図1は、本実施の形態における製造工程管理システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。製造工程管理システム10は、複数の製造工程を経て製造される製品の各製造工程における製造履歴を管理するためのシステムであって、各製造工程に配置され、各製造工程の作業者が操作可能な操作端末であるタブレット端末100と、バーコード情報を読み取って、その読み取りデータをタブレット端末100へ送信するバーコードリーダー200と、タブレット端末100と通信を行って各製造工程における製造履歴を管理するためのパソコン300とで構成される。
タブレット端末100とバーコードリーダー200とは、USBケーブル等を介した有線通信、または工場内に敷設された無線LANやBluetooth(登録商標)等を介した無線通信により接続される。なお、タブレット端末100に接続されるバーコードリーダー200は、公知の製品であるため詳細な説明を省略する。また、タブレット端末100とパソコン300とは、例えば工場内に敷設された有線LANや無線LAN等の通信回線を介して接続される。なお、図1では、1台のタブレット端末100がパソコン300と接続されている例を示しているが、実際には、各工程に配置された複数のタブレット端末100がパソコン300と接続される。
図2は、本実施の形態におけるタブレット端末100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。タブレット端末100は、通信モジュール101と、制御装置102と、タッチパネル103と、フラッシュメモリ104とを備える。
通信モジュール101は、バーコードリーダー200と通信を行うためのモジュールと、パソコン300と通信を行うためのモジュールとを含む。通信モジュール101としては、例えば、USBモジュール、Bluetooth(登録商標)モジュール、有線LANモジュール、無線LANモジュール等のバーコードリーダー200やパソコン300と通信を行うために必要な通信モジュールが用いられる。
制御装置102は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、タブレット端末100の全体を制御する。なお、制御装置102を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。
タッチパネル103は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、タブレット端末100の操作者である各製造工程の作業者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、タブレット端末100を操作することができる。タッチパネル103は、操作者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置102へ出力する。
フラッシュメモリ104は、通信モジュール101を介して受信したデータや、制御装置102が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための不揮発性の記録媒体である。
図3は、本実施の形態におけるパソコン300の一実施の形態の構成を示すブロック図である。パソコン300は、操作部材301と、通信モジュール302と、制御装置303と、HDD(ハードディスクドライブ)304と、モニタ305とを備えている。
操作部材301は、パソコン300の操作者によって操作される種々の装置、例えばキーボードやマウスを含む。
通信モジュール302は、タブレット端末100と通信を行うための通信モジュールであって、例えば、有線LANモジュールや無線LANモジュール等が用いられる。
制御装置303は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、パソコン300の全体を制御する。なお、制御装置303を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。
HDD304は、後述する種々のデータベースや制御装置303が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記録装置である。なお、HDD304に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体に記録されて提供され、管理者等が当該記憶媒体を用いてプログラムのデータをHDD304にインストールすることによって、制御装置303がプログラムを実行できるようになる。
モニタ305は、例えば液晶モニタであって、制御装置303から出力される種々の表示用データが表示される。
本実施の形態では、各製造工程の作業者は、タブレット端末100を操作して、自工程における生産予定を示した生産予定表(作業予定表)を確認することができる。生産予定表を表示するために必要なデータである、生産予定を特定するための生産予定情報は、図18で後述する処理によってあらかじめパソコン300のHDD304に記録されている。制御装置102は、作業者によって生産予定表の表示が指示された場合には、パソコン300に対して生産予定情報の送信を要求する。パソコン300では、制御装置303は、タブレット端末100からの要求に応じて、HDD304から生産予定情報を読み出し、タブレット端末100へ送信する。タブレット端末100の制御装置102は、パソコン300から受信した生産予定情報に基づいてタッチパネル103上に生産予定表を表示する。
図4は、本実施の形態における生産予定表を表示した生産予定表画面の一例を示した図である。この生産予定表画面上では、作業者は、上部に配置されたタブ4a〜4dをタッチすることにより、後述する他の画面と切り替えを行うことができる。
図4に示すように、生産予定表画面には、自工程における生産予定が一覧表示された生産予定表が表示されている。生産予定表には、主な項目として、生産予定日(予定日)、ロット番号、品番、生産予定数に対する未生産数(残数/予定数)、及び生産完了数(完了数)が含まれている。作業者は、この生産予定表を確認することにより、どの作業を行えばよいかを一目で把握することができる。なお、ロット番号は、製品の生産予定ロットごとに一意に付される番号であり、あらかじめ定められた採番ルールに則って作成されている。例えば、ロット番号は、製品番号、工程番号、生産予定日などで構成される。
生産予定表内の各生産予定を示すレコードには、「品質」ボタン4gと「確認」ボタン4hが表示されている。作業者によってこれらのボタンがタッチされた場合の処理については、後述する。
本実施の形態では、各工程の作業者は、生産予定画面を表示させて、自工程における生産予定を確認した後に、実際に作業を開始することになる。作業を行うに際しては、作業者は、タブレット端末100を操作して、自工程での作業に関する情報(以下、「作業情報」と呼ぶ)の入力を行う。ここで入力された作業情報は、パソコン300へ送信されて、各工程における作業履歴として、ロット番号に関連付けて記録される。
図5は、タブレット端末100における作業に関する情報の受付処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す処理は、作業者による操作に基づいて、タッチパネル103上に図4に示す生産予定画面が表示されると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。
