JP2013163786A - 感光性シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

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透 日下部
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Abstract

【課題】厚膜に成形でき、耐光性に優れ、光硬化後に高温下に晒しても、重量減少及び寸法変化が小さく、耐クラック性も良好な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】特定のシラン化合物(a1)及び該シラン化合物(a1)の加水分解縮合生成物であるポリシロキンサン化合物(a2)の一方又は両方と、シリカ粒子(b)とを含むシリカ粒子混合物(A):100質量部、並びに光重合開始剤(B):0.01〜50質量部を含む感光性シリコーン樹脂組成物であって、該シリカ粒子混合物(A)が光重合性官能基を有し、該感光性シリコーン樹脂組成物を29SiNMR法によって測定したときのピーク面積から求められるシラノール量割合が0.2以下である、感光性シリコーン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に光学用途を目的とした各種部材、特にプラスチックレンズ、レプリカ材、表面被覆材、及びインプリント材料として有用な感光性シリコーン樹脂組成物に関する。
光学材料として、ガラスは透明性、高い耐熱・耐光性、寸法安定性等により、広範囲に使用されてきているが、重量が重い、割れやすい、高コストである、生産性が悪い等の理由から樹脂に置き換えたいという要求があり、様々な光学樹脂が開発されてきた。光学樹脂として、ポリカーボート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー等の熱可塑性樹脂が広く使用されている。しかしながら、熱可塑性樹脂は、リフロー耐熱性が不足しているため用途が限定されている。
耐熱性が優れる光学樹脂としてシリコーンの熱硬化性樹脂が広く使用されているが、シリコーンの熱硬化性樹脂はシロキサン結合の柔軟性が低いため、架橋基を多く導入すると、脆い成形体しか得られず、厚い成形体を得ようとすると、線膨張係数が高く、ガラス転移点が低いものしか得られないといった欠点がある。
シリコーンの熱硬化性樹脂を改良する方法として種々の方法が提案されている。例えば線膨張係数を下げる方法としては、一般に、無機フィラーを添加する方法が挙げられる。しかしながら、この方法では、線膨張係数が下がるものの、無機フィラーの粒径が一般に大きいため、シリコーン樹脂と無機フィラーとの屈折率差があることより、成形体の透明性が失われてしまう。
かかる状況下、前記した問題を改善するために、例えば、以下の特許文献1に記載されるように、粒径が小さいコロイダルシリカを使用した樹脂が多数報告されている。
一方、硬化プロセスを簡便化させるため従来の熱硬化型樹脂から光硬化型樹脂への転換要求が増しつつある。
以下の特許文献2〜5には、粒径が小さいコロイダルシリカを、光重合性官能基を有する化合物を用いて、均一分散した光硬化型樹脂が報告されている。また、以下の特許文献5には、かご型シルセスキオキサン、シリカ粒子、及びアクリレートモノマーからなる樹脂組成物が報告されている。
特許第2851915号公報 特許第3072193号公報 特開2009−102628号公報 特許第4352847号公報 国際公開第2006−035646号公報
特許文献2及び3に記載された硬化物は透明性と剛性に優れているものの、元々ハードコート用途に設計されたものであることから、厚膜化すると耐クラック性が低いという問題がある。
また、特許文献4に記載された硬化物は、元々ホログラム用途に設計されたものであり、無溶剤での厚膜化は難しいという問題がある。
特許文献5に記載された樹脂組成物からなる硬化物は線膨張係数が低いものの、組成物中の光重合性官能基の量が多く、硬化収縮が大きくなり、また、得られた硬化物は厚くすると脆くなるという問題がある。
かかる状況下、厚膜に成形でき、耐光性に優れ、硬化後に高温下に晒しても、重量減少及び寸法変化が小さく、耐クラック性も良好な光硬化樹脂が未だ切望されている。したがって、本発明が解決しようとする課題は、厚膜に成形でき、耐光性に優れ、光硬化後に高温下に晒しても、重量減少及び寸法変化が小さく、耐クラック性が良好な樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく、鋭意検討し実験を重ねた結果、予想外に以下の構成により前記課題が解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1] 以下の成分:
下記一般式(1):
1 n1SiX1 4-n1 (1)
{式中、R1は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;であり、n1は、0〜3の整数であり、X1は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のR1及びX1は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種類以上のシラン化合物(a1)及び該シラン化合物(a1)の加水分解縮合生成物であるポリシロキンサン化合物(a2)の一方又は両方と、シリカ粒子(b)とを含むシリカ粒子混合物(A):100質量部、並びに
光重合開始剤(B):0.01〜50質量部
を含む感光性シリコーン樹脂組成物であって、
該シリカ粒子混合物(A)が、光重合性官能基を有し、
該感光性シリコーン樹脂組成物を29SiNMR法によって測定したときのピーク面積から、下記計算式(2):
シラノール量割合=(D1×1+T1×2+T2+Q1×3+Q2×2+Q3)/[M1+(D1+D2)×2+(T1+T2+T3)×3+(Q1+Q2+Q3+Q4)×4] (2)
{式中、
M1とは、O原子と結合している結合手の数が1つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、
D1とは、O原子と結合している結合手の数が2つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、
D2とは、O原子と結合している結合手の数が2つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が2個のもののピーク面積であり、
T1とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、
T2とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が2個のもののピーク面積であり、
T3とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が3個のもののピーク面積であり、
Q1とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、
Q2とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が2個のもののピーク面積であり、
Q3とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が3個のもののピーク面積であり、そして
Q4とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が4個のもののピーク面積である。}
に従って求められるシラノール量割合が、0.2以下である、感光性シリコーン樹脂組成物。
[2] 該シリカ粒子混合物(A)が、該シラン化合物(a1)及び該ポリシロキサン化合物(a2)の一方又は両方、並びにシリカ粒子(b)が縮合した縮合反応物である、上記[1]に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[3] 該シリカ粒子混合物(A)が、該ポリシロキサン化合物(a2)と該シリカ粒子(b)との縮合反応物、若しくは該シラン化合物(a1)及び該ポリシロキサン化合物(a2)と該シリカ粒子(b)との縮合反応物、又はこれらの組合せである、上記[1]又は[2]に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[4] 該シリカ粒子混合物(A)において、該シラン化合物(a1)が光重合性官能基を有し、若しくは該ポリシロキサン化合物(a2)が光重合性官能基を有し、又はこれらの組合せである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[5] 該ポリシロキンサン化合物(a2)が、該一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)の内、n1が1であるシラン化合物を含む原料の加水分解縮合生成物である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[6] 該ポリシロキンサン化合物(a2)が、該一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)の内、n1が1であるシラン化合物及びn1が2であるシラン化合物を含む原料の加水分解縮合生成物である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[7] 該シリカ粒子混合物(A)100質量%中の該シリカ粒子(b)の含有率が1質量%以上80質量%以下である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[8] 該シリカ粒子(b)が、アルコキシシランから湿式法により作製されたシリカ粒子である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[9] 該シリカ粒子(b)の平均一次粒子径が、1nm以上100nm以下である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[10] 該シリカ粒子混合物(A)が、Si−O−Y{式中、Yは、R2又はSiR3 3であり、R2及びR3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基であり、複数存在するR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。}で表される末端構造を有し、かつ下記式(3):
0<[Si−O−SiR3 3]/([Si−O−R2]+[Si−O−SiR3 3])≦1 (3)
{式中、R2及びR3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基であり、[Si−O−SiR3 3]は、シリカ粒子混合物(A)中に存在するSi−O−SiR3 3の数であり、そして[Si−O−R2]は、シリカ粒子混合物(A)中に存在するSi−O−R2の数である。}を満たす、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[11] 該Si−O−SiR3 3で表される末端構造が、下記一般式(4):
3 3SiX2 (4)
{式中、R3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;であり、X2は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在するR3は、同一でも異なっていてもよい。}又は下記一般式(5):
3 3SiNHSiR3 3 (5)
{式中、R3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;であり、複数存在するR3は、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種類以上のケイ素化合物(c)に由来する、上記[10]に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[12] 該Si−O−SiR3 3で表される末端構造が、該シラン化合物(a1)及びポリシロキサン化合物(a2)の一方又は両方並びにシリカ粒子(b)、又はこれらの縮合反応物を、該ケイ素化合物(c)と反応させて得られたものである、上記[11]に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[13] 該ケイ素化合物(c)が、該一般式(4)で表されるケイ素化合物の内、X2がハロゲン原子であるケイ素化合物である、上記[11]又は[12]に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[14] 該シリカ粒子混合物(A)のピーク分子量が1000以上200,000以下である、上記[1]〜[13]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[15] 該シリカ粒子混合物(A)の分子量500以下のエリア分率が20%以下である、上記[1]〜[14]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[16] 該光重合開始剤(B)が、光ラジカル重合開始剤である、上記[1]〜[15]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[17] 分子内に光重合性官能基を有し、かつ該シラン化合物(a1)及び該ポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)をさらに含む、上記[1]〜[16]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[18] 該化合物(C)が、炭素環及び複素環からなる群から選ばれる1種以上の環を分子内に1つ以上含む化合物を含む、上記[17]に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[19] 該シリカ粒子混合物(A)中の光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ノルボルネイル基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、若しくは
感光性シリコーン樹脂組成物が、分子内に光重合性官能基を有し、かつ該シラン化合物(a1)及び該ポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)をさらに含み、かつ該化合物(C)が有する光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ノルボルネイル基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、又は
これらの組合せである、上記[1]〜[18]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[20] 該シリカ粒子混合物(A)中の光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基及びスチリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、若しくは
感光性シリコーン樹脂組成物が、分子内に光重合性官能基を有し、かつ該シラン化合物(a1)及び該ポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)をさらに含み、かつ該化合物(C)が有する光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基及びスチリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、又は
これらの組合せである、上記[19]に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[21] 該シリカ粒子混合物(A)中の光重合性官能基がエポキシ基及びメルカプト基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、若しくは
感光性シリコーン樹脂組成物が、分子内に光重合性官能基を有し、かつ該シラン化合物(a1)及び該ポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)をさらに含み、かつ該化合物(C)が有する光重合性官能基がエポキシ基及びメルカプト基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、又は
これらの組合せである、上記[19]に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[22] 酸化防止剤及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種類以上の安定剤(D)をさらに含む、上記[1]〜[21]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[23] 光重合性官能基当量が、0.5mmol/g以上4.5mmol/g以下である、上記[1]〜[22]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
[24] 以下の工程:
下記一般式(1):
1 n1SiX1 4-n1 (1)
{式中、R1は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基であり、n1は、0〜3の整数であり、X1は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のR1及びX1は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種類以上のシラン化合物(a1)及び該シラン化合物(a1)の加水分解縮合生成物であるポリシロキサン化合物(a2)の一方又は両方と、シリカ粒子(b)とを含む混合物を縮合反応させて中間縮合物を得る第1の工程、
該中間縮合物に触媒を添加し、該中間縮合物を更に縮合反応させてシリカ粒子混合物(A)を得る第2の工程、
得られたシリカ粒子混合物(A)と光重合開始剤(B)とを混合する第3の工程、
を含む、感光性シリコーン樹脂組成物の製造方法。
[25] 該第1の工程において、該シラン化合物(a1)及び該ポリシロキサン化合物(a2)の一方又は両方と、シリカ粒子(b)とを混合して第1の混合物を形成し、該第1の混合物に、下記一般式(4):
3 3SiX2 (4)
{式中、R3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;であり、X2は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在するR3は同一でも異なっていてもよい。}又は下記一般式(5):
3 3SiNHSiR3 3 (5)
{式中、R3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;である。}で表される1種類以上のケイ素化合物(c)をさらに加えて第2の混合物を形成し、該第2の混合物を縮合反応させて該中間縮合物を得る、上記[24]に記載の方法。
[26] 該第3の工程において、分子内に光重合性官能基を有し、かつ該シラン化合物(a1)及び該ポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)、並びに酸化防止剤及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種類以上の安定剤(D)をさらに混合する、上記[24]又は[25]に記載の方法。
