JP2004026845A - 湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】製剤の安定性、散布時における除草活性成分の水中拡散性が優れ、稲体に対して薬害のない湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤を提供すること。
【解決手段】20℃の水に対する溶解度が100ppm以下である除草活性成分と保護コロイド剤(ただし、水溶性セルロースエーテルを除く。)および水よりなることを特徴とする、湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤。
【選択図】なし
【解決手段】20℃の水に対する溶解度が100ppm以下である除草活性成分と保護コロイド剤(ただし、水溶性セルロースエーテルを除く。)および水よりなることを特徴とする、湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、製剤を水で希釈することなく容器からそのまま水田に滴下することにより散布でき、稲の移植前処理、移植同時処理、移植後処理のできる湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤に関する。
これまで、除草活性成分を水に懸濁して分散させた水性懸濁製剤についてはいくつか知られている。例えば、水溶解度が100ppm(25℃)以下の除草剤原体を界面活性剤を用いて水に懸濁分散させた水性懸濁製剤に関するもの(特許文献1参照。)、10μm以下の微細な水難溶性除草活性成分を水に懸濁させ粘度が180〜500センチポイズ(20℃)、初期の水面拡展速度が4.0cm/sec(20℃)以上、表面張力が25.0〜31.0dyne/cm(25℃)の物理性を有する水懸濁水田用除草剤に関するもの(特許文献2参照。)、平均粒子径が0.5〜5.0μm、水溶解度が100ppm(25℃)以下の除草活性化合物を界面活性剤を用いて水に懸濁させ、表面張力が36〜65dyne/cm(25℃)の物理性を有する除草用水性懸濁製剤に関するもの(特許文献3参照。)、除草活性化合物と界面活性剤、水からなり表面張力が35〜65dyne/cm(25℃)の物理性を有する除草用水性懸濁製剤に関するもの(特許文献4参照。)、疎水性除草成分(ブタミホス)とポリビニルアルコールまたはアラビアガム、それに増粘剤、水よりなる水中油型懸濁状除草組成物に関するもの(特許文献5参照。)、融点が38〜110℃のペースト状あるいは固体の水不溶性殺生剤、ポリビニルアルコール、水溶性増粘剤および水よりなる水性懸濁状殺生剤組成物に関するもの(特許文献6参照。)などがある。
水を分散媒とした湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤は、薬剤散布時に、水で希釈することなく容器からそのまま田面水に滴下できるため、安全性、経済性、省力化などの点で優れた剤型である。しかし、これまでの湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤は、長期貯蔵中に分散質が沈降したり、田面水中での除草活性成分の拡散が不充分なため、除草効果が充分発揮されなかったり、また、製剤処方中に非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤などの界面活性剤を含むため、散布時、稲体へ薬剤が付着しやすく薬害を発生するなどの問題を生じやすかった。
従って、従来の湛水下水田への直接散布用水性懸濁剤に代わって製剤安定性、散布時における除草活性成分の水中拡散性が優れ、稲体に対して薬害のない水性懸濁製剤の開発が望まれており、本発明はこれらの要望に合致した湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤を提供せんとするものである。
そこで本発明者らは、良好なる製剤安定性と水中拡散性の改善および薬剤の稲体への付着を防ぎ薬害を防ぐことを目的とし鋭意研究した。その結果、20℃の水に対する溶解度が100ppm以下の除草活性成分と、保護コロイド剤(ただし、水溶性セルロースエーテルを除く。)および水よりなる水性懸濁製剤がこれらの目的に対して優れた効果を示すことを見い出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明の保護コロイド剤としてポリビニルアルコール、特に特定の平均重合度、ケン化度のポリビニルアルコールを使用することにより、製剤安定性、水中拡散性の良好な湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤を見いだした。すなわち、第1の本発明の要旨とするところは、20℃の水に対する溶解度が100ppm以下である除草活性成分と、保護コロイド剤(ただし、水溶性セルロースエーテルを除く。)および水よりなることを特徴とする、湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤にある。
本発明において使用しうる除草活性成分とは、20℃の水に対する溶解度が100ppm以下の除草活性成分であればよく、1種または2種以上を併用しても何ら問題はない。
