JP2011017289A - 排気センサの故障判定装置 - Google Patents

排気センサの故障判定装置 Download PDF

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真 服部
Koichi Saiki
浩一 斎木
Hidetaka Ozawa
英隆 小沢
Tatsuya Okayama
竜也 岡山
Masanobu Miki
雅信 三木
Ken Kurahashi
健 倉橋
Keizo Iwama
恵三 岩間
Kojiro Tsutsumi
康次郎 堤
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Abstract

【課題】排気センサの検出部に排気を導入するための排気導入口の詰まりを検知し、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障を判定できる故障判定装置を提供すること。
【解決手段】エンジン1の排気系に設けられエンジン1の排気の状態を検出するセンサ素子7と、センサ素子7に排気の一部を導入するキャビティ13と、を備えるPMセンサ9の故障判定装置2であって、センサ素子7の温度を昇温させるヒーターと、ヒーターによりセンサ素子7の温度を排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後、排気がセンサ素子7に与えた影響に相関のあるパラメータを検出するパラメータ検出部5と、パラメータ検出部5により検出されたパラメータに基づいて、キャビティ13の詰まりによるPMセンサ9の故障を判定する故障判定部5と、を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、排気センサの故障判定装置に関する。詳しくは、排気センサの排気導入口の詰まりによる故障を判定する排気センサの故障判定装置に関する。
従来より、内燃機関の排気系には、内燃機関から排出される排気の状態を検出するための排気センサが設けられている。
例えば、Oセンサ、HCセンサ、NOxセンサ、湿度センサ等の排気センサであって、排気中に含まれる異物から検出素子を保護するために、検出素子を覆うプロテクタを設けた排気センサが開示されている(特許文献1及び特許文献2参照)。プロテクタには、排気の出入り口である排気流通孔が複数形成されており、この排気流通孔から検出素子に排気が導入される。
また、内燃機関から排出される排気中に含まれる粒子状物質(Particulate Matter、以下、「PM」という)の量(濃度)を検出するPMセンサが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
この特許文献3に開示されているPMセンサの検出部は、一対の電極板を板状のスペーサを介装して組み合わせることにより構成されている。スペーサは、各電極板の両端側に設けられており、各電極板のタングステン導体の導体部には、PMが集塵されるキャビティが形成されている。このキャビティにより、一対の電極板は等間隔且つ極近距離に保たれ、電極板間に均一な電界を低電力で発生させることができる。
この特許文献3に開示されているPMセンサでは、先ず、電極板に所定の電圧を印加することにより、排気中に含まれるPMを静電集塵する。次いで、検出部の電気的特性を測定し、測定された電気的特性に基づいて、排気中に含まれるPMの量(濃度)を検出する。
特開2001−74686号公報 特開2003−120254号公報 特開2008−139294号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示されているプロテクタを設けた排気センサでは、排気中に含まれる種々の異物、特にPM等が排気流通孔に付着して堆積することにより、詰まりが生じるおそれがある。排気流通孔に詰まりが生じると、検出素子に導入される排気の流量が減少する結果、排気状態の誤検出を招く。
また、特許文献3に開示されているPMセンサでは、電極板間に均一な電界を低電力で発生させるためのキャビティ構造が採用されているが、このキャビティにPMが付着して堆積することにより、詰まりが生じるおそれがある。キャビティに詰まりが生じると、検出部に導入される排気の流量が減少する結果、PM量(濃度)の誤検出を招く。
そして、上記のような排気状態の誤検出は、内燃機関の排気系に設けられた排気浄化装置等が正常に機能しているか否かの判断を困難なものとしてしまう。従って、上記プロテクタの排気流通孔やPMセンサのキャビティ等に代表される、排気センサの検出部に排気を導入するための排気導入口の詰まりを検知でき、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障を判定できる故障判定装置の開発が望まれる。
本発明は以上に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気センサの検出部に排気を導入するための排気導入口の詰まりを検知し、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障を判定できる故障判定装置を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気系に設けられ当該内燃機関の排気の状態を検出する検出部(例えば、後述のセンサ素子7)と、当該検出部に排気の一部を導入する排気導入口(例えば、後述のキャビティ13)と、を備える排気センサ(例えば、後述のPMセンサ9)の故障判定装置(例えば、後述の故障判定装置2)であって、前記検出部の温度を昇温させる加熱手段(例えば、後述の第1ヒーター11,第2ヒーター12,ECU5)と、前記加熱手段により前記検出部の温度を排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後、排気が当該検出部に与えた影響に相関のあるパラメータを検出するパラメータ検出手段(例えば、後述のECU5)と、前記パラメータ検出手段により検出されたパラメータに基づいて、前記排気導入口の詰まりによる前記排気センサの故障を判定する故障判定手段(例えば、後述のECU5)と、を備えることを特徴とする。