[27] 上記[1]〜[23]のいずれかに記載の感光性シリコーン樹脂組成物に、主波長が200〜500nmである光を照射する硬化工程を含む、感光性シリコーン樹脂組成物の硬化物の製造方法。
[28] 該硬化工程の後、100℃以上300℃以下でのベーク工程をさらに含む、上記[27]に記載の方法。
[29] 上記[27]又は[28]に記載の方法によって得られた、硬化物。
[30] 上記[27]又は[28]に記載の方法により製造された、プラスチックレンズ。
[31] 上記[27]又は[28]に記載の方法により製造された、レプリカ材。
[32] 上記[27]又は[28]に記載の方法により製造された、表面被覆材。
本発明の感光性シリコーン樹脂組成物は、厚膜に成形でき、耐光性に優れ、さらに、光硬化後に高温下に晒しても、重量減少及び寸法変化が小さく、耐クラック性に優れる硬化物を形成できる。
ポリマー1の29Si−NMR測定結果を示す図である。 Q成分について波形分離したポリマー1の29Si−NMR測定結果を示す図である。
<感光性シリコーン樹脂組成物>
本発明の感光性シリコーン樹脂組成物は、光重合性官能基を有するシリカ粒子混合物(A):100質量部と、光重合開始剤(B):0.01〜50質量部とを含み、該感光性シリコーン樹脂組成物のシラノール量割合が0.2以下と低いことを特徴としている。光重合性官能基および光重合開始剤を含むことで優れた硬化性を持たせることができ、シリカ粒子を混合することで剛性と耐光性に優れ、さらにシラノール量割合が0.2以下と低くすることで、高温下に晒した場合のシラノールの縮合を減らすことができるため、重量減少及び寸法変化を小さくすることができ、さらに厚膜に成形した場合にも耐クラック性に優れる。
シラノール量割合とは、29SiNMR法によって得られるピーク面積から、下記計算式(2):
シラノール量割合=(D1×1+T1×2+T2+Q1×3+Q2×2+Q3)/[M1+(D1+D2)×2+(T1+T2+T3)×3+(Q1+Q2+Q3+Q4)×4] (2)
に従って求めたものである。
式中、M1とは、O原子と結合している結合手の数が1つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、D1とは、O原子と結合している結合手の数が2つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、D2とは、O原子と結合している結合手の数が2つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が2個のもののピーク面積であり、T1とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、T2とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が2個のもののピーク面積であり、T3とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が3個のもののピーク面積であり、Q1とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、Q2とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が2個のもののピーク面積であり、Q3とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が3個のもののピーク面積であり、そしてQ4とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が4個のもののピーク面積である。
ここで言うシラノールは、Si−OHに加え、Si−OR10{式中、R10は、水素原子;又は炭素数1〜10の有機基;である。}を包含することを意図する。
シラノール量割合は、高温下でのシラノールの縮合を低減する観点から0.2以下であり、好ましくは0.15以下であり、より好ましくは0.1以下である。シラノール量割合は低いほど好ましいが、分子量増加の観点から、例えば0.02以上、さらに0.04以上であってもよい。
感光性シリコーン樹脂組成物のシラノール量割合を低くするためには、シリカ粒子混合物(A)のシラノール量割合を低くすることが好ましい。
本発明の感光性シリコーン樹脂組成物は、少なくともシリカ粒子混合物(A)と光重合開始剤(B)とを含む。感光性シリコーン樹脂組成物は、分子内に光重合性官能基を有する化合物(C)(本開示で、化合物(C)ともいう)、並びに/又は、酸化防止剤及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種以上の安定剤(D)(本開示で、酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤(D)ともいう)をさらに含んでもよい。本発明に係る感光性シリコーン樹脂組成物を構成する各成分について、以下、詳細に説明する。
[シリカ粒子混合物(A)]
シリカ粒子混合物(A)は、少なくとも、後述のシラン化合物(a1)及び/又は後述のポリシロキサン化合物(a2)と、シリカ粒子(b)とを含む。
[シラン化合物(a1)及びポリシロキサン化合物(a2)]
本発明に用いるポリシロキサン化合物(a2)は、下記一般式(1):
1 n1SiX1 4-n1 (1)
{式中、R1は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;であり、n1は、0〜3の整数であり、X1は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のR1及びX1は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種類以上のシラン化合物(a1)、又はその縮合物を加水分解し(但し、該シラン化合物がシラノール基を有する場合は必須ではない)、次いで縮合して得られた生成物である。
一般式(1)中のR1は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基である。炭素数1〜20の有機基としては、メチル、エチル、n―プロピル、i-プロピル、ブチル(n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、及びsec-ブチル)、ペンチル(n―ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル等)、ヘキシル(n−ヘキシル、i−ヘキシル、シクロヘキシル等)、ヘプチル(n−ヘプチル、i−ヘプチル等)、オクチル(n−オクチル、i−オクチル、t―オクチル等)、ノニル(n−ノニル、i−ノニル等)、デシル(n−デシル、i−デシル等)、ウンデシル(n−ウンデシル、i−ウンデシル等)、ドデシル(n−ドデシル、i−ドデシル等)等の非環式又は環式の脂肪族炭化水素基;ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、スチレニル等の非環式及び環式のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル等のアラルキル基;PhCH=CH−基等のアラアルケニル基;フェニル基、トリル基、スチリル基、キシリル基等のアリール基;4−アミノフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ビニルフェニル基等の置換アリール基;メタクリロイル基、アクリロイル基、スチリル基、ノルボルニル基、グリシジル基、及びメルカプト基等の重合性結合基を含む基;等が挙げられる。
また、炭素数1〜20の有機基は、前記した各種の有機基の主鎖骨格の一部が、エーテル結合、エステル基(又は結合)、水酸基、チオール基、チオエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボン酸無水物結合、チオール基、チオエーテル結合、スルホン基、アルデヒド基、エポキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アミド基(又は結合)、イミド基(又は結合)、イミノ基、ウレア基(又は結合)、ウレタン基(又は結合)、イソシアネート基、シアノ基等の極性基(又は極性結合)、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、等から選ばれる置換基で部分置換されたものであってもよい。複数存在する場合のR1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
中でも好ましいR1の例は、屈折率の観点から、メチル基、シクロヘキシル基、フェニル基等、反応性基を導入する観点から、メタクリロイル基、アクリロイル基、スチリル基、ノルボルニル基、グリシジル基、及びメルカプト基等である。
1は、それぞれ独立に、水酸基、並びに加水分解可能な置換基であるハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれ、具体的には、例えば、水酸基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;及びアセトキシ基等が挙げられ、この中でも塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;及びアセトキシ基は、ポリシロキサン化合物(a2)合成時の縮合反応の反応性が高いため好ましい。複数存在する場合のX1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3ジメチル−ブチリデン)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(p−ビニルベンジル)−N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン塩酸塩、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジクロロメチルシラン、トリクロロシラン等のアルキルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等の不飽和炭化水素基含有クロロシラン;トリフェニルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等の芳香族基含有クロロシラン;ジメチルシクロヘキシルクロロシラン、ジシクロヘキシルメチルクロロシラン、ジシクロヘキシルジクロロシラン、メチルシクロヘキシルジクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、ジメチルシクロペンチルクロロシラン、ジシクロペンチルメチルクロロシラン、ジシクロペンチルジクロロシラン、メチルシクロペンチルジクロロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン等の脂肪族基含有クロロシラン;アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、アクリロキシプロピルトリクロロシラン、メタクロキシプロピルジメチルクロロシラン、メタクロキシプロピルメチルジクロロシラン、メタクロキシプロピルトリクロロシラン、スチリルジメチルクロロシラン、スチリルメチルジクロロシラン、及びスチリルトリクロロシラン;等が挙げられる。
上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)は、単独で使用しても構わないし、複数の種類のシラン化合物を使用することも、硬化前の流動性のコントロール、及び硬化物の屈折率、硬度等のコントロールが可能になるため、好ましい。
上記一般式(1)中のn1は0〜3の整数である。上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)の内、n1が1であるシラン化合物を少なくとも使用することは、分子量増加の観点から好ましい。また、上記一般式(1)で表されるシラン化合物の内、n1が1であるシラン化合物とn1が2であるシラン化合物とを併せて使用することは、硬化成形物の硬化後の耐クラック性の観点から、好ましい。
以下、上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)及び/又はその縮合物を用いたポリシロキサン化合物(a2)の製造手順の例について説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
ポリシロキサン化合物(a2)は、上記一般式(1)で表される1種類以上のシラン化合物(a1)及び/又はその縮合物に、水を添加することによって製造することが好ましい。水の添加量としては、上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)中のX1の合計モル数に対して0.1当量〜10当量(モル基準)の範囲が好ましく、より好ましくは0.4当量〜8当量の範囲である。水の添加量が0.1当量以上であると、ポリシロキサン化合物(a2)の分子量が上がるため好ましく、10当量以下であることは、縮合反応により得られるポリシロキサン化合物(a2)生成物の溶液のポットライフを長くする観点から好ましい。重縮合に用いる上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)のX1が全て水酸基である場合、水を加えず縮合させてもよい。
ポリシロキサン化合物(a2)を触媒の存在下での縮合反応により製造する場合、加水分解及び縮合がより進みやすくなり、シラノール量割合を下げられるため好ましい。
触媒の種類としては、酸触媒、塩基触媒及び金属アルコキシドが挙げられる。具体的には、酸触媒として無機酸及び有機酸が挙げられる。上記無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられる。上記有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸等が挙げられる。塩基触媒の例として、無機塩基では、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩:炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸水素塩:等が挙げられる。有機塩基では、アンモニア、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等のトリアルキルアミン;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の炭素数1〜4のN,N−ジアルキルアニリン誘導体;ピリジン、2,6−ルチジン等の、炭素数1〜4のアルキル置換基を有していてもよいピリジン誘導体等を挙げられる。また、金属アルコキシドとしては、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−n−プロポキシボロン、トリ−iso−プロポキシボロン、トリ−n−ブトキシボロン、トリ−iso−ブトキシボロン、トリ−sec−ブトキシボロン、トリ−tert−ブトキシボロンテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−iso−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラ−n−プロポキシゲルマニウム、テトラ−iso−プロポキシゲルマニウム、テトラ−n−ブトキシゲルマニウム、テトラ−iso−ブトキシゲルマニウム、テトラ−sec−ブキシゲルマニウム、テトラ−tert−ブトキシゲルマニウム、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−iso−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニウム、テトラ−nブトキシジルコニウム、テトラ−iso−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム等が挙げられる。これらの触媒は、1種で又は2種以上を混合して用いることができる。また、使用される触媒の量が、ポリシロキサン化合物(a2)を製造する際の反応系のpHを0.01〜6.9もしくは7.1〜13.99の範囲に調整する量であることが、ポリシロキサン化合物(a2)の重量平均分子量を良好に制御できるため、好ましい。またポリシロキサン化合物(a2)の製造後、酸又は塩基でpHの調整を行っても構わない。
ポリシロキサン化合物(a2)を製造するための縮合反応は、有機溶媒中で行うことができる。縮合反応に使用できる有機溶媒としては、例えば、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、脂肪族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、アミド化合物等が挙げられる。
上記アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールのような一価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールのような多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルのような多価アルコールのモノエーテル;等が挙げられる。
上記エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等が挙げられる。
上記エーテルとしては、上記の多価アルコールのモノエーテルの他に、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルのような多価アルコールの水酸基の全てをアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル;及び、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す。)等が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記アミド化合物としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
以上の溶媒の中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、PGMEA等のエーテル溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びN−メチルピロリドン;等が水と混合し易く、ポリシロキサン化合物(a2)とシリカ粒子(b)との縮合反応時に、ポリシロキサン化合物(a2)中にシリカ粒子(b)を分散させ易いため、好ましい。
これらの溶媒は単独で使用してもよいし、複数の溶媒を組み合わせて使用しても構わない。また、上記溶媒を用いずにバルク中で反応を行ってもよい。
ポリシロキサン化合物(a2)を製造する際の反応温度は、特に制限は無いが、好ましくは−50℃以上200℃以下、より好ましくは0℃以上150℃以下の範囲である。上記の範囲で反応を行うことにより、ポリシロキサン化合物(a2)の分子量を良好に制御することができる。
また、ポリシロキサン化合物(a2)はチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ゲルマニウム、ホウ素、リン、窒素、炭素、ガリウム、クロム等の、酸化物を形成する元素を含んでもよい。
[シリカ粒子(b)]
本発明において用いるシリカ粒子(b)とは、電子顕微鏡でその形状及び粒径が確認可能なものである。
