JP2013151582A - 水系ポリウレタン樹脂組成物、並びにこれを用いてなるガラス繊維集束剤、繊維強化樹脂用ガラス繊維及び繊維強化合成樹脂組成物 - Google Patents

水系ポリウレタン樹脂組成物、並びにこれを用いてなるガラス繊維集束剤、繊維強化樹脂用ガラス繊維及び繊維強化合成樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス繊維の集束性に優れ、機械的強度に優れたガラス繊維強化樹脂を提供することができる、水系ポリウレタン樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート(B)、親水性化合物(C)、脂肪酸エステルポリオール(D)、水酸基及び不飽和二重結合を有する化合物(E)からなるポリウレタン樹脂を水に分散させてなる水系ポリウレタン樹脂組成物。(C)が下記一般式(1)におけるRが2〜4価のアルコールの残基又は下記一般式(2)で表される基である化合物であり、(D)が、乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸と、トリメチロールプロパン、グリセリン又はペンタエリスリトールとを反応させてなる、不飽和脂肪酸エステルポリオールを含有する脂肪酸エステルポリオールであり、(E)がアリルエーテル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニルエーテル化合物又はアルキルビニルエーテル化合物であることを特徴とする。
Figure 2013151582

Figure 2013151582

【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック基材との接着性に優れ、また、ガラス繊維集束剤等に好適な水系ポリウレタン樹脂組成物並びにこれを用いてなるガラス繊維集束剤、繊維強化合成樹脂用ガラス繊維及び繊維強化合成樹脂組成物に関するものであり、詳細には、本発明の特定の親水性化合物、不飽和脂肪酸エステルポリオール、及び、少なくとも1つの水酸基及び少なくとも1つの不飽和二重結合を有する化合物を含有する水系ポリウレタン樹脂組成物、並びに、これを含有する集束性に優れたガラス繊維集束剤、及び、該ガラス繊維集束剤にて処理されたガラス繊維を用いてなる、機械的強度に優れたガラス繊維強化樹脂成形体を得ることができる繊維強化合成樹脂組成物に関する。
不飽和ポリエステル樹脂は、合成樹脂の中でも特に電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性及び耐腐食性に優れると共に、引張強さや曲げ強さ、耐衝撃性等に優れており、ガラス繊維を含むガラス繊維強化樹脂とすることによって、住宅設備や舟艇・船舶等の様々な用途に使用されている。
ガラス繊維強化樹脂に用いられるガラス繊維は、溶融したガラスを紡糸してなるフィラメントを数百本束ねて1本のストランドとし、これを3〜6mmの長さに切断してチョップドストランドとするか、又はストランドを更に数十本集めてなるロービングを所定長に切断し、ガラスチョップドストランドとすることによって得られる。
ガラス繊維強化合成樹脂組成物は、このようにして得られたガラス繊維をマトリックス樹脂と加熱しながら混練することによって得られ、その後、各種の成形法によって所定の形状に成形し、各種の成形品が製造される。
また、ガラスチョップドストランドの集束力が弱いと、ホッパー内や導入経路中で解繊するために綿状の毛羽が生じやすくなり、ガラス繊維強化樹脂を製造する際、連続かつ安定した混練及び成形が困難となる。
従って、ガラス繊維強化樹脂に用いられるガラスチョップドストランドには、強い集束性が要求される。
また、ガラスチョップドストランドが強く集束することにより、ガラス繊維強化樹脂の機械的強度を良好にすることができる。
そこで、ガラス繊維の製造時や、合成樹脂とのブレンド時の摩擦によって生じる糸割れや毛羽立ちを防止して、フィラメントを保護すると共に、機械的強度に優れたガラス繊維強化樹脂を得るために集束剤が用いられる。
従来、ガラス繊維等の繊維材料の集束剤としては、でんぷん、加工でんぷん、デキストリン、アミロース等のでんぷん類(特許文献1及び2)、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリルアミド−酢酸ビニル共重合体(特許文献3)等の合成高分子化合物が用いられていたが、これらの集束剤の皮膜形成性は十分ではないために、ガラス繊維の毛羽発生を十分抑えられず、樹脂の機械的強度、耐温熱水性が十分ではなかった。
このような問題点を解消するために、エポキシ樹脂を繊維材料の集束剤として使用する方法、多官能エポキシ化合物によって表面処理されたガラス繊維を熱可塑性ポリエステル樹脂に使用する方法(特許文献4)や、水添ビスフェノールA又はエポキシエマルジョンを熱可塑性樹脂強化用繊維のサイジング剤として使用する方法(特許文献5)が提案されている。
しかしながら、これらのエポキシ樹脂を単独で使用した水性樹脂組成物を用いたFRP又はFRTPは、着色したり、物性が劣っていたりする等の問題があった。
また、水系ウレタン樹脂を含有するガラス繊維集束剤も一般的に知られており、ウレタン樹脂にカップリング剤を配合して集束性を改善する技術(特許文献6)、ブロックイソシアネートを用いる技術(特許文献7)等が開示されているが、これらの技術を用いても、未だに集束性及びガラス繊維強化樹脂の機械的強度等の物性が十分ではなかった。
更に、繊維強化不飽和ポリエステル樹脂用に用いられる集束剤としては、酢酸ビニル系エマルションを配合する技術(特許文献8及び9)等が開示されており、水系ポリウレタン樹脂を併用することにより集束性が向上するものの、成形品の機械的強度等の物性が十分ではなかった。
特開昭50―012394号公報 特開平03−183644号公報 特開昭63−236733号公報 特開昭55−052340号公報 特開昭63−230543号公報 特開平09−301746号公報 特開2004−175641号公報 特開平09−12342号公報 特開2006−175801号公報
従って、本発明の第1の目的は、ガラス繊維の集束性に優れたガラス繊維集束剤用水系ポリウレタン樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、ガラス繊維の集束性に優れ、機械的強度に優れたガラス繊維強化樹脂を提供することができる、ガラス繊維集束剤を提供することにある。
本発明の第3の目的は、機械的強度に優れたガラス繊維強化樹脂を提供することができる、集束性に優れた強化樹脂用ガラス繊維を提供することにある。
