JP4658585B2 - 保存安定性の改良された水性懸濁製剤 - Google Patents
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Description
特許文献3には、殺虫成分の2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル3−フェノキシベンジルエーテル、次式(I)
(1) 農薬活性成分
本発明で用いる農薬活性成分は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤などの一般に農薬の活性成分として使用されるものであればよい。また、農薬活性成分を2種以上併用しても何らかまわない。
このような農薬活性成分としては、次のものが挙げられる。
上記農薬活性成分は、水性懸濁製剤中に、通常0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜50重量%含まれる。
本発明で使用することができるジアリールアルカンは下記式(I)に示す構造を有するものである。
本発明では界面活性剤を使用する。このような界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤などが用いられる。
界面活性剤の含有量は、効果や経済性を考慮すると、水性懸濁製剤中に0.1〜30重量%が適当であり、好ましくは0.3〜20重量%である。
本発明で用いる天然水溶性高分子化合物としては、下記のものが挙げられる。ただし、本発明は、以下の例示に限定されるものではない。
例えば、バレイショデンプン、小麦デンプン、デキストリンである。
(b)海藻類
例えば、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンである。
(c)植物粘質物
例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、アラビノガラクタン、大豆おからから抽出された水溶性多糖類(ソヤファイブ(登録商標))などである。
例えば、キサンタンガム、プルラン、ラムザンガム、ウエランガムである。
(e)その他
タンパク質として、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、小麦グルテン、植物タンパク分解物が例示される。また、繊維質として、微結晶セルロースが例示される。
上記の天然水溶性高分子化合物の中でも、水性懸濁製剤の安定性の観点から、植物粘質物または微生物による粘質物が好ましく、特に好ましいものはキサンタンガムである。
本発明の水性懸濁製剤には、上記の必須成分のほかに、必要に応じて、有機溶剤、合成あるいは天然の鉱物質系増粘剤、凍結防止剤、消泡剤、防バイ剤、酸化防止剤、紫外線防止剤などの補助剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
消泡剤としては、シリコン系、あるいは脂肪酸系のものを用いることができ、また、防バイ剤(防かび・防腐保存料)としては、具体的には、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、p−クロロ−メタキシレノール、p−オキシ安息香酸ブチルなどを用いることができる。
なお、本発明において使用できる補助剤は、上記の例に限定されるものではない。
本発明では、製剤中の分散粒子の平均粒子径を10μm以下とすることが好ましい。製剤中の分散粒子の平均粒子径が10μmより大きくなると、長期保存中の懸濁安定性が悪くなるというデメリットが生じるからである。
また、微粒子化のための粉砕に要する時間やコストなどの経済性を考慮すると平均粒子径は0.1μm以上とすることが好ましい。
ここで、平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定し、粒子の体積中位径として求められた値である。
なお、常温で水に溶解しない固体の農薬活性成分、補助成分を、本発明のジアリールアルカンあるいは有機溶剤などに溶解し、界面活性剤などを用いて乳化させ、平均粒子径を10μm以下としてもよい。
本発明の水性懸濁製剤の調製方法は特に限定されないが、例えば次の方法によって調製できる。
農薬活性成分、本発明のジアリールアルカンの1種または2種以上、界面活性剤、天然水溶性高分子化合物および必要に応じてその他の補助剤を、水に添加し混合する。なお、農薬活性成分、界面活性剤、その他補助剤を本発明のジアリールアルカンに溶解して用いてもよいし、あるいは、溶解せずに各々を別々に添加することもできる。
上記により調製した水性懸濁製剤は、例えば、原液のまま、または水で1.5〜5倍程度に希釈して水田に直接散布する方法、あるいは、水で50〜5000倍程度に希釈して、噴霧機などを用いて作物や雑草に茎葉散布する方法、あるいは、空中からヘリコプターなどを使用して、原液のまま、または水で2〜100倍程度に希釈して散布する方法で適用できるが、これらに限定されるわけではない。
なお、実施例中の「部」とあるのは、すべて重量部を示す。
また、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−2000J」(株
