JP2013151428A - Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】市場から回収されたガラスを有効に利用するとともに、手間をかけることなく、着色の少ないLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスを提供する。
【解決手段】質量換算で、Fe2O3が50〜500ppm、CoO+Cr2O3+NiO+MnOが5〜100ppm、CoO+NiOが0〜70ppmを含有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラスであって、Fe2+比率(Fe2+/全Fe)が90質量%以下である結晶性ガラスを用いて結晶化ガラスを製造する。
【選択図】なし
【解決手段】質量換算で、Fe2O3が50〜500ppm、CoO+Cr2O3+NiO+MnOが5〜100ppm、CoO+NiOが0〜70ppmを含有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラスであって、Fe2+比率(Fe2+/全Fe)が90質量%以下である結晶性ガラスを用いて結晶化ガラスを製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は、Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスに関するものである。
結晶化ガラスは、機械的強度が高く、加工しやすいことからさまざまな用途に使用されている。例えば特許文献1〜3には主結晶としてβ−石英固溶体(Li2O・Al2O3・nSiO2[ただしn≧2])やβ−スポジュメン固溶体(Li2O・Al2O3・nSiO2[ただしn≧4])を析出してなるLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスが開示されており、石油ストーブ、薪ストーブ等の前面窓、カラーフィルターやイメージセンサー用基板等のハイテク製品用基板、電子部品焼成用セッター、電子レンジ用棚板、電磁調理用トッププレート、防火戸用窓ガラス、リフレクタ等に使用されている。
上記したLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスは、熱膨張係数が低く、機械的強度も高いため、優れた熱的特性を有している。また、結晶化工程における熱処理条件を変更することによって析出結晶を変化させることができるため、同一組成の原ガラスから透明な結晶化ガラス(β−石英固溶体が析出)と白色不透明な結晶化ガラス(β−スポジュメン固溶体が析出)の両方を製造することが可能であり、用途に応じて使い分けることができる。
一般的なガラスの製造と同様に、結晶化ガラスの製造でも環境面と製造面の両面から、市場から回収されたガラスを原料(カレット)として再使用している。近年、電磁調理器の普及に伴ない、結晶化ガラス製の調理器用トッププレートの出荷量が増えているとともに、市場から回収される調理器用トッププレートの量も増えている。
特許文献4、5、6、7に開示されているように、調理器用トッププレートの多くは、結晶化ガラス板に無機顔料を含む装飾層もしくは遮光層が形成されており、加熱装置等の内部を隠蔽するとともに優れた美観を有している。この無機顔料の主な成分としてFe、Ni、Cr、Co、Mnなどの酸化物が使用されている。
特公昭39−21049号公報
特公昭40−20182号公報
特開平1−308845号公報
特開2003−168548号公報
特開2003−338360号公報
米国特許出願公開第2003/006231号明細書
特開平8−165143号公報
無機顔料によって装飾されたLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスからなる調理器用トッププレートを、そのまま粉砕してガラス原料として使用すると、ガラスが着色し、さらに、結晶化ガラスとするために結晶を析出させるとガラスマトリックスに無機顔料の成分が濃縮されるため、着色が強くなるという問題を有している。
また、無機顔料を含む装飾層や遮光層は、ガラスフリット等で強固に接着されているため、結晶化ガラス板と装飾層や遮光層を全て分離するには非常に手間がかかる。
