JP2013155136A - 散布性の良好な水性懸濁農薬製剤 - Google Patents

散布性の良好な水性懸濁農薬製剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2013155136A
JP2013155136A JP2012017214A JP2012017214A JP2013155136A JP 2013155136 A JP2013155136 A JP 2013155136A JP 2012017214 A JP2012017214 A JP 2012017214A JP 2012017214 A JP2012017214 A JP 2012017214A JP 2013155136 A JP2013155136 A JP 2013155136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mpa
shear rate
aqueous suspension
parts
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012017214A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kakizaki
洋 蛎崎
Masaki Akiyama
正樹 秋山
Yuichi Kurotsu
裕一 黒津
Yoshihiko Nabeya
佳彦 鍋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokko Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokko Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokko Chemical Industry Co Ltd filed Critical Hokko Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2012017214A priority Critical patent/JP2013155136A/ja
Publication of JP2013155136A publication Critical patent/JP2013155136A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

【課題】 蓄圧式散布機からの散布飛距離が長い水性懸濁農薬製剤の提供。
【解決手段】 農薬活性成分、増粘剤、および水を含有し、ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の粘度が5〜50mPa・sであることを特徴とする水性懸濁農薬製剤、および、前記の成分を含有し、ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の粘度が5〜50mPa・sとなるように調製する工程を有することを特徴とする水性懸濁農薬製剤が、上記課題を解決しうる。
【選択図】なし

Description

本発明は、蓄圧式散布機からの散布飛距離が長い水性懸濁農薬製剤、および当該水性懸濁農薬製剤の原液を湛水下水田に直接散布する散布方法に関する。
湛水下水田への水性懸濁農薬製剤の省力的な散布方法としては、田植え機に装着した散布装置から田植えと同時に水性懸濁農薬製剤を水田中に滴下する方法、水性懸濁農薬製剤の入った容器を畦畔から手振りすることで水田中に散布する方法などがある。しかし、田植え機に装着した散布装置から水性懸濁農薬製剤を水田中に滴下する方法は、田植え前、あるいは田植え後に散布する薬剤には不適であり、また、容器を畦畔から手振りすることで散布する方法は、水性懸濁農薬製剤の畦畔からの散布飛距離が短く、面積の大きい水田へ処理する場合には、水田中に有効成分が均一に拡散しきれないため、水田中に入り込んで手振り散布しなければならないという問題がある。
そこで、必ずしも田植えと同時に処理する必要がなく、面積の大きい水田に処理する場合でも水田中に有効成分を均一に拡散させることができる方法として、φ1〜2mm程度の口径を有するノズルを装着した蓄圧式散布機を用いて散布する方法が提案されている。この方法は、畦畔からの水性懸濁農薬製剤の散布飛距離を手振り散布に比べ長くすることができるため、水田中に有効成分を拡散させやすくなる。
このような蓄圧式散布機を用いて水性懸濁農薬製剤を散布する技術としては、濃厚な液体農薬を水田の代掻時から田植え後の水稲の幼苗期に、薬液ボトルとφ0.5〜3mm程度のノズルが装着された水テッポウ型散布機により散布する方法(特許文献1参照)、水和剤もしくは顆粒水和剤を水に懸濁させた形態、フロアブル形態または乳剤形態の水稲用液状農薬を直射的に湛水下水田へ散布する方法(特許文献2参照)、除草活性成分と水を必須成分として含有する除草剤フロアブルを、原液またはこれを水で希釈して耐圧容器に入れて1〜5kg/cmで加圧し、φ1〜2mmの細孔を有するノズルを用いて散布することを特徴とする、湛水田における除草剤フロアブルの散布方法(特許文献3参照)があげられる。
しかしながら、これらの散布方法での飛距離は、散布される水性懸濁農薬製剤の種類に左右され、水性懸濁農薬製剤の種類によっては散布飛距離が短いなどの問題が発生する。特許文献3については、フロアブル原液の粘度についても10〜800mPa・sの範囲との記載があるが、ずり速度との関係は明らかでなく、また、耐圧容器内の圧力は1〜5kg/cm(約0.1〜0.5Mpa)とする必要があり、散布容器内の圧力が低くなると散布飛距離が短くなるため、容器内圧力を高く維持するために頻繁にポンプを作動させる必要があるなどの問題がある。
一方で、製剤粘度についても種々の検討がなされており、特定の農薬活性成分を含有し粘度250〜30センチポイズ(ずり速度38.40sec−1・20℃)となる物性を有することを特徴とする水田用懸濁状除草剤組成物(特許文献4、5参照)、農薬活性成分、増粘剤等よりなり、20℃における粘度が200〜1000mPa・sであり、かつSVI値が2〜10である水性懸濁農薬製剤を非透水性紙製の成形容器に充してなることを特徴とする水性懸濁農薬製剤包装物、および包装物に設けた細孔より水性懸濁農薬製剤を直接湛水下水田に滴下することを特徴とする散布方法(特許文献6、7参照)が提案されている。
しかしながら、これらの製剤粘度に関する技術は、蓄圧式散布機からの散布飛距離を想定したものではなく、粘度測定時のずり速度も0〜38.40sec−1であり、湛水中への水性懸濁農薬製剤の速やかな分散や成型容器からの吐出量の均一性を改良したものである。
