JP5924669B2 - 粒子状物質検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子状物質検出装置に関する。詳しくは、内燃機関から排出された排気の粒子状物質(以下、「PM(Particulate Matter)」という)の濃度を検出する粒子状物質検出装置に関する。
従来、排気中のPMの濃度と、PMセンサの電極部にPMが付着することによって生じる電極部の電気的特性の変化量との間に相関関係があることを利用し、排気管内に設けられたPMセンサの電極部の電気的特性の変化量に基づいて排気中のPM濃度を算出する技術が知られている。
特許文献1には、フィルタの上流側に複数のセンサ本体を配置したPMセンサを設ける技術が提案されている。この技術では、複数のセンサ本体のうちの1つのセンサ出力が飽和に達した場合には、これを再生し、再生中は他の飽和に達していないセンサ本体のセンサ出力に基づいて排気中のPMを検出する。すなわち、特許文献1の技術では、複数のセンサ本体を相補的に用いることにより、PMの高濃度環境下でも連続的な検出を可能としている。
特開2008−190502号公報
しかしながら特許文献1の技術では、フィルタの下流側にセンサ本体を設ける場合と異なり、複数のセンサ本体がフィルタの上流側で高濃度のPMに曝される。このため、各センサ本体の電極部にPMが多量に堆積し、各センサ本体のセンサ出力がすぐに飽和するので、センサ本体1つ当たりのPM検出可能な時間が短く検出精度が悪いという課題があった。
また、各センサ本体は、PM検出可能な時間が短く再生回数が増加するので、燃費の悪化を招くという課題があった。
加えて、複数のセンサ本体を有するので、コストアップするという課題があった。
本発明は上記課題に鑑みたものであり、その目的は、高濃度の粒子状物質に曝される環境下にあっても、センサ出力が飽和し難く粒子状物質を長時間検出可能であり、高い検出精度で燃費が悪化せずに粒子状物質を検出できる安価な粒子状物質検出装置を提供することにある。
本発明に係る粒子状物質検出装置(例えば、後述のPMセンサ11)は、内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気通路(例えば、後述の排気管4)に設けられた排気中の粒子状物質を検出するセンサ本体(例えば、後述のセンサ本体18)を有し、当該センサ本体の電極部(例えば、後述の測定電極127A,127B)に粒子状物質が付着した際に前記電極部に交流電圧を印加することによって前記電極部の電気的特性の変化を測定し、測定した電気的特性の変化量に基づいて粒子状物質濃度を検出する粒子状物質検出装置であって、前記内燃機関の運転状態に基づいて、排気に含まれる粒子状物質濃度を推定する粒子状物質濃度推定手段(例えば、後述のECU5)と、前記センサ本体の前記電極部に印加する交流電圧の周波数を変更する周波数変更手段(例えば、後述のECU5、ステップS8,S10,S11)と、前記内燃機関が始動直後の暖機状態であるか否かを判別する暖機状態判別手段(例えば、後述のECU5、ステップS3)とを備え、前記周波数変更手段は、前記粒子状物質濃度推定手段が推定した粒子状物質濃度推定値が高い程、前記電極部に印加する交流電圧の周波数を高く切り替えるものであり、かつ、前記周波数変更手段は、少なくとも低周波数と高周波数との2つの周波数で変更可能に構成され、前記暖機状態判別手段によって暖機状態であると判定された場合には、前記電極部に印加する交流電圧を高周波数に変更することを特徴とする。
電極部に印加する交流電圧の周波数が高い程、電極部の静電容量は小さくなり、粒子状物質の静電容量の測定値を小さくでき、センサ出力が飽和し難くなる。すなわち、粒子状物質濃度推定値が高い程、電極部に印加する交流電圧の周波数を高く切り替えると、静電容量の測定値が小さくなり、測定感度が低下するが、センサ出力が飽和し難くなりより長時間測定可能となることで検出精度が向上する。
すなわち、図1に示すように、粒子状物質を測定する測定感度は、電極部に印加する交流電圧の周波数が高い程、粒子状物質が電極部に付着した場合の変化を読み取る感度が低下し、低感度となる。一方、粒子状物質を検出する検出精度は、電極部に印加する交流電圧の周波数が高い程、静電容量の測定値が小さくなり、長時間測定可能となり、高精度となる。
本発明によると、内燃機関の運転状態に基づいて推定された粒子状物質濃度推定値が高い程、電極部に印加する交流電圧の周波数を高く切り替える。これにより、センサ本体が高濃度の粒子状物質に曝されても、センサ出力が飽和し難く長時間測定することができ、高い検出精度で粒子状物質を検出することができる。このセンサ本体が高濃度の粒子状物質に曝される状態では、粒子状物質が多量に存在するので、粒子状物質を測定する測定感度はあまり必要とされず、測定感度が悪化することに問題はない。
また、電極部に印加する交流電圧の周波数を粒子状物質濃度推定値に応じて切り替えることにより、粒子状物質濃度に合わせた測定感度と検出精度とを選択でき、粒子状物質検出を良好に行うことができる。
また、検出精度が向上して粒子状物質検出可能な時間が長くなり、再生回数が減少するので、燃費を向上することができる。
また、少なくとも1つのセンサ本体だけを有すればよいので、安価となる。
したがって、高濃度の粒子状物質に曝される環境下にあっても、センサ出力が飽和し難く粒子状物質を長時間検出可能であり、高い検出精度で燃費が悪化せずに粒子状物質を検出できる安価な粒子状物質検出装置を提供することができる。
内燃機関の始動直後の暖機状態は、燃焼が不安定で高濃度の粒子状物質が排出されるので、センサ本体がより高濃度の粒子状物質に曝される。本発明によると、より高濃度の粒子状物質に曝される暖機状態である場合には、電極部に印加する交流電圧を高周波数に変更するので、センサ本体が高濃度の粒子状物質に曝されても、長時間測定することができ、高い検出精度で粒子状物質を検出することができる。
