以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[遊技媒体揚送磨き装置の全体構成]
図1及び図2は本発明に係る遊技媒体揚送磨き装置の斜視図、図3は遊技媒体揚送磨き装置の分解斜視図、図4は遊技媒体揚送磨き装置の側断面図、図5は遊技媒体揚送磨き装置の磨きユニットの側断面図、図6は磨きユニットの斜視図、図7及び図8は遊技媒体揚送磨き装置下部の側面図、図9は遊技媒体揚送磨き装置上部の分解斜視図、図10は遊技媒体揚送磨き装置上部の斜視図である。
本実施の形態に係る遊技媒体揚送磨き装置1は、遊技場に設置されたスロットマシンに使用されるメダルを磨いて汚れを拭き取る装置であって、無端状の揚送ベルト2(図2参照)を周回可能に保持する揚送ユニット3と、該揚送ユニット3に着脱可能に装着された磨きユニット4を備えている。
[揚送ユニットの構成]
上記揚送ユニット3は、垂直に立設されるチャンネル状のハウジング5を備えており、このハウジング5内には、図4に示すように該ハウジング5の上端部と下端部に回転可能に横架された回転軸6,7にそれぞれ結着された従動ローラ8と駆動ローラ9に巻装された例えば不織布等から成る前記揚送ベルト2が収容されている。尚、前記揚送ユニット3には、複数のガイドローラ10と、揚送ベルト2に所定の張力を付与するためのテンションローラ11と、が備えられている。そして、この揚送ベルト2は、ハウジング5の背面下部にブラケット12によって横置き状態で固設された駆動源である電動モータ13(図8参照)によって回転駆動される。
即ち、図7に示すように、電動モータ13の出力軸(モータ軸)13aの端部に結着された駆動プーリ14と前記回転軸7の端部に結着された従動プーリ15には無端状の駆動ベルト16が巻装されており、この駆動ベルト16にはテンションプーリ17によって所定の張力が付与されている。従って、電動モータ13が起動されると、その出力軸13aの回転は、駆動プーリ14と駆動ベルト16及び従動プーリ15を経て回転軸7に伝達され、該回転軸7に結着された前記駆動ローラ9(図4参照)が回転駆動されるため、該駆動ローラ9と従動ローラ8間に巻装された揚送ベルト2が周回せしめられる。
又、図3に示すように、揚送ユニット3の正面(磨きユニット4との合面)側下端部にはメダル案内ブロック18が設けられており、このメダル案内ブロック18には、磨き前の汚れたメダルM(図4参照)を揚送ユニット3の下部に投入するための縦スリット状のメダル投入口18aが形成されている。
更に、ハウジング5の上部には、図9及び図10に詳細に示すように、揚送ユニット3の上端開口部を開閉するベルトカバー19が軸20を中心として上下に回動可能に軸支されている。このベルトカバー19には、磨きによって汚れが拭き取られたメダルMを排出するためのメダル排出口19a(図1〜図3参照)が開口しており、該ベルトカバー19は、左右に設けられた固定手段としてのフック21と係止金具22とによって閉状態がロックされる。ここで、フック21はベルトカバー19の左右に取り付けられ、係止金具22はハウジング5の上端左右に取り付けられており、図1〜図3に示すようにベルトカバー19を閉じて係止金具22をフック21に係止することによって該ベルトカバー19の閉状態がロックされる。尚、図9及び図10に示すように、揚送ユニット3には、揚送ベルト2の寄りを調整するための調整ボルト23が備えられている。
(蛇行ユニットの構成)
ところで、図7に示すように、揚送ユニット3のハウジング5の背面側下部であって、前記電動モータ13の上方には、揚送ベルト2を周期的に左右に蛇行させるための蛇行ユニット24が設けられている。ここで、蛇行ユニット24の構成を図11〜図13に基づいて以下に説明する。
図11は蛇行ユニットの構成を示す斜視図、図12は蛇行ユニットの駆動カムの斜視図、図13は蛇行ユニットの従動カムと押圧ブロックの斜視図である。
蛇行ユニット24は、前記電動モータ13を共通の駆動源として動作するものであって、図11に示すように互いに平行に配された回転可能な回転軸25,26を備えており、一方の回転軸25には従動プーリ27と駆動カム28が結着されており、他方の回転軸26には従動カム29と2つの押圧ブロック30が結着されている。
上記駆動カム28の外周1箇所には図12に示すようにカムローラ31が回転可能に軸支されており、前記従動カム29の背面には図13に示すように略四角形状のガイドブロック29Aが一体に形成されている。このガイドブロック29Aの外周4辺には前記駆動カム28との干渉を避けるために円弧状凹部29aがそれぞれ形成されており、該ガイドブロック29Aの4つの各頂点からは回転中心に向かうガイド溝29bが放射状に形成されている。
又、2つの前記押圧ブロック30は、周方向に互いに位相が互いに180°ずれた状態で回転軸26に結着されており、揚送ベルト2の幅の左右位置に配されている。そして、各押圧ブロック30には計6つの押圧ローラ32がそれぞれ回転可能に軸支されている。そして、図11に示すように、前記電動モータ13の出力軸13aの端部には駆動プーリ33が前記駆動プーリ14と共に結着されており、この駆動プーリ33と蛇行ユニット24の回転軸25に結着された前記従動プーリ27との間には無端状の駆動ベルト34が巻装されており、該駆動ベルト34にはテンションプーリ35によって所定の張力が付与されている。
(蛇行ユニットの作用)
次に、以上のように構成された蛇行ユニット24の作用を図14(a)〜(c)に基づいて説明する。