特開平6−54638号公報 特開平10−117659号公報 特開平11−169055号公報 特開昭62−84002号公報 特開昭62−84003号公報 特開平10−316501号公報 特開平10−316502号公報
本発明は、蓄圧式散布機からの散布飛距離が長い水性懸濁農薬製剤を提供することにある。
本発明者らは、蓄圧式散布機からの散布飛距離の長い水性懸濁農薬製剤について鋭意検討した。その結果、農薬活性成分、増粘剤、および水を含有し、ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の粘度が5〜50mPa・sであることを特徴とする水性懸濁農薬製剤が、蓄圧式散布機からの散布飛距離が長くなることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明を要約すると次のようになる。
〔1〕農薬活性成分、増粘剤、および水を含有する水性懸濁農薬製剤であって、ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の粘度が5〜50mPa・sであることを特徴とする、水性懸濁農薬製剤。
〔2〕農薬活性成分および水を含有する水性懸濁農薬製剤であって、ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の粘度が5〜50mPa・sとなるように調製する工程を有することを特徴とする、水性懸濁農薬製剤。
〔3〕〔1〕または〔2〕に記載の水性懸濁農薬製剤の原液を、蓄圧式散布機を使用して湛水下水田に直接散布することを特徴とする、散布方法。
本発明の水性懸濁農薬製剤は、蓄圧式散布機内の圧力が0.10Mpa以下の低圧であっても散布飛距離が長く、面積の大きい水田に散布することができる。
また、蓄圧式散布機内の圧力が低い場合であっても一定の散布飛距離を維持できるため、高齢者でも容易に蓄圧式散布機を加圧させ作業することが可能であり、また、散布中に蓄圧式散布機内の圧力が多少低下しても散布飛距離は維持できるため、散布作業中に蓄圧式散布機を加圧する回数も低減できる。
以下、本発明の水性懸濁農薬製剤について詳細に説明する。本発明の水性懸濁農薬製剤を構成する成分、製剤の調製方法、製剤の使用態様などは以下のとおりである。
<構成成分>
(1)農薬活性成分
本発明で使用できる農薬活性成分は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤などの一般に農薬の活性成分として使用されるものであればよい。また、農薬活性成分を2種以上併用しても何らかまわない。このような農薬活性成分としては次のものが挙げられる。
例えば、殺虫剤の例としては、有機リン系、カーバメート系、ネオニコチノイド系、ピレスロイド系、マクロライド系、クロロニコチニル系、ピリジンアゾメチン系、チオウレア系、オキサダイアジン系、フェニルピラゾール系、ネライストキシン系、ベンゾイルヒドラジド系およびベンゾイルフェニル尿素系の殺虫剤、天然殺虫剤、殺ダニ剤、生物農薬などが挙げられる。
例えば、殺菌剤の例としては、無機銅類、有機銅類、無機硫黄剤、有機硫黄剤、有機リン系、フタリド系、ベンゾイミダゾール系、ジカルボキシイミド系、酸アミド系、トリアゾール系、イミダゾール系、メトキシアクリレート系、ストロビルリン系、アニリノピリミジン系、ジチオラン系、キノキサリン系、アミノピリミジン系、フェニルピロール系、トリアジン系、シアノアセトアミド系、グアニジン系、ヒドロキシアニリド系の殺菌剤、抗生物質系殺菌剤、天然物殺菌剤、生物農薬などが挙げられる。
例えば、除草剤の例としては、フェノキシ酸系、カーバメート系、酸アミド系、尿素系、スルホニルウレア系、ピリミジルオキシ安息香酸系、トリアジン系、ダイアジン系、ダイアゾール系、ビピリジリウム系、ジニトロアニリン系、芳香族カルボン酸系、脂肪酸系、アミノ酸系、ニトリル系、シクロヘキサンジオン系、フェニルフタルイミド系、有機リン系、シネオール系、インダンジオン系、ベンゾフラン系、トリアゾロピリミジン系、オキサジノン系、アリルトリアゾリノン系、イソウラゾール系、ピリミジニルチオフタリド系、トリケトン系、トリアゾリノン系、テトラゾリノン系、オキサゾリジンジオン系、無機除草剤、生物農薬などが挙げられる。
例えば、植物成長調節剤の例としては、エチレン剤、オーキシン剤、サイトカイニン剤、ジベレリン剤などが挙げられる。
なお、これらに含まれる個々の具体的な農薬活性成分は、例えば「農薬ハンドブック2011年版」(社団法人 日本植物防疫協会、平成23年2月25日発行)、「SHIBUYA INDEX 9th Edition」(平成13年12月15日発行)、「The Pesticide Manual Eleventh Edition」(British Crop Protection Council 発行)などに記載されており、また、上記以外の公知あるいは、今後開発される農薬活性成分を適用することもでき、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
上記農薬活性成分は、水性懸濁農薬製剤中に、通常0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜45重量%の範囲で添加することができる。
(2)増粘剤
本発明において、増粘剤は製剤の粘度調製、および製剤の貯蔵安定性のために添加される。本発明で使用できる増粘剤は、一般に使用されるものであればよく、例えばキサンタンガム、ラムザンガム、プルラン、トラガントガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、ウエランガム、カゼイン、デキストリン、ダイユータンガム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウムマグネシウム、含水無晶形二酸化ケイ素、結晶セルロースなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
また、これら増粘剤の製剤中での含有量は特に限定されないが、水性懸濁農薬製剤中に、通常0.005〜15重量%、好ましくは0.01〜10重量%である。
(3)その他の成分
本発明において、本発明の要件である特定のずり速度における粘度を超えなければ、必要に応じて、上記必須成分のほかにその他の成分を添加しても構わない。通常、水性懸濁農薬製剤において、有効成分の拡散性を良好にするために界面活性剤が添加される。このような界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤などが用いられる。
例えば、非イオン界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪酸ビスフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンベンジルフェニル( またはフェニルフェニル) エーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニル( またはフェニルフェニル) エーテル、ポリオキシエチレンエーテルおよびエステル型シリコンおよびフッ素系界面活性剤、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
陰イオン界面活性剤としてはアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンベンジル( またはスチリル) フェニル( またはフェニルフェニル) エーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン− ポリオキシプロピレンブロックポリマー硫酸エステル塩、パラフィン( アルカン) スルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノまたはジアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩・ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸ハーフエステル、脂肪酸塩、N − メチル・脂肪酸サルコシネート、樹脂酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンモノまたはジアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンベンジル( またはスチリル) 化フェニル( またはフェニルフェニル) エーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーリン酸エステル塩、ホスファチジルコリン・ホスファチジルエタノールイミン( レシチン) 、アルキルリン酸エステル塩などが挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、ジアルキルジアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタインなどが挙げられる。
なお、本発明で使用できる界面活性剤としては、これらの例示に限られるものではなく、1 種または2 種以上を併用しても何ら問題はない。
界面活性剤の含有量は、効果や経済性を考慮すると、水性懸濁農薬製剤中に0 .1 〜 3 0 重量% が適当であり、好ましくは0 .3 〜 2 0 重量% である。
界面活性剤以外のその他の成分としては、例えば消泡剤としてシリコン系、脂肪酸系物質など、凍結防止剤としてエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど、防腐防バイ剤としてソルビン酸カリウム、p−クロロ−メタキシレノール、p−オキシ安息香酸ブチル、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなど、農薬活性成分の安定化剤として酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤など、水田中への農薬活性成分の拡散性向上を目的としてイソパラフィン、流動パラフィン、メチルナフタレン、アルキルベンゼン類、ナフテン類、二塩基酸エステル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジアルキル(C10〜12)、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシル、米ヌカ油脂肪酸メチルエステル、大豆油脂肪酸メチルエステル、ナタネ油、大豆油、ヒマシ油、ハイゾールSAS−296(JX日鉱日石エネルギー株式会社製の商品名)などの高沸点溶剤などが挙げられるが、ここに例示した成分に限定されるものではない。
なお、本発明には、上記した以外の成分を添加しても何ら問題ない。
<ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の粘度>
本発明の水性懸濁農薬製剤は、ずり速度5000〜10000における20℃の粘度を5〜50mPa・sとする必要がある。ずり速度5000〜10000の範囲は、先端φ1〜2mmの細孔を有するノズルを装着したピストン形式の蓄圧式散布機を高齢者や女性が容易に加圧可能な圧力(約0.05〜0.10MPa)にて、水性懸濁農薬製剤を散布する場合のノズル先端におけるずり速度範囲であり、このずり速度範囲における粘度が50mPa・sより高い製剤では、蓄圧式散布機からの散布飛距離が短く、面積の大きい水田へ散布する場合には、水田中に農薬活性成分が均一に拡散しきれないなどの問題が生じるためである。また、ずり速度が5mPa・s未満になると散布時に薬液が霧状になってしまい、散布飛距離が低下し、更にはドリフトの恐れも生じるためである。
ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の水性懸濁農薬製剤の粘度は、増粘剤の種類によって一義的に決まるものではなく、農薬活性成分、増粘剤などのそれぞれの種類と添加量によって変わるものであるため、本発明においてはこれらを適宜組み合わせて水性懸濁農薬製剤の粘度を5〜50mPa・sとなるように調整すればよい。
<水性懸濁農薬製剤の調製方法>
本発明の水性懸濁農薬製剤の調製方法は特に限定されないが、例えば次の方法によって調製できる。
農薬活性成分、増粘剤および必要に応じてその他の補助剤を、水に添加し混合する。なお、農薬活性成分を予めJet粉砕機などで微粉砕化して使用してもよく、また、農薬活性成分、増粘剤および必要に応じてその他の成分を水に添加後、ガラスビーズなどを用いて湿式粉砕することによって調製してもよい。また、農薬活性成分を高沸点溶剤に溶解して調製してもよい。
<水性懸濁農薬製剤の使用態様>
本発明の水性懸濁農薬製剤は、原液のまま、蓄圧式散布機を用いて畦畔から湛水下水田へ直接散布する。なお、水性懸濁農薬製剤を、水で1.5から10倍程度に希釈して蓄圧式散布機を用いて散布しても何ら問題ない。蓄圧式散布機は、先端φ1〜2mmの細孔を有するノズルを装着することが望ましい。
本発明の水性懸濁農薬製剤の湛水下水田への10aあたりの散布量は、通常0.1〜3.0リットル、好ましくは0.2〜2.0リットル、更に好ましくは0.3〜1.0リットルである。
次に、実施例にて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。従って、農薬活性成分、増粘剤を前述した種々のものに置き換えて、以下の実施例と同様な方法で調製することにより、蓄圧式散布機からの散布飛距離が長い水性懸濁農薬製剤とすることができる。