本発明の目的は、市場から回収されたガラスを有効に利用するとともに、手間をかけることなく、着色の少ないLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスを提供することである。
本発明者は、鋭意検討した結果、無機顔料の成分がある程度ガラス中に混入していても、TiO2、ZnOおよびMgOの含有量を適度に制御することによって、ガラスを結晶化しても無機顔料による着色を抑制できることを見出し、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明のLi2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラスは、質量換算で、Fe2O3が50〜500ppm、CoO+Cr2O3+NiO+MnOが5〜100ppm、CoO+NiOが0〜70ppmを含有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラスであって、Fe2+比率(Fe2+/全Fe)が90質量%以下であることを特徴とする。
また本発明のLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスは、上記結晶性ガラスを結晶化させてなることを特徴とする。
また本発明のLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの製造方法は、質量換算で、Fe2O3が50〜500ppm、CoO+Cr2O3+NiO+MnOが5〜100ppm、CoO+NiOが0〜70ppmを含有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスを製造する方法であって、ガラス原料中に、還元剤を含まないことを特徴とする。
また本発明のLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスは、上記結晶性ガラスを結晶化させてなることを特徴とする。
また本発明のLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの製造方法は、質量換算で、Fe2O3が50〜500ppm、CoO+Cr2O3+NiO+MnOが5〜100ppm、CoO+NiOが0〜70ppmを含有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスを製造する方法であって、ガラス原料中に、還元剤を含まないことを特徴とする。
本発明のLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスは、質量換算で、Fe2O3が50〜500ppm、CoO+Cr2O3+NiO+MnOが5〜100ppm、CoO+NiOが0〜70ppmの着色成分を含有しているにもかかわらず、TiO2、ZnOおよびMgOの含有量を適度に制御することで、白色不透明または無色透明な材料となる。具体的には、4mm厚でL*a*b*表色系のa*値を−2〜2、b*値を−10〜20にすることが出来る。特に、結晶化度が60質量%以上の結晶化ガラスに対して効果が大きい。
すなわち、結晶が析出した後のガラスマトリックス中に濃縮されて存在する着色イオン(ここではFe、Ni、Cr、Co、Mnなどのイオン)の価数や配位状態をTiO2、ZnOおよびMgOで制御することで、着色イオンに起因する結晶化ガラスの着色を抑制するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
尚、本発明書における百分率等は、特に示されない限り、それぞれ質量を基準とする。
本発明のLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスは、SiO2、Al2O3、Li2O以外に、核形成剤としてTiO2を必須成分として含有し、β―石英固溶体(β―ユークリプタイト固溶体)を析出する。
また、ガラス原料やカレットから、不純物成分として、Fe2O3を含有し、それ以外に、NiO、Cr2O3、CoO及びMnOの群から選択された少なくとも1成分の不純物を含む。
Fe2O3の含有量を50ppmよりも少なくしようとすると、Fe2O3の含有量の少ない高価な珪砂や長石などの原料または着色層などの被膜を取り除いたカレットを使用しなければならず本発明の目的に反する。一方、500ppmよりも多いと、いくらTiO2、ZnOおよびMgOの含有量を適度に制御してもb*値を−10〜20にすることが困難である。Fe2O3の好ましい範囲は110〜450ppm、さらに好ましい範囲は170〜400ppmである。
