JP2011089791A - 粒子状物質検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】PMの検出を中断する期間が短いPMセンサを提供すること。
【解決手段】PMセンサおよびECUは、エンジンの排気管に設けられたセンサ素子にPMが付着することによる静電容量の変化に基づいて、排気に含まれるPM量に相関のある値を検出する。センサ素子には、付着したPMを燃焼除去するヒータが設けられ、ECUはヒータを制御しセンサ素子を再生する。ECUは、センサ素子へのPM付着量が所定量Q3になるようにセンサ素子を再生する。この所定量Q3は、センサ素子にPMが付着したときに、静電容量に有意な変化が現れるPMの付着量である。
【選択図】図6
【解決手段】PMセンサおよびECUは、エンジンの排気管に設けられたセンサ素子にPMが付着することによる静電容量の変化に基づいて、排気に含まれるPM量に相関のある値を検出する。センサ素子には、付着したPMを燃焼除去するヒータが設けられ、ECUはヒータを制御しセンサ素子を再生する。ECUは、センサ素子へのPM付着量が所定量Q3になるようにセンサ素子を再生する。この所定量Q3は、センサ素子にPMが付着したときに、静電容量に有意な変化が現れるPMの付着量である。
【選択図】図6
Description
本発明は、粒子状物質検出装置に関する。特に、内燃機関の排気に含まれる粒子状物質を検出する粒子状物質検出装置に関する。
内燃機関の排気管に、排気に含まれる粒子状物質を捕集する排気浄化フィルタを設け、粒子状物質の排出量を低減する技術は広く用いられている。また、排気浄化フィルタが設けられた車両には、排気浄化フィルタの故障を検知するための装置も設けられる。このような排気浄化フィルタの故障検知装置として、特許文献1には、排気浄化フィルタの下流側に排気中の粒子状物質の濃度を検出する粒子状物質検出装置を設け、この粒子状物質検出装置の出力に基づいて排気浄化フィルタの故障を検知する故障検知装置が示されている。
また、このような故障検知装置に用いられる粒子状物質検出装置としては、従来、以下に示すようなものが提案されている。
例えば、特許文献2には、多孔質の導電性物質で構成された電極部を備える粒子状物質検出装置が示されている。この粒子状物質検出装置は、粒子状物質が自然に付着することによる電極部の電気抵抗値の変化を測定し、この測定値に基づいて排気に含まれる粒子状物質の濃度を検出する。
特許文献3には、静電集塵式の粒子状物質検出装置が提案されている。この静電集塵式の粒子状物質検出装置では、一対の電極板で構成された電極部を排気管内に設け、この検出電極に所定の電圧を印加することで粒子状物質を付着させる。次に、粒子状物質が付着した電極部の静電容量等の電気的特性を測定することにより、排気の粒子状物質の濃度を検出する。
ところで、電極部に付着させることができる粒子状物質の量には限界があるため、粒子状物質の検出を続けるには、粒子状物質の付着量が上記限界を超えないようにする必要がある。そこで、これら特許文献2,3の粒子状物質検出装置では、電極部への粒子状物質の付着量が上記限界付近に達したときには、付着した粒子状物質をヒータにより燃焼除去し、電極部を再生する。
このように、電極部の電気的特性の変化に基づいて粒子状物質を検出する粒子状物質検出装置では適宜電極部を再生する必要があるため、断続的にしか粒子状物質を検出することができない。また、電極部の再生が完了した直後、すなわち電極部に粒子状物質が殆ど付着していない状態では、粒子状物質の付着による電気的特性の変化は非常に小さい。このため、電極部を再生した後は、例えば電極部に集塵電圧を印加することにより、電気的特性の変化が現れるまで粒子状物質を付着させる必要がある。
以上のように従来の粒子状物質検出装置では、粒子状物質の検出に加えて電極部の再生と粒子状物質の集塵とを行う必要があり、粒子状物質検出装置を駆動している期間の中で実際に粒子状物質を検出できる期間は限られたものとなる。
また、従来の粒子状物質検出装置では再生や集塵により粒子状物質の検出を中断する期間が長いため、排気浄化フィルタの故障検知装置以外への適用が困難であった。
また、従来の粒子状物質検出装置では再生や集塵により粒子状物質の検出を中断する期間が長いため、排気浄化フィルタの故障検知装置以外への適用が困難であった。
本発明は、粒子状物質の検出を中断する期間が短い粒子状物質検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気系(例えば、後述の排気管4)に設けられた電極部(例えば、後述の電極板130,131および集塵部120)と、前記電極部の電気的特性(例えば、静電容量)を検出する検出手段(例えば、後述のセンサ制御ユニット17)と、前記電極部に粒子状物質が付着することによる前記電気的特性の変化に基づいて、排気に含まれる粒子状物質の量に相関のある値を検出する粒子状物質検出手段(例えば、後述のECU5およびセンサ制御ユニット17)と、前記電極部に付着した粒子状物質を除去する再生手段(例えば、後述のヒータ層122,129およびセンサ制御ユニット17)と、前記再生手段を制御し前記電極部を再生する再生制御手段(例えば、後述のECU5)と、を備える粒子状物質検出装置(例えば、後述のPMセンサ11およびECU5)を提供する。前記再生制御手段は、前記電極部への粒子状物質の付着量が所定量(例えば、後述のQ3)になるように前記電極部を再生し、前記所定量は、前記電極部に粒子状物質が付着したときに、前記電気的特性に有意な変化が現れる粒子状物質の付着量である。
本発明によれば、粒子状物質が付着した電極部は、再生手段とこの再生手段を制御する再生制御手段により再生される。そして、粒子状物質が付着した電極部を再生する際、再生制御手段は電極部への粒子状物質の付着量が所定量になるように電極部を再生する。すなわち、所定量を残し粒子状物質を除去しきらないように電極部を再生することにより、従来と比較して再生にかかる時間を短縮することができる。また、電極部の再生が完了した直後には、粒子状物質が付着したときに電気的特性に有意な変化が現れる程度の量の粒子状物質が電極部に残っているので、再生した直後から粒子状物質の検出が可能となる。すなわち、従来の粒子状物質検出装置では、再生が完了する毎に所定量の粒子状物質を集塵する必要があったが、本発明によれば、このような集塵を行う必要がない。