本発明の第4の目的は、内部のガラス繊維が十分に集束しており、機械的強度に優れたガラス繊維強化樹脂を得ることができる繊維強化合成樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の諸目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリオール化合物、ポリイソシアネートと共に、特定の構造を有する親水性化合物、不飽和脂肪酸エステルポリオールを含有する脂肪酸エステルポリオール、及び、少なくとも一つの水酸基並びに少なくとも一つの不飽和二重結合を有する化合物を必須成分とする水系ポリウレタン樹脂組成物が極めて良好であることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート(B)、親水性化合物(C)、脂肪酸エステルポリオール(D)、少なくとも1つの水酸基及び少なくとも1つの不飽和二重結合を有する化合物(E)からなるポリウレタン樹脂を水に分散させてなる水系ポリウレタン樹脂組成物であって、前記(C)成分が下記一般式(1)で表される化合物であり、前記(D)成分が、乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸と、トリメチロールプロパン、グリセリン及びペンタエリスリトールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールとを反応させてなる、不飽和脂肪酸エステルポリオールを含有する脂肪酸エステルポリオールであり、前記(E)成分が、アリルエーテル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニルエーテル化合物及びアルキルビニルエーテル化合物から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする水系ポリウレタン樹脂組成物;該水系ポリウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とするガラス繊維集束剤、該ガラス繊維集束剤によって処理されてなることを特徴とする繊維強化合成樹脂用ガラス繊維;及び該繊維強化合成樹脂用ガラス繊維を10〜70質量%含むことを特徴とする繊維強化合成樹脂組成物である。
Figure 2013151582
但し、式中のRは、2〜4価のアルコール化合物から1個の水酸基を除いた残基、又は、下記一般式(2)で表される基、Rはメチル基又はエチル基であり、nは10〜55の数である;
Figure 2013151582
但し、Rは、ジイソシアネート化合物の三量体化合物から3個のイソシアネート基を除いた残基である。
前記一般式(1)において、Rは、3価のアルコール化合物から1個の水酸基を除いた残基、又は、前記一般式(2)で表される基であると共に、nは15〜45の数であることが好ましい。
また、前記(D)成分を構成する脂肪酸は亜麻仁油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、紅花油脂肪酸及び大豆油脂肪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記(D)成分は、前記乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸1モルと、前記ポリオール1モルとの反応によって得られる脂肪酸エステルポリオールであることが好ましく、更に、脱水ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールプロパンの反応によって得られる脂肪酸エステルポリオールであることが好ましい。
また、前記繊維強化合成樹脂組成物に使用される合成樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂であることが好ましい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物を含有する集束剤をガラス繊維に含浸させることにより、集束性に優れたガラス繊維を得ることができる。更に、このガラス繊維を不飽和ポリエステル樹脂の補強材として用いることにより、曲げ強度及び衝撃強度に優れたガラス繊維強化樹脂成形体を得ることができる。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート(B)、親水性化合物(C)、不飽和脂肪酸ポリエステルポリオールを含有する脂肪酸ポリエステルポリオール(D)及び、少なくとも1つの水酸基及び少なくとも1つの不飽和二重結合を有する化合物(E)を必須成分としてなる水系ポリウレタン樹脂組成物である。
前記ポリオール化合物(A)は、特に制限されものではないが、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエステルポリカーボネートポリオール類、及び、結晶性又は非結晶性のポリカーボネートポリオール類等が例示される。
前記ポリエーテルポリオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール等の前記低分子ポリオールの他、ビスフェノールA;エチレンジアミン等のアミン化合物等へのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物;ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオール類としては、後述する分子量が200未満の低分子ポリオール等のポリオールと、その化学量論量より少ない量の多価カルボン酸、又は、そのエステル、酸無水物、カルボン酸ハライド等のエステル形成性誘導体との直接エステル化反応又はエステル交換反応によって得られるポリエステルポリオール;及び、前記ポリオールと、ラクトン類又はその加水分解開環反応によって得られるヒドロキシカルボン酸との直接エステル化反応によって得られる、ポリエステルポリオールが挙げられる。
上記多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類;トリメリト酸、トリメシン酸、ひまし油脂肪酸の三量体等のトリカルボン酸類;ピロメリット酸等の4価以上のカルボン酸が挙げられる。
前記多価カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、上述した多価カルボン酸の、酸無水物又は酸クロライド、酸ブロマイド等のカルボン酸ハライド;上記多価カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、アミルエステル等の低級脂肪族エステル等が挙げられる。
前記ラクトン類としては、γ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