CoO、Cr2O3、NiO、MnOの合量を5ppmよりも少なくしようとすると、使用する未処理のカレットの量を少なくするか、着色層などの被膜を取り除かなければならず本発明の目的に反する。一方、100ppmよりも多いと、いくらTiO2、ZnOおよびMgOの含有量を適度に制御してもa*値を−2〜2にすることが困難である。CoO、Cr2O3、NiO、MnOの合量の好ましい範囲は5〜90ppm、さらに好ましい範囲は15〜80ppmである。
CoOとNiOは特に着色の強い成分でありその合量が70ppmよりも多いと、いくらTiO2、ZnOおよびMgOの含有量を適度に制御してもa*値を−2〜2にすることが困難である。好ましくは60ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。
本発明の結晶化ガラスが、Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスであると、熱膨張係数が低く、機械的強度も高いため、優れた熱的特性を有する。特に、主結晶がβ−石英固溶体であると透明な結晶化ガラスが得られるため、さまざまな用途に使用することが出来、波長380〜780nmにおける可視光線の平均透過率が、5mm厚で65%以上であると、8mm以下であれば窓材としても使用できるため好ましい。より好ましくは75%以上、更に好ましい範囲は80%以上である。
Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの場合、TiO2は核形成剤であり、ZnOおよびMgOは結晶の構成成分であるが、これらの成分がガラスマトリックス中に残存した場合、着色イオンの価数や配位状態に影響を及ぼす。質量%表記で、TiO2が0.3〜3%、TiO2+MgO+ZnOが1.5〜8%、TiO2/(TiO2+MgO+ZnO)が0.2〜0.9であると、TiO2、MgOおよびZnOの一部が結晶に取り込まれて消費され、結晶化後のガラスマトリックス中にTiO2、MgOおよびZnOが適量に残存するためFe、Co、Cr、Ni、Mnなどのイオンの着色が弱まるような価数や配位状態を取ることによって着色が抑制される。
TiO2は核形成剤と呼ばれ、均一にガラス中に結晶が析出するように添加される成分であり、TiO2が0.3%よりも少ないと、結晶が均一に析出しにくいため、熱膨張係数のばらつきに起因する熱ひずみによって破損するおそれがある。一方、3%よりも多いと、結晶化後のガラスマトリックス中に多量のTiO2が残存することになり、着色イオンによる結晶化ガラスの着色を抑制するどころか、逆に着色を強める場合がある。TiO2のより好ましい範囲は0.3〜2.5%、更に好ましい範囲は0.3〜1.9%である。
TiO2、MgO、ZnOの合量が1.5%よりも少ないと、ガラスマトリックス中に存在する着色イオンの着色を強めるような価数や配位状態となりやすく、着色しやすくなる。一方、8%よりも多いとガラスマトリックスに残存するTiO2、MgO、ZnOの合量が多くなり、ガラスマトリックスの塩基性度が高くなるため、結晶化ガラスの着色を抑制するどころか、逆に着色を強める場合がある。TiO2、MgO、ZnOの合量の好ましい範囲は1.5〜7%、より好ましくは5%である。
TiO2/(TiO2+MgO+ZnO)が0.2より小さいと、ガラスマトリックス中に存在する着色イオンの着色を制御するような価数や配位状態となりにくい傾向があり、着色を抑制しにくい。一方、0.9よりも大きいと、0.2より小さい場合と同様に、ガラスマトリックス中に存在する着色イオンの着色を制御するような価数や配位状態となりにくい傾向があり、着色を抑制しにくい。TiO2/(TiO2+MgO+ZnO)のより好ましい範囲は0.3〜0.85である。
MgOとZnOは、β‐石英固溶体やβ‐スポジュメン固溶体に固溶して結晶を構成する成分であるとともに、ガラスの粘性を低下させる成分であり、それらの合量が0.3〜7%であると好ましい。0.3%よりも少ないと充分にガラスの粘性を低くすることが困難なため、ガラスの溶融や成形が困難になる傾向があり、7%よりも多いと、結晶化後のガラスマトリックス中に多量のMgOやZnOが残存することになり、着色イオンによる結晶化ガラスの着色を抑制するどころか、逆に着色を強める場合がある。MgOとZnOの合量の好ましい範囲は0.3〜6%、より好ましい範囲は0.3〜5%である。