排気センサの検出部の温度を、排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた場合には、検出部に導入される排気によって、検出部の熱が奪われる結果、検出部の温度は低下する。ところが、検出部に排気の一部を導入するための排気導入口に詰まりが生じると、検出部に導入される排気の流量が減少すると同時に、排気に奪われる熱量が減少し、検出部の温度変化量も減少する。即ち、このような検出部の温度変化量といった、排気が検出部に与えた影響に相関のあるパラメータは、排気導入口の詰まりによる影響を大きく受ける。
そこで、請求項1記載の発明では、排気センサの検出部の温度を、排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後、排気が検出部に与えた影響に相関のあるパラメータを検出する。そして、排気が検出部に与えた影響に相関のあるパラメータに基づいて、排気導入口の詰まりを検知することにより、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障を判定できる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の排気センサの故障判定装置において、前記パラメータ検出手段は、前記加熱手段により前記検出部の温度を排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後、当該加熱手段による昇温を停止してからの所定時間の間、当該検出部の温度の変化量を検出する温度変化量検出手段(例えば、後述のECU5)を有し、前記故障判定手段は、前記温度変化量検出手段により検出された前記検出部の温度の変化量に基づいて、前記排気導入口の詰まりによる前記排気センサの故障を判定することを特徴とする。
上述した通り、検出部の温度変化量(低下量)は、排気導入口の詰まりによる影響を大きく受ける。具体的には、検出部に排気の一部を導入する排気導入口に詰まりが生じた場合には、検出部に導入される排気の流量が減少するため、排気に奪われる検出部の熱量は減少する。
この点、請求項2記載の発明では、排気センサの検出部の温度を、排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後の所定時間の間、検出部の温度の変化量を検出する。そして、検出部の温度変化量の検出結果に基づいて、排気導入口の詰まりを検知する。これにより、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障を判定できる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の排気センサの故障判定装置において、前記故障判定手段は、前記温度変化量検出手段により検出された前記検出部の温度の変化量が所定の温度変化量判定値よりも小さいときに、前記排気導入口の詰まりにより前記排気センサが故障したと判定することを特徴とする。
上述した通り、排気導入口に詰まりが生じた場合には、検出部に導入される排気の流量が減少するため、排気に奪われる検出部の熱量は減少し、検出部の温度変化量も減少する。
この点、請求項3記載の発明では、検出部の温度変化量の検出結果が、所定の温度変化量判定値よりも小さいときに、排気導入口の詰まりにより排気センサが故障したと判定する。このため、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障をより正確に判定できる。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の排気センサの故障判定装置において、前記加熱手段は、電圧を印加することで前記検出部の温度を昇温させる電圧印加手段(例えば、後述の温度制御装置83,ECU5)を有し、前記パラメータ検出手段は、前記加熱手段により前記検出部の温度を排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後の所定時間の間、当該検出部の温度を当該所定温度に維持するために消費された電力量を算出する電力量算出手段(例えば、後述のECU5)を有し、前記故障判定手段は、前記電力量算出手段により算出された電力量に基づいて、前記排気導入口の詰まりによる前記排気センサの故障を判定することを特徴とする。
検出部の温度を排気温度よりも高い所定温度で維持するためには、排気により奪われる熱量を加熱手段により補う必要がある。その際に加熱手段で消費される電力量は、検出部に導入される排気流量に依存し、排気導入口の詰まりによる影響を大きく受ける。
この点、請求項4記載の発明では、排気センサの検出部の温度を、排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後の所定時間の間、検出部の温度を所定温度に維持するために消費された電力量を算出する。そして、算出された電力量に基づいて、排気導入口の詰まりを検知する。これにより、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障を判定できる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の排気センサの故障判定装置において、前記故障判定手段は、前記電力量算出手段により算出された電力量が所定の電力量判定値よりも小さいときに、前記排気導入口の詰まりにより前記排気センサが故障したと判定することを特徴とする。
上述した通り、排気導入口に詰まりが生じた場合には、検出部に導入される排気の流量が減少するため、排気に奪われる検出部の熱量は減少し、検出部の温度を所定温度に維持するために消費される電力量も減少する。
この点、請求項5記載の発明では、検出部の温度を所定温度に維持するために消費される電力量が、所定の電力量判定値よりも小さいときに、前記排気導入口の詰まりにより前記排気センサが故障したと判定する。このため、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障をより正確に判定できる。
請求項6記載の発明は、請求項1から5いずれか記載の排気センサの故障判定装置において、前記排気センサは、前記検出部の外周を覆うプロテクタ(例えば、後述のプロテクタ21)をさらに備え、前記排気導入口は、前記プロテクタに設けられた排気流通孔(例えば、後述の排気流通孔22)であることを特徴とする。