このような除草活性成分として、例えば、MCPB、フェノチオール、クロメプロップ、ナプロアニド、CNP、クロメトキシニル、ビフェノックス、ベンチオカーブ、エスプロカルブ、ジメピペレート、ブタクロール、プレチラクロール、テニルクロール、ブロモブチド、メフェナセット、ダイムロン、ベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、イマゾスルフロン、ジメタメトリン、オキサジアゾン、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ、ジチオピル、ピペロホス、ACN、シンメチリン、ピリブチカルブ、1H−ピラゾール−5−スルフォンアマイド,N−(((4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル))−1−メチル−4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)(アジムスルフロン)、
1−{[o−(シクロプロピルカルボニル)フェニル]スルファモイル}−3−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)尿素(AC−140)、1−(2−クロロベンジル)−3−(α,α−ジメチル−ベンジル)ウレア(JC−940)、3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)フェニルスルホニル]−ウレア(シノスルフロン)、3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−(2−エトキシフェノキシスルホニル)ウレア(エトキシスルフロン)、3−[4−クロロ−5−(シクロペンチルオキシ)−2−フルオロフェニル]−5−イソプロピリデン−オキサゾリジン−2,4−ジオン(KPP−314)、ブチル(R)−2−[4−(4−シアノ−2−フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオネート(シハロホップブチル)、N,N−ジエチル−3−メシチルスルホニル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド(CH−900)、S−(N−(4−クロロフェニル)−N−イソプロピルカルバモイルメチル)−O,O−ジメチルジチオフォスファート(アニロホス)、メチル=2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシ]−6−[1−(メトキシイミノ)エチル]ベンゾエート(KUH−920)、2−[2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピル]−2−エチルインダン−1,3−ジオン(MK−243)、4−(2−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4,5−ジヒドロ−N−エチル−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−カルボキシアミド(NBA−061)、3−[1−(3,5−ジクロルフェニル)−1−メチルエチル]−2,3−ジヒドロ−6−メチル−5−フェニル−4H−1,3−オキサジン−4−オン(MY−100)、3−[2,4−ジクロル−5−(2−プロポニルオキシ)フェニル]−5−(1,1−ジメチルエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(オキサジアルギル)などがある。
1−{[o−(シクロプロピルカルボニル)フェニル]スルファモイル}−3−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)尿素(AC−140)、1−(2−クロロベンジル)−3−(α,α−ジメチル−ベンジル)ウレア(JC−940)、3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)フェニルスルホニル]−ウレア(シノスルフロン)、3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−(2−エトキシフェノキシスルホニル)ウレア(エトキシスルフロン)、3−[4−クロロ−5−(シクロペンチルオキシ)−2−フルオロフェニル]−5−イソプロピリデン−オキサゾリジン−2,4−ジオン(KPP−314)、ブチル(R)−2−[4−(4−シアノ−2−フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオネート(シハロホップブチル)、N,N−ジエチル−3−メシチルスルホニル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド(CH−900)、S−(N−(4−クロロフェニル)−N−イソプロピルカルバモイルメチル)−O,O−ジメチルジチオフォスファート(アニロホス)、メチル=2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシ]−6−[1−(メトキシイミノ)エチル]ベンゾエート(KUH−920)、2−[2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピル]−2−エチルインダン−1,3−ジオン(MK−243)、4−(2−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4,5−ジヒドロ−N−エチル−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−カルボキシアミド(NBA−061)、3−[1−(3,5−ジクロルフェニル)−1−メチルエチル]−2,3−ジヒドロ−6−メチル−5−フェニル−4H−1,3−オキサジン−4−オン(MY−100)、3−[2,4−ジクロル−5−(2−プロポニルオキシ)フェニル]−5−(1,1−ジメチルエチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(オキサジアルギル)などがある。