ステップS10において、制御装置102は、生産予定画面上で作業者によって部署と設備番号が入力されたか否かを判断する。本実施の形態では、例えば、部署を特定するためのバーコードと、設備番号を特定するためのバーコードをあらかじめ用意しておき、作業者は、バーコードリーダー200を用いてそれらのバーコードを読み込むことにより、部署と設備番号の入力を行う。作業者によって部署と設備番号の入力が行われると、生産予定画面の部署名表示欄4eと設備番号表示欄4fに部署名と設備番号が表示される。なお、読み込まれた部署を特定するためのバーコードデータに基づいて部署名を特定するための情報と、読み込まれた設備番号を特定するためのバーコードデータに基づいて設備番号を特定するための情報は、マスタデータとしてパソコン300のHDD304に記録されており、制御装置102は読み込んだバーコードデータをパソコン300へ送信して、部署と設備番号の情報を取得するようにしてもよいし、タブレット端末100のフラッシュメモリ内にこれらのマスタデータを記録しておいてもよい。ステップS10で肯定判断した場合には、ステップS20へ進む。
ステップS20では、制御装置102は、作業者によって生産予定表の各レコードに対応付けて表示されている「確認」ボタン4hがタッチされることにより、そのレコードが示す生産予定に対応する作業標準書の表示が指示されたか否かを判断する。ステップS20で肯定判断した場合には、ステップS30へ進む。
ステップS30では、制御装置102は、作業者によって「確認」ボタン4hがタッチされたレコードに対応する生産予定の製品または仕掛品(以下、「生産予定品」と呼ぶ)の品番を特定し、パソコン300に対して、該品番に対応する生産予定品の作業標準書に関する情報(以下、「作業標準書情報」と呼ぶ)の送信を要求することにより、パソコン300から作業標準書情報を取得する。作業標準書情報は、あらかじめパソコン300のHDD304に記録されており、制御装置102は、作業者によって「確認」ボタン4hがタッチされた場合には、パソコン300に対して作業標準書情報の送信を要求する。パソコン300では、制御装置303は、タブレット端末100からの要求に応じて、HDD304から作業標準書情報を読み出し、タブレット端末100へ送信する。なお、この作業標準書情報には、作業の段取りを表示するための情報、作業方法を表示するための情報、生産予定品を生産するために必要な原材料や部品等の資材に関する情報等も含んでいる。
その後、ステップS40へ進み、制御装置102は、パソコン300から取得した作業標準書情報に基づいて作業標準書を表示した作業標準書画面をタッチパネル103上に表示する。図6は、作業標準書画面の一例を示す図である。図6に示す例では、作業標準書画面上には、生産予定品を生産するために必要な情報や、生産手順や注意事項などを表示した画像情報などが表示されている。また、作業者は、「段取P」ボタン6aにタッチすることにより、作業の段取りを確認することができる。また、「作業P」ボタン6bにタッチすることにより、作業方法を確認することができる。また、「使用部品」ボタン6cにタッチすることにより、生産予定品を生産するために必要な原材料や部品等の資材に関する情報を確認することができる。また、「閉じる」ボタン6dにタッチすることにより、作業標準書画面を閉じて生産予定表画面に戻ることができる。
その後、ステップS50へ進み、制御装置102は、作業者によって作業標準書画面上に配置されている「閉じる」ボタン6dがタッチされ、作業標準書画面を閉じるように指示されたか否かを判断する。ステップS50で肯定判断した場合には、ステップS60へ進む。
ステップS60では、制御装置102は、タッチパネル103上に図4に示した生産予定表画面を表示して、ステップS70へ進む。
ステップS70では、制御装置102は、作業者によって生産予定表の各レコードに対応付けて表示されている「品質」ボタン4gがタッチされることにより、そのレコードが示す生産予定に対応する作業画面の表示が指示されたか否かを判断する。ステップ70で否定判断した場合には、ステップS20へ戻る。これに対して、ステップS70で肯定判断した場合には、ステップS80へ進む。
ステップS80では、制御装置102は、作業者によって「品質」ボタン4gがタッチされたレコードに対応する生産予定の作業画面をタッチパネル103上に表示する。本実施の形態では、制御装置102は、まず、図7(a)に示す作業画面の初期画面を表示する。作業者は、図7(a)に示す画面上で「生産を開始する」ボタン7iにタッチすることにより、生産作業の開始を指示することができる。また、作業者は、「生産予定表」ボタン7hにタッチすることにより、タッチパネル103上の表示を生産予定表画面に戻すことができる。
その後、ステップS81へ進み、制御装置102は、図7(a)に示す作業画面の初期画面上で作業者によって「生産を開始する」ボタン7iがタッチされることにより、作業の開始が指示されたか否かを判断する。ステップS81で肯定判断した場合には、ステップS82へ進む。
ステップS82では、制御装置102は、図7(b)に示す作業画面を表示する。この作業画面上では、図7(a)に示した「生産を開始する」ボタン7iは、「生産を終了する」ボタン7jに変わっている。作業者は、以下に説明するように、この作業画面上で、対応する生産予定に対して行った作業に関する情報を入力することができる。現在、どの生産予定に対する作業画面が表示されているかは、ロット番号表示領域7a内でハイライト表示されているロット番号により確認が可能である。また、作業者は、ロット番号表示領域7a内で他のロット番号をタッチすることにより、他の生産予定の作業画面に切り替えることもできる。また、作業者は、「生産予定表」ボタン7hにタッチすることにより、タッチパネル103上の表示を生産予定表画面に戻すことができる。
その後、ステップS83へ進み、制御装置102は、作業者によって「生産を開始する」ボタン7iがタッチされた時刻を自工程における作業開始時刻として特定する。そして、制御装置102は、特定した作業開始時刻を示す情報を作業開始情報とし、該作業開始情報を自工程における作業情報として特定する。制御装置102は、該作業情報と、作業が開始されたロットのロット番号とを関連付けて、パソコン300へ送信する。その後、ステップS90へ進む。
ステップS90では、制御装置102は、作業者によって、その作業者を特定するための作業者情報が入力されたか否かを判断する。本実施の形態では、制御装置102は、作業者が作業画面上の「作業者登録」ボタン7bにタッチしたことを検出したときに、作業者登録を受け付けるようにする。例えば、自工程に属する作業者の作業者情報をあらかじめタブレット端末100に登録しておき、制御装置102は、使用者によって「作業者登録」ボタン7bがタッチされたときに、タッチパネル103上に登録されている作業者情報を一覧表示させる。そして、その中から作業者によって選択された作業者情報を、自工程における作業者の作業者情報として受け付ける。あるいは、各作業者には、作業者情報を特定するためのバーコードが付与されており、各作業者は、「作業者登録」ボタン7bをタッチした後に、自身のバーコードをバーコードリーダー200を用いて読み込む。バーコードリーダー200は、読み取ったバーコードのデータをタブレット端末100へ出力する。これにより、作業者はバーコードを読み込んで作業者情報を入力することができる。
ステップS90で肯定判断した場合には、ステップS100へ進み、制御装置102は、ステップS90で入力された作業者情報に基づいて作業者名を特定し、作業画面上の特定した作業者名を作業者名表示欄7cに表示する。なお、図7に示す例では、3名の作業者名が表示されている。その後、作業者は、自工程における生産作業を開始する。
ステップS110では、制御装置102は、作業者によって資材T札が読み込まれたか否かを判断する。具体的には、各製造工程で用いる原材料や部品等の資材が収納されている資材容器には、その資材を特定するための資材品番を表すバーコードが印字された資材
T札が付されており、作業者は、作業の開始時には、バーコードリーダー200を用いて、資材T札のバーコードを読み取る。ステップS110で肯定判断した場合には、ステップS120へ進む。