使用されるシリカ粒子(b)としては、例えば、乾式法で作製されるヒュームドシリカ、湿式法で作製されるコロイダルシリカ等が挙げられる。
上記ヒュームドシリカは、ケイ素原子を含む化合物を気相中で酸素及び水素と反応させることによって得ることができる。原料となるケイ素化合物としては、例えば、ハロゲン化ケイ素(例えば、四塩化ケイ素等)等が挙げられる。
コロイダルシリカは、原料化合物を加水分解及び縮合するゾルゲル法、又はケイ酸ソーダの縮合により合成することができる。ゾルゲル法から得られるものとしては、例えば、アルコキシケイ素(例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等)、ハロゲン化シラン化合物(例えば、ジフェニルジクロロシラン等)等を例えばアンモニア又はアミン触媒によって加水分解縮合重合によるものが挙げられる。アルコキシケイ素又はハロゲン化シラン化合物は、それぞれ単独で使用してもよいし、複数の化合物を使用してもよい。中でも、金属、ハロゲン等の不純物は少ないことが好ましく、線膨張係数が小さい等の観点から、アルコキシシランから得られた、湿式法で作製されるコロイダルシリカがより好ましい。アルコキシシランの好適例はテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等である。
シリカ粒子(b)の平均一次粒子径は1nm以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上20nm以下であることがより好ましく、2nm以上15nm以下であることが更に好ましい。上記平均一次粒子径が1nm以上である場合、硬化物の硬度が向上するため好ましく、100nm以下である場合、透明性が向上するため好ましい。
シリカ粒子(b)の平均二次粒子径は、2nm以上250nm以下であることが好ましく、2nm以上80nm以下であることがより好ましい。上記平均二次粒子径が2nm以上である場合、硬度が向上するため好ましく、平均二次粒子径が250nm以下である場合、硬化物の波長領域300nm以下の光に対する透明性が向上するため好ましい。
上記平均一次粒子径は、BETの比表面積から計算で求められる値又は走査型電子顕微鏡の観察から求められる値である。平均二次粒子径は、動的光散乱光度計で測定される値である。
シリカ粒子(b)の形状は、球状、棒状、板状若しくは繊維状又はこれらの2種類以上が合体した形状であることができるが、好ましくは球状である。尚、ここでいう球状とは、真球状の他、回転楕円体、卵形等を含む略球状を意図する。
シリカ粒子(b)の比表面積は、シラン化合物(a1)及び/又はポリシロキサン化合物(a2)とシリカ粒子(b)との縮合反応物の粘度、及び硬化物の硬度の観点から、BET比表面積で、25m2/g以上1400m2/g以下であることが好ましく、35m2/g以上1400m2/g以下であることがより好ましい。上記BET比表面積は、N2分子の圧力とガス吸着量とから計算される方法で測定される値である。
また、シリカ粒子(b)はチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ゲルマニウム、ホウ素、リン、窒素、炭素、ガリウム、クロム等の酸化物を形成する元素を含んでもよい。
シリカ粒子(b)を分散する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、PGMEA等のエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミン系溶媒;等が挙げられる。これらは、シラノール基を有するシリカ粒子(b)を分散させ易いため好ましい。溶媒はこれらの混合溶媒でも構わない。使用される分散溶媒の種類は、使用されるシリカ粒子(b)の表面修飾基によって変わる。
シリカ粒子(b)としては、上記の要件に適合するものを好ましく使用できるが、制限は無く、市販品を使用することもできる。
市販品としては、コロイダルシリカとして、例えば、LEVASILシリーズ(H.C.Starck(株)製)、メタノールシリカゾルIPA−ST、同MEK−ST、同NBA−ST、同XBA−ST、同DMAC−ST、同ST−UP、同ST−OUP、同ST−20、同ST−40、同ST−C、同ST−N、同ST−O、同ST−50、同ST−OL(以上、日産化学工業(株)製)、クオートロンPLシリーズ(扶桑化学(株)製)、OSCALシリーズ(触媒化成工業(株)製)等;粉体状のシリカ粒子として、例えば、アエロジル130、同300、同380、同TT600、同OX50(以上、日本アエロジル(株)製)、シルデックスH31、同H32、同H51、同H52、同H121、同H122(以上、旭硝子(株)製)、E220A、E220(以上、日本シリカ工業(株))、SYLYSIA470(富士シリシア(株)製)、SGフレーク(日本板硝子(株)製)等が挙げられ、粉体状のシリカ粒子として、例えば、アエロジル130、同300、同380、同TT600、同OX50(以上、日本アエロジル(株)製)、シルデックスH31、同H32、同H51、同H52、同H121、同H122(以上、旭硝子(株)製)、E220A、E220(以上、日本シリカ工業(株)製)、SYLYSIA470(富士シリシア(株)製)、SGフレーク(日本板硝子(株)製)等が挙げられる。
<シリカ粒子混合物(A)の製造>
シリカ粒子混合物(A)は、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)と、シリカ粒子(b)とを含む。シリカ粒子混合物(A)は、シリカ粒子(b)とポリシロキサン化合物(a2)とを混合し、又はシリカ粒子(b)とポリシロキサン化合物(a2)及び上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)とを混合し、又はシリカ粒子(b)と上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)とを混合して得ることができる。ポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)、並びにシリカ粒子(b)は化学結合していなくても化学結合していてもよいが、シラノール量割合が低くなるため、縮合反応によって共有結合していることが好ましい。好ましい態様において、シリカ粒子混合物(A)は、シラン化合物(a1)及びポリシロキサン化合物(a2)の一方又は両方、並びにシリカ粒子(b)が縮合した縮合反応物である。
また、硬化成形物のクラック耐性の観点から、ポリシロキサン化合物(a2)を含む成分とシリカ粒子(b)とを縮合反応させて得られるシリカ粒子混合物(A)が好ましい。すなわち、シリカ粒子混合物(A)は、ポリシロキサン化合物(a2)とシリカ粒子(b)との縮合反応物、若しくはシラン化合物(a1)及びポリシロキサン化合物(a2)とシリカ粒子(b)との縮合反応物、又はこれらの組合せであることが好ましい。
ポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)とシリカ粒子(b)とを溶媒中で混合することで、これらを縮合させることができる。溶媒としては、水若しくは有機溶媒又はこれらの混合溶媒を使用することができる。使用される有機溶媒の種類は、使用されるシリカ粒子(b)の分散媒によって変わる。使用されるシリカ粒子(b)の分散媒が水系の場合は、水及び/又はアルコール系溶媒をシリカ粒子(b)の水分散媒に加えてからシリカ粒子(b)をポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)と反応させてもよいし、シリカ粒子(b)の水分散液中の溶媒を一度アルコール系溶媒に置換してから、シリカ粒子(b)をポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)と反応させてもよい。
ポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)とシリカ粒子(b)との縮合反応の際の溶媒及びシリカ粒子(b)の置換溶媒として使用できるアルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール等が挙げられ、これらは、水と容易に混合するため好ましい。
使用されるシリカ粒子(b)の分散媒がアルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶媒である場合には、水又はアルコール、エーテル、ケトン、エステル等の溶媒を縮合反応において使用することができる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等が挙げられる。エーテル溶媒としては、例えば、ジメトキシエタン、PGMEA等が挙げられる。ケトン溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エステル溶媒としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。炭化水素溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
シリカ粒子(b)と、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又はシラン化合物(a1)との縮合は、酸性雰囲気下又は塩基性雰囲気下のどちらで行われても構わない。pHの範囲としては、3〜10の範囲が好ましく、5〜9の範囲がより好ましい。上記範囲で縮合反応を行うと、ゲル化及び白濁が起きずに縮合反応させることができるため好ましい。縮合反応の際に触媒を用いてもよく、用いることができる酸触媒、塩基触媒又は金属アルコキシドとしてはポリシロキサン化合物(a2)の製造に用いるものと同じ触媒を挙げることができる。ポリシロキサン化合物(a2)の製造後に触媒を取り除いてもよいが、ポリシロキサン化合物(a2)製造後に触媒を取り除かずそのままシリカ粒子(b)を反応させる場合は、触媒を再度加えなくても、ポリシロキサン化合物(a2)を製造する際に使用した触媒でポリシロキサン化合物(a2)とシリカ粒子(b)との反応を行うことができる。また、ポリシロキサン化合物(a2)とシリカ粒子(b)との反応時に改めて触媒を加えても構わない。
また、ポリシロキサン化合物(a2)を製造する際に酸触媒を添加した場合、シリカ粒子(b)とポリシロキサン化合物(a2)とを反応させる際に、ポリシロキサン化合物(a2)に塩基触媒を添加し、中和又は塩基側にして、縮合反応させても構わない。
ポリシロキサン化合物(a2)及び/又はシラン化合物(a1)とシリカ粒子(b)との縮合反応物を製造する際の反応温度は、特に制限は無いが、好ましくは−50℃以上200℃以下、より好ましくは0℃以上150℃以下の範囲である。上記の範囲で反応を行うことにより、ゲル化及び白濁が起きずに縮合反応させることが出来るため好ましい。
ポリシロキサン化合物(a2)及び/又はシラン化合物(a1)とシリカ粒子(b)との縮合反応の際に使用される水は、上記から選ばれる溶媒を加えた後に、例えば、蒸留等の方法によって取り除き、縮合反応物中の水分及び/又はアルコールを1質量%以下にすることが好ましい。水分及び/又はアルコールの含有量が上記範囲内であると、本発明の感光性シリコーン樹脂組成物を硬化させる際に、収縮が低減され、クラックが入りにくくなるために好ましい。
ポリシロキサン化合物(a2)合成時の縮合反応後、及び/又は、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又はシラン化合物(a1)とシリカ粒子(b)との縮合反応後に、蒸留、抽出による洗浄、又はイオン交換等の方法により触媒を取り除くことで、縮合反応物のpHを6以上8以下に調整することが好ましい。pHが上記範囲内であると、感光性シリコーン樹脂組成物のポットライフが長くなるため好ましい。
感光性シリコーン樹脂組成物のシラノール量割合を0.2以下とするために、シリカ粒子混合物(A)のシラノール量割合が低いことが好ましい。シリカ粒子混合物(A)のシラノール量割合を低くする方法として、例えば、シリカ粒子混合物(A)製造時に、シラノールの縮合反応を積極的に進める方法が挙げられる。シラノールの縮合反応を積極的に進める方法としては、例えば、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又はシラン化合物(a1)とシリカ粒子(b)との縮合反応物を製造する際の反応時間を長くすること、あるいは、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又はシラン化合物(a1)とシリカ粒子(b)との縮合反応物に追加の触媒を加え、pHの範囲をより強い酸性、あるいはより強い塩基性の雰囲気とすることが挙げられる。
特に、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又はシラン化合物(a1)とシリカ粒子(b)との縮合反応物に追加の触媒を加え、縮合反応を進行させる方法は、シラノール量割合の低減効果を良好に得る観点から好ましい。使用できる触媒としては、ポリシロキサン化合物(a2)の製造において前述したものが挙げられる。追加の触媒の添加後の反応条件としては、酸性雰囲気下又は塩基性雰囲気下のどちらで行われても構わない。pHの範囲としては、1〜6または8〜13の範囲が好ましく、2〜6または7〜12の範囲がより好ましい。
シリカ粒子混合物(A)のシラノール量割合を低くする方法として、シリカ粒子混合物(A)の末端構造Si−O−Y{式中、Yは、R2又はSiR3 3であり、R2及びR3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基であり、複数存在するR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。}が、下記式(3):
0<[Si−O−SiR3 3]/([Si−O−R2]+[Si−O−SiR3 3])≦1 (3)
{式中、R2及びR3は、前記定義の通りであり、[Si−O−SiR3 3]は、シリカ粒子混合物(A)中に存在するSi−O−SiR3 3の数であり、そして[Si−O−R2]は、シリカ粒子混合物(A)中に存在するSi−O−R2の数である。}を満たすようにすることも挙げられる。
2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1から20の有機基である。
末端構造Si−O−R2は、Si−O結合を有し、別の分子との重縮合反応によりSi−O−Si結合を有することができる。尚、シリカ粒子混合物(A)は「末端構造Si−O−Y」以外の末端構造を含んでいてもよい。
また、式(3)中の[Si−O−SiR3 3]及び[Si−O−R2]は、29SiNMR測定から算出することができ、[Si−O−SiR3 3]はM1で表され、[Si−O−R2]はD1、T1の二倍量、T2及びQ1の三倍量、Q2の二倍量、及び(Q3)の和として表される。
[Si−O−SiR3 3]/([Si−O−R2]+[Si−O−SiR3 3])の値が0より大きいと感光性シリコーン樹脂組成物中のシラノール量割合を下げることができ、好ましい。上記値は、好ましくは0.1以上0.9以下、さらに好ましくは0.2以上0.8以下である。
Si−O−SiR3 3構造は、後述するようなケイ素化合物(c)に由来することができる。シラン化合物(a1)として用いる化合物のうち少なくとも1種類が、ケイ素化合物(c)の定義に包含される化合物である場合、Si−O−SiR3 3構造はポリシロキサン化合物(a2)が有することになる。一方、ケイ素化合物(c)が、用いるシラン化合物(a1)と異なる場合、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又はシラン化合物(a1)並びにシリカ粒子(b)の縮合反応時にケイ素化合物(c)も反応させることによって、あるいはポリシロキサン化合物(a2)及び/又はシラン化合物(a1)並びにシリカ粒子(b)を縮合反応させた後、生成物にケイ素化合物(c)をさらに反応させることによって、Si−O−SiR3 3構造を形成できる。シラノール量割合のより良好な低減の観点から、ケイ素化合物(c)を反応させた後、前述したような、追加の触媒の添加によるさらなる縮合反応を進行させることが好ましい。
[ケイ素化合物(c)]
ケイ素化合物(c)(本開示で、M1成分ともいう)は、シラノール基又はアルコキシ基と反応してSi−O−Si結合を形成する能力を有する部位をSi原子1つ当たり1つ有する化合物である。好ましい例としては、
下記一般式(4):
3 3SiX2 (4)
{式中、R3は、水素原子;又は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の有機基;であり、X2は水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のR3は同一でも異なっていてもよい。}で表される化合物(すなわち、一般式(1)で表されるシラン化合物のうち、n1が3である化合物)、
下記一般式(5):
3 3SiNHSiR3 3 (5)
{式中、R3は、水素原子;又は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の有機基;であり、複数存在する場合のR3は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表されるジシラザン化合物、
下記一般式(6):
7 3SiH (6)
{式中、R7は、水素原子;又は炭素数1〜10の有機基;であり、複数存在するR7は同一でも異なっていてもよい。}で表されるシラン化合物、
下記一般式(7):
8 3SiSiR8 3 (7)
{式中、R8は、水素原子;又は炭素数1〜10の有機基;であり、複数存在するR8は同一でも異なっていてもよい。}で表されるジシラン化合物、
下記一般式(8):
9 3SiNHCONHSiR9 3 (8)
{式中、R9は、水素原子;又は炭素数1〜10の有機基;であり、複数存在するR9は同一でも異なっていてもよい。}で表されるウレア化合物、
下記一般式(9):
10 3SiOSiR10 3 (9)
{式中、R10は、水素原子;又は炭素数1〜10の有機基;であり、複数存在するR10は同一でも異なっていてもよい。}で表されるジシロキサン化合物、さらに、
N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフロロアセトアミド、トリメチルシリルトリフロロメタンスルホネート等が挙げられる。
好ましい態様において、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又はシラン化合物(a1)並びにシリカ粒子(b)を縮合させる際に、上記のM1成分を共存させ、これらを縮合させることができる。
ケイ素化合物(c)は、1種で又は2種以上の組み合わせで使用できる。また、上記ケイ素化合物(c)は、ニートで加えてもよく、後述の活性水素を持たない溶媒中に希釈して加えてもよい。2種類以上の組み合わせで使用する場合には、製造時に一度に加えても、段階的に加えてもよい。
上記一般式(4)中のR3は、水素原子又は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の有機基であり、具体的には、R1について例示した有機基が挙げられる。中でも耐熱性の観点から水素原子、ビニル基、メチル基、エチル基、フェニル基、アクリロキシメチル基、アクリロキシエチル基、アクリロキシプロピル基、メタクリロキシメチル基、メタクリロキシエチル基、メタクリロキシプロピル基、スチリル基、及びノルボルネイル基が好ましい。
上記一般式(4)中のX2は、水酸基又は加水分解可能な置換基であり、X1について先に例示した置換基であることができ、中でもSi−O−Si結合の形成し易さの観点から、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;及びアセトキシ基であることが好ましい。
