結晶効果や耳率のばらつき低減効果に対して支配的となる。したがって、本発明では、これらの効果を保証するために、冷延板組織中の重心直径が2〜15μmの範囲のAl−Fe−Mn−Si系分散粒子の方を必須の要件として規定し、重心直径2〜15μmのMg−Si系の分散粒子の平均個数密度を好ましい要件として規定する。ここで、重心直径が2〜15μmのMg−Si系の分散粒子の平均個数密度の、想定される製造可能な上限値は800個/mm2 程度である。
因みに、本発明でも、前記粗大な分散粒子の数が増すために、缶への成形性自体の低下は避けがたい。しかし、ボトル缶の場合は、前記した通り、前記DI缶の製造工程とは若干異なり、アルミニウム合金板(冷延板)の両面に熱可塑性樹脂被膜層(樹脂塗布又はフィルムラミネート)を形成した上で成形する。このため、熱可塑性樹脂被膜層の存在によって、缶への成形性が大きく向上しており、実際に、本発明者らが成形試験して確認した結果でも、素材アルミニウム合金板(冷延板)の成形性の低下が殆ど影響しないという利点がある。言い換えると、このようなボトル缶特有の事情によって、本発明が成立している。このため、前記熱可塑性樹脂被膜層を予め形成しないで、素材冷延板をそのまま成形する、通常のアルミニウム合金缶(DI缶)の場合は、前記粗大な分散粒子の数が増せば、やはり缶成形できない自体も起こりえる。
(分散粒子の個数密度の測定)
重心直径が2〜15μmの範囲の分散粒子の平均個数密度の測定は、冷延板組織の走査型電子顕微鏡(SEM)にて行なう。より具体的には、板厚中央部、圧延面上面の試験材を鏡面研磨し、研磨面の組織を、500倍のSEM(例えば日本電子製JSM−T330)により、約170μm×約170μm程度の大きさの各20視野の組織を観察し、mm2 当たりの平均個数密度に換算する。因みに、重心直径とは、不定形の分散粒子の最大の長さを円の直径とみなした際の、円相当径であり、たとえば、特開2009-191293号、特開2009-215643号、特開2009-228111号、特開2009-242904号、特開2008-266684号、特開2007-126706号、特開2006-104561号、特開2005-240113号など、アルミニウム合金分野での分散粒子などの大きさの規定として汎用されている。
この際、分散粒子相(金属間化合物相)を明瞭に観察するため、反射電子像の観察により観察する。これによれば、Al母材に比べてAl−Fe−Mn−Si系の分散粒子が白く、Mg−Si系の分散粒子が黒く見えるため、コントラストの違いから、これら分散粒子の各々の検出と区別とが明瞭にできる。これら分散粒子をトレースし、画像解析のソフトウエアとして、東芝製のTOSPIX−IIを用いて、各分散粒子の平均サイズ(重心直径の平均値)を画像解析により求める。測定した分散粒子の個数密度は、上記20視野の組織観察における平均値を算出した。なお、このSEMの測定方法にて、Al−Fe−Mn−Si系の分散粒子とMg−Si系の分散粒子とを識別した上での各々の平均個数密度の測定は可能であるが、念のために、前記SEMに付随するEDX装置を用いてAl−Fe−Mn−Si系の分散粒子とMg−Si系の分散粒子とを識別しても良い。このEDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)はEDSとも呼ばれ、SEMに付属し、電子線照射により発生する特性X線を検出して、エネルギーで分光することによって、分散粒子を構成する元素分析や組成分析を行うことができる。
(製造方法)
本発明における、ボトル缶の素材であるアルミニウム合金冷延板の製造方法は、従来の均熱、熱延、冷延の製造工程を大きく変えることなく製造が可能で、しかも、製造コストを低減させて、なおかつ耳率の板幅方向のばらつきを抑制することができる。
このための製造方法の要旨としては、前記した組成のアルミニウム合金鋳塊を、450℃以上、540℃未満の温度にて1回のみの均質化熱処理を行ったのちに、この温度範囲で熱間粗圧延を開始し、次いで、熱間仕上圧延、冷間圧延を順次行って、前記冷延板組織とする。
均熱条件:
製造コスト低減のために、均熱処理は1回のみとし、均熱温度は450℃以上、540℃未満の、比較的低温の範囲とする。前記した通り、本発明では、最終板の耳率の板幅方向のばらつきを低減するために、前記均質化熱処理(均熱処理)後で熱延前の鋳塊の分散粒子状態を制御し、特に、この分散粒子を比較的粗大化させることが大きな特徴である。前記均熱処理の温度は540℃未満のできるだけ低い温度として、晶出物をあまり固溶させず、また、固溶Fe量および固溶Mn量も低下させ、前記熱延板の再結晶の核生成サイトとなる直径2〜15μmの比較的粗大な分散粒子量を積極的に増加させる。
これによって、前記した缶素材板(熱延板)の板幅方向の中央部側の、特に板厚中心部の再結晶を促進させ、熱延板の板幅方向の再結晶率を均一化し、ひいては最終板耳率の板幅方向のばらつきを低減する。但し、450℃未満と、あまり均熱温度が低すぎると、鋳塊の均質化や熱延もできない。
前記従来技術では、この反対に、前記した通り540℃以上の比較的高温の均熱処理を行うために、均熱温度が高すぎ、晶出物を固溶させて、本発明が規定する、熱延板の再結晶を促進する比較的粗大な分散粒子が不足する。また、固溶Fe量および固溶Mn量も増して、前記熱延板の再結晶が進みにくい組織となっている。更に、2回の均熱処理を好ましい態様としているために、製造コストが低減できない。
なお、均熱時間(均質化時間)は、鋳塊を均質化できれば短い程望ましく、例えば12時間以下、好ましくは6時間以下とするのが望ましい。
熱延条件:
熱間圧延は、圧延する板厚に応じて、前記均熱処理後の鋳塊(スラブ)の粗圧延工程と、この粗圧延後の板厚が約40mm以下の板を、約4mm以下の板厚まで圧延する仕上げ圧延工程とから構成される。これら粗圧延工程や仕上げ圧延工程では、リバース式あるいはタンデム式などの圧延機が適宜用いられ、各々複数のパスからなる圧延が施される。
熱間粗圧延:
本発明では、前記均熱処理終了後の鋳塊は、一旦冷却して再加熱するような2回あるいは2段の均熱処理は行わず、1回のみの均熱処理とするために、前記した均熱温度、450℃以上、540℃未満の温度範囲で、熱間粗圧延を開始される。この粗圧延開始温度が450℃よりも低すぎると、粗圧延中に析出するAl−Fe−Mn−Si系金属間化合物の量が減って、固溶Mn量の割合が増加するため、熱延板の再結晶が抑制されるし、圧延自身も困難となる。一方、粗圧延開始温度の上限は均熱処理温度(上限540℃)で決まる。
この熱間粗圧延においては、板厚に応じて1パス当たりの圧下率を変え、板厚が厚い領域では比較的軽圧下とし、板厚が薄い領域では圧下率を比較的大きくすることが好ましい。例えば、鋳塊 (スラブ) の厚さが100mm以上の場合には1パス当たりで最大となる圧下率を25%未満とし、厚さが100mm未満となった場合には、この最大圧下率を30%以上とすることが好ましい。一方で、これら粗圧延におけるこの最大圧下率が小さ過ぎると、粗圧延での圧下量(歪み導入量)が不足し、熱延板の再結晶が十分に進行しなくなる。また、粗圧延におけるパス間の時間、当該の圧延実施(パス)から次の圧延実施(パス)までに要する時間(パス間の時間)もできるだけ短くする。パス間時間が長くなるほど、圧延で導入された歪みが回復するため、熱延板の再結晶が十分に進行しなくなる。このパス間の時間は、好ましくは100秒以内のできるだけ短い時間とする。ここでのパス間時間とは、板の長さ方向の中央位置でのミル通過時刻の差を示す。
この熱間粗圧延の終了温度は400℃以上とすることが好ましい。熱延を、粗圧延と仕上げ圧延とに分けて、かつ連続して実施するに際し、熱間粗圧延の終了温度が低くなり過ぎると、次工程の熱間仕上圧延で圧延温度が低くなって、エッジ割れが生じやすくなる。また、熱間粗圧延の終了温度が低くなり過ぎると、仕上圧延後に再結晶するために必要となる自己熱が不足しやすくなるため、熱延板の再結晶がすすまなくなり、板幅方向の再結晶の均一性が損なわれる。
熱間仕上圧延:
熱間粗圧延が終了したアルミニウム合金板は、連続的など、速やかに熱間仕上圧延する。速やかに熱間仕上圧延することによって、熱間粗圧延で蓄積された歪みが回復してしまうのを防止でき、その後に得られる冷間圧延板の強度を高めることができる。熱間粗圧延が終了したアルミニウム合金板は、例えば、5分以内、好ましくは3分以内に熱間仕上圧延することが好ましい。