本発明に係る粒子状物質検出装置(例えば、後述のPMセンサ11)は、内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気通路(例えば、後述の排気管4)に設けられた排気中の粒子状物質を検出するセンサ本体(例えば、後述のセンサ本体18)を有し、当該センサ本体の電極部(例えば、後述の測定電極127A,127B)に粒子状物質が付着した際に前記電極部に交流電圧を印加することによって前記電極部の電気的特性の変化を測定し、測定した電気的特性の変化量に基づいて粒子状物質濃度を検出する粒子状物質検出装置であって、前記センサ本体の前記電極部に印加する交流電圧の周波数を変更する周波数変更手段(例えば、後述のECU5)と、予め設定した粒子状物質濃度検出期間において、前記周波数変更手段によって前記電極部に印加する交流電圧の周波数を変更し、周波数毎に電気的特性を測定して記憶する記憶手段(例えば、後述のECU5、ステップS103)と、前記粒子状物質濃度検出期間内において前記記憶手段により記憶された前回の測定時刻T(n−1)から今回の測定時刻Tnまでの間の周波数毎の電気的特性の変化量について判定を行い、電気的特性の変化量が小さい程、高周波数を選択する選択手段(例えば、後述のECU5、ステップS106,S107)と、前記選択手段が選択した周波数のときの前記記憶手段が記憶した電気的特性に基づいて粒子状物質濃度を検出する検出手段(例えば、後述のECU5、ステップS110)と、を備え
前記選択手段は、前記粒子状物質濃度検出期間における低周波数側から当該周波数の電気的特性の変化量(例えば、後述の変化量((C n−C (n−1))/(Tn−T(n−1))),((C n−C (n−1))/(Tn−T(n−1))),((C n−C (n−1))/(Tn−T(n−1))))が当該周波数の規定値(例えば、後述の電気的特性規定値C S,C S,C S)内に含まれるか判定し、当該周波数の電気的特性の変化量が当該周波数の規定値内に含まれる場合に当該周波数を選択し、当該周波数の電気的特性の変化量が所定の規定値内に含まれない場合に更に高周波数側の次の周波数の電気的特性の変化量が当該次の周波数の規定値内に含まれるか判定していくことを特徴とする。
本発明によると、粒子状物質濃度検出期間において記憶手段により記憶された周波数毎の電気的特性の変化量が小さい程、高周波数を選択する。これにより、センサ本体が高濃度の粒子状物質に曝されても、センサ出力が飽和し難く長時間測定することができ、高い検出精度で粒子状物質を検出することができる。このセンサ本体が高濃度の粒子状物質に曝される状態では、粒子状物質が多量に存在するので、粒子状物質を測定する測定感度はあまり必要とされず、測定感度が悪化することに問題はない。
また、電極部に印加する交流電圧の周波数を粒子状物質濃度推定値に応じて切り替えることにより、粒子状物質濃度に合わせた測定感度と検出精度とを選択でき、粒子状物質検出を良好に行うことができる。
また、検出精度が向上して粒子状物質検出可能な時間が長くなり、再生回数が減少するので、燃費を向上することができる。
また、少なくとも1つのセンサ本体だけを有すればよいので、安価となる。
したがって、高濃度の粒子状物質に曝される環境下にあっても、センサ出力が飽和し難く粒子状物質を長時間検出可能であり、高い検出精度で燃費が悪化せずに粒子状物質を検出できる安価な粒子状物質検出装置を提供することができる。
本発明によると、粒子状物質濃度検出期間において記憶手段により記憶された周波数毎の電気的特性の変化量が小さい程、高周波数を選択することができる。
前記内燃機関が始動直後の暖機状態であるか否かを判別する暖機状態判別手段(例えば、後述のECU5)を更に備え、前記周波数変更手段は、少なくとも低周波数と高周波数との2つの周波数で変更可能に構成され、前記選択手段は、前記暖機状態判別手段によって暖機状態であると判定された場合には、高周波数を選択することが好ましい。
内燃機関の始動直後の暖機状態は、燃焼が不安定で高濃度の粒子状物質が排出されるので、センサ本体がより高濃度の粒子状物質に曝される。本発明によると、より高濃度の粒子状物質に曝される暖機状態である場合には、電極部に印加する交流電圧を高周波数に変更するので、センサ本体が高濃度の粒子状物質に曝されても、長時間測定することができ、高い検出精度で粒子状物質を検出することができる。
前記排気通路に粒子状物質を捕集する排気浄化フィルタ(例えば、後述のDPF3)を更に備え、前記センサ本体は、前記排気浄化フィルタよりも前記排気通路の上流側に配置されることが好ましい。
本発明によると、センサ本体が排気浄化フィルタよりも排気通路の上流側に配置されるので、センサ本体は高濃度の粒子状物質に曝されることになる。本発明によると、この場合であっても、粒子状物質検出を良好に行うことができる。
また、センサ本体が排気浄化フィルタよりも排気通路の上流側に配置されると、粒子状物質検出装置は内燃機関の運転状態に応じた粒子状物質堆積量を逐次検出できるので、粒子状物質検出装置を内燃機関の運転状態の制御に用いることができる。
本発明によれば、高濃度の粒子状物質に曝される環境下にあっても、センサ出力が飽和し難く粒子状物質を長時間検出可能であり、高い検出精度で燃費が悪化せずに粒子状物質を検出できる安価な粒子状物質検出装置を提供することができる。
本発明に係る各周波数の静電容量変化を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る内燃機関およびその排気系の構成を示す図である。 上記実施形態に係るセンサ素子の斜視図である。 上記実施形態に係るセンサ素子の分解斜視図である。 上記実施形態に係るセンサ素子のキャビティ部内にPMが全面に付着したときの様子を模式的に示した図である。 上記実施形態に係るセンサ素子のキャビティ部に付着したPMの量とセンサ素子の静電容量との関係を模式的に示す図である。 上記実施形態に係る排気管に設けられたセンサ本体の斜視図である。 上記実施形態に係るPMセンサのPM検出処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る周波数の切り替えを必要とする排気が変化する状態を示す図である。 上記実施形態に係る周波数の切り替えを実行したときの静電容量の変化を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るPMセンサのPM検出処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係るステップS103における測定結果(周波数毎の電気的特性変化量)を示す図である。 上記実施形態に係るセンサ出力の経時変化を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図2は、本実施形態に係る粒子状物質検出装置が設けられた内燃機関およびその排気系の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、各気筒内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンであり、各気筒には図示しない燃料噴射弁が設けられている。