ケイ素化合物(c)として使用できる一般式(4)の化合物においては、シラノールとの反応性の観点から、X2がハロゲン原子であることが好ましく、特にCl原子であることがより好ましい。
2がCl原子であるハロゲン化シランとしては、具体的には、トリメチルクロロシラン、ジメチルクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン等のアルキルクロロシラン;ジメチルビニルクロロシラン等の不飽和炭化水素基含有クロロシラン;トリフェニルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン等の芳香族基含有クロロシラン;ジメチルシクロヘキシルクロロシラン、ジシクロヘキシルメチルクロロシラン、ジメチルシクロペンチルクロロシラン、ジシクロペンチルメチルクロロシラン等の脂肪族基含有クロロシラン;アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、メタクロキシプロピルジメチルクロロシラン、スチリルジメチルクロロシラン等のラジカル重合性不飽和炭素二重結合を有するクロロシラン;等が挙げられる。
一般式(5)中のR3は、水素原子又は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の有機基であり、具体的には、R1について例示した有機基が挙げられる。中でも、耐熱性の観点からメチル基、エチル基、シクロヘキシル基及びフェニル基が好ましい。
一般式(5)で表されるシリルアミン類としては、具体的には、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザンリチウム、テトラメチルジシラザンリチウム、ジビニルテトラメチルジシラザンリチウム、ヘキサメチルジシラザンナトリウム、テトラメチルジシラザンナトリウム、ジビニルテトラメチルジシラザンナトリウム、ヘキサメチルジシラザンカリウム、テトラメチルジシラザンカリウム、ジビニルテトラメチルジシラザンカリウム等が挙げられる。
ケイ素化合物(c)の使用量は、ポリシロキサン化合物(a2)及び上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)のうちn1が0〜2であるものが有するシラノールの合計量(ポリシロキサン化合物(a)及び/又はシラン化合物(a1)並びにシリカ粒子(b)の縮合時にケイ素化合物(c)も反応させる場合)、又は、ポリシロキサン化合物(a)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)並びにシリカ粒子(b)の縮合生成物が持つシラノール量(該縮合生成物に対してケイ素化合物(c)を更に反応させる場合)に対して、モル当量で、好ましくは0.1倍〜10倍、より好ましくは0.5倍〜5倍、さらに好ましくは0.7倍〜2倍、最も好ましくは0.7倍〜1.5倍である。上記使用量は、耐熱性の観点から、0.1倍以上であることが好ましく、収率の観点から10倍以下であることが好ましい。尚、上記シラノール量は、それぞれ、29SiNMR分析より算出する。
反応性及び耐熱性の観点から、ケイ素化合物(c)としては、上記一般式(4)で表される化合物のうち、R3が水素原子又は炭素数1〜10の有機基である化合物、及び上記一般式(5)で表される化合物、からなる群から選ばれる1種類以上の化合物が好ましい。
シリカ粒子混合物(A)を得るにあたって、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)とシリカ粒子(b)とをワンポットで混合して製造してもよいし、ポリシロキサン化合物(a2)を製造してからシリカ粒子(b)を混合してもよいし、ポリシロキサン化合物(a2)を製造してからシリカ粒子(b)を混合し、さらにポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)を混合してもよい。
また、さらにケイ素化合物(c)を縮合させる際、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)、シリカ粒子(b)並びにケイ素化合物(c)(シラン化合物(a1)の少なくとも一部として、又はシラン化合物(a1)とは別の成分として)を同時に縮合させてもよいし、ポリシロキサン化合物(a)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)を加水分解縮合反応させる際にケイ素化合物(c)(シラン化合物(a1)の少なくとも一部として、又はシラン化合物(a1)とは別の成分として)を同時に縮合させてからシリカ粒子(b)と反応させてもよいし、ポリシロキサン化合物(a2)を得た後、これをケイ素化合物(c)と反応させてからシリカ粒子(b)と反応させてもよいし、先にシリカ粒子(b)とケイ素化合物(c)とを反応させてからポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)を反応させてもよいし、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)並びにシリカ粒子(b)の縮合反応物を得てから、さらにケイ素化合物(c)を反応させてもよい。反応性の観点から、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又は上記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)並びにシリカ粒子(b)の縮合反応物を得た後、生成物にさらにケイ素化合物(c)を反応させるのが好ましい。
ケイ素化合物(c)が、アルコキシシランである場合は、上記ポリシロキサン化合物(a2)とシリカ粒子(b)との反応と同様の方法を用いてケイ素化合物(c)を縮合反応させることができる。
ケイ素化合物(c)が、ハロゲン化シラン、ジシラザン誘導体等のように活性水素との反応性が高いものである場合は、ケイ素化合物(c)の反応を、水、アルコール等の活性水素を持たない溶媒中で行うことが好ましい。好ましい溶媒としては、例えば、エステル、ケトン、エーテル、脂肪族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、アミド化合物等が挙げられる。
上記エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等が挙げられる。
上記エーテルとしては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルのような多価アルコールの水酸基の全てをアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル;多価アルコールの水酸基のすべてをアルキルエーテル化及び/又はエステル化した多価アルコールエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、PGMEA等;等が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記アミド化合物としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの溶媒は単独で使用してもよいし、複数の溶媒を組み合わせて使用しても構わない。また、上記溶媒を用いずにバルク中で反応を行ってもよい。
低分子量成分のポリマー生成が少なく、耐熱性が良好な樹脂を得られる点で、水の含有量が0.0001〜5質量%である反応系中でケイ素化合物(c)を反応させることが好ましい。
ケイ素化合物(c)として一般式(4)で表される化合物を用いる際の反応には、縮合速度の観点から、有機塩基を、触媒又はケイ素化合物の捕捉剤として用いることが好ましい。
有機塩基としては、例えば、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。これらの有機塩基は、1種で又は2種以上を混合して使用できる。
有機塩基の使用量は、ケイ素化合物(c)の種類によって変わり、ケイ素化合物(c)がハロゲン化シランの場合には、ケイ素化合物(c)のモル当量に対して、0.1倍以上20倍当量以下であることが、シリル化反応の進行し易さの観点から好ましく、0.5倍以上10倍当量以下であることがより好ましい。有機塩基はハロゲン化シランの捕捉剤となり、副生塩を生じさせる。
ケイ素化合物(c)がアルコキシシランの場合には、ケイ素化合物(c)の使用量は、有機塩基に対して0.001当量以上2当量以下(モル基準)であることが好ましい。
ケイ素化合物(c)として一般式(4)で表される化合物を用いる際の反応温度は、特に制限は無いが、好ましくは−78℃以上200℃以下、より好ましくは−20℃以上150℃以下の範囲である。
ケイ素化合物(c)として一般式(4)で表される化合物を用いる際の反応後は、水洗、抽出、析出、イオン交換、ろ過等の方法で、発生した塩酸塩、及び反応系中の有機塩基を除去、精製することが好ましい。これらの方法により、本発明で用いるシリカ粒子混合物(A)のpHを6以上8以下に調整することが好ましい。pHが上記範囲内であると、本発明の感光性シリコーン樹脂組成物のポットライフが長くなるため好ましい。
ケイ素化合物(c)として一般式(5)で表される化合物を用いる際に有機塩基が発生する場合、反応は、縮合速度及び系中のpH制御の観点から、発生した有機塩基を系中から除去するために、不活性ガスを用いてバブリングを行ってもよい。反応後は、水洗、抽出、析出、イオン交換、ろ過等の方法で、発生した塩酸塩、金属アミド及び反応系中の有機塩基を除去、精製することが好ましい。これらの方法により、本発明で用いるシリカ粒子混合物(A)のpHを6以上8以下に調整することが好ましい。pHが上記範囲内であると、本発明の感光性シリコーン樹脂組成物のポットライフが長くなるため好ましい。
ケイ素化合物(c)として一般式(5)で表される化合物を用いる際の反応温度は、特に制限は無いが、好ましくは−78℃以上200℃以下、より好ましくは−20℃以上150℃以下の範囲である。
シリカ粒子混合物(A)の精製の際には、上記から選ばれる溶媒を加えた後に分液、蒸留等の方法等によって系中の水を取り除くことが好ましい。
シリカ粒子混合物(A)中に含まれる水分は1質量%以下であることが好ましい。この場合、感光性シリコーン樹脂組成物を硬化させる際に、重量の低下が少なく、収縮が低減され、クラックが入り難くなるため好ましい。水分の含有量は、例えば、ガスクロマトグラム、又はカールフィッシャー法で測定できる。
また、シリカ粒子混合物(A)中に含まれる溶媒は、1質量%以下であることが好ましい。この場合、感光性シリコーン樹脂組成物を硬化させる際に、重量の低下が小さく、収縮が低減され、クラックが入り難くなるため好ましい。溶媒の含有量は、例えば、ガスクロマトグラムを用いて測定できる。
シリカ粒子混合物(A)100質量%中のシリカ粒子(b)の含有率は、1質量%以上80質量%以下であることが好ましい。上記含有率は、硬化膜の硬度向上の観点から、1質量%以上が好ましく、該縮合反応物の粘度の観点から、80質量%以下が好ましい。上記含有率は、より好ましくは10質量%以上70質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以上60質量%以下である。本開示において、「反応成分」とは、シリカ粒子混合物(A)を形成するために用いる原料化合物のうち、縮合性化合物(これはシリカ粒子混合物(A)において縮合構造を形成しうる)について、Si原子に結合している1つの加水分解性基(具体例は、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、又はアセトキシ基)(シリカ粒子(b)以外の縮合性化合物について)及びSi原子に結合している1つの酸素原子(シリカ粒子(b)について)を、それぞれ1/2酸素原子に置き換えた構造の成分と定義する。シリカ粒子(b)以外の縮合性化合物は、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又は一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)とケイ素化合物(c)とを含む。そして、本開示で、「シリカ粒子混合物(A)100質量%中のシリカ粒子(b)の含有率」とは、シリカ粒子混合物(A)を形成するために用いる全原料化合物(上記縮合性化合物についてはこれに対応する反応成分)の合計量を100質量%としたときの、シリカ粒子(b)に対応する反応成分の質量の割合を意味する。シリカ粒子(b)に対応する反応成分の質量は、反応に使用したシリカ粒子(b)の質量より算出される。
シリカ粒子混合物(A)は光重合性官能基を有する。本明細書中で光重合性官能基とは、光を照射することで重合することができる官能基であり、光重合開始剤(B)の存在下、光照射による重合反応が1種類の官能基で起こるものも、2種類以上の官能基を組み合わせることではじめて重合が起こるものも含む。光重合の種類としては、ラジカル重合、カチオン重合及びエンチオール反応による付加反応が挙げられる。
光重合性官能基としては(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタン、ビニルエーテル、メルカプト基、スチリル基、ノルボルネイル基、ビニル基、アリル基、及びその他の不飽和炭素結合を有する基が挙げられ、これらの各種の炭化水素含有基の水素原子又は主鎖骨格の一部が、炭化水素基、エーテル結合、エステル基(又は結合)、水酸基、チオエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボン酸無水物結合、チオエーテル結合、スルホン基、アルデヒド基、アミノ基、置換アミノ基、アミド基(又は結合)、イミド基(又は結合)、イミノ基、ウレア基(又は結合)、ウレタン基(又は結合)、イソシアネート基、シアノ基等の極性基(又は極性結合)あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等から選ばれる置換基で部分置換されたものでもよい。
中でもシリカ粒子混合物(A)中の光重合性官能基は、シリカ粒子混合物(A)の合成時の反応性の観点から、好ましくは(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ノルボルネイル基、エポキシ基、及びメルカプト基から選ばれ、硬化性の観点から、より好ましくは(メタ)アクリロイル基及び/又はスチリル基であり、硬化収縮の観点から、さらに好ましくはエポキシ基及び/又はメルカプト基である。
本発明においては、光重合性官能基は縮合反応等でシリカ粒子(b)表面に修飾してもよいが、耐クラック性の観点から、ポリシロキサン化合物(a2)及び/又は一般式(1)中のn1が0〜2であるシラン化合物(a1)が光重合性官能基を含有することが好ましい。また、これに代えて、又はこれに加えて、ケイ素化合物(c)が光重合性官能基を含有することも好ましい。
特に、上記一般式(1)中のn1が0〜2であるシラン化合物(a1)、ポリシロキサン化合物(a2)、及び上記一般式(4)又は上記一般式(5)で表されるケイ素化合物(c)のうち少なくともいずれかがラジカル重合可能な不飽和炭素二重結合基を含有し、該ラジカル重合可能な不飽和炭素二重結合基が結合しているケイ素原子の割合が、これらの成分に含まれる全ケイ素原子のうち5mol%以上80mol%以下であることが好ましく、10mol%以上70mol%以下であることがより好ましく、15mol%以上50mol%以下であることがさらに好ましい。上記割合を5mol%以上にすることで、硬化物を高硬度にすることができ、80mol%以下にすることで、硬化物を高耐熱性、高耐光性、及び低収縮にすることができる。
上記割合は、シリカ粒子混合物(A)を製造するために用いる成分のモル比から算出することができ、反応に使用した原料のモル比と溶液又は固体で1HNMR分析及び29SiNMR分析をすることによって算出することができる。
シリカ粒子混合物(A)は、ピーク分子量が1000以上200,000以下であることが好ましい。また、シリカ粒子混合物(A)の分子量500以下のエリア分率は、20%以下であることが好ましい。シリカ粒子混合物(A)のピーク分子量、及び分子量500以下のエリア分率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より、標準ポリメチルメタクリレート換算にて求めることができる。
シリカ粒子混合物(A)の分子量500以下のエリア分率は、(分子量500以下におけるエリア面積)/(全エリア面積)より求めた値である。シリカ粒子混合物(A)の分子量500以下のエリア分率が20%以下の場合、光硬化物を高温下に晒した場合の揮発成分が少なくなり、熱重量減少が小さく抑えられるため好ましい。エリア分率はより好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下である。
ピーク分子量とは、ゲルパーミエーションによる測定強度が最大値を示す分子量である。分子量分布が複数のピークとして表れる場合は、最大値を有するピークからピーク分子量を得る。シリカ粒子混合物(A)のピーク分子量は1000以上が好ましい。1000以上であると、硬化物を高温下に晒した場合の耐クラック性が良好であるため、好ましい。ピーク分子量は、より好ましくは1200以上であり、さらに好ましくは1500以上である。またピーク分子量は200,000以下が好ましい。200,000以下であると、シリカ粒子混合物(A)の粘度が高くなりすぎず取扱いしやすいため好ましい。ピーク分子量は、より好ましくは150,000以下であり、さらに好ましくは100,000以下である。
[光重合開始剤(B)]
本発明に係る感光性シリコーン樹脂組成物は、感光性を付与する目的で、光重合開始剤(B)を含む。光重合開始剤(B)を添加することにより感光性シリコーン樹脂組成物の光ラジカル重合及び/又は光カチオン重合を進行させることができる。好ましい光重合開始剤(B)としては、波長365nmの光に吸収を持つ以下の化合物が挙げられる。
(光ラジカル重合開始剤)
(1)ベンゾフェノン誘導体:例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、
(2)アセトフェノン誘導体:例えば、トリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、フェニルグリオキシル酸メチル、(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン)(BASF株式会社製IRGACURE(登録商標)127)、
(3)チオキサントン誘導体:例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、
(4)ベンジル誘導体:例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、
(5)ベンゾイン誘導体:例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン、
(6)オキシム系化合物:例えば、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF株式会社製IRGACURE(登録商標) OXE01)、エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−、1−(O−アセチルオキシム)(BASF株式会社製IRGACURE(登録商標) OXE02)、
(7)α−ヒドロキシケトン系化合物:例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン、