図14(a)〜(c)は蛇行ユニットの作用を説明する斜視図であり、図11に示す電動モータ13が起動されると、その出力軸13aの回転は駆動プーリ33と駆動ベルト34及び従動プーリ27を経て回転軸25に伝達され、該回転軸25とこれに結着された駆動カム28が図14の矢印方向(時計方向)に回転する。駆動カム28と、従動カム29と、はゼネバ機構を構成しており、図14の矢印方向に回転する回転軸25の連続回転を、前記ゼネバ機構によって回転軸26への断続回転に変換する。よって、回転軸26に結着された押圧ブロック30は、断続回転する回転軸26によって周期的に回転することで、揚送ベルト2の左右端方向を左右交互に周期的に押圧することができる。ここで、図14(a)は駆動カム28のカムローラ31が従動カム29のガイド溝29bに係合する前の状態を示しており、このとき、駆動カム28の回転は従動カム29に伝達されておらず、従って、従動カム29と回転軸26及び2つの押圧ブロック30は停止しており、2つの押圧ブロック30に軸支された各6つの押圧ローラ32は揚送ベルト2から離間している。
そして、駆動カム28のカムローラ31が従動カム29のガイド溝29bに係合すると、図14(b)に示すように従動カム29は図示矢印方向(反時計方向)に回転し、これによって回転軸26と2つの押圧ブロック30が同方向に回転する。図14(b)は右側の押圧ブロック30に設けられた押圧ローラ32が揚送ベルト2に当接している状態を示しており、従動カム29と回転軸26及び2つの押圧ブロック30が更に回転して図14(c)に示す状態になると、右側の押圧ブロック30に設けられた押圧ローラ32が揚送ベルト2の右側に当接してこの部分を押圧する。
そして、図14(c)に示す状態から駆動カム28が更に回転すると、該駆動カム28に設けられたカムローラ31は従動カム29のガイド溝29bから外れるため、駆動カム28の回転は従動カム29に伝達されず、該従動カム29と回転軸26及び2つの押圧ブロック30の回転が停止する。その後、駆動カム28だけが回転し、これに設けられたカムローラ31が従動ローラ29のガイド溝29bに係合すると、この駆動カム28の回転は従動カム29と回転軸26及び2つの押圧ブロック30に伝達されてこれらが回転し、図14(a)〜(c)に示す状態を経て今度は左側の押圧ブロック30に設けられた6つの押圧ローラ32が揚送ベルト2の左側部分に当接してこの部分を押圧する。
従って、駆動カム28が1回転する毎に従動カム29と回転軸26及び2つの押圧ブロック30が間欠的に1/4回転し、2つの押圧ブロック30にそれぞれ設けられた各6つの押圧ローラ32が揚送ベルト2の左右端部分を左右交互に周期的に押圧するため、周回する揚送ベルト2が周期的に左右に蛇行を繰り返すことになる。
[磨きユニットの構成]
次に、前記磨きユニット4の構成について説明する。
磨きユニット4は、揚送ユニット3に着脱可能に装着されるものであって、図1〜図3に示すように垂直に起立するチャンネル状のハウジング36を備えており、このハウジング36の表裏には磨き布37(図1及び図3参照)が巻き取り可能に巻き掛けられて保持されている。そして、ハウジング36の背面側下部には、図5に示すように、後述する巻取軸38(38A)に巻回された布ロール37Aから磨き布37を送り出してメダルMの磨きに供する送出部Aと、メダルMの磨きに供せられた磨き布37の表裏を反転させてこれを巻取軸38(38B)に巻き取る巻取部B、及びメダルMを遊技媒体繰出装置であるメダルホッパ92に投入するためのメダル投入部Cが上下方向に配置されている。
図1〜図8に示すように、磨きユニット4のハウジング36の背面下部には左右一対のブラケット39が結着されており、これらのブラケット39間の上下には図15に示す巻取軸38A,38Bがそれぞれ着脱可能に装着されている。即ち、図7及び図8に示すように、各ブラケット39の上下には背面側(図8の右側)に向かって開口する軸受部39a,39bがそれぞれ形成されており、送出部Aに設けられた上側の左右一対の軸受部39aには、布ロール37Aの巻取軸38Aが着脱可能に装着されている。又、巻取部Bに設けられた下側の左右一対の軸受部39bには他方の巻取軸38Bが着脱可能に装着されている。
ここで、上下の巻取軸38A,38Bは同じものであって共通化されており、図15に示すように、その軸方向一端にはギヤ40が結着され、軸方向中央には、磨き布37よりも若干幅広の軸方向に長いスリット38aが貫設されている。そして、各巻取軸38(38A,38B)のスリット38aには磨き布37の端部がそれぞれ通され、各巻取軸38(38A,38B)が回転することによって布ロール37Aから磨き布37が巻き出されてメダルMの磨きに供され、メダルMの磨きに供された磨き布37は巻取部Bの巻取軸38Bに定期的に巻き取られる。
ここで、前記巻取軸38(38A,38B)は15(b),(c)に示すように分割可能な分割片38−1と38−2とを結合一体化して構成されており、一方の分割片38−1の結合端面には2つの係合孔38bが形成され、他方の分結片38−2の結合面には2本の係合ピン38cが突設されている。そして、一方の分割片38−1の係合孔38bに他方の分割片38−2の係合ピン38cを嵌合させることによって両分割片38−1,38−2が結合されて図15(a)に示すような巻取軸38が構成される。この巻取軸38には汚れた磨き布37が巻き取られるが、その表裏が汚れた磨き布37が巻取軸38に巻き取られた段階で、磨き布37は巻取軸38から取り外されて回収されるが、このとき、図15(b),(c)に示すように分割片38−2を分割片38−1から抜き取れば、分割片38−1に巻き取られている磨き布37を容易に取り外して回収することができる。