エンジン1の排気が流通する排気管4には、排気に含まれる炭素を主成分とした粒子状物質を検出する粒子状物質検出装置(以下、「PMセンサ」という)11と、排気浄化フィルタ(以下、「DPF(Diesel Particulate Filter)」という)3とが、上流側からこの順で設けられている。
DPF3は、多孔質体のフィルタ壁を備え、排気がこのフィルタ壁の微細な孔を通過する際、排気に含まれるPMを、フィルタ壁の表面およびフィルタ壁中の孔に堆積させることにより、これを捕集する。フィルタ壁の構成材料としては、例えば、チタン酸アルミニウムやコージェライトなどを材料とした多孔質体が使用される。
PMセンサ11は、排気管4に設けられ排気中のPMを検出するセンサ素子12を有するセンサ本体18と、センサ本体18に接続されたセンサ制御ユニット17と、このセンサ制御ユニット17に接続された電子制御ユニット(以下、「ECU」という)5と、を備える。センサ制御ユニット17は、集塵用DC電源13と、インピーダンス測定器14と、センサ素子12の温度を制御する温度制御装置15と、を含んで構成される。PMセンサ11は、以下に示すように、排気管4内を流通する排気に含まれるPMが付着したセンサ素子12の電気的特性の測定に基づいて、排気管4内を流通する排気中のPM濃度を算出する。
図3は、センサ素子12の斜視図である。図3に示すように、センサ素子12は、空洞状のキャビティ部120を備える。排気中に含まれるPMは、このキャビティ部120の内壁に付着する。以下では、キャビティ部120の一方の開口から他方の開口へ向かう方向を、キャビティ部120の長手方向と定義する。
図4は、センサ素子12の分解斜視図である。センサ素子12は、図4に示すように、一対の電極板130,131を、板状のスペーサ125A,125Bを介装して組み合わせ、ヒーター層122,129およびアルミナプレート121で挟持することにより構成される。スペーサ125Bは、電極が形成された板状部材である。これにより、電極板130,131、スペーサ125A,125Bに囲まれたキャビティ部120が形成される。
電極板130は、集塵電極層123により形成される。また、電極板131は、誘電体層126と、測定電極層127と、集塵電極層128とを積層することにより形成される。
測定電極層127は、一対の櫛形の測定電極127A,127Bを備える。具体的には、測定電極127A,127Bは、測定電極層127の一端側のキャビティ部120に対応する位置に形成された一対の櫛歯部と、この櫛歯部から他端側へかけて延びる一対の櫛本体部と、を含んで構成される。より具体的には、測定電極127A,127Bは、一方の櫛形の測定電極127Aの櫛歯部と他方の櫛形の測定電極127Bの櫛歯部とが相互に挟み合うように対向配置されている。
また、一対の櫛本体部は、インピーダンス測定器14に電気的に接続されている。
ここで、測定電極層127に櫛形の測定電極127A,127Bを備える本実施形態のPM検出メカニズムについて説明する。
図5は、センサ素子12のキャビティ部120内にPMが全面に付着したときの様子を模式的に示した図である。図5に示すように、キャビティ部120に付着したPMは、櫛形の測定電極127A,127Bの櫛歯部上に誘電体層を介して堆積する。このとき、隣接する測定電極127A,127B間におけるもれ電界が、堆積したPMによる影響を受け、測定電極127A,127B間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化は、PMが付着した量に相関があることから、この電気的特性の変化を測定することにより、単位時間当たりにキャビティ部120に堆積したPMの量、ひいてはセンサ素子の周囲の排気のPM濃度を算出できる。なお、以下の説明において、センサ素子12の電気的特性とは、センサ素子12のうちPM付着量に相関のあるキャビティ部120の電気的特性を意味する。
集塵電極層123,128は、タングステン導体層からなる集塵電極123A,128Aを備える。集塵電極123Aは、集塵電極層123の一端側のキャビティ部120に対応する位置に略正方形状に形成された導体部と、この導体部からアルミナ基板の他端側へかけて線状に延びる導線部と、を含んで構成される。集塵電極層128は、全面に集塵電極128Aを含んで構成される。
また、集塵電極123Aの導線部および集塵電極128Aは、集塵用DC電源13に電気的に接続されている。
なお、集塵電極123Aの導体部の一辺の長さは、約10mmである。
ヒーター層122,129は、ヒーター配線122A,129Aを備え、これらヒーター配線122A,129Aは、温度制御装置15に電気的に接続されている。
また、アルミナプレート121は、略矩形状のアルミナ基板であり、厚みは約1mmである。
集塵用DC電源13は、集塵電極層123,128に備えられた集塵電極123Aの導線部および集塵電極128Aに電気的に接続されている。集塵用DC電源13は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、後述する測定電圧よりも大きい所定の集塵電圧を集塵電極層123,128間に印加する。これにより、センサ素子12の周囲のPMを引き寄せるようにしてキャビティ部120に付着させる。
インピーダンス測定器14は、測定電極層127の一対の櫛本体部に電気的に接続されている。インピーダンス測定器14は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、所定の測定電圧および測定周期のもとで、センサ素子12の電気的特性を検出し、検出した静電容量に略比例した検出信号をECU5に出力する。なお、本実施形態では、インピーダンス測定器14により、センサ素子12の電気的特性として特に静電容量を測定するが、これに限るものではない。