式会社島津製作所製)で測定し、粒子の体積中位径として求めた。
水40部、予め溶解させたMEP(フェニトロチオン)30部とポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル8部、ドデシルベンゼンスルホン酸塩1部とsec−ブチルジフェニルメタン4部の混合液、プロピレングリコール5部および2%キサンタンガム水溶液12部を加え、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて、5000rpmで10分間攪拌混合し、製剤中の分散粒子の平均粒子径が5.3μmの水性懸濁製剤を得た。
水48.5部、イミベンコナゾール原体30部、予め溶解させたsec−ブチルジフェニルメタン1部とsec−ブチル−1,1−ジフェニルエタン0.5部とsec−ブチル−1,2−ジフェニルエタン0.5部の混合液、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1部、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー3部、ジアルキルスルホサクシネート0.5部、エチレングリコール5部を加え、TKホモミキサーにて5000rpmで10分間攪拌混合する。その後、この混合液を粉砕用メディアとして直径0.8〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用い、ダイノミルKDL型(Willy A. Bachofen AG製)にて湿式粉砕し、更に2%グアーガム水溶液10部を添加し、製剤中の分散粒子の平均粒子径が2.5μmの水性懸濁製剤を得た。
水35.8部、カスガマイシン1.2部、フサライド15部、予め溶解させたポリオキシエチレンスチリルフエニルエーテル5部とsec−ブチル−1,2−ジフェニルエタン30部、リグニンスルホン酸塩3部、プロピレングリコール5.0部および2%キサンタンガム5部を加え、TKホモミキサーにて5000rpmで10分間攪拌混合し、製剤中の分散粒子の平均粒子径が3.1μmの水性懸濁製剤を得た。なお、常温で水への溶解度の低いフサライドは、予めJet-O-mizer(セイシン企業株式会社製)にて平均粒子径3.1μmに粉砕したものを用いた。
比較製剤No.1〜10は実施例1〜3に準じて調製したものであるが、比較製剤No.1、3、4、5、8はジアリールアルカンを配合しない例であり、比較製剤No.2、7、9は天然水溶性高分子化合物を配合しない例である。比較製剤No.6、10はジアリールアルカンのR2のブチル基をプロピル基に変えた例である。
次に、以下の試験方法によって、上記のとおり調製した製剤No.1〜10および比較製剤No.1〜10に関して、長期保存安定性の試験を以下の方法に従って行った。
試験方法:調製した水性懸濁農薬製剤を容量30ml(φ17mm×長さ180mm)の試験管に30mm入れ、密栓をし、室温(20℃)または40℃の恒温室に静置した。
に縮小する。
そして、室温(20℃)で3か月経過後、40℃で3か月経過後のそれぞれの時点において上澄み層の高さ(試験管の上部液面から上澄み層と懸濁層の界面までの距離)を測定し、当初の懸濁層の高さ(約14.5cm)を基準にして、下記式により懸濁安定性を算出した。
その結果は表1のとおりである。
3ヶ月」で98〜100%、「40℃3ヶ月」で90〜99%であったのに対して、比較製剤No.1〜10では「室温3ヶ月」で61〜89%、「40℃3ヶ月」で52〜81%と顕著な差異が見られた。
Claims (4)
- 農薬活性成分、下記式(I)に示す構造のジアリールアルカン、界面活性剤、天然水溶性高分子化合物としてバレイショデンプン、小麦デンプン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、アラビノガラクタン、大豆おからから抽出された水溶性多糖類、キサンタンガム、プルラン、ラムザンガム、ウエランガム、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、小麦グルテン、植物タンパク分解物および微結晶セルロースからなる群より選ばれた1種または2種以上の化合物、および水よりなることを特徴とする水性懸濁製剤。
- ジアリールアルカンが、sec−ブチルジフェニルメタン、sec−ブチル−1,1−ジフェニルエタンおよびsec−ブチル−1,2−ジフェニルエタンからなる群より選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1記載の水性懸濁製剤。
- 天然水溶性高分子化合物が、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、アラビノガラクタン、大豆おからから抽出された水溶性多糖類、キサンタンガム、プルラン、ラムザンガムおよびウエランガムからなる群より選ばれた1種または2種以上の化合物であることを特徴とする、請求項1または2記載の水性懸濁製剤。
- 製剤中に分散する粒子の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性懸濁製剤。
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