JP4658585B2 - 保存安定性の改良された水性懸濁製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、長期保存後も優れた懸濁安定性を示す水性懸濁製剤の提供に関する。
水性懸濁製剤は、引火性や臭いが少ないことから、安全面および環境衛生面で優れた製剤である。しかしながら、製造後に、長期にわたって保存している間に、水中に分散している農薬活性成分や補助成分からなる分散質が沈降し、ときにはそうした沈降物からなる沈降層が固化して再分散が困難となり、また、沈降によって分散質が分離するといった問題点も指摘されている。
従って、長期保存する場合における上記の沈降や分離を防止して安定な製剤を得るために、以下に例示されるような様々な研究がなされている。
特許文献1では、農薬活性成分、植物油脂肪酸アルキルエステル、水溶性高分子化合物、界面活性剤および水よりなり、製剤粘度が25℃において100〜1000mPa・Sであることを特徴とする、水性懸濁状農薬が提案されている。
また、特許文献2では、農薬活性成分、式ROOCCH2CH2CH2COOR(式中、Rは低級アルキル基)で表されるグルタル酸ジエステル、天然水溶性高分子化合物および水よりなり、製剤粘度が25℃において100〜1000mPa・Sであることを特徴とする、水性懸濁農薬製剤が提案されている。
しかしながら、上記いずれの発明においても、長期保存後の安定性が十分に達成されているとは必ずしも言えない。
本発明は、上記の発明を基礎として、さらなる研究を進め改良を重ねた結果、溶剤として特定の化学構造を有するジアリールアルカンと天然水溶性高分子化合物とが併用された水性懸濁製剤が、長期保存後も優れた懸濁安定性を示すという知見に基づきなされたものである。
なお、溶剤としてジアリールアルカンを含む農薬組成物については、以下のような発明が開示されている。
特許文献3には、殺虫成分の2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル3−フェノキシベンジルエーテル、次式(I)
Figure 0004658585
(式中、Xは低級アルキル基またはアラルキル基を、nは0または1〜4の整数を示す)で表される化合物、および界面活性剤を含有する水性農薬組成物が開示されている。
また、特許文献4には、下記式(I)に示す構造からなるジアリールアルカン
Figure 0004658585
(式中、R1はメタンまたはエタンから誘導される2価の基、R2およびR3は水素原子または炭素数が3もしくは4のアルキル基、およびR4は炭素数が3または4のアルキル基を表し、R2、R3およびR4のアルキル基は同一でも異なってもよい)および有害生物防除剤活性成分からなることを特徴とする有害生物防除剤組成物が開示されている。
しかしながら、上記のジアリールアルカンが配合された農薬組成物の発明は、いずれもキシレン等の有機溶剤を含まない、不快臭が少なく引火のおそれが少ない農薬組成物の提供を目的とした発明であって、水性懸濁製剤の保存安定性の向上を目的としたものではなく、さらに本発明の懸濁製剤が必須とする天然水溶性高分子化合物は使用されていない。
特開平10−7504号公報 特開平9−143003号公報 特開平7−69806号公報 特開平9−77612号公報
本発明の課題は、長期保存後も優れた懸濁安定性を示す、すなわち長期保存中において分散質が沈降し分離することのない、長期保存安定性に優れる水性懸濁製剤を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した。その結果、農薬活性成分、特定の化学構造を有するジアリールアルカン、界面活性剤、天然水溶性高分子化合物および水よりなることを特徴とする、水性懸濁製剤が前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、農薬活性成分、下記式(I)に示す構造のジアリールアルカン、界面活性剤、天然水溶性高分子化合物および水よりなることを特徴とする水性懸濁製剤である。
Figure 0004658585
(式中、R1はメタンまたはエタンから誘導される2価の基であり、R2は直鎖状もしくは分岐状のブチル基を示す。)
また、本発明は、ジアリールアルカンが、sec−ブチルジフェニルメタン、sec−ブチル−1,1−ジフェニルエタンおよびsec−ブチル−1,2−ジフェニルエタンからなる群より選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする水性懸濁製剤である。
また、本発明は、天然水溶性高分子化合物が、植物粘質物又は微生物による粘質物であることを特徴とし、さらに、製剤中に分散する粒子の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする水性懸濁製剤である。
