JP2013160617A - 粒子状物質検出装置 - Google Patents

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恵三 岩間
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竜也 岡山
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伸一 菊池
Atsuo Kondo
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Takayuki Sakurai
隆行 櫻井
Hitoshi Nishikawa
斎 西川
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Abstract

【課題】フィルタの上流側といった高濃度環境下においても、少ない電力消費量でかつ長時間にわたる検出が可能なPMセンサを提供することを提供すること。
【解決手段】PMセンサは、センサ本体と、排気管4内でセンサ本体18の先端部に設けられたセンサ素子12を保護する保護カバー6と、を備える。保護カバー6には、PMを流入させる流入孔62a,62bと、PMを流出させる流出孔63a,63bと、が形成されている。保護カバー6は、センサ素子12を囲繞する筒状の胴部61と胴部61の一方の端部を塞ぐ底部とを有する有底筒状である。流入孔62a,62bは、胴部61のうち排気の上流側に面した部分であり、かつ、排気の流れ方向に垂直な幅方向に沿ってセンサ素子12のキャビティ部120から距離dだけオフセットした位置にのみ形成される。
【選択図】図7

Description

本発明は、粒子状物質検出装置に関する。特に、内燃機関から排出された排気の粒子状物質(PM(Particulate Matter))の濃度を検出する粒子状物質検出装置に関する。
排気管内に設けられたPMセンサの電極部にPMが付着すると、この電極部の電気的特性はPMの付着量に応じて変化する。特許文献1には、排気管内のPMの濃度と、電極部へのPMの付着量と、電極部の電気的特性の変化量との間に相関関係があることを利用し、排気管内に設けられた電極部の電気的特性の測定に基づいて排気管内のPM濃度を算出する粒子状物質検出装置が提案されている。
また、特許文献1の粒子状物質検出装置では、PMを付着させる電極部を、一対の電極板と、これら電極板の間に介装される2枚の板状のスペーサとを組み合わせることにより形成している。これらスペーサは各電極板の両端側に設けられており、これにより、各電極板のタングステン導体の導体部には、PMが付着するキャビティが形成される。このようなキャビティ構造を有する電極部によれば、電極間は等間隔かつ極近距離で保たれるため、電極板間に均一な電界を低電力で発生させることができる。
しかしながら、このような粒子状物質検出装置では、電極部に付着させることができるPMの量に限りがあることから、電極部に付着したPMが規定の飽和に達した場合にはこれを燃焼しPMセンサを再生しなければ継続して使用することができない。このため従来の粒子状物質検出装置では、長時間にわたる連続的な検出が困難であり、またPMセンサの再生により燃費が悪化する、という課題がある。特に、PMの高濃度環境下で用いる場合には、電極部へのPMの付着量は速やかに飽和に達してしまうため、再生頻度の増加、ひいては燃費の悪化の課題が特に顕著となる。
特許文献2には、フィルタの上流側に複数のPMセンサを設ける技術が提案されている。この技術では、複数のPMセンサのうちの1つが飽和に達した場合には、これを再生し、再生中は他の飽和に達していないPMセンサの出力に基づいて排気中のPMを検出する。すなわち、特許文献2の技術では、複数のPMセンサを相補的に用いることにより、PMの高濃度環境下でも連続的な検出を可能としている。
特開2008−139294号公報 特開2008−190502号公報
特許文献2の技術によれば、高濃度環境下でも連続的な検出が可能とはなるものの、複数のPMセンサを設けた分だけPMの付着量も増加し、燃焼除去すべきPMの総量も増えてしまうため、燃費の観点からは逆に悪化すると考えられる。
本発明は、フィルタの上流側といった高濃度環境下においても、少ない電力消費量でかつ長時間にわたる検出が可能な粒子状物質検出装置を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため本発明は、内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気管(例えば、後述の排気管4)に設けられ、排気中の粒子状物質を検出するセンサ本体(例えば、後述のセンサ本体18)と、前記排気管内で前記センサ本体の電極部(例えば、後述のセンサ素子12)を保護するカバー(例えば、後述の保護カバー6)と、を備え、前記カバーには、粒子状物質を当該カバーの内側へ流入させる流入孔(例えば、後述の流入孔62a,62b)と、粒子状物質を当該カバーの内側から流出させる流出孔(例えば、後述の流出孔63a,63b)と、が形成され、前記電極部の電気的特性の変化の測定に基づいて、前記カバーの外側を流通する排気の粒子状物質の濃度を推定する粒子状物質検出装置(例えば、後述のPMセンサ11)を提供する。前記粒子状物質検出装置は、前記カバーの内側に流入した粒子状物質を、電圧を印加することで前記電極部に付着させる集塵手段(例えば、後述の集塵用DC電源13及びECU5)をさらに備え、前記カバーは、前記電極部を囲繞する筒状の胴部(例えば、後述の胴部61)と当該胴部の一方の端部を塞ぐ底部(例えば、後述の底部64)とを有する有底筒状であり、前記流入孔は、前記胴部のうち排気の上流側に面した部分であり、かつ、排気の流れ方向に垂直な幅方向に沿って前記電極部からオフセットした位置にのみ形成されることを特徴とする。
