JP2013161872A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラックの発生及び導電性樹脂層の亀裂の発生を防止できる電子部品を提供する。
【解決手段】端子電極3は、導電性樹脂層22と、めっき層23,24と、を有している。導電性樹脂層22は、素体1のうち、内部電極30が露出する端面11に形成される端面部22Aと、端面11と隣接する側面13、15に形成され、端面部22Aと連続して形成される回り込み部22Bと、を有している。端面部22Aのビッカース硬度が回り込み部22Bのビッカース硬度よりも大きい。端子電極3が導電性樹脂層22を有していることによって、基板等のたわみによる応力が緩和される。これにより、クラックCR1の発生を防止することができる。端面部22Aのビッカース硬度が回り込み部22Bのビッカース硬度よりも大きいため、端面部22Aの内部での亀裂CR2の発生を防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品に関する。
従来の電子部品として、内部電極が形成された直方体状の素体と、素体に形成されて内部電極と電気的に接続される端子電極を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この電子部品では、端子電極は、ヤング率0.1〜15GPaの導電性樹脂層と、導電性樹脂層上に形成される金属めっき層と、を有しており、導電性樹脂層は、素体の端面と当該端面と隣接する側面を覆うように形成されている。
特開2005−217126号公報
このような電子部品は、端子電極のうち、素体の側面に回り込んだ回り込み部が基板等に実装されて使用される。ここで、従来の電子部品にあっては、基板等に電子部品を実装したときに、基板等のたわみによって接合部分にクラックが発生する場合があった。また、端子電極のめっき層の形成時に導電性樹脂層の内部に亀裂が発生する場合があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、クラックの発生及び導電性樹脂層の亀裂の発生を防止できる電子部品を提供することを目的とする。
本発明に係る電子部品は、内部に内部電極が形成された素体と、素体の端部に形成される端子電極と、を備える電子部品であって、端子電極は、導電性樹脂層と、導電性樹脂層上に形成されるめっき層と、を有し、導電性樹脂層は、素体のうち、内部電極が露出する端面に形成される端面部と、端面と隣接する側面に形成され、端面部と連続して形成される回り込み部と、を有し、端面部のビッカース硬度が回り込み部のビッカース硬度よりも大きいことを特徴とする。
本発明に係る電子部品では、端子電極が導電性樹脂層を有していることによって、基板等のたわみなどによる応力が緩和され、クラックの発生を防止することができる。また、導電性樹脂層では、端面部のビッカース硬度が回り込み部のビッカース硬度よりも大きい。すなわち、めっき層を形成する際の加熱処理によって亀裂が発生し易い箇所である端面部のビッカース硬度が大きいため、亀裂の発生が防止される。以上より、クラックの発生及び導電性樹脂層の亀裂の発生を防止できる。
また、本発明に係る電子部品において、回り込み部のビッカース硬度をG1とし、端面部のビッカース硬度をG2とした場合、G2/G1≧1.3の関係がなりたつことが好ましい。これによって端面部が十分な硬さとなるため、導電性樹脂層内での亀裂の発生をより確実に防止することができる。
また、本発明に係る電子部品において、端面部の引張り強度は、導電性樹脂層とめっき層との接合強度よりも大きいことが好ましい。これによって端面部が十分な硬さとなるため、導電性樹脂層内での亀裂の発生をより確実に防止することができる。
また、本発明に係る電子部品において、端子電極は、素体と導電性樹脂層との間に、導電性粒子を含む金属焼付層を有することが好ましい。これによって、端子電極と素体の内部の内部電極との電気的な接続を確実に確保することができる。
また、本発明に係る電子部品において、回り込み部の膜厚は、端面部の膜厚よりも小さいことが好ましい。これによって、電子部品の低背化が可能となると共に、ESLを低減することができる。
本発明によれば、クラックの発生及び導電性樹脂層の亀裂の発生を防止できる。
本発明の電子部品の好適な一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す電子部品のII−II線の切断面を模式的に示す断面図である。 変形例に係る電子部品の斜視図である。