請求項6記載の発明では、検出部の外周を覆い、排気中のPM等の異物から検出部を保護するためのプロテクタを備えた排気センサが用いられる。また、プロテクタには、検出部に排気を導入するための排気流通孔が設けられており、本発明は、上記請求項1から5いずれか記載の発明をこの排気流通孔の詰まりによる故障判定に適用したものである。従って、本発明によれば、排気センサのプロテクタに設けられた排気流通孔の詰まりを検知でき、この排気流通孔の詰まりによる排気センサの故障を判定できる。
請求項7記載の発明は、請求項1から5いずれか記載の排気センサの故障判定装置において、前記排気センサは、排気の流れ方向に前記検出部を貫通する貫通孔をさらに備え、前記排気導入口は、前記貫通孔により形成されたキャビティ(例えば、後述のキャビティ13)であることを特徴とする。
請求項7記載の発明では、排気の流れ方向に検出部を貫通する貫通孔を備えた排気センサが用いられる。また、この貫通孔により形成されたキャビティが排気導入口となり、本発明は、上記請求項1から5いずれか記載の発明をこのキャビティの詰まりによる故障判定に適用したものである。従って、本発明によれば、排気センサのキャビティの詰まりを検知でき、このキャビティの詰まりによる排気センサの故障を判定できる。
請求項8記載の発明は、請求項1から7いずれか記載の排気センサの故障判定装置において、所定の運転状態に応じて当該内燃機関への燃料の供給を停止する燃料供給停止手段(例えば、後述の燃料噴射弁,ECU5)をさらに備え、前記故障判定手段は、前記燃料供給停止手段により前記内燃機関への燃料の供給が停止されているときに、前記排気導入口の詰まりによる前記排気センサの故障を判定することを特徴とする。
内燃機関の燃焼室への燃料の供給が停止されている場合には、燃焼室において燃焼反応が進行しないため、燃焼ガスに比して極めて低温な新気が、そのまま排気として排気系に導入される。このため、排気センサの検出部の温度と排気温度との温度差は拡大し、排気により検出部が奪われる熱量は増加する。
この点、請求項8記載の発明では、内燃機関への燃料の供給が停止されているときに、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障を判定する。このため、燃料供給時に比して、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障をより精度良く判定できる。
請求項9記載の発明は、請求項1から7いずれか記載の排気センサの故障判定装置において、前記内燃機関から単位時間当りに排出される排気の流量に相関のあるパラメータを検出する排気流量パラメータ検出手段(例えば、後述のエアフローセンサ,ECU5)をさらに備え、前記故障判定手段は、前記排気流量パラメータ検出手段により検出された排気流量パラメータが所定の排気流量パラメータ判定値よりも大きいときに、前記排気導入口の詰まりによる前記排気センサの故障を判定することを特徴とする。
排気の流量に相関のあるパラメータの値が大きくなると、排気センサの検出部に導入される排気の流量は増加する。このため、排気により検出部が奪われる熱量も増加するため、排気導入口に詰まりが生じている場合には、詰まりが生じていない場合に比して検出部の温度差はさらに拡大する。
この点、請求項9記載の発明では、排気流量パラメータ検出手段により検出された排気流量パラメータが、所定の排気流量パラメータ判定値よりも大きいときに、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障を判定する。このため、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障をより精度良く判定できる。
本発明によれば、排気センサの検出部に排気を導入するための排気導入口の詰まりを検知し、排気導入口の詰まりによる排気センサの故障を判定することが可能な故障判定装置を提供できる。
第1実施形態に係るPMセンサの故障判定装置及びこれを適用したエンジンの構成を示す模式図である。 第1実施形態に係るPMセンサの概略構成図である。 第1実施形態に係るPMセンサのセンサ素子の斜視図である。 第1実施形態に係るPMセンサが正常であるときの熱の移動を示す模式図である。 第1実施形態に係るPMセンサが正常であるときの時間とヒーター温度との関係を示す図である。 第1実施形態に係るPMセンサに詰まりが生じているときの熱の移動を示す模式図である。 第1実施形態に係るPMセンサに詰まりが生じているときの時間とヒーター温度との関係を示す図である。 第1実施形態に係るPMセンサの故障判定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るPMセンサのセンサ素子部の概略構成図である。 第2実施形態に係るPMセンサにおける時間とヒーター消費電力積算値との関係を示す図である。 第2実施形態に係るPMセンサの故障判定処理の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るPMセンサにおける時間とヒーター温度との関係を示す図である。 第3実施形態に係るPMセンサの故障判定処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、第2実施形態以降の説明において、第1実施形態と重複する構成、作用効果については、その説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るPMセンサの故障判定装置2、及びこれを適用した内燃機関(以下、「エンジン」という)1の構成を示す模式図である。エンジン1は、各気筒内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンであり、各気筒内には図示しない燃料噴射弁が設けられている。これら燃料噴射弁は、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)5に電気的に接続されており、燃料噴射弁の開弁時間及び閉弁時間は、ECU5により制御される。