(1)本発明では、粒子状物質を流入させる流入孔と粒子状物質を流出させる流出孔とが形成されたカバーで、センサ本体の電極部を排気管内で保護し、また上記流入孔を、カバーの胴部のうち排気の上流側に面した部分のうち、排気の流れ方向に垂直な幅方向に沿って電極部からオフセットした位置にのみ形成する。このように、流入孔と流出孔との両方が形成されたカバーで電極部を保護することにより、カバー内側のうち特に電極部の周囲の粒子状物質の濃度を、カバー外側の濃度よりも十分に低くしながらかつ、カバー外側の濃度と連動して変化させることができる。これにより、カバー外側の粒子状物質の濃度が高い状態であっても、電極部に短時間で過剰な量の粒子状物質が付着するのを防ぐことができ、また、電極部の電気的特性の変化の測定に基づいてカバー外側の粒子状物質の濃度を推定することができる。したがって、例えば粒子状物質を捕集するフィルタの上流側や内燃機関の直下などといった粒子状物質の高濃度環境下であっても、電極部が飽和に達するまでの時間を長くできるので、電極部の再生頻度を少なくし、ひいては少ない電力消費量でかつ長時間にわたり粒子状物質の濃度を推定することができる。
また粒子状物質検出装置が検出対象とする粒子状物質はある程度の質量を有するため、排気を構成するCOやOなどの気体成分と比較すると直進性が高い。このため、流入孔からカバー内側に流入した粒子状物質の多くは、カバー外側での粒子状物質の進行方向、すなわち排気の流れ方向に沿ってカバー内側をそのまま流れると考えられる。したがって、単なる孔が形成されたカバーで電極部を覆っただけでは、電極部が粒子状物質の濃度の高い排気の流れにさらされてしまい、長時間にわたる正確な濃度の推定ができなくなってしまうおそれがあるところ、本発明では流入孔を排気の流れ方向に垂直な幅方向に沿って電極部からオフセットした位置にのみ形成することにより、高濃度の排気が直接電極部に当たらないようにできるので、長時間にわたり正確に濃度を推定できる。
ところで、電極部の電気的特性は、ある程度の量の粒子状物質が電極部に付着し、電極部に粒子状物質の基盤が形成されて始めて有意な変化が現れる。これは、本発明の粒子状物質検出装置では、電極部には粒子状物質の基盤が形成されて初めて、粒子状物質の濃度の推定が可能となることを意味する。しかしながら、電極部を完全に再生した直後など、電極部に粒子状物質の基盤が形成されていない初期段階では、基盤が形成された後と比較して粒子状物質が付着しにくくなっている。特に、上述のように流入孔の位置を電極部に対しオフセットした場合、排気の流れ方向に沿って流入孔から流入した粒子状物質は、外部からの物理的な作用が無ければ電極部にほとんど付着することは無く、したがって粒子状物質の濃度が推定可能となるまでに時間がかかってしまう。これに対し、本発明では、電圧を印加することにより、カバー内において電極部から離れた粒子状物質を引き付けるようにして、電極部に粒子状物質を積極的に付着させることができるので、上記初期段階でも速やかに粒子状物質の基盤を形成し、速やかに濃度の推定が可能な状態にすることができる。
(2)この場合、前記流入孔は、2つで一対として、前記胴部のうち排気の上流側に面した部分に一対以上形成され、前記一対の流入孔は、前記幅方向に沿った前記電極部からのオフセット距離(例えば、後述のd)が等しくなるように、排気の流れ方向に平行かつ前記電極部を通過する仮想軸(例えば、後述の仮想軸A1)を中心として対称な位置に形成されることが好ましい。
(2)本発明では、流入孔を2つで一対とし、これら一対の流入孔を、仮想軸を中心として対称かつ電極部からのオフセット距離が等しくなるように形成することにより、電極部に偏り無く均一に粒子状物質を付着させることができるので、濃度の推定精度を高くできる。また、粒子状物質を電極部に均一に付着させることにより、適切なタイミングで電極部が飽和に達したと判断できるので、電極部の再生頻度を最小限にすることができ、ひいては消費電力量を最小限にできる。
(3)この場合、前記電極部は、前記集塵手段により電圧を印加したときに当該電極部の周囲に形成される電界の強さが、前記一対の流入孔の両方の位置で等しくなるように、前記カバーの内側に設けられることが好ましい。
(3)本発明では、電圧の印加時における電極部の周囲の電界の強さが、一対の流入孔の両方の位置において等しくなるようにすることにより、各流入孔から流入した粒子状物質を電極部に等しい力で引き寄せることができるため、電極部に均一な厚みの粒子状物質の基盤を形成することができる。したがって、上記(2)の発明と同様に、濃度の推定精度をさらに向上でき、また消費電力量をさらに低減できる。
(4)この場合、前記電極部は、前記集塵手段により電圧が印加される一対の電極板(例えば、後述の集塵電極123A,128A)と、これら一対の電極板の間に介装された板状のスペーサ(例えば、後述のスペーサ125A,125B)と、を組み合わせて形成され、前記一対の電極板の間には、粒子状物質が付着する空洞状のキャビティ部(例えば、後述のキャビティ部120)が形成され、前記電極部は、前記キャビティ部の一方の開口から他方の開口へ向かう長手方向が、排気の流れ方向に対し平行又は垂直になるように、前記カバー内に設けられることが好ましい。
(4)本発明では、電極部を電極板で挟まれたキャビティ構造とした上、さらにその長手方向を排気の流れ方向に対し平行又は垂直となるようにすることにより、各流入孔から流入した粒子状物質を、キャビティ部内に均一に付着させることができる。したがって、上記(2)の発明と同様に、濃度の推定精度をさらに向上でき、また消費電力量をさらに低減できる。
(5)この場合、前記流出孔は、前記胴部のうち排気の下流側に面した部分のうち、前記流入孔から排気の流れ方向に沿った直線(例えば、後述の直線A2,A3)上に形成されることが好ましい。