ところで、左右一対のブラケット39の上下に形成された前記軸受部39a,39bの近傍には、各巻取軸38A,38Bの上半部を押える凹部41a(図7参照)が形成された軸受アーム41の各一端が軸42によって上下に回動可能に軸支されており、同じ側に配された上下の軸受アーム41同士は連結ロッド43によって互いに連結されている。そして、各軸受アーム41は、これらとブラケット39間に縮装されたスプリング44によって軸42を中心として常時下方(各巻取軸38A,38Bを押える方向)に付勢されている。尚、下方の軸受アーム41にはフック41bが形成されており、このフック41bに後述の布誘導アーム54のアーム固定軸45が係合することによって布誘導アーム54の固定がロックされる。
而して、図7及び図8に示すように送出部Aと巻取部Bにそれぞれ装着された巻取軸38A,38Bを取り外すには、例えば上側の片方の軸受アーム41の先端部を操作して該軸受アーム41をスプリング44の付勢力に抗して軸42を中心として上方へ回せば、連結ロッド43によって上側の軸受アーム41に連結された下側の軸受アーム41が連動して軸42を中心として上方へ回動するため、巻取軸38A,38Bの固定状態が解除され、これらの巻取軸38A,38Bをそのまま引き出して簡単に取り外すことができる。
又、取り外された各巻取軸38A,38Bを送出部Aと巻取部Bにそれぞれ装着するには、これらの巻取軸38A,38Bをブラケット39の各軸受部39a,39bにそのままスライドさせて押し込めば良い。すると、各軸受アーム41が各巻取軸38A,38Bによってスプリング44の付勢力に抗して軸42を中心として押し上げられるため、各巻取軸38A,38Bの押し込みが許容され、各巻取軸38A,38Bが各軸受アーム41の凹部41aにそれぞれ合致すると該凹部41aが巻取軸38A,38Bの各上半部に嵌合し、巻取軸38A,38Bが送出部Aと巻取部Bにそれぞれ装着される。
又、図7に示すように、左右のブラケット39には駆動源としての電動モータ46が横置き状態で架設されており、図8に示すように該電動モータ46の出力軸46aの一方のブラケット39から側方に突出する端部には小径の駆動ギヤ47が結着されている。そして、駆動ギヤ47は、ブラケット39に回転軸48によって回転可能に軸支された大径のギヤ49に噛合しており、このギヤ49は、図8及び図15に示すように、巻取部Bに装着された巻取軸38Bの一端に結着された前記ギヤ40に噛合している。
ところで、磨きユニット4の送出部Aに装着された布ロール37Aから送り出される磨き布37は、ハウジング36の背面側を垂直上方へ延び、図4及び図5に示すように、ハウジング36の上部に互いに平行に配されたローラ50,51によって折り返されてハウジング36の内部を下方に延び、この部分が揚送ユニット3側の揚送ベルト2に対向している。そして、垂直下方へ延びる磨き布37は、図4に示すようにローラ52,53及び布誘導アーム54によって方向を垂直上方へと変えられた後、布誘導アーム54の布誘導ローラ55によって略直角に折り曲げられて巻取軸38Bへと水平に延び、その端部が巻取軸38Bに巻き付けられている。
又、図5に示すように、前記ローラ53を支持する軸56の端部には、外周部に複数のスリット57aが放射状に形成された回転板57が結着されており、この回転板57の近傍には、該回転板57のスリット57aを通過する光を検出することによってローラ53の回転数を光学的に検出する不図示の回転センサ(エンコーダ)が設けられている。
更に、図4及び図5に示すように、磨きユニット4の送出部Aの近傍であって、ブラケット39の上端には、磨き布37の有無を光学的に検知する光学センサ58が設けられている。尚、図1〜図4に示すように、磨きユニット4には、研磨布37をガイドするためのベルトガイド59が設けられている。
(布誘導アームの構成)
ここで、前記布誘導アーム54の構成を図16に基づいて説明する。
図16は布誘導アームの斜視図であり、該布誘導アーム54は、側面視L字状に屈曲する部材であって、矩形プレート状のガイド板54Aの上端に左右一対の平行なアーム54Bの各端部を直角に取り付けて構成されている。そして、左右一対のアーム54B間には布誘導ローラ55,60が回転可能に支持されるとともに、1本のアーム固定軸45が連結されており、布誘導アーム54は、回転軸62によって左右のブラケット39によって揺動可能に支持されている。尚、布誘導アーム54の前記ガイド板54Aの左右両端には磨き布37の左右両端をガイドするための側壁54aが起立しており、ガイド板54Aの下端は磨き布37を円滑に誘導するための円弧状に折り曲げられたガイド部54bが形成されている。
(磨き布及びメダルガイド構造)
次に、磨きユニット4のハウジング36内に設けられた磨き布37及びメダルMのガイド構造を図17に基づいて説明する。
図17は図4のA−A線断面図であり、ハウジング36内の幅方向中央には上下方向(図17の紙面垂直方向)に4分割されたメダルガイド63が配されている。このメダルガイド63の両側部には係合溝63aが上下方向に形成されており、各係合溝63aにはガイド押え板64の幅方向端縁がそれぞれ係合している。ここで、各係合溝63aの幅はガイド押え板64の板厚よりも大きく設定されており、メダルガイド63は、図示矢印方向(揚送ベルト2に対して接離する方向)に移動可能に保持されている。そして、メダルガイド63の背面には複数の凹部63bが形成されており、各凹部63bとハウジング36の内面との間にはガイドバネ65がそれぞれ縮装されており、これらのガイドバネ65によってメダルガイド63は揚送ベルト2に近接する方向(図17の左方)に付勢されており、通常はメダルガイド63の左右の係合溝63aの幅方向両端面がガイド押え板64に当接してメダルガイド63は図17に示す位置にある。