エンジン1の排気通路となる排気管4には、排気浄化フィルタ(以下、「DPF(Diesel Particulate Filter)」という)3と、排気に含まれるPMを検出するPMセンサ9とが、上流側からこの順で設けられている。
DPF3は、無数の細孔が形成された多孔質体のフィルタ壁を備え、排気がこのフィルタ壁を通過する際、排気に含まれるPMを、フィルタ壁の表面及びフィルタ壁中の細孔に堆積させて捕集する。フィルタ壁の構成材料としては、例えば、チタン酸アルミニウムやコージェライト等を材料とした多孔質体が使用される。
PMセンサ9は、排気管4の内部のうちDPF3の下流側に設けられたセンサ素子7と、ECU5に接続され、センサ素子7を制御するセンサコントローラ8と、を備える。PMセンサ9は、以下に示すように、排気管4内を流通する排気に含まれるPMが付着したセンサ素子7の電気的特性(静電容量等)を測定し、この測定値の変化に基づいて、排気管4内を流通する排気中のPMを検出する。
図2は、PMセンサ9の概略構成を示す図である。センサコントローラ8は、集塵用DC電源81と、インピーダンス測定器82と、センサ素子7の温度を制御する温度制御装置83と、を含んで構成される。
図3は、センサ素子7の斜視図である。図3に示すように、センサ素子7は、排気の流れ方向に貫通する貫通孔を有しており、この貫通孔によりキャビティ13が形成されている。キャビティ13は、排気導入口としての役割を担い、排気はこのキャビティ13内に導入される。排気に含まれるPMは、このキャビティ13の内壁に集塵される。
センサ素子7には、図示しない一対の電極板が備えられている。これら一対の電極板にはそれぞれ、集塵電極が設けられており、集塵電極は、集塵用DC電源81に電気的に接続されている。
また、一方の電極板にのみ、センサ素子7の電気的特性を検出するための測定用電極が設けられており、測定用電極は、インピーダンス測定器82に電気的に接続されている。
集塵用DC電源81及びインピーダンス測定器82は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作する。
なお、本発明における排気センサの「検出部」は、本実施形態ではセンサ素子7を意味する。
第1ヒーター11及び第2ヒーター12は、温度制御装置83に電気的に接続されている。これらのヒーターは、その内部抵抗を測定することによって、ヒーター自体の温度を測定することが可能となっている。具体的には、これらのヒーターの温度は、下記の式により算出される。
[数1]

T=AR+B ・・・(1)

[式(1)において、Tはヒーターの温度、A及びBはヒーター固有の係数、Rは抵抗値である。]
温度制御装置83は、第1ヒーター11及び第2ヒーター12に電気的に接続されており、これらのヒーターに電力を供給するヒーター用DC電源(図示せず)を含んで構成される。
ヒーター用DC電源は、ECU5から送信された制御信号に基づいて動作し、第1ヒーター11及び第2ヒーター12に所定の電流を通電する。また、ヒーター用DC電源は、これらのヒーターのうちの一方のみに電流を通電することができるように構成されている。例えば、第1ヒーター11にのみ、所定の大きさの電流を供給することが可能となっている。
これらのヒーターは、ヒーター用電源から電流が供給されると発熱し、各電極板を加熱する。これにより、各電極板を加熱し、集塵して付着したPMを燃焼除去でき、センサ素子7を再生できる。
また、これら第1ヒーター11及び第2ヒーター12を利用して、後述するPMセンサ9の故障判定処理が可能となっている。
図1に戻って、ECU5には、以上のようなPMセンサ9のセンサコントローラ8の他、排気温度センサ6が接続されている。
排気温度センサ6は、排気管4内のうちDPF3の直下に設けられており、DPF3の直下の排気温度に略比例した信号をECU5に出力する。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU5は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路と、エンジン1やセンサコントローラ8等に制御信号を出力する出力回路とを備える。以上のようなハードウェア構成により、ECU5には、後述するPMセンサ9の故障判定処理を実行する各種モジュールが構成される。
次に、本実施形態に係るPMセンサ9の故障判定処理について説明する。
本実施形態に係るPMセンサ9の故障判定処理では、第1ヒーター11のみに所定の電流を供給し、第1ヒーター11のみを加熱する。より詳しくは、第1ヒーター11の温度が、排気温度よりも高温となるように第1ヒーター11のみに所定の電流を供給する。そして、第1ヒーター11の温度が所定温度で安定したところで、第1ヒーター11への電流の供給を停止し、第1ヒーター11の加熱を停止する。
図4は、PMセンサ9が正常の場合、即ち排気導入口であるキャビティ13にPM等による詰まりが生じていない場合において、第1ヒーター11で生じた熱が移動する様子を模式的に示した図である。図4に示すように、第1ヒーター11に所定の電流を供給することにより生じた熱は、第1ヒーター11の温度よりも低い温度の排気側に移動する。その結果、第1ヒーター11は、排気により熱が奪われて冷却される。
このときの第1ヒーター11の温度及び第2ヒーター12の温度と、時間との関係を図5に示す。図5に示すように、第1ヒーター11の温度が第2ヒーター12の温度よりも高いのは、第1ヒーター11にのみ所定の電流を供給したためであるが、第1ヒーター11で発生した熱の多くはより低温の排気に奪われる結果、第1ヒーター11と第2ヒーター12の温度差(ヒーター温度差)は、供給した電流の大きさの割には小さい。
これに対して、図6は、PMセンサ9が故障している場合、即ち排気導入口であるキャビティ13にPMが付着して堆積し、詰まりが生じている場合において、第1ヒーター11で生じた熱が移動する様子を模式的に示した図である。図6に示すように、第1ヒーター11に所定の電流を供給することにより生じた熱は、第1ヒーター11の温度よりも低い温度の排気側に移動するものの、詰まりが生じていない正常時に比して、その移動量が減少している。これは、PMによる詰まりが生じた結果、キャビティ13に導入される排気の流量が減少するためである。