(5)上述のように粒子状物質は直進性が高いため、その飛跡は排気の流れ方向とほぼ平行になる。したがって、流出孔を、胴部のうち排気の下流側に面した部分のうち、流入孔から排気の流れ方向に沿った直線上に形成することにより、カバー外側から流入孔を介して流入した粒子状物質の多くはそのまま流出孔からカバー外側へ排出されるため、カバー内側に粒子状物質が滞留するのを防ぐことができる。
また、胴部のうち排気の下流側に面した部分に、このような流出孔を形成することにより、カバー外側の排気の流れに引き込まれるようにしてカバー内側の排気を排出できるので、カバー内側の圧力を低くすることができる。カバー内側の圧力を低く維持すると、流入孔から流入した排気は、カバー内側でゆるやかに拡散し、流出孔から排出されることとなる。これにより、電極部の周囲の粒子状物質の濃度を、カバー外側の濃度変動が反映されたものにしながらかつ低く維持することができるので、粒子状物質検出装置による濃度の推定精度をさらに向上することができる。
また、このようにカバー内側のガス抜け性を向上することにより、カバー外側の排気を流入孔から導入しやすくできるので、カバー外側の粒子状物質の濃度の変化を、カバー内側の電極部の周囲の粒子状物質の濃度の変化に速やかに反映させることができ、ひいては粒子状物質検出装置による濃度推定の遅れを小さくできる。
(6)この場合、前記カバーは、前記排気管内において排気の流れ方向に対し前記胴部の延在方向を垂直にして設けられ、前記底部のうち前記排気の流れ方向に対し平行な部分には貫通孔(例えば、後述のガス抜け孔65)が形成されていることが好ましい。
(6)本発明では、流入孔や流出孔が形成された胴部の延在方向を排気の流れ方向に対し垂直にした上、底部のうち排気の流れ方向に対し平行な部分に貫通孔を形成することにより、カバー外側の排気の流れに引き込まれるようにしてカバー内側の排気を排出できるので、カバー内側の圧力を低くすることができる。したがって、上記(5)の発明と同様に、電極部の周囲の粒子状物質の濃度を、カバー外側の濃度変動が反映されたものにしながらかつ低く維持することができるので、粒子状物質検出装置による濃度の推定精度をさらに向上することができる。また、カバー内側のガス抜け性を向上することにより、上記(5)の発明と同様の理由により、粒子状物質検出装置による濃度推定の遅れを小さくできる。
(7)この場合、前記集塵手段は、前記電極部に接続された電源(例えば、後述の集塵用DC電源13)と当該電源を制御する制御装置(例えば、後述のECU5)とを備え、前記制御装置は、前記電極部への粒子状物質の付着量が前記電気的特性の変化に基づく濃度の推定が可能になる所定量(Q)に達するまで前記電極部に電圧を印加し、前記電極部への粒子状物質の付着量が前記所定量に達した後は前記電極部への電圧の印加を停止することが好ましい。
(7)本発明では、粒子状物質の付着量が所定量に達するまでの間、すなわち濃度推定ができずかつ粒子状物質が電極部に付着しにくい期間は、電極部に電圧を印加することで積極的に集塵することにより(静電集塵)、速やかに電極部に粒子状物質の基盤を形成し、濃度推定が可能な状態にできる。また、本発明では、静電集塵を行うことで粒子状物質の付着量が所定量に達した後、すなわち粒子状物質の基盤が形成されることで濃度推定が可能となりかつ新たな粒子状物質が付着し易くなった後は、電極部への電圧の印加を停止し、自然集塵に移行することにより、集塵にかかる電力の消費を最小限にとどめることができる。以上の効果は、電極部をカバーで覆うことにより、意図的に電極部の周囲に粒子状物質の低濃度環境を作り出す本発明ではとりわけ有効である。
本発明の一実施形態に係る粒子状物質検出装置が設けられた内燃機関及びその排気系の構成を示す図である。 上記実施形態に係るセンサ素子の斜視図である。 上記実施形態に係るセンサ素子の分解斜視図である。 上記実施形態に係るセンサ素子のキャビティ部内にPMが全面に付着したときの様子を模式的に示した図である。 上記実施形態に係るセンサ素子のキャビティ部に付着したPMの量と、センサ素子の静電容量との関係を模式的に示す図である。 上記実施形態に係る排気管に設けられたセンサ本体の斜視図である。 上記実施形態に係る排気管に設けられたセンサ本体の断面図である。 上記実施形態に係る保護カバー外側のPM濃度と保護カバー内側のセンサ素子の周囲のPM濃度との関係を模式的に示す図である。 上記実施形態に係るセンサ素子に集塵電圧を印加した場合に、センサ素子の周囲に形成される電界を模式的に示す図である。 上記実施形態の保護カバーの変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る粒子状物質検出装置が設けられた内燃機関及びその排気系の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、各気筒内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンであり、各気筒には図示しない燃料噴射弁が設けられている。
エンジン1の排気が流通する排気管4には、排気に含まれる炭素を主成分とした粒子状物質を検出する粒子状物質検出装置(以下、「PMセンサ」という)11と、排気浄化フィルタ(以下、「DPF(Diesel Particulate Filter)」という)3とが、上流側からこの順で設けられている。
DPF3は、多孔質体のフィルタ壁を備え、排気がこのフィルタ壁の微細な孔を通過する際、排気に含まれるPMを、フィルタ壁の表面及びフィルタ壁中の孔に堆積させることにより、これを捕集する。フィルタ壁の構成材料としては、例えば、チタン酸アルミニウムやコージェライト等を材料とした多孔質体が使用される。
PMセンサ11は、排気管4に設けられ排気中のPMを検出するセンサ素子12を備えるセンサ本体18と、センサ本体18に接続されたセンサ制御ユニット17と、このセンサ制御ユニット17に接続された電子制御ユニット(以下、「ECU」という)5と、を備える。センサ制御ユニット17は、集塵用DC電源13と、インピーダンス測定器14と、センサ素子12の温度を制御する温度制御装置15と、を含んで構成される。PMセンサ11は、以下に示すように、排気管4内を流通する排気に含まれるPMが付着したセンサ素子12の電気的特性の測定に基づいて、排気管4内を流通する排気中のPM濃度を算出する。