ステップ120では、制御装置102は、バーコードリーダー200から入力された資材品番を表すバーコードのデータに基づいて、自工程で使用される資材の資材品番を特定するとともに、バーコードリーダー200から資材品番を表すバーコードのデータが入力された時刻を自工程における資材使用時刻として特定する。そして、制御装置102は、部署、設備番号、作業者名、資材品番、使用数量、資材使用時刻、および自工程における作業開始時刻を自工程における作業情報として特定する。制御装置102は、該作業情報と、作業が開始されたロットのロット番号とを関連付けて、パソコン300へ送信する。その後、ステップS130へ進む。
パソコン300では、ステップS120でタブレット端末100から送信された資材品番の情報に基づいて、作業で使用する資材と一致するかどうかの確認が行われ、もし違った場合は、警告情報がタブレット端末100へ送信される。ステップS130では、制御装置102は、パソコン300から警告情報を受信したか否かを判断する。
ステップS130で肯定判断した場合には、ステップS140へ進み、制御装置102は、タッチパネル103上に警告表示を行って、ステップS150へ進む。一方、ステップS130で否定判断した場合には、そのままステップS150へ進む。
ステップS150では、制御装置102は、作業者によって、作業中における異常の発生に伴う異常入力があったか否かを判断する。例えば、作業者は、作業中に金型の取付が必要な場合や、作業途中で金型が欠けた等の異常事態が判明した場合等に、これらに対応するための作業を行うとともに、異常入力を行うこととなる。本実施の形態では、作業者は、異常入力の必要が生じた場合には、作業画面上で「異常作業」タブ7dにタッチすることにより、作業画面内に異常入力用の表示エリア7d−1を表示させることができる。図7(b)に示す例では、異常入力用の表示エリア7d−1には、入力できる異常の種類として、2度打ちによる型欠け、金型取付、金型異常、ミスグリップが表示されている。作業者は、これらの中から、現在発生している異常に対応するものをタッチすることにより、異常入力を行うことができる。なお、発生する異常の種類は各工程によって異なるため、図7(b)はあくまでも一例であり、異常入力用の表示エリア7d−1には、実際には各工程で発生し得る異常の種類に応じた内容が表示される。
本実施の形態では、制御装置102は、作業者がいずれかの異常の種類にタッチして異常入力を行うと、その入力時刻を異常発生時刻として特定する。また、作業者がいずれかの異常の種類にタッチすると、異常解消のための作業が開始されたことを示す「開始」ボタン7eが表示される。作業者は、異常解消のための作業が完了したときに「開始」ボタン7eにタッチして横にスライド(横移動)させることにより、不図示の「終了」ボタンが表示され、これにより異常解消作業の終了を入力することができる。制御装置102は、作業者によって「開始」ボタン7eが横移動されたことを検出したときには、その時刻を異常解消時刻として特定する。
ステップS150で肯定判断した場合には、ステップS160へ進み、制御装置102は、作業者によって入力された異常入力に基づく異常情報を自工程における作業情報として特定し、該作業情報と異常が発生したロットのロット番号とを関連付けてパソコン300へ送信する。その後、ステップS170へ進む。なお、ここで送信される異常情報には、部署、設備番号、作業者、発生した異常の種類、異常発生時刻、および異常解消時刻をそれぞれ特定するための情報が含まれる。一方、ステップS150で否定判断した場合には、そのままステップS170へ進む。
ステップS170では、制御装置102は、作業者によって品質チェック結果の入力が行われたか否かを判断する。本実施の形態では、作業者は、生産した仕掛品や製品の品質チェック結果を入力する場合には、作業画面上で「品質チェック」タブ7fにタッチすることにより、図8に示すように、作業画面内に品質チェック結果入力用の表示エリア7f−1を表示させることができる。図8に示す例では、作業者がチェックすべき品質チェックの項目として、外観8a、曲げ位置偏心8b、ナット下穴径8cがあり、各チェック項目に対して、「〇」、「△」、「×」の三段階で評価できるようになっている。また、最終的に製造工程の責任者が行う品質確認結果(責任者による品確)8dも、責任者が「〇」、「△」、「×」の三段階で評価できるようになっている。なお、品質チェックの項目は、各工程によって異なるため、図8はあくまでも一例であり、品質チェック結果入力用の表示エリア7f−1には、実際には各工程での品質チェック項目に応じた内容が表示される。作業者または責任者は、各チェック項目について、「〇」、「△」、「×」のいずれかにタッチして品質チェック結果を入力した後に、「品質チェックを終了する」ボタン8eにタッチすることにより、品質チェックを完了させることができる。
ステップS170で肯定判断した場合には、ステップS180へ進み、制御装置102は、作業者または責任者によって品質チェック結果が行われた時刻を品質チェック時刻として特定するとともに、該品質チェック時刻、部署、設備番号、作業者、および作業者と責任者による品質チェックの結果を示す情報を品質チェック情報とし、該品質チェック情報を自工程における作業情報として特定する。制御装置102は、該作業情報と、品質チェックが行われたロットのロット番号とを関連付けて、パソコン300へ送信する。その後、ステップS190へ進む。これに対して、ステップS170で否定判断した場合には、そのままステップS190へ進む。
ステップS190では、制御装置102は、作業者によって製品T札が読み込まれたか否かを判断する。具体的には、各製造工程で製造された仕掛品や製品を収納する容器には、その仕掛品を特定するための仕掛品品番やその製品を特定するための製品品番を表すバーコードが印字された製品T札が付されており、作業者は、作業の終了時には、バーコードリーダー200を用いて、製品T札のバーコードを読み取る。ステップS190で否定判断した場合には、ステップS150へ戻る。これに対して、ステップS190で肯定判断した場合には、ステップS200へ進む。
ステップS200では、制御装置102は、作業者によって自工程での作業中に生じた不良品の数量(以下、「不良数」と呼ぶ)の入力が行われたか否かを判断する。本実施の形態では、作業者は、不良数を入力する場合には、作業画面上で「不良数入力」タブ7gにタッチすることにより、不図示の不良数入力用の表示エリアを表示させることができ、該不良数入力用の表示エリア内で、作業中に生じた不良数を入力することができる。
ステップS200で肯定判断した場合には、ステップS210へ進み、制御装置102は、不良数が入力された時刻を特定するとともに、部署、設備番号、作業者名、入力された不良数、および不良数が入力された時刻に関する情報を不良数情報とし、該不良数情報を自工程における作業情報として特定する。制御装置102は、該作業情報と、不良数が発生したロットのロット番号とを関連付けて、パソコン300へ送信する。その後、ステップS220へ進む。これに対して、ステップS200で否定判断した場合には、そのままステップS220へ進む。
ステップS220では、制御装置102は、ステップS190でバーコードリーダー200から入力された仕掛品品番や製品品番を表すバーコードのデータに基づいて、自工程で製造された仕掛品や製品の品番、および製造された仕掛品や製品の数量を特定するとともに、バーコードリーダー200から仕掛品品番や製品品番を表すバーコードのデータが入力された時刻を自工程における作業終了時刻として特定する。そして、制御装置102は、部署、設備番号、作業者名、仕掛品品番や製品品番に関する情報、製造された仕掛品や製品の数量、および自工程における作業終了時刻を示す情報を作業終了情報とし、該作業終了情報を自工程における作業情報として特定する。制御装置102は、該作業情報と、作業が終了したロットのロット番号とを関連付けて、パソコン300へ送信する。その後、処理を終了する。
次に、作業者が生産予定表画面上で「受領・納品予定」タブ4bをタッチすることにより表示される、図9に示す受領・納品予定画面を用いた入庫処理、出庫処理について説明する。図9に示す受領・納品予定画面には、受領または納品予定日に関連付けて、資材T番または製品T番や品番等とともに、受領または納品の予定数、受領または納品した実数等の情報が画面下部の一覧表示欄に表示されている。
