JP2010150143A - 殺虫効果の向上した水性懸濁製剤 - Google Patents

殺虫効果の向上した水性懸濁製剤 Download PDF

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圭一郎 古井丸
Masaki Akiyama
正樹 秋山
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Abstract

【課題】本発明は殺虫効果が向上し、かつ、製剤の懸濁安定性および水希釈時の分散性に優れた水性懸濁製剤を得るにある。
【解決手段】殺虫活性成分、フタル酸エステル、界面活性剤、水溶性高分子化合物および水よりなり、フタル酸エステルを水中に乳化分散させたときの平均乳化粒子径が15.0μm以下であることを特徴とする、構成要件とで殺虫効果の向上した水性懸濁製剤を構成している。
【選択図】なし

Description

本発明は、殺虫効果が向上し、かつ、製剤の懸濁安定性および水希釈時の分散性に優れた水性懸濁製剤に関するものである。
近年、農薬製剤の人畜、周辺環境に対する安全性の要求が高まる中、施用される液体農薬製剤の主流は、油性溶剤を用いて農薬活性成分を溶解させた乳剤から、水を用いて農薬活性成分を懸濁分散させた水性懸濁製剤へと移行している。
この水性懸濁製剤は水を用いるため、人畜、周辺環境に対する安全性という面では乳剤と比較して利点を有する。
その一方で、水性懸濁製剤には、製剤中に分散している農薬活性成分またはその他の成分が凝集、沈降および結晶析出するなど保存安定性に関わる問題、並びに、乳剤と比較して防除対象生物に対する効果が劣る場合があるなどの問題があった。
従来、農薬活性成分の保存安定性に関わる問題を解決することにより、防除対象生物に対する効果を維持するという観点から、フタル酸エステルを用いた水性懸濁製剤について様々な研究がなされてきた。
特開昭64−3101号公報(特許文献1)では、融点が15〜70℃の範囲にある水不溶性殺生剤の微粒子を、分散剤として不飽和カルボン酸及びその誘導体からなる単量体群から選ばれる1種または2種以上を必須成分とする水溶性又は水分散性重合体、及び結晶析出防止剤としてフタル酸エステルを用い、安定に分散してなる水性懸濁状農薬組成物が提案されている。
特開平8−175909号公報(特許文献2)では、有効成分としてペンタ−4−エニル−N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニナート(稲馬鹿苗病に対して優れた種子消毒効果を有する)と、該化合物の分解防止剤としての二塩基酸エステルとを含有することを特徴とする貯蔵安定性に優れた水性懸濁製剤が提案されている。
特表平10−500676号公報(特許文献3)では、活性成分、フタル酸エステルのような芳香族モノエステル及びジエステル、植物油の脂肪エステル誘導体、アジピン酸、グルタル酸及びこはく酸の脂肪族エステル誘導体の群から選択される溶媒であって、場合によりケトン、アミド及びアルキルピロリドンから選択される溶媒を混合したもの、珪酸誘導体を含有する水性相を含有する“水中油滴型エマルジョン”のペスチサイド組成物が提案されている。
しかしながら、これらに記載されているフタル酸エステルは、農薬活性成分の結晶析出防止剤(特許文献1)および分解防止剤(特許文献2)として、並びに処方された物質の固有の毒性(特に眼及び皮膚の刺激)を低下させ並びに環境と結びついた危険を少なくさせる目的で用いられるもの(特許文献3)であり、農薬活性成分の生物効果を向上させるためのアジュバントとして用いられるものではない。
フタル酸エステルなどを用いて生物効果を向上させた例としては、例えば、特開平7−10705号公報(特許文献4)が知られている。この特許文献4では、活性成分として茎葉吸収型水田用除草活性化合物を含有する農薬水和剤を製造するに際して、前記活性化合物を、水に実質的に不溶性のエステル類(フタル酸ジトリデジルなど)に予め溶解し、次いで得られた活性化合物溶液を担体及びその他の必要な農薬成分と混合することを特徴とする、高活性な農薬水和剤の製造方法が提案されている。
しかしながら、この特許文献4は水性懸濁製剤に関するものではなく、しかも、農薬活性成分は除草活性化合物に限定されており、これまでにフタル酸エステルを殺虫効果向上のために水性懸濁製剤へ用いた技術はなかった。
特開昭64−3101号公報 特開平8−175909号公報 特表平10−500676号公報 特開平7−10705号公報
本発明は、殺虫効果が向上し、かつ、製剤の懸濁安定性および水希釈時の分散性に優れた水性懸濁製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、フタル酸エステルを水中に乳化分散させたときの平均乳化粒子径を15.0μm以下にすると殺虫効果が向上することを初めて見出し、フタル酸エステルを殺虫剤のアジュバントとして用いることを着想した。また、フタル酸エステルと、界面活性剤および水溶性高分子化合物を併用することにより、より一層の高い殺虫効果が得られ、かつ、製剤の懸濁安定性および水希釈時の分散性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、殺虫活性成分、フタル酸エステル、界面活性剤、水溶性高分子化合物および水よりなり、フタル酸エステルを水中に乳化分散させたときの平均乳化粒子径が15.0μm以下であることを特徴とする、水性懸濁製剤が提供される。
本発明の第2によれば、上記界面活性剤が、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の塩類および/またはポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルであることを特徴とする本発明の第1に記載の水性懸濁製剤が提供される。