以上のように、本発明によれば、再生にかかる時間を短縮できかつ集塵を行う必要もないので、粒子状物質の検出を中断する期間を短くすることができる。これにより、再生や集塵にかかるエネルギーを節約することができる。また、中断する期間を短くすることで、粒子状物質を検出する期間を長くできるので、粒子状物質の検出精度を向上することができる。この粒子状物質検出装置を排気浄化フィルタの故障検知装置に応用した場合には、故障の判定精度を向上することもできる。また、粒子状物質の検出を中断する期間を短くすることにより、この粒子状物質検出装置を排気浄化フィルタの故障検知装置以外に応用することができる。より具体的には、例えば、内燃機関の燃焼制御や排気浄化フィルタにおける粒子状物質の堆積量の補正演算などに応用することが考えられる。
この場合、前記所定量は、前記電極部に粒子状物質が付着したときに、前記電気的特性に有意な変化が現れる粒子状物質の付着量のうち最小量(例えば、後述のQ1)又は当該最小量の近傍に設定されることが好ましい。
本発明によれば、電極部を再生した後に、電極部に残しておく粒子状物質の量を最小量又はその近傍に設定された量にすることにより、より長い時間にわたって粒子状物質を検出することができる。
上記目的を達成するため本発明は、内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気系(例えば、後述の排気管4)に設けられた電極部(例えば、後述の電極板130,131および集塵部120)と、前記電極部の電気的特性を検出する検出手段(例えば、後述のセンサ制御ユニット17)と、前記電極部に粒子状物質が付着することによる前記電気的特性の変化に基づいて、排気に含まれる粒子状物質の量に相関のある値を検出する粒子状物質検出手段(例えば、後述のECU5およびセンサ制御ユニット17)と、前記電極部に付着した粒子状物質を除去する再生手段(例えば、後述のヒータ層122,129およびセンサ制御ユニット17)と、前記再生手段を制御し前記電極部を再生する再生制御手段(例えば、後述のECU5)と、を備える粒子状物質検出装置(例えば、後述のPMセンサ11およびECU5)を提供する。前記粒子状物質検出手段の検出可能領域(例えば、後述の検出可能領域Q1〜Q2)を前記電極部への粒子状物質の付着量に対して設定し、前記再生制御手段は、前記電極部への粒子状物質の付着量が前記検出可能領域内に含まれるように前記電極部を再生する。
本発明によれば、粒子状物質が付着した電極部は、再生手段とこの再生手段を制御する再生制御手段により再生される。そして、粒子状物質検出手段の検出可能領域、すなわち電極部に粒子状物質が付着することによる電気的特性の変化を検出できる領域を、電極への粒子状物質の付着量に対して設定し、再生制御手段は電極部への粒子状物質の付着量が上記検出可能領域内に含まれるように電極部を再生する。
上述のように、電極部に粒子状物質が殆ど付着していない状態では、粒子状物質の付着による電気的特性の変化は非常に小さいため、粒子状物質検出手段は上記検出可能領域の外にある。本発明によれば、粒子状物質の付着量が検出可能領域内に含まれるように、すなわち所定量を残し粒子状物質を除去しきらないように電極部を再生することにより、従来と比較して再生にかかる時間を短縮することができる。また、粒子状物質の付着量が検出可能領域内に含まれるように電極部を再生することにより、再生した直後から粒子状物質の検出が可能となる。すなわち、本発明によれば、再生が完了する毎に粒子状物質の集塵を行う必要がない。
以上のように、本発明によれば、再生にかかる時間を短縮できかつ集塵を行う必要もないので、粒子状物質の検出を中断する期間を短くすることができる。これにより、再生や集塵にかかるエネルギーを節約することができる。また、中断する期間を短くすることで、粒子状物質を検出する期間を長くできるので、粒子状物質の検出精度を向上することができる。この粒子状物質検出装置を排気浄化フィルタの故障検知装置に応用した場合には、故障の判定精度を向上することもできる。また、粒子状物質の検出を中断する期間を短くすることにより、この粒子状物質検出装置を排気浄化フィルタの故障検知装置以外に応用することができる。
この場合、前記再生制御手段は、前記電極部への粒子状物質の付着量が前記検出可能領域内の最小量(例えば、後述のQ1)又はその近傍に設定された量(例えば、後述のQ3)になるように前記電極部を再生することが好ましい。
本発明によれば、電極部を再生した後に、電極部に残しておく粒子状物質の量を最小量又は当該最小量の近傍に設定された量にすることにより、より長い時間にわたって粒子状物質を検出することができる。
この場合、前記再生手段は、前記電極部を加熱することで当該電極部に付着した粒子状物質を燃焼除去する加熱手段であり、前記再生制御手段は、前記加熱手段による前記電極部の加熱を開始してから、前記電気的特性の検出値(例えば、後述の静電容量C)が終了判定値(例えば、後述の終了判定値C2)になったときに当該加熱手段による加熱を終了することが好ましい。
本発明によれば、加熱手段により電極部を加熱することで、付着した粒子状物質を燃焼除去する。そして、加熱手段による加熱を開始してから、電気的特性の検出値が終了判定値になったときに加熱手段による加熱を終了する。このように加熱手段による加熱を終了する時期を、粒子状物質の量と強い相関のある電極部の電気的特性の検出値に基づいて決定することにより、再生後における粒子状物質の量を適切な量にすることができる。
この場合、前記粒子状物質検出装置は、前記電極部の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記再生手段は、前記電極部を加熱することで当該電極部に付着した粒子状物質を燃焼除去する加熱手段であり、前記再生制御手段は、前記加熱手段による前記電極部の加熱を開始してから、当該電極部の温度が終了判定温度(例えば、後述の終了判定温度T1)に達したときに当該加熱手段による加熱を終了することが好ましい。
本発明によれば、加熱手段により電極部を加熱することで、付着した粒子状物質を燃焼除去する。そして、加熱手段による加熱を開始してから、電極部の温度が終了判定温度に達したときに加熱手段による加熱を終了する。これにより、適切な時期に加熱手段による加熱を終了し、結果として再生後における粒子状物質の量を適切な量にすることができる。
この場合、前記粒子状物質検出装置は、前記電極部の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記再生手段は、前記電極部を加熱することで当該電極部に付着した粒子状物質を燃焼除去する加熱手段であり、前記再生制御手段は、前記加熱手段により前記電極部をホールド時間(例えば、後述のホールド時間Δt)に亘り一定の温度(例えば、後述の設定温度T0´´)に維持した後に、当該加熱手段による加熱を終了することが好ましい。