(8)α−アミノアルキルフェノン系化合物:例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASF株式会社製IRGACURE(登録商標)369)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、
(9)フォスフィンオキサイド系化合物:例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF株式会社製LUCIRIN(登録商標) TPO)、
(10)チタノセン化合物:例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、
(11)ベンゾエイト誘導体:例えば、エチル−p−(N,N−ジメチルアミノベンゾエイト)、
(12)アクリジン誘導体:例えば、9−フェニルアクリジン。
(光カチオン重合開始剤)
陰イオンとして、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、SbCl6 2-、BF4−、SnCl6 -、FeCl4 -、BiCl5 2-などを持つアリールジアゾニウム塩が挙げられる。また、陰イオンとして、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、SbCl6 2-、BF4 -、ClO4 -、CF3SO3 -、FSO3 -、F2PO2 -、B(C654 -などを持つジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩を用いることができる。さらに、陰イオンとして、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -などを持つジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルフォニウム塩、α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトン、β−スルホニロキシケトンなどのスルホン酸エステル、鉄のアレン化合物、シラノール−アルミニウム錯体、o−ニトロベンジル−トリフェニルシリルエーテルなどが挙げられる。PF6 -,AsF6 -を持つアリールジアゾニウム塩も挙げられる。
市販品としては、例えば、SP−150、SP−152、SP−170、SP−172(株式会社ADEKA製のオプトマー)が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤、及び光カチオン重合開始剤は、それぞれ、単独で用いても複数を混合して使用してもよく、また、光ラジカル開始剤と光カチオン開始剤を併用してもよいが、光ラジカル開始剤の方が硬化性の観点で好ましい。
上記した光ラジカル開始剤の中では、高感度の点で、上記(2)アセトフェノン誘導体、上記(8)α−アミノアルキルフェノン系化合物、又は上記(9)フォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。さらに、成形物の高透明性及び高感度の点で、上記(9)フォスフィンオキサイド系化合物、中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF株式会社製LUCIRIN(登録商標) TPO)が好ましい。
上記した光カチオン開始剤の中では、ポリシロキサン化合物(a2)との相溶性の観点からヨードニウム塩タイプの開始剤が特に好ましい。ヨードニウム塩タイプの開始剤は、例えば、下記構造式で示されるヨードニウム{4−{2メチルプロピル}フェニル}}{4−メチルフェニルヘキサフルオロフォスフェイト}(BASF株式会社製、IRGACURE(登録商標)250)として入手可能である。
また、光重合開始助剤、鋭感剤、及び/又は熱ラジカル開始剤をさらに併用してもよく、熱ラジカル開始剤としては、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシジカーボネート系、パーオキシエステル系等の各種有機過酸化物を用いることができる。
光重合開始剤(B)の量としては、他の添加剤成分量に依存するが、シリカ粒子混合物(A)100質量部に対して、0.01質量部以上50質量部以下であり、0.05質量部以上10質量部以下が好ましく、0.1質量部以上5質量部以下がより好ましい。0.01質量部以上であると露光に際して、光重合が充分に進行するだけの活性種が供給され、露光部の硬化が十分に進行するので、実用的な硬化成形物を得ることができ、50質量部以下であると、塗膜表面付近での露光吸収が大きくなり過ぎず、基板面付近まで露光光線が到達し、光重合が膜厚方向で均一となるため、実用的な硬化成形物を得ることができ、また光硬化後や熱によるベーク後の着色が少ない。
[分子内に光重合性官能基を有する化合物(C)]
本発明に係る感光性シリコーン樹脂組成物には、屈折率の向上、硬化性の向上、密着性の向上、硬化成形物の柔軟性の向上、及び感光性樹脂組成物の低粘度化によるハンドリング性向上を含む優れた特性を有する感光性樹脂組成物を提供する目的のために、光重合性官能基を有するシリカ粒子混合物(A)に加えて、分子内に光重合性官能基を有し、かつシラン化合物(a1)及びポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)をさらに含有させることが好ましい。化合物(C)は、単独で又は2種以上の混合物として使用してもよい。化合物(C)中の光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタン、ビニルエーテル、メルカプト基、スチリル基、ノルボルネイル基、ビニル基、アリル基、及びその他の不飽和炭素結合を有する基が挙げられ、これらの各種の炭化水素含有基の水素原子又は主鎖骨格の一部が、炭化水素基、エーテル結合、エステル基(又は結合)、水酸基、チオエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボン酸無水物結合、チオエーテル結合、スルホン基、アルデヒド基、アミノ基、置換アミノ基、アミド基(又は結合)、イミド基(又は結合)、イミノ基、ウレア基(又は結合)、ウレタン基(又は結合)、イソシアネート基、シアノ基等の極性基(又は極性結合)あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等から選ばれる置換基で部分置換されたものが挙げられる。化合物(C)が有する光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ノルボルネイル基、エポキシ基、及びメルカプト基が好ましい。硬化性の観点からは(メタ)アクリロイル基及び/又はスチリル基がより好ましく、硬化時の低収縮性の観点からはエポキシ基及び/又はメルカプト基がより好ましく、化合物の種類が多いことによる粘度及び屈折率の調整容易性の観点から、(メタ)アクリロイル基がさらに好ましい。
分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物の例として、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−エチルヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−エチル,2−ブチル−プロパンジオール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、
オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、パラフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラフェニルフェニル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、3〜15モルのエチレンオキサイドで変性させたフェノール(メタ)アクリレート、1〜15モルのエチレンオキサイドで変性させたクレゾール(メタ)アクリレート、1〜20モルのエチレンオキサイドで変性させたノニルフェノール(メタ)アクリレート、1〜15モルのプロピレンオキサイドで変性させたノニルフェノール(メタ)アクリレート、1〜30モルのエチレングリコール鎖を含むジ(メタ)アクリレート、1〜30モルのプロピレングリコール鎖を含むジ(メタ)アクリレート、1〜30モルのエチレンオキサイドで変性させたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1〜30モルのプロピレンオキサイドで変性させたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1〜30モルのエチレンオキサイドで変性させたビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、及び1〜30モルのプロピレンオキサイドで変性させたビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1〜15モルのプロピレンオキサイドで変性させたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1〜20モルのエチレンオキサイドで変性させたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1〜20モルのエチレンオキサイドで変性させたペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1〜20モルのエチレンオキサイドで変性させたグリセリルトリ(メタ)アクリレート、1〜20モルのプロピレンオキサイドで変性させたグリセリルトリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチル化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、1モルのアルキル基で変性させたジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2モルのアルキル基で変性させたジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、3モルのアルキル基で変性させたジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジメチロールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
分子内に光重合性官能基、特に好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する化合物の添加量は、シリカ粒子混合物(A)100質量部に対して0質量部以上900質量部以下であることが好ましく、5質量部以上300質量部以下であることがより好ましい。このような化合物を、シリカ粒子混合物(A)へ添加することにより、温度衝撃によるクラックを防ぐことができ、配合量が5質量部以上である場合、クラック防止効果が良好である。化合物(C)の配合量がシリカ粒子混合物(A)100質量部に対して900質量部以下であれば、硬化成形物は、より高屈折率、高透過性、及び高耐熱性を有することができる。
上記化合物(C)が、炭素環及び複素環からなる群から選ばれる1種類以上の環を分子内に1つ以上有する化合物を含むことは、屈折率の維持、アッベ数の向上、収縮率の低下、及び硬化成形物の硬度向上等の観点から好ましい。
炭素環及び/又は複素環を有する化合物の例として、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−エチルヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、パラフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラフェニルフェニル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、3〜15モルのエチレンオキサイドで変性させたフェノール(メタ)アクリレート、1〜15モルのエチレンオキサイドで変性させたクレゾール(メタ)アクリレート、1〜20モルのエチレンオキサイドで変性させたノニルフェノール(メタ)アクリレート、1〜15モルのプロピレンオキサイドで変性させたノニルフェノール(メタ)アクリレート、1〜30モルのエチレンオキサイドで変性させたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1〜30モルのプロピレンオキサイドで変性させたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1〜30モルのエチレンオキサイドで変性させたビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、及び1〜30モルのプロピレンオキサイドで変性させたビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジメチロールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、イミド(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
中でも、屈折率、及びアッベ数の向上、及び入手性の観点から、炭素環及び/又は複素環を有する(メタ)アクリレート化合物としては、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
また、化合物(C)として反応性オリゴマーを添加してもよく、反応性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル、ポリエン/チオール、ポリブタジエン、ポリスチリルエチルメタクリレート等が挙げられる。これらの反応性オリゴマーには単官能不飽和化合物及び多官能不飽和化合物が含まれるが、単官能不飽和化合物及び多官能不飽和化合物のどちらを用いてもよいし、複数の化合物を混合して使用しても構わない。上記反応性オリゴマーを添加する場合の添加量は、他の添加剤成分量に依存するが、シリカ粒子混合物(A)100質量部に対して、0質量部以上900質量部以下が好ましく、900質量部以下であれば、硬化成形物は、より高屈折率、高透過性、及び高耐熱性を有することができる。
本発明の感光性シリコーン樹脂組成物には、各種支持基材との接着性を向上させる目的で、化合物(C)として接着補助剤を添加してもよい。接着補助剤としては、シランカップリング剤が挙げられる、より具体的には、例えば、ケイ素原子に直接結合した水素原子を含有するアルコキシシラン、エポキシ基及び/又はチオール基を含有するアルコキシシラン、ビニル基等の不飽和結合を含有するアルコキシシラン等の有機アルコキシシラン化合物、並びに、これらの有機アルコキシシラン化合物の一部又は全てのアルコキシシランが加水分解された化合物、及びその縮合物が挙げられる。例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3ジメチル−ブチリデン)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(p−ビニルベンジル)−N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン塩酸塩、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記シランカップリング剤の添加量は、他の添加剤成分量に依存するが、シリカ粒子混合物(A)100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下が好ましく、0.05質量部以上5質量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の添加量は、接着性が向上する観点から、シリカ粒子混合物(A)100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、保存安定性の観点から10質量部以下が好ましい。
感光性シリコーン樹脂組成物の光重合性官能基当量は、クラック耐性の観点から0.5mmol/g以上であることが好ましく、1.0mmol/g以上であることがより好ましく、1.2mmol/g以上であることがさらに好ましい。また、感光性シリコーン樹脂組成物の光重合性官能基当量は、光照射による硬化時の体積収縮の観点から4.5mmol/g以下であることが好ましく、4.0mmol/g以下であることがより好ましく、3.5mmol/g以下であることがさらに好ましい。
ここで光重合性官能基当量は、感光性シリコーン樹脂組成物1gあたりの光重合性官能基当量のモル数であり、光重合性官能基はシリカ粒子混合物(A)及び化合物(C)に由来するものである。シリカ粒子混合物(A)に由来する光重合性官能基当量は、シリカ粒子混合物(A)を製造する際に用いた原料中の光重合性官能基のモル量を、得られたシリカ粒子混合物(A)の重量で割ることで算出でき、化合物(C)に由来する光重合性官能基当量は、化合物(C)分子中の光重合性官能基数を分子量で割ることによって算出できる。シリカ粒子混合物(A)の光重合性官能基当量をX(A)、化合物(C)の光重合性官能基当量をX(C)とし、感光性シリコーン樹脂組成物中のシリカ粒子混合物(A)の重量比をY(A)、化合物(C)の重量比をY(C)としたとき、感光性シリコーン樹脂組成物中の光重合性官能基当量はX(A)×Y(A)+X(C)×Y(C)で算出できる。
[酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤(D)]
本発明に係る感光性シリコーン樹脂組成物は、耐熱性及び耐光性を向上させる観点から、酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤(D)を含有してもよい。酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤(D)としては、例えば、以下の物質を挙げることができる。
(1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応性生物、2,4,6−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、
(2)リン系熱安定剤:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸
(3)イオウ系熱安定剤:ジドデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネート
(4)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール
(5)シアノアクリレート系紫外線吸収剤:2,2−ビス{[2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル]メチル}プロパン−1,3−ジイル=ビス(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラート)、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル
(6)トリアジン系紫外線吸収剤:2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール
(7)ベンゾフェノン系紫外線吸収剤:オクタベンゾン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンフェノン、2,2’−4,4’−テトラヒドロベンフェノン