温度制御装置15は、各電極板130,131に接して設けられたヒーター層122,129のヒーター配線122A,129Aに電気的に接続されており、これらヒーター層122,129に電力を供給するヒーター用DC電源(図示せず)を含んで構成される。
ヒーター用DC電源は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、ヒーター層122,129に所定の電流を通電する。ヒーター層122,129は、ヒーター用電源から電流が供給されると発熱し、各電極板130,131を加熱する。これにより、各電極板130,131を加熱し、キャビティ部120に付着したPMを燃焼除去でき、センサ素子12を再生できる。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換するなどの機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)と、を備える。この他、ECU5は、CPUで実行される各種演算プログラムおよび演算結果などを記憶する記憶回路と、センサ制御ユニット17に制御信号を出力する出力回路と、を備える。
次に、ECU5によるPMセンサ11の制御方法について、センサ素子12の特性と合わせて説明する。
図6は、センサ素子12のキャビティ部に付着したPMの量とセンサ素子12の静電容量との関係を模式的に示す図である。図6では、横軸をPMの付着量とし、縦軸を静電容量とする。
先ず、センサ素子12にはキャビティ部120の容積を超える量のPMを付着させることができないため、センサ素子12のPM付着量にはキャビティ部の容積に応じた限界量Qがある。この限界量Q以下において、センサ素子12の静電容量はPM付着量に対して以下のように変化する。
PM付着量が0から所定量Qまでの間は、PMはキャビティ部120の内壁に薄くまばらに付着した状態であり、PMがセンサ素子12の電気的特性に及ぼす影響が小さく、PM付着量によらず静電容量は初期値C一定のままである。したがって、キャビティ部120にPMが付着してもセンサ素子12の静電容量に有意な変化は現れないため、単位時間当たりに付着したPMの量、ひいてはセンサ素子12の周囲のPM濃度を算出することはできない。また、キャビティ部120にPMが付着していない場合、既に付着している場合と比較して、新たなPMが付着し難くなっている。
PM付着量が上記所定量Qを超えると、キャビティ部120の内壁にPMの基盤が形成された状態となり、センサ素子12の静電容量は初期値Cから変化し始める。このため、PM付着量が所定量Qを超えた領域では、センサ素子12の静電容量の変化量から、単位時間当たりに付着したPMの量を特定でき、ひいてはセンサ素子12の周囲のPM濃度を算出することができる。
ECU5は、センサ素子12の静電容量が初期値C以下であり、したがってPM濃度を算出できない場合には、センサ素子12に集塵電圧を印加し、センサ素子12の周囲のPMを積極的にキャビティ部120に付着させる(静電集塵)。これにより、できるだけ速やかにセンサ素子12を濃度の算出が可能な状態にする。
上述の静電集塵を開始してから、PMが付着しセンサ素子12の静電容量が初期値Cから変化し始めた場合には、ECU5は、集塵電圧の印加を停止し、これ以降は集塵電圧の印加によらず自然にPMをキャビティ部120に付着させる(自然集塵)。また、センサ素子12の静電容量が初期値CからCの範囲内にある間は、ECU5は、単位時間当たりの静電容量の変化量ΔCに基づいて、単位時間当たりのPM付着量ΔQを算出し、このPM付着量ΔQから、センサ素子12の周囲のPM濃度を算出する。
上述の自然集塵を開始してから、センサ素子12の静電容量が初期値Cに達した場合には、ECU5は、センサ素子12が飽和に達したと判断し、キャビティ部120内のPMを燃焼除去する。センサ素子12の再生が完了すると、再び上記静電集塵を開始する。
図2に戻って、エンジン1から排出されたPMは、ほぼ全てDPF3によって捕集されるため、排気管4のうちDPF3より下流側はPMの低濃度領域となっており、DPF3より上流側は相対的にPMの高濃度領域となっている。したがって、センサ本体18をこのようなPMの高濃度領域に設けると、センサ素子12は短時間で飽和に達してしまうため、長時間にわたりPMを検出し続けることが困難になる。そこで、センサ本体18には、排気管4内でセンサ素子12を保護する保護カバー6が取り付けられる。
図7は、排気管4に設けられたセンサ本体18の斜視図である。
センサ本体18は、円柱状のボディ19と、ボディ19の先端部に設けられたセンサ素子12と、センサ素子12を保護する保護カバー6とを備える。保護カバー6は、円筒状の胴部61と、この胴部61の一方の端部を塞ぐ底部64とを有する有底筒状である。胴部61の他方の端部66には、ボディ19の端部19aに形成された突起(図示せず)が嵌合する凹溝(図示せず)が形成されている。保護カバー6は、ボディ19の突起を凹溝に嵌合させることにより、センサ素子12を胴部61で囲繞するようにボディ19に取り付けられる。
センサ本体18は、保護カバー6より先端側の部分のみが排気管4内に臨むようにして、排気管4に形成された図示しないセンサホールに取り付けられる。この際、センサ本体18は、胴部61の延在方向が排気の流れ方向に対し垂直となり、かつ保護カバー6の底部64が鉛直下方を向くようにして、排気管4に取り付けられることが好ましい。
保護カバー6の材質は、ステンレス鋼が好ましい。排気管内には凝縮水が付着することから、保護カバー6の材質は、特にステンレス鋼の中でも耐腐食性に優れたフェライト系ステンレスが好ましい。
保護カバー6の胴部61の形状は、圧損の低下をできるだけ小さくするため、その断面の形状が真円の筒状となっていることが好ましいが、本発明はこれに限るものではない。例えば、断面の形状が四角形や五角形などの多角形または楕円の筒状であってもよい。
保護カバー6は、排気管4内がPMの高濃度環境下であってもセンサ素子12が短時間で飽和に達してしまうのを防止するために、センサ素子12を保護するためのものである。しかし、保護カバー6の内側に設けられたセンサ素子12により、保護カバー6の外側を流通する排気のPM濃度を推定できるようにするため、保護カバー6の外側のPM濃度の変化を保護カバー6の内側のPM濃度の変化に反映させる必要がある。よって、保護カバー6の内側のPM濃度を外側のPM濃度よりも十分に低く維持しつつ、外側のPM濃度の変化に連動して内側のPM濃度を変化させるため、保護カバー6の胴部61には、一対の流入孔62a,62bと、これら一対の流入孔62a,62bと対になる一対の流出孔63a,63bとが形成されている。