本発明によれば、加熱手段により電極部をホールド時間に亘り一定の温度に維持した後、加熱手段による加熱を終了する。このように、電極部の温度と電極部を加熱する時間を固定することにより、適切な時期に加熱手段による加熱を終了し、結果として再生後における粒子状物質の量を適切な量にすることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、第2実施形態以後の説明において、第1実施形態と共通する構成については説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る粒子状物質検出装置が適用された内燃機関の排気浄化装置の構成を示す模式図である。
内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、各気筒内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンであり、各気筒には図示しない燃料噴射弁が設けられている。これら燃料噴射弁は、電子制御ユニット(以下「ECU(Electric Control Unit)」という)5により電気的に接続されており、燃料噴射弁の開弁時間および閉弁時間は、ECU5により制御される。
図1は、本実施形態に係る粒子状物質検出装置が適用された内燃機関の排気浄化装置の構成を示す模式図である。
内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、各気筒内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンであり、各気筒には図示しない燃料噴射弁が設けられている。これら燃料噴射弁は、電子制御ユニット(以下「ECU(Electric Control Unit)」という)5により電気的に接続されており、燃料噴射弁の開弁時間および閉弁時間は、ECU5により制御される。
エンジン1の排気が流通する排気管4には、排気に含まれる炭素を主成分とした粒子状物質(以下、「PM(Particulate Matter)」という)を捕集し排気を浄化する排気浄化フィルタ(以下、「DPF(Diesel Particulate Filter)」という)3と、排気に含まれるPMを検出する粒子状物質検出装置(以下、「PMセンサ」という)11とが、上流側からこの順で設けられている。
DPF3は、多孔質体のフィルタ壁を備え、排気がこのフィルタ壁の微細な孔を通過する際、排気に含まれるPMをフィルタ壁の表面およびフィルタ壁中の孔に堆積させることにより、これを捕集する。
図2は、PMセンサ11の概略構成を示す図である。
PMセンサ11は、排気管4の内部のうちDPF3の下流側に設けられたセンサ素子12と、ECU5に接続され、このセンサ素子22を制御するセンサ制御ユニット17と、を備える。PMセンサ11は、以下に示すように、排気管4内を流通する排気に含まれるPMが付着したセンサ素子12の電気的特性を測定し、この測定値に基づいて、排気管内を流通する排気中のPMを検出する。
PMセンサ11は、排気管4の内部のうちDPF3の下流側に設けられたセンサ素子12と、ECU5に接続され、このセンサ素子22を制御するセンサ制御ユニット17と、を備える。PMセンサ11は、以下に示すように、排気管4内を流通する排気に含まれるPMが付着したセンサ素子12の電気的特性を測定し、この測定値に基づいて、排気管内を流通する排気中のPMを検出する。
センサ制御ユニット17は、集塵用DC電源13と、インピーダンス測定器14と、センサ素子12の温度を制御する温度制御装置15と、を含んで構成される。
図3は、センサ素子12の斜視図である。
図3に示すように、センサ素子12は、PMを含む排気が通過する通気孔を有しており、この通気孔により集塵部120が形成される。排気中に含まれるPMは、この集塵部120の内壁に付着して堆積する。
図3に示すように、センサ素子12は、PMを含む排気が通過する通気孔を有しており、この通気孔により集塵部120が形成される。排気中に含まれるPMは、この集塵部120の内壁に付着して堆積する。
図4は、センサ素子12の分解斜視図である。
センサ素子12は、図4に示すように、一対の電極板130,131を、板状のスペーサ125A,125Bを介装して組み合わせ、ヒータ層122,129およびアルミナプレート121で挟持することにより構成される。これにより、電極板130,131、スペーサ125A,125Bに囲まれた集塵部120が形成される。
センサ素子12は、図4に示すように、一対の電極板130,131を、板状のスペーサ125A,125Bを介装して組み合わせ、ヒータ層122,129およびアルミナプレート121で挟持することにより構成される。これにより、電極板130,131、スペーサ125A,125Bに囲まれた集塵部120が形成される。
電極板130は、誘電体層124と、集塵電極層123とを積層することにより形成される。また、電極板131は、誘電体層126と、測定電極層127と、集塵電極層128とを積層することにより形成される。
測定電極層127は、一対の櫛形の測定電極127A,127Bを備える。具体的には、測定電極127A,127Bは、測定電極層127の一端側の集塵部120に対応する位置に形成された一対の櫛歯部と、この櫛歯部から他端側へかけて延びる一対の櫛本体部と、を含んで構成される。より具体的には、測定電極127A,127Bは、一方の櫛形の測定電極127Aの櫛歯部と他方の櫛形の測定電極127Bの櫛歯部とが相互に挟み合うように対向配置されている。
また、一対の櫛本体部は、インピーダンス測定器14に電気的に接続されている。
また、一対の櫛本体部は、インピーダンス測定器14に電気的に接続されている。
ここで、測定電極層127に櫛形の測定電極127A,127Bを備える本実施形態のPM検出メカニズムについて説明する。
図5は、本実施形態のセンサ素子12の集塵部120内にPMが全面に付着して堆積したときの様子を模式的に示した図である。図5に示すように、集塵部120に集塵されたPMは、櫛形の測定電極127A,127Bの櫛歯部上に誘電体層を介して堆積する。このとき、隣接する測定電極127A,127B間におけるもれ電界が、堆積したPMによる影響を受け、測定電極127A,127B間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化は、PMの付着量に相関があることから、この電気的特性の変化を測定することにより、排気に含まれるPMを検出できる。なお、以下の説明において、センサ素子12の電気的特性とは、センサ素子12のうちPMの付着量に相関のある集塵部120の電気的特性を意味する。