又、メダルガイド63の揚送ベルト2に対向する面には、メダルMが通過するためのガイド溝63Aが上下方向に形成されており、このガイド溝63A内には磨き布37が嵌め込まれており、ガイド溝63Aの内面は磨き布37によって被覆されている。そして、後述のようにメダルMはガイド溝63A内に嵌め込まれた磨き布37と揚送ベルト2によって挟持された状態でガイド溝63A内の磨き布37間をメダルMの外縁面に該揚送ベルト2を押し当てて転動しながら上方へと揚送されることによって、メダルMの両側面が磨き布37によって磨かれて汚れが拭き取られる。尚、メダルMの揚送ベルト2による押圧の程度に応じてメダルガイド63がガイドバネ65の付勢力に抗して図示矢印a方向(揚送ベルト2側)に移動し、メダルMは揚送ベルト2によって常に一定の押圧力を受ける。
ところで、メダルガイド63に形成されたガイド溝63Aの幅はメダルMの厚さよりも大きく設定されており、このガイド溝63Aに嵌め込まれた磨き布37はメダル押板66によってメダルM側(図17の矢印b方向)に押圧されている。即ち、メダルガイド63の内部にはテンションピン67が横方向に摺動可能に収容保持されており、このテンションピン67の先端に前記メダル押板66が結着されている。そして、メダル押板66はテンションバネ68によって磨き布37をメダルMに押圧する方向(図17の上方)に付勢されており、これによって磨き布37はメダルMに所定の力で押圧されている。尚、図17に示すように、メダルガイド63には、テンションピン67を固定するためのメダルガイド蓋69が備えられている。
而して、後述のように磨き布37は送出部Aから定期的に送り出されて巻取部Bに巻き取られる。この場合、送出部Aからは扁平な帯状の磨き布37が送り出されるが、磨きユニット4の上端でローラ50,51によって折り返されて下方に向かって移動する磨き布37は、図18〜図20に示すガイド機構によって折り曲げられてその幅方向中央がメダルガイド63のガイド溝63A内に嵌め込まれる。
(ガイド機構の構成及び作用)
ここで、メダル案内部材78と、布案内ブロック70と、ローラ51,52と、から構成されるガイド機構の構成を図18〜図20に基づいて以下に説明する。
図18は磨きユニット上端部のメダル案内部材を取り外した状態を示す斜視図、図19はメダル案内部材の正面図、図20は同メダル案内部材の底面図である。
図18に示すように、ハウジング36内上端の前記メタルガイド63が設けられていない部分には布案内ブロック70が設けられており、この布案内ブロック70の上端にクラウン状の前記ローラ51が回転可能に支持されている。そして、ハウジング36の背面上端にはブラケット71が取り付けられており、このブラケット71には回転可能な布押えローラ72と前記ローラ50(図4及び図5参照)が上下に配置されて支持されている。ここで、布押えローラ72は、ローラ50,51に掛け渡された磨き布37をローラ50との間に押え込むものであって、この布押えローラ72は、その回転軸73がブラケット71の左右にそれぞれ形成された上下方向に長い長孔71aに係合することによって上下方向に移動可能に支持されており、その回転軸73とローラ50の回転軸74の両端にそれぞれ結着された同側のプーリ75,76間に巻装された弾性リング77によって下方へと引っ張られてローラ50との間で磨き布37を挟持している。
ところで、前記布案内ブロック70の幅方向中央にはV字状の凹部70aが形成されており、この凹部70aを覆うように図19及び図20に示すメダル案内部材78がハウジング36の上端左右に回動可能に支持されている。
上記メダル案内部材78は、略矩形平板状に成形されており、その左右の上部には固定ピン79が水平に突設されており、これらの固定ピン79がハウジング36の上端左右に形成された鍵状の長孔36a(図18参照)に嵌め込まれることによってメダル案内部材78がハウジング36に回動可能に支持されている。そして、このメダル案内部材78の前記布案内ブロック70に対向する側の面の幅方向中央には、図20に示すように上下方向(図20の紙面垂直方向)に延びる凸状の布押え部78Aが突設されており、この布押え部78Aの裏側(揚送ベルト2に対向する側)には、メダルMが通過するためのスリット状のメダル通路78aが上下方向に貫設されている。又、メダル案内部材78の布押え部78Aが突設された側の面の左右には、磨き布37の左右両端縁を案内するための布案内ピン80が突設されている。尚、メダル通路78aの下端の幅は上端の幅よりも若干広く設定されており、このメダル通路78aは、メダルガイド63に形成された前記ガイド溝63Aに連続している。
更に、メダル案内部材78の揚送ベルト2に対向する側の面(図20の上側の面)の左右には凹部78bが形成されており、各凹部78bには、軸81によって左右に移動可能に支持されたツマミ82と、このツマミ82の下端に結着されたロックピン83とが収容されている。ここで、ロックピン83はメダル案内部材78の支持部78cに摺動可能に挿通支持されており、ツマミ82とロックピン83は、軸81に巻装されたスプリング84によって外側方に常時付勢されている。そして、ツマミ82を操作しない場合には、スプリング84によって外側方に付勢されている左右のロックピン83は、図19に示すようにその先端部がメダル案内部材78の支持部78cから外側方に突出している。