なお、実施例中の「部」とあるのは、すべて重量部を示す。
また、ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の粘度は、レオメーター(RHEOSTRESS 6000(Thermo社製))を使用し、ずり速度を0から10000まで5分かけて上げていき、ずり速度38.4(1/s)、5000(1/s)および10000(1/s)の粘度を測定した。ずり速度38.4(1/s)は、本願発明におけるずり速度の範囲ではないが、B型粘度計でも測定可能なずり速度の範囲から、一般的なずり速度の対照として測定した。あわせて5000〜10000(1/s)のずり速度全域の粘度を確認した。
[実施例1]
水82.8部にアルキルナフタレンスルホン酸塩3.0部、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル1.0部、エチレングリコール10.0部を添加し、スリーワンモーター(HEIDON製)でよく攪拌し溶解する。その後、シメトリン原体3.0部を添加しTKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて混合し、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく攪拌して、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は453mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は15mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は14mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例2]
実施例1のアルキルナフタレンスルホン酸塩3.0部およびポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル1.0部をリグニンスルホン酸塩2.0部およびポリオキシエチレンアルキルエーテル1.0部とし、水82.8部を83.8部とした以外は実施例1に準じて調製し、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は471mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は26mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は24mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例3]
実施例1のキサンタンガム0.2部をウエランガム0.4部、水82.8部を82.6部とした以外は実施例1に準じて調製し、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は438mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は47mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は42mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例4]
実施例1のアルキルナフタレンスルホン酸塩3.0部およびポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル1.0部をアルキルナフタレンスルホン酸塩1.0部およびポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル3.0部とし、キサンタンガム0.2部をキサンタンガム0.1部およびコロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.3部とし、水82.8部を82.6部とした以外は実施例1に準じて調製し、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は434mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は33mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は30mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例5]
MEP原体5.0部、アルキルベンセンスルホン酸塩1.0部、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル3.0部をスリーワンモーターでよく攪拌し混合後、あらかじめスリーワンモーターでよく攪拌し溶解しておいた水80.5部、エチレングリコール10.0部の混合液に添加し、TKホモミキサーにて更に混合する。その後、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部を添加しTKホモミキサーで混合し、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく攪拌して、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は656mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は42mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は40mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例6]
カルボスルファン原体20.0部、ジアルキルスルホサクシネート1.0部、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル5.0部をスリーワンモーターでよく攪拌し混合後、あらかじめスリーワンモーターでよく攪拌し溶解しておいた水68.8部、プロピレングリコール5.0部の混合液に添加し、TKホモミキサーにて更に混合する。その後、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく攪拌して、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は459mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は17mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は16mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例7]