2つの流入孔62a,62bは、胴部61のうち排気の上流側に面する部分に形成されており、排気管4内のうち保護カバー6の外側を流通する排気をPMとともに保護カバー6の内側へ流入させる。
2つの流出孔63a,63bは、胴部61のうち排気の下流側に面する部分に形成されており、保護カバー6の内側の排気をPMとともに保護カバー6の外側へ流出させる。
また、保護カバー6の底部62のうち、排気の流れ方向に平行な中心部には、上記流入孔62a,62bや流出孔63a,63bよりも大きな径のガス抜け孔65が貫通して形成されている。
以上のような流出孔63a,63bやガス抜け孔65を形成することにより、保護カバー6内側に滞留するガスを、保護カバー6の外側を流通する排気に引き込まれるようにして保護カバー6の外側へ排出し、保護カバー6の内側の圧力を低くすることができる。また、このように保護カバー6内のガス抜け性を向上することにより、保護カバー6の外側の濃度変動を保護カバー6の内側の濃度変動に速やかに反映させることができるので、濃度推定の遅れを小さくできる。また、上述のように、底部62を鉛直下方に向けることにより、保護カバー6の内側に生じた凝縮水をその自重によりガス抜け孔65を介して保護カバー6の外側に排出することができるので、センサ素子12に凝縮水が付着するのを防止し、ひいてはセンサ素子12の誤作動を防止できる。
しかしながら、上記のように保護カバー6によるセンサ素子12の物理的な保護だけでは、排気管4内がPMの高濃度環境下であるとセンサ素子12のセンサ出力が短時間で飽和に達してしまうのを防止できないおそれがある。
そこで、後述のようなPM検出処理を実施することにより、排気管4内がPMの高濃度環境下であっても、センサ素子12の測定電極127A,127Bでセンサ出力が飽和し難くPMを長時間検出可能とし、しかも単一のセンサ素子12で使用可能とするようにした。
以下、本実施形態に係るPMセンサ11のPM検出処理の手順について説明する。PMセンサ11のPM検出処理は、前述のECU5により実行される。
図8は、本実施形態に係るPMセンサ11のPM検出処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS1では、エンジン1が始動されると、PMセンサ11を起動する。
ステップS2では、測定電極127A,127Bの再生処理を実行する。
具体的な測定電極127A,127Bの再生処理は、ヒーター層122,129に通電し、PMセンサ11の測定電極127A,127Bの温度を昇温させる。測定電極127A,127Bの温度は、PM燃焼温度(550℃)まで昇温される。測定電極127A,127Bの温度がPM燃焼温度に達すると、PMは燃焼除去され、静電容量は急激に小さくなり、PMが付着していなかった場合と同一の静電容量に収束する。その後、ヒーター層122,129の通電を遮断し、測定電極127A,127Bの再生処理を終了する。
ステップS3では、エンジン始動から一定時間以内か否かを判定する。これにより、エンジン1が始動直後の暖機状態か否かを判断する。エンジン始動から一定時間以内であれば、暖機状態と判定してステップS4へ移行する。エンジン始動から一定時間を超えていれば、暖機状態ではないと判定してステップS6へ移行する。
ステップS4では、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧の周波数fを、高周波数に設定する。
ステップS4へ移行するようなエンジンが始動直後の暖機状態では、エンジン1から排出されるPMの量がより高濃度となる。このようにセンサ本体18がより高濃度のPMに曝される暖機状態である場合に、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧を高周波数に変更するので、センサ本体18が高濃度のPMに曝されても、長時間測定することができる。
ステップS5では、エンジンオイルの温度が80℃以上か否かを判定する。これにより、エンジン1が暖まり暖機状態を脱したか否かを判断する。エンジンオイルの温度が80℃以上であれば、暖機状態を脱したと判定してステップS6へ移行する。エンジンオイルの温度が80℃未満であれば、未だ暖機状態であると判定してステップS4へ移行する。
ステップS6では、エンジン1の運転状態に基づいて排気に含まれるPM濃度推定値を算出する。PM濃度推定値は、エンジン1の回転速度と燃料噴射量とを、予め作成されてECU5に格納されたPM濃度推定マップに取り込むことにより算出される。
ステップS7では、ステップS6で算出したPM濃度推定値が20mg/m以上か否かを判定する。これにより、排気中のPM濃度が低濃度か否かを判断する。PM濃度推定値が20mg/m未満であれば、排気中のPM濃度が低濃度であると判定してステップS8へ移行する。PM濃度推定値が20mg/m以上であれば、排気中のPM濃度が低濃度ではないと判定してステップS9へ移行する。
ステップS8では、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧の周波数fを、低周波数に設定する。
ステップS8へ移行するような排気中のPM濃度が低濃度の場合には、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧を低周波数に変更するので、PMが測定電極127A,127Bに付着した場合の変化を読み取る精度が向上し、高い測定感度でPMを検出することができる。
ここで、排気に含まれるPMの濃度は、予め作成されてECU5に格納された静電容量変化に応じたPM濃度マップを参照することにより、算出される。上述したように、静電容量変化は測定電圧の周波数に応じて変動することから、ステップS8で実行した測定電圧の周波数fの切り替えに伴って、低周波数のときの静電容量変化に応じたPM濃度マップの切り替えを実行している。
ステップS9では、ステップS6で算出したPM濃度推定値が50mg/m以上か否かを判定する。これにより、排気中のPM濃度が中濃度か否かを判断する。PM濃度推定値が50mg/m未満であれば、排気中のPM濃度が中濃度であると判定してステップS10へ移行する。PM濃度推定値が50mg/m以上であれば、排気中のPM濃度が中濃度ではないと判定してステップS11へ移行する。