本発明の第3によれば、上記水溶性高分子化合物が、植物粘質物または微生物由来の粘質物であることを特徴とする、本発明の第1または第2のいずれかに記載の水性懸濁製剤が提供される。
本発明の第4によれば、上記フタル酸エステルがジエステルであり、エステルを形成するアルコールが炭素数10〜13の直鎖状または分岐鎖状の脂肪族アルコールであることを特徴とする本発明の第1から第3のいずれかに記載の水性懸濁製剤が提供される。
本発明の水性懸濁製剤は、優れた殺虫効果を示し、また、製剤の懸濁安定性および水希釈時の分散性に優れるという利点がある。
以下、本発明の水性懸濁製剤について具体的に説明する。
<殺虫活性成分>
本発明で用いる殺虫活性成分は、一般に農薬の活性成分として使用されるものであればよい。また、殺虫活性成分を2種以上併用しても何らかまわない。
このような殺虫剤として有機リン系(MEPなど)、カーバメート系、ピレスロイド系、ピリジンアゾメチン系(ピメトロジンなど)、ベンゼンジカルボキサミド系、ベンゾイルヒドラジド系、ネオニコチノイド系、トリアジン系、チオウレア系、オキサダイアジン系、フェニルピラゾール系、ネライストキシン系およびベンゾイルフェニル尿素系などの合成殺虫剤、昆虫成長制御剤(ブプロフェジンなど)、天然殺虫剤、生物農薬、殺ダニ剤、並びに殺線虫剤などが挙げられる。
これらに含まれる個々の具体的な殺虫活性成分は、例えば「農薬ハンドブック2005年版」(社団法人 日本植物防疫協会、平成17年10月11日発行)、「SHIBUYA INDEX
9th Edition」(平成13年12月15日発行)、「The Pesticide Manual Eleventh Edition」(British Crop Protection Council 発行)などに記載されている。
上記殺虫活性成分は、水性懸濁製剤中に、通常0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜50重量%である。
なお、上記殺虫活性成分に、さらに殺菌活性成分を併用しても何らかまわない。例えば、殺菌活性成分としては、無機銅類、有機銅類、無機硫黄剤、有機硫黄剤、有機リン系、フタリド系、ベンズイミダゾール系、ジカルボキシイミド系、酸アミド系、トリアゾール系、イミダゾール系、メトキシアクリレート系、ストロビルリン系、アニリノピリミジン系、ジチオラン系、キノキサリン系、アミノピリミジン系、フェニルピロール系、トリアジン系、シアノアセトアミド系、グアニジン系およびヒドロキシアニリド系の殺菌剤、抗生物質系殺菌剤(カスガマイシンなど)、天然物系殺菌剤、並びに生物農薬などの殺菌剤が挙げられる。
<フタル酸エステル>
本発明で使用するフタル酸エステルはモノエステルまたはジエステルのいずれでもよい。モノエステルの例としては、フタル酸モノブチル、フタル酸モノ2−エチルヘキシルなどが挙げられる。また、ジエステルの例としては、フタル酸ジアルキル(C10〜13)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジ2−エチルヘキシルおよびフタル酸ジノルマルアルキル(C8,C10)などが挙げられ、有用作物に薬害もなく、人および家畜に対する毒性および副作用が少なく安全であり、安心して用いることができることから、ジエステルが好ましい。このフタル酸エステルは、殺虫活性成分の効果を向上させる作用を有し、水性懸濁製剤中に通常、0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは3〜15重量%の量で含有される。含有量が30重量%より多いと製剤の懸濁安定性および水希釈時の分散性が悪く、0.1重量%より少ないと殺虫効果の向上が認められない。さらに効果向上の面からエステルを形成するアルコールが炭素数10〜13の直鎖状または分岐鎖状の脂肪族アルコールであることが好ましい。本発明においては、用いられるフタル酸エステルの種類、水性懸濁製剤の貯蔵される環境状態などの違いなどに応じて、上記範囲内で水性懸濁製剤中におけるフタル酸エステルの含有量を適宜増減させることができる。
<フタル酸エステルの水中での乳化粒子径>
本発明では、フタル酸エステルを水中に乳化分散させたときの平均乳化粒子径を15.0μm以下にすることが必要である。フタル酸エステルの水中での平均乳化粒子径が15.0μmより大きいと、殺虫効果の向上効果が不安定であり、また製剤の懸濁安定性および水希釈時の分散性も悪くなるからである。平均乳化粒子径の下限については、平均乳化粒子径が小さすぎても殺虫効果の向上作用に影響を及ぼさないが、通常、0.01μm以下に乳化するのは困難である。
乳化粒子径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(HORIBA、LA−950)で測定し、体積中位径(D50)を平均乳化粒子径とした。
体積中位径(D50)とは、多数の粒子からなる粒子群の体積による累積分布を求めたとき、その50%を示す値である。
<界面活性剤>
本発明で使用できる界面活性剤の種類は、水性懸濁製剤中に殺虫活性成分を分散させ、あるいは、フタル酸エステルを乳化させる作用を有するものであれば特に限定されない。そして、このような界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤などが挙げられ、これらの界面活性剤を併用してもかまわない。
このような非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、フッ素系界面活性剤(パーフルオロアルキルカルボン酸など)、シリコーン系界面活性剤(ポリオキシアルキレンジメチルポリシロキサンコポリマーなど)およびアセチレングリコール系界面活性剤(2,4,7,9−テトラメチル−デジン−4,7−ジオールなど)などが挙げられるが、これらの例示のみに限定されるものではない。なお、殺虫活性成分およびフタル酸エステルの乳化・分散効果の面からポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルが特に好ましい。