なお、これらの化合物名は「農薬ハンドブック1994年版」(社団法人・日本植物防疫協会発行)に記載の一般名等である。
これらの、除草活性成分の製剤中の含有量は除草活性成分の種類によって任意に変えることができるが、製剤中に0.1〜60重量%の範囲で添加すればよい。
本発明に使用できる保護コロイド剤とは、例えば、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ゼラチン、アルブミンのほか、水溶性大豆多糖類(商品名ソヤファイブ)、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
ポリビニルアルコールは、その重合度が2000を超えると製剤粘度が高くなりすぎて水中での拡散性が悪いなどの問題がある。またケン化度が69モル%未満では高温時にポリビニルアルコールの析出が著しくなり、90モル%を超えると水に対する溶解度が悪く散布時の水中拡散性が悪いなどの問題がある。よって重合度2000以下、ケン化度69〜90モル%が最も適したポリビニルアルコールであるといえる。
ポリビニルアルコールとしては、例えば、クラレポバールPVA−405(株式会社クラレ製の商品名、平均重合度500、ケン化度80〜83モル%)、クラレポバールPVA−210(株式会社クラレ製の商品名、平均重合度1000、ケン化度87〜89モル%)、クラレポバールPVA−420(株式会社クラレ製の商品名、平均重合度2000、ケン化度78〜81モル%)、クラレポバールL−8(株式会社クラレ製の商品名、平均重合度1000以下、ケン化度69.5〜72.5モル%)などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
保護コロイド剤の製剤中の含有量は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%である。
また、必要に応じて助剤として、例えば増粘剤、消泡剤、凍結防止剤、防腐防黴剤、除草活性成分の安定化剤などを用いることができる。
増粘剤としては、一般に使用されるものであればよく、例えば、キサンタンガム、トラガントガム、カゼイン、デキストリン、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
また、消泡剤としては、シリコン系、脂肪酸系物質など、凍結防止剤としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど、防腐防バイ剤としては、ソルビン酸カリウム、p−クロロ−メタキシレノール、p−オキシ安息香酸ブチルなど、除草活性成分の安定化剤としては、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤などを添加してもよいが、ここに例示した補助剤に限定されるものではない。
本発明の水性懸濁製剤は、代かき作業時以降の水田が湛水状態であれば水深には関係なく使用することができる。つまり田植え時のような土壌表面にわずかな水層が存在するような状態から、水田全面に水深3〜5cmの水を張った状態まで、土壌表面が乾ききった状態でなければ散布が可能である。さらに潅漑水の入水時においても使用できる。田植えと同時に滴下処理をするような田植え時の水の少ない条件下であってもよく、処理すれば除草活性成分はある程度拡散し、その後の入水によってさらに均一となり、十分な除草効果を発揮することができる。
また、稲の移植前、移植時、移植後の何れの時期においても散布することができる。さらに湛水直播水稲へも適用が可能である。
本発明の水性懸濁製剤の散布は、原液をそれ以上の水に希釈することなく用いるか、あるいは少量の水を用いて2〜5倍の高濃度希釈液とし、水田に滴下処理を行えばよく、粒剤のように水田全面に均一散布する必要はない。また、散布の方法は、原液または高濃度希釈液を例えば500ml容量のプラスチック製容器に入れて手振りするか、または加圧式散布機を用いて噴射または噴霧すればよい。さらに近年普及しているRCヘリコプターからの空中散布または滴下も可能である。また、潅漑水の流入に際して水田の水の取り入れ口(水口)で流入水に滴下処理を行い、流入水と共に水田に流し込んでもよい。
本発明の水性懸濁製剤の単位面積当たりの施用量は特に制限はないが、散布作業労力及び経済効率の面より原液散布の場合は、10アール当たり0.05リットルから2リットルの範囲であり、好ましくは0.1リットルから1.5リットルの範囲である。また、高濃度希釈液(2倍〜5倍)での散布の場合は、10アール当たり0.1リットルから6リットル、好ましくは0.2リットルから5リットルである。
本発明の湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤を実施することにより、次のような作用効果がもたらされる。第1に散布時に薬剤が稲体に付着することがないため、稲に対する薬害が少なく、しかも高い除草効果を示す。第2に長期にわたり製剤の安定性がよく、しかも田面水中での除草活性成分の拡散性がよい。第3に水を分散媒とした製剤であるため、発火性、引火性などの危険が少なく、人体に対する刺激性、臭気による環境衛生上の問題がない。第4に代かき作業時以降、稲の移植前、移植同時処理、移植後に散布でき、特に、稲の移植以降、湛水状態であれば、何れの時期においても散布でき、水で希釈することなく薬剤を容器に入れたまま畦畔より滴下するか、入水時に水口に滴下して流入水と共に流し込むだけでよく、薬剤散布作業が省力化できる。