ステップS10では、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧の周波数fを、中周波数に設定する。
ステップS10へ移行するような排気中のPM濃度が中濃度の場合には、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧を中周波数に変更するので、PMが測定電極127A,127Bに付着した場合の変化を読み取る感度と静電容量の測定値の変化とのバランスをとり、PM濃度に合わせた測定感度と検出精度との両立を図ってPMを検出することができる。
ここで、排気に含まれるPMの濃度は、予め作成されてECU5に格納された静電容量変化に応じたPM濃度マップを参照することにより、算出される。上述したように、静電容量変化は測定電圧の周波数に応じて変動することから、ステップS10で実行した測定電圧の周波数fの切り替えに伴って、中周波数のときの静電容量変化に応じたPM濃度マップの切り替えを実行している。
ステップS11では、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧の周波数fを、高周波数に設定する。
ステップS11へ移行するような排気中のPM濃度が高濃度の場合には、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧を高周波数に変更するので、静電容量の測定値が小さくなり、長時間測定可能となり、高い検出精度でPMを検出することができる。
ここで、排気に含まれるPMの濃度は、予め作成されてECU5に格納された静電容量変化に応じたPM濃度マップを参照することにより、算出される。上述したように、静電容量変化は測定電圧の周波数に応じて変動することから、ステップS11で実行した測定電圧の周波数fの切り替えに伴って、高周波数のときの静電容量変化に応じたPM濃度マップの切り替えを実行している。
ステップS12では、センサ本体18のセンサ出力が飽和したか否かを判定する。これにより、測定電極127A,127Bの再生処理が必要か否かを判断する。センサ本体18のセンサ出力が飽和していれば、ステップS2へ移行する。センサ本体18のセンサ出力が飽和していなければ、ステップS6へ移行する。
ここで、検出用周波数の切り替えについて、図9、図10を参照して説明する。
図9は、本実施形態に係る周波数の切り替えを必要とする排気が変化する状態を示す図である。図10は、本実施形態に係る周波数の切り替えを実行したときの静電容量の変化を示す図である。
図9に示すように、エンジンが定常運転する場合において、排気中のPM濃度推定値が低濃度(18mg/m)、中濃度(36mg/m)、高濃度(72mg/m)のように変化する。排気中のPM濃度推定値が低濃度の場合に比して中濃度や高濃度の場合にガス流量が低下しているのは、スロットルを絞って吸入空気量を減少させ、排気をリッチ側にシフトさせているからである。
図10に示すように、先ず、排気中のPM濃度推定値が中濃度(36mg/m)の場合には、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧を中周波数に変更する。次に、排気中のPM濃度推定値が高濃度(72mg/m)の場合には、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧を高周波数に変更する。次に、排気中のPM濃度推定値が低濃度(18mg/m)の場合には、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧を低周波数に変更する。
なお、図10中の排気中のPM濃度推定値が低濃度(18mg/m)の場合にセンサ出力が余り上昇していないが、これは排気中のPM濃度推定値が低濃度のためであり、センサ出力は飽和状態に至っていない。
上述したように、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧の周波数をPM濃度推定値に応じて切り替えることにより、PM濃度に合わせた測定感度と検出精度とを選択でき、PM検出を良好に行うことができる。
なお、切り替える検出用周波数としては、例えば、切り替え前の検出用周波数に所定値α(>0)を加算して得られた検出用周波数の他、切り替え前の検出用周波数に所定値αを乗算して得られた検出用周波数などが挙げられる。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態によると、PM濃度推定値が高い程、測定電極127A,127Bに印加する交流電圧の周波数を高く切り替える。これにより、センサ本体18が高濃度のPMに曝されても、センサ出力が飽和し難く長時間測定することができ、高い検出精度でPMを検出することができる。このセンサ本体18が高濃度のPMに曝される状態では、PMが多量に存在するので、PMを測定する測定感度はあまり必要とされず、測定感度が悪化することに問題はない。
また、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧の周波数をPM濃度推定値に応じて切り替えることにより、PM濃度に合わせた測定感度と検出精度とを選択でき、PM検出を良好に行うことができる。
また、検出精度が向上してPM検出可能な時間が長くなり、再生回数が減少するので、燃費を向上することができる。
また、少なくとも1つのセンサ本体18だけを有すればよいので、安価となる。
したがって、高濃度のPMに曝される環境下にあっても、センサ出力が飽和し難くPMを長時間検出可能であり、高い検出精度で燃費が悪化せずにPMを検出できる安価なPMセンサ11を提供することができる。
(2)エンジン1の始動直後の暖機状態は、燃焼が不安定で高濃度のPMが排出されるので、センサ本体18がより高濃度のPMに曝される。本実施形態によると、より高濃度のPMに曝される暖機状態である場合には、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧を高周波数に変更するので、センサ本体18が高濃度のPMに曝されても、長時間測定することができ、高い検出精度でPMを検出することができる。