陰イオン界面活性剤の例としては、ポリカルボン酸型界面活性剤、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩および芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の塩などが挙げられるが、これらの例示のみに限定されるものではない。なお、殺虫活性成分およびフタル酸エステルの乳化・分散効果の面から芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の塩が特に好ましい。
陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤の例としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタインおよびアミンオキサイドなどが挙げられるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
上記した界面活性剤の添加量は、その効果と経済性を考慮すると製剤中に0.1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは、製剤中に0.3〜20重量%である。
<水溶性高分子化合物>
本発明で用いる水溶性高分子化合物としては、下記のものが挙げられる。ただし、本発明は、以下の例示に限定されるものではない。
(a)デンプン
例えば、バレイショデンプン、小麦デンプンおよびデキストリンなど。
(b)海藻類
例えば、アルギン酸ナトリウムおよびカラギーナンなど。
(c)植物粘質物
例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、アラビノガラクタンおよび大豆おからから抽出された水溶性多糖類(ソヤファイブ(登録商標))など。
(d)微生物に由来する粘質物
例えば、キサンタンガム、プルラン、ラムザンガムおよびウエランガムなど。
(e)合成品
例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリエチレンオキシドなど。
(f)半合成品
例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプンおよびジアルデヒドデンプンなど。
(g)その他の水溶性高分子化合物
タンパク質としてカゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、小麦グルテンおよび植物タンパク分解物などが例示される。また、繊維質として、微結晶セルロースなどが例示される。
上記の水溶性高分子化合物の1 種または2 種以上を併用することができる。これら水溶性高分子化合物は本発明の水性懸濁製剤が散布時に植物体へ付着することを助け、期待される殺虫効果を得る働き、および懸濁安定性を向上させる働きを持つ。水性懸濁製剤中の含有量は、0 .0 1 〜 1 0 重量%、好ましくは0 .0 5 〜 5 重量%である。
上記の水溶性高分子化合物の中でも、水性懸濁製剤の安定性の観点から、植物粘質物または微生物に由来する粘質物が好ましく、特に好ましいものはキサンタンガムである。
<その他の成分>
本発明の水性懸濁製剤は、上記した必須成分の他に補助剤として、本発明の効果を失わない程度であれば以下のような成分を添加してもかまわ
ない。
例えば、凍結防止剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンなどが挙げられ、鉱物質系増粘剤としては、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸マグネシウムおよびコロイド性含水ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどが挙げられ、高沸点溶剤としては、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、パラフィン系炭化水素などの鉱物油、アジピン酸アルキルエステルなどのエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、1−フェニル−1−キシリルエタン、1−キシリル−1,3−ジフェニルブタンなどの溶剤類および大豆油、ヤシ油、ナタネ油、キリ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、綿実油などの植物油などがあげられ、消泡剤としては、シリコーン系および脂肪酸系物質などが挙げられ、防ばい剤としては、ソルビタン酸、ソルビン酸カリウム、p−クロロ−メタキシレノール、p−オキシ安息香酸ブチルおよびプロキセルなどが挙げられ、殺虫活性成分の安定化剤としては、酸化防止剤、紫外線防止剤および結晶析出防止剤などが挙げられる。
本発明において使用できる補助剤は、上記の例に限定されるものではない。
<水性懸濁製剤の調製方法>
上記のような本発明に関わる水性懸濁製剤は、フタル酸エステルと殺虫活性成分を混合し、界面活性剤などを用いて水に乳化させる方法、またはフタル酸エステルを乳化して殺虫活性成分は別に添加する方法のいずれでもよい。また、水溶性高分子化合物に加え、その他の補助剤、例えば、鉱物質系増粘剤、凍結防止剤、消泡剤、防ばい剤、酸化防止剤および紫外線防止剤などを添加して調製してもよい。
<水性懸濁製剤の使用態様>