このときの第1ヒーター11の温度及び第2ヒーター12の温度と、時間との関係を図7に示す。図7に示すように、詰まりが生じていない正常時に比して、第1ヒーター11と第2ヒーター12との温度差(ヒーター温度差)が拡大していることが分かる。
本実施形態に係るPMセンサ9の故障判定処理は、上述のようなヒーターで発生した熱が低温の排気側に移動する量、具体的にはヒーターの温度変化量が排気流量に依存することを利用したものである。即ち、本実施形態では、第1ヒーター11及び第2ヒーター12のうちの一方のみに所定の大きさの電流を供給し、一方のヒーターのみを排気温度よりも高い温度まで加熱した後、加熱を停止してから所定時間の間、両ヒーターの温度差を測定することにより、排気導入口であるキャビティ13の詰まりによるPMセンサ9の故障を判定するものである。
図8は、本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理の手順を示すフローチャートである。この故障判定処理は、ECUにより所定の周期で繰り返し実行される。以下、詳細に説明するように、この故障判定処理では、第1ヒーターのみに所定の電流を供給して排気温度よりも高い所定温度まで加熱した後、加熱を停止してから所定時間の間、第1ヒーターと第2ヒーターの温度差を算出し、その算出結果に基づいて、キャビティの詰まりによるPMセンサの故障を判定する。
ステップS11では、第1ヒーターのみに所定の電流を供給し、第1ヒーターのみを加熱する。即ち、第2ヒーターには電流を供給せず、加熱しない。第1ヒーターを加熱後はステップS12に移る。
第1ヒーターに供給する電流の大きさは、電流の供給により第1ヒーターの温度が排気温度よりも高い所定温度となるように設定される。具体的には、ヒーターの温度が500〜600℃となるように、電流値が設定される。
なお、排気温度は、排気温度センサにより検出される。
ステップS12では、第1ヒーターの温度が安定しているか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS13に移り、NOの場合には、ステップS11に戻る。
具体的には、第1ヒーターの温度が所定温度まで達した後、所定時間の間、変動することなく安定しているか否かを判別する。第1ヒーターの温度は、ヒーター内部の抵抗値から、上記の数式(1)に従って算出される。
本ステップにより、後述のステップで算出するヒーター温度差(温度変化量)をより正確に算出することが可能となる。
ステップS13では、ステップS12で第1ヒーターの温度が安定していると判別されたため、第1ヒーターへの電流の供給を停止し、加熱を停止する。第1ヒーターの加熱を停止後、ステップS14に移る。
ステップS14では、第1ヒーターの温度及び第2ヒーターの温度をそれぞれ、所定時間の間、測定する。測定後はステップS15に移る。
なお、両ヒーターの温度は、両ヒーターそれぞれの内部抵抗値から、上記の数式(1)に従って求められる。
ステップS15では、第1ヒーターの温度と第2ヒーターの温度とのヒーター温度差(温度変化量)を算出する。算出後はステップS16に移る。
ステップS16では、ステップS15で算出したヒーター温度差、即ち温度変化量が、所定の温度変化量判定値を上回っているか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS17に移り、NOの場合には、ステップS18に移る。
温度変化量判定値は、所定の実験により算出され、予めECUに格納されている。
ステップS17では、故障判定フラグを「0」にセットして、PMセンサが正常であると判定する。判定後、故障判定処理を終了する。
具体的には、ステップS16において、温度変化量が所定の温度変化量判定値を上回っていると判別されたため、第1ヒーターで生じた熱の排気側への移動量は大きいと考えられる。従って、キャビティに導入される排気の流量が十分に確保されていると考えられるため、PMセンサは正常であると判定する。
ステップS18では、故障判定フラグを「1」にセットして、PMセンサが故障していると判定する。判定後、故障判定処理を終了する。
具体的には、ステップS16において、温度変化量が所定の温度変化量判定値を上回っていないと判別されたため、第1ヒーターで生じた熱の排気側への移動量は小さいと考えられる。従って、キャビティに導入される排気の流量が十分に確保されていないと考えられるため、PMセンサはキャビティの詰まりにより故障していると判定する。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
PMセンサ9のセンサ素子7の温度を、排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた場合には、センサ素子7に導入される排気によって、センサ素子7の熱が奪われる結果、センサ素子7の温度は低下する。ところが、センサ素子7に排気の一部を導入するためのキャビティ13に詰まりが生じると、センサ素子7に導入される排気の流量が減少すると同時に、排気に奪われる熱量が減少し、センサ素子7の温度変化量(低下量)も減少する。
そこで、本実施形態では、PMセンサ9のセンサ素子7の温度を、排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後の所定時間の間、センサ素子7の温度変化量を検出する。そして、センサ素子7の温度変化量の検出結果に基づいて、キャビティ13の詰まりを検知する。これにより、キャビティ13の詰まりによるPMセンサ9の故障を判定できる。
また、本実施形態によれば、センサ素子7の温度変化量の検出結果が、所定の温度変化量判定値よりも小さいときに、キャビティ13の詰まりによりPMセンサ9が故障したと判定する。このため、キャビティ13の詰まりによるPMセンサ9の故障をより正確に判定できる。
本実施形態では、ECU5が、パラメータ検出手段、故障判定手段、温度変化量検出手段を構成する。具体的には、図8のステップS11〜15の実行に係る手段がパラメータ検出手段及び温度変化量検出手段に相当し、ステップS16〜18の実行に係る手段が故障判定手段に相当する。
[第2実施形態]
本実施形態では、PMセンサの構成及びPMセンサの故障判定処理の手順が第1実施形態と一部異なる以外は、第1実施形態と同様である。具体的には、第1実施形態では、キャビティの詰まりによるPMセンサの故障を判定するが、本実施形態では、プロテクタに設けられた排気流通孔の詰まりによるPMセンサの故障を判定する。
