JP2016128563A - 感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物、該組成物を用いた皮革様材料の製造方法及び該方法により製造された皮革様材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)分子内にカルボキシル基及びスルホン酸基から選択される少なくとも1種のアニオン性基を有するポリウレタン樹脂及び(B)感熱凝固剤を含有する、感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物であって、前記(B)成分が第4級アンモニウム塩化合物であると共に、前記(A)成分100質量部に対して前記(B)成分が0.1〜50質量部配合されてなることを特徴とする感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
湿式凝固法においては、一般的に、凝固液として水が用いられ、水と相溶性がある有機溶剤としてジメチルホルムアミド等が多く用いられるが、有機溶剤は引火性が高いために火災の原因となる上、毒性が高く、環境や人体に対する汚染等の、製造適正や環境適正上の問題があるために、溶剤系ポリウレタン樹脂から水系ポリウレタン樹脂に移行すべく検討がなされてきた。
また、加熱凝固法に使用される水系ポリウレタン樹脂組成物は、一般に、保存安定性に劣るという欠点があった。
抗菌性を付与する方法としては、例えば銀、銅、又は亜鉛などの金属若しくはその化合物を併用した方法も挙げられる(例えば、特許文献5、6)が、これらの方法は、溶剤を使用した湿式凝固法において実施されているのみであり、環境や人体に優しい水系ポリウレタン樹脂を使用した加熱凝固法の場合には、上記の抗菌剤を使用しても、抗菌性については良好な結果が得られるだけであり、製造時のマイグレーションを防止することが困難であり、良好な風合いを有する皮革様材料を得ることはできなかった。
本発明の第2の目的は、感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物を用いて、風合い及び抗菌性にも優れた皮革様材料を製造する方法を提供することにある。
更に、本発明の第3の目的は、加熱凝固法によって製造されてなる、風合い及び抗菌性に優れた皮革様材料を提供することにある。
上記式(1)中のR1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素数が2〜8のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表し、R1、R2、R3及びR4に含まれる芳香環の数は0又は1であり、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
本発明においては、前記(A)成分が、ポリオール、ポリイソシアネート及びアニオン性基導入剤を反応させてなるウレタンプレポリマーを原料とする成分であって、前記ポリオール、ポリイソシアネート及びアニオン性導入剤が、ポリオール及びアニオン性基導入剤の全水酸基当量に対するポリイソシアネートの全イソシアネート基当量の比であるNCO/OHが、1.1〜2.5となる如く配合されてなることが好ましく(請求項2)、前記ウレタンプレポリマーの酸価が5〜50mgKOH/gであることが好ましい(請求項3)。
また、前記アニオン性基1当量に対し、0.2〜2.0当量のアニオン性基中和剤(C)を更に含有することが好ましく(請求項4)、前記(B)成分の含有量は、前記(A)成分100質量部に対して5〜20質量部であることが好ましい(請求項5)。
(1)ポリオール、ポリイソシアネート及びアニオン性基導入剤を反応させてウレタンプレポリマーを製造し、必要に応じてアニオン性基中和剤を添加した後、必要に応じて乳化剤を含む水溶液中に、プレポリマーを加えて分散させる(プレポリマーミキシング法)。
又は、
(2)ポリオール、ポリイソシアネート及びアニオン性基導入剤を反応させてウレタンプレポリマーを製造し、予め、必要に応じてアニオン性基中和剤及び/又は乳化剤を含有する水溶液を用意し、該水溶液をプレポリマーに加えて分散させる(転相法)。
上記、(1)又は(2)の方法により水分散させたウレタン樹脂を、水中で鎖伸長剤を用いて鎖伸長させる。
また、前記プレポリマーの製造においては、必要に応じて、反応に不活性であって、且つ、水との親和性が大きい溶媒を用いてもよい。
これらのポリオールの数平均分子量は、特に制限されることはないが、好ましくは300〜5000であり、500〜3000であることがより好ましい。
また本発明においては、水系ポリウレタン樹脂組成物の物性を変えるために、前記ポリオール類に加えて、分子量200未満の低分子ポリオール等を併用してもよい。
ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、シス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;及びこれらの混合物が挙げられる。
上記鎖伸長剤の使用量は、水系ポリウレタン樹脂の塗膜物性等の観点から、鎖伸長反応前のウレタンプレポリマーにおけるイソシアネート基1当量に対する、鎖伸長剤のイソシアネート反応基の当量比が、0.1〜1.0の範囲となる量であることが好ましい。
上記式(1)中のR1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素数が2〜8のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表し、R1、R2、R3及びR4に含まれる芳香環の数は0又は1である。また、Xは塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表す。
また、前記一般式(1)中のXは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であるが、得られる水系ポリウレタン樹脂組成物の感熱凝固性の観点から、Xは塩素原子又は臭素原子であることが好ましい。
これらの添加剤の具体例としては、例えば、架橋剤、各種耐候剤(ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤)、基材に対する密着性を特に強固にするシランカップリング剤、コロイダルシリカ又はコロイダルアルミナ等の無機質コロイドゾル、テトラアルコキシシラン及びその縮重合物、キレート剤、エポキシ化合物、顔料、染料、造膜助剤、硬化剤、外部架橋剤、粘度調整剤、レベリング剤、消泡剤、凝固防止剤、ラジカル捕捉剤、耐熱性付与剤、無機又は有機の充填剤、可塑剤、滑剤、フッ素系又はシロキサン系等の帯電防止剤、補強剤、触媒、揺変剤、ワックス類、防曇剤、抗菌剤、防カビ剤、防腐触剤、及び防錆剤等を挙げることができる。
これらの耐候剤を添加する方法としては、ウレタン原料のポリオールに添加する方法、ウレタンプレポリマーに添加する方法、ウレタン樹脂の水分散時における水相に添加する方法、水分散後に添加する方法の何れでも良いが、操作が容易であるという観点から、原料ポリオールに添加する方法及びウレタンプレポリマーに添加する方法を使用することが好ましい。
また、前記含浸方法としては、例えば、感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物を不織布に含浸させ、プレスロール等で絞ることにより、又は、ドクターナイフ等を使用することによって、適量の含浸量とする方法が挙げられる。
このように、本発明の感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物を繊維基材に塗布し、又は含浸させた後、ポリウレタン樹脂組成物を感熱凝固させ、乾燥機中で乾燥することにより皮革様シートを得ることができる。
また、本発明の感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物には、皮革様材料以外にも、塗料、接着剤、表面改質剤、有機粉体及び/又は無機粉体のバインダー、成型体、建材、シーリング剤、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック原料、繊維処理剤等の種々の用途がある。
<ウレタンプレポリマーの製造工程>
ポリオールとして、ネオペンチルグリコールとアジピン酸とを反応させてなる、数平均分子量1000のポリエステルポリオール350g(0.350モル)、ポリイソシアネートとしてジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)221g(0.844モル)、アニオン性基導入剤としてジメチロールプロピオン酸28.7g(0.214モル)、溶媒としてメチルエチルケトン150g、及び、触媒としてオクチル錫ジラウレート0.018gを配合した。次いで窒素雰囲気下の85〜95℃で2時間反応させ、イソシアネート含有量(NCO%)が3.1%となったことを確認してウレタンプレポリマーUP−1を得た。
水560g中に消泡剤((株)ADEKA製、製品名アデカノールB−1016)0.1g及びトリエチルアミン14.4g(0.142モル)を添加し、更に前記UP−1を500g加えて20〜40℃で15分間撹拌した後、鎖伸長剤として、質量比(エチレンジアミン/水)が1/3の混合液18.0g(エチレンジアミン0.075モル)を滴下し、20〜40℃で10分間攪拌した。更に、鎖伸長剤として質量比(アジピン酸ジヒドラジド/水)が1/3の混合液52.4g(アジピン酸ジヒドラジド0.075モル)を添加し、20〜40℃で1〜2時間、NCO基が消失するまで撹拌を継続した。次いでメチルエチルケトン溶媒を留去して、固形分40%の水系ポリウレタン樹脂PUD−1を得た。
