JP2011168517A - 安定化された水性懸濁製剤 - Google Patents

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Keiichiro Koimaru
圭一郎 古井丸
Masaki Akiyama
正樹 秋山
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佳彦 鍋谷
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Abstract

【課題】本発明は、真夏の倉庫内のような高温(約50℃)と、真冬の保管(約−10℃)といった気温の変化がある中で、長期にわたり貯蔵しても分離沈降することがなく、優れた懸濁安定性を示す水性懸濁製剤を提供することを目的とする。
【解決手段】農薬活性成分、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、界面活性剤および水よりなることを特徴とする水性懸濁製剤が、前記課題を解決し得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、長期にわたる貯蔵中に分離沈降することがなく、優れた懸濁安定性を示す水性懸濁製剤に関する。
水性懸濁製剤は、水をベースとした製剤であるため、安全性の高い製剤である。しかしながら、水性懸濁製剤は製造後の長期保存により、農薬活性成分や補助成分からなる分散質が沈降するなどの問題があり、この現象は特に周囲の温度環境、真夏の高温や真冬の低温によりに大きく影響を受けることが知られている。
これらの問題を解決する1つの方法として、界面活性剤やポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を用いることが知られており、以下のような様々な研究が行われている。
(1)O,O−ジメチル S−(1,2−ジ−(エトキシカルボニル)エチル)フォスホロジチオエート、 O,O−ジメチル O−(4−シアノフェニル)フォスホロチオエート、O,O−ジメチル S−(α−(エトキシカルボニル)ベンジル)フォスホロジチオエート、O,O−ジメチル O−(2−イソプロピル−4−メチル−6−ピリミジニル)フォスホロチオエートから選ばれた1種または2種以上を1〜50重量%、ポリビニルアルコールまたはアラビアガム2〜10重量%、適当量の増粘剤および残分水から実質的に成ることを特徴とする水中油型懸濁状殺虫組成物(特許文献1参照)。
(2)常温で固体の水不溶性殺生剤5.0〜50.0重量%、フッ素系界面活性剤0.001〜5.0重量%および水溶性増粘剤0.001〜30.0重量%を必須成分として含有することを特徴とする水性懸濁状殺生剤組成物(特許文献2参照)。
(3)活性成分として、殺虫活性成分、殺菌殺活性成分および防ばい剤活性成分から選ばれた1種以上、水溶性セルロースエーテルおよび水よりなることを特徴とする水性懸濁製剤(特許文献3参照)。
(4)農薬活性成分、タンパク質、ポリビニルアルコールおよび界面活性剤を含有することを特徴とする水性乳化懸濁状農薬組成物(特許文献4参照)。
(5)20℃の水に対する溶解度が100ppm以下である除草活性成分と保護コロイド剤、高沸点溶剤および水よりなることを特徴とする湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤(特許文献5参照)。
(6)農薬活性成分として、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルトルエン−4−スルホナート;界面活性剤として、ポリオキシアルキレン・アルキルエーテル・リン酸エステル、ポリビニルアルコール、フェニルフェノール・リン酸エステル塩及びポリオキシアルキレン・ビススチリルフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤;有機溶剤として、有機酸エステル;並びに、水を含有する湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤(特許文献6参照)。
(7)(a)水難溶性除草活性成分、(b)水易溶性除草活性成分、(c)ノニオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種、(d)アニオン性水溶性高分子、(e)水難溶性有機溶剤及び(f)水を含有する水性除草剤組成物(特許文献7参照)。
(8)変性ポリビニルアルコールからなり、水を媒体とし、除草活性成分を含有する湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤の貯蔵安定化剤および散布時の水面拡展剤(特許文献8参照)。
(9)4−クロロベンジル=N−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)チオアセトイミダート、ナフテン系溶剤、ポリビニルアルコールおよび水よりなり、20℃での製剤粘度が100〜1000mPa・sであることを特徴とする、水性懸濁製剤(特許文献9参照)。
などがあげられる。
これらの技術により、高温での長期保管や、保管中に製剤が凍結したときに増粘、分散質が凝集するといった製剤の懸濁安定性はある程度改善さている。しかしながら、これらの技術でも真夏の倉庫内のような高温(約50℃)の環境と、真冬の保管(約−10℃)による凍結を想定した場合、懸濁安定性や沈降の面で十分であるとはいえない。
特開昭56−120608号公報 特開昭63−68502号公報 特開平10−306001号公報 特開平10−182302号公報 特開平11−158006号公報 特開2001−89307号公報 特開2001−328907号公報 特開2002−293702号公報 特開2007−145754号公報
本発明は、真夏の倉庫内のような高温(約50℃)と、真冬の保管(約−10℃)といった気温の変化がある中で、長期にわたり貯蔵しても分離沈降することがなく、優れた懸濁安定性を示す水性懸濁製剤を提供することを目的とする。