次に、本発明の湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の部は、すべて重量%を示す。
水61部にアラビヤガム(商品名「アラビアゴムHP粉末」五協産業株式会社製) 5部を溶解し、ビフェノックス原体21部とプロピレングリコール 3部を加え、ダイノミルKDL型(Willy A.Bachofen
AG製の商品名)を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
AG製の商品名)を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
なお、粉砕用メディアとしては、直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液10部を加え、スリーワンモータ(HEIDON社製の商品名)を用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
水72.8部に水溶性大豆多糖類(商品名「ソヤファイブ−S−DN」不二製油株式会社製)10部を溶解し、フェノチオール原体4.2部とプロピレングリコール3部を加え、ダイノミルKDL型を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。このとき粉砕液の温度が20℃を超えないように冷却しながら粉砕を行った。
なお、粉砕用メディアとしては、直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液10部を加え、スリーワンモータを用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
水63部に平均重合度600、ケン化度90.5〜92.5のポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−706」株式会社クラレ製)3部を溶解し、ビフェノックス原体21部とエチレングリコール3部を加え、4筒式サンドグラインダー(アイメックス株式会社製の商品名)を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
なお、粉砕用メディアとしては直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液10部を加え、スリーワンモータを用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
水66部に平均重合度500、ケン化度80.0〜83.0モル%のポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−405」株式会社クラレ製)4部を溶解し、ビフェノックス原体21部とプロピレングリコール3部を加え、ダイノミルKDL型を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
なお、粉砕用メディアとしては、直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液6部を加え、スリーワンモータを用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
実施例4の製剤組成のうちポリビニルアルコールを表2に示したとおり平均重合度300、ケン化度86.5〜89.5モル%(商品名「クラレポバールPVA−203」株式会社クラレ製)にした以外は実施例4に準じて調製し、水性懸濁製剤を得た。
水62部に平均重合度1700、ケン化度82.0〜84.0モル%のポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−317」株式会社クラレ製)2部を溶解し、CNP原体27部とプロピレングリコール3部を加え、ダイノミルKDL型を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
なお、粉砕用メディアとしては、直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液6部を加え、スリーワンモータを用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
水65部に平均重合度1000、ケン化度87.0〜89.0モル%のポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−210」株式会社クラレ製)2部を溶解し、あらかじめJet−O−mizerを用いて平均粒子径4μmに微粉砕したCNP原体27部と2%キサンタンガム水溶液6部を加え、スリーワンモータを用いて混合した後、TKオートホモミキサーを用い、5000rpmで20分間撹拌して均一な水性懸濁製剤を得た。
実施例7の製剤組成のうち水を63部とし、ポリビニルアルコールを表2に示したとおり平均重合度300、ケン化度78.5〜81.5モル%(商品名「クラレポバールPVA−403」株式会社クラレ製)にした以外は実施例7に準じて調製し、水性懸濁製剤を得た。
水69部に平均重合度500、ケン化度86.5〜89.5モル%のポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−205」株式会社クラレ製)4部を溶解し、あらかじめJet−O−mizerを用いて平均粒子径4μmに微粉砕したビフェノックス原体21部と2%キサンタンガム水溶液6部を加え、スリーワンモータを用いて混合した後、TKオートホモミキサーを用い、5000rpmで20分間撹拌して均一な水性懸濁製剤を得た。