図10は、本実施の形態における入庫処理の流れを示すフローチャートである。図10に示す処理は、作業者によって受領・納品予定画面上で「受領」ボタン9aがタッチされると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。
ステップS310において、制御装置102は、作業者によってバーコードリーダー200を用いて、入庫された資材が収納されている容器に付されている資材T札に印字された資材T番を示すバーコードが読み込まれたか否かを判断する。なお、資材T番は、あらかじめ定められた採番ルールに則って作成されており、例えば、資材番号、受領予定日、箱番号などで構成される。ステップS310で肯定判断した場合には、ステップS320へ進む。
ステップS320では、制御装置102は、資材T札のバーコードが読み込まれた時刻を入庫時刻として特定するとともに、読み込まれたバーコードが示す資材T番に基づいて、入庫された資材と、その資材の入庫予定数とを特定する。なお、資材T番と、入庫された資材および入庫予定数は、あらかじめ関連付けて記録されているものとする。例えば、資材T番と、入庫された資材および入庫予定数とを関連付けたデータは、マスタデータとしてパソコン300のHDD304に記録されており、制御装置102は読み込んだバーコードデータをパソコン300へ送信して、入庫された資材および入庫予定数の情報を取得するようにしてもよいし、タブレット端末100のフラッシュメモリ内にこれらのマスタデータを記録しておいてもよい。その後、ステップS330へ進む。
ステップS330では、制御装置102は、ステップS310で読み込んだ資材品番の情報と、ステップS320で特定した情報とに基づいて、入庫された資材に関する情報(以下、「入庫情報」と呼ぶ)を、一覧表示欄に表示する。その後、ステップS340へ進む。
本実施の形態では、作業者は、一覧表示欄に表示された入庫予定数と、実際に入庫された入庫数とが異なる場合には、「実数入力」ボタン9cにタッチして、不図示の実数入力画面を表示させて、実際に入庫された入庫数を入力することができる。作業者によって実数が入力された場合には、一覧表示欄の実数の項目に入力された実数が表示される。
ステップS340では、制御装置102は、作業者によって「実数入力」ボタン9cがタッチされて、実数、すなわち実際に入庫された入庫数が入力されたか否かを判断する。ステップS340で肯定判断した場合には、ステップS350へ進み、制御装置102は、上述した入庫情報とともに、作業者によって入力された実数の情報とをパソコン300へ送信した後、処理を終了する。
これに対して、ステップS340で否定判断した場合には、ステップS360へ進み、制御装置102は、上述した入庫情報をパソコン300へ送信した後、処理を終了する。
図11は、本実施の形態における出庫処理の流れを示すフローチャートである。図11に示す処理は、作業者によって受領・納品予定画面上で「納品」ボタン9bがタッチされると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。なお、出庫処理は、製品を出荷する出荷工程で行われ、出荷工程の作業者は、自工程から納品先へ製品を出荷するときに、「出荷」ボタン9bをタッチして出荷処理を開始させる。
ステップS420では、制御装置102は、作業者によってバーコードリーダー200を用いて、出荷する製品が収納されている容器に付されている製品T札に印字された製品T番を示すバーコードが読み込まれたか否かを判断する。なお、製品T番は、あらかじめ定められた採番ルールに則って作成されており、例えば、製品番号、工程番号、生産予定日、箱番号などで構成される。ステップS410で肯定判断した場合には、ステップS420へ進む。
ステップS420では、制御装置102は、製品T札のバーコードが読み込まれた時刻を出荷時刻として特定するとともに、読み込まれたバーコードが示す製品T番に基づいて、出荷を予定している製品と、その製品の出荷予定数とを特定する。なお、製品T番と、出荷予定製品および出荷予定数は、あらかじめ関連付けて記録されているものとする。例えば、製品T番と、出荷予定製品および出荷予定数とを関連付けたデータは、マスタデータとしてパソコン300のHDD304に記録されており、制御装置102は読み込んだバーコードデータをパソコン300へ送信して、出荷予定製品および出荷予定数の情報を取得するようにしてもよいし、タブレット端末100のフラッシュメモリ内にこれらのマスタデータを記録しておいてもよい。その後、ステップS430へ進む。
ステップS430では、制御装置102は、ステップS410で読み込んだ製品品番の情報と、ステップS420で特定した情報とに基づいて、出荷予定製品に関する情報(以下、「出荷情報」と呼ぶ)を、一覧表示欄に表示する。その後、ステップS440へ進む。
本実施の形態では、納品先が指定する納品かんばんがある場合には、作業者は、納品かんばんデータを示すバーコードをバーコードリーダー200を用いて読み込む。ステップS440では、制御装置102は、バーコードリーダー200を用いて納品かんばんデータを示すバーコードが読み込まれたか否かを判断する。ステップS440で否定判断した場合には、後述するステップS480へ進む。これに対して、ステップS440で肯定判断した場合には、ステップS450へ進む。
ステップS450では、制御装置102は、納品かんばんデータに基づいて特定した納品先へ出荷すべき製品と、ステップS420で特定した出荷予定製品とを比較して、それらに相違がないかのチェック、すなわち品違いのチェックを行う。なお、納品かんばんデータと、納品先へ出荷すべき製品とは、あらかじめ関連付けて記録されているものとする。例えば、納品かんばんデータと、納品先へ出荷すべき製品とを関連付けたデータは、マスタデータとしてパソコン300のHDD304に記録されており、制御装置102は読み込んだバーコードデータをパソコン300へ送信して、納品先へ出荷すべき製品の情報を取得するようにしてもよいし、タブレット端末100のフラッシュメモリ内にこれらのマスタデータを記録しておいてもよい。
その後、ステップS460へ進み、制御装置102は、ステップS450でのチェックの結果、品違いが発生しているか否かを判断する。ステップS460で否定判断した場合には、後述するステップS480へ進む。これに対して、ステップS460で肯定判断した場合には、ステップS470へ進む。
ステップS470では、制御装置102は、品違いが発生していることを通知するための警告表示をタッチパネル103上で行う。これにより、作業者は、出荷予定製品が出荷すべき製品と異なっている可能性があることを把握することができる。その後、ステップS480へ進む。
本実施の形態では、作業者は、一覧表示欄に表示された出荷予定数と、実際に出荷する製品の数量とが異なる場合には、「実数入力」ボタン9cにタッチして、不図示の実数入力画面を表示させて、実際に出荷する製品の数量を入力することができる。作業者によって実数が入力された場合には、一覧表示欄の実数の項目に入力された実数が表示される。
ステップS480では、制御装置102は、作業者によって「実数入力」ボタン9cがタッチされて、実数、すなわち実際に出荷する製品の数量が入力されたか否かを判断する。ステップS480で肯定判断した場合には、ステップS490へ進み、制御装置102は、上述した出荷情報とともに、作業者によって入力された実数の情報をパソコン300へ送信した後、処理を終了する。
これに対して、ステップS480で否定判断した場合には、ステップS500へ進み、制御装置102は、上述した出荷情報をパソコン300へ送信した後、処理を終了する。