(3)センサ本体18がDPF3よりも排気管4の上流側に配置されるので、センサ本体18は高濃度のPMに曝されることになる。本実施形態によると、この場合であっても、PM検出を良好に行うことができる。
また、センサ本体18がDPF3よりも排気管4の上流側に配置されると、PMセンサ11はエンジン1の運転状態に応じたPM堆積量を逐次検出できるので、PMセンサ11をエンジン1の運転状態の制御に用いることができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、PM検出処理が第1実施形態と異なるが他の部分は同様であるので、その特徴部分を説明し、同様の構成については説明を省略する。
以下、本実施形態に係るPMセンサ11のPM検出処理の手順について説明する。PMセンサ11のPM検出処理は、前述のECU5により実行される。
図11は、本実施形態に係るPMセンサ11のPM検出処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS101では、エンジン1が始動されると、PMセンサ11を起動する。
ステップS102では、測定電極127A,127Bの再生処理を実行する。
具体的な測定電極127A,127Bの再生処理は、ヒーター層122,129に通電し、PMセンサ11の測定電極127A,127Bの温度を昇温させる。測定電極127A,127Bの温度は、PM燃焼温度(550℃)まで昇温される。測定電極127A,127Bの温度がPM燃焼温度に達すると、PMは燃焼除去され、静電容量は急激に小さくなり、PMが付着していなかった場合と同一の静電容量に収束する。その後、ヒーター層122,129の通電を遮断し、測定電極127A,127Bの再生処理を終了する。
ステップS103では、集塵電圧を印加してPMを検出する。
具体的には、予め設定したPM濃度検出期間が経過したとして、まず、集塵電極層123,128に所定の集塵電圧を印加する。次に、測定電極127A,127Bに印加する測定電圧の周波数を変更し、周波数毎に電気的特性を測定してPMを検出し、測定結果をECU5に記憶する。
図12は、本実施形態に係るステップS103における測定結果(周波数毎の電気的特性変化量)を示す図である。図12の横軸には静電容量変化量をとり、縦軸にはPM濃度をとっている。
図12に示すように、前回(PM濃度検出期間経過前)の低周波数の電気的特性(C(n−1))、前回の中周波数の電気的特性(C(n−1))、前回の高周波数の電気的特性(C(n−1))を一致させると、今回のそれぞれの周波数の電気的特性(Cn,Cn,Cn)は、検出するPM濃度に差が生じ、それぞれの周波数の電気的特性変化量が異なる。ECU5は、このような今回のそれぞれの周波数の電気的特性(Cn,Cn,Cn)を記憶する。
ステップS104では、出力判定を行う。
具体的な出力判定は、今回記憶した高周波数の電気的特性Cnが、出力判定静電容量Co以上か否かを判定する。出力判定静電容量Coは、測定可能な最低限度の静電容量である。
図13は、本実施形態に係るセンサ出力の経時変化を示す図である。図13の横軸には時間をとり、縦軸にはセンサ出力をとっている。
ステップS104では、例えば図13に示すように、高周波数の電気的特性Cnと出力判定静電容量Coとの対比の一例として、高周波数の電気的特性C2と出力判定静電容量Coとを対比させている。高周波数の電気的特性C2が出力判定静電容量Co以上であることにより、センサ出力がPMを検出することができる範囲の下限を超え、PMを検出可能であることがわかる。
ステップS104において、今回記憶した高周波数の電気的特性Cnが、出力判定静電容量Co以上であれば、ステップS105へ移行する。今回記憶した高周波数の電気的特性Cnが、出力判定静電容量Co未満であれば、ステップS102へ移行する。
ステップS105では、静電容量飽和判定を行う。
具体的な静電容量飽和判定は、今回記憶した低周波数の電気的特性Cnが、出力飽和判定静電容量Cs未満か否かを判定する。出力飽和判定静電容量Csは、測定可能な最高限度の静電容量である。
前述と同様に、図13は、本実施形態に係るセンサ出力の経時変化を示す図である。図13の横軸には時間をとり、縦軸にはセンサ出力をとっている。
ステップS105では、例えば図13に示すように、低周波数の電気的特性Cnと出力飽和判定静電容量Csとを対比させている。低周波数の電気的特性Cnが出力飽和判定静電容量Cs未満であることにより、センサ出力がPMを検出することができる範囲の上限以内であり、PMを検出可能であることがわかる。
ステップS105において、今回記憶した低周波数の電気的特性Cnが、出力飽和判定静電容量Cs未満であれば、ステップS106へ移行する。今回記憶した低周波数の電気的特性Cnが、出力飽和判定静電容量Cs以上であれば、ステップS102へ移行する。
ステップS106では、低周波数の電気的特性変化量を判定する。
具体的な低周波数の電気的特性変化量の判定は、前回の測定時刻T(n−1)から今回の測定時刻Tnまでの間に、前回記憶した低周波数の電気的特性C(n−1)からステップS104で記憶した低周波数の電気的特性Cnに増加した変化量(すなわち(Cn−C(n−1))/(Tn−T(n−1)))が、低周波数の電気的特性規定値CS以上か否かを判定する。低周波数の電気的特性規定値CSは、予め算出されたECU5に記憶された、低周波数の電気的特性Cnに基づいてPMの検出を許可するか否かを判定する基準値である。
上記変化量((Cn−C(n−1))/(Tn−T(n−1)))が、低周波数の電気的特性規定値CS以上であれば、排気中のPM濃度が低濃度ではないと判定してステップS107へ移行する。上記変化量((Cn−C(n−1))/(Tn−T(n−1)))が、低周波数の電気的特性規定値CS未満であれば、排気中のPM濃度が低濃度であると判定し、上記上記変化量((Cn−C(n−1))/(Tn−T(n−1)))をECU5に記憶させてステップS109へ移行する。
ステップS107では、中周波数の電気的特性変化量を判定する。