MCPBエチル原体4.8部、フタル酸ジトリデシル5.0部、アルキルベンゼンスルホン酸塩1.0部、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル5.0部をスリーワンモーターでよく攪拌し混合後、あらかじめスリーワンモーターでよく攪拌し溶解しておいた水79.0部、エチレングリコール5.0部の混合液に添加し、TKホモミキサーにて更に混合する。その後、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく攪拌して、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は466mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は18mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は18mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例8]
水74.9部にアルキルナフタレンスルホン酸塩5.0部、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー3.0部、エチレングリコール10.0部、カスガマイシン原体2.0部を添加し、スリーワンモーターでよく攪拌し溶解する。その後、イソパラフィン5.0部を添加しTKホモミキサーにて混合し、ラムザンガム0.1部を添加し、スリーワンモーターでよく攪拌して、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は478mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は37mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は35mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例9]
水78.8部にアルキルベンゼンゼンスルホン酸塩3.0部、グリセリン8.0部、よく攪拌し溶解する。そこにブタクロール原体10.0部を添加しTKホモミキサーにて混合し、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく攪拌して、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は463mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は25mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は22mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例10]
水65.0部にジアルキルスルホサクシネート2.5部、グリセリン8.0部、ピロキロン原体24.0部を入れよく攪拌し溶解する。そこにデキストリン0.5部を添加し、スリーワンモーターでよく攪拌して、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は682mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は47mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は45mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例11]
水71.9部にジアルキルナフタレンスルホン酸塩3.0部、プロピレングリコール5.0部、よく攪拌し溶解する。そこにブプロフェジン原体20.0部を添加しTKホモミキサーにて混合し、ラムザンガム0.1部を添加し、スリーワンモーターでよく攪拌して、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は321mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は16mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は14mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[実施例12]
水74.6部にリグニンスルホン酸塩3.0部、エチレングリコール5.0部、よく攪拌し溶解する。そこにブロモブチド原体17.0部を添加しTKホモミキサーにて混合し、ウエランガム0.4部を添加し、スリーワンモーターでよく攪拌して、本発明の水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は562mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は40mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は38mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に5〜50mPa・sであった。
[比較例1]
実施例1のキサンタンガム0.2部を0.4部とし、水82.8部を82.6部とした以外は実施例1に準じて調製し、水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は1100mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は72mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は70mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に50mPa・sより高かった。
[比較例2]
実施例2のキサンタンガム0.2部をウエランガム0.6部とし、水83.8部を83.4部とした以外は実施例2に準じて調製し、水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は709mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は72mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は71mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に50mPa・sより高かった。