図9は、本実施形態に係る故障判定処理を適用したPMセンサのセンサ素子部の概略構成図である。より詳しくは、図9は、センサ素子20及びそのプロテクタ21の縦断面図である。図9に示すように、プロテクタ21には、排気をセンサ素子20に導入するための排気導入口である排気流通孔22が複数設けられている。排気の一部は、この排気流通孔22からセンサ素子20に導入される。
センサ素子20は、センサ素子20の電気的特性を検出するための図示しない電極を備える。
なお、本発明における排気センサの「検出部」は、本実施形態ではセンサ素子20を意味する。
また、センサ素子20は、図示しないヒーターを備え、ヒーターは温度制御装置により制御される。このヒーターが、後述する故障判定処理に利用される。
次に、本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理について説明する。
本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理では、センサ素子20に備えられたヒーターの温度を排気温度よりも高い所定の温度まで昇温させた後の所定時間の間、ヒーター温度が所定温度に維持されるように、ヒーターへの電流の供給を制御する。
図10は、ヒーターの温度を、排気温度よりも高い所定の温度に維持するのに消費された電力の積算値と、時間との関係を示す図である。図10に示すように、PMセンサが正常である場合、即ちプロテクタ21の排気流通孔22に詰まりが生じていない場合には、センサ素子20に導入される排気の流量が十分に確保されるため、ヒーターの熱が多量に排気に奪われる結果、ヒーター消費電力積算値が大きい。
これに対して、PMセンサが故障している場合、即ちプロテクタ21の排気流通孔22に詰まりが生じていない場合には、センサ素子20に導入される排気の流量が十分に確保されず、排気に奪われるヒーターの熱量が正常時に比して少ない結果、ヒーター消費電力積算値が小さいことが分かる。
本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理は、上述のようなヒーター温度を所定温度に維持するために消費される電力量が、センサ素子20に導入される排気の流量に依存することを利用したものである。即ち、本実施形態では、ヒーターを排気温度よりも高い所定温度まで加熱した後、所定時間の間、ヒーター温度を所定温度に維持するために消費される電力量を検出することにより、排気導入口である排気流通孔22の詰まりによるPMセンサの故障を判定する。具体的には、所定の実験により予め設定された電力量判定値を上回っているか否かを基準にして判定する。
なお、本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理は、燃料の供給を停止しているとき(以下、「フューエルカット実行中」という)に、実行することが好ましい。具体的には、フューエルカットは、車両減速時に実行される。フューエルカット実行中は、より低温の新気がプロテクタの排気流通孔からセンサ素子に導入されるので、ヒーター温度を所定温度に維持するために消費される電力量はより大きくなる。このため、フューエルカット実行中に、本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理を実行することにより、より精度の高い故障判定が可能となる。
図11は、本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理の手順を示すフローチャートである。この故障判定処理は、ECUにより所定の周期で繰り返し実行される。以下、詳細に説明するように、この故障判定処理では、ヒーターに所定の電流を供給して排気温度より高い所定温度まで加熱した後、所定時間の間、ヒーター温度を所定温度に維持するために消費される電力量を算出し、その算出結果に基づいて、排気流通孔の詰まりによるPMセンサの故障を判定する。
ステップS21では、ヒーター制御を実行し、ステップS22に移る。具体的には、ヒーターに所定の電流を供給し、排気温度より高い所定温度までヒーターを加熱する。
なお、排気温度は排気温度センサにより検出される。
ステップS22では、フューエルカット実行中であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS23に移り、NOの場合には、ステップS21に戻る。
ステップS23では、ヒーター温度を所定温度に維持するために消費された電力量を積算する。消費電力量を積算後、ステップS24に移る。
ステップS24では、ステップS23で積算した消費電力量の積算値が、電力量判定値を上回っているか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS25に移り、NOの場合には、ステップS26に移る。
電力量判定値は、所定の実験により設定され、予めECUに格納されている。
ステップS25では、故障判定フラグを「0」にセットして、PMセンサが正常であると判定する。判定後、故障判定処理を終了する。
具体的には、ステップS24において、ヒーター温度を所定温度に維持するために消費された電力量の積算値が、所定の電力量判定値を上回っていると判別されたため、ヒーターで生じた熱の排気側への移動量は大きいと考えられる。従って、排気流通孔に導入される排気の流量が十分に確保されていると考えられるため、PMセンサは正常であると判定する。
ステップS26では、故障判定フラグを「1」にセットして、PMセンサが故障していると判定する。判定後、故障判定処理を終了する。
具体的には、ステップS24において、ヒーター温度を所定温度に維持するために消費された電力量の積算値が、所定の電力量判定値を上回っていないと判別されたため、ヒーターで生じた熱の排気側への移動量は小さいと考えられる。従って、排気流通孔に導入される排気の流量が十分に確保されていないと考えられるため、PMセンサは排気流通孔の詰まりにより故障していると判定する。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