次に、作業者が生産予定表画面上で「棚卸」タブ4cをタッチすることにより表示される、図12に示す棚卸画面を用いた棚卸処理について説明する。図12に示す棚卸画面には、棚卸対象の資材を特定するための資材T番、または棚卸対象の製品を特定するための製品T番を表示するT番表示領域12aと、棚卸結果を入力するための結果入力領域12bとが表示されている。
図13は、本実施の形態における棚卸処理の流れを示すフローチャートである。図13に示す処理は、作業者によって生産予定表画面上で「棚卸」タブ4cがタッチされて、タッチパネル103上に図12に示す棚卸画面が表示されると起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。
ステップS510において、制御装置102は、棚卸対象の資材が収納されている容器に付されている資材T札、または棚卸対象の製品が収納されている容器に付されている製品T札のバーコードが読み込まれたか否かを判断する。
ステップS510で肯定判断した場合には、ステップS520へ進み、制御装置102は、資材T札または製品T札のバーコードが読み込まれた時刻を棚卸時刻として特定するとともに、読み込まれたバーコードが示す資材T番または製品T番に基づいて、棚卸対象の資材または製品、およびそれらの定数を特定する。なお、資材T番または製品T番と、棚卸対象の資材または製品、およびそれらの定数とは、あらかじめ関連付けて記録されているものとする。例えば、資材T番または製品T番と、棚卸対象の資材または製品、およびそれらの定数とを関連付けたデータは、パソコン300のHDD304に記録されており、制御装置102は読み込んだバーコードデータをパソコン300へ送信して、棚卸対象の資材または製品、およびそれらの定数の情報を取得するようにしてもよいし、タブレット端末100のフラッシュメモリ内にこれらの関連付けデータを記録しておいてもよい。ステップS520で特定した定数は、図12に示す棚卸画面における結果入力領域12b内の定数表示領域12cに表示される。その後、ステップS530へ進む。
本実施の形態では、作業者は、定数表示領域12cに表示された定数と、実際に存在する資材または製品の在庫数とが一致する場合には、結果入力領域12b内の「定数確認」ボタン12dにタッチする。一方、定数表示領域12cに表示された定数と、実際に存在する資材または製品の在庫数とが一致しない場合には、結果入力領域12b内の端数入力欄12eに実際の在庫数(以下、「端数」と呼ぶ)を入力した後、「端数入力」ボタン12fにタッチする。
ステップS530では、制御装置102は、作業者によって端数入力欄12eに端数が入力されて「端数入力」ボタン12fがタッチされたか否かを判断する。ステップS530で肯定判断した場合には、ステップS540へ進み、制御装置102は、上述した棚卸情報とともに、作業者によって入力された端数をパソコン300へ送信した後、処理を終了する。
これに対して、ステップS530で否定判断した場合には、ステップS550へ進み、制御装置102は、上述した棚卸情報をパソコン300へ送信した後、処理を終了する。
制御装置102は、作業者が生産予定表画面上で「作業・異常報告」タブ4dをタッチしたことを検出した場合には、図14に示す作業・異常報告画面を表示する。この作業・異常報告画面には、自工程における作業履歴や異常の発生履歴を閲覧が表示される。具体的には、自工程における作業履歴や異常の発生履歴として、日付、時間帯、作業分類、ロット番号、品番、設備番号、作業者が一覧表示される。これらの履歴情報は、図5で上述した処理でタブレット端末100からパソコン300に送信され、パソコン300に記録されている。よって、制御装置102は、作業・異常報告画面を表示する際には、パソコン300から自工程における履歴情報を取得する。なお、パソコン300における履歴情報の記録方法については、後述する。なお、作業履歴に対しては、作業分類の項目に作業の内容を示す分類が表示され、異常の発生履歴に対しては、作業分類の項目に異常の発生内容を示す分類が表示される。
次に、パソコン300で実行される処理について説明する。パソコン300は、例えば工場の管理者や生産管理の担当者等の使用者によって操作される。パソコン300では、制御装置303は、上述したタブレット端末100における処理で、タブレット端末100から送信された種々の情報を通信モジュール302を介して受信し、受信した情報をデータベースに登録する。
図15は、本実施の形態における情報登録処理の流れを示すフローチャートである。図15に示す処理は、パソコン300上で情報登録処理を実行するためのアプリケーションが起動されることにより、制御装置303によって実行される。
ステップS610では、制御装置303は、タブレット端末100から上述した作業開始情報を受信したか否かを判断する。ステップS610で肯定判断した場合には、ステップS620へ進む。
ステップS620では、制御装置303は、タブレット端末100から受信した作業開始情報を、開始された作業に対応するロットのロット番号に関連付けて、あらかじめ用意されている作業履歴管理用のデータベースに登録する。その後、ステップS630へ進む。
ステップS630において、制御装置303は、タブレット端末100から上述した異常情報を受信したか否かを判断する。ステップS630で肯定判断した場合には、ステップS640へ進む。
ステップS640では、制御装置303は、タブレット端末100から受信した異常情報を、その異常が発生したロットのロット番号に関連付けて、あらかじめ用意されている異常情報管理用のデータベースに登録する。その後、ステップS650へ進む。
ステップS650では、制御装置303は、タブレット端末100から上述した品質チェック情報を受信したか否かを判断する。ステップS650で肯定判断した場合には、ステップS660へ進む。
ステップS660では、制御装置303は、タブレット端末100から受信した品質チェック情報を、品質チェックが行われたロットのロット番号と関連付けて、あらかじめ用意されている品質チェック管理用のデータベースに登録する。その後、ステップS670へ進む。
ステップS670では、制御装置303は、タブレット端末100から上述した不良数情報を受信したか否かを判断する。ステップS670で肯定判断した場合には、ステップS680へ進む。
ステップS680では、制御装置303は、タブレット端末100から受信した不良数情報を、不良が発生したロットのロット番号と関連付けて、あらかじめ用意されている不良数管理用のデータベースに登録する。その後、ステップS690へ進む。
ステップS690では、制御装置303は、タブレット端末100から上述した作業終了情報を受信したか否かを判断する。ステップS670で肯定判断した場合には、ステップS700へ進む。
ステップS700では、制御装置303は、タブレット端末100から受信した作業終了情報を、作業が終了したロットのロット番号と関連付けて、あらかじめ用意されている作業履歴管理用のデータベースに登録する。その後、ステップS710へ進む。
ステップS710では、制御装置303は、タブレット端末100から上述した受領情報を受信したか否かを判断する。ステップS710で肯定判断した場合には、ステップS720へ進む。
ステップS720では、制御装置303は、タブレット端末100から受信した受領情報を、あらかじめ用意されている受領情報管理用のデータベースに登録する。その後、ステップS730へ進む。
ステップS730では、制御装置303は、タブレット端末100から上述した出荷情報を受信したか否かを判断する。ステップS730で肯定判断した場合には、ステップS740へ進む。
ステップS740では、制御装置303は、タブレット端末100から受信した出荷情報を、あらかじめ用意されている出荷情報管理用のデータベースに登録する。その後、ステップS750へ進む。
ステップS750では、制御装置303は、タブレット端末100から上述した棚卸情報を受信したか否かを判断する。ステップS750で肯定判断した場合には、ステップS760へ進む。
ステップS760では、制御装置303は、タブレット端末100から受信した棚卸情報を、あらかじめ用意されている棚卸情報管理用のデータベースに登録する。その後、ステップS770へ進む。