熱間仕上圧延の終了温度は300〜360℃とすることが好ましい。熱間仕上圧延工程は、板を所定の寸法に仕上げる工程であり、圧延終了後の組織は自己発熱によって再結晶組織になるため、その終了温度は再結晶組織に影響を与える。熱間仕上圧延の終了温度を300℃以上とすることで、続く冷間圧延条件と併せて、最終板組織を板幅方向に均一な再結晶組織としやすい。熱間仕上圧延の終了温度が300℃未満では、上記本発明組織になりにくい。
一方、360℃を越えると、粗大なMgSi化合物などが析出して、成形性を阻害する。従って、熱間仕上圧延の終了温度の下限は300℃以上、好ましくは310℃以上とする。また、上限は360℃以下、好ましくは、350℃以下とする。
熱間仕上圧延機としては、スタンド数が3以上のタンデム式熱間圧延機を使用する。スタンド数を3以上とすることによって、1スタンドあたりの圧延率を小さくでき、熱延板の表面性状を保ちつつ歪みを蓄積することができる。このため、冷間圧延板及びそのDI成形体の強度をさらに高めることができる。
熱間 (仕上げ) 圧延終了後の合金板の板厚は、1.8〜3mm程度とするのが望ましい。板厚を1.8mm以上とすることによって、熱間圧延板の表面性状(焼付き、肌荒れなど)や板厚プロフィールの悪化を防止できる。一方、板厚が3mm以下とすることによって、冷間圧延板(通常、板厚:0.28〜0.35mm程度)を製造する際の圧延率が高くなりすぎるのを防止でき、DI成形後の耳率を抑制できる。
冷間圧延:
冷間圧延工程では、中間焼鈍することなく、複数のパス数による謂わば直通で圧延し、合計の圧延率を77〜90%にするのが望ましい。
冷間圧延後の板厚は、ボトル缶への成形上、0.28〜0.35mm程度とする。なお、冷間圧延工程では、圧延スタンドが2段以上直列に配置された、タンデム圧延機を使用することが望ましい。このようなタンデム圧延機を使用することにより、圧延スタンドが1段で、繰り返しパス(通板)を行なって所定板厚まで冷延するシングルの圧延機と比して、同じ合計冷延率でも、パス(通板)回数が少なくて済み、1回の通板における圧延率を高くすることができる。
調質処理:
冷間圧延後は、必要に応じて、再結晶温度よりも低い温度での仕上焼鈍(最終焼鈍)などの調質処理を行ってもよい。但し、前記したタンデム圧延機による冷延では、より低温で、かつ連続的に回復を生じさせ、サブグレインを生成することができるために、このような仕上焼鈍も基本的には不要である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
アルミ地金の他に缶材スクラップなども溶解原料として用いて、下記表1に示すA〜Nの成分組成のAl合金の溶湯を溶解し、DC鋳造法にて板厚600mm、幅2100mmの鋳塊を製造した。なお、表1において「−」で示す元素含有量は検出限界以下であることを示す。
これら成分組成の鋳塊を表2に示す条件に従って、均熱処理、熱間圧延を行なった。均熱処理(1回)は、表2に示す温度で4時間保持した。この均熱処理後に、熱間粗圧延として、スタンド数が1個のリバース熱間粗圧延機、熱間仕上圧延機として、スタンド数が4個のタンデム式熱間圧延機を使用して、熱間圧延を行なった。その際、熱間粗圧延終了後に熱間仕上圧延を開始する時間は3分以内とした。そして、共通して熱間仕上圧延後の板厚を2.5mmとしたアルミニウム合金熱間圧延板を製造した。
ここで、前記熱間粗圧延においては、板厚に応じて圧下率を変え、鋳塊の厚さが前記当初の板厚600mmから100mm以上までの板厚が厚い領域では、比較的軽圧下とするため、各例とも共通して、1パス当たりで最大となる圧下率を、好ましい25%未満の20%とし、15パス、粗圧延した。更に、鋳塊の厚さが100mm未満の粗圧延領域では、1パス当たりの最大の圧下率を表2に示す通り種々変えて、パス数は各例とも共通して4パスにて行った。この際、板厚が厚い領域や薄い領域での全粗圧延を通じた、パス間最大経過時間(秒)も表2に示す。
得られた熱間圧延板を、中間焼鈍することなく、ロールスタンドが2段のタンデム圧延機により1回のみの通板で冷間圧延し、共通して、最終板厚0.3mmのボトル缶胴用板材(冷間圧延板)を製造した。