(8)ヒンダードアミン系光熱安定剤:ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、オレフィン(C20−C24)・無水マレイン酸・4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン共重合物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミン
(9)その他熱安定剤:3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−ベンゾピラン−6−オール、2’,3−ビス[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド
(10)その他紫外線吸収剤:2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナマート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤(D)としては、感光性シリコーン樹脂組成物への溶解性の観点から、上記(1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤及び(7)ヒンダードアミン系光熱安定剤がより好ましく、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](BASF株式会社社製IRGANOX(登録商標) 245)がさらに好ましい。
酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤(D)は、単独で使用しても、複数を合わせて使用してもよい。
酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤(D)の量は、他の添加剤成分量に依存するが、シリカ粒子混合物(A)100質量部に対して、0質量部以上50質量部以下が好ましく、0質量部を超えて5質量部以下がより好ましく、0.1質量部以上2質量部以下がさらに好ましい。
酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤(D)を加えることで、窒素雰囲気下での熱安定性に加え、空気雰囲気下での熱安定性も向上する。
本発明の感光性シリコーン樹脂組成物は、前記した(A)〜(D)成分に加えて、無機フィラーをさらに含有してもよい。無機フィラーは、光透過性への悪影響を避けるため、目的の用途において使用する波長以下の平均粒子径を有するものが好ましく、平均粒子径は、好ましくは100nm以下である。無機フィラーは、樹脂において、例えば機械的物性を改善する場合及び熱伝導性を向上させる場合がある。無機フィラーの平均粒子径の下限は特に限定はないが、樹脂組成物の粘度が低く良好な成形性を有するため、0.1nm以上であることが好ましい。尚、上記平均粒子径は、BETの比表面積から計算で求められる値である。無機フィラーの添加量は、目的に応じて選択でき、他の添加剤成分量に依存するが、シリカ粒子混合物(A)100質量部に対して、例えば、1〜60質量部、より好ましくは5〜60質量部、さらに好ましくは5〜40質量部であることができる。
また、本発明の感光性シリコーン樹脂組成物には、前記した(A)〜(D)成分に加えて、さらに溶媒を添加して粘度を調整することもできる。好適な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、PGMEA、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アニソール、酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどが挙げられ、これらは単独で又は二種以上の組合せで用いることができる。これらの中でも、N−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトン、PGMEAが、特に好ましい。これらの溶媒は、塗布膜厚、粘度に応じて、感光性シリコーン樹脂組成物に適宜加えることができるが、感光性シリコーン樹脂組成物100質量部に対して、0〜900質量部の範囲で用いることが好ましい。
本発明に係る感光性シリコーン樹脂組成物は、前記した(A)〜(D)成分に加えて、光感度向上のための増感剤をさらに含有することができる。増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、2−(4’−ジメチルアミノシンナミリデン)インダノン、2−(4’−ジメチルアミノベンジリデン)インダノン、2−(p−4’−ジメチルアミノビフェニル)ベンゾチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンジリデン)アセトン、1,3−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、ベンズトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−シクロヘキシル−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、1−(tert−ブチル)−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−p)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレンなどが挙げられる。
また、これらの化合物は、単独で又は2種以上の混合物として使用されうる。増感剤の添加量は、他の添加剤成分量に依存するが、シリカ粒子混合物(A)100質量部に対して0〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。
本発明に係る感光性シリコーン樹脂組成物は、前記した(A)〜(D)成分に加えて、保存時の粘度及び光感度の安定性を向上させる目的で、さらに重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチル)フェニルメタンなどを用いることができる。重合禁止剤の添加量は、他の添加剤成分量に依存するが、シリカ粒子混合物(A)100質量部に対して、0〜5質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、前記した(A)〜(D)成分に加えて、さらに滑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤、着色剤、架橋剤、分散助剤、可塑剤、難燃剤等を含有することもできる。これらの材料は公知の方法、例えば、遠心分離等を用いて樹脂及び任意の他の成分と混合し、得られた混合物を公知の方法、例えば、真空脱泡等で泡抜きすることが好ましい。
<感光性シリコーン樹脂組成物の製造>
本発明の別の態様は、以下の工程:
下記一般式(1):
1 n1SiX1 4-n1 (1)
{式中、R1は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基であり、n1は、0〜3の整数であり、X1は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のR1及びX1は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種類以上のシラン化合物(a1)及び該シラン化合物(a1)の加水分解縮合生成物であるポリシロキサン化合物(a2)の一方又は両方と、シリカ粒子(b)とを含む混合物を縮合反応させて中間縮合物を得る第1の工程、
該中間縮合物に触媒を添加し、該中間縮合物を更に縮合反応させてシリカ粒子混合物(A)を得る第2の工程、
得られたシリカ粒子混合物(A)と光重合開始剤(B)とを混合する第3の工程、
を含む、感光性シリコーン樹脂組成物の製造方法を提供する。
第1の工程におけるポリシロキサン化合物(a2)は、ポリシロキサン化合物(a2)の製造について前述したような手順で得ることができる。また、中間縮合物は、シラン化合物(a1)及び/又はポリシロキサン化合物(a2)とシリカ粒子(b)との縮合反応物の製造について前述したような手順で得ることができる。
中間縮合物は、ポリシロキサン化合物(a2)とシリカ粒子(b)との縮合反応物、若しくはシラン化合物(a1)及びポリシロキサン化合物(a2)とシリカ粒子(b)との縮合反応物、又はこれらの組合せであることが好ましい。
好ましい態様においては、シラン化合物(a1)及び/又はポリシロキサン化合物(a2)(より好ましくは、ポリシロキサン化合物(a2)、又は、シラン化合物(a1)とポリシロキサン化合物(a2)との組合せ)と、シリカ粒子(b)とを混合して第1の混合物を形成し、該第1の混合物に、前述の一般式(4)又は一般式(5)で表されるケイ素化合物(c)をさらに加えて第2の混合物を形成し、該第2の混合物を縮合させることによって中間縮合物を得ることができる。
第2の工程では、中間縮合物にさらに触媒を加え、該中間縮合物をさらに縮合反応させる。このときのpHの好ましい範囲は、中間縮合物を酸性条件下で製造する場合には、より強い酸性雰囲気であり、中間縮合物を塩基性条件下で製造する場合には、より強い塩基性雰囲気である。第2の工程は、中間縮合物中に残存するシラノール基をさらに縮合させることができるため、本開示で定義するシラノール量割合が0.2以下であるシリカ粒子混合物(A)を得る観点から有利である。使用できる触媒及び好ましい反応手順は、追加の触媒の添加に関して前述した通りである。
第3の工程では、シリカ粒子混合物(A)及び光重合開始剤(B)、任意の化合物(C)並びに酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤(D)の一方又は両方、さらに任意に使用できるその他の成分を、ガラス容器、プラスチック容器などにいれていき、ウェブローター、マグネチックスターラー、モーター駆動の攪拌機又は攪拌羽など一般的に知られている攪拌器具を用いて均一に混合することができる。これらの混合順は特に限定されない。
混合時の温度としては20℃以上80℃以下が好ましい。20℃以上で均一に混合することができ、80℃以下で各混合成分の劣化を防ぐことができる。
<感光性シリコーン樹脂組成物の硬化方法>
本発明の感光性シリコーン樹脂組成物の硬化方法としては、200〜500nmの波長領域に主波長を有する光を照射させることが好ましく、300〜450nmの波長領域に主波長を有する光を照射させることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物の硬化物としての成形体を得る方法として、例えば、任意のキャビティ形状を有し、ポリジメチルシロキサン、フッ素系透明樹脂、シクロオレフィン系透明樹脂、ガラス等の透明素材で構成された金型内に、樹脂組成物を注入し、200nm〜500nmの波長領域に主波長を有する光を照射して重合反応を行い、金型を外して成形体を得る方法、又は、例えば、ガラス、Si基板、若しくはシート上に公知の方法で樹脂組成物を塗布し、これに200nm〜500nmの波長領域に主波長を有する光を照射して重合反応させ、基板上の成形体又はシートの成形体を得ることができる。
200〜500nmの波長領域に主波長を有する光としては、キセノンフラッシュランプ、キセノンショートアークランプ、超高圧UVランプ、高圧UVランプ、DeepUVランプ、低圧UVランプ、KrCl又はXeClのエキシマランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。上記記載の200〜500nmの波長領域に主波長を有する光の照射時間に制限は無く、1秒〜20分程度の範囲の照射で本発明の樹脂組成物を硬化することができる。
前記の硬化反応の雰囲気としては、酸素濃度として、1体積%以下が好ましく、5000体積ppm以下がより好ましい。具体的には窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、炭酸ガス等の不活性ガス等の雰囲気下、減圧下又は加圧下で行うことができる。これらのガスは、1種又は2種以上の混合ガスとして用いることができる。
200〜500nmの波長領域に主波長を有する光の照射後、100℃以上300℃以下、好ましくは130℃以上300℃以下でのベーク工程を設けてもよい。上記の範囲でベーク(加熱)させることで、屈折率、透過率等の光学特性を安定させることができるため好ましい。ベーク時間としては、特に制限は無いが、通常1分〜10時間程度の範囲が好ましい。
本発明の樹脂組成物を光硬化させて得た硬化物は、携帯電話、LED、車載等のプラスチックレンズ、レプリカ材、液晶ディスプレイ等のバックライト用光学シート、照明、各種センサー、プリンター、コピー機等に用いられる、各種形状を有するプラスチックレンズ材料、表面被覆材等として好適に利用可能である。
本発明の樹脂組成物を使用したプラスチックレンズは、本発明の樹脂組成物を、レンズ形状を有する金属型又は樹脂型に充填した後に、あるいはロール又は板等に本発明の樹脂組成物を塗工後、上記記載の型を押し付け転写した後に、上記記載の200〜500nmの波長領域に主波長を有する光源を用いて、光を照射させ、硬化させた後、型より離型させて、得ることができる。型に充填された樹脂組成物を、プラスチックフィルム、ガラスウェハ、金属板等で覆う、又は不活性ガスの使用、減圧、加圧等上記記載の方法で、樹脂組成物の硬化反応時の雰囲気として酸素濃度を1%以下にした方が、硬化反応率の向上の点で好ましい。光照射して樹脂組成物を硬化させるには、光源と樹脂組成物間を光が透過することが必要であり、そのためには硬化に必要な光源の光を透過する透明媒体側(透明な樹脂型、プラスチックフィルム、ガラスウェハ、又は基材なし等)から、光を照射させることが必要である。型からの離型性向上には、型に離型剤を塗ること、又は型及び/又は樹脂組成物に、離型剤又は離型成分を含有させることが好ましい。本発明の樹脂組成物を使用して作製したプラスチックレンズは、携帯電話用、LED、車載用のレンズとして、最適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物を使用したレプリカ材は、所望形状を有する金属型又は樹脂型へ本発明の樹脂組成物を充填し、上記記載の方法で、得ることができる。得られたレプリカ材は、高硬度という特徴を有し、必要に応じてさらにNi電鋳することで、耐久性を向上させることができる。形状としては、レンズ、ライン&スペース、円柱、円錐、角柱、角錐、ハニカム等を挙げることができ、用途や目的に応じて選択することができる。
本発明の樹脂組成物を使用した表面被覆材は、硬化物として高硬度である特徴を活かし、積層基材等の基材の表面又は内部に本発明の樹脂組成物を塗工後、硬化させることで、ハードコート用途で使用できる。他に、上記記載の形状を持つフィルム、シート、又は板の形状で使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<シリカ粒子混合物(A)の合成及び感光性シリコーン樹脂組成物の調製>
以下に、シリカ粒子混合物(A)の合成に用いたポリシロキサン化合物(a2)の構造式を示す。
Figure 2013163786
[実施例1]
500mLのナス型フラスコに、3−メタクリロキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン(以下、MEDMOと略称する。)27.60g(0.119mol)、メチルトリメトキシシラン(以下、MTMSと略称する。)16.18g(0.119mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水21.38g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−1SL(扶桑化学工業製の平均一次粒子径12nm、20質量%濃度の水分散シリカ粒子)50g(シリカ粒子(b))、エタノール50gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.100gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、次いで真空ポンプを用いて減圧下でPGMEAを除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー1を得た。
得られたポリマー1 99.5質量%に、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF株式会社製LUCIRIN(登録商標) TPO)を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−1)を調製した。
[実施例2]
実施例1で得られたポリマー1 94.3質量%に、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートを5質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF株式会社製IRGANOX(登録商標)1010)を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−2)を調製した。
[実施例3]
実施例1で得られたポリマー1 59.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを40質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−3)を調製した。
[実施例4]
500mLのナス型フラスコに、MEDMO6.20g(0.027mol)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下、MEMOと略称する。)7.95g(0.032mol)、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン(以下、CyMDMSと略称する)7.03g(0.037mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水8.06g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−1SL120g(シリカ粒子(b))、エタノール120gを投入し、攪拌した。続いてこのナス型フラスコに、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.400gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、次いで真空ポンプを用いて減圧下でPGMEAを除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー2を得た。
得られたポリマー2 99.3質量%に、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−4)を調製した。
[実施例5]
500mLのナス型フラスコに、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下、AcMOと略称する。)30.23g(0.129mol)、MTMS17.57g(0.129mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水27.86g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−1SL50g(シリカ粒子(b))、エタノール50gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。