本発明の水性懸濁製剤は、長期保存後も優れた懸濁安定性を示すため、懸濁液中の分散物が容器の底に沈降して固化し、攪拌しても再分散されない、或いは固化物を容器から取り出せなくなって製品価値を失うなどの問題は生じない。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の水性懸濁製剤を構成する成分、製剤の調製方法、製剤の使用態様などは以下のとおりである。
<1>構成成分
(1) 農薬活性成分
本発明で用いる農薬活性成分は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤などの一般に農薬の活性成分として使用されるものであればよい。また、農薬活性成分を2種以上併用しても何らかまわない。
このような農薬活性成分としては、次のものが挙げられる。
例えば、殺虫剤として、MEPなどの有機リン系、カーバメート系、ピレスロイド系、クロロニコチニル系、フェニルピラゾール系、ネライストキシン系およびベンゾイルフェニル尿素系の殺虫剤、天然殺虫剤、殺ダニ剤などが挙げられる。
殺菌剤としては、例えば、無機銅類、有機銅類、無機硫黄剤、有機硫黄剤、有機リン系、フサライドなどのフタリド系、ベンズイミダゾール系、ジカルボキシイミド系、酸アミド系、イミベンコナゾールなどのトリアゾール系、イミダゾール系、メトキシアクリレート系、ストロビルリン系、アニリノピリミジン系、ジチオラン系、キノキサリン系、アミノピリミジン系、フェニルピロール系、トリアジン系、シアノアセトアミド系、グアニジン系の殺菌剤、カスガマイシンなどの抗生物質系殺菌剤および天然物殺菌剤などが挙げられる。
除草剤としては、例えば、フェノキシ酸系、カーバメート系、酸アミド系、ブタクロールなどのアセトアニリド系、尿素系、スルホニル尿素系、ピリミジルオキシ安息香酸系、トリアジン系、ダイアジン系、ダイアゾール系、ビピリジウム系、ジニトロアニリン系、芳香族カルボン酸系、イミダゾリノン系、脂肪酸系、有機リン系、アミノ酸系、ジフェニルエーテル系、ニトリル系などの除草剤が挙げられる。
植物成長調節剤としては、例えば、エチレン系、オーキシン系、サイトカイニン系、ジベレリン系などが挙げられる。
これらに含まれる個々の具体的な農薬活性成分は、例えば「農薬ハンドブック2001年版」(財団法人日本植物防疫協会、平成13年11月1日発行)、「SHIBUYA INDEX 9th Edition」(平成13年12月15日発行)、「The Pesticide Manual Eleventh Edition」(British Crop Protection Council発行)などに記載されている。
また、本発明において使用される農薬活性成分として、上記以外の公知あるいは、今後開発される農薬活性成分を適用することもできる。
上記農薬活性成分は、水性懸濁製剤中に、通常0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜50重量%含まれる。
(2) ジアリールアルカン
本発明で使用することができるジアリールアルカンは下記式(I)に示す構造を有するものである。
Figure 0004658585
式中、R1はメタンまたはエタンから誘導される2価の基、例えば-CH2-、-CH2-CH2-、-CH=CH-である。また、R2は直鎖状もしくは分岐状のブチル基を示し、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチルが例示される。
上記のジアリールアルカンの具体例としては、ブチルジフェニルメタン、ブチル−1,1−ジフェニルエタン、ブチル−1,2−ジフェニルエタンであり、ブチル基としては、上述のようにn−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチルのいずれでも良い。また、これらは単独あるいは混合して用いることができる。
なお、本発明の水性懸濁製剤を実施するには、sec−ブチルジフェニルメタン、sec−ブチル−1,1−ジフェニルエタンおよびsec−ブチル−1,2−ジフェニルエタンが好ましい。
本発明で使用するジアリールアルカンは、水性懸濁製剤中に、0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%含まれる。
(3) 界面活性剤
本発明では界面活性剤を使用する。このような界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤などが用いられる。
例えば、非イオン界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪酸ビスフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンベンジルフェニル(またはフェニルフェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニル(またはフェニルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンエーテルおよびエステル型シリコンおよびフッ素系界面活性剤、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