具体的な中周波数の電気的特性変化量の判定は、前回の測定時刻T(n−1)から今回の測定時刻Tnまでの間に、前回記憶した中周波数の電気的特性C(n−1)からステップS104で記憶した中周波数の電気的特性Cnに増加した変化量(すなわち(Cn−C(n−1))/(Tn−T(n−1)))が、中周波数の電気的特性規定値CS以上か否かを判定する。中周波数の電気的特性規定値CSは、予め算出されたECU5に記憶された、中周波数の電気的特性Cnに基づいてPMの検出を許可するか否かを判定する基準値である。
上記変化量((Cn−C(n−1))/(Tn−T(n−1)))が、中周波数の電気的特性規定値CS以上であれば、排気中のPM濃度が中濃度ではないと判定してステップS108へ移行する。上記変化量((Cn−C(n−1))/(Tn−T(n−1)))が、中周波数の電気的特性規定値CS未満であれば、排気中のPM濃度が中濃度であると判定し、上記上記変化量((Cn−C(n−1))/(Tn−T(n−1)))をECU5に記憶させてステップS109へ移行する。
ステップS108では、高周波数の電気的特性変化量を算出する。
具体的な高周波数の電気的特性変化量の算出は、前回の測定時刻T(n−1)から今回の測定時刻Tnまでの間に、前回記憶した高周波数の電気的特性C(n−1)からステップS104で記憶した高周波数の電気的特性Cnに増加した変化量(すなわち(Cn−C(n−1))/(Tn−T(n−1)))として算出される。排気中のPM濃度が高濃度であるので、上記変化量((Cn−C(n−1))/(Tn−T(n−1)))をECU5に記憶させてステップS109へ移行する。
ステップS109では、検出期間のエンジン1の運転条件を取得する。具体的には、エンジン1の機関回転速度、燃料噴射量、冷却水温などを取得する。
ステップS110では、選択したいずれかの上記変化量に基づいてPM濃度を検出する。
具体的には、図12に示すように、低周波数、中周波数または高周波数のうちいずれかのステップS106,S107,S108で選択した上記変化量により、PM濃度を検出する。
本ステップの処理の後、ステップS103へ移行する。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に(1)〜(3)の効果を奏する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に包含される。
例えば、第2実施形態において、ECU5は、エンジン1が始動直後の暖機状態であるか否かを判別する暖機状態判別ステップを更に設ける構成としてもよい。暖機状態判別ステップを設け、暖機状態であると判定された場合には、高周波数を選択してPMを検出することが好ましい。
1…エンジン(内燃機関)
3…DPF
4…排気管(排気通路)
5…ECU(PM濃度推定手段、周波数変更手段、暖機状態判別手段、記憶手段、選択手段、検出手段)
18…センサ本体
127A,127B…測定電極(電極部)

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた排気中の粒状物質を検出するセンサ本体を有し、当該センサ本体の電極部に粒状物質が付着した際に前記電極部に交流電圧を印加することによって前記電極部の電気的特性の変化を測定し、測定した電気的特性の変化量に基づいて粒子状物質濃度を検出する粒子状物質検出装置であって、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、排気に含まれる粒子状物質濃度を推定する粒子状物質濃度推定手段と、
    前記センサ本体の前記電極部に印加する交流電圧の周波数を変更する周波数変更手段と、
    前記内燃機関が始動直後の暖機状態であるか否かを判別する暖機状態判別手段と、を備え、
    前記周波数変更手段は、前記粒子状物質濃度推定手段が推定した粒子状物質濃度推定値が高い程、前記電極部に印加する交流電圧の周波数を高く切り替えるものであり、かつ、少なくとも低周波数と高周波数との2つの周波数で変更可能に構成され、前記暖機状態判別手段によって暖機状態であると判定された場合には、前記電極部に印加する交流電圧を高周波数に変更することを特徴とする粒子状物質検出装置。
  2. 内燃機関の排気通路に設けられた排気中の粒子状物質を検出するセンサ本体を有し、当該センサ本体の電極部に粒子状物質が付着した際に前記電極部に交流電圧を印加することによって前記電極部の電気的特性の変化を測定し、測定した電気的特性の変化量に基づいて粒子状物質濃度を検出する粒子状物質検出装置であって、
    前記センサ本体の前記電極部に印加する交流電圧の周波数を変更する周波数変更手段と、
    予め設定した粒子状物質濃度検出期間内において、前記周波数変更手段によって前記電極部に印加する交流電圧の周波数を変更し、周波数毎に電気的特性を測定して記憶する記憶手段と、
    前記粒子状物質濃度検出期間内において前記記憶手段により記憶された前回の測定時刻T(n−1)から今回の測定時刻Tnまでの間の周波数毎の電気的特性の変化量について判定を行い、電気的特性の変化量が小さい程、高周波数を選択する選択手段と、
    前記選択手段が選択した周波数のときの前記記憶手段が記憶した電気的特性に基づいて粒子状物質濃度を検出する検出手段と、を備え、
    前記選択手段は、前記粒子状物質濃度検出期間における低周波数側から当該周波数の電気的特性の変化量が当該周波数の規定値内に含まれるか判定し、当該周波数の電気的特性の変化量が当該周波数の規定値内に含まれる場合に当該周波数を選択し、当該周波数の電気的特性の変化量が所定の規定値内に含まれない場合に更に高周波数側の次の周波数の電気的特性の変化量が当該次の周波数の規定値内に含まれるか判定していくことを特徴とする粒子状物質検出装置。
  3. 前記内燃機関が始動直後の暖機状態であるか否かを判別する暖機状態判別手段を更に備え、
    前記周波数変更手段は、少なくとも低周波数と高周波数との2つの周波数で変更可能に構成され、前記選択手段は、前記暖機状態判別手段によって暖機状態であると判定された場合には、高周波数を選択することを特徴とする請求項2に記載の粒子状物質検出装置。
  4. 前記排気通路に粒子状物質を捕集する排気浄化フィルタを更に備え、
    前記センサ本体は、前記排気浄化フィルタよりも前記排気通路の上流側に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒子状物質検出装置。
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