本発明の殺虫性水性懸濁製剤は、そのままの形で、あるいは水に希釈して用いることができる。また、処理方法については特に限定されず、農薬活性成分に応じて適当な公知の方法で処理できる。具体的には、植物体への直接散布、土壌中への灌注処理、水田への水面施用、種籾への浸種または吹き付け、空中散布および地上液剤少量散布(パンクルスプレー、ブームスプレーヤーなど)が挙げられる。また、いずれの処理方法、希釈形態においても、本発明の水性懸濁製剤は、水希釈時の分散性に優れ、高い殺虫効果を有する。
以下に、本発明の好適態様について、実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1、3、4、6、9、11はフタル酸エステルとして、フタル酸ジアルキル(C10〜13)を用い、そのうち実施例1、6、11は界面活性剤として芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の塩類および/またはポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルを用いた例である。さらに実施例3、4、6は水溶性高分子化合物としてキサンタンガムを用いて調製した例である。また、実施例2、5、7、8、10、12はフタル酸ジアルキル(C10〜13)以外のフタル酸エステルを用いて調製した例である。
比較例1、9はフタル酸エステルを含有しない例であり、比較例4、5、11、12はフタル酸エステルの含有量が0.1重量%より少ない例、比較例3、6、8、10はフタル酸エステルを30重量%より多く含む例である。また比較例2、7はフタル酸エステルの含有量は好ましい範囲内であるが、乳化粒子径が15.0μmよりも大きい例である。
なお、実施例、比較例中の「部」とあるのは、すべて重量部を示す。
[実施例1]
水39.5部に、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル3.0部、ポリカルボン酸系界面活性剤2.0部を加えて混合し、MEP(有機リン系殺虫剤)25.0部とフタル酸ジアルキル(C10〜13)30.0部を混合させたものを上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジアルキル(C10〜13)の平均乳化粒子径は8.5μmであった。その後、アラビアガム0.5部を添加し、スリーワンモーター(HEIDON製)でよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例2]
水62.1部に、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル2.0部、ジアルキルスルホサクシネート0.5部およびコロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.2部を加えて混合し、MEP(有機リン系殺虫剤)25.0部とフタル酸ジイソノニル10.0部を混合させたものを上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジイソノニルの平均乳化粒子径は12.1μmであった。その後、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例3]
水49.8部に、リグニンスルホン酸塩2.0部を加えて混合し、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル3.0部、MEP(有機リン系殺虫剤)25.0部とフタル酸ジアルキル(C10〜13)20.0部を混合させたものを上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジアルキル(C10〜13)の平均乳化粒子径は5.6μmであった。その後、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例4]
水69.6部に、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー2.0部、アルキルベンゼンスルホン酸塩1.0部およびコロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.2部を加えて混合し、MEP(有機リン系殺虫剤)25.0部とフタル酸ジアルキル(C10〜13)2.0部を混合させたものを上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジアルキル(C10〜13)の平均乳化粒子径は10.4μmであった。その後、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例5]
水68.8部に、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩2.0部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー2.0部を加えて混合し、MEP(有機リン系殺虫剤)25.0部とフタル酸ジエチル2.0部を混合させたものを上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジエチルの平均乳化粒子径は2.7μmであった。その後、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例6]
水60.8部に、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル2.0部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩2.0部を加えて混合し、MEP(有機リン系殺虫剤)25.0部とフタル酸ジアルキル(C10〜13)10.0部を混合させたものを上記水溶液に徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジアルキル(C10〜13)の平均乳化粒子径は3.0μmであった。その後、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例7]