ところで、図18に示すように、メダルガイド63の上端部の左右にはL字状に屈曲する布案内ガイド85が設けられており、その下方には同じくL字状に屈曲する布押え板86が上下方向に配されている。
次に、メダル案内部材78による磨き布37のメダルガイド63のガイド溝63Aへのガイド作用を図21(a)〜(c)に基づいて以下に説明する。
図21(a)〜(c)はメダル案内部材による磨き布のメダルガイドのガイド溝へのガイド作用を説明する斜視図であり、図21(a)に示すように磨きユニット4のハウジング36の上端部にメダル案内部材78を取り付ける前の状態から、図21(b)に示すように磨き布37をハウジング36にセットし、該磨き布37の幅方向中央部分に不図示の治具を押し込んで、この部分をメダルガイド63のガイド溝63Aに嵌め込む。その後、メダル案内部材78を図21(c)に示すようにハウジング36に取り付け、このメダル案内部材78を固定ピン79を中心として回動させれば、ロックピン83の先端がハウジング36の左右に当接してスプリング84(図19参照)の付勢力に抗してメダル案内部材78の支持部78c(図19参照)に埋没するため、メダル案内部材78の回動が許容される。そして、左右のロックピン83がハウジング36の左右に形成された円孔36bに合致した時点で両ロックピン83がスプリング84の付勢力によって外側方に突出してハウジング36の円孔36bに嵌合するため、メダル案内部材78が図6に示すようにハウジング36の上部に固定され、これに形成されたメダル通路78a(図19及び図20参照)がメダルガイド63のガイド溝63A(図18参照)に連続するとともに、メダル案内部材78に突設された布押え部78Aが布案内ブロック70の凹部70aとの間で磨き布37の幅方向中央部を押圧し、この部分を折り曲げてメダルガイド63のガイド溝63Aへと導く。すると、磨き布37の幅方向中央部分がメダルガイド63のガイド溝63Aへと順次送り込まれて該磨き布37がガイド溝63Aに嵌め込まれる。尚、メダル案内部材78をハウジング36に取り付けた状態であっても、磨き布37をメダルガイド63のガイド溝63Aに嵌め込んで被覆することができる。
尚、図6に示すように、ハウジング36の下端部にはメダル案内部材78が上下を逆にして取り付けられているため、幅方向中央がメダルガイド63のガイド溝63Aを通過した磨き布37は、メダル案内部材78によってその形状が扁平な帯状に戻されて巻取部Bの巻取軸38Bに巻き取られる。
(メダル投入部)
次に、左右のブラケット39とメダルホッパ92と、から構成される磨きユニット4の下部に設けられた前記メダル投入部Cの構成を図1〜図8に基づいて以下に説明する。
左右の前記ブラケット39には矩形のメダル投入口39Aがそれぞれ形成されており、各メダル投入口39Aにはチャンネル状のメダル投入ガイド87がそれぞれ装着されている。そして、各メダル投入口39Aは、左右のブラケット39の外面側に回動可能に設けられた左右のシャッタ88によってそれぞれ開閉される。ここで、左右のシャッタ88は、軸89によってブラケット39に回動可能に支持されている。又、左右の各シャッタ88の内面には図5に示すように係合ピン90が突設されており、この係合ピン90はブラケット39に形成された係合孔39cに係合している。そして、図7及び図8に示すように、各シャッタ88とブラケット39との間にはスプリング91が縮装されており、各シャッタ88は各メダル投入口39Aを閉じる方向(図8において軸89を中心とする時計方向)に付勢されている。
又、左右のブラケット39内には図3〜図5に示すメダルホッパ92が着脱可能に装着される。ここで、遊技媒体繰出装置であるメダルホッパ92の構成と作用を図22に基づいて以下に説明する。
図22はメダルホッパの斜視図であり、図示のメダルホッパ92は、上方が開口する矩形箱状のメダルタンク93を備えており、その下方のハウジング94に中央部には円板状のスプロケット95が回転可能に配置されている。そして、ハウジング94の前端部にはメダル姿勢変換部96が設けられており、ハウジング94の後部両側には固定ピン97が横方向に突設されている。尚、メダルタンク93とハウジング94及びスプロケット95によってメダル送出部が構成されており、後述のようにメダル送出部によってメダルMが水平な姿勢を保ってメダル姿勢変換部96へと1枚ずつ順次送り出される。
前記スプロケット95は、ハウジング94に内蔵された駆動源である不図示の電動モータによって水平面内を回転駆動されるが、これにはメダルMを嵌合保持するための複数のメダル取込孔95aが形成されている。尚、メダルタンク93の前端部には斜面93aが形成されている。
ところで、図7及び図8に示すように、左右のブラケット39(図7及び図8には一方のみ図示)の下部には、ロックアーム98がその一端を軸99によって上下に回動可能に支持されてそれぞれ設けられており、このロックアーム98の他端には上方に開口する係合溝98aが形成されている。そして、各ロックアーム98は、これとブラケット39間に縮装されたスプリング100によって軸99を中心として図8の反時計方向に常時付勢されており、ブラケット39に突設されたストッパピン101に当接することによって図示のように水平状態を維持している。