ステップS770では、制御装置303は、使用者によってアプリケーションの終了が指示されたか否かを判断する。アプリケーションが終了される例としては、例えば、使用者がアプリケーションを明示的に終了させる場合以外にも、パソコン300の電源がオフされる場合も考えられる。ステップS770で否定判断した場合には、ステップS610へ戻る。これに対して、ステップS770で肯定判断した場合には、処理を終了する。
使用者は、操作部材301を操作して、あらかじめHDD304にインストールされている製造工程管理アプリケーションを起動することができる。制御装置303は、使用者によって製造工程管理アプリケーションの起動が指示されると、図16に示すメニュー画面をモニタ305に表示する。使用者は、該メニュー画面上に表示されているメニュー項目を操作部材301に含まれるマウスを用いてクリックすることにより、選択することができる。
使用者は、この製造工程管理アプリケーションを用いて、各製造工程に配置されているタブレット端末100から受信した情報に基づいて、各製造工程における生産履歴を確認することができる。また、製造工程管理アプリケーションは、その他にも図16に示すメニュー画面に表示されている各メニュー項目に応じた種々の機能を備えている。以下、詳細に説明する。
制御装置303は、使用者によって図16に示したメニュー画面上でメニュー項目の中から「生産予定表」16aがクリックされて選択されたことを検出した場合には、図17に示す生産予定表画面をモニタ305に表示する。この生産予定表画面では、条件指定欄17a内で使用者によって指定された条件に合致した生産予定が一覧表示欄17b内に一覧表示される。例えば、使用者は、条件指定欄17a内で、設備番号、製造工程における整理番号(背番号)、品番、部署等を指定することにより、表示対象の生産予定を絞り込むことができる。これにより、使用者は、各製造工程における生産予定を確認することができる。
また、使用者は、生産予定表画面上で「生産予定を取り込む」17cをクリックすることにより、新たな生産予定情報を取り込むことができる。このために、制御装置303は、図18に示す処理を実行する。なお、図18に示す処理は、使用者によって「生産予定を取り込む」17cがクリックされたときに起動するプログラムとして、制御装置303により実行される。
ステップS810において、制御装置303は、使用者によってあらかじめ作成された生産予定情報が入力されたか否かを判断する。本実施の形態では、例えば、使用者は、あらかじめ納品計画から生産計画を立て、必要な生産ロット数や納期を定め、部品展開を行なっておく。そして、使用者は、生産計画から製造工程における整理番号(背番号)、工程番号、予定納期、数量、製造部署を決定し、これを生産予定情報として作成しておく。ステップS810で肯定判断した場合には、ステップS820へ進む。
ステップS820では、制御装置303は、使用者によって入力された生産予定情報を取り込んで、ステップS830へ進む。
ステップS830では、制御装置303は、使用者によって製品T札の出力指示があったか否かを判断する。具体的には、使用者は、「製品T札のバッファを見る」17dをクリックして、図19に示す製品T札のバッファの一覧画面を呼び出す。製品T札のバッファの一覧画面上には、製品T札のバッファの表示単位として、ロットごとと製造T番ごととを切り替えたり、設備名や部署名で表示対象を絞り込むための条件指定欄19aと、条件指定欄19a内で使用者によって指定された条件に合致した製品T札のバッファ、すなわち未発行の製品T札に関する情報を一覧表示するための一覧表示欄19bとが表示されている。
使用者は、一覧表示欄19b内に一覧表示されている製品T札のバッファの中から、製品T札を出力したいレコードに対応したチェックボックス19cにチェックを入れ、画面上部の「チェックした行の製品T札をPDF出力する」19dをクリックすることにより、チェックボックス19cにチェックを入れたレコードに対応する製品T札の出力を指示することができる。
ステップS830で肯定判断した場合には、ステップS840へ進み、制御装置303は、使用者によってチェックボックス19cにチェックが入れられたレコードに対応する製品T札のPDFデータを出力して、処理を終了する。使用者は、出力された製品T札のPDFデータをプリンタでプリントアウトした上で各製造工程へ配布する。これにより、各製造工程では、作業者は、自工程で製造した仕掛品や製品を収納する容器に製品T札を付すことができる。
制御装置303は、使用者によって図16に示したメニュー画面上でメニュー項目の中から「作業・異常報告」16bがクリックされて選択されたことを検出した場合には、図20に示す作業・異常報告画面をモニタ305に表示する。この作業・異常報告画面では、上述した作業履歴管理用のデータベースに記録されている情報に基づく作業実績を示す情報、または上述した異常情報管理用のデータベースに記録されている異常情報に基づく異常の発生実績を示す情報を使用者が閲覧することができる。
図20は、上述した異常情報管理用のデータベースに記録されている異常情報に基づく異常の発生実績を示す情報が表示された例を示している。この場合、作業・異常報告画面では、条件指定欄20a内で使用者によって指定された条件に合致した異常情報に基づく情報が一覧表示欄20b内に一覧表示される。例えば、使用者は、条件指定欄20a内で、情報を表示させたい異常の発生期間、設備番号、作業分類、すなわち発生した異常の種類、製造工程における整理番号(背番号)、品番、部署等を指定することにより、表示対象の異常情報を絞り込むことができる。一覧表示欄20b内には、各製造工程における異常発生時刻及び異常解消時刻に関する情報に基づいて、各製造工程における異常の発生実績を示す情報が一覧表示される。これにより、使用者は、各製造工程で発生した異常の履歴を確認することができる。
また、上述した作業履歴管理用のデータベースに記録されている情報に基づく作業実績を示す情報を表示する場合には、一覧表示欄20b内には、製造工程における作業開始時刻および作業終了時刻、作業員に関する情報に基づいて、各製造工程の作業実績を示す情報が一覧表示される。これにより、使用者は、各製造工程における作業実績を容易に把握することができる。
制御装置303は、使用者によって図16に示したメニュー画面上でメニュー項目の中から「テンプレート管理」16cがクリックされて選択されたことを検出した場合には、不図示のテンプレート管理画面をモニタ305に表示する。このテンプレート管理画面では、使用者は、作業標準書を作成する際に用いるテンプレートを管理することができる。具体的には、よく使用する設備の条件設定、段取ポイント、作業ポイント等を記載した作業標準書のテンプレートを登録・編集・削除等することができる。
制御装置303は、使用者によって図16に示したメニュー画面上でメニュー項目の中から「作業標準書」16dがクリックされて選択されたことを検出した場合には、図21に示す作業標準書の管理画面をモニタ305に表示する。この作業標準書の管理画面では、あらかじめ作成されて登録されている作業標準書のデータを閲覧することができる。
作業標準書の管理画面では、条件指定欄21a内で使用者によって指定された条件に合致した作業標準書の情報が一覧表示欄21b内に一覧表示される。例えば、使用者は、条件指定欄21a内で、設備番号、製造機械の機種名、製造工程における整理番号(背番号)、品番、品名、部署等を指定することにより、表示対象の作業標準書を絞り込むことができる。また、使用者は、一覧表示欄21b内に一覧表示されている作業標準書情報の中から、作業標準書を出力したいレコードに対応したチェックボックス21cにチェックを入れ、画面上部の「チェックした行の作業標準書をPDF出力する」21dをクリックすることにより、チェックボックス21cにチェックを入れたレコードに対応する作業標準書のPDFデータの出力を指示することができる。