水54.0部にリグニンスルホン酸塩2.0部、ブプロフェジン(昆虫成長制御剤)20.0部を加えTKホモミキサーにて混合する。その後、硬質ガラスビーズを用いてダイノミルKDL型(Willy A.Bachofen AG製)にて湿式粉砕し、粉砕液を得た。また、水10.0部にポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル2.0部を加えて混合し、そこにフタル酸ジ2−エチルヘキシル10.0部を徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジ2−エチルヘキシルの平均乳化粒子径は7.3μmであった。その後、上記粉砕液と乳化液を混合し、ポリビニルアルコール2.0部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例8]
水36.1部にジアルキルスルホサクシネート0.5部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.2部、およびブプロフェジン(昆虫成長制御剤)20.0部を加え、実施例7と同様に混合後湿式粉砕し、粉砕液を得た。また、水20.0部にポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル3.0部を加えて混合し、そこにフタル酸ジイソノニル20.0部を徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジイソノニルの平均乳化粒子径は5.8μmであった。その後、上記粉砕液と乳化液を混合し、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例9]
水56.8部にアルキルベンゼンスルホン酸塩1.0部、ブプロフェジン(昆虫成長制御剤)20.0部を加え、実施例7と同様に混合後湿式粉砕し、粉砕液を得た。また、水10.0部にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー2.0部を加えて混合し、そこにフタル酸ジアルキル(C10〜13)10.0部を徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジアルキル(C10〜13)の平均乳化粒子径は4.2μmであった。その後、上記粉砕液と乳化液を混合し、グアーガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例10]
水36.8部にポリカルボン酸系界面活性剤1.0部、ブプロフェジン(昆虫成長制御剤)20.0部を加え、実施例7と同様に混合後湿式粉砕し、粉砕液を得た。また、水20.0部にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー2.0部を加えて混合し、そこにフタル酸ジエチル20.0部を徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジエチルの平均乳化粒子径は15.0μmであった。その後、上記粉砕液と乳化液を混合し、ウエランガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例11]
水69.4部にβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩2.0部、ピメトロジン(ピリジンアゾメチン系)25.0部を加え、実施例7と同様に混合後湿式粉砕し、粉砕液を得た。また、水2.0部にポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル1.0部を加えて混合し、そこにフタル酸ジアルキル(C10〜13)0.1部を徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジアルキル(C10〜13)の平均乳化粒子径は6.3μmであった。その後、上記粉砕液と乳化液を混合し、アラビアガム0.5部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[実施例12]
水67.8部にリグニンスルホン酸塩2.0部、ピメトロジン(ピリジンアゾメチン系)25.0部を加え、実施例7と同様に混合後湿式粉砕し、粉砕液を得た。また、水2.0部にポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル1.0部を加えて混合し、そこにフタル酸ジ2−エチルヘキシル2.0部を徐々に添加し、TKホモミキサーにて乳化した。得られた乳化液中のフタル酸ジ2−エチルヘキシルの平均乳化粒子径は9.9μmであった。その後、上記粉砕液と乳化液を混合し、グアーガム0.2部を添加し、スリーワンモーターでよく撹拌して本発明の水性懸濁製剤を得た。
[比較例1]
実施例1のフロアブルのうち、フタル酸ジアルキル(C10〜13)、アラビアガムを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例1と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
[比較例2]
実施例2のフロアブルのうち、キサンタンガムを除き、フタル酸ジイソノニルの平均乳化粒子径が17.2μmになるように調整した以外は、実施例2と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
[比較例3]