水85.8部に平均重合度1700、ケン化度87.0〜89.0モル%のポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−217EE」株式会社クラレ製)1部を溶解し、フェノチオール原体4.2部とプロピレングリコール3部を加え、ダイノミルKDL型を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。このとき粉砕液の温度が20℃を超えないように冷却しながら粉砕を行った。
なお、粉砕用メディアとしては、直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液6部を加え、スリーワンモータを用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
実施例10の製剤組成のうちポリビニルアルコールを表2に示したとおり平均重合度2000、ケン化度78.0〜81.0モル%のポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−420」株式会社クラレ製)にした以外は実施例10に準じて調製し、水性懸濁製剤を得た。
実施例10の製剤組成のうち水を83.8部とし、ポリビニルアルコールを表2に示したとおり平均重合度300、ケン化度78.5〜81.5モル%(商品名「クラレポバールPVA−403」株式会社クラレ製)にした以外は実施例10に準じて調製し、水性懸濁製剤を得た。
水65部に平均重合度500、ケン化度72.5〜74.5モル%のポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−505」株式会社クラレ製)8部を溶解し、ビフェノックス原体21部とエチレングリコール3部を加え、4筒式サンドグラインダー(アイメックス株式会社製)を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
なお、粉砕用メディアとしては、直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液3部を加え、スリーワンモータを用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
水60部に平均重合度1000以下、ケン化度69.5〜72.5モル%のポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールL−8」株式会社クラレ製)7部を溶解し、CNP原体27部とエチレングリコール3部を加え、4筒式サンドグラインダー(アイメックス株式会社製)を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
なお、粉砕用メディアとしては、直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液3部を加え、スリーワンモータを用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
水86.8部に平均重合度1300、ケン化度92.5〜94.5モル%のポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−613」株式会社クラレ製)3部を溶解し、フェノチオール原体4.2部とプロピレングリコール3部を加え、ダイノミルKDL型を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。このとき粉砕液の温度が20℃を超えないように冷却しながら粉砕を行った。
なお、粉砕用メディアとしては、直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液3部を加え、スリーワンモータを用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
(比較例1)
水62部に界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェート2部(商品名「ソルポール9838P」東邦化学工業株式会社製)とリグニンスルホン酸ナトリウム塩(商品名「ソルポール9047K」東邦化学工業株式会社製)2部を溶解し、ビフェノックス原体21部とプロピレングリコール3部を加えて混合し、ダイノミルKDL型を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
水62部に界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェート2部(商品名「ソルポール9838P」東邦化学工業株式会社製)とリグニンスルホン酸ナトリウム塩(商品名「ソルポール9047K」東邦化学工業株式会社製)2部を溶解し、ビフェノックス原体21部とプロピレングリコール3部を加えて混合し、ダイノミルKDL型を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
なお、粉砕用メディアとしては、直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液10部を加え、スリーワンモータを用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
(比較例2)