前記ポリエステルポリカーボネートポリオール類としては、例えば、ポリカプロラクトンポリオール等のポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応生成物、エチレンカーボネートと多価アルコールとの反応生成物を有機ジカルボン酸と反応させて得られた反応生成物が挙げられる。
また、前記結晶性又は非結晶性のポリカーボネートポリオール類としては、1,3‐プロパンジオール、1,4‐ブタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及び/又はポリテトラメチレングリコール等のジオールとホスゲン、ジアリルカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)若しくは環式カーボネート(例えばプロピレンカーボネート)との反応生成物等が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエステルポリカーボネートポリオール類、結晶性又は非結晶性のポリカーボネートポリオール類の数平均分子量は、300〜5000であることが好ましく、500〜3000であることがより好ましい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物においては、湿熱下における硬化物の密着性が良好であるという観点から、ポリカーボネートポリオール類を併用することが、特に好ましい。
本発明においては、前述したポリエーテルポリオール類等のポリオールに、更に分子量が200未満の低分子ポリオール類等を併用して(A)成分とすることができる。
分子量が200未満の低分子ポリオール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等脂環式ジオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトール類、ペンチトール類、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパン等の3価以上のポリオールが挙げられる。
前記ポリイソシアネート(B)は、特に限定されるものでなく、例えば、ジイソシアネート及びイソシアネート基を1分子中に3個以上有するポリイソシアネート等を挙げることができる。
ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス及び/又はシス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類等;及びこれらの混合物が挙げられる。
また、前記イソシアネート基を1分子中に3個以上有するポリイソシアネートとしては、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート、これらの混合物等の3官能以上のイソシアネート、これらの3官能以上のイソシアネートのカルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の変性物、及び、これらのポリイソシアネートを各種のブロッキング剤によってブロックしたブロックイソシアネート、並びに、前述したジイソシアネートのイソシアヌレート三量体及びビウレット三量体等が挙げられる。
これらの中でも、入手が容易である上、耐候性及び強度等に優れた水系ポリウレタン樹脂組成物が得られることから、脂肪族ジイソシアネート又は脂環式ジイソシアネートを使用することが好ましく、更に、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートを使用することが特に好ましい。
前記親水性化合物(C)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2013151582
但し、式中のRは、2〜4価のアルコール化合物から1個の水酸基を除いた残基、又は、又は、下記一般式(2)で表される基、Rはメチル基又はエチル基であり、nは10〜55の数である。
Figure 2013151582
但し、Rは、ジイソシアネート化合物の三量体化合物から3個のイソシアネート基を除いた残基である。
前記Rの残基を構成する2〜4価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール等の2価のアルコール類;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパン等の3〜4価のアルコール類が挙げられる。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物において、一般式(1)の化合物(C)をウレタン主鎖中に組み込むためには、Rは3〜4価のアルコール化合物の残基であることが好ましい。特に、前記化合物(C)とイソシアネート(B)との反応によるウレタン形成時に、架橋反応や末端停止反応を起こさない、2水酸基化合物が得られるという観点から、3価のアルコールの残基であることであることが好ましく、特にトリメチロールプロパンの残基であることが好ましい。
また、前記一般式(2)中の残基Rを構成するジイソシアネートの三量体化合物としては、前述したイソシアネート(B)の説明において例示されたジイソシアネート化合物の三量体が挙げられる。ジイソシアネート化合物の三量体としてはイソシアヌレート体及びビウレット体が挙げられる。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物においては、特に、入手の容易さという観点から、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体を使用することが好ましい。
前記一般式(1)におけるnは、10〜55の数であるが、化合物(C)を含有するウレタン樹脂の水分散性が良好になるという観点から、15〜45であることが好ましく、特に、ウレタンプレポリマーの水分散性、ガラス繊維の集束性及びガラス繊維強化樹脂の機械的物性の観点から、20〜25であることが好ましい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物に使用される脂肪酸エステルポリオール(D)は、不飽和脂肪酸エステルポリエーテルを含有する脂肪酸エステルポリオールであり、乾性油又は半乾性油と、トリメチロールプロパン、グリセリン及びペンタエリスリトールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールとを反応させてなる脂肪酸エステルポリオールである。
前記乾性油脂肪酸としては、例えば、脱水ヒマシ油、亜麻仁油、桐油、芥子油、胡桃油、紅花油、紫蘇油又は向日葵油等の脂肪酸が挙げられ、半乾性油脂肪酸としては、菜種油、大豆油、米油、コーン油、綿実油又は胡麻油等の脂肪酸が挙げられる。
これらの乾性油脂肪酸及び半乾性油脂肪酸は、リノレン酸、リノール酸及びオレイン酸等の不飽和脂肪酸を含有している。