冷延後のボトル缶胴用冷延板(コイル)から試験片を採取し、試験片の機械的な特性および試験片の組織として、重心直径が2〜15μmの範囲のAl−Fe−Mn−Si系の分散粒子とMg−Si系の分散粒子の各々の平均個数密度(個/mm)2 を、前記SEMを用いた測定方法で測定した。また、前記FeとMnとの平均固溶量を前記した方法により各々測定した。更に、試験片の耳率を測定、評価した。これらの結果を表2に示す。
(0.2%耐力測定)
0.2%耐力測定の引張試験はJIS Z 2201にしたがって行うとともに、試験片形状はJIS 5 号試験片で行い、試験片長手方向が圧延方向と一致するように作製した。また、クロスヘッド速度は5mm/分で、試験片が破断するまで一定の速度で行った。
(耳率)
耳率は、板幅方向の耳率のばらつきとして、板中央部と端部との耳率の差を見るために、このボトル缶胴用冷延板の幅方向の中央部と(いずれかの)端部の二箇所からブランクを採取した。そして、潤滑油[D.A.Stuart社製、ナルコ147]を塗布した上で、エリクセン試験機によって、40%深絞り試験、カップ状に成形して、板中央部と端部との平均耳率を各々調査した。試験条件は、ブランクの直径=66.7mm、ポンチの直径=40mm、ダイス側肩部のRを2.0mm、ポンチの肩R=3.0mm、しわ押さえ圧=400kgfで行なった。
このように得られたカップの開口周縁部の8方向(圧延方向を0°として、0°方向、45°方向、90°方向、135°方向、180°方向、225°方向、270°方向、及び315°方向)に生じる山谷の形状を測定し、平均耳率を算出した。
本発明においては、平均耳率が0%〜+3.5%の範囲を許容範囲とした。この平均耳率の算出方法は、ボトル缶胴用板材をDI成形することによって得られる前記カップの展開図に基づく、前記従来技術にも開示される、公知の方法で行った。すなわち、前記カップの展開図の圧延方向を0°として、0°、90°、180°、及び270°方向に生じる耳の高さ(T1,T2,T3,T4;マイナス耳と称する)を測定し、45°、135°、225°、及び315°方向に生じる耳の高さ(Y1,Y2,Y3,Y4;プラス耳と称する)を測定する。なお各高さY1〜Y4,T1〜T4は、カップの底部からの高さ
である。そして各測定値から、次式に基づいて平均耳率を算出する。
平均耳率(%)=[{(Y1+Y2+Y3+Y4)−(T1+T2+T3+T4)}/{1/2×(Y1+Y2+Y3+Y4+T1+T2+T3+T4)}]×100
表2から明らかなように、発明例1〜11は、本発明成分組成を有し、かつ、冷延板組織中の重心直径が2〜15μmの範囲の分散粒子の平均個数密度が2500個/mm2 以上であり、更に、前記FeとMnとの平均固溶量が、熱フェノールによる残渣抽出法により粒子サイズが0.1μmを超える析出物と分離された溶液中の各々の含有量として、前記Feの平均固溶量は0.01%未満であり、前記Mnの平均固溶量は、このMn平均固溶量と前記Mn含有量との比で、0.50以下である。
この結果、発明例1〜11は、表2から明らかなように、1回のみの、しかも低温の均熱処理、中間焼鈍なしという、安価なコストの製造方法でも、平均耳率自体が低く、板幅方向の耳率のばらつきが小さい。この発明例の中から、Fe/Mn比が規定している下限値あるいは上限値の付近である発明例6と7を除くと、Mg/Mn比が大きいほど、板幅方向の耳率のばらつき(板中央部と端部との平均耳率の差)が小さくなっている傾向が裏付けられる。すなわち、板中央部と端部との平均耳率の差は、発明例8、5=0.5>発明例1、4=0.4>発明例2=0.3>発明例3=0.2の順に低くなっており、Fe/Mn比が最も高い発明例3が最も優れる。また、Fe/Mn比が同等のレベル同士の発明例で比較すると、好ましいMg/Mn比およびMg−Si系の分散粒子の平均個数密度の規定を満たす発明例2、3は、これら好ましい規定を満たさない発明例1、8と比較して、板中央部と端部との平均耳率の差がより小さくなっていることが分かる。
これに対して、比較例12〜16は、発明例と同じ好ましい製造条件で製造されている。しかし、アルミニウム合金組成が本発明成分組成から外れる。このため、本発明の規定を外れる組織となっている。この結果、1回のみの、しかも低温の均熱処理、中間焼鈍なしという、安価なコストの製造方法では、平均耳率自体が高く、板幅方向の耳率のばらつきも大きくなっている。