別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.100gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、次いで真空ポンプを用いて減圧下でPGMEAを除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー3を得た。
得られたポリマー3 94.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを5質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−5)を調製した。
[実施例6]
500mLのナス型フラスコに、p−スチリルトリメトキシシラン(以下、StMOと略称する。)30.24g(0.135mol)、MTMS18.39g(0.135mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水29.16g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−1SL50g(シリカ粒子(b))、エタノール50gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。
別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.100gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、次いで真空ポンプを用いて減圧下でPGMEAを除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー4を得た。
得られたポリマー4 94.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを5質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−6)を調製した。
[実施例7]
500mLのナス型フラスコに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以下、GlyMOと略称する)30.23g(0.128mol)、MTMS17.42g(0.128mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水27.63g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−1SL50g(シリカ粒子(b))、エタノール50gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。
別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.100gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、次いで真空ポンプを用いて減圧下でPGMEAを除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー5を得た。
得られたポリマー5 94.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを5質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−7)を調製した。
[実施例8]
500mLのナス型フラスコに、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(以下、MeMOと略称する。)30.28g(0.154mol)、MTMS21.01g(0.154mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水33.32g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−1SL50g(シリカ粒子(b))、エタノール50gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。
別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.100gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、次いで真空ポンプを用いて減圧下でPGMEAを除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー6を得た。
得られたポリマー6 94.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを5質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−8)を調製した。
[実施例9]
500mLのナス型フラスコに、MEDMO23.92g(0.103mol)、MTMS14.02g(0.103mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水18.53g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−1SL110g(シリカ粒子(b))、エタノール110gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。
別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.100gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、次いで真空ポンプを用いて減圧下でPGMEAを除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー7を得た。
得られたポリマー7 77.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを22質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−9)を調製した。
[実施例10]
500mLのナス型フラスコに、MEMO30.22g(0.122mol)、MTMS16.57g(0.122mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水26.28g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−06 50g(シリカ粒子(b))、エタノール50gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。
別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.100gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、次いで真空ポンプを用いて減圧下でPGMEAを除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー8を得た。
得られたポリマー8 94.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを5質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−10)を調製した。
[実施例11]
500mLのナス型フラスコに、MEDMO27.60g(0.119mol)、MTMS16.18g(0.119mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水21.38g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−06(扶桑化学工業製の平均一次粒子径6nm、6.3質量%濃度の水分散シリカ粒子)158.73g(シリカ粒子(b))、エタノール158.73gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。
別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.100gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、次いで真空ポンプを用いて減圧下でPGMEAを除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー9を得た。
得られたポリマー9 94.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを5質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−11)を調製した。
[実施例12]
500mLのナス型フラスコに、MEDMO25.77g(0.111mol)、MTMS15.10g(0.111mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水19.96g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−1−SL50g(シリカ粒子(b))、エタノール50gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。
別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.100gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、PGMEA溶液を得た。
このPGMEA溶液に、PGMEA15g、トルエン25g、ピリジン2.14gを加えて混合し、攪拌しながらトリメチルクロロシラン(以下、TMCSと略称する)2.67g(0.025mol)(ケイ素化合物(c))を5分かけて滴下した。室温で3時間攪拌した後、得られた反応液に、水10gを加え攪拌し、アセトニトリル20gを加え抽出する操作を3回繰り返し、ポリマーを洗浄した。真空ポンプを用いて、減圧下で溶媒を除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー10を得た。
得られたポリマー10 94.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを5質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−12)を調製した。
[実施例13]
500mLのナス型フラスコに、MEDMO25.77g(0.111mol)、MTMS15.10g(0.111mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水19.96g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−1−SL50g(シリカ粒子(b))、エタノール50gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。
別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.100gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、PGMEA溶液を得た。
このPGMEA溶液に、PGMEA15g、トルエン25g、を加えて混合し、攪拌しながらヘキサメチルジシラザン(以下、HMDSと略称する)3.82g(0.024mol)(ケイ素化合物(c))を5分かけて滴下した。滴下後、冷却管をセットし、窒素バブリングを行いながら60℃2時間還流した。得られた反応液に、水10gを加え攪拌し、アセトニトリル20gを加え抽出する操作を3回繰り返し、ポリマーを洗浄した。真空ポンプを用いて、減圧下で溶媒を除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー11を得た。
得られたポリマー11 94.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを5質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−13)を調製した。
[実施例14]
500mLのナス型フラスコに、MEDMO5.88g(0.025mol)、MEMO7.54g(0.030mol)、CyMDMS6.67g(0.035mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水7.649g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃2時間還流させ、ポリシロキサン化合物(a2)を含む反応液を得た。
500mLのナス型フラスコに、PL−1−SL120g(シリカ粒子(b))、エタノール120gを投入し、攪拌した。続いて、このナス型フラスコへ、滴下ロートを用いて、室温まで冷却した上記反応液を20分かけて滴下し、室温で30分攪拌した。攪拌後、冷却管をセットし、窒素気流下で80℃4時間還流させ、室温に冷却した。
別途容器に、蒸留水10.00g、エタノール10.00g、10質量%塩酸0.400gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて上記ナス型フラスコに10分かけて、撹拌しながら滴下した。滴下後、このナス型フラスコに冷却管をセットし、窒素気流下で80℃1時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、PGMEA溶液を得た。
このPGMEA溶液に、PGMEA15g、トルエン25g、ピリジン0.88gを加えて混合し、攪拌しながらTMCS1.10g(0.010mol)(ケイ素化合物(c))を5分かけて滴下した。室温で3時間攪拌した後、得られた反応液に、水10gを加え攪拌し、アセトニトリル20gを加え抽出する操作を3回繰り返し、ポリマーを洗浄した。真空ポンプを用いて、減圧下で溶媒を除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー12を得た。
得られたポリマー12 59.3質量%に、化合物(C)としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを40質量%、光重合開始剤(B)として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、安定剤(D)として0.2質量%のペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−14)を調製した。
[比較例1]
500mLのナス型フラスコに、MEDMO36.80g(0.158mol)、MTMS21.57g(0.158mol)、エタノール10gを投入し、攪拌した。別途容器に蒸留水28.50g、10質量%塩酸0.004gを取り、混合した後、滴下ロートを用いて、上記500mLナスフラスコに10分かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、80℃6時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、蒸留塔をセットし、エタノールと水を除去し、次いで真空ポンプを用いて減圧下でPGMEAを除去し、シリカ粒子不含有縮合反応物であるポリマー13を得た。
得られたポリマー13 99.5質量%に、光重合開始剤として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF株式会社製LUCIRIN(登録商標) TPO)を添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−15)を調製した。
[比較例2]
300mLのナス型フラスコに、ペンタエリスリトールトリアクリレート74.58g(0.250mol)、γ―イソシアナトプロピルトリメトキシシラン51.35g(0.25mol)を投入し、室温で1時間撹拌した後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で60℃3時間還流し、シリル化アクリレートを得た。
別の500mLのナス型フラスコに、上記シリル化アクリレート2.40g、AcMO35.00g(0.149mol)、GlyMO5.90g(0.025mol)、MTMS20.25g(0.149mol)、メタノール26.33gを取り、窒素気流下で一時間撹拌した。別に、スノーテックスO40(日産化学工業製の、40質量%濃度の水分散シリカ粒子)23.63g、1mol/L酢酸水溶液2.83g、蒸留水7.00gを取り、混合した後、前記500mLのナス型フラスコに滴下ロートにて、1時間かけて滴下した。滴下終了後、冷却管をセットし、オイルバスを用いて窒素気流下で、60℃3時間還流させた。
還流後、さらにPGMEA60gを投入し、真空ポンプを用いて、減圧下で溶媒を除去し、シリカ粒子含有縮合反応物であるポリマー14を得た。
得られたポリマー13 99.3質量%に、光重合開始剤として0.5質量%の2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを添加し、常温で溶解するまでウェブローターで攪拌し、感光性シリコーン樹脂組成物(P−16)を調製した。
<硬化物の作製>
[硬化成形物の作製]
得られた感光性樹脂組成物(P−1)をフッ素化合物からなる離型剤で表面処理した無アルカリガラス(厚み0.7mm、縦横5cm×10cm、コーニング製)上の中央部にスポイトを用いて5滴滴下した。このとき、無アルカリガラス上の両脇に2つのポリカーボネート製フィルム(厚み1mm、縦横0.5cm×5cm)を敷き、感光性樹脂組成物の上にさらに別のフッ素化合物からなる離型剤で表面処理した無アルカリガラスを置き固定し、滴下した感光性樹脂組成物を2枚の無アルカリガラスで挟むことで酸素硬化阻害が無視できる嫌気下とした。その後、片方の無アルカリガラス面より、メタルハライドランプ(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製 CV−110Q−G、主波長約380nm)を用いて3000mJ/cm2の光量で紫外線照射し、膜厚1mmの硬化成形物を作製し、硬化成形物1とした。
感光性シリコーン樹脂組成物(P−2)〜(P−16)についても上記と同様の方法で硬化成形物を作製し、それぞれ、硬化成形物2〜硬化成形物15とした。
ポリマー1〜14のゾルゲル成分分率、粒子分率、シラノール量割合、ピーク分子量、分子量500以下のエリア分率、及び[Si−O−SiR3 3]/([Si−O−R2]+[Si−O−SiR3 3])の値を以下の表1に示す。
Figure 2013163786
(P−1)〜(P−16)の感光性シリコーン樹脂組成物の成分の質量パーセント及び光重合性官能基当量を以下の表2に示す。
Figure 2013163786
実施例1〜14、及び比較例1、2で作製した感光性シリコーン樹脂組成物(P−1)〜(P−16)を用いて作製した硬化成形物1〜硬化成形物16のサンプルについて、下記(1)〜(5)の評価を行った。結果を以下の表3に示す。
(1)シリカ粒子含有縮合反応物の29Si−NMR測定
ポリマー1の30質量%の重クロロホルム溶液にクロミニウムアセチルアセトネートを0.6質量%添加してサンプル調製を行い、NMR(核磁気共鳴)装置((日本電子株式会社製ECA700)で、SI10のプローブを用い、139.1MHzの観測周波数でno spinにて、待ち時間を120秒、積算回数を200回として測定を行った。図1にポリマー1の29Si−NMR測定結果を示す。