本発明においては、乾性油脂肪酸及び半乾性油脂肪酸として、脱水ヒマシ油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、紅花油脂肪酸及び大豆油脂肪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の乾性油脂肪酸又は乾性油脂肪酸を使用することが好ましく、特に、脱水ヒマシ油脂肪酸を使用することが好ましい。
また、前記脂肪酸エステルポリオール(D)は、前記乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸1モルと、前記ポリオール1モルとの反応によって得られる脂肪酸エステルポリオールであることが好ましく、また、脱水ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールプロパンを反応させてなるエステルポリオールであることが好ましい。
本発明に使用される(D)成分としては、特に、脱水ヒマシ油脂肪酸1モルとトリメチロールプロパン1モルを反応させてなるモノエステルジオール化合物であることが好ましい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物に使用される、少なくとも1つの水酸基及び少なくとも1つの不飽和二重結合を有する化合物(E)は、アリルエーテル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニルエーテル及びアルキルビニルエーテル化合物から選択される少なくとも1種の化合物である。
前記アリルエーテル化合物としては、例えば、グリセロール、トリメチロールエタン又はトリメチロールプロパンの、モノ又はジ(メタ)アリルエーテル;ペンタエリスリトール、ジトリメチロールエタン又はジトリメチロールプロパンの、モノ、ジ又はトリ(メタ)アリルエーテル;及びジペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリ、テトラ又は、ペンタ(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性グリセロールジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド変性ペンタエリスリトールジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ又はトリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記ビニルエーテル又はアルキルビニルエーテル化合物としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル及びシクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等を挙げることができる。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物においては、特に、入手容易性の観点からトリメチロールプロパンモノアリルエーテルを使用することが好ましい。
また、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物は、イオン性基導入剤やイオン性基中和剤が配合された自己乳化系ポリウレタン樹脂組成物、乳化剤成分を用いた強制乳化系ポリウレタン樹脂組成物、又は、これらが併用されたものであってもよく、更に、鎖伸長剤により高分子量化されたものであってもよい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物の製造方法は特に制限されるものではなく、例えば以下の(1)〜(4)の方法が挙げられる。
(1)ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート(B)、親水性化合物(C)、脂肪族エステルポリオール(D)、少なくとも1つの水酸基及び少なくとも1つの不飽和二重結合を有する化合物(E)、並びに必要に応じて、イオン性基導入剤及びイオン性基中和剤を配合してウレタンプレポリマーを合成する。次に、得られたウレタンプレポリマーを水中に分散させた後、水中で鎖伸長剤を反応させ、水系ポリウレタン樹脂組成物とする。
(2)ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート(B)、親水性化合物(C)、脂肪族エステルポリオール(D)、化合物(E)、及び鎖伸長剤、並びに必要に応じてイオン性基導入剤及びイオン性基中和剤を配合してポリウレタン樹脂を合成する。次に、得られたポリウレタン樹脂を水に分散させ、水系ポリウレタン樹脂組成物とする。
(3)ポリオール化合物(A)及びポリイソシアネート(B)、親水性化合物(C)、脂肪族エステルポリオール(D)、化合物(E)、並びに、必要に応じてイオン性基導入剤及びイオン性基中和剤を配合してウレタンプレポリマーを合成する。次に、得られたウレタンプレポリマーに水を注入して水分散物を得た後、鎖伸長剤を反応させ、水系ポリウレタン樹脂組成物とする。
(4)ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート(B)、親水性化合物(C)、脂肪族エステルポリオール(D)、化合物(E)及び鎖伸長剤、並びに、必要に応じてイオン性基導入剤及びイオン性基中和剤を配合してポリウレタン樹脂を合成する。次に、得られたポリウレタン樹脂に水を注入してポリウレタン樹脂を分散させ、水系ポリウレタン樹脂組成物とする。
但し、前記(2)〜(4)の方法では、水分散前のウレタン樹脂の粘度が高くなり、分散が困難となる傾向があるので、(1)の方法によって製造することが特に好ましい。
本発明において、ポリオール化合物(A)とポリイソシアネート(B)の配合量は、ポリオール化合物(A)の活性水素基のモル数、又は、任意で鎖伸長剤を配合する場合はポリオール化合物(A)及び鎖伸長剤の活性水素基のモル数の合計に対する、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル数が、0.8〜3倍となる量であることが好ましく、1〜2倍となる量であることがより好ましい。イソシアネートのモル数が0.8倍未満の場合には、過剰のポリオール等が残存し、また、3倍より多い場合には、水を加えたときに尿素結合が多量に発生し、いずれの場合も硬化物の特性を低下させるおそれがある。
また、前記親水性化合物(C)の配合量は、一般式(1)における(C-O)で表されるアルキレンオキシドが、ウレタン樹脂固形分の質量((A)〜(E)成分の総量)の3〜20質量%となる量であることが好ましく、5〜16質量%となる量であることがより好ましい。