<ウレタンプレポリマーの製造工程>
ポリオールとして、ネオペンチルグリコールとアジピン酸とを反応させてなる、数平均分子量1000のポリエステルポリオール246g(0.246モル)、ポリイソシアネートとしてジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)294g(1.12モル)、N−メチルジエタノールアミン60g(0.50モル)、及び溶媒としてメチルエチルケトン150gを配合した。次いで窒素雰囲気下85〜95℃で3時間反応させ、イソシアネート含有量(NCO%)が4.2%となったことを確認して、ウレタンプレポリマーUP−2を得た。
水500g中に消泡剤((株)ADEKA製、製品名アデカノールB−1016)0.1g及びジメチル硫酸63.1g(0.50モル)を添加し、次いで前記UP−2を500g加えた。20〜40℃で1〜2時間、NCO基が消失するまで撹拌を継続した後、メチルエチルケトン溶媒を留去して、固形分40%の水系ポリウレタン樹脂PUD−2を得た。
<ウレタンプレポリマーの製造工程>
ポリオールとして、ネオペンチルグリコールとアジピン酸とを反応させてなる、数平均分子量1000のポリエステルポリオール268g(0.268モル)、ポリイソシアネートとしてジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)169g(0.645モル)、アニオン性基導入剤として1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸27.8g(0.163モル)、溶媒としてメチルエチルケトン150g、及び、触媒としてオクチル錫ジラウレート0.018gを配合した。次いで窒素雰囲気下85〜95℃で2時間反応させ、イソシアネート含有量(NCO%)が2.4%となったことを確認して、ウレタンプレポリマーUP−3を得た。
水538g中に乳化剤((株)ADEKA製、製品名アデカプルロニックL−64)41.5gを添加し、次いで前記UP−3を500g加え、20〜40℃で15分間撹拌した後、鎖伸長剤として、質量比(エチレンジアミン/水)が1/3の水溶液14.0g(エチレンジアミン0.058モル)を滴下し、20〜40℃で10分間攪拌した。
更に、鎖伸長剤として質量比(アジピン酸ジヒドラジド/水)が1/3の混合液40.0g(アジピン酸ジヒドラジド0.057モル)を添加し、20〜40℃でNCO基が消失するまで1〜2時間撹拌を継続した後、メチルエチルケトン溶媒を留去して固形分40%の水系ポリウレタン樹脂PUD−3を得た。
<ウレタンプレポリマーの製造工程>
ポリオールとして、数平均分子量2000のポリカーボネートポリオール(旭化成ケミカルズ(株)製、製品名デュラノールS6002)620.8g(0.310モル)、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート(IPDI)120.5g(0.543モル)、及び、アニオン性基導入剤としてジメチロールプロピオン酸5.4g(0.040モル)を配合し、窒素雰囲気下の90〜100℃で2時間反応させ、イソシアネート含有量(NCO%)が2.2%となったことを確認して、ウレタンプレポリマーUP−4を得た。
水337g中に乳化剤((株)ADEKA製、製品名アデカプルロニックF−108)24.3g及びトリエチルアミン2.9g(0.029モル)を添加し、次いで前記UP−4を485g加え、15〜50℃で60分間撹拌した。次いで水65gを添加した後、鎖伸長剤として、質量比(エチレンジアミン/水)が1/3の混合液22.8g(エチレンジアミン0.095モル)を滴下し、20〜40℃でNCO基が消失するまで1〜2時間撹拌を継続して、固形分55.0%の水系ポリウレタン樹脂PUD−4を得た。
<ウレタンプレポリマーの製造工程>
ポリオールとして、数平均分子量2000のポリカーボネートポリオール(旭化成ケミカルズ(株)製、製品名デュラノールS6002)310.4g(0.155モル)並びに数平均分子量1000のポリプロピレングリコール((株)ADEKA製、製品名アデカポリエーテルP−1000)310.4g(0.310モル)、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート(IPDI)175.7g(0.791モル)、及び、アニオン性基導入剤としてジメチロールプロピオン酸5.8g(0.043モル)を配合した。次いで窒素雰囲気下90〜100℃で2時間反応させ、イソシアネート含有量(NCO%)が3.0%となったことを確認して、ウレタンプレポリマーUP−5を得た。