以下、場合により図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の電子部品の好適な一実施形態を示す斜視図である。本発明の対象となる電子部品は、例えば、積層型コンデンサや積層型インダクタである。この電子部品100は、略直方体形状又は略立方体形状を有しており、例えば、長手方向(横)の長さが3.2〜7.5mm程度、幅方向の長さが1.6〜6.3mm程度、高さ方向の長さが1.6〜3.0mm程度である。ただし、電子部品の大きさはこれに限られない。
電子部品100は、略直方体形状又は略立方体形状の素体1と、素体1の両端部にそれぞれ形成された一対の端子電極3と、を備えている。端子電極3の詳細な構成については後述する。素体1は、誘電体層と内部電極とを複数積層することによって形成されている。素体1は、互いに対向する端面11a及び端面11b(以下、纏めて「端面11」という。)と、端面11に垂直で互いに対向する側面13a及び13b(以下、纏めて「側面13」という。)と、端面11に垂直で互いに対向する側面15a及び側面15b(以下、纏めて「側面15」という。)とを有する。側面13と側面15とは互いに垂直である。側面13及び側面15は、端面11と隣接している。端面11からは、内部電極30の端部が露出している(図2参照)。
素体1は、端面11と側面13aとの間の稜部R13、端面11と側面13bとの間の稜部R14、端面11と側面15aとの間の稜部R15、端面11と側面15bとの間の稜部R16、側面13aと側面15aとの間の稜部R33、側面15aと側面13bとの間の稜部R34、側面13bと側面15bとの間の稜部R35、及び、側面15bと側面13aとの間の稜部R36を有している。稜部R13〜R16、R33〜R36は、素体1が研磨されてR形状を成している部分である。このようなR形状を有することによって、素体1の稜部R13〜R16、R33〜R36における破損の発生を抑制することができる。
端子電極3は、素体1における端面11、稜部R13、稜部R14、稜部R15及び稜部R16を覆うとともに、側面13,15の端面11側の一部を一体的に覆うように設けられている。このため、端子電極3は、素体1の角部27を覆うように設けられている。端子電極3は、素体1の端面11に形成される端面部3Aと、端面部3Aから側面13,15に回り込むように形成される回り込み部3Bを有する。端子電極3は、回り込み部3Bが基板回路に対する実装面として機能する。
図2は、図1に示すセラミック電子部品のII−II線の切断面を模式的に示す断面図である。すなわち、図2は、図1に示す電子部品100を、側面13に垂直で側面15に平行な面で切断した場合の断面構造を示す図である。
端子電極3は、端面11、側面13,15、稜部R13〜16及び角部27の上において、素体1に焼付けられた金属焼付層21と、金属焼付層21を覆うように形成された導電性樹脂層22と、導電性樹脂層22を覆うように当該導電性樹脂層22上に形成されためっき層23,24と、を有している。端子電極3は、内側から外側へ向かって金属焼付層21、導電性樹脂層22、めっき層23、めっき層24の順番で各層を有している。各層は、いずれも端面部と回り込み部を有している。
金属焼付層21は、例えばCuなどの導電性粒子を含んだ導体ペーストを浸漬法等によって、素体1の端面11、側面13,15に塗布し、焼き付けることによって形成される。金属焼付層21は、端面11で露出している内部電極30と電気的に接続される。ただし、金属焼付層21が形成されない場合があってもよい。めっき層23,24の材質は特に限定されないが、例えば、めっき層23としてNiめっきが適用され、めっき層24としてSnめっきが適用される。めっき層23,24は、例えば導電性樹脂層22の表面全体に対して電気めっき法などによって形成される。めっき層23,24の形成時には加熱による乾燥工程が行われる。
導電性樹脂層22は、樹脂に金属粉末が分散混入した状態となっており、樹脂と溶剤と金属粉末が混練された樹脂ペーストを、素体1の端部上に金属焼付層21を覆うように塗布し、加熱処理することによって形成される。樹脂としては、例えばエポキシ樹脂やフェノール樹脂やポリアミン類などが適用され、金属粉末は、例えばAgやCuなどが適用される。導電性樹脂層22は、素体1の端面11に形成される端面部22Aと、側面13,15に形成される回り込み部22Bと、を有している。回り込み部22Bは、端面部22Aから側面13,15へ回り込む部分であり、端面部22Aと連続して形成されている。なお、端面部22Aを形成するための樹脂ペーストと回り込み部22Bを形成するための樹脂ペーストとで、同じものを使用してもよく、異なる樹脂ペーストを使用してもよい。