図2は、センサ素子12の斜視図である。図2に示すように、センサ素子12は、空洞状のキャビティ部120を備える。排気中に含まれるPMは、このキャビティ部120の内壁に付着する。以下では、キャビティ部120の一方の開口から他方の開口へ向かう方向を、キャビティ部120の長手方向と定義する。
図3は、センサ素子12の分解斜視図である。センサ素子12は、図3に示すように、一対の電極板130,131を、板状のスペーサ125A,125Bを介装して組み合わせ、ヒーター層122,129及びアルミナプレート121で挟持することにより構成される。これにより、電極板130,131、スペーサ125A,125Bに囲まれたキャビティ部120が形成される。
電極板130は、誘電体層124と、集塵電極層123とを積層することにより形成される。また、電極板131は、誘電体層126と、測定電極層127と、集塵電極層128とを積層することにより形成される。
測定電極層127は、一対の櫛形の測定電極127A,127Bを備える。具体的には、測定電極127A,127Bは、測定電極層127の一端側のキャビティ部120に対応する位置に形成された一対の櫛歯部と、この櫛歯部から他端側へかけて延びる一対の櫛本体部と、を含んで構成される。より具体的には、測定電極127A,127Bは、一方の櫛形の測定電極127Aの櫛歯部と他方の櫛形の測定電極127Bの櫛歯部とが相互に挟み合うように対向配置されている。
また、一対の櫛本体部は、インピーダンス測定器14に電気的に接続されている。
ここで、測定電極層127に櫛形の測定電極127A,127Bを備える本実施形態のPM検出メカニズムについて説明する。
図4は、センサ素子12のキャビティ部120内にPMが全面に付着したときの様子を模式的に示した図である。図4に示すように、キャビティ部120に付着したPMは、櫛形の測定電極127A,127Bの櫛歯部上に誘電体層を介して堆積する。このとき、隣接する測定電極127A,127B間におけるもれ電界が、堆積したPMによる影響を受け、測定電極127A,127B間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化は、PMが付着した量に相関があることから、この電気的特性の変化を測定することにより、単位時間当たりにキャビティ部120に堆積したPMの量、ひいてはセンサ素子の周囲の排気のPM濃度を算出できる。なお、以下の説明において、センサ素子12の電気的特性とは、センサ素子12のうちPM付着量に相関のあるキャビティ部120の電気的特性を意味する。
集塵電極層123,128は、タングステン導体層からなる集塵電極123A,128Aを備える。この集塵電極123A,128Aは、集塵電極層123,128の一端側のキャビティ部120に対応する位置に略正方形状に形成された導体部と、この導体部からアルミナ基板の他端側へかけて線状に延びる導線部と、を含んで構成される。
また、集塵電極123A,128Aの導線部は、集塵用DC電源13に電気的に接続されている。
なお、集塵電極123A、128Aの導体部の一辺の長さは、約10mmである。
ヒーター層122,129は、ヒーター配線122A,129Aを備え、これらヒーター配線122A,129Aは、温度制御装置15に電気的に接続されている。
また、アルミナプレート121は、略矩形状のアルミナ基板であり、厚みは約1mmである。
集塵用DC電源13は、集塵電極層123,128に備えられた集塵電極123A,128Aの導線部に電気的に接続されている。集塵用DC電源13は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、後述する測定電圧よりも大きい所定の集塵電圧を集塵電極層123,128間に印加する。これにより、センサ素子12の周囲のPMを引き寄せるようにしてキャビティ部120に付着させる。
インピーダンス測定器14は、測定電極層127の一対の櫛本体部に電気的に接続されている。インピーダンス測定器14は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、所定の測定電圧及び測定周期のもとで、センサ素子12の電気的特性を検出し、検出した静電容量に略比例した検出信号をECU5に出力する。なお、本実施形態では、インピーダンス測定器14により、センサ素子12の電気的特性として特に静電容量を測定するが、これに限るものではない。
温度制御装置15は、各電極板130,131に接して設けられたヒーター層122,129のヒーター配線122A,129Aに電気的に接続されており、これらヒーター層122,129に電力を供給するヒーター用DC電源(図示せず)を含んで構成される。
ヒーター用DC電源は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、ヒーター層122,129に所定の電流を通電する。ヒーター層122,129は、ヒーター用電源から電流が供給されると発熱し、各電極板130,131を加熱する。これにより、各電極板130,131を加熱し、キャビティ部120に付着したPMを燃焼除去でき、センサ素子12を再生できる。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU5は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路と、センサ制御ユニット17に制御信号を出力する出力回路とを備える。
次に、ECUによるPMセンサの制御方法について、センサ素子の特性と合わせて説明する。