発明者らは、このような目的を達成するために鋭意研究した。その結果、農薬活性成分、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、界面活性剤および水よりなることを特徴とする水性懸濁製剤が、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
〔1〕
農薬活性成分、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、界面活性剤および水よりなることを特徴とする、水性懸濁製剤、
〔2〕
前記ポリビニルアルコール1重量部に対してメチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.02〜1.5重量部の割合で含有することを特徴とする、〔1〕に記載の水性懸濁製剤、
〔3〕
前記メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシル基置換率が27〜32モル%であり、かつ2%水溶液の粘度が6000mPa・s以下であることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の水性懸濁製剤、
〔4〕
前記界面活性剤の添加量が製剤中の0.1〜30重量%であることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の水性懸濁製剤、
を提供する。
本発明の水性懸濁製剤は、約50℃の高温条件、約−10℃の低温条件にさらされた場合でも分離沈降することがなく、優れた懸濁安定性を示す。
本発明について詳細に説明する。本発明の水性懸濁製剤を構成する成分、製剤の調製方法、製剤の使用態様などは以下のとおりである。
<構成成分>
(1)農薬活性成分
本発明で用いる農薬活性成分は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤などの一般に農薬の活性成分として使用されるものであれば特に限定されず、農薬活性成分を1種または2種以上併用しても何らかまわない。このような農薬活性成分としては次のものが挙げられる。
例えば、殺虫剤として有機リン系(MEPなど)、カーバメート系、ピレスロイド系、ピリジンアゾメチン系、ベンゼンジカルボキサミド系、ベンゾイルヒドラジド系、ネオニコチノイド系、トリアジン系、チオウレア系、オキサダイアジン系、フェニルピラゾール系、ネライストキシン系およびベンゾイルフェニル尿素系の殺虫剤、昆虫成長制御剤(ブプロフェジンなど)、天然殺虫剤、生物農薬、殺ダニ剤および殺線虫剤などが挙げられる。
殺菌剤としては、例えば、無機銅類、有機銅類、無機硫黄剤、有機硫黄剤、有機リン系、フタリド系、ベンゾイミダゾール系、ジカルボキシイミド系、酸アミド系、トリアゾール系、イミダゾール系、メトキシアクリレート系、ストロビルリン系、アニリノピリミジン系、ジチオラン系、キノキサリン系、アミノピリミジン系、フェニルピロール系、トリアジン系、シアノアセトアミド系、グアニジン系、ヒドロキシアニリド系の殺菌剤、抗生物質系殺菌剤、エルゴステロール生合成阻害剤(イミベンコナゾールなど)、天然物殺菌剤、生物農薬などが挙げられる。
除草剤としては、例えば、フェノキシ酸系、カーバメート系、酸アミド系(ブタクロールなど)、尿素系、スルホニルウレア系、ピリミジルオキシ安息香酸系、トリアジン系(シメトリンなど)、ダイアジン系、ダイアゾール系、ビピリジリウム系、ジニトロアニリン系、芳香族カルボン酸系、脂肪酸系、アミノ酸系、ニトリル系、シクロヘキサンジオン系、フェニルフタルイミド系、有機リン系、シネオール系、インダンジオン系、ベンゾフラン系、トリアゾロピリミジン系、オキサジノン系、アリルトリアゾリノン系、イソウラゾール系、ピリミジニルチオフタリド系、無機除草剤、生物農薬などが挙げられる。
植物成長調節剤としては、例えば、エチレン系、オーキシン系、サイトカイニン系、ジベレリン系などが挙げられる。
なお、これらに含まれる個々の具体的な農薬活性成分は、例えば「農薬ハンドブック2005年版」(社団法人 日本植物防疫協会、平成17年10月 発行)、「SHIBUYA INDEX 14th Edition」(SHIBUYA INDEX研究会、平成21年11月 発行)、「The Pesticide Manual Fifteenth Edition」(British Crop Protection Council、平成21年11月 発行)などに記載されている。
また、本発明において使用される農薬活性成分として、上記以外の公知あるいは、今後開発される農薬活性成分を適用することもできる。
上記農薬活性成分は、水性懸濁製剤中に、通常0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜50重量%である。
(2)ポリビニルアルコール
本発明において、ポリビニルアルコールは低温安定性、すなわち低温条件にさらされた場合の懸濁安定性に関与する。
本発明で使用できるポリビニルアルコールとしては、特に限定はされないが、平均重合度が2500以下、ケン化度70〜90モル%のものがよい。平均重合度はより好ましくは2000以下である。平均重合度が2000を超えると製剤粘度が高くなりすぎて水希釈性または湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤では水中での拡散性が悪いなどの問題があり、ケン化度が70モル%未満では高温時にポリビニルアルコールの析出が著しくなり、90モル%を超えると製剤の懸濁安定性が悪くなる傾向があるなどの問題があるからである。