回り込み部22Bの回り込み量(図2の寸法B1)は、例えば0.7〜0.9mmに設定される。図2に示す例では、導電性樹脂層22は金属焼付層21を覆うように形成されているため、導電性樹脂層22の回り込み量は、金属焼付層21の回り込み量よりも大きい。回り込み部22Bの膜厚T1は、端面部22Aの膜厚T2よりも小さい。本実施形態における回り込み部22Bの膜厚は、金属焼付層21との境界部分と、めっき層23との境界部分との間の寸法T1で定められる。端面部22Aの膜厚は、金属焼付層21との境界部分と、めっき層23との境界部分との間の寸法T2で定められる。具体的に、回り込み部22Bの膜厚T1は、30〜50μmである。端面部22Aの膜厚T2は、55〜80μmである。
端面部22Aのビッカース硬度は、回り込み部22Bのビッカース硬度よりも大きい。また、回り込み部22Bのビッカース硬度をG1とし、端面部22Aのビッカース硬度をG2とした場合、G2/G1≧1.3の関係が成り立つことが好ましい。具体的に、回り込み部22Bのビッカース硬度G1は、1.5×10〜2.0×10N/mである。端面部22Aのビッカース硬度G2は、2.5×10〜3.0×10N/mである。また、端面部22Aの引張り強度D1は、めっき層23と導電性樹脂層22との間の接合強度D2よりも大きい。
次に、図1及び図2に示す電子部品100の製造方法の一例について説明する。
電子部品100の製造方法においては、まず、誘電体層となるセラミックグリーンシートにNiからなる導体パターンを印刷したものを複数枚用意し、それを積層することで素体1を得る。次に、端子電極3の金属焼付層21を形成するための工程が実行される。この工程では、例えば浸漬法などにより、素体1の端部に導体ペーストを付着させる。当該導体ペーストを乾燥させた後、700〜800℃で熱処理が行われることによって、金属焼付層21が形成される。
次に、素体1に導電性樹脂層22を形成するための工程が実行される。この工程では、樹脂と溶剤と金属粉末が混練された樹脂ペーストを金属焼付層21を覆うように素体1の端部に塗布した後、加熱処理によって硬化する。ここでは、端面部22Aのビッカース硬度G2が回り込み部22Bのビッカース硬度G1よりも大きくなるような方法が採用される。
例えば、端面部22Aと回り込み部22Bとで同じ樹脂ペーストを用いる場合、回り込み部22Bに比して端面部22Aを多く加熱処理することによって端面部22Aのビッカース硬度G2を上げることができる。すなわち、素体1の端部を樹脂ペーストに浸漬させた後、端面部22A及び回り込み部22Bを加熱処理することで一次硬化処理を行う。その後、端面部22Aのみを(赤外線などを照射することで)部分的に加熱する二次硬化処理を行う。なお、浸漬法によって樹脂ペーストを塗布した場合、端面部22Aの膜厚T2が回り込み部22Bの膜厚T1よりも大きくなる。
また、端面部22Aと回り込み部22Bとで異なる樹脂ペーストを用いる場合、回り込み部22Bに比してビッカース硬度を高くできるような樹脂ペーストを、端面部22Aに塗布する。具体的には、低硬度用の樹脂ペーストを素体1の側面13,15のみに塗布して加熱処理することで回り込み部22Bを形成し、それとは別工程で高硬度用の樹脂ペーストを素体1の端面11のみに塗布して加熱処理することで端面部22Aを形成する。あるいは回り込み部22Bのための樹脂ペーストの塗布と端面部22Aのための樹脂ペーストの塗布を行った後、両者を同時に加熱処理してもよい。
次に、導電性樹脂層22の上にめっき層23,24を形成する。これらのめっき層23,24は、例えば電気めっき法によって形成される。すなわち、バレル内のめっき液に素体1を浸漬させた後、バレルを回転させた後、所定温度で加熱して乾燥処理を行うことによって、めっき層23が形成される。更に、めっき液に素体1を浸漬させた後、バレルを回転させた後、所定温度で加熱して乾燥処理を行うことによって、めっき層23の上にめっき層24が形成される。
なお、本明細書における「略直方体形状」「略立方体形状」とは、立方体形状や直方体形状のみならず、本実施形態における素体1のように、直方体の稜線部分に面取りが施されて、稜部がR形状となっている形状を含むことはいうまでもない。すなわち、本実施形態における素体は、実質的に立方体形状又は直方体形状を有していればよい。
次に、本実施形態に係る製造方法によって製造される電子部品100の作用・効果について説明する。