また、清澄剤として添加されるSb2O3はFeなどの不純物着色を増強する作用を有する。そのため、Sb2O3の含有量は3%以下にすることが好ましい。Sb2O3の好ましい範囲は2%以下、より好ましい範囲は1.4%以下である。
結晶析出を促進させる核形成剤としては、ZrO2やP2O5が用いられる。ZrO2を0.5〜7%にすれば、TiO2、MgOやZnOは結晶中に取り込まれやすくなり、ガラスマトリックス中のTiO2、MgOやZnOの濃度が適量となるため、不純物着色し難くなる。ZrO2の好ましい範囲は0.8〜6%である。
P2O5は、ZrO2より効果は小さいものの結晶の析出を促進する効果を有する。P2O5の好ましい範囲は0〜10%、より好ましい範囲は0.02〜8%、さらに好ましい範囲は0.1〜6.9%である。10%よりも多いと溶融時にガラスが分相しやすい傾向がある。
Na2OやK2Oのフラックス成分が減少すると、ガラスの塩基性度が下がり、不純物着色が低減されることがある。そのため、Na2O+K2Oは4%以下にすることが好ましい。好ましい範囲は3%以下、さらに好ましい範囲は1.4%以下である。
また、ハロゲン(F、Cl、Br、I)は着色を増強する作用を有する。そのため、原料からの混入不可避の分を除いて、実質的にハロゲンは添加しないことが好ましい。
上記以外の成分として、SiO2 を61〜67%、Al2O3を19〜24%、Li2Oを3.2〜4.4%、BaOを0〜1.4%含有することが好ましい。
特に、Li2Oは結晶性への影響が大きいため重要な成分である。Li2Oが3.2%より少ないと、結晶化度が低下し、熱膨張が大きくなり耐熱衝撃性が低下する。また、TiO2が析出されにくくなり、ガラス相での不純物着色が強くなる傾向がある。Li2Oが4.5%より大きいと、熱膨張は小さくなるとともにTiO2の析出を促進するが、Li2O自体がガラス相に残りやすくなり、ガラスの塩基性度が上がり、不純物着色が強くなるため好ましくない。Li2Oのより好ましい範囲は、3.5〜4.3%、更に好ましい範囲は3.7〜4.3%である。
SiO2はガラスの骨格を形成するとともに結晶を構成する成分である。SiO2を61%未満とすると熱膨張が大きくなりすぎるため好ましくない。67%を越えるとガラス溶融が困難となる。
Al2O3もガラスの骨格を形成するとともに結晶を構成する成分である。19%より少ないと、失透しやすくなったりガラス化学的耐久性が低下するため好ましくない。24%を越えるとガラスの粘度が大きくなりすぎてガラス溶融が困難となる。
BaOはSb2O3ほどではないが、Feなどの不純物着色を増強する作用を有する。そのため、1.4%以下とすることが好ましい。
本発明の結晶化ガラスは、Fe2+比率(Fe2+/全Fe)が90質量%以下である結晶性ガラスを熱処理することによって作製すると、着色しにくい。Fe、Co、Cr、Ni、Mnによる結晶化ガラスの着色は、結晶性ガラスの酸化還元(レドックス)雰囲気と相関がある。結晶性ガラスの酸化雰囲気が強いほどその着色は弱くなる傾向がある。なお、結晶性ガラスの酸化雰囲気の強さは、Fe2+比率(Fe2+/全Fe)を指標として表すことができる。すなわち、還元体であるFe2+比率が低く、ガラスの酸化雰囲気が強いと判断できる。Fe2+比率(Fe2+/全Fe)の好ましい範囲は85質量%以下であり、さらに好ましい範囲は70質量%以下である。
なお、結晶性ガラス中のFe2+比率(Fe2+/全Fe)を90質量%以下にする方法としては、TiO2、MgO、ZnOの含有量を制御する(質量%表記で、TiO2が0.3〜3%、TiO2+MgO+ZnOが1.5〜8%、TiO2/(TiO2+MgO+ZnO)が0.2〜0.9)に加えて、カーボン、金属などの還元剤を含有させないことが必要である。さらに、ガラスの低温溶融、溶融時における硝酸塩などの酸化剤の添加、などを用いることが好ましい。
また、結晶性ガラスを熱処理する条件として、核形成処理温度(一次処理温度)は、600〜800℃、核形成処理時間(一次処理時間)は、0.2〜5時間、結晶成長処理温度(二次処理温度)は、830〜910℃、結晶成長処理時間(二次処理時間)は0.1〜3時間であり、核形成処理に続けて結晶成長処理を行なうとTiO2