実施例3のフロアブルのうち、MEP(有機リン系殺虫剤)の添加量を10.0部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルの添加量を4.0部、フタル酸ジアルキル(C10〜13)の添加量を32.0部とし、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例3と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。得られた水性懸濁液中のフタル酸ジアルキル(C10〜13)の平均乳化粒子径は5.6μmであった。
[比較例4]
実施例4のフロアブルのうち、フタル酸ジアルキル(C10〜13)の添加量を0.05部とし、キサンタンガムを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例4と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。得られた水性懸濁液中のフタル酸ジアルキル(C10〜13)の平均乳化粒子径は10.4μmであった。
[比較例5]
実施例5のフロアブルのうち、フタル酸ジエチルの添加量を0.05部とし、キサンタンガムを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整し、フタル酸ジエチルの平均乳化粒子径が17.1μmになるように調整した以外は、実施例5と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
[比較例6]
実施例6のフロアブルのうち、MEP(有機リン系殺虫剤)の添加量を10.0部、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルの添加量を4.0部、フタル酸ジアルキル(C10〜13)の添加量を32.0部とし、キサンタンガムを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整し、フタル酸ジアルキル(C10〜13)の平均乳化粒子径が20.3μmになるように調整した以外は、実施例6と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
[比較例7]
実施例7のフロアブルのうち、フタル酸2−エチルヘキシルの平均乳化粒子径が18.9μmになるように調整した以外は、実施例7と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
[比較例8]
実施例8のフロアブルのうち、ブプロフェジン(昆虫成長制御剤)の添加量を10.0部、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルの添加量を4.0部、フタル酸ジイソノニルの添加量を32.0部とし、フタル酸ジイソノニルの乳化に用いる水の添加量を32.0部として、キサンタンガムを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例8と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。得られた水性懸濁液中のフタル酸ジイソノニルの平均乳化粒子径は5.8μmであった。
[比較例9]
実施例9のフロアブルのうち、フタル酸ジアルキル(C10〜13)を除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例9と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
[比較例10]
実施例10のフロアブルのうち、ブプロフェジン(昆虫成長制御剤)の添加量を10.0部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの添加量を4.0部、フタル酸ジエチルの添加量を32.0部とし、フタル酸ジエチルの乳化に用いる水の添加量を32.0部として、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整し、フタル酸ジエチルの平均乳化粒子径が20.7μmになるように調整した以外は、実施例10と全く同様にして調製し水性懸濁製剤を得た。
[比較例11]
実施例11のフロアブルのうち、フタル酸ジアルキル(C10〜13)の添加量を0.05部とし、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整した以外は、実施例11と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。得られた水性懸濁液中のフタル酸ジアルキル(C10〜13)の平均乳化粒子径は6.3μmであった。
[比較例12]
実施例12のフロアブルのうち、フタル酸ジ2−エチルヘキシルの添加量を0.05部とし、グアーガムを除き、製剤全体が100部となるように水の添加量を調整し、フタル酸ジ2−エチルヘキシルの平均乳化粒子径が16.5μmになるように調整した以外は、実施例12と全く同様にして調製し、水性懸濁製剤を得た。
次に試験例により、本発明の水性懸濁製剤の有用性を示す。
[試験例1]
イネのヒメトビウンカに対する殺虫効果
1/10、000アール相当のポットで栽培した、5〜6葉期のイネ(品種:コシヒカリ) をターンテーブルの上に置き、そこに実施例1〜12および比較例1〜12により調製した水性懸濁製剤を水で1,000倍希釈した液を10アールあたり100Lの割合でスプレーガンにより散布する。
これを風乾させたあと、ポットをガラス温室内に置き、散布当日および散布3日後に処理イネを直径3cm、長さ20cmの試験管に入れる。この中に、ヒメトビウンカの3令幼虫を10頭ずつ放虫し、25℃下に置く。放虫3日後に幼虫の死亡数を調べ、死虫率(%)を下記式より求めた。