実施例2の水溶性大豆多糖類にかえて界面活性剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェノールエーテルホスフェート(商品名「SOPROPHOR FL」ローヌ・プーラン社製)3部を用い、水を79.8部にした以外は実施例2と同じ組成物と操作により、均一な水性懸濁製剤を得た。
実施例2の水溶性大豆多糖類にかえて界面活性剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェノールエーテルホスフェート(商品名「SOPROPHOR FL」ローヌ・プーラン社製)3部を用い、水を79.8部にした以外は実施例2と同じ組成物と操作により、均一な水性懸濁製剤を得た。
(比較例3)
実施例3のポリビニルアルコールにかえて界面活性剤としてジオクチルスルホサクシネート(商品名「アエロールCT−1L」東邦化学工業株式会社製)3部を用いた以外は実施例3と同じ組成物と操作により、均一な水性懸濁製剤を得た。
実施例3のポリビニルアルコールにかえて界面活性剤としてジオクチルスルホサクシネート(商品名「アエロールCT−1L」東邦化学工業株式会社製)3部を用いた以外は実施例3と同じ組成物と操作により、均一な水性懸濁製剤を得た。
(比較例4)
水66部に界面活性剤としてポリオキシエチレンキャスターオイル2部(商品名「ソルポールCA30」東邦化学工業株式会社製)とリグニンスルホン酸ナトリウム塩(商品名
ソルポール9047K 東邦化学工業株式会社製)2部を溶解し、ビフェノックス原体21部とプロピレングリコール3部を加え、ダイノミルKDL型を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
水66部に界面活性剤としてポリオキシエチレンキャスターオイル2部(商品名「ソルポールCA30」東邦化学工業株式会社製)とリグニンスルホン酸ナトリウム塩(商品名
ソルポール9047K 東邦化学工業株式会社製)2部を溶解し、ビフェノックス原体21部とプロピレングリコール3部を加え、ダイノミルKDL型を用いて粉砕液の平均粒子径が3μmになるように微粉砕した。
なお、粉砕用メディアとしては直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。この粉砕液に2%キサンタンガム水溶液6部を加え、スリーワンモータを用いて均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
(比較例5)
実施例7のポリビニルアルコールにかえて界面活性剤としてポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(商品名「ソルポールOP−10」東邦化学工業株式会社製)2部を用いた以外は実施例7と同じ組成物と操作により均一な水性懸濁製剤を得た。
実施例7のポリビニルアルコールにかえて界面活性剤としてポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(商品名「ソルポールOP−10」東邦化学工業株式会社製)2部を用いた以外は実施例7と同じ組成物と操作により均一な水性懸濁製剤を得た。
(比較例6)
実施例10のポリビニルアルコールにかえて界面活性剤としてポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル(商品名「SOPROPHOR BSU」ローヌ・プーラン社製)3部を用い、水を83.8部にした以外は実施例10と同じ組成物と操作により均一な水性懸濁製剤を得た。
実施例10のポリビニルアルコールにかえて界面活性剤としてポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル(商品名「SOPROPHOR BSU」ローヌ・プーラン社製)3部を用い、水を83.8部にした以外は実施例10と同じ組成物と操作により均一な水性懸濁製剤を得た。
(比較例7)
実施例13のポリビニルアルコールにかえて界面活性剤としてアルキルフェノールエチレンオキサイド・プロピレンオキサイドブロックコポリマー(商品名「SOPROPHOR 497/P」ローヌ・プーラン社製)4部を用い、水を69部とした以外は実施例13と同じ組成物と操作により均一な水性懸濁製剤を得た。
実施例13のポリビニルアルコールにかえて界面活性剤としてアルキルフェノールエチレンオキサイド・プロピレンオキサイドブロックコポリマー(商品名「SOPROPHOR 497/P」ローヌ・プーラン社製)4部を用い、水を69部とした以外は実施例13と同じ組成物と操作により均一な水性懸濁製剤を得た。
次に試験例により本発明の水性懸濁製剤の有用性を示す。
(試験例1)水稲付着および薬害試験
1/5000アールのワグネルポットに水田土壌を充填し、水を加えて化成肥料(N:P:K=17:17:17)2gを混入し代かきを行った後、2.5葉期の水稲苗(品種:日本晴)をポットあたり2本移植した。試験は1処理区3ポット(合計6本)で実施し、水稲移植5日後に実施例に準じて調製した水性懸濁製剤50μlを水稲の第2葉の葉身中央部に葉面より1cmの高さからマイクロシリンジで滴下して葉身に薬剤が付着した株数を調査した。また薬剤処理5日後に下記の基準により水稲薬害程度を調査した(表1〜表2中の薬害程度は6株の平均値)。結果は表1〜表2に示す。
1/5000アールのワグネルポットに水田土壌を充填し、水を加えて化成肥料(N:P:K=17:17:17)2gを混入し代かきを行った後、2.5葉期の水稲苗(品種:日本晴)をポットあたり2本移植した。試験は1処理区3ポット(合計6本)で実施し、水稲移植5日後に実施例に準じて調製した水性懸濁製剤50μlを水稲の第2葉の葉身中央部に葉面より1cmの高さからマイクロシリンジで滴下して葉身に薬剤が付着した株数を調査した。また薬剤処理5日後に下記の基準により水稲薬害程度を調査した(表1〜表2中の薬害程度は6株の平均値)。結果は表1〜表2に示す。