[比較例3]
実施例5のポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル3.0部を5.0部、キサンタンガム0.2部およびコロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3をキサンタンガム0.4部およびコロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.2部とし、水83.8部を78.4部とした以外は実施例5に準じて調製し、水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は600mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は61mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は60mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に50mPa・sより高かった。
[比較例4]
実施例6のキサンタンガム0.2部を0.5部とし、水68.8部を68.5部とした以外は実施例6に準じて調製し、水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は900mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は58mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は55mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に50mPa・sより高かった。
[比較例5]
実施例7のポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル5.0部を7.0部、キサンタンガム0.2部をラムザンガム0.4部とし、水79.0部を76.8部とした以外は実施例7に準じて調製し、水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は950mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は80mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は78mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に50mPa・sより高かった。
[比較例6]
実施例8のイソパラフィン5.0部を13.0部とし、水74.9部を64.9部とした以外は実施例8に準じて調製し、水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は340mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は55mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は53mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に50mPa・sより高かった。
[比較例7]
実施例9のアルキルベンゼンスルホン酸塩3.0部をアルキルリン酸エステル塩6.0部、キサンタンガム0.2部をダイユータンガム0.2部とし、水78.8部を75.8部とした以外は実施例9に準じて調製し、水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は450mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は56mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は54mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に50mPa・sより高かった。
[比較例8]
実施例10のジアルキルスルホサクシネート2.5部を5.0部、デキストリン0.5部をキサンタンガム0.2部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.5部添加し、水65.0部を62.3部とした以外は実施例10に準じて調製し、水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は682mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は89mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は84mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に50mPa・sより高かった。
[比較例9]
実施例11のジアルキルナフタレンスルホン酸塩3.0部を7.0部とし、ラムザンガムを0.1部から0.3部に水71.9部を67.7部とした以外は実施例11に準じて調製し、水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は515mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は62mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は59mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に50mPa・sより高かった。
[比較例10]
実施例12のリグニンスルホン酸塩3.0部をアルキル硫酸エステル5.0部とし、水74.6部を72.6部とした以外は実施例12に準じて調製し、水性懸濁農薬製剤を得た。得られた水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、ずり速度38.4(1/s)の時は546mPa・s、ずり速度5000(1/s)の時は59mPa・s、ずり速度10000(1/s)の時は58mPa・sであった。なお、レオメーターにてずり速度5000〜10000(1/s)にずり速度を上げて測定している間の水性懸濁農薬製剤の20℃の粘度は、常に50mPa・sより高かった。
次に、試験例により、本発明の水性懸濁農薬製剤の有用性を示す。