このようなポリビニルアルコールの例としては、例えば、ゴーセノールKL−05(日本合成化学工業株式会社製の商品名、平均重合度500、ケン化度78.5〜82.0モル%)、ゴーセノールGL−05(日本合成化学工業株式会社製の商品名、平均重合度500、ケン化度86.5〜89.0モル%)、ゴーセノールKH−20(日本合成化学工業株式会社製の商品名、平均重合度2000、ケン化度78.5〜81.5モル%)、ゴーセノールKP−08(日本合成化学工業株式会社製の商品名、平均重合度800、ケン化度71.0〜73.5モル%)などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題はない。
ポリビニルアルコールの製剤中の含有量は0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%である。
(3)メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース
メチルセルロースは、セルロース中に含まれる1つのグルコース残基中の3個のヒドロキシル基のうち約2個がメトキシル基で置換されており、ヒドロキシプロピルメチルセルロースはメチルセルロースのメトキシル基の一部がさらにヒドロキシプロポキシル基で置換されたものである。
本発明に用いるメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースは製剤の懸濁安定性の面から、20℃における2%水溶液として粘度が6000mPa・s以下のものが好ましい。
なお、水溶液の粘度はB型粘度計((株)トキメック製)を用いてローターNo2、3もしくは4を使用し、回転数12r.p.m、温度20℃で測定した。このような水溶性セルロースエーテルのうち、メチルセルロースとしては、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「メトローズSM−4000」(メトキシル基置換率27.5%〜31.5%、熱ゲル化温度約55℃、2%水溶液の粘度3500〜5600mPa・s)などがあり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「メトローズ65SH−50」(メトキシル基置換率27%〜30%、熱ゲル化温度約55℃、約75℃、2%水溶液の粘度40〜60mPa・s)、商品名「メトローズ60SH−4000」(メトキシル基置換率28%〜30%、熱ゲル化温度約60℃、約75℃、2%水溶液の粘度3500〜5600mPa・s)などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
本発明において、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースは高温安定性、つまり高温条件にさらされた場合の懸濁安定性に関与する。しかしながら、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースとポリビニルアルコールを併用した場合、その添加割合によっては製剤の懸濁安定性が悪くなることがある。
そのため、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの添加量は、製剤の懸濁安定性の向上効果からポリビニルアルコール1重量部に対して0.02〜1.5重量部の割合で含有することが望ましい。メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの添加割合が、上記範囲を外れると逆にポリビニルアルコールとの相性から、懸濁安定性が悪くなる傾向があるためである。また、同様の理由から、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシル基置換率は27〜32モル%のものが好ましく、さらに好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースがよい。
(4)界面活性剤
本発明では界面活性剤を含有することが必須条件である。農薬活性成分、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、水よりなる農薬製剤に、界面活性剤を添加することで、分散粒子の凝集、乳化粒子のクリーミングや合一などが抑えられ懸濁安定性が向上した水性懸濁製剤を得ることができる。本発明に用いる界面活性剤の種類は、水性懸濁製剤中に農薬活性成分を分散させるあるいは、液体農薬活性成分や高沸点溶剤を乳化させる働きを有するものであれば特に限定されない。そして、このような界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、および両性界面活性剤などがあげられ、これらの界面活性剤を併用してもかまわない。
このような非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、フッ素系界面活性剤(パーフルオロアルキルカルボン酸など)、シリコーン系界面活性剤(ポリオキシアルキレンジメチルポリシロキサンコポリマーなど)、アセチレングリコール系界面活性剤(2,4,7,9−テトラメチル−デジン−4,7−ジオールなど)などがあるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
陰イオン界面活性剤の例としては、ポリカルボン酸系界面活性剤、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の塩などがあるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤の例としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイドなどがあるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
上記した界面活性剤の添加量は、その効果と経済性より考えて製剤中に0.1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは、製剤中に0.3〜20重量%である。
(5)その他成分
本発明の水性懸濁製剤は、上記した必須成分のほかに補助剤として、本発明の効果を失わない範囲で以下のような成分を添加してもかまわない。