図5は、本実施形態のセンサ素子12の集塵部120内にPMが全面に付着して堆積したときの様子を模式的に示した図である。図5に示すように、集塵部120に集塵されたPMは、櫛形の測定電極127A,127Bの櫛歯部上に誘電体層を介して堆積する。このとき、隣接する測定電極127A,127B間におけるもれ電界が、堆積したPMによる影響を受け、測定電極127A,127B間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化は、PMの付着量に相関があることから、この電気的特性の変化を測定することにより、排気に含まれるPMを検出できる。なお、以下の説明において、センサ素子12の電気的特性とは、センサ素子12のうちPMの付着量に相関のある集塵部120の電気的特性を意味する。
集塵電極層123,128は、タングステン導体層からなる集塵電極123A,128Aを備える。この集塵電極123A,128Aは、集塵電極層123,128の一端側の集塵部120に対応する位置に略正方形状に形成された導体部と、この導体部からアルミナ基板の他端側へかけて線状に延びる導線部と、を含んで構成される。
また、集塵電極123A,128Aの導線部は、集塵用DC電源13に電気的に接続されている。
なお、集塵電極123A、128Aの導体部の一辺の長さは、約10mmである。
また、集塵電極123A,128Aの導線部は、集塵用DC電源13に電気的に接続されている。
なお、集塵電極123A、128Aの導体部の一辺の長さは、約10mmである。
ヒータ層122,129は、ヒータ配線122A,129Aを備え、これらヒータ配線122A,129Aは、温度制御装置15およびインピーダンス測定器14に電気的に接続されている。
また、アルミナプレート121は、略矩形状のアルミナ基板であり、厚みは約1mmである。
また、アルミナプレート121は、略矩形状のアルミナ基板であり、厚みは約1mmである。
集塵用DC電源13は、集塵電極層123,128に備えられた集塵電極123A,128Aの導線部に電気的に接続されている。集塵用DC電源13は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、後述する測定電圧よりも大きい所定の集塵電圧を集塵電極層123,128間に印加する。これにより、PMのセンサ素子12への付着を促進することができる。
インピーダンス測定器14は、測定電極層127の一対の櫛本体部に電気的に接続されている。インピーダンス測定器14は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、所定の測定電圧および測定周期のもとで、センサ素子12の電気的特性を検出し、検出した静電容量に略比例した検出信号をECU5に出力する。なお、本実施形態では、インピーダンス測定器14により、センサ素子12の電気的特性として特に集塵部120の静電容量を検出するが、これに限るものではない。
また、インピーダンス測定器14は、センサ素子12の集塵部120の静電容量の他、ヒータ配線122A,129Aの抵抗値を検出する。ECU5では、検出されたヒータ配線122A,129Aの抵抗値に基づいて、センサ素子12の集塵部120の温度を算出する。
温度制御装置15は、各電極板130,131に接して設けられたヒータ層122,129のヒータ配線122A,129Aに電気的に接続されており、これらヒータ層122,129に電力を供給するヒータ用DC電源(図示せず)を含んで構成される。
ヒータ用DC電源は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、ヒータ層122,129に所定の電流を通電する。ヒータ層122,129は、ヒータ用電源から電流が供給されると発熱し、各電極板130,131を加熱する。これにより、各電極板130,131を加熱し、集塵部120に付着したPMを燃焼除去することができる。
ヒータ用DC電源は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、ヒータ層122,129に所定の電流を通電する。ヒータ層122,129は、ヒータ用電源から電流が供給されると発熱し、各電極板130,131を加熱する。これにより、各電極板130,131を加熱し、集塵部120に付着したPMを燃焼除去することができる。
図1に戻って、ECU5には、以上のようなPMセンサ11のセンサ制御ユニット17の他、警告灯6が接続されている。警告灯6は、DPF3が故障した状態であることを示すためのものであり、例えば、車両のメータパネルに設けられる。警告灯6は、ECU5から送信された制御信号に基づいて点灯し、これにより運転者はDPF3が故障した状態であることを認識することができる。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU5は、CPUで実行される各種演算プログラムおよび演算結果等を記憶する記憶回路と、センサ制御ユニット17、警告灯6、およびエンジン1の燃料噴射弁等に制御信号を出力する出力回路とを備える。
以下では、図6〜図9を参照して、ECUによるPMセンサ制御について説明する。
図6は、センサ素子の集塵部に付着したPMの量(以下、「PM付着量」という)とセンサ素子の静電容量との関係を模式的に示す図である。図6では、横軸をPM付着量とし縦軸を静電容量とする。
センサ素子には集塵部の容積を超える量のPMを付着させることができないため、センサ素子のPM付着量には集塵部の容積に応じた限界量QMがある。この限界量QM以下において、センサ素子の静電容量はPM付着量に対して以下のように変化する。
PM付着量が0から所定量Q1までの間は、PMは集塵部の内壁に薄くまばらに付着した状態であり、PMがセンサ素子の電気的特性に及ぼす影響が小さく、PM付着量によらず静電容量は初期値C0一定のままである。このため、集塵部にPMが付着してもセンサ素子の静電容量に有意な変化は現れない。
また、PM付着量が上記所定量Q1を超えると、集塵部の内壁にPMが薄く堆積し始めた状態となり、センサ素子の静電容量は初期値C0から変化し始める。このため、PM付着量が所定量Q1を超えた領域では、付着したPMの量をセンサ素子の静電容量の変化量から特定することができる。
また、PM付着量が上記所定量Q1を超えると、集塵部の内壁にPMが薄く堆積し始めた状態となり、センサ素子の静電容量は初期値C0から変化し始める。このため、PM付着量が所定量Q1を超えた領域では、付着したPMの量をセンサ素子の静電容量の変化量から特定することができる。