而して、メダルホッパ92をブラケット39間の収納空間内に押し込んで装着すると、そのメダルタンク93の前端部の斜面93aがシャッタ88の内面に突設された係合ピン90に当接する。すると、係合ピン90がブラケット39の係合孔39cに沿って移動するため、図5に示すようにブラケット39のメダル投入口39Aの一部を閉じていたシャッタ88がスプリング91の付勢力に抗して軸89を中心として図5の反時計方向に回動し、図7及び図8に示すようにメダル投入口39Aが全開状態となる。尚、自重によって図5に鎖線にて示すように傾いていた布誘導アーム54は、メダルホッパ92が装着される前に手動操作によって回転軸62を中心として時計方向に回動せしめられており、そのガイド板54Aが図5に実線にて示すように垂直に起立している。このため、ローラ52,53によって折り返された磨き布37は、図5に実線にて示すように垂直に起立した後、布誘導ローラ55によって直角に折り返されて巻取軸38Bまで水平に案内される。
又、メダルホッパ92が更に押し込まれると、これの両側部に水平に突設された固定ピン97が左右の各ロックアーム98の先端に当接して該ロックアーム98をスプリング100の付勢力に抗して軸99を中心として下方(図8の時計方向)に押し下げるため、該メダルホッパ92の更なる押し込みが許容される。そして、メダルホッパ92が正規の位置まで押し込まれ、その左右に突設された固定ピン97が各ロックアーム98の係合溝98aに合致すると、各ロックアーム98がスプリング100の付勢力によって軸99を中心として回動するため、図7及び図8に示すように該ロックアーム98の係合溝98aにメダルホッパ92の左右の固定ピン97が係合し、これによってメダルホッパ92が位置決めされてその位置がロックされる。
このようにして、ブラケット39間の収納空間に装着されたメダルホッパ92のメダルタンク93に対し、汚れたメダルMが左右のメダル投入ガイド87を経てメダル投入口39Aから投入されると、該メダルMは、メダルホッパ92のメダルタンク93に入り込み貯留されるとともに、回転するスプロケット95のメダル差込孔95aへと順次差し込まれて嵌合保持され、スプロケット95と共に回転する。そして、スプロケット95と共に回転するメダルMがメダル姿勢変換部96の位置に達すると、その外周が不図示のピンに当接してスプロケット95の径方向外方に向かう力をピンから受けるため、メダルMはスプロケット95のメダル差込孔95aから取り出されて水平な状態を保って前記メダル姿勢変換部96へと投入される。
(メダル姿勢変換部)
次に、前記メダル姿勢変換部96の構成と作用を図23及び図24に基づいて以下に説明する。
図23はメダル姿勢変換部を示す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、図24は水平状態で投入されたメダルがその姿勢を垂直に変換される様子を示す斜視図である。
メダル姿勢変換部96は、前記メダルホッパ92から水平状態を保って投入されるメダルMの姿勢を水平から垂直に変換する機構であって、矩形ブロック状のハウジング102の中心部には円孔状のメダル通路102aが貫設されている。ここで、メダル通路102aの内径はメダルMの外径よりも若干大きく設定されており、このメダル通路102aをメダルMが通過することができる。
又、ハウジング102の上下面にはプレート103,104がそれぞれ取り付けられており、一方(上側)のプレート103には、ハウジング102を貫通してメダル通路102a内に上方から臨む姿勢変換板103Aが垂直下方に向かって互いに平行且つ一体に形成され、他方(下側)のプレート104には、ハウジング102を貫通してメダル通路102a内に下方から臨む姿勢変換傾斜板104Aが垂直上方に向かって一体に形成されている。ここで、姿勢変換板103Aと姿勢変換傾斜板104Aとは互いに平行に上下方向に配されており、両者間にはメダルMが通過するための横方向の隙間δ1と縦方向の隙間δ2がそれぞれ形成されている。又、これらの姿勢変換板103Aと姿勢変換傾斜板104Aは、メダル通路102aの中心から左右にオフセットした位置に配置されており、姿勢変換傾斜板104Aの長手方向中間部からは先端出口に向かって上方に傾斜する斜面104aが形成されている。
而して、前述のようにメダルホッパ92から水平状態を保って送り出されるメダルMは、メダル姿勢変換部96のメダル通路102aへと投入されるが、この水平状態のメダルMはメダル通路102a内に姿勢変換板103Aと姿勢変換傾斜板104Aによって形成された横方向の隙間δ1に送り込まれる。すると、このメダルMは姿勢変換傾斜板104Aの上面に載って搬送されるが、前述のように姿勢変換傾斜板104Aはメダル通路102aの中心(メダルMの中心)から左右にオフセットした位置に配置されているため、メダルMが姿勢変換傾斜板104Aの斜面104aに達すると、図24に示すように斜面104aによって倒れて姿勢が垂直に変換され、姿勢変換板103Aと姿勢変換傾斜板間104A間の垂直な隙間δ2を通ってメダル通路102aから排出され、図3に示す揚送ユニット3の下部に設けられたメダル案内ブロック18に開口するメダル投入口18aからメダル案内ブロック18内へと投入される。
(揚送ユニットと磨きユニットとの着脱構造)
ここで、以上説明した揚送ユニット3と磨きユニット4との着脱構造について説する。
本実施の形態に係る遊技媒体揚送磨き装置1においては、磨きユニット4は、揚送ユニット3に互いのハウジング36,5の開口部同士が接合されるように着脱可能に装着されているが、図1〜図3に示すように、磨きユニット4のハウジング36の開口部の左右端縁には、下方が開口した複数のフック36cが上下方向に適当な間隔で一体に形成されており、揚送ユニット3のハウジング5の両側面の前記フック36cに対応する箇所には、フック36cが係合する複数の係合ピン105が上下方向に適当な間隔で水平に突設されている。
[遊技媒体揚送磨き装置の作用]
次に、以上のように構成された遊技媒体揚送磨き装置1によるメダルMの磨きについて説明する。