センサ素子20の温度を排気温度よりも高い所定温度で維持するためには、排気により奪われる熱量をヒーターにより補う必要がある。そして、その際にヒーターで消費される電力量は、センサ素子20に導入される排気流量に依存し、排気導入口である排気流通孔22の詰まりによる影響を大きく受ける。
この点、本実施形態では、PMセンサのセンサ素子20の温度を、排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後の所定時間の間、センサ素子20の温度を所定温度に維持するために消費された電力量を算出する。そして、算出された電力量に基づいて、排気流通孔22の詰まりを検知するため、排気流通孔22の詰まりによる排気センサの故障を判定できる。
また、本実施形態では、センサ素子20の温度を所定温度に維持するために消費される電力量が、所定の電力量判定値よりも小さいときに、排気流通孔22の詰まりにより排気センサが故障したと判定する。このため、排気流通孔22の詰まりによる排気センサの故障をより正確に判定できる。
また、本実施形態では、エンジンへの燃料の供給が停止されているときに、排気流通孔22の詰まりによる排気センサの故障を判定する。このため、燃料供給時に比して、排気流通孔22の詰まりによる排気センサの故障をより精度良く判定できる。
本実施形態では、ECUが、パラメータ検出手段、故障判定手段、電力量算出手段、燃料供給停止手段の一部を構成する。具体的には、図11のステップS21〜23の実行に係る手段がパラメータ検出手段及び電力量算出手段に相当し、ステップS24〜26の実行に係る手段が故障判定手段に相当し、ステップS22の実行に係る手段が燃料供給停止手段に相当する。
[第3実施形態]
本実施形態では、PMセンサの故障判定処理の手順が第2実施形態と異なる以外は、第2実施形態と同様である。即ち、本実施形態も第2実施形態と同様に、プロテクタに設けられた排気流通孔の詰まりによるPMセンサの故障を判定する。
本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理について説明する。
本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理では、センサ素子に備えられたヒーターの温度を排気温度よりも高い所定の温度まで昇温させた後、所定時間の間、ヒーター温度の変化量を測定する。
図12は、ヒーターの温度と時間との関係を示す図である。図12に示すように、PMセンサが正常である場合、即ちプロテクタの排気流通孔に詰まりが生じていない場合には、センサ素子に導入される排気の流量が十分に確保されるため、ヒーターの熱が多量に排気に奪われる結果、ヒーター温度は大きく低下する。
これに対して、PMセンサが故障している場合、即ちプロテクタの排気流通孔に詰まりが生じていない場合には、センサ素子に導入される排気の流量が十分に確保されず、排気に奪われるヒーターの熱量が正常時に比して少ない結果、ヒーター温度はあまり低下しないことが分かる。
本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理は、上述のようなヒーター温度の低下度合いが、センサ素子に導入される排気の流量に依存することを利用したものである。即ち、本実施形態では、ヒーターを排気温度よりも高い所定温度まで加熱した後、所定時間の間、ヒーター温度を測定することにより、排気導入口である排気流通孔の詰まりによるPMセンサの故障を判定する。
なお、本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理は、第2実施形態と同様の理由から、フューエルカット実行中に実行することが好ましい。
図13は、本実施形態に係るPMセンサの故障判定処理の手順を示すフローチャートである。この故障判定処理は、ECUにより所定の周期で繰り返し実行される。以下に説明するように、この故障判定処理では、ヒーターに所定の電流を供給して排気温度より高い所定温度まで加熱した後、所定時間の間、ヒーター温度を測定し、その測定結果に基づいて、排気流通孔の詰まりによるPMセンサの故障を判定する。
ステップS31では、ヒーターに所定の電流を供給し、ヒーターを加熱する。ヒーターを加熱後、ステップS32に移る。
ヒーターに供給する電流の大きさは、電流の供給によりヒーターの温度が排気温度よりも高い所定温度となるように設定される。
なお、排気温度は、排気温度センサにより検出される。
ステップS32では、フューエルカット実行中であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS33に移り、NOの場合には、ステップS31に戻る。
ステップS33では、ヒーターへの電流の供給を停止し、ヒーターの加熱を停止する。ヒーターの加熱停止後、ステップS34に移る。
ステップS34では、所定時間の間、ヒーターの温度変化量を測定する。測定後はステップS35に移る。
ステップS35では、ステップS34で測定したヒーターの温度変化量が、所定の温度変化量判定値を上回っているか否かを判別する。この判別がYESの場合には、ステップS36に移り、NOの場合には、ステップS37に移る。
温度変化量判定値は、所定の実験により設定され、予めECUに格納されている。
ステップS36では、故障判定フラグを「0」にセットして、PMセンサが正常であると判定する。判定後、故障判定処理を終了する。
具体的には、ステップS35において、ヒーターの温度変化量が、所定の温度変化量判定値を上回っていると判別されたため、ヒーターで生じた熱の排気側への移動量は大きいと考えられる。従って、排気流通孔に導入される排気の流量が十分に確保されていると考えられるため、PMセンサは正常であると判定する。
ステップS37では、故障判定フラグを「1」にセットして、PMセンサが故障していると判定する。判定後、故障判定処理を終了する。
具体的には、ステップS35において、ヒーターの温度変化量が、所定の温度変化量判定値を上回っていると判別されたため、ヒーターで生じた熱の排気側への移動量は小さいと考えられる。従って、排気流通孔に導入される排気の流量が十分に確保されていないと考えられるため、PMセンサは排気流通孔の詰まりにより故障していると判定する。
本実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果が奏される。