陰イオン界面活性剤としてはアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンベンジル(またはスチリル)フェニル(またはフェニルフェニル)エーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー硫酸エステル塩、パラフィン(アルカン)スルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノまたはジアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩・ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸ハーフエステル、脂肪酸塩、N−メチル・脂肪酸サルコシネート、樹脂酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンモノまたはジアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンベンジル(またはスチリル)化フェニル(またはフェニルフェニル)エーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーリン酸エステル塩、ホスファチジルコリン・ホスファチジルエタノールイミン(レシチン)、アルキルリン酸エステル塩などが挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、ジアルキルジアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタインなどが挙げられる。
なお、本発明で使用できる界面活性剤としては、これらの例示に限られるものではなく、1種または2種以上を併用しても何ら問題はない。
界面活性剤の含有量は、効果や経済性を考慮すると、水性懸濁製剤中に0.1〜30重量%が適当であり、好ましくは0.3〜20重量%である。
(4) 天然水溶性高分子化合物
本発明で用いる天然水溶性高分子化合物としては、下記のものが挙げられる。ただし、本発明は、以下の例示に限定されるものではない。
(a)デンプン
例えば、バレイショデンプン、小麦デンプン、デキストリンである。
(b)海藻類
例えば、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンである。
(c)植物粘質物
例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、アラビノガラクタン、大豆おからから抽出された水溶性多糖類(ソヤファイブ(登録商標))などである。
(d)微生物による粘質物
例えば、キサンタンガム、プルラン、ラムザンガム、ウエランガムである。
(e)その他
タンパク質として、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、小麦グルテン、植物タンパク分解物が例示される。また、繊維質として、微結晶セルロースが例示される。
上記の天然水溶性高分子化合物の1種または2種以上を併用することができる。また、天然水溶性高分子化合物の水性懸濁製剤中の含有量は、0.01〜10重量%の範囲、好ましくは0.05〜5重量%の範囲である。
上記の天然水溶性高分子化合物の中でも、水性懸濁製剤の安定性の観点から、植物粘質物または微生物による粘質物が好ましく、特に好ましいものはキサンタンガムである。
(5)その他の成分
本発明の水性懸濁製剤には、上記の必須成分のほかに、必要に応じて、有機溶剤、合成あるいは天然の鉱物質系増粘剤、凍結防止剤、消泡剤、防バイ剤、酸化防止剤、紫外線防止剤などの補助剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
ここに、天然の鉱物質系増粘剤を具体的に示せば、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム・マグネシウムなどが挙げられる。
また、合成鉱物質系増粘剤としては、例えば、Si、Mg、Al等を含む無機化合物より合成されたコロイド性含水ケイ酸塩があり、スメクトン(クニミネ工業株式会社の商品名)、合成スメクタイト(コープケミカル株式会社の商品名)などが挙げられる。
これらの合成または天然の鉱物質系増粘剤は、水性懸濁製剤中の含有量が0.05〜10重量%となるような量で、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
凍結防止剤としては、具体的には、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどを挙げることができる。
消泡剤としては、シリコン系、あるいは脂肪酸系のものを用いることができ、また、防バイ剤(防かび・防腐保存料)としては、具体的には、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、p−クロロ−メタキシレノール、p−オキシ安息香酸ブチルなどを用いることができる。