図5は、センサ素子のキャビティ部に付着したPMの量と、センサ素子の静電容量との関係を模式的に示す図である。図5では、横軸をPMの付着量とし、縦軸を静電容量とする。
先ず、センサ素子にはキャビティ部の容積を超える量のPMを付着させることができないため、センサ素子のPM付着量にはキャビティ部の容積に応じた限界量Qがある。この限界量Q以下において、センサ素子の静電容量はPM付着量に対して以下のように変化する。
PM付着量が0から所定量Qまでの間は、PMはキャビティ部の内壁に薄くまばらに付着した状態であり、PMがセンサ素子の電気的特性に及ぼす影響が小さく、PM付着量によらず静電容量は初期値C一定のままである。したがって、キャビティ部にPMが付着してもセンサ素子の静電容量に有意な変化は現れないため、単位時間当たりに付着したPMの量、ひいてはセンサ素子の周囲のPM濃度を算出することはできない。また、キャビティ部にPMが付着していない場合、既に付着している場合と比較して、新たなPMが付着しにくくなっている。
PM付着量が上記所定量Qを超えると、キャビティ部の内壁にPMの基盤が形成された状態となり、センサ素子の静電容量は初期値Cから変化し始める。このため、PM付着量が所定量Qを超えた領域では、センサ素子の静電容量の変化量から、単位時間当たりに付着したPMの量を特定でき、ひいてはセンサ素子の周囲のPM濃度を算出することができる。
ECUは、センサ素子の静電容量がC以下であり、したがってPM濃度を算出できない場合には、センサ素子に集塵電圧を印加し、センサ素子の周囲のPMを積極的にキャビティ部に付着させる(静電集塵)。これにより、できるだけ速やかにセンサ素子を濃度の算出が可能な状態にする。
上述の静電集塵を開始してから、PMが付着しセンサ素子の静電容量がCから変化し始めた場合には、ECUは、集塵電圧の印加を停止し、これ以降は集塵電圧の印加によらず自然にPMをキャビティ部に付着させる(自然集塵)。また、センサ素子の静電容量がCからCの範囲内にある間は、ECUは、単位時間当たりの静電容量の変化量ΔCに基づいて、単位時間当たりのPM付着量ΔQを算出し、このPM付着量ΔQから、センサ素子の周囲のPM濃度を算出する。
上述の自然集塵を開始してから、センサ素子の静電容量がCに達した場合には、ECUは、センサ素子が飽和に達したと判断し、キャビティ部内のPMを燃焼除去する。センサ素子の再生が完了すると、再び上記静電集塵を開始する。
図1に戻って、エンジン1から排出されたPMは、ほぼ全てDPF3によって捕集されるため、排気管4のうちDPF3より下流側はPMの低濃度領域となっており、DPF3より上流側は相対的にPMの高濃度領域となっている。したがって、センサ本体18をこのようなPMの高濃度領域に設けると、センサ素子12は短時間で飽和に達してしまうため、長時間にわたりPMを検出し続けることが困難になる。そこで、センサ本体18には、排気管4内でセンサ素子12を保護する保護カバー6が取り付けられる。
図6は、排気管に設けられたセンサ本体18の斜視図である。
センサ本体18は、円柱状のボディ19と、ボディ19の先端部に設けられたセンサ素子12と、センサ素子12を保護する保護カバー6とを備える。保護カバー6は、円筒状の胴部61と、この胴部61の一方の端部を塞ぐ底部64とを有する有底筒状である。胴部61の他方の端部66には、ボディ19の端部19aに形成された突起(図示せず)が嵌合する凹溝(図示せず)が形成されている。保護カバー6は、ボディ19の突起を凹溝に嵌合させることにより、センサ素子12を胴部61で囲繞するようにボディ19に取り付けられる。
センサ本体18は、保護カバー6より先端側の部分のみが排気管内に臨むようにして、排気管に形成された図示しないセンサホールに取り付けられる。この際、センサ本体18は、胴部61の延在方向が排気の流れ方向に対し垂直となり、かつ保護カバー6の底部62が鉛直下方を向くようにして、排気管に取り付けられることが好ましい。
保護カバー6の材質は、ステンレス鋼が好ましい。排気管内には凝縮水が付着することから、保護カバー6の材質は、特にステンレス鋼の中でも耐腐食性に優れたフェライト系ステンレスが好ましい。
保護カバー6の胴部61の形状は、圧損の低下をできるだけ小さくするため、その断面の形状が真円の筒状となっていることが好ましいが、本発明はこれに限るものではない。例えば、断面の形状が四角形や五角形などの多角形又は楕円の筒状であってもよい。
保護カバー6は、排気管4内がPMの高濃度環境下であってもセンサ素子12が短時間で飽和に達してしまうのを防止するために、センサ素子12を保護するためのものであるが、保護カバー6の内側に設けられたセンサ素子12により、保護カバー6の外側を流通する排気のPM濃度を推定できるようにするため、保護カバー6の外側のPM濃度の変化を保護カバー6の内側のPM濃度の変化に反映させる必要がある。このため、保護カバー6の内側のPM濃度を外側のPM濃度よりも十分に低く維持しつつ、外側のPM濃度の変化に連動して内側のPM濃度を変化させるため、保護カバー6の胴部61には、一対の流入孔62a,62bと、これら一対の流入孔62a,62bと対になる一対の流出孔63a,63bとが形成されている。
2つの流入孔62a,62bは、胴部61のうち排気の上流側に面する部分に形成されており、排気管4内のうち保護カバー6の外側を流通する排気をPMとともに保護カバー6の内側へ流入させる。
2つの流出孔63a,63bは、胴部61のうち排気の下流側に面する部分に形成されており、保護カバー6の内側の排気をPMとともに保護カバー6の外側へ流出させる。
また、保護カバー6の底部62のうち、排気の流れ方向に平行な中心部には、上記流入孔62a,62bや流出孔63a,63bよりも大きな径のガス抜け孔65が貫通して形成されている。