例えば、本発明では高沸点溶剤を併用することができる。融点の低い活性成分の場合、これを高沸点溶剤に溶解することにより、活性成分が液体化したり、結晶化したり、製剤の懸濁安定性が悪くなったりすることがない。また、常温で液体の活性成分の場合、液体活性成分を高沸点溶剤に溶かして乳化分散させる、または別々に水中に乳化分散させることにより、資材の懸濁安定性が良好な製剤を得ることができる。
このような高沸点溶剤としては、例えば、ソルベッソ150(エクソン化学株式会社製の商品名)、ハイゾールE、ハイゾールF(日本石油化学株式会社製の商品名)、カクタスソルベントP100、カクタスソルベントP150、カクタスソルベントP187、カクタスソルベントP200(日本鉱業株式会社製の商品名)、アルケン56N、アルケン60NH,アルケンL(日本石油化学株式会社製の商品名)などのアルキルベンゼン系溶剤、カクタスソルベント220、カクタスソルベントP240(日本鉱業株式会社製の商品名)、ソルベッソ200(エクソン化学株式会社製の商品名)、精製メチルナフタレン(住金化工株式会社製)、ジイソプロピルナフタレンなどのアルキルナフタレン系溶剤、イソパラフィン、流動パラフィン、n−パラフィンなどのパラフィン系溶剤、ナフテゾール(日本石油化学株式会社製の商品名)、Exssol(エクソン化学株式会社製の商品名)などのナフテン系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−1,3−ブタンジオールなどのアルコール系溶剤、N−メチルピロリドン、n−オクチルピロリドン、n−ドデシルピロリドンなどのアルキルピロリドン系溶剤、デュポンDBE(デュポン株式会社製の商品名)、フタル酸ジトリデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジアルキル(C10〜C13)、トリメリット酸トリノルマルアルキル(C8〜C10)、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリアルキル(C9)、トリメリット酸トリイソデシル、アジピン酸ジオレイルなどの多塩基酸エステル系溶剤、オレイン酸イソブチル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、パーム脂肪酸メチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸−2−エチルヘキシル、オレイン酸メチル、オレイン酸オクチル、オレイン酸ラウリル、オレイン酸デシルなどの脂肪酸エステル、ハイゾールSAS−296、ハイゾールSAS−LH(日本石油化学株式会社製の商品名)など、米ヌカ油脂肪酸メチルエステル、大豆油脂肪酸メチルエステルなどの植物油脂肪酸エステル、ナタネ油、大豆油、ヒマシ油、綿実油、コーン油などの植物油を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、また、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題はない。高沸点溶剤を併用する場合は製剤中の含有量は1〜50重量%、好ましくは3〜30重量%がよい。
また、凍結防止剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンなどが挙げられ、鉱物質系増粘剤としては、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸マグネシウムおよびコロイド性含水ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどが挙げられ、消泡剤としては、シリコーン系および脂肪酸系物質などが挙げられ、防ばい剤としては、ソルビタン酸、ソルビン酸カリウム、p−クロロ−メタキシレノール、p−オキシ安息香酸ブチルおよびプロキセルなどが挙げられ、農薬活性成分の安定化剤としては、酸化防止剤、紫外線防止剤および結晶析出防止剤などが挙げられる。
なお、本発明において使用できる補助剤は、上記の例に限定されるものではない。
<水性懸濁製剤の調製方法>
上記のような本発明に関わる水性懸濁製剤は、農薬活性成分を混合し、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、界面活性剤などを用いて水に分散させる方法、農薬活性成分を単独あるいは高沸点溶剤に混合し、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、界面活性剤などを用いて水に乳化させる方法、またはこの両方の方法を用いてもよい。また、その他の補助剤、例えば、高沸点溶剤、鉱物質系増粘剤、凍結防止剤、消泡剤、防ばい剤、酸化防止剤、紫外線防止剤などを添加して調製してもよい。
次に、実施例で本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。従って、農薬活性成分、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース、界面活性剤などを前述した種々のものに置き換えて、以下の実施例と同様な方法で調製することにより、懸濁安定性に優れる水性懸濁製剤とすることができる。
なお、実施例中の「部」とあるのは、すべて重量部を示す。
〔実施例1〕
水55.3部に、ポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度78.5〜81.5モル%)2.5部、メチルセルロース(メトキシル基置換率27.5〜31.5、2%水溶液の粘度が1200〜1800mPa・s)1.8部を溶解し、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル3.0部、ポリカルボン酸系界面活性剤2.0部およびコロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.2部を加えて混合し、MEP原体25.0部とオレイン酸イソブチル10.0部を混合させたものを上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて乳化した。その後、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーター(HEIDON製)でよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例2〕