調査基準
0:薬害なし
1:付着部に薬痕が残る
2:付着葉の1/4以下が褐変
3:付着葉の1/4〜1/2が褐変
4:付着葉の1/2〜3/4が褐変
5:付着葉の3/4以上が褐変
6:付着葉が枯死
7:付着葉が枯死し、さらに新葉(第4葉)の1/2以下が褐変
8:付着葉が枯死し、さらに新葉(第4葉)の1/2以上が褐変
9:付着葉および新葉が枯死
10:稲全体が枯死
0:薬害なし
1:付着部に薬痕が残る
2:付着葉の1/4以下が褐変
3:付着葉の1/4〜1/2が褐変
4:付着葉の1/2〜3/4が褐変
5:付着葉の3/4以上が褐変
6:付着葉が枯死
7:付着葉が枯死し、さらに新葉(第4葉)の1/2以下が褐変
8:付着葉が枯死し、さらに新葉(第4葉)の1/2以上が褐変
9:付着葉および新葉が枯死
10:稲全体が枯死
(試験例2)長期保存安定性試験
実施例に準じて調製した水性懸濁製剤30mlを容量30ml(φ17mm×長さ180mm)の試験管に入れ、密栓をし、20℃または40℃の恒温室に静置する。20℃で3か月、40℃で3か月後の分離状態を試験管中の懸濁層が下層に沈降し、上層に生じた水層(上スキ層)と全層の高さ(cm)を測定し、懸濁安定性を下記式により算出した。結果は表1〜表2に示す。
実施例に準じて調製した水性懸濁製剤30mlを容量30ml(φ17mm×長さ180mm)の試験管に入れ、密栓をし、20℃または40℃の恒温室に静置する。20℃で3か月、40℃で3か月後の分離状態を試験管中の懸濁層が下層に沈降し、上層に生じた水層(上スキ層)と全層の高さ(cm)を測定し、懸濁安定性を下記式により算出した。結果は表1〜表2に示す。
(試験例3)拡散性試験
1区画の面積が9(3m×3m)の試験区(湛水深5cm)を作り、その中央(A点)に実施例に準じて調製した試料を水面から1mよりピペットで表1〜表2に示した処理薬量の面積相当量を直接滴下した。処理3時間後に試験区の中央(A点)および4隅(B〜E点の各地点)についての水深5cm〜水面までの水をおのおの20mlずつ採取し、水中の除草活性成分濃度をHPLCにて分析した。
1区画の面積が9(3m×3m)の試験区(湛水深5cm)を作り、その中央(A点)に実施例に準じて調製した試料を水面から1mよりピペットで表1〜表2に示した処理薬量の面積相当量を直接滴下した。処理3時間後に試験区の中央(A点)および4隅(B〜E点の各地点)についての水深5cm〜水面までの水をおのおの20mlずつ採取し、水中の除草活性成分濃度をHPLCにて分析した。
なお、水の採取は、内径1cm長さ8cmのガラス管を用い、田面水へガラス管を深さ5cmまで静かに入れ、ガラス管上部にゴム栓をし、静かに引き抜き、田面水約4mlを採取し、この操作を同一地点で5回繰り返して、1地点あたり合計20mlの水を採取する方法を用いた。そして、拡散性は、次式により除草活性成分が試験区内の水中に均一に拡散した場合の理論水中濃度に対する割合で示した。
結果は表1〜表2に示す。
Claims (3)
- 20℃の水に対する溶解度が100ppm以下である除草活性成分と保護コロイド剤(ただし、水溶性セルロースエーテルを除く。)および水よりなることを特徴とする、湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤。
- 請求項1の保護コロイド剤がポリビニルアルコールであることを特徴とする、湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤。
- 請求項2のポリビニルアルコールが平均重合度2000以下でケン化度が69〜90モル%であることを特徴とする、湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤。
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JP2003313705A JP2004026845A (ja) | 1997-02-07 | 2003-09-05 | 湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100729581B1 (ko) * | 2005-03-28 | 2007-06-18 | 이덕재 | 길이 조절이 용이한 침대 |
JP2013155136A (ja) * | 2012-01-30 | 2013-08-15 | Hokko Chem Ind Co Ltd | 散布性の良好な水性懸濁農薬製剤 |
JP2013155137A (ja) * | 2012-01-30 | 2013-08-15 | Hokko Chem Ind Co Ltd | 散布性および付着性の改良された水性懸濁農薬製剤 |
US20230084251A1 (en) * | 2021-09-02 | 2023-03-16 | Arakawa Chemical Industries, Ltd. | Heat sealing aqueous resin composition, film, laminate, and method for producing same |
Citations (4)
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-
2003
- 2003-09-05 JP JP2003313705A patent/JP2004026845A/ja active Pending
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