以上のような流出孔63a,63bやガス抜け孔65を形成することにより、保護カバー6内側に滞留するガスを、保護カバー6の外側を流通する排気に引き込まれるようにして保護カバー6の外側へ排出し、保護カバー6の内側の圧力を低くすることができる。また、このように保護カバー6内のガス抜け性を向上することにより、保護カバー6の外側の濃度変動を保護カバー6の内側の濃度変動に速やかに反映させることができるので、濃度推定の遅れを小さくできる。また、上述のように、底部62を鉛直下方に向けることにより、保護カバー6の内側に生じた凝縮水をその自重によりガス抜け孔65を介してカバー6の外側に排出することができるので、センサ素子12に凝縮水が付着するのを防止し、ひいてはセンサ素子12の誤作動を防止できる。
図7は、排気管4に設けられたセンサ本体の断面図である。より具体的には、センサ本体のうち、排気の流れ方向と平行かつキャビティ部120を含む平面に沿った断面である。図7において、左側は排気の上流側に相当し、右側は排気の下流側に相当する。以下、一対の流入孔62a,62bと、一対の流出孔63a,63bと、センサ素子12との好ましい相対位置関係等について説明する。
先ず、センサ素子12は、PMが付着するキャビティ部120の中心と円筒状の保護カバー6の中心とが一致し、かつキャビティ部120の長手方向が排気の流れ方向に対し平行となるように保護カバー6の内側に設けられる。なお、キャビティ部120の長手方向の向きは、排気の流れ方向に対し、図7に示すような平行に限らず垂直でもよい。
このように保護カバー6の中心に設けられたセンサ素子12に対し、流入孔62aは、胴部61の排気の上流側に面した部分のうち、排気の流れ方向に垂直な幅方向に沿ってセンサ素子12のキャビティ部120から距離dだけオフセットした位置にのみ形成される。換言すれば、胴部61の排気の上流側に面した部分のうち、センサ素子12の排気の流れ方向に沿った直線上には、貫通孔は形成されていない。
流入孔62aと対になる流入孔62bは、上記オフセット距離dが流入孔62aと等しくなるように、胴部61の排気の上流側に面した部分のうち、排気の流れ方向に平行かつキャビティ部120を通過する仮想軸A1を中心として対称な位置に形成される。
PMはある程度の質量を有するため直進性が高く、その飛跡は排気の流れ方向とほぼ平行になる。したがって、一対の流出孔63a,63bを介して保護カバー6内に流入したPMが、保護カバー6内に必要以上に残留せずにそのまま保護カバー6の外側へ排出されるようにするため、一対の流出孔63a,63bは、それぞれ、胴部61のうち排気の下流側に面した部分のうち、一対の流入孔62a,62bから排気の流れ方向に沿った直線A2,A3上に形成される。
これら流入孔62a,62bの直径は、約1.5〜2.5mmの範囲内、より好ましくは約2mm程度であることが好ましい。流入孔62a,62bの直径が、2.5mmを大きく超えてしまうと、保護カバー6の外側からPMが過剰に流入してしまい、センサ素子12が飽和に達するまでの時間が短くなり、再生頻度が増加するおそれがある。一方、流入孔62a,62bの直径が1.5mmを大きく下回ってしまうと、保護カバー6の外側からのPMの流入が少なくなりすぎてしまい、正確な濃度の推定ができなくなるおそれがある。
また、流入孔62a,62bの直径を2mm程度にした場合、保護カバー6の外側を流れる排気は、流入孔62a,62bにおいてその流速が減ぜられ、しみ込むようにして保護カバー6の内側に流入する。この際、流出孔63a,63bやガス抜け孔65による上述のガス抜け作用により、保護カバー6の内側の圧力は低く保たれているため、保護カバー6内にしみ込むようにして流入した排気は、保護カバー6内をゆるやかに拡散して、流出孔63a,63bやガス抜け孔65を介して保護カバー6の外側に排出される。このため、センサ素子12の周囲のPM濃度を、保護カバー6の外側の濃度変動が反映されたものにしながらかつ低く維持することができる。
また、流出孔63a,63bの直径は、流入孔62a,62bの直径と同じかそれ以上であることが好ましい。流出孔63a,63bの直径が流入孔62a,62bの直径よりも小さくなると、保護カバー6内に流入したPMが速やかに排出されず、保護カバー6内に溜まってしまい、正確な濃度が推定できなくなるおそれがある。また、流出孔63a,63bの直径が流入孔62a,62bの直径よりも小さくなると、保護カバー6内のガス抜け性が悪化してしまい、濃度推定に遅れが生じてしまう。
図8は、保護カバー外側のPM濃度と保護カバー内側のセンサ素子の周囲のPM濃度との関係を模式的に示す図である。図8では、横軸をカバー外側のPM濃度とし、縦軸をセンサ素子の周囲のPM濃度とする。
図8に示すように、カバーの外側のPM濃度と内側のセンサ素子の周囲のPM濃度とでは、概ね比例関係にあり、かつその傾きは“1”よりも十分に低くなっている。ECUは、カバーの外側の濃度と内側の濃度との間には、図8に示すような相関関係があることを前提として、排気管内のうちカバー外側を流れる排気のPM濃度を推定する。より具体的には、図5を参照して説明したように、静電容量の変化量に基づいてカバー内側のセンサ素子の周囲のPM濃度を算出した後、これに所定の係数を乗算したものを、排気管内のうちカバー外側を流れる排気のPM濃度とする。
図9は、センサ素子12に集塵電圧を印加した場合に、センサ素子12の周囲に形成される電界を模式的に示す図である。なお、センサ素子12の周囲に形成される電界は実線で示し、この電界の作用下におけるPMの分布を模式的に破線で示す。