<試験例1 散布飛距離確認試験>
直噴専用の径1.0mmの丸孔を有するノズルを取り付けた5リットル容の蓄圧式散布機の容器内に実施例に準じて調製した水性懸濁農薬製剤2リットルを入れ、蓋を閉めて、ピストンポンプを上下させることで加圧した。蓄圧式散布機内の圧力を0.05MPa、0.10MPa、0.30MPaの3条件で水性懸濁農薬製剤を散布し、それぞれの条件における散布飛距離を測定した。結果は、表1、2のとおりである。
Figure 2013155136
Figure 2013155136
なお、蓄圧式散布機内の圧力を0.05MPa、0.10MPaにピストンポンプを用いて加圧するのは容易であったが、0.30MPa以上に加圧するためにはピストンポンプを上下させるのにかなりの労力が必要である。
表1、2に記載した内容から明らかなように、実施例1〜12の水性懸濁農薬製剤の散布飛距離は、蓄圧式散布機内の圧力が0.05MPaの場合でも6〜8mとなり散布飛距離が長く、良好であった。一方、散布機内の圧力が0.05MPaの場合、ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の粘度が50mPa・sより高い比較例1〜10の場合は、散布飛距離が2〜4mと短く、顕著な差が認められた。

Claims (3)

  1. 農薬活性成分、増粘剤、および水を含有する水性懸濁農薬製剤であって、ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の粘度が5〜50mPa・sであることを特徴とする、水性懸濁農薬製剤。
  2. 農薬活性成分、増粘剤、および水を含有する水性懸濁農薬製剤であって、ずり速度5000〜10000(1/s)における20℃の粘度が5〜50mPa・sとなるように調製する工程を有することを特徴とする、水性懸濁農薬製剤。
  3. 請求項1または2に記載の水性懸濁農薬製剤の原液を、蓄圧式散布機を使用して湛水下水田に直接散布することを特徴とする、散布方法。
JP2012017214A 2012-01-30 2012-01-30 散布性の良好な水性懸濁農薬製剤 Pending JP2013155136A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012017214A JP2013155136A (ja) 2012-01-30 2012-01-30 散布性の良好な水性懸濁農薬製剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012017214A JP2013155136A (ja) 2012-01-30 2012-01-30 散布性の良好な水性懸濁農薬製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013155136A true JP2013155136A (ja) 2013-08-15

Family

ID=49050701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012017214A Pending JP2013155136A (ja) 2012-01-30 2012-01-30 散布性の良好な水性懸濁農薬製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013155136A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013155137A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Hokko Chem Ind Co Ltd 散布性および付着性の改良された水性懸濁農薬製剤
JP2014104255A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 St Corp 噴霧型消臭組成物及び消臭製剤

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0975786A (ja) * 1995-09-12 1997-03-25 Lion Corp 圧力噴霧ノズルおよび噴霧方法
JPH10503123A (ja) * 1994-07-26 1998-03-24 ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニー 低粘度粘性塗料の塗布器
JPH10117659A (ja) * 1996-08-30 1998-05-12 Nissan Chem Ind Ltd 水稲用液状農薬の散布方法
JPH11169055A (ja) * 1997-06-18 1999-06-29 Hokko Chem Ind Co Ltd 湛水田における除草剤フロアブルの散布方法
JP2002037702A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Yuukou Yakuhin Kogyo Kk 水性懸濁農薬組成物
JP2003073229A (ja) * 2001-09-03 2003-03-12 Asahi Kasei Corp セルロースを含有するスプレー剤
JP2004026845A (ja) * 1997-02-07 2004-01-29 Hokko Chem Ind Co Ltd 湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤
WO2004061043A1 (ja) * 2002-12-27 2004-07-22 Asahi Kasei Chemicals Corporation スプレー用組成物
JP2009269838A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Hokko Chem Ind Co Ltd 薬害の軽減された除草水性懸濁製剤
JP2010037200A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd スプレー用組成物およびそれを用いたスプレー噴霧装置
JP2013155137A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Hokko Chem Ind Co Ltd 散布性および付着性の改良された水性懸濁農薬製剤

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10503123A (ja) * 1994-07-26 1998-03-24 ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニー 低粘度粘性塗料の塗布器