電子部品100を基板等に実装する際、端子電極3の回り込み部3Bを基板側の端子電極と接合させる。この状態で基板等にたわみが生じると、応力によって図2に示すように、基板等との接合部分付近において、素体1にクラックCR1が生じ易くなる。しかしながら、本実施形態に係る電子部品100では、端子電極3が導電性樹脂層22を有していることによって、基板等のたわみによる応力が緩和される。これにより、クラックCR1の発生を防止することができる。一方、導電性樹脂層22のうち、端面部22Aは樹脂のボリュームが多い関係で、めっき層23,24の形成時における乾燥処理の際の加熱により、端面部22Aの内部で図2に示すような亀裂CR2が発生し易くなる。しかしながら、本実施形態に係る電子部品100では、端面部22Aのビッカース硬度が回り込み部22Bのビッカース硬度よりも大きい、すなわち端面部22Aが硬く形成されているため、端面部22Aの内部での亀裂CR2の発生を防止することができる。導電性樹脂は、柔らかく形成されている場合は内部に亀裂が発生し易くなるが、応力を緩和する効果が高くなる。一方、導電性樹脂は、硬く形成されている場合は応力緩和の効果は低下するが、内部の亀裂が発生し難くなる。このような特性に鑑み、上述のような構成とすることで、電子部品100は、回り込み部22Bでは応力を十分に緩和し、端面部22Aでは亀裂の発生を防止することが可能となっている。
また、本実施形態に係る電子部品100において、回り込み部22Bのビッカース硬度をG1とし、端面部22Aのビッカース硬度をG2とした場合、G2/G1≧1.3の関係がなりたつ。これによって端面部22Aが十分な硬さとなるため、導電性樹脂層22内での亀裂CR2の発生をより確実に防止することができる。
また、本実施形態に係る電子部品100において、端面部22Aの引張り強度は、導電性樹脂層22とめっき層23との接合強度よりも大きい。これによって端面部22Aが十分な硬さとなるため、導電性樹脂層22内での亀裂CR2の発生をより確実に防止することができる。
また、本実施形態に係る電子部品100において、端子電極3は、素体1と導電性樹脂層22との間に、導電性粒子を含む金属焼付層21を有する。これによって、端子電極3と素体1の内部の内部電極30との電気的な接続を確実に確保することができる。
また、本実施形態に係る電子部品100において、回り込み部22Bの膜厚T1は、端面部22Aの膜厚T2よりも小さい。これによって、電子部品100の低背化が可能となると共に、ESLを低減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、図3(a)及び(b)に示すようなアレイ状の電子部品200,300に、本発明の構造が適用されていてもよい。すなわち、端子電極203,303は導電性樹脂層を有しており、端子電極203,303の導電性樹脂層の端面部のビッカース硬度が回り込み部のビッカース硬度よりも大きい構成を採用してもよい。また、電子部品の形状も特に限定されず、例えば図3(c)のように、幅方向に長い電子部品400の端子電極403に本発明の構成を採用してもよい。
1…素体、3…端子電極、21…金属焼付層、22…導電性樹脂層、22A…端面部、22B…回り込み部、23,24…めっき層、30…内部電極、100…電子部品。

Claims (5)

  1. 内部に内部電極が形成された素体と、前記素体の端部に形成される端子電極と、を備える電子部品であって、
    前記端子電極は、導電性樹脂層と、前記導電性樹脂層上に形成されるめっき層と、を有し、
    前記導電性樹脂層は、
    前記素体のうち、前記内部電極が露出する端面に形成される端面部と、
    前記端面と隣接する側面に形成され、前記端面部と連続して形成される回り込み部と、を有し、
    前記端面部のビッカース硬度が前記回り込み部のビッカース硬度よりも大きいことを特徴とする電子部品。
  2. 前記回り込み部のビッカース硬度をG1とし、前記端面部のビッカース硬度をG2とした場合、G2/G1≧1.3の関係が成り立つことを特徴とする請求項1記載の電子部品。
  3. 前記端面部の引張り強度は、前記導電性樹脂層と前記めっき層との接合強度よりも大きいことを特徴とする請求項1または2記載の電子部品。
  4. 前記端子電極は、前記素体と前記導電性樹脂層との間に、導電性粒子を含む金属焼付層を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の電子部品。
  5. 前記回り込み部の膜厚は、前記端面部の膜厚よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の電子部品。
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