図1及び図2に示すように、磨きユニット4が揚送ユニット3に装着された状態では、図17に示すように、該磨きユニット4に保持された磨き布37と揚送ユニット3に保持された揚送ベルト2とは両ハウジング5,36によって囲まれた空間内において互いに対向している。
而して、汚れた複数のメダルMが前述のようにメダル投入ガイド87を経てメダル投入部Cの左右のメダル投入口39Aからメダルホッパ92へと投入されると、メダルタンク93に貯留されるとともに回転するスプロケット95によって各メダルMが水平に姿勢を保って順次メダル姿勢変換部92へと送り込まれる。すると、メダル姿勢変換部92をメダルMが通過する過程で、該メダルMは、水平から垂直に姿勢変換され、垂直の姿勢を保ったまま揚送ユニット3の下端部に設けられたメダル案内ブロック18に開口する縦スリット状のメダル投入口18aからメダル案内ブロック18内へと投入される。
揚送ユニット3においては、電動モータ13が起動されると、前述のように揚送ベルト2が図2の矢印方向に周回し、その磨き布37に対向する部分が上方へと移動するため、メダル案内ブロック18へと投入されたメダルMは、図17に示すようにメダルガイド63のガイド溝63Aにおいて揚送ベルト2とガイド溝63Aに嵌め込まれた磨き布37との間で挟持された状態でその外縁面が揚送ベルト2に押し当てられて転動しながらガイド溝63Aに沿って順次上方へと揚送され、その過程で該メダルMの両面が磨き布37によって磨かれて汚れが拭き取られる。このようにして汚れが次々と拭き取られた複数のメダルMは、上端のベルトカバー19に開口するメダル排出口19aから順次排出され、以後、同様の作用が繰り返されて複数のメダルMが次々と磨かれてベルトカバー19のメダル排出口19aから連続的に排出される。
而して、以上のようにメダルMを磨いている間は磨きユニット4の磨き布37は停止しているが、メダルMの磨きによって磨き布37が或る程度汚れると、該磨き布37の磨き面が次の要領で更新される。
即ち、磨きユニット4の図7に示す電動モータ46が起動されると、該電動モータ46の出力軸46aの回転は図8に示す駆動ギヤ47とギヤ49を経て巻取部Bに装着された巻取軸38Bへと伝達され、該巻取軸38Bが図4の矢印方向(反時計方向)に回転するため、該巻取軸38Bに汚れた磨き布37が巻き取られるとともに、送出部Aに装着されている布ロール37Aからは新しい磨き布37が送り出される。そして、送り出された磨き布37は、磨きユニット4の上下端それぞれに配置した、凸状の布押え部78Aを有するメダル案内部材78と、凹部70aを有する布案内ブロック70と、磨き布37を折り返すローラ51,52と、から構成されるガイド機構によって、送出部Aより上方に向かって送り出される偏平な帯状の磨き布37は、磨きユニット4の上端に配置された前記ローラ51により下方へ折り返され、ローラ51の下方に配置したメダル案内部材78の前記布押さえ部78Aと、布案内ブロック70の凹部70aとの間によって、幅方向中央部を折り曲げてガイド溝63Aに被覆するよう嵌め込まれ、ガイド溝63Aの下端から下方に向けて巻取部Bへ巻き取られる磨き布37は、磨きユニット4の下方のメダル案内部材78の布押え部78Aと、下方の布案内ブロック70の凹部70aとの間によって、磨き布37の幅方向中央部を折り曲がりが除かれて磨きユニット4の下端に配置されたローラ52へ導かれ、該下端に配置されたローラ52により偏平な帯状に戻しながら上方へ折り返されて巻取部Bに巻き取られる。
ここで、送出部Aに装着されている布ロール37Aにおいては、図5に示すように、その内面であるa面がメダルMの磨きに供されるため、このa面が磨きによって汚れる。そして、磨き布37が巻取部Bの巻取軸38Bに巻き取られると、該磨き布37はその表裏が反転され、巻取軸38Bには磨き布37が汚れたa面を外側(外面側)、汚れていない新しいb面を内側(内面側)にして巻き取られ、このとき、磨き布37の有無、つまり、送出部Aの巻取軸38Aに磨き布37が残っているか否かが光学センサ58によって光学的に検知される。
上述のように磨き布37が巻取部Bの巻取軸38Bに巻き取られて該巻取部Bに布ロール37Aが形成され、送出部A側の巻取軸38Aに巻回されていた磨き布37が無くなり、該磨き布37の終端が巻取軸38Aのスリット38a(図15参照)から抜け、その終端が光学センサ58を通過すると、光学センサ58がそのことを検知して磨き布37の交換時期を報知する。
ところで、磨き布37が最も汚れる部分は、汚れたメダルMが投入されるメダル案内ブロック18に近い側の部分であり、前述のように磨き布37の終端が光学センサ58を通過しても、磨き布37を更に更新してメダルMの磨きに供することができる。従って、本実施の形態では、光学センサ58が磨き布37の終端を検知してから該磨き布37の終端が光学センサ58から所定の高さ位置まで移動するまでの間は磨き布37の使用を継続し、磨き布37を最後まで無駄なく使い切るようにしている。尚、磨き布37の光学センサ58からの高さ位置は、不図示の前記回転センサによって検出されるローラ53の回転数によって演算される磨き布37の送り量によって決定される。
而して、光学センサ58が磨き布37の終端を検知してから該磨き布37の終端が光学センサ58から所定高さ位置まで移動すると、磨き布37の交換を促すための報知がなされる。その後、磨き布37を交換するが、この磨き布37の交換(実際には巻取軸38A,38Bの交換)は以下のようにしてなされる。