また、図2にQ成分を波形分離した結果を示す。波形分離はLorentz関数を用いて、シリカ粒子(b)のピーク分離を非線形最小二乗法で算出し、その半値幅を採用して、同様に行った。波形分離の結果Q2成分、Q3成分、及びQ4成分の比率は、それぞれ1.4%、14.1%、及び84.5%になった。−111ppmのピークが粒子に由来するQ4成分、−102ppmのピークが粒子に由来するQ3成分、−89ppmのピークが粒子に由来するQ2成分、−68ppmがT3成分に由来するピーク、−57ppmがT2成分に由来するピーク、−47ppmがT1成分に由来するピーク、−17〜−25ppmがD2成分に由来するピーク、−5〜−15ppmがD1成分に由来するピーク、0〜−5ppmがD0成分に由来するピークに帰属できた。
それぞれのピークの積分値を用いて、式(2)よりポリマー1のシラノール量割合は、0.12となった。同様に各ポリマーの値を求めた。結果を表1に示す。
また、ポリマー10の29Si−NMR測定結果では、上記ポリマー1と同様のピークに加え、5〜10ppmがM1成分に由来するピークに帰属できた。これらの結果から、式(3)に従って[Si−O−SiR3 3]/([Si−O−R2]+[Si−O−SiR3 3])の値を求めた。結果を表1に示す。
(2)シリカ粒子含有縮合反応物の分子量測定
Viscotek社製GPC Max、TDA305、及びTSKgelGMHHR−Mカラムを使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行った。サンプルはテトラヒドロフラン溶媒中、ポリマー1を1質量%溶液に調製し、示差屈折率計(RI)により標準ポリメチルメタクリレート換算の質量平均分子量(Mw)を求めた。ピーク分子量は1992であった。
分子量500以下のエリア分率は、示差屈折率計(RI)によるピークにおける、分子量500以下の面積/全面積より求めた。ポリマー1において、分子量500以下の面積は、18.11mVmL、全面積は、347.02mVmLであり、分子量500以下のエリア面積は、5.2%であった。同様に、各ポリマーの値を求めた。結果を表1に示す。
(3)熱寸法変化評価
作製した硬化成形物1〜硬化成形物16の膜厚を測定し、150℃酸素雰囲気下に100時間放置し、再度、硬化成形物1〜硬化成形物16の膜厚を測定した。放置前の膜厚を100%として、放置後の膜厚をパーセントで算出し、98%以上を○、98%未満97%以上を△、97%未満を×として評価した。
(4)熱重量減少評価
作製した硬化成形物1〜硬化成形物16の重量を測定し、150℃酸素雰囲気下の条件に100時間放置し、再度、硬化成形物1〜硬化成形物16の重量を測定した。100時間放置する前の重量を100%として、放置後の重量をパーセントで算出し、98%以上を○、98%未満97%以上を△、97%未満を×として評価した。
(5)耐クラック性評価
作製した硬化成形物1〜硬化成形物16を5点ずつ、150℃酸素雰囲気下に100時間放置した。放置後の硬化成形物1〜硬化成形物16を目視観察し、5点ともクラックがないものを○、1点〜4点クラックがあるものを△、5点ともクラックがあるものを×として評価した。
Figure 2013163786
比較例1は、シリカ粒子を含まず、熱寸法安定性に劣っていた。比較例2は、シラノール量割合が0.2超と大きく、熱重量減少に劣っていた。
本発明の感光性シリコーン樹脂組成物を用いて得られた光学材料は、例えば、携帯電話用、LED、車載等のプラスチックレンズ、レプリカ材、液晶ディスプレイ等のバックライト用光学シート、照明、各種センサー、プリンター、コピー機等に用いられる各種プラスチックレンズ材料、表面被覆材等として好適に利用可能である。

Claims (32)

  1. 以下の成分:
    下記一般式(1):
    1 n1SiX1 4-n1 (1)
    {式中、R1は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;であり、n1は、0〜3の整数であり、X1は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のR1及びX1は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種類以上のシラン化合物(a1)及び該シラン化合物(a1)の加水分解縮合生成物であるポリシロキンサン化合物(a2)の一方又は両方と、シリカ粒子(b)とを含むシリカ粒子混合物(A):100質量部、並びに
    光重合開始剤(B):0.01〜50質量部
    を含む感光性シリコーン樹脂組成物であって、
    該シリカ粒子混合物(A)が、光重合性官能基を有し、
    該感光性シリコーン樹脂組成物を29SiNMR法によって測定したときのピーク面積から、下記計算式(2):
    シラノール量割合=(D1×1+T1×2+T2+Q1×3+Q2×2+Q3)/[M1+(D1+D2)×2+(T1+T2+T3)×3+(Q1+Q2+Q3+Q4)×4] (2)
    {式中、
    M1とは、O原子と結合している結合手の数が1つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、
    D1とは、O原子と結合している結合手の数が2つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、
    D2とは、O原子と結合している結合手の数が2つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が2個のもののピーク面積であり、
    T1とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、
    T2とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が2個のもののピーク面積であり、
    T3とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が3個のもののピーク面積であり、
    Q1とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が1個のもののピーク面積であり、
    Q2とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が2個のもののピーク面積であり、
    Q3とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が3個のもののピーク面積であり、そして
    Q4とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si−O−Si結合が4個のもののピーク面積である。}
    に従って求められるシラノール量割合が、0.2以下である、感光性シリコーン樹脂組成物。
  2. 前記シリカ粒子混合物(A)が、前記シラン化合物(a1)及び前記ポリシロキサン化合物(a2)の一方又は両方、並びにシリカ粒子(b)が縮合した縮合反応物である、請求項1に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  3. 前記シリカ粒子混合物(A)が、前記ポリシロキサン化合物(a2)と前記シリカ粒子(b)との縮合反応物、若しくは前記シラン化合物(a1)及び前記ポリシロキサン化合物(a2)と前記シリカ粒子(b)との縮合反応物、又はこれらの組合せである、請求項1又は2に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  4. 前記シリカ粒子混合物(A)において、前記シラン化合物(a1)が光重合性官能基を有し、若しくは前記ポリシロキサン化合物(a2)が光重合性官能基を有し、又はこれらの組合せである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  5. 前記ポリシロキンサン化合物(a2)が、前記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)の内、n1が1であるシラン化合物を含む原料の加水分解縮合生成物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  6. 前記ポリシロキンサン化合物(a2)が、前記一般式(1)で表されるシラン化合物(a1)の内、n1が1であるシラン化合物及びn1が2であるシラン化合物を含む原料の加水分解縮合生成物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  7. 前記シリカ粒子混合物(A)100質量%中の前記シリカ粒子(b)の含有率が1質量%以上80質量%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  8. 前記シリカ粒子(b)が、アルコキシシランから湿式法により作製されたシリカ粒子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  9. 前記シリカ粒子(b)の平均一次粒子径が、1nm以上100nm以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  10. 前記シリカ粒子混合物(A)が、Si−O−Y{式中、Yは、R2又はSiR3 3であり、R2及びR3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基であり、複数存在するR3はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。}で表される末端構造を有し、かつ下記式(3):
    0<[Si−O−SiR3 3]/([Si−O−R2]+[Si−O−SiR3 3])≦1 (3)
    {式中、R2及びR3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基であり、[Si−O−SiR3 3]は、シリカ粒子混合物(A)中に存在するSi−O−SiR3 3の数であり、そして[Si−O−R2]は、シリカ粒子混合物(A)中に存在するSi−O−R2の数である。}を満たす、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  11. 前記Si−O−SiR3 3で表される末端構造が、下記一般式(4):
    3 3SiX2 (4)
    {式中、R3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;であり、X2は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在するR3は、同一でも異なっていてもよい。}又は下記一般式(5):
    3 3SiNHSiR3 3 (5)
    {式中、R3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;であり、複数存在するR3は、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種類以上のケイ素化合物(c)に由来する、請求項10に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  12. 前記Si−O−SiR3 3で表される末端構造が、前記シラン化合物(a1)及びポリシロキサン化合物(a2)の一方又は両方並びにシリカ粒子(b)、又はこれらの縮合反応物を、前記ケイ素化合物(c)と反応させて得られたものである、請求項11に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  13. 前記ケイ素化合物(c)が、前記一般式(4)で表されるケイ素化合物の内、X2がハロゲン原子であるケイ素化合物である、請求項11又は12に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  14. 前記シリカ粒子混合物(A)のピーク分子量が1000以上200,000以下である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  15. 前記シリカ粒子混合物(A)の分子量500以下のエリア分率が20%以下である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  16. 前記光重合開始剤(B)が、光ラジカル重合開始剤である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  17. 分子内に光重合性官能基を有し、かつ前記シラン化合物(a1)及び前記ポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)をさらに含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  18. 前記化合物(C)が、炭素環及び複素環からなる群から選ばれる1種以上の環を分子内に1つ以上含む化合物を含む、請求項17に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  19. 前記シリカ粒子混合物(A)中の光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ノルボルネイル基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、若しくは
    感光性シリコーン樹脂組成物が、分子内に光重合性官能基を有し、かつ前記シラン化合物(a1)及び前記ポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)をさらに含み、かつ該化合物(C)が有する光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ノルボルネイル基、エポキシ基、及びメルカプト基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、又は
    これらの組合せである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  20. 前記シリカ粒子混合物(A)中の光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基及びスチリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、若しくは
    感光性シリコーン樹脂組成物が、分子内に光重合性官能基を有し、かつ前記シラン化合物(a1)及び前記ポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)をさらに含み、かつ該化合物(C)が有する光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基及びスチリル基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、又は
    これらの組合せである、請求項19に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  21. 前記シリカ粒子混合物(A)中の光重合性官能基がエポキシ基及びメルカプト基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、若しくは
    感光性シリコーン樹脂組成物が、分子内に光重合性官能基を有し、かつ前記シラン化合物(a1)及び前記ポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)をさらに含み、かつ該化合物(C)が有する光重合性官能基がエポキシ基及びメルカプト基からなる群から選ばれる少なくとも1種類であり、又は
    これらの組合せである、請求項19に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  22. 酸化防止剤及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種類以上の安定剤(D)をさらに含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  23. 光重合性官能基当量が、0.5mmol/g以上4.5mmol/g以下である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物。
  24. 以下の工程:
    下記一般式(1):
    1 n1SiX1 4-n1 (1)
    {式中、R1は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基であり、n1は、0〜3の整数であり、X1は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のR1及びX1は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種類以上のシラン化合物(a1)及び該シラン化合物(a1)の加水分解縮合生成物であるポリシロキサン化合物(a2)の一方又は両方と、シリカ粒子(b)とを含む混合物を縮合反応させて中間縮合物を得る第1の工程、
    該中間縮合物に触媒を添加し、該中間縮合物を更に縮合反応させてシリカ粒子混合物(A)を得る第2の工程、
    得られたシリカ粒子混合物(A)と光重合開始剤(B)とを混合する第3の工程、
    を含む、感光性シリコーン樹脂組成物の製造方法。
  25. 前記第1の工程において、前記シラン化合物(a1)及び前記ポリシロキサン化合物(a2)の一方又は両方と、シリカ粒子(b)とを混合して第1の混合物を形成し、該第1の混合物に、下記一般式(4):
    3 3SiX2 (4)
    {式中、R3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;であり、X2は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在するR3は同一でも異なっていてもよい。}又は下記一般式(5):
    3 3SiNHSiR3 3 (5)
    {式中、R3は、水素原子;又は炭素数1〜20の有機基;である。}で表される1種類以上のケイ素化合物(c)をさらに加えて第2の混合物を形成し、該第2の混合物を縮合反応させて前記中間縮合物を得る、請求項24に記載の方法。
  26. 前記第3の工程において、分子内に光重合性官能基を有し、かつ前記シラン化合物(a1)及び前記ポリシロキサン化合物(a2)とは異なる化合物(C)、並びに酸化防止剤及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種類以上の安定剤(D)をさらに混合する、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の感光性シリコーン樹脂組成物に、主波長が200〜500nmである光を照射する硬化工程を含む、感光性シリコーン樹脂組成物の硬化物の製造方法。
  28. 前記硬化工程の後、100℃以上300℃以下でのベーク工程をさらに含む、請求項27に記載の方法。
  29. 請求項27又は28に記載の方法によって得られた、硬化物。
  30. 請求項27又は28に記載の方法により製造された、プラスチックレンズ。
  31. 請求項27又は28に記載の方法により製造された、レプリカ材。
  32. 請求項27又は28に記載の方法により製造された、表面被覆材。
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