ECUは、上記Q1を下限値とし、上記限界量QMよりもやや小さなQ2を上限値とした検出可能領域を、電極部のPM付着量に対して設定する。なお、PM付着量がQ1のときにおける静電容量をC0とし、PM付着量がQ2のときにおける静電容量をC4とする。検出可能領域内では、センサ素子の静電容量はPM付着量に応じて増加する特性があるため、静電容量からPM付着量を特定することができる。そこでECUは、このような検出可能領域内にセンサ素子のPM付着量を制御する。そして、インピーダンス測定器の出力に基づいてセンサ素子の静電容量の変化を検出し、さらにこの静電容量の変化に基づいて、PM付着量の変化、すなわち排気に含まれるPMの量や、このPM量に相関のあるPM濃度などの値を検出する。
図7は、ECUによるPMセンサ制御の手順を示す図である。図7において、横軸は時間を示し縦軸はセンサ素子の静電容量を示す。なお図7には、センサ素子にPMが付着していない状態から起動した例を示す。
図7に示すように、PMセンサ制御は、排気中のPMをセンサ素子に積極的に付着させる集塵制御と、排気中のPMを検出するPM検出制御と、センサ素子に付着したPMを除去するセンサ再生制御との3つの種類に分けられる。以下では、これら集塵制御、PM検出制御、センサ再生制御の3つの制御について詳細に説明する。
図7に示すように、PMセンサ制御は、排気中のPMをセンサ素子に積極的に付着させる集塵制御と、排気中のPMを検出するPM検出制御と、センサ素子に付着したPMを除去するセンサ再生制御との3つの種類に分けられる。以下では、これら集塵制御、PM検出制御、センサ再生制御の3つの制御について詳細に説明する。
<集塵制御>
図6を参照して詳述したように、検出可能領域の下限値Q1を超える量のPMが付着していない場合、センサ素子にPMが付着しても静電容量に変化はないため、PMの検出を行うことができない。そこで、集塵制御では、PMセンサを起動した直後など、センサ素子にPMが付着していないときにはセンサ素子の集塵電極層に集塵電圧を印加することにより、PMのセンサ素子への付着を促進する。
図6を参照して詳述したように、検出可能領域の下限値Q1を超える量のPMが付着していない場合、センサ素子にPMが付着しても静電容量に変化はないため、PMの検出を行うことができない。そこで、集塵制御では、PMセンサを起動した直後など、センサ素子にPMが付着していないときにはセンサ素子の集塵電極層に集塵電圧を印加することにより、PMのセンサ素子への付着を促進する。
<PM検出制御>
図6を参照して詳述したように、PM付着量が検出可能領域内にある場合、センサ素子にPMが付着すると静電容量に変化が現れる。そこで、PM検出制御では、PM付着量が検出可能領域内にある場合に、インピーダンス測定器により測定されたセンサ素子の静電容量の変化に基づいて、排気に含まれるPMの量を検出する。
また、このようにしてPM量を検出している間は、検出したPM量に基づいてDPFの故障を判定する。すなわち、DPFが正常な状態である場合には、エンジンから排出されたPMの殆どはDPFに捕捉されるため、DPFの下流側のPMセンサにより検出される排気中のPM量はごく僅かである。したがって、PMセンサにより検出されたPM量が所定量より少ない場合にはDPFは正常な状態であると判定する。一方、PMセンサにより検出されたPM量が上記所定量以上である場合には、DPFは故障した状態であると判定し、上記警告灯を点灯させる。
図6を参照して詳述したように、PM付着量が検出可能領域内にある場合、センサ素子にPMが付着すると静電容量に変化が現れる。そこで、PM検出制御では、PM付着量が検出可能領域内にある場合に、インピーダンス測定器により測定されたセンサ素子の静電容量の変化に基づいて、排気に含まれるPMの量を検出する。
また、このようにしてPM量を検出している間は、検出したPM量に基づいてDPFの故障を判定する。すなわち、DPFが正常な状態である場合には、エンジンから排出されたPMの殆どはDPFに捕捉されるため、DPFの下流側のPMセンサにより検出される排気中のPM量はごく僅かである。したがって、PMセンサにより検出されたPM量が所定量より少ない場合にはDPFは正常な状態であると判定する。一方、PMセンサにより検出されたPM量が上記所定量以上である場合には、DPFは故障した状態であると判定し、上記警告灯を点灯させる。
<センサ再生制御>
図6を参照して詳述したように、センサ素子には上記限界量QMを超えてPMを付着させることができないので、PM付着量が限界量QMに近くなると、センサ素子に付着したPMを除去する必要がある。
センサ再生制御では、ヒータによりセンサ素子を加熱し、センサ素子に付着したPMを燃焼除去する。このとき、PM付着量が0になるまでセンサ素子を再生してしまうと、再生後、再びPMの検出を開始するためには、PM付着量が検出可能領域の下限値Q1に達するまで集塵を行う必要がある。このため、再生後のセンサ素子のPM付着量が検出可能領域内に含まれるようにヒータを制御し、センサ素子を再生する。
図6を参照して詳述したように、センサ素子には上記限界量QMを超えてPMを付着させることができないので、PM付着量が限界量QMに近くなると、センサ素子に付着したPMを除去する必要がある。
センサ再生制御では、ヒータによりセンサ素子を加熱し、センサ素子に付着したPMを燃焼除去する。このとき、PM付着量が0になるまでセンサ素子を再生してしまうと、再生後、再びPMの検出を開始するためには、PM付着量が検出可能領域の下限値Q1に達するまで集塵を行う必要がある。このため、再生後のセンサ素子のPM付着量が検出可能領域内に含まれるようにヒータを制御し、センサ素子を再生する。
より具体的には、PM付着量が検出可能領域の上限値Q2を超えたことに応じて、ヒータをオンにしセンサ素子の加熱を開始する。その後、センサ素子に付着したPMを完全に除去しきらないように、すなわち再生後のPM付着量が検出可能領域の下限値Q1よりもやや大きな値に設定された目標値Q3になるように、ヒータをオフにする。以下では、このような概念に基づくセンサ素子の再生制御について、図8および図9を参照して説明する。
図8は、ヒータでセンサ素子の集塵部を加熱した際におけるセンサ素子の静電容量の変化を示す図である。より具体的には、時刻t0においてヒータによる加熱を開始し、センサ素子の温度を再生時の設定温度まで昇温した場合におけるセンサ素子の静電容量の変化を示す。図8において、実線は、PMが付着した状態におけるセンサ素子を加熱した場合を示し、破線は、PMが付着していない状態におけるセンサ素子を加熱した場合を示す。