前記アルキレンオキシドの割合が3質量%未満ではウレタンプレポリマーの水分散性が劣り、20質量%を超える量では、集束剤として繊維強化樹脂に用いた場合に、硬化物の機械的強度等の物性が劣る傾向がある。
また、脂肪酸エステルポリオール(D)の配合比は、ウレタン樹脂固形分の質量((A)〜(E)成分の総量)の0.5〜30質量%であることが好ましく、1.0〜20質量%であることがより好ましい。
前記(D)成分が0.5質量%未満である場合や、30質量%を超える場合、ガラス繊維の集束性や、ガラス繊維強化樹脂の機械的強度等が得られない場合がある。
また、少なくとも1つの水酸基及び少なくとも1つの不飽和二重結合を有する化合物(E)の配合比は、ウレタン樹脂固形分の質量((A)〜(E)成分の総量)の0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5.0質量%であることがより好ましい。
前記(E)成分が0.05質量%未満である場合や、10質量%を超える場合、ガラス繊維の集束性や、ガラス繊維強化樹脂の機械的強度等が得られない場合がある。
また、前記製造方法(1)〜(4)のウレタン樹脂の合成の際、反応に不活性且つ水との親和性の大きい溶媒を適宜用いることができる。このような溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。これらの溶媒は、通常、プレポリマーを製造するために用いられる上記原料の合計量100質量部に対して、3〜100質量部用いられる。
また、これらの溶媒の内、プレポリマーを合成した後、減圧留去することができるので、沸点が100℃以下の溶媒を使用することが好ましい。
前記イオン性基導入剤としては、アニオン性基を導入するものとカチオン性基を導入するものが挙げられる。
アニオン性基を導入するものとしては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を含有するポリオール類、1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸等のスルホン酸基を含有するポリオール類が挙げられる。また、カチオン性基を導入するものとしては、例えば、N,N−ジアルキルアルカノールアミン類、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン等のN−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン類、トリアルカノールアミン類が挙げられる。
前記イオン基中和剤としては、アニオン性基の中和剤として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン類、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール等のN,N−ジアルキルアルカノールアミン類、N−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン類、トリエタノールアミン等のトリアルカノールアミン類等の3級アミン化合物;アンモニア、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等塩基性化合物が挙げられる。また、カチオン性基の中和剤としては、蟻酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グルタル酸、クエン酸等の有機カルボン酸、パラトルエンスルホン酸、スルホン酸アルキル等の有機スルホン酸、塩酸、リン酸、硝酸、スルホン酸等の無機酸、エピハロヒドリン等エポキシ化合物の他、ジアルキル硫酸、ハロゲン化アルキル等の4級化剤が挙げられる。
前記鎖伸長剤成分としては、水系ポリウレタン樹脂組成物に用いられる周知の鎖伸長剤を一種類又は二種類以上混合して使用することができる。本発明においては、特に、多価アミン化合物、多価一級アルコール化合物等を使用することが好ましく、多価アミン化合物を使用することがより好ましい。
前記多価アミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン等の、低分子ジオールのアルコール性水酸基がアミノ基に置換されたものである低分子ジアミン類;ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のポリエーテルジアミン類;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の脂環式ジアミン類;m−キシレンジアミン、α−(m/pアミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等の芳香族ジアミン類;ヒドラジン;前記のポリエステルポリオールに用いられる多価カルボン酸で例示したジカルボン酸とヒドラジンの化合物であるジカルボン酸ジヒドラジド化合物が挙げられる。
前記鎖伸長剤の使用量は特に制限されるものではなく、任意の量を選択して使用できるが、得られる水系ポリウレタン樹脂組成物の集束剤としての性能が良好となる観点から、特に、鎖伸長反応前のウレタン樹脂のイソシアネート基1モルに対して、鎖伸長剤の活性水素基が0.1〜1.5モルとなる量であることが好ましく、0.5〜1.0モルとなる量であることがより好ましい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物の樹脂固形分は、特に制限されるものではないが、1〜90質量%であることが通常であり、5〜80質量%であることが好ましく、10〜65質量%であることがより好ましい。
本発明のガラス繊維集束剤には、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物と共に、通常用いられる配合剤、例えば、表面処理剤、潤滑剤、滑剤、帯電防止剤、pH調整剤、水等が配合されるが、これらを別途の処理液として用い、ガラス繊維を多段階に分けて処理することもできる。
上記表面処理剤としては、例えば、アミノシラン系、エポキシシラン系、ビニルシラン系、メタクリロシラン系、ウレイドシラン系、ボラン系、チタネート系、アルミニウム系、クロム系、ジルコニウム系等のカップリング剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等のコロイダルゲル等が挙げられる。
前記潤滑剤としては、例えば、動植物油水添硬化物、パラフィンワックス、エステル系合成油等が挙げられる。
また、前記滑剤(あるいは風合改良剤)としては、例えば、ブチルステアレート、テトラエチレンペンタミンジステアレート、水添ひまし油、イミダゾリン系脂肪酸アミド、カチオン性脂肪酸アミド、カチオン性ポリエチレンイミンポリアミド、ビスフェノールAポリ(オキシエチレン)エーテルグリコール等が挙げられ、前記帯電防止剤としては、アニオン系、カチオン系の各種界面活性剤が挙げられ、前記PH調整剤としては、例えば、アンモニア、酢酸等が挙げられる。