また、比較例17〜19は、本発明成分組成ではあるものの、1回のみの均質化熱処理温度、前記熱間粗圧延の終了温度の条件が前記好ましい条件から外れるために、本発明の規定を外れる組織となっている。この結果、比較例18は平均耳率自体が高く、板幅方向の耳率のばらつきも大きくなっている。また、比較例17と19は、熱延割れが生じたため、表2に斜線を引いた通り、熱延後の冷延を実施しなかった。
以上の結果から、板幅方向の耳率のばらつきを抑制するための、本発明の各要件の臨界的な意義が分かる。
Figure 2011202273
Figure 2011202273
以上説明したように、本発明によれば、ボトル缶の素材であるアルミニウム合金冷延板の製造コストを低減させ、なおかつ耳率の板幅方向のばらつきを抑制することが可能である。また、前記3ピースタイプのボトル缶では、耳率自体を低く、そして耳率の板幅方向のばらつきを抑制できれば、特にトリミングにて除去される前記フランジの量(トリミング量)を減らせることとなって、材料の歩留りを向上できる。したがって、本発明は、ボトル缶の中でも、3ピースタイプの缶用途に好適である。

Claims (6)

  1. 質量%で、Mn:0.3〜1.2%、Mg:1.0〜3.0%、Fe:0.3〜0.7%、Si:0.1〜0.5%を含有し、前記FeとMnとの組成比Fe/Mnが0.6〜1.5の範囲であり、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成を有し、冷延板組織中の重心直径が2〜15μmの範囲のAl−Fe−Mn−Si系の分散粒子の平均個数密度が2500個/mm2 以上であり、更に、前記FeとMnとの平均固溶量が、熱フェノールによる残渣抽出法により粒子サイズが0.1μmを超える析出物と分離された溶液中の各々の含有量として、前記Feの平均固溶量は0.01%未満であり、前記Mnの平均固溶量は、このMn平均固溶量と前記Mn含有量との比で、0.50以下であることを特徴とする、板幅方向の耳率のばらつきが小さいボトル缶用アルミニウム合金冷延板。
  2. 前記Mg含有量とMn含有量との組成比Mg/Mnが1.5以上8.0未満である請求項1に記載の板幅方向の耳率のばらつきが小さいボトル缶用アルミニウム合金冷延板。
  3. 前記アルミニウム合金冷延板が、更に、Cu:0.05〜0.5%、Cr:0.001〜0.3%、Zn:0.05〜0.5%から選択された一種または二種以上を含有する請求項1または2に記載の板幅方向の耳率のばらつきが小さいボトル缶用アルミニウム合金冷延板。
  4. 前記アルミニウム合金冷延板が、更に、0.005〜0.2%のTiを単独で、又は0.0001〜0.05%のBと併せて含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の板幅方向の耳率のばらつきが小さいボトル缶用アルミニウム合金冷延板。
  5. 請求項1〜4のいずれかの組成のアルミニウム合金鋳塊を、450℃以上、540℃未満の温度にて1回のみの均質化熱処理を行ったのちに、この温度範囲で熱間粗圧延を開始し、次いで、熱間仕上圧延、冷間圧延を順次行って、冷延板組織中の重心直径が2〜15μmの範囲のAl−Fe−Mn−Si系の分散粒子の平均個数密度を2500個/mm2 以上とし、更に、前記FeとMnとの平均固溶量を、熱フェノールによる残渣抽出法により粒子サイズが0.1μmを超える析出物と分離された溶液中の各々の含有量として、前記Feの平均固溶量は0.01%未満とし、前記Mnの平均固溶量は、このMn平均固溶量と前記Mn含有量との比で、0.50以下とすることを特徴とする、板幅方向の耳率のばらつきが小さいボトル缶用アルミニウム合金冷延板の製造方法。
  6. 前記熱間粗圧延の終了温度を400℃以上とする請求項5に記載の板幅方向の耳率のばらつきが小さいボトル缶用アルミニウム合金冷延板の製造方法。
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