図8に示すように、センサ素子の静電容量は、集塵部にPMが付着することだけでなく、センサ素子の温度が変わることによっても大きく変化する。より具体的には、図8中、破線で示すように、センサ素子を上記再生時の設定温度まで昇温することにより、その静電容量はC0からC0´まで変化する。
一方、図8中、実線で示すように、センサ素子にPMが付着している場合、付着していないものに対してその静電容量は高くなっている。また、時刻t0からヒータによる加熱を開始すると、センサ素子および付着したPMの温度が上昇することにより、センサ素子の静電容量はC4から上昇し始める。その後、センサ素子の温度がPMの燃焼温度を超えることにより付着していたPMが燃焼する。そして、PMが除去されることにより、センサ素子の静電容量は上述のC0´に収束する。
ここで、PMが付着した場合とPMが付着していない場合とで比較すると、PMが付着したセンサ素子を加熱した場合、付着したPMが燃焼することで発生した熱によりセンサ素子の温度が一時的に上昇するため、図8に示すように、センサ素子の静電容量は凸状の振る舞いを示す。したがって、このようなPMが燃焼している期間内の適切な時期にヒータをオフにすることにより、上述のように、センサ素子に付着したPMを完全に除去しきらないように、上記目標値Q3程度の燃え残しを発生させることができる。また、PMが付着したセンサ素子を加熱した場合、静電容量がこのような特徴的な振る舞いを示すことから、ヒータをオフにするのに適切な時刻t1を、センサ素子の静電容量が上記C0´よりも大きなC2を超えた時刻から決めることができる。なお、このヒータをオフにする時期を判定するための静電容量C2は、再生後のセンサ素子の静電容量がC1、すなわちPM付着量がQ3になるように、実験により決定される。
図9は、センサ素子の再生制御の手順を示すフローチャートである。このセンサ素子の再生制御は、センサ素子の静電容量が上記C4(上述の図6参照)を超えたと判断されたことに応じて、ECUにより実行される。
ステップS1では、ヒータをオンにし、センサ素子の加熱を開始する。これにより、センサ素子の温度は、PMの燃焼温度より高い設定温度へ向けて上昇する。ステップS2では、センサ素子の静電容量Cを検出し、ステップS3に移る。ステップS3では、上記ステップS2で検出した静電容量Cが上記C2以上になったか否かを判別する。ステップS3の判別がNOの場合にはステップS2に移り、センサ素子の再生を継続する。ステップS3の判別がYESの場合にはステップS4に移り、ヒータをオフにし、センサ素子の加熱を終了する。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態によれば、PMが付着したセンサ素子を再生する際、ECUは、再生後のセンサ素子へのPM付着量が所定量Q3になるようにセンサ素子を再生する。すなわち、所定量Q3を残しPMを除去しきらないようにセンサ素子を再生することにより、従来と比較して再生にかかる時間を短縮することができる。また、センサ素子の再生が完了した直後には、PMが付着したときに静電容量に有意な変化が現れる程度の量のPMがセンサ素子に残っているので、再生した直後からPMの検出が可能となる。すなわち、従来のPMセンサでは、再生が完了する毎に所定量のPMを集塵する必要があったが、本実施形態によれば、このような集塵を行う必要がない。
(1)本実施形態によれば、PMが付着したセンサ素子を再生する際、ECUは、再生後のセンサ素子へのPM付着量が所定量Q3になるようにセンサ素子を再生する。すなわち、所定量Q3を残しPMを除去しきらないようにセンサ素子を再生することにより、従来と比較して再生にかかる時間を短縮することができる。また、センサ素子の再生が完了した直後には、PMが付着したときに静電容量に有意な変化が現れる程度の量のPMがセンサ素子に残っているので、再生した直後からPMの検出が可能となる。すなわち、従来のPMセンサでは、再生が完了する毎に所定量のPMを集塵する必要があったが、本実施形態によれば、このような集塵を行う必要がない。
以上のように、本実施形態によれば、再生にかかる時間を短縮できかつ集塵を行う必要もないので、PMの検出を中断する期間を短くすることができる。これにより、再生や集塵にかかるエネルギーを節約することができる。また、中断する期間を短くすることで、PMを検出する期間を長くできるので、PMの検出精度を向上することができる。このPMセンサをDPFの故障検知装置に応用した場合には、故障の判定精度を向上することもできる。また、PMの検出を中断する期間を短くすることにより、例えば、エンジンの燃焼制御やDPFにおけるPMの堆積量の補正演算などといった、DPFの故障検知装置以外の装置に応用することが考えられる。
(2)本実施形態によれば、センサ素子を再生した後に、集塵部に残しておくPMの量を、検出可能領域の下限値Q1の近傍に設定された量Q3にすることにより、より長い時間にわたって粒子状物質を検出することができる。
(3)本実施形態によれば、ヒータによる加熱を開始してから、静電容量の検出値Cが終了判定値C2になったときにヒータによる加熱を終了する。このようにヒータによる加熱を終了する時期を、PM付着量と強い相関のあるセンサ素子の静電容量に基づいて決定することにより、再生後におけるPM付着量を適切な量にすることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、センサ素子の再生制御の手順が第1実施形態と異なる。より具体的には、センサ素子の再生制御においてヒータをオフにする条件が第1実施形態と異なる。
第2実施形態は、センサ素子の再生制御の手順が第1実施形態と異なる。より具体的には、センサ素子の再生制御においてヒータをオフにする条件が第1実施形態と異なる。
図10は、センサ素子をヒータで加熱した場合におけるセンサ素子の温度の変化を示す図である。より具体的には、時刻t0においてヒータによる加熱を開始し、センサ素子の温度を再生時の設定温度T0´まで昇温した場合におけるセンサ素子の温度の変化を示す。図10において、実線は、PMが付着した状態におけるセンサ素子を加熱した場合を示し、破線は、PMが付着していない状態におけるセンサ素子を加熱した場合を示す。
図10中、破線で示すように、時刻t0からヒータによる加熱を開始すると、センサ素子の温度はT0から上昇し、上記設定温度T0´に到達する。
一方、図10中、実線で示すように、センサ素子にPMが付着している場合、時刻t0からヒータによる加熱を開始すると、加熱を開始した直後はPMが付着していない場合と同様に昇温する。その後、センサ素子の温度がPMの燃焼温度TPMを超えることにより付着していたPMが燃焼する。そして、PMが除去された後は、センサ素子の温度は上記設定温度T0´に収束する。