即ち、先ず、ベルトカバー19を固定している係止金具22とフック21との係合を解除し、該ベルトカバー19を図10に示すように軸20を中心として上方に回動させてこれを開く。そして、ベルトカバー19を開いた状態で、磨きユニット4をそのまま持ち上げれば、該磨きユニット4に形成されたフック36cと揚送ユニット4に突設された係合ピン105との係合が解除されるため、磨きユニット4を持ち上げるだけの簡単な操作で該磨きユニット4を揚送ユニット3から作業性良く容易に取り外すことができる。
このようにして磨きユニット4が揚送ユニット3から取り外されると、磨き布37が残っていない送出部Aの巻取軸38Aと1回目の磨きに供された磨き布37が巻回された巻取部Bの巻取軸38Bを前記要領に従って取り外し、両者を交換して送出部Aと巻取部Bに巻取軸38B,38Aを前記要領によってそれぞれ装着する。従って、1回目の磨きに供された磨き布37が巻回された巻取軸38Bが送出部Aに装着され、磨き布37が残っていない巻取軸38Aが巻取部Bに装着される。
そして、送出部Aに装着された巻取軸38Bに巻回されて形成される布ロール37Aから磨き布37が送り出され、この磨き布37は、図4及び図5に示すように各ローラ50〜53に巻き掛けられ、その始端部が巻取部Bに装着された巻取軸38Aのスリット38a(図15参照)に差し込まれて該巻取軸38Aに巻き付けられる。ここで、前述のようにメダルMの磨きに供された磨き布37は、その表裏が反転されて巻取軸38Bに巻き付けられているため、送出部Aに装着された巻取軸38Bに巻回された磨き布37は、その外面であるa面が1回目の磨きに供されて汚れた面となる。尚、本実施の形態では、巻取軸38(38A,38B)に磨き布37を取り付ける取付部として巻取軸38(38A,38B)に形成されたスリット38aを使用したが、これに代えて例えばヘアピン形状の固定具によって磨き布37の端部を挟んでこれを巻取軸38(38A,38B)に巻き付ける構成を採用しても良い。
以上のようにして巻取軸38Aと巻取軸38Bとの交換がなされると、これらの巻取軸38A,38Bが装着された磨きユニット4が揚送ユニット3に装着されるが、この磨きユニット4の揚送ユニット3への装着は、ベルトカバー19を開いた状態で、該磨きユニット4を揚送ユニット3に沿ってそのまま降ろすことによって容易になされる。
即ち、磨きユニット4を持ち上げ、該磨きユニット4のハウジング36の開口部を揚送ユニット3のハウジング5の開口部に合わせた状態で磨きユニット4を降ろせば、該磨きユニット4の両側部に形成された複数のフック36cが揚送ユニット3の両側部に突設された複数の係合ピン105に係合するため、磨きユニット4が揚送ユニット3に作業性良く簡単に装着される。そして、その後にベルトカバー19を図1及び図2に示すように閉じ、ロック手段である左右の係止金具22をベルトカバー19の両側部に設けられたフック21に係止することによってベルトカバー19の閉じ状態をロックすると、磨きユニット4の持ち上がりが確実に防がれる。
而して、上述のように磨きユニット4が揚送ユニット3に装着されると、該磨きユニット4の送出部Aに装着された布ロール37Aから送り出される磨き布37は第2回目の磨きに供されるが、この第2回目の磨きに供される面は1回目の磨きに供されたa面とは反対側のb面となる。従って、本実施の形態では、磨き布37の両面(a面とb面)を磨きに使用することができ、1本の磨き布37で多量のメダルMを磨くことができ、該磨き布37の交換時期を延ばすことができる。
そして、磨き布37のb面の全てが2回目の研磨に供されて巻取部Bの巻取軸38Aに磨き布37が巻き取られて布ロール37Aが形成され、該磨き布37の終端が送出部Aの巻取軸38Bのスリット38a(図15参照)を抜けて光学センサ58を通過すると、このことが光学センサ58によって光学的に検知され、前述のように光学センサ58が磨き布37の終端を検知してから該磨き布37の終端が光学センサ58から所定の高さ位置まで移動するまでの間は磨き布37の使用が継続される。そして、磨き布37の終端が光学センサ58から所定の高さ位置まで移動すると、磨き布37の交換がを促し、前述と同様の要領で磨きユニット4を揚送ユニット3から取り外し、未使用の新しい磨き布37が巻取軸38Aに巻回された布ロール37Aを送出部Aに装着し、前述の要領で磨きユニット4を揚送ユニット3に装着してメダルMの磨きを再開することができる。
以上において、本実施の形態では、ブラケット39のメダル投入口39Aへと投入された多量のメダルMは、メダルホッパ92に配置されたスプロケット95の水平回転によってメダル姿勢変換部96に水平な姿勢で順次送り込まれ、該メダル姿勢変換部96において、円孔状のメダル通路102aにその中心から左右にオフセットした位置に配置された姿勢変換傾斜板104Aを水平状態で移動するが、姿勢変換傾斜板104Aはメダル通路102aの中心から左右にオフセットしているため、該メダルMが姿勢変換傾斜板104Aの斜面104aに当接することによってその姿勢が垂直に確実に変換される。このため、メダルタンク93内の多量のメダルMの姿勢を1枚ずつ水平から垂直に変換して磨き布37による磨きに供することができる。
又、本実施の形態では、メダルホッパ92を取り外すと、この動作に連動してシャッタ88がメダル投入口39Aを閉じるよう構成したため、メダルホッパ92を取り外した状態でもメダルMがメダル投入口39Aから溢れて周囲に散乱することがない。そして、メダルホッパ92の着脱動作に連動してシャッタ88がメダル投入口39Aを開閉するよう構成することによって,メダル投入口39Aの閉め忘れや開け忘れ等の誤動作を防ぐことができ、手間が省かれるという効果が得られる。