本試験は3連制で実施し、平均死虫率を算出した。
Figure 2010150143
[試験例2]
製剤懸濁安定性試験
実施例1〜12および比較例1〜12で調製した水性懸濁製剤を、容量30ml(φ17mm×長さ180mm)の試験管に30ml入れ、密栓をし、50℃の恒温器中に静置した。そして、1ヶ月後に、試験管中に製剤が下層に沈降し、上層に生じた水層(上スキ層)と全層の高さ(cm)を測定して、下記式により算出した。
Figure 2010150143
[試験例3]
水中分散性試験
3度硬水を99ml入れた100ml容有栓シリンダー(高さ25cmのもの)に実施例1〜12および比較例1〜12で調製した水性懸濁製剤1mlを加えた後、20回倒立させ、分散直後の薬液の凝集および未分散粒子の有無を次の評価基準で確認した。なお、倒立とは有栓シリンダーを180℃回転し、次いで元の状態に戻す操作を約2秒間で1回の割合で行なうことを意味する。
評価基準
○:凝集および未分散粒子なし
△:凝集および未分散粒子が若干認められる
×:凝集および未分散粒子が認められる
試験例1〜3の試験結果を表1および表2に示す。
Figure 2010150143
Figure 2010150143
<表1、表2の説明>
実施例1、3、4、6、9および11はフタル酸エステルとしてフタル酸ジアルキル(C10〜13)を用い、これらのなかで実施例1、6および11は界面活性剤として芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の塩類および/またはポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルを用いた例であり、優れた殺虫効果を示した。かつ、懸濁安定性および分散性も優れた結果を示した。さらに、実施例6において、水溶性高分子化合物としてキサンタンガム(微生物に由来する粘物質)を用い、フタル酸ジアルキル(C10〜13)を10部添加すると、格段と優れた効果を示した。実施例2、5、7、8、10および12は、フタル酸ジアルキル(C10〜13)以外のフタル酸エステルを用いた例である。フタル酸ジアルキル(C10〜13)を用いた例と比較すると若干殺虫効果が劣ったが、実用上問題ないレベルであった。また、これらの実施例において、実施例2、5および8は界面活性剤として芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の塩類および/またはポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルを用いており、優れた懸濁安定性を示した。
一方、比較例1および9は、フタル酸エステルを添加しなかったため、殺虫効果の向上は認められなかった。比較例4、5、11および12は、フタル酸エステルの含有量が0.1重量%より少ない例であり、実用レベルでの殺虫効果の向上作用はなかった。比較例3、6、8および10は、フタル酸エステルを30重量%より多く含み、そのうち比較例3および8は平均乳化粒子径が15.0μm以下であり、比較例6および10は15.0μmより大きい例である。平均乳化粒子径が15.0μmより大きい比較例6および10は、殺虫効果の向上作用は認められなかった。また、これらの比較例では懸濁安定性および水希釈時の分散性が悪かった。また比較例2および7はフタル酸エステルの含有量は好ましい範囲内であるが、乳化粒子径が15.0μmよりも大きいため殺虫効果の向上効果が不安定であり、懸濁安定性および水希釈時の分散性もやや劣った。
上記各実施例および比較例における試験例1、2および3の試験結果は、殺虫効果の向上、優れた懸濁安定性および分散性を奏するには、(1)フタル酸エステル、界面活性剤、水溶性高分子化合物およびフタル酸エステルを水中に乳化分散させたときの平均乳化粒子径が15.0μm以下であることが必須条件であり、さらには(2)界面活性剤が、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の塩類および/またはポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルであること、(3)水溶性高分子化合物が、植物粘質物または微生物由来の粘質物であること、(4)フタル酸エステルがジエステルであり、エステルを形成するアルコールが炭素数10〜13の直鎖状または分岐鎖状の脂肪族アルコールであることがより効果的に殺虫効果の向上、優れた懸濁安定性および分散性を奏する条件であることを示唆している。

Claims (4)

  1. 殺虫活性成分、フタル酸エステル、界面活性剤、水溶性高分子化合物および水よりなり、フタル酸エステルを水中に乳化分散させたときの平均乳化粒子径が15.0μm以下であることを特徴とする、水性懸濁製剤。
  2. 上記界面活性剤が、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の塩類および/またはポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の水性懸濁製剤。
  3. 上記水溶性高分子化合物が、植物粘質物または微生物由来の粘質物であることを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の水性懸濁製剤。
  4. 上記フタル酸エステルがジエステルであり、エステルを形成するアルコールが炭素数10〜13の直鎖状または分岐鎖状の脂肪族アルコールであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の水性懸濁製剤。
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