水337g中に乳化剤((株)ADEKA製、製品名アデカプルロニックF−108)24.3g及びトリエチルアミン2.9g(0.029モル)を添加し、次いで前記UP−5を485g加え、15〜50℃で60分間撹拌した。次いで水60gを添加し、鎖伸長剤として、質量比(エチレンジアミン/水)が1/3の混合液31.0g(エチレンジアミン0.129モル)を滴下し、20〜40℃でNCO基が消失するまで1〜2時間撹拌を継続して、固形分55.0%の水系ポリウレタン樹脂PUD−5を得た。
表1に示す通り、製造例1で得られたPUD−1を100質量部及び第4級アンモニウム塩−1を12.5質量部加え、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−1−1を得た。第4級アンモニウム塩−1は、式(1)に示す構造式におけるR1がベンジル基、R2〜R4がブチル基であり、Xが塩素原子の第4級アンモニウム塩である。
表1に示す通り、製造例1で得られたPUD−1を100質量部及び第4級アンモニウム塩−2を12.5質量部加え、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−1−2を得た。第4級アンモニウム塩−2は、式(1)に示す構造式におけるR1〜R4が全てエチル基であり、Xが塩素原子の第4級アンモニウム塩である。
表1に示す通り、製造例3で得られたPUD−3を100質量部及び第4級アンモニウム塩−1を12.5質量部加え、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−3−1を得た。
表1に示す通り、製造例4で得られたPUD−4を100質量部及び第4級アンモニウム塩−1を12.5質量部加え、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−4−1を得た。
表1に示す通り、製造例5で得られたPUD−5を100質量部及び第4級アンモニウム塩−2を12.5質量部加え、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−5−2を得た。
表1に示す通り、製造例1で得られたPUD−1を100質量部及び第4級アンモニウム塩−3を12.5質量部加え、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−1−3を得た。第4級アンモニウム塩−3は、式(1)に示す構造式におけるR1〜R4が全てメチル基であり、Xが塩素原子の第4級アンモニウム塩である。
表1に示す通り、製造例1で得られたPUD−1を100質量部及び第4級アンモニウム塩−4を12.5部加え、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−1−4(1)を得た。第4級アンモニウム塩−4は、式(1)に示す構造式におけるR1及びR2がエチル基、R3がメチル基、R4が下記式(2)で表される基であり、Xが塩素原子の第4級アンモニウム塩である。
表1に示す通り、製造例1で得られたPUD−1を100質量部及び第4級アンモニウム塩−4を25質量部加え、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−1−4(2)を得た。
表1に示す通り、製造例2で得られたPUD−2を100質量部及び第4級アンモニウム塩−1を12.5質量部加え、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−2−1を得た。
表1に示す通り、製造例1で得られたPUD−1を100質量部及び銀系抗菌剤を1.3質量部加え、水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−1−6を得た。
なお、保存安定性の評価方法は、実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1−5で得られた水系ポリウレタン樹脂組成物を30℃の雰囲気化に3か月間放置し、分離状態を目視で評価した。
○ : 全く分離なし
△ : 分離又は樹脂の沈降が僅かに認められた
× : 分離又は樹脂の沈降が多く認められた
感熱凝固温度の測定は、100mlのビーカー中に、それぞれの水系ポリウレタン樹脂組成物を50g入れ、これを95℃の熱水浴中で撹拌しながら徐々に加熱し、水系樹脂が凝固するときの温度を測定した。
表2に示す通り、不織布100質量部に対して、得られた水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−1−1、PUD−1−2、PUD−3−1、PUD−4−1、及びPUD−5−2をそれぞれ200質量部含浸させた後、熱風乾燥機を用いて、100℃で5分間及び150℃で3分間乾燥し、皮革様材料を得た。得られた各材料について、マイグレーション防止性、皮革の風合い、及び抗菌性の評価を行った。