水67.4部に、ポリビニルアルコール(平均重合度500、ケン化度86.5〜89.0モル%)1.5部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基置換率27〜30、2%水溶液の粘度が3500〜5600mPa・s)2.6部を溶解し、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー2.0部、アルキルベンゼンスルホン酸塩1.0部を加えて混合し、MEP原体25.0部を上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。その後、アラビアガム0.5部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例3〕
水47.0部に、ポリビニルアルコール(平均重合度800、ケン化度71.0〜73.5モル%)2.5部、メチルセルロース(メトキシル基置換率27.5〜31.5、2%水溶液の粘度が3500〜5600mPa・s)1.3部を溶解し、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル3.0部、ジアルキルスルホサクシネート1.0部を加えて混合し、MEP原体25.0部とイソパラフィン20.0部を混合させたものを上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。その後、ウエランガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例4〕
水66.3部にポリビニルアルコール(平均重合度500、ケン化度78.5〜82.0モル%)2.5部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基置換率27〜30、2%水溶液の粘度が80〜120mPa・s)1.0部を溶解し、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル3.0部、リグニンスルホン酸塩2.0部、ブプロフェジン原体20.0部を加えTKホモミキサーにて混合する。その後、硬質ガラスビーズを用いてダイノミルKDL型(Willy A.Bachofen AG製)にて湿式粉砕し、粉砕液を得た。そこにフタル酸ジアルキル(C10〜13)5.0部を徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。その後、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例5〕
水74.28部にポリビニルアルコール(平均重合度500、ケン化度86.5〜89.0モル%)1.5部、メチルセルロース(メトキシル基置換率27.5〜31.5、2%水溶液の粘度が40〜60mPa・s)0.02部を溶解し、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩2.0部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー2.0部、ブプロフェジン原体20.0部を加え実施例4と同様に混合後湿式粉砕し、粉砕液を得た。そこにグアーガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例6〕
水87.8部にポリビニルアルコール(平均重合度500、ケン化度78.5〜82.0モル%)1.5部、メチルセルロース(メトキシル基置換率27.5〜31.5、2%水溶液の粘度が8000〜10000mPa・s)1.8部を溶解し、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル3.0部、ジアルキルスルホサクシネート0.5部、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.2部、イミベンコナゾール原体5.0部を加え実施例4と同様に混合後湿式粉砕し、粉砕液を得た。そこにウエランガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例7〕
水90.5部にポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度78.5〜81.5モル%)1.0部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基置換率19〜24、2%水溶液の粘度が80〜120mPa・s)1.0部を溶解し、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル1.0部、ポリカルボン酸系界面活性剤1.0部、イミベンコナゾール原体5.0部を加え実施例4と同様に混合後湿式粉砕し、粉砕液を得た。そこにアラビアガム0.5部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例8〕
水86.6部にポリビニルアルコール(平均重合度2000、ケン化度86.5〜89.0モル%)1.0部、メチルセルロース(メトキシル基置換率27.5〜31.5、2%水溶液の粘度が3500〜5600mPa・s)0.1部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基置換率27〜30、2%水溶液の粘度が350〜550mPa・s)0.1部を溶解し、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル1.0部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩2.0部、シメトリン原体9.0部を加え実施例4と同様に混合後湿式粉砕し、粉砕液を得た。そこにキサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例9〕