なお、本発明において使用できる補助剤は、上記の例に限定されるものではない。
<2> 製剤中の分散粒子の平均粒子径
本発明では、製剤中の分散粒子の平均粒子径を10μm以下とすることが好ましい。製剤中の分散粒子の平均粒子径が10μmより大きくなると、長期保存中の懸濁安定性が悪くなるというデメリットが生じるからである。
また、微粒子化のための粉砕に要する時間やコストなどの経済性を考慮すると平均粒子径は0.1μm以上とすることが好ましい。
ここで、平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定し、粒子の体積中位径として求められた値である。
製剤中の分散粒子の平均粒子径を10μm以下とするためには、製剤中の粒子(農薬活性成分、製剤中に含まれる補助成分など)が常温で水に溶解しない固体の場合は、予め10μm以下の平均粒子径のものを使用するか、あるいは、粉砕して平均粒子径を10μm以下に調整することができる。
また、製剤中の分散粒子が常温で水に溶解しない液体の場合は、界面活性剤などを用いて乳化させ、平均粒子径を10μm以下にすればよい。
なお、常温で水に溶解しない固体の農薬活性成分、補助成分を、本発明のジアリールアルカンあるいは有機溶剤などに溶解し、界面活性剤などを用いて乳化させ、平均粒子径を10μm以下としてもよい。
<3>水性懸濁製剤の調製方法
本発明の水性懸濁製剤の調製方法は特に限定されないが、例えば次の方法によって調製できる。
農薬活性成分、本発明のジアリールアルカンの1種または2種以上、界面活性剤、天然水溶性高分子化合物および必要に応じてその他の補助剤を、水に添加し混合する。なお、農薬活性成分、界面活性剤、その他補助剤を本発明のジアリールアルカンに溶解して用いてもよいし、あるいは、溶解せずに各々を別々に添加することもできる。
<4>水性懸濁製剤の使用態様
上記により調製した水性懸濁製剤は、例えば、原液のまま、または水で1.5〜5倍程度に希釈して水田に直接散布する方法、あるいは、水で50〜5000倍程度に希釈して、噴霧機などを用いて作物や雑草に茎葉散布する方法、あるいは、空中からヘリコプターなどを使用して、原液のまま、または水で2〜100倍程度に希釈して散布する方法で適用できるが、これらに限定されるわけではない。
次に、実施例で本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。従って、農薬活性成分、ジアリールアルカン、界面活性剤、天然水溶性高分子化合物を前述した種々のものに置き換えて以下の実施例と同様な方法で調製することにより、長期保管後も優れた懸濁安定性を示す水性懸濁製剤とすることができる。
なお、実施例中の「部」とあるのは、すべて重量部を示す。
また、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−2000J」(株
式会社島津製作所製)で測定し、粒子の体積中位径として求めた。
〔実施例1〕
水40部、予め溶解させたMEP(フェニトロチオン)30部とポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル8部、ドデシルベンゼンスルホン酸塩1部とsec−ブチルジフェニルメタン4部の混合液、プロピレングリコール5部および2%キサンタンガム水溶液12部を加え、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて、5000rpmで10分間攪拌混合し、製剤中の分散粒子の平均粒子径が5.3μmの水性懸濁製剤を得た。
〔実施例2〕
水48.5部、イミベンコナゾール原体30部、予め溶解させたsec−ブチルジフェニルメタン1部とsec−ブチル−1,1−ジフェニルエタン0.5部とsec−ブチル−1,2−ジフェニルエタン0.5部の混合液、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1部、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー3部、ジアルキルスルホサクシネート0.5部、エチレングリコール5部を加え、TKホモミキサーにて5000rpmで10分間攪拌混合する。その後、この混合液を粉砕用メディアとして直径0.8〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用い、ダイノミルKDL型(Willy A. Bachofen AG製)にて湿式粉砕し、更に2%グアーガム水溶液10部を添加し、製剤中の分散粒子の平均粒子径が2.5μmの水性懸濁製剤を得た。
〔実施例3〕