制御装置303は、使用者によって図16に示したメニュー画面上でメニュー項目の中から「作業確認書」16eがクリックされて選択されたことを検出した場合には、図22に示す作業確認書画面をモニタ305に表示する。この作業確認書画面では、各製造工程で行われる作業の内容を確認することができる。
制御装置303は、使用者によって図16に示したメニュー画面上でメニュー項目の中から「受領・納品管理」16fがクリックされて選択されたことを検出した場合には、図23に示す受領・納品管理画面をモニタ305に表示する。この受領・納品管理画面では、条件指定欄23a内で使用者によって指定された条件に合致した受領品または納品に関する情報が一覧表示欄23b内に一覧表示される。例えば、使用者は、条件指定欄23a内で、表示対象を受領品、納品、支給品のいずれにするかを切り替えたり、資材T番、品番、取引先を指定することにより、表示対象の受領品や納品に関する情報を絞り込むことができる。
また、使用者は、受領・納品管理画面上で「受領・納品情報を取り込む」23dをクリックすることにより、新たな受領品や納品に関する情報を取り込むことができる。このために、制御装置303は、図24に示す処理を実行する。なお、図24に示す処理は、使用者によって「受領・納品情報を取り込む」23dがクリックされたときに起動するプログラムとして、制御装置303により実行される。
ステップS910において、制御装置303は、使用者によってあらかじめ作成された受領品情報、または納品情報が入力されたか否かを判断する。本実施の形態では、例えば、使用者は、あらかじめ、納品計画から生産計画を立て、必要な生産ロット数、納期を定め、部品展開を行なっておく。そして、使用者は生産計画から、必要資材の品番(資材番号)、予定納期、数量、取引先番号を決定し、これを受領品情報として作成しておく。また、使用者は納品計画から、製品の品番(背番号)、予定納期、数量、取引先番号を決定し、これを納品情報として作成しておく。ステップS910で肯定判断した場合には、ステップS920へ進む。
ステップS920では、制御装置303は、使用者によって入力された受領品情報、または納品情報を取り込んで、ステップS930へ進む。
ステップS930では、制御装置303は、使用者によって受領T札の出力指示があったか否かを判断する。具体的には、使用者は、一覧表示欄23b内に一覧表示されているレコードの中から、受領T札をバッファに登録したいレコードに対応したチェックボックス23cにチェックを入れ、画面上部の「チェックした行の受領T札をバッファに登録する」23eをクリックすることにより、チェックボックス23cにチェックを入れたレコードに対応する受領T札をバッファに登録することができる。そして、使用者は、「受領T札のバッファを見る」23fをクリックして、図25に示す受領T札のバッファの一覧画面を呼び出す。受領T札のバッファの一覧画面上には、未発行の受領T札に関する情報が一覧表示されている。使用者は、一覧表示されている受領T札のバッファの中から、受領T札を出力したいレコードに対応したチェックボックス25aにチェックを入れ、画面上部の「受領T札をPDF出力する」25bをクリックすることにより、チェックボックス25aにチェックを入れたレコードに対応する受領T札の出力を指示することができる。
ステップS930で肯定判断した場合には、ステップS940へ進み、制御装置303は、一覧表示されている情報に対応する受領T札のPDFデータを出力して、処理を終了する。使用者は、出力された受領T札のPDFデータをプリンタでプリントアウトした上で仕入れ先へ配布する。あるいは、出力された受領T札のPDFデータをメール等で送信することにより仕入れ先へ配布するようにしてもよい。
制御装置303は、使用者によって図16に示したメニュー画面上でメニュー項目の中から「在庫管理」16gがクリックされて選択されたことを検出した場合には、図26に示す在庫管理画面をモニタ305に表示する。この在庫管理画面では、部品や製品の在庫状況を確認することができる。
制御装置303は、使用者によって図16に示したメニュー画面上でメニュー項目の中から「日報・管理諸表」16hがクリックされて選択されたことを検出した場合には、図27に示す種々の管理諸表を表示するための選択画面を表示する。
図27(a)は、設備稼働率実績表の具体例を示している。使用者は、この設備稼働率実績表を見ることで、設備別または部署別の月ごとの設備稼働率を確認することができる。なお、設備稼働率実績表に表示される設備正味稼働率は、どの設備や部署に、非実働作業が何%あるかを把握するための指標である。この設備稼働率は、設備の加工能力の何%を活用しているかを表しているので、使用者は、この指標を把握することにより、生産能力を上げるためにどうすればよいかを検討することができる。また、設備稼働率実績表に表示される総正味稼働時間は、次式(1)によって算出される指標である。なお、次式(1)において、理論加工時間は、段取や設備のトラブル等が無いものとした実加工時間を意味する。
総正味稼働時間=総生産数×理論加工時間 ・・・(1)
図27(b)は、作業異常分析表の具体例を示している。使用者は、この作業異常分析表を見ることで、設備別、部署別、または品番別の月ごとの異常の発生状況を確認することができる。これにより、使用者は、各設備、部署、または品番で、実作業以外の異常作業、すなわち非実働作業がどの位あるのかまたその内容を把握することができる。
図27(c)は、材料歩留実績表の具体例を示している。使用者は、この材料歩留実績表を見ることで、品番別または工程別の月ごとの材料の歩留状況を確認することができる。なお、材料歩留実績表におけるロス率とは、不良率を0と仮定した場合の材料投入量と実際の材料投入量とに基づいて算出されている。したがって、仮に作業者がタブレット端末100による不良数の入力を忘れた場合でも、ここに表示されるロス率に基づいて、不良数を推測することが可能となる。
図27(d)は、労働生産性実績表の具体例を示している。使用者は、この労働生産性実績表を見ることで、部署別、製品別、または作業者個人別の月ごとの労働付加価値を確認することができる。なお、労働生産性実績表では、総付加価値を投入総工数で割ったものを時間当たりの労働付加価値として算出している。なお、総付加価値は、次式(2)により算出される。
総付加価値=標準付加価値額×生産数 ・・・(2)
制御装置303は、使用者によって図16に示したメニュー画面上でメニュー項目の中から「ロット追跡」16iがクリックされて選択されたことを検出した場合には、図28〜図30に示すロット追跡用の画面を表示するための選択画面を表示する。使用者は、これらのロット追跡用の画面を使用して、不良が発生した場合などにロットの追跡を行うことができる。
図28は、追跡可能なロットの一覧を確認するためのロット追跡一覧画面の具体例を示している。このロット追跡一覧画面では、条件指定欄28a内で使用者によって指定された条件に合致したロットに関する情報が一覧表示欄28b内に一覧表示される。例えば、使用者は、条件指定欄28a内で、納入期間、品番、ロット番号、納入先、部署を指定することにより、追跡対象のロットを絞り込むことができる。
制御装置303は、使用者によって一覧表示欄28b内で各レコードに対応して表示されてる「詳細」ボタン28cがクリックされたことを検出した場合には、図29に示すロット詳細画面を表示し、該ロット詳細画面内に、「詳細」ボタン28cがクリックされたレコードに対応するロットの詳細情報を表示する。
また、制御装置303は、使用者によって一覧表示欄28b内で各レコードに対応して表示されている「チェック結果」ボタン28dがクリックされたことを検出した場合には、図30に示すロットチェック結果画面を表示し、該ロットチェック結果画面上で、「チェック結果」ボタン28dがクリックされたレコードに対応するロットに対して、使用者からのチェック結果の入力を受け付ける。