一方、図10中、実線で示すように、センサ素子にPMが付着している場合、時刻t0からヒータによる加熱を開始すると、加熱を開始した直後はPMが付着していない場合と同様に昇温する。その後、センサ素子の温度がPMの燃焼温度TPMを超えることにより付着していたPMが燃焼する。そして、PMが除去された後は、センサ素子の温度は上記設定温度T0´に収束する。
ここで、PMが付着した場合とPMが付着していない場合とで比較すると、PMが付着したセンサ素子を加熱した場合、付着したPMが燃焼することで発生した熱によりセンサ素子の温度が一時的に上昇するため、図10に示すように、センサ素子の温度は凸状の振る舞いを示す。したがって、このようなPMが燃焼している期間内の適切な時期にヒータをオフにすることにより、上述のように、センサ素子に付着したPMを完全に除去しきらないように、上記目標値Q3(上述の図6参照)程度の燃え残しを発生させることができる。また、PMが付着したセンサ素子を加熱した場合、センサ素子の温度がこのような特徴的な振る舞いを示すことから、ヒータをオフにするのに適切な時刻t1を、センサ素子の温度が上記T0´よりも大きなT1を超えた時刻から決めることができる。なお、このヒータをオフにする時期を判定するための温度T1は、再生後のセンサ素子のPM付着量がQ3になるように、実験により決定される。
図11は、センサ素子の再生制御の手順を示すフローチャートである。このセンサ素子の再生制御は、第1実施形態と同様に、センサ素子のPM付着量が上記C4(上述の図6参照)を超えたと判断されたことに応じて、ECUにより実行される。
ステップS11では、ヒータをオンにし、センサ素子の加熱を開始する。これにより、センサ素子の温度は、上記設定温度T0´へ向けて上昇する。ステップS12では、センサ素子の温度Tを検出し、ステップS13に移る。ステップS13では、上記ステップS12で検出したセンサ素子の温度Tが上記T1以上になったか否かを判別する。ステップS13の判別がNOの場合にはステップS12に移り、センサ素子の再生を継続する。ステップS13の判別がYESの場合にはステップS14に移り、ヒータをオフにし、センサ素子の加熱を終了する。
本実施形態によれば、上記(1)、(2)に加えて以下の効果を奏する。
(4)本実施形態によれば、ヒータによる加熱を開始してから、センサ素子の温度が終了判定温度T1に達したときにヒータによる加熱を終了することにより、適切な時期にヒータによる加熱を終了し、結果として再生後におけるPM付着量を適切な量にすることができる。
(4)本実施形態によれば、ヒータによる加熱を開始してから、センサ素子の温度が終了判定温度T1に達したときにヒータによる加熱を終了することにより、適切な時期にヒータによる加熱を終了し、結果として再生後におけるPM付着量を適切な量にすることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、センサ素子の再生制御の手順が第2実施形態と異なる。より具体的には、センサ素子の再生制御においてヒータをオフにする条件が第2実施形態と異なる。
第3実施形態は、センサ素子の再生制御の手順が第2実施形態と異なる。より具体的には、センサ素子の再生制御においてヒータをオフにする条件が第2実施形態と異なる。
図12は、センサ素子をヒータで加熱した場合におけるセンサ素子の温度の変化を示す図である。より具体的には、時刻t0においてヒータによる加熱を開始し、センサ素子の温度を再生時の設定温度T0´´まで昇温した場合におけるセンサ素子の温度の変化を示す。図12において、実線は、PMが付着した状態におけるセンサ素子を加熱した場合を示し、破線は、PMが付着していない状態におけるセンサ素子を加熱した場合を示す。
図12中、破線で示すように、時刻t0からヒータによる加熱を開始すると、センサ素子の温度はT0から上昇し、上記設定温度T0´´に到達する。
一方、図12中、実線で示すように、センサ素子にPMが付着している場合、時刻t0からヒータによる加熱を開始すると、加熱を開始した直後はPMが付着していない場合と同様に昇温する。その後、センサ素子の温度がT0´´に到達することにより、付着していたPMが燃焼する。そして、PMが除去された後は、センサ素子の温度は上記設定温度T0´´に収束する。
一方、図12中、実線で示すように、センサ素子にPMが付着している場合、時刻t0からヒータによる加熱を開始すると、加熱を開始した直後はPMが付着していない場合と同様に昇温する。その後、センサ素子の温度がT0´´に到達することにより、付着していたPMが燃焼する。そして、PMが除去された後は、センサ素子の温度は上記設定温度T0´´に収束する。
ところで、上述のように、センサ素子の再生制御はセンサ素子の静電容量がC4を超えたと判断されたことに応じて実行されるので、センサ素子の再生制御を開始する際におけるPM付着量は常に一定であるといえる。したがって、PMを燃焼させているときにおけるセンサ素子の温度T0´´と、PMの燃焼が開始してから経過した時間(以下、「ホールド時間」という)Δtとの2つを適切な値に固定することにより、センサ素子に付着したPMを完全に除去しきらないように、上記目標値Q3(上述の図6参照)程度の燃え残しを発生させるようにセンサ素子を再生することができる。
なお、このようにPMを燃焼させるときにおけるセンサ素子の温度と燃焼時間とを固定する場合、長い時間をかけて安定してPMを燃焼させることが好ましい。このため、設定温度T0´´は、PMの燃焼温度TPMの近傍に設定することが好ましい。なお、このヒータをオフにする時期を判定するためのホールド時間Δtは、再生後のセンサ素子のPM付着量がQ3になるように、実験により決定される。
図13は、センサ素子の再生制御の手順を示すフローチャートである。このセンサ素子の再生制御は、第2実施形態と同様に、センサ素子のPM付着量が上記C4(上述の図6参照)を超えたと判断されたことに応じて、ECUにより実行される。
ステップS21では、ヒータをオンにし、センサ素子の加熱を開始する。これにより、センサ素子の温度は、上記設定温度T0´´へ向けて上昇する。ステップS22では、センサ温度Tを検出し、ステップS23に移る。ステップS23では、上記ステップS22で検出したセンサ温度Tが設定温度T0´´に到達したか否かを判別する。この判別がNOの場合にはステップS22に移り、YESの場合にはステップS24に移る。