また、本発明のガラス繊維集束剤は、集束性、耐水性等のバランスをより優れたものにするために、他の水性樹脂を併用することができる。例えば、各種のデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、種々の分子量及びケン化度のポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド及びその誘導体、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子、並びにスチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテックス等の水中分散型樹脂が挙げられる。
更に、本発明のガラス繊維集束剤には、必要に応じてフェノール系抗酸化剤、含リン安定剤、チオエーテル系抗酸化剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤を加え、その酸化安定性及び光安定性をさらに改善することができる。
前記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、ステアリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアリル−β−(3−第三ブチル−4ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサメチレンビス[β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4ヒドロキシ−5メチルフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリス[β−(3,5−ジ第三ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等が挙げられる。
前記含リン安定剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12〜15混合アルキル)・ビスフェノールAジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−第三ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタントリホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト)、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,6−ジクニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等の有機ホスファイト化合物等が挙げられる。
前記チオエーテル系抗酸化剤としては、ジラウリル−、ジミリスチル−、ジステアリル−チオジプロピオネート等のジアルキルチオジプロピオネート類、ペンタエリスリトールテトラ(ドデシルチオプロピオネート)等のアルキル(C=8〜18)チオプロピオン酸のエステルが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’
,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。
前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノウンデカン等が挙げられる。
本発明の繊維強化合成樹脂用ガラス繊維に使用されるガラス繊維の原料は、含アルカリガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスのいずれでもよい。これらの製造方法は、特に限定されるものでなく、例えば、ロービング、チョップドストランド、ミルドファイバー等の方法が挙げられる。
上記ガラス繊維の形態は、特に限定されるものではないが、物性及び表面性が特に良好なものが得られるという観点から、繊維長は0.5〜10mmであることが好ましく、1〜5mmであることが特に好ましい。また、ガラス繊維の繊維径は1〜50μmであることが好ましく、2〜20μmであることが特に好ましい。
本発明のガラス繊維強化樹脂におけるガラス繊維の含有量は、10〜70質量%であり、20〜60質量%であることが好ましい。ガラス繊維の含有量が70質量%を超えると成型品が脆くなったり、表面性が低下したりするおそれがあり、また、ガラス繊維の含有量が10質量%未満では十分な機械的物性の改善が得られない場合がある。
本発明の繊維強化合成樹脂用ガラス繊維は、本発明のガラス繊維集束剤をガラス繊維ストランドに処理した後、乾燥・切断してチョップドストランドとすることによって得られる。
ストランドの切断は、ストランドを乾燥した後であっても、ストランドを乾燥する前であってもよい。
前記処理の方法としては、浸漬塗布、ローラー塗布、吹き付け塗布、流し塗布、スプレー塗布等の公知の方法を用いることができる。
また、ガラス繊維ストランドは、公知の製造方法により製造することができる。
前記処理工程における本発明のガラス繊維集束剤の添加量は、ガラス繊維100質量部に対して、固形分で0.05〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることが更に好ましい。
ガラス繊維集束剤の添加量が0.05質量部未満では、ガラス繊維の集束が維持できなくなるおそれがあり、10質量部を超えても、ガラス繊維の集束性や繊維補強樹脂成形体の強度が更に向上することはない。
本発明の繊維強化合成樹脂用ガラス繊維は、合成樹脂と混合する際、ガラス繊維の破損を十分に抑制することができる。
本発明の繊維強化合成樹脂組成物は、本発明の繊維強化合成樹脂用ガラス繊維と、種々の合成樹脂と混合することによって得られ、優れた機械的性能を示す。
合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、6−ナイロン、6,6−ナイロン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又は、ポリオキシメチレンのようなポリアセタール等が挙げられる。
特に、高強度の樹脂が得られることから、本発明の繊維強化合成樹脂組成物においては、不飽和ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