水35.8部、カスガマイシン1.2部、フサライド15部、予め溶解させたポリオキシエチレンスチリルフエニルエーテル5部とsec−ブチル−1,2−ジフェニルエタン30部、リグニンスルホン酸塩3部、プロピレングリコール5.0部および2%キサンタンガム5部を加え、TKホモミキサーにて5000rpmで10分間攪拌混合し、製剤中の分散粒子の平均粒子径が3.1μmの水性懸濁製剤を得た。なお、常温で水への溶解度の低いフサライドは、予めJet-O-mizer(セイシン企業株式会社製)にて平均粒子径3.1μmに粉砕したものを用いた。
後掲の表1に記載のとおり、上記実施例1〜3に準拠して製剤No.1〜10を調製した。製剤No.1は、実施例1で得られた製剤であり、製剤No.2〜6は、実施例1において各成分の種類や配合量を他のものに変えて同様の製法で調製された製剤である。同様に、製剤No.7は、実施例2で得られた製剤であり、製剤No.8はそのバリエーションである。また、製剤No.9は、実施例3で得られた製剤であり、製剤No.10はそのバリエーションである。
比較製剤No.1〜10は実施例1〜3に準じて調製したものであるが、比較製剤No.1、3、4、5、8はジアリールアルカンを配合しない例であり、比較製剤No.2、7、9は天然水溶性高分子化合物を配合しない例である。比較製剤No.6、10はジアリールアルカンのR2のブチル基をプロピル基に変えた例である。
〔長期保存安定性の試験〕
次に、以下の試験方法によって、上記のとおり調製した製剤No.1〜10および比較製剤No.1〜10に関して、長期保存安定性の試験を以下の方法に従って行った。
試験方法:調製した水性懸濁農薬製剤を容量30ml(φ17mm×長さ180mm)の試験管に30mm入れ、密栓をし、室温(20℃)または40℃の恒温室に静置した。
当初は、直立した試験管内の上部液面から底部まで(測定値は約14.5cmの高さ)の全体が懸濁液であるが、時間が経過すると、次第に懸濁安定性が失われ分散質が沈降するようになる。その結果、試験管上部に、分散質が分離脱落することによって上澄み層が生じ、これが徐々に下方に向かって拡大する一方、上澄み層の下方に位置する懸濁層は徐々
に縮小する。
そして、室温(20℃)で3か月経過後、40℃で3か月経過後のそれぞれの時点において上澄み層の高さ(試験管の上部液面から上澄み層と懸濁層の界面までの距離)を測定し、当初の懸濁層の高さ(約14.5cm)を基準にして、下記式により懸濁安定性を算出した。
Figure 0004658585
懸濁液が安定している場合は、分散質が脱落した上澄み層が小さく、逆に懸濁層が大きいので、算出される数値が大きなものとなる。例えば、分散質が全く分離しないような非常に安定的な懸濁液の場合は、上澄み層が生じないので、算出される懸濁安定性は100%となる。
その結果は表1のとおりである。
Figure 0004658585
Figure 0004658585
表1に記載された結果から明らかなように、製剤No.1〜10の懸濁安定性は「室温
3ヶ月」で98〜100%、「40℃3ヶ月」で90〜99%であったのに対して、比較製剤No.1〜10では「室温3ヶ月」で61〜89%、「40℃3ヶ月」で52〜81%と顕著な差異が見られた。

Claims (4)

  1. 農薬活性成分、下記式(I)に示す構造のジアリールアルカン、界面活性剤、天然水溶性高分子化合物としてバレイショデンプン、小麦デンプン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、アラビノガラクタン、大豆おからから抽出された水溶性多糖類、キサンタンガム、プルラン、ラムザンガム、ウエランガム、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、小麦グルテン、植物タンパク分解物および微結晶セルロースからなる群より選ばれた1種または2種以上の化合物、および水よりなることを特徴とする水性懸濁製剤。
    Figure 0004658585
    (式中、R1はメタンまたはエタンから誘導される2価の基であり、R2は直鎖状もしくは分岐状のブチル基を示す。)
  2. ジアリールアルカンが、sec−ブチルジフェニルメタン、sec−ブチル−1,1−ジフェニルエタンおよびsec−ブチル−1,2−ジフェニルエタンからなる群より選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1記載の水性懸濁製剤。
  3. 天然水溶性高分子化合物が、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、アラビノガラクタン、大豆おからから抽出された水溶性多糖類、キサンタンガム、プルラン、ラムザンガムおよびウエランガムからなる群より選ばれた1種または2種以上の化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載の水性懸濁製剤。
  4. 製剤中に分散する粒子の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性懸濁製剤。
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