本実施形態では、ECUが、パラメータ検出手段、故障判定手段、温度変化量検出手段、燃料供給停止手段の一部を構成する。具体的には、図13のステップS31〜34の実行に係る手段がパラメータ検出手段及び電力量算出手段に相当し、ステップS35〜37の実行に係る手段が故障判定手段に相当し、ステップS32の実行に係る手段が燃料供給停止手段に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、第1実施形態において、第2実施形態及び第3実施形態と同様に、フューエルカット実行中にPMセンサの故障判定処理を実行してもよい。これにより、より正確な故障判定が可能となる。
また、第1実施形態では、測定用電極と集塵用電極とを別個に備えるPMセンサを用いたが、測定用と集塵用とを兼ねた電極を備えるPMセンサを用いることもできる。
また、上記各実施形態において、所定の運転状態に応じて、エンジンから単位時間当りに排出される排気の流量に相関のあるパラメータを検出する排気流量パラメータ検出部を設けるとともに、この排気流量パラメータ検出部により検出された排気流量パラメータが、所定の排気流量パラメータ判定値よりも大きいときに、排気導入口の詰まりによるPMセンサの故障判定処理を実行してもよい。即ち、上記のフューエルカット実行中ではなく、排気流量が大きいときに故障判定処理を実行してもよい。これにより、より正確なPMセンサの故障判定が可能となる。
所定の運転状態としては、例えば高負荷運転状態が挙げられる。また、排気流量は、エアフローメータにより検出される。
また、上記実施形態では、PMセンサの故障判定に本発明を適用したが、これに限定されず、ヒーター等の加熱手段を備える他の各種排気センサにも適用できる。
1…エンジン(内燃機関)
11…第1ヒーター(加熱手段)
12…第2ヒーター(加熱手段)
13…キャビティ(排気導入口)
2…故障判定装置(故障判定装置)
5…ECU(パラメータ検出手段、故障判定手段、温度変化量検出手段、加熱手段)
7…センサ素子(検出部)
9…PMセンサ(排気センサ)

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気系に設けられ当該内燃機関の排気の状態を検出する検出部と、当該検出部に排気の一部を導入する排気導入口と、を備える排気センサの故障判定装置であって、
    前記検出部の温度を昇温させる加熱手段と、
    前記加熱手段により前記検出部の温度を排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後、排気が当該検出部に与えた影響に相関のあるパラメータを検出するパラメータ検出手段と、
    前記パラメータ検出手段により検出されたパラメータに基づいて、前記排気導入口の詰まりによる前記排気センサの故障を判定する故障判定手段と、を備えることを特徴とする排気センサの故障判定装置。
  2. 前記パラメータ検出手段は、前記加熱手段により前記検出部の温度を排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後、当該加熱手段による昇温を停止してからの所定時間の間、当該検出部の温度の変化量を検出する温度変化量検出手段を有し、
    前記故障判定手段は、前記温度変化量検出手段により検出された前記検出部の温度の変化量に基づいて、前記排気導入口の詰まりによる前記排気センサの故障を判定することを特徴とする請求項1記載の排気センサの故障判定装置。
  3. 前記故障判定手段は、前記温度変化量検出手段により検出された前記検出部の温度の変化量が所定の温度変化量判定値よりも小さいときに、前記排気導入口の詰まりにより前記排気センサが故障したと判定することを特徴とする請求項2記載の排気センサの故障判定装置。
  4. 前記加熱手段は、電圧を印加することで前記検出部の温度を昇温させる電圧印加手段を有し、
    前記パラメータ検出手段は、前記加熱手段により前記検出部の温度を排気温度よりも高い所定温度まで昇温させた後の所定時間の間、当該検出部の温度を当該所定温度に維持するために消費された電力量を算出する電力量算出手段を有し、
    前記故障判定手段は、前記電力量算出手段により算出された電力量に基づいて、前記排気導入口の詰まりによる前記排気センサの故障を判定することを特徴とする請求項1記載の排気センサの故障判定装置。
  5. 前記故障判定手段は、前記電力量算出手段により算出された電力量が所定の電力量判定値よりも小さいときに、前記排気導入口の詰まりにより前記排気センサが故障したと判定することを特徴とする請求項4記載の排気センサの故障判定装置。
  6. 前記排気センサは、前記検出部の外周を覆うプロテクタをさらに備え、
    前記排気導入口は、前記プロテクタに設けられた排気流通孔であることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の排気センサの故障判定装置。
  7. 前記排気センサは、排気の流れ方向に前記検出部を貫通する貫通孔をさらに備え、
    前記排気導入口は、前記貫通孔により形成されたキャビティであることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の排気センサの故障判定装置。
  8. 所定の運転状態に応じて当該内燃機関への燃料の供給を停止する燃料供給停止手段をさらに備え、
    前記故障判定手段は、前記燃料供給停止手段により前記内燃機関への燃料の供給が停止されているときに、前記排気導入口の詰まりによる前記排気センサの故障を判定することを特徴とする請求項1から7いずれか記載の排気センサの故障判定装置。
  9. 前記内燃機関から単位時間当りに排出される排気の流量に相関のあるパラメータを検出する排気流量パラメータ検出手段をさらに備え、
    前記故障判定手段は、前記排気流量パラメータ検出手段により検出された排気流量パラメータが所定の排気流量パラメータ判定値よりも大きいときに、前記排気導入口の詰まりによる前記排気センサの故障を判定することを特徴とする請求項1から7いずれか記載の排気センサの故障判定装置。
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