前記不飽和ポリエステル樹脂は、特に制限されるものではなく、例えば、飽和二塩基酸類(アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸等)、不飽和二塩基酸類(無水マレイン酸、フマル酸等)、ジオール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジシクロペンタジエンなどの脂肪族ジオール、ビスフェノール類の水酸基にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させて得られるジオールなど)とから得られるポリエステル鎖に、架橋剤として働くモノマー(スチレン、ジクロロスチレン、ジアリルフタレートなど)を添加し、硬化させて得られるものが挙げられる。
本発明の繊維強化合成樹脂組成物の用途は特に制限されず、様々な用途に用いることができる。
例えば、浄化槽、タンク容器、浴槽、ユニットバス及び洗面カウンター等の住宅設備・建築資材用途、漁船、レジャーボート、救命ボート、ヨット、カヌー及び海上コンテナ等の舟艇・船舶用途、自動車ボディー、エアースポイラー、モーター封止材及びゴルフカート等の自動車・車両用途、プリント基板等の各種絶縁材料、その他、航空機の翼、風力発電の翼、ヘルメット、防水ライニング、人工大理石、釣竿、スノーボード、ボタン、化粧板等の用途が挙げられる。
以下、製造例及び実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の製造例、実施例によりなんら制限されるものではない。
[製造例1:親水性化合物(C)の合成]
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(旭化成ケミカルズ(株)製、DURANATE TPA−100:NCO当量182)546g(NCO当量3.0)及びメトキシポリエチレングリコール(東邦化学工業(株)製、製品名メトキシPEG−1000)1000g(OH当量1.0)を反応フラスコに仕込み、窒素気流下で95〜105℃にて2時間反応させた。NCO%が5.4%となったことを確認して反応を終了させ、一般式(1)の親水性化合物c−1を得た。
[実施例1−1]
[水系ポリウレタン樹脂組成物の合成]
(1)ウレタンプレポリマーの合成
ポリオール化合物(A)として数平均分子量2000のポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ(株)製、製品名T6002)131g(0.066モル)及びメチルペンタンジオール6.9g(0.058モル)、イソシアネート(B)としてジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)123g(0.469モル)、親水性化合物(C)として前記親水性化合物c−1を84g(0.11モル)、脂肪酸エステルポリオール(D)として脱水ヒマシ油脂肪酸(伊藤製油(株)製、製品名DCO−FA)とトリメチロールプロパン(モル比1:1)のエステルジオール化合物(d−1)(90%N−メチル−2−ピロリドン溶液)63g(0.18モル)、化合物(E)としてトリメチロールプロパンモノアリルエーテル(Perstorp社製、製品名TMPME)12.6g(0.072モル)、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン75g、並びに、触媒としてオクチル錫ジラウレート0.009gを配合して、窒素雰囲気下85〜95℃で2時間反応させ、イソシアネート含有量(NCO%)が3.5%となったことを確認した。
次いで、反応液を50〜60℃に冷却した後、シランカップリング剤として3−アミノプロピルトリアルコキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、製品名Z−6011)1.37g(0.0062モル)及び重合触媒としてナフテン酸マンガン2.1g(0.0023モル)を配合し、ウレタンプレポリマーUP−1を得た。
(2)水分散工程
水579g中に消泡剤((株)ADEKA製、B1016)0.1gを添加し、前記ウレタンプレポリマーUP−1を358g加え、20〜40℃で15分間撹拌をした後、鎖伸長剤としてジエチレントリアミン/水(1/3)水溶液18.0g(ジエチレントリアミン0.044モル)を滴下し、20〜40℃で10分間攪拌した。
さらに鎖伸長剤としてアジピン酸ジヒドラジド/水(1/3)混合液45.2g(アジピン酸ジヒドラジド0.065モル)を添加し、20〜40℃で1〜2時間、NCO基が消失するまで撹拌を継続し、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−1を得た。
[実施例1−2及び1−3]
実施例1−1と同様の方法によって、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−2及びPUD−3を得た。
[比較例1]
実施例1−1と同様の方法によって、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−4〜PUD−6を得た。
実施例1及び比較例1の各ウレタンプレポリマーの合成において使用された成分を表1に、水分散工程において使用された成分を表2に示す。
Figure 2013151582

Figure 2013151582
表中の上段の数値は質量(g)、下段( )内の数値はモル数を表す。
但し、表2のウレタンプレポリマーの下段( )内の数値はイソシアネート当量を表す。
*1:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートジオール(旭化成ケミカル(株)製、数平均分子量2000)
*2:メチルペンタンジオールとアジピン酸とのポリエステルジオール((株)クラレ製、数平均分子量3000)
*3:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土ヶ谷化学(株)製、数平均分子量3000)
*4:メチルペンタンジオール
*5:ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート
*6:イソホロンジイソシアネート
*7:前記製造例1の(C)親水性化合物
*8:Perstorp社製、製品名YMER N−120
*9:脱水ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールプロパンとのエステルジオール化合物
*10:トリメチロールプロパンモノアリルエーテル(Perstorp社製)
*11:ヒドロキブチルアクリレート(日本合成化学(株)製)
*12:N−メチル−2−ピロリドン
*13:ジオクチル錫ジラウレート
*14:東レ・ダウコーニング(株)製、アミノシラン化合物
*15:ナフテン酸マンガン 56%ミネラルスピリット溶液
*16:(株)ADEKA製、ノニオン系界面活性剤
*17:ジエチレントリアミン
*18:アジピン酸ジヒドラジド
実施例1で得られた水系ポリウレタン樹脂組成物10.0質量部(固形分32質量%)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.8質量部、パラフィン系潤滑剤0.3質量部、及び水88.9質量部を混合し、ガラス繊維集束剤(GF−1〜GF−3)とした。