キャビティ部120の短手方向に沿って集塵電圧を印加すると、センサ素子12の周囲には、図9中実線で示すような電界が形成される。この際、センサ素子12は、集塵電圧を印加したときに形成される電界の強さが、一対の流入孔62a,62bの位置とで等しくなるように、保護カバー6の中心に設けられることが好ましい。これにより、静電集塵時には、一方の流入孔62aから流入したPMと、他方の流入孔62bから流入したPMは、同じ条件でキャビティ部120側に引き寄せられるので、キャビティ部120内に偏りなく均一にPMを付着させることができる。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)PMを流入させる流入孔62a,62bとPMを流出させる流出孔63a,63bとが形成されたカバー6で、センサ素子12を排気管4内で保護し、また上記流入孔62,62bを、カバー6の胴部61のうち排気の上流側に面した部分のうち、排気の流れ方向に垂直な幅方向に沿ってセンサ素子12からオフセットした位置にのみ形成する。本実施形態によれば、流入孔62a,62bと流出孔63a,63bとの両方が形成されたカバー6でセンサ素子12を保護することにより、カバー6内側のうち特にセンサ素子12の周囲のPMの濃度を、カバー6外側の濃度よりも十分に低くしながらかつ、カバー6外側のPM濃度と連動して変化させることができる。これにより、カバー6外側のPMの濃度が高い状態であっても、センサ素子12に短時間で過剰な量のPMが付着するのを防ぐことができ、また、センサ素子12の静電容量の変化の測定に基づいてカバー6外側のPMの濃度を推定することができる。したがって、例えばPMを捕集するDPF3の上流側やエンジン1の直下などといったPMの高濃度環境下であっても、センサ素子12が飽和に達するまでの時間を長くできるので、センサ素子12の再生頻度を少なくし、ひいては少ない電力消費量でかつ長時間にわたりPMの濃度を推定することができる。
本実施形態によれば、センサ素子12に集塵電圧を印加することにより、カバー6内においてセンサ素子12から離れた粒PMを引き付けるようにして、センサ素子12にPMを積極的に付着させることができるので、速やかにPMの基盤を形成し、センサ素子12を速やかに濃度の推定が可能な状態にすることができる。
(2)本実施形態では、流入孔を2つで一対とし、これら一対の流入孔62a,62bを、仮想軸A1を中心として対称かつセンサ素子12からのオフセット距離dが等しくなるように形成することにより、センサ素子12に偏り無く均一にPMを付着させることができるので、PM濃度の推定精度を高くできる。また、PMをセンサ素子12に均一に付着させることにより、適切なタイミングでセンサ素子12が飽和に達したと判断できるので、センサ素子12の再生頻度を最小限にすることができ、ひいては消費電力量を最小限にできる。
(3)本実施形態によれば、集塵電圧の印加時におけるセンサ素子12の周囲の電界の強さが、一対の流入孔62a,62bの両方の位置において等しくなるようにすることにより、各流入孔62a,62bから流入したPMをセンサ素子12に等しい力で引き寄せることができるため、センサ素子12に均一な厚みのPMの基盤を形成することができる。したがって、PM濃度の推定精度をさらに向上でき、また消費電力量をさらに低減できる。
(4)本実施形態によれば、センサ素子12を集塵電極層123,128で挟まれたキャビティ構造とした上、さらにその長手方向を排気の流れ方向に対し平行又は垂直となるようにすることにより、各流入孔62a,62bから流入したPMを、キャビティ部120内に均一に付着させることができる。したがって、PM濃度の推定精度をさらに向上でき、また消費電力量をさらに低減できる。
(5)本実施形態によれば、流出孔63a,63bを、胴部61のうち排気の下流側に面した部分のうち、流入孔62a,62bから排気の流れ方向に沿った直線A2,A3上に形成することにより、カバー6外側から流入孔62a,62bを介して流入したPMの多くをそのまま流出孔63a,63bからカバー6外側へ排出させることができるため、カバー6内側にPMが滞留するのを防ぐことができる。
また、胴部61のうち排気の下流側に面した部分に、このような流出孔63a,63bを形成することにより、カバー外側の排気の流れに引き込まれるようにしてカバー6内側の排気を排出できるので、カバー6内側の圧力を低くすることができる。カバー6内側の圧力を低く維持すると、流入孔62a,62bから流入した排気は、カバー6内側でゆるやかに拡散し、流出孔63a,63bから排出されることとなる。これにより、カバー6内側のセンサ素子12の周囲のPMの濃度を、カバー6外側の濃度変動が反映されたものにしながらかつ低く維持することができるので、PMセンサ11による濃度の推定精度をさらに向上することができる。
また、このようにカバー6内側のガス抜け性を向上することにより、カバー6外側の排気を流入孔62a,62bから導入しやすくできるので、カバー6外側のPMの濃度の変化を、カバー6内側のセンサ素子12の周囲のPMの濃度の変化に速やかに反映させることができ、ひいてはPMセンサ11による濃度推定の遅れを小さくできる。
(6)本実施形態によれば、胴部61の延在方向を排気の流れ方向に対し垂直にした上、底部64のうち排気の流れ方向に対し平行な部分にガス抜け孔65を形成することにより、カバー6外側の排気の流れに引き込まれるようにしてカバー6内側の排気を排出できるので、カバー6内側の圧力を低くすることができる。したがって、上述のように、センサ素子12の周囲のPM濃度を、カバー6外側の濃度変動が反映されたものにしながらかつ低く維持することができるので、PMセンサ11による濃度の推定精度をさらに向上することができる。また、カバー6内側のガス抜け性を向上することにより、上述のようにPMセンサ11による濃度推定の遅れを小さくできる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
上記実施形態では、PMをキャビティ部120に積極的に付着させるための集塵電圧を印加する集塵電極層123,128と、キャビティ部120の電気的特定を測定するために測定電圧を印加する測定電極127A,127Bとが別体で構成されたセンサ素子12を用いたが、本発明はこれに限らない。例えば、集塵電圧を印加する電極と測定電圧を印加する電極とが共通となったセンサ素子も周知であるから、このような共通電極を備えたセンサ素子を用いてもよい。