JPH0975786A (ja) * 1995-09-12 1997-03-25 Lion Corp 圧力噴霧ノズルおよび噴霧方法
JPH10117659A (ja) * 1996-08-30 1998-05-12 Nissan Chem Ind Ltd 水稲用液状農薬の散布方法
JP2004026845A (ja) * 1997-02-07 2004-01-29 Hokko Chem Ind Co Ltd 湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤
JPH11169055A (ja) * 1997-06-18 1999-06-29 Hokko Chem Ind Co Ltd 湛水田における除草剤フロアブルの散布方法
JP2002037702A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Yuukou Yakuhin Kogyo Kk 水性懸濁農薬組成物
JP2003073229A (ja) * 2001-09-03 2003-03-12 Asahi Kasei Corp セルロースを含有するスプレー剤
WO2004061043A1 (ja) * 2002-12-27 2004-07-22 Asahi Kasei Chemicals Corporation スプレー用組成物
JP2009269838A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Hokko Chem Ind Co Ltd 薬害の軽減された除草水性懸濁製剤
JP2010037200A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd スプレー用組成物およびそれを用いたスプレー噴霧装置
JP2013155137A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Hokko Chem Ind Co Ltd 散布性および付着性の改良された水性懸濁農薬製剤

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
藤山薫: "「農薬液体製剤の物性評価方法について−回転粘度計におけるレオロジー測定−」", 第28回農薬製剤・施用法シンポジウム講演要旨, JPN6015021116, 2008, pages 28 - 33, ISSN: 0003082599 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013155137A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Hokko Chem Ind Co Ltd 散布性および付着性の改良された水性懸濁農薬製剤
JP2014104255A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 St Corp 噴霧型消臭組成物及び消臭製剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2781674T3 (es) Método de preparación para nanodispersión sólida de pesticida
JP6882241B2 (ja) 殺有害生物剤のスプレードリフトを制御するためのマイクロカプセル化油
ES2577457T3 (es) Composición en emulsión y composición agroquímica en emulsión
JP2007077044A (ja) 水中懸濁性農薬製剤
KR101956962B1 (ko) 서스포에멀젼
TWI678967B (zh) 農藥乳劑組成物
MX2014010707A (es) Emulsion estabilizada con coloide organico para controlar la desviacion de la pulverizacion de pesticida.
KR20180098320A (ko) 고랑에서의 종자의 현장 처리
BR112020025690A2 (pt) Coformulação estável de benzoilureia com piretroides
JP5919006B2 (ja) 散布性および付着性の改良された水性懸濁農薬製剤
WO2015113467A1 (en) An aqueous suspoemulsion containing lambda-cyhalothrin and methods for making and using the same
JP2013155136A (ja) 散布性の良好な水性懸濁農薬製剤
JP2011168517A (ja) 安定化された水性懸濁製剤
JP5280733B2 (ja) 薬害の軽減された除草水性懸濁製剤
US20150011599A1 (en) Thickening composition for use in agrochemical formulations, use of a thickening composition and agrochemical formulations containing a thickening composition
JP5232025B2 (ja) 安定化された水性懸濁製剤
JP6790063B2 (ja) トリアゾール殺菌剤、脂肪酸アミド及び芳香族炭化水素を含む、乳剤
JP5095642B2 (ja) 保存安定性に優れた水性懸濁農薬製剤
JPWO2012115070A1 (ja) 農業用薬剤およびその製造方法
JP2009062291A (ja) 水性懸濁状農薬組成物及びマイクロカプセル内農薬活性成分の溶出制御方法
JP4615086B2 (ja) サスポエマルジョン型の農園芸用農薬組成物
JP5763958B2 (ja) 保存性の改良された水性懸濁製剤
JP5480487B2 (ja) 保存性の改良された水性懸濁製剤包装物及び水性懸濁製剤の保存方法
JP6770697B2 (ja) 除草水性懸濁製剤、その製造方法及びその製剤による薬害の軽減方法
Shera et al. RECENT DEVELOPMENTS IN PESTICIDE FORMULATION TECHNOLOGY

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150727

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151119