表2に示す通り、不織布100質量部に対して、得られた水系ポリウレタン樹脂組成物PUD−1−4(1)、PUD−1−4(2)、PUD−1−6、PUD−1、PUD−2、及びPUD−3をそれぞれ200質量部含浸させた後、熱風乾燥機を用いて、100℃で5分間、150℃で3分間乾燥し、皮革様材料を得た。
[マイグレーション防止性評価]
各皮革様シートの断面について、電子顕微鏡(日本電子(株)製:JSM−6390LA)を用いてマイグレーションの有無を観察し、下記基準に基づき評価した。
○ : マイグレーションなし
△ : マイグレーションが若干発生
× : マイグレーションが多く発生
触感によって皮革様シートの柔軟性を観察し、下記基準に基づいて風合いを評価した。
○ : 天然皮革と同様の柔軟性
△ : 天然皮革よりやや劣る柔軟性
× : 天然皮革よりかなり劣る柔軟性
抗菌性の評価はJIS Z2801「抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果」に準拠して試験を行った。試験菌としては黄色ブドウ球菌及び大腸菌を用いた。
実施例及び比較例で得られた皮革様材料上に、上記2種の菌を所定数接種し、35℃、90%RHの条件で24時間培養した後の菌数(Y1)を測定した。ブランクとしては、水系ポリウレタン樹脂組成物を含浸させない不織布を用い、同様にして、24時間培養後の菌数(Y0)を測定した。これらの値から、下記式(3)を使用して抗菌活性値(n=3の平均値)を求め、抗菌活性値が2.0を超えるものは抗菌性が認められるものと評価した。
抗菌活性値=logY0−logY1 (3)
Claims (7)
- (A)分子内にカルボキシル基及びスルホン酸基から選択される少なくとも1種のアニオン性基を有するポリウレタン樹脂及び(B)感熱凝固剤を含有する、感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物であって、前記(B)成分が下記一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩化合物であると共に、前記(A)成分100質量部に対して前記(B)成分が0.1〜50質量部配合されてなることを特徴とする、感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物;
上記式(1)中のR1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素数が2〜8のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表し、R1、R2、R3及びR4に含まれる芳香環の数は0又は1であり、Xは塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子の何れかを表す。 - 前記(A)成分が、ポリオール、ポリイソシアネート及びアニオン性基導入剤を反応させてなるウレタンプレポリマーを原料とする成分であって、前記ポリオール、ポリイソシアネート及びアニオン性導入剤が、ポリオール及びアニオン性基導入剤の全水酸基当量に対するポリイソシアネートの全イソシアネート基当量の比であるNCO/OHが、1.1〜2.5となる如く配合されてなる、請求項1に記載された感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物。
- 前記ウレタンプレポリマーの酸価が5〜50mgKOH/gである、請求項1又は請求項2に記載された感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物。
- 前記アニオン性基1当量に対し、0.2〜2.0当量のアニオン性基中和剤(C)を更に含有する、請求項1〜3の何れかに記載された感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物。
- 前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して5〜20質量部である、請求項1〜4の何れかに記載された感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物。
- 繊維基材に、請求項1〜5の何れかに記載された感熱凝固性水系ポリウレタン樹脂組成物を塗布した後、又は含浸させた後、加熱凝固させることを特徴とする皮革様材料の製造方法。
- 請求項6に記載された方法により製造されてなる皮革様材料。
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