水86.9部にポリビニルアルコール(平均重合度500、ケン化度80.0〜83.0モル%)1.0部、メチルセルロース(メトキシル基置換率27.5〜31.5、2%水溶液の粘度が3500〜5600mPa・s)0.2部を溶解し、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル2.0部、アルキルベンゼンスルホン酸塩0.5部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.2部、シメトリン原体9.0部を加え実施例4と同様に混合後湿式粉砕し、粉砕液を得た。そこにキサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例10〕
水73.27部に、ポリビニルアルコール(平均重合度1700、ケン化度78.0〜81.0モル%)1.5部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基置換率28〜30、2%水溶液の粘度が3500〜5600mPa・s)0.03部を溶解し、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー4.0部、ポリカルボン酸系界面活性剤1.0部を加えて混合し、ブタクロール原体20.0部を上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。その後、ウエランガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例11〕
水72.0部に、ポリビニルアルコール(平均重合度2300、ケン化度86.5〜89.0モル%)1.5部、メチルセルロース(メトキシル基置換率27.5〜31.5、2%水溶液の粘度が350〜550mPa・s)2.3部を溶解し、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー2.0部、リグニンスルホン酸塩2.0部を加えて混合し、ブタクロール原体20.0部を上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。その後、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔実施例12〕
水61.7部に、ポリビニルアルコール(平均重合度800、ケン化度71.0〜73.5モル%)2.5部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基置換率28〜30、2%水溶液の粘度が1200〜1800mPa・s)2.3部を溶解し、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル3.0部、ジアルキルスルホサクシネート0.3部を加えて混合し、ブタクロール原体20.0部と米ヌカ油脂肪酸メチルエステル10.0部を混合させたものを上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。その後、グアーガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
〔比較例1〕
実施例1の水性懸濁製剤のうち、メチルセルロースを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例1と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例2〕
実施例2の水性懸濁製剤のうち、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例2と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例3〕
実施例3の水性懸濁製剤のうち、メチルセルロースおよび界面活性剤を除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例3と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例4〕
実施例4の水性懸濁製剤のうち、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例4と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例5〕
実施例5の水性懸濁製剤のうち、ポリビニルアルコールを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例5と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例6〕
実施例6の水性懸濁製剤のうち、ポリビニルアルコールおよび界面活性剤を除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例6と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例7〕
実施例7の水性懸濁製剤のうち、ポリビニルアルコールを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例7と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例8〕