次に、直径13μmのガラス繊維にガラス繊維集束剤を塗布して乾燥した後、チョップドストランド法により長さ3mmのチョップドストランドとして、繊維強化樹脂用ガラス繊維とした。
各繊維強化樹脂用ガラス繊維のガラス繊維集束剤の付着量を測定したところ、付着量は1質量%であった。
[比較例2]
ガラス繊維集束剤(GF−4〜GF−6)を用いて、実施例2と同様の方法により、繊維強化樹脂用ガラス繊維とした。
各実施例及び比較例で得られたガラス繊維を用いて、下記の方法によりバルキー性を測定し、集束性を評価した。結果を表3に示す。
[バルキー性測定]
チョップストランド50gを内径80mmの500ccビーカーに入れ、回転翼を用いて、2600rpmの速度で特定時間攪拌した。
次いで、チョップドストランドを、内径50mmメスシリンダーに移し、その高さ(mm)を測定した。メスシリンダーに堆積したチョップドストランドの高さが低いほど集束性が良好とした。
Figure 2013151582
実施例2で得られた繊維強化樹脂用ガラス繊維50.0質量部、不飽和ポリエステル樹脂60.0質量部、スチレンモノマー40.0質量部、ステアリン酸亜鉛3.0質量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート3.0質量部、及び炭酸カルシウム200質量部を混練し、射出成形法(射出成形温度140℃)によって試験片を作製した。
尚、前記不飽和ポリエステル樹脂として、イソフタル酸、フマル酸、エチレングリコール及びスチレンモノマーを原料とした不飽和ポリエステル樹脂を使用した。
[比較例3]
比較例2で得られた繊維強化樹脂用ガラス繊維を用いて、実施例3と同様の方法により試験片を作製した。
実施例3及び比較例3で得られた各試験片を用いて、曲げ強度(ISO178)及びシャルピー衝撃強度(ISO179)を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2013151582
表2及び表3に示された結果から明らかなように、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物からなるガラス繊維集束剤は、ガラス繊維の集束性に優れていること、及び本発明のガラス繊維強化樹脂は、機械的強度の向上が顕著であることが確認された。
本発明のガラス繊維集束剤用水系ポリウレタン樹脂組成物を使用することにより、住宅設備や舟艇・船舶等の様々な成形品の製造に有効な機械的物性に優れたガラス繊維強化樹脂が得られるため、本発明は産業上極めて有用である。

Claims (10)

  1. ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート(B)、親水性化合物(C)、脂肪酸エステルポリオール(D)、少なくとも1つの水酸基及び少なくとも1つの不飽和二重結合を有する化合物(E)からなるポリウレタン樹脂を水に分散させてなる水系ポリウレタン樹脂組成物であって、前記(C)成分が下記一般式(1)で表される化合物であり、前記(D)成分が、乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸と、トリメチロールプロパン、グリセリン及びペンタエリスリトールからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオールとを反応させてなる、不飽和脂肪酸エステルポリオールを含有する脂肪酸エステルポリオールであり、前記(E)成分がアリルエーテル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニルエーテル化合物及びアルキルビニルエーテル化合物から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする水系ポリウレタン樹脂組成物;
    Figure 2013151582
    但し、式中のRは、2〜4価のアルコール化合物から1個の水酸基を除いた残基、又は下記一般式(2)で表される基、Rはメチル基又はエチル基であり、nは10〜55の数である;
    Figure 2013151582
    但し、Rは、ジイソシアネート化合物の三量体化合物から3個のイソシアネート基を除いた残基である。
  2. 前記一般式(1)におけるRが、3価のアルコール化合物から1個の水酸基を除いた残基であり、nが15〜45の数である、請求項1に記載された水系ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記一般式(1)におけるRが、前記一般式(2)で表される基であり、nが15〜45の数である、請求項1に記載された水系ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 前記(D)成分を構成する脂肪酸が、亜麻仁油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、紅花油脂肪酸及び大豆油脂肪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3の何れかに記載された水系ポリウレタン樹脂組成物。
  5. 前記(D)成分が、前記乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸1モルと前記ポリオール1モルとの反応によって得られる脂肪酸エステルポリオールである、請求項1〜4の何れかに記載された水系ポリウレタン樹脂組成物。
  6. 前記(D)成分が、脱水ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールプロパンの反応によって得られる脂肪酸エステルポリオールである、請求項1〜5の何れかに記載された水系ポリウレタン樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載された水系ポリウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とするガラス繊維集束剤。
  8. 請求項7に記載されたガラス繊維集束剤によって処理されてなることを特徴とする繊維強化合成樹脂用ガラス繊維。
  9. 請求項8に記載された繊維強化合成樹脂用ガラス繊維を10〜70質量%含むことを特徴とする繊維強化合成樹脂組成物。
  10. 前記合成樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂である、請求項9に記載された繊維強化合成樹脂組成物。
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