ステップS24では、 センサ素子の温度が設定温度T0´´に到達したと判断されたことに応じて、PMの燃焼時間を計測するタイマtをスタートし、ステップS25に移る。ステップS25では、タイマtが上記ホールド時間Δtに達したか否かを判別する。この判別がNOの場合にはステップS25に移り、センサ素子の再生を継続する。ステップS25の判別がYESの場合にはステップS26に移り、ヒータをオフにし、センサ素子の加熱を終了する。すなわち、センサ素子の温度をホールド時間Δtに亘り設定温度T0´´に維持した後に、ヒータによる加熱を終了する。
本実施形態によれば、上記(1)、(2)に加えて以下の効果を奏する。
(5)本実施形態によれば、センサ素子を再生する際において、センサ素子の温度と加熱する時間を固定することにより、適切な時期にヒータによる加熱を終了し、結果として再生後におけるPM付着量を適切な量にすることができる。
(5)本実施形態によれば、センサ素子を再生する際において、センサ素子の温度と加熱する時間を固定することにより、適切な時期にヒータによる加熱を終了し、結果として再生後におけるPM付着量を適切な量にすることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、再生手段としてヒータ配線122A,129Aを用いて、センサ素子をPMが燃焼する温度まで昇温することにより、センサ素子に付着したPMを燃焼除去したが、これに限らない。この他、プラズマ放電を利用してPMを除去する技術を再生手段として用いてもよい。
例えば、上記実施形態では、再生手段としてヒータ配線122A,129Aを用いて、センサ素子をPMが燃焼する温度まで昇温することにより、センサ素子に付着したPMを燃焼除去したが、これに限らない。この他、プラズマ放電を利用してPMを除去する技術を再生手段として用いてもよい。
1…エンジン(内燃機関)
11…PMセンサ(粒子状物質検出装置)
12…センサ素子
122,129…ヒータ層(再生手段)
130,131…電極板(電極部)
17…センサ制御ユニット(検出手段、再生手段、粒子状物質検出手段、温度検出手段)
3…DPF
4…排気管(排気系)
5…ECU(粒子状物質検出装置、再生制御手段、温度検出手段)
11…PMセンサ(粒子状物質検出装置)
12…センサ素子
122,129…ヒータ層(再生手段)
130,131…電極板(電極部)
17…センサ制御ユニット(検出手段、再生手段、粒子状物質検出手段、温度検出手段)
3…DPF
4…排気管(排気系)
5…ECU(粒子状物質検出装置、再生制御手段、温度検出手段)
Claims (7)
- 内燃機関の排気系に設けられた電極部と、
前記電極部の電気的特性を検出する検出手段と、
前記電極部に粒子状物質が付着することによる前記電気的特性の変化に基づいて、排気に含まれる粒子状物質の量に相関のある値を検出する粒子状物質検出手段と、
前記電極部に付着した粒子状物質を除去する再生手段と、
前記再生手段を制御し前記電極部を再生する再生制御手段と、を備える粒子状物質検出装置であって、
前記再生制御手段は、前記電極部への粒子状物質の付着量が所定量になるように前記電極部を再生し、
前記所定量は、前記電極部に粒子状物質が付着したときに、前記電気的特性に有意な変化が現れる粒子状物質の付着量であることを特徴とする粒子状物質検出装置。 - 前記所定量は、前記電極部に粒子状物質が付着したときに、前記電気的特性に有意な変化が現れる粒子状物質の付着量のうち最小量又は当該最小量の近傍に設定されることを特徴とする請求項1に記載の粒子状物質検出装置。
- 内燃機関の排気系に設けられた電極部と、
前記電極部の電気的特性を検出する検出手段と、
前記電極部に粒子状物質が付着することによる前記電気的特性の変化に基づいて、排気に含まれる粒子状物質の量に相関のある値を検出する粒子状物質検出手段と、
前記電極部に付着した粒子状物質を除去する再生手段と、
前記再生手段を制御し前記電極部を再生する再生制御手段と、を備える粒子状物質検出装置であって、
前記粒子状物質検出手段の検出可能領域を前記電極部への粒子状物質の付着量に対して設定し、
前記再生制御手段は、前記電極部への粒子状物質の付着量が前記検出可能領域内に含まれるように前記電極部を再生することを特徴とする粒子状物質検出装置。 - 前記再生制御手段は、前記電極部への粒子状物質の付着量が前記検出可能領域内の最小量又は当該最小量の近傍に設定された量になるように前記電極部を再生することを特徴とする請求項3に記載の粒子状物質検出装置。
- 前記再生手段は、前記電極部を加熱することで当該電極部に付着した粒子状物質を燃焼除去する加熱手段であり、
前記再生制御手段は、前記加熱手段による前記電極部の加熱を開始してから、前記電気的特性の検出値が終了判定値になったときに当該加熱手段による加熱を終了することを特徴とする請求項1又は3に記載の粒子状物質検出装置。 - 前記電極部の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、
前記再生手段は、前記電極部を加熱することで当該電極部に付着した粒子状物質を燃焼除去する加熱手段であり、
前記再生制御手段は、前記加熱手段による前記電極部の加熱を開始してから、当該電極部の温度が終了判定温度に達したときに当該加熱手段による加熱を終了することを特徴とする請求項1又は3に記載の粒子状物質検出装置。 - 前記電極部の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、
前記再生手段は、前記電極部を加熱することで当該電極部に付着した粒子状物質を燃焼除去する加熱手段であり、
前記再生制御手段は、前記加熱手段により前記電極部をホールド時間に亘り一定の温度に維持した後に、当該加熱手段による加熱を終了することを特徴とする請求項1又は3に記載の粒子状物質検出装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012149525A (ja) * | 2011-01-17 | 2012-08-09 | Mazda Motor Corp | エンジンの排気浄化装置 |
JP2017003572A (ja) * | 2015-06-09 | 2017-01-05 | アモテック シーオー,エルティーディー | 粒子状物質センサ及びそれを用いた排気ガス浄化システム |
JP2018525608A (ja) * | 2015-06-09 | 2018-09-06 | アモテック・カンパニー・リミテッド | 粒子状物質センサ及びこれを含む排気ガス浄化システム |
-
2009
- 2009-10-20 JP JP2009241476A patent/JP2011089791A/ja active Pending
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