また、上記実施形態では、PMを付着させる部分が空洞状になったキャビティ部120を備えるセンサ素子12を例に説明したが、本発明はこのようなキャビティ構造を有さないセンサ素子、より具体的には、電極板の一方の面にのみPMを付着させるセンサ素子にも適用できる。
また、上記実施形態では、図5を参照して説明したように、静電集塵を開始しキャビティ部内にPMの基盤が形成された後は、集塵電圧の印加を停止し、それ以降は自然集塵に切り替えたが、本発明はこれに限るものではない。上述のように、保護カバー内側のセンサ素子の周囲のPM濃度は、流入孔や流出孔の径の大きさなどに応じて変化する。このため、自然集塵のみでは十分な量のPMをセンサ素子に付着させることができない場合もある。このような場合、キャビティ部内にPMの基盤が形成された後も、引き続き静電集塵を行ってもよい。
上記実施形態では、流入孔は2つで一対とし、一対のみ形成された例を示したが、本発明はこれに限らない。例えば、二対以上形成してもよい。
また、上記実施形態では、流入孔は直径が約2mm程度の円形のものとしたが、流入孔の形状は、これに限らない。流入孔の形状は、例えば矩形のスリット状としてもよい。ただし、流入孔をスリット状とした場合、その短手方向に沿った長さは、約2mm程度とすることが好ましい。
また、上記実施形態では、図6を参照して説明したように、一対の流入孔62a,62bと、一対の流出孔63a,63bと、ガス抜け孔65との合計5つの孔を保護カバー6に形成した例を説明したが、本発明はこれに限らない。この他、図10に示すように、保護カバー6Aの胴部61のうち、幅方向の両端側に、一対の貫通孔67a,67bをさらに形成してもよい。このような位置に貫通孔67a,67bを形成することにより、上述の流出孔63a,63bやガス抜け孔65と同様のガス抜け作用が期待できる。
1…エンジン(内燃機関)
11…PMセンサ(粒子状物質検出装置)
13…集塵用DC電源(集塵手段、電源)
18…センサ本体
12…センサ素子(電極部)
120…キャビティ部
3…DPF
4…排気管
5…ECU(集塵手段、制御装置)
6,6A…保護カバー(カバー)
61…胴部
62a,62b…流入孔
63a,63b…流出孔
64…底部
65…ガス抜け孔(貫通孔)

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気管に設けられ、排気中の粒子状物質を検出するセンサ本体と、
    前記排気管内で前記センサ本体の電極部を保護するカバーと、を備え、
    前記カバーには、粒子状物質を当該カバーの内側へ流入させる流入孔と、粒子状物質を当該カバーの内側から流出させる流出孔と、が形成され、
    前記電極部の電気的特性の変化の測定に基づいて、前記カバーの外側を流通する排気の粒子状物質の濃度を推定する粒子状物質検出装置であって、
    前記カバーの内側に流入した粒子状物質を、電圧を印加することで前記電極部に付着させる集塵手段をさらに備え、
    前記カバーは、前記電極部を囲繞する筒状の胴部と当該胴部の一方の端部を塞ぐ底部とを有する有底筒状であり、
    前記流入孔は、前記胴部のうち排気の上流側に面した部分であり、かつ、排気の流れ方向に垂直な幅方向に沿って前記電極部からオフセットした位置にのみ形成されることを特徴とする粒子状物質検出装置。
  2. 前記流入孔は、2つで一対として、前記胴部のうち排気の上流側に面した部分に一対以上形成され、
    前記一対の流入孔は、前記幅方向に沿った前記電極部からのオフセット距離が等しくなるように、排気の流れ方向に平行かつ前記電極部を通過する仮想軸を中心として対称な位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載の粒子状物質検出装置。
  3. 前記電極部は、前記集塵手段により電圧を印加したときに当該電極部の周囲に形成される電界の強さが、前記一対の流入孔の両方の位置で等しくなるように、前記カバーの内側に設けられることを特徴とする請求項2に記載の粒子状物質検出装置。
  4. 前記電極部は、前記集塵手段により電圧が印加される一対の電極板と、これら一対の電極板の間に介装された板状のスペーサと、を組み合わせて形成され、
    前記一対の電極板の間には、粒子状物質が付着する空洞状のキャビティ部が形成され、
    前記電極部は、前記キャビティ部の一方の開口から他方の開口へ向かう長手方向が、排気の流れ方向に対し平行又は垂直になるように、前記カバー内に設けられることを特徴とする請求項2又は3に記載の粒子状物質検出装置。
  5. 前記流出孔は、前記胴部のうち排気の下流側に面した部分のうち、前記流入孔から排気の流れ方向に沿った直線上に形成されることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の粒子状物質検出装置。
  6. 前記カバーは、前記排気管内において排気の流れ方向に対し前記胴部の延在方向を垂直にして設けられ、
    前記底部のうち前記排気の流れ方向に対し平行な部分には貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の粒子状物質検出装置。
  7. 前記集塵手段は、前記電極部に接続された電源と当該電源を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記電極部への粒子状物質の付着量が前記電気的特性の変化に基づく濃度の推定が可能になる所定量に達するまで前記電極部に電圧を印加し、前記電極部への粒子状物質の付着量が前記所定量に達した後は前記電極部への電圧の印加を停止することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の粒子状部室検出装置。
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