実施例8の水性懸濁製剤のうち、ポリビニルアルコールを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例8と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例9〕
実施例9の水性懸濁製剤のうち、ポリビニルアルコールを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例9と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例10〕
実施例10の水性懸濁製剤のうち、ポリビニルアルコールを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例10と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例11〕
実施例11の水性懸濁製剤のうち、ポリビニルアルコールおよびメチルセルロースを除き、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトキシル基置換率19〜24、2%水溶液の粘度が1200〜1800mPa・s)2.3部を加え、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例11と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例12〕
実施例12の水性懸濁製剤のうち、ポリビニルアルコールおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例12と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
〔比較例13〕
実施例12の水性懸濁製剤のうち、界面活性剤を除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例12と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
<試験例1>製剤懸濁安定性試験
実施例1〜12および比較例1〜13で調製した水性懸濁製剤を、容量30ml(φ17mm×長さ180mm)の試験管に30ml入れ、密栓をし、次の2条件で経時虐待試験を行った。
条件1:50℃、90日間
条件2:50℃、7日間保存後、−10℃、7日間保存することを1サイクルとし、これを6回繰り返した(合計84日間)。
そして、虐待条件後に、試験管中に製剤が下層に沈降し、上層に生じた水層(上スキ層)と全層の高さ(cm)を測定して、下記式により算出した。試験結果を表1、2に示す。
Figure 2011168517
Figure 2011168517
Figure 2011168517
<表の説明>
表1に記載された結果から明らかなように農薬活性成分、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、界面活性剤および水を含有する実施例1〜12で調製した製剤の懸濁安定性試験の結果はいずれも高い数値を示し、優れた懸濁安定性を示した。これに対し、表2に記載された比較例1〜13で調製した製剤は懸濁安定性が悪く、顕著な差が認められた。
詳細に検討を行うと、実施例12と比較例12の試験結果から界面活性剤を含んでもポリビニルアルコールとメチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースを含まない製剤は、条件2による高低温サイクル負荷試験の値は低く、懸濁安定性を改善しないことがわかる。
比較例1〜11において、ポリビニルアルコールまたは、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースのどちらかを含まない製剤は、いずれも条件2の高低温サイクル負荷条件において懸濁安定性が不十分であることがわかる。
一方、比較例13の試験結果から、ポリビニルアルコールとメチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースの両方を含めば、条件1および2おける懸濁安定性の向上が認められるが、実施例12において、界面活性剤を同時に含有することによって懸濁安定性の更なる向上が認められることがわかる。そして、その向上の割合は、比較例3と比較例1,2,4および比較例6と比較例5,7〜11からポリビニルアルコールもしくは、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースに界面活性剤を含有する場合と比較して、高い。
したがって、農薬活性成分、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、界面活性剤および水を含有する水性懸濁製剤の長期保存安定性は高いといえる。

Claims (4)

  1. 農薬活性成分、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース、界面活性剤および水よりなることを特徴とする、水性懸濁製剤。
  2. 前記ポリビニルアルコール1重量部に対してメチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.02〜1.5重量部の割合で含有することを特徴とする、請求項1に記載の水性懸濁製剤。
  3. 前記メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシル基置換率が27〜32モル%であり、かつ2%水溶液の粘度が6000mPa・s以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の水性懸濁製剤。
  4. 前記界面活性剤の添加量が製剤中の0.1〜30重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の水性懸濁製剤。
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