図16に示したメニュー画面上には、上述した各種画面を表示させるためのボタン以外にも、種々のマスタ管理画面を呼び出すためのボタン群16jが表示されている。制御装置303は、このボタン群16jの中からいずれかのマスタ管理画面を呼び出すためのボタンが選択された場合には、そのボタンに応じたマスタ登録画面をモニタ305上に表示する。使用者は、これらのマスタ登録画面上で、製品マスタ、資材マスタ、取引先マスタといった各種マスタへのデータの登録、編集、削除を行うことができる。
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)製造工程管理システム10は、各製造工程に配置されたタブレット端末100と、タブレット端末100と通信を行って各製造工程における製造履歴を管理するためのパソコン300とを備え、タブレット端末100は、自工程における作業情報を特定してパソコン300へ送信するようにし、パソコン300は、タブレット端末100から作業情報を受信し、受信した作業情報を、製品の生産予定ロットごとに一意に付されたロット番号に関連付けて記録するようにした。このように、各製造工程における作業情報をロット番号に関連付けて記録するようにしたので、各部材品に製造番号や製造ロット番号を対応付ける場合と比較して、用いる装置および手順を簡略化することができるため、コスト的に有利となる。
(2)作業情報には、自工程における作業開始時刻及び作業終了時刻、自工程における作業者、自工程における異常発生時刻及び異常解消時刻、自工程で製造された製品または仕掛品の品質チェック結果、自工程で生じた不良品の数量が含まれるようにした。これによって、これらの作業情報を生産履歴として管理することができる。
(3)タブレット端末100では、制御装置102は、作業画面上の異常入力用の表示エリア内で、作業者がいずれかの異常の種類にタッチして異常入力を行うと、その入力時刻を異常発生時刻として特定するようにし、作業者が異常解消のための作業が完了したときに「開始」ボタン7eにタッチし横移動させることにより、「終了」ボタンが表示され、その時刻を異常解消時刻として特定するようにした。これによって、作業者による異常解消のための作業の開始時刻と終了時刻を容易に特定することができる。
(4)タブレット端末100では、制御装置102は、作業画面上の品質チェック結果入力用の表示エリア内での作業者や責任者による入力結果に基づいて、製品または仕掛品の品質チェック結果を特定するようにした。これによって、作業者や責任者による入力結果に基づいて、品質チェックの結果を容易に特定することができる。
(5)タブレット端末100では、制御装置102は、作業画面上の不良数入力用の表示エリア内での作業者による入力結果に基づいて、自工程における作業中に発生した不良品の数量を特定するようにした。これによって、作業者による入力結果に基づいて、自工程における不良品数量を容易に特定することができる。
(6)タブレット端末100では、制御装置102は、納品かんばんデータに基づいて特定した納品先へ出荷すべき製品と、ステップS420で特定した出荷予定製品とを比較して、品違いが発生していないかをチェックし、品違いが発生している場合には、その旨を通知するために警告表示を行うようにした。これにより、作業者は、出荷予定製品が出荷すべき製品と異なっている可能性があることを把握することができる。
(7)タブレット端末100には、作業情報を特定するための特定情報であるバーコードを読み取るためのバーコードリーダー200が接続され、制御装置102は、バーコードリーダー200によって読み取られた情報に基づいて、作業情報を特定するようにした。これによって、各種T番を作業者が手入力する場合と比較して、高速かつ正確に情報を読み取ることができる。
(8)パソコン300のHDD304には、各製造工程における生産予定を特定するための生産予定情報があらかじめ記録されており、制御装置303は、タブレット端末100からの要求に基づいてHDD304から生産予定情報を読み出してタブレット端末100へ送信するようにした。そして、タブレット端末100の制御装置102は、パソコン300から受信した生産予定情報に基づいてタッチパネル103上に生産予定表を表示するようにした。これによって、各製造工程の作業者は、タブレット端末100上で自工程の生産予定を確認することができる。
(9)パソコン300のHDD304には、作業標準書情報があらかじめ記録されており、制御装置303は、タブレット端末100からの要求に基づいてHDD304から作業標準書情報を読み出してタブレット端末100へ送信するようにした。そして、タブレット端末100の制御装置102は、パソコン300から受信した作業標準書情報に基づいてタッチパネル103上に作業標準書を表示するようにした。これによって、各製造工程の作業者は、タブレット端末100上で作業標準書を確認することができる。
(10)製造工程管理システム10は、各製造工程に配置されたタブレット端末100と、タブレット端末100と通信を行って各製造工程における製造履歴を管理するためのパソコン300とを備え、タブレット端末100は、自工程における作業情報を特定してパソコン300へ送信するようにし、パソコン300は、タブレット端末100から作業情報を受信して、製品の生産予定ロットごとに一意に付されたロット番号に関連付けてHDD304に記録し、使用者からの指示に基づいて、HDD304に記録した作業情報をモニタ305に表示するようにした。このように、各製造工程における作業情報をロット番号に関連付けて記録するようにしたので、各部材品に製造番号や製造ロット番号を対応付ける場合と比較して、用いる装置および手順を簡略化することができるため、コスト的に有利となる。さらに、使用者は、各製造工程における作業情報を閲覧することができる。
(11)作業情報は、各製造工程における作業開始時刻および作業終了時刻、作業員に関する情報を含み、制御装置303は、製造工程における作業開始時刻および作業終了時刻、作業員に関する情報に基づいて、各製造工程の作業実績を示す情報を表示するようにした。これによって、使用者は、各製造工程における作業実績を容易に把握することができる。
(12)作業情報は、自工程における異常発生時刻および異常解消時刻に関する情報を含み、制御装置303は、製造工程における異常発生時刻及び異常解消時刻に関する情報に基づいて、各製造工程における異常の発生実績を示す情報を表示するようにした。これによって、使用者は、各製造工程における異常の発生実績を容易に把握することができる。
―変形例―
なお、上述した実施の形態の在庫管理装置は、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、タブレット端末100とパソコン300とを通信回線を介して接続する例について説明した。しかしながら、各製造工程に配置される端末はタブレット端末に限定されない。例えば、スマートフォン、情報端末、パソコン等の情報機器を各製造工程に配置するようにしてもよい。また、パソコン300に代えてサーバー装置を用いてもよい。
(2)上述した実施の形態では、作業情報には、自工程における作業開始時刻及び作業終了時刻、自工程における作業者、自工程における異常発生時刻及び異常解消時刻、自工程で製造された製品または仕掛品の品質チェック結果、自工程で生じた不良品の数量が含まれるようにした。しかしながら、作業情報には、これらのうちの少なくとも1つを含むようにしてもよい。また、生産履歴として記録する必要があるその他の情報をさらに含むようにしても良い。
(3)上述した実施の形態では、各種T番の情報はバーコード化されており、これらの情報は、タブレット端末100に接続されたバーコードリーダー200によって読み取られる例について説明した。しかしながら、他の方法により読み取るようにしてもよい。例えば、各種T番の情報をICタグに記録し、ICタグリーダーを用いて読み取ってもよいし、入力画面を用意し、作業者がタッチパネル103やキーボード等を操作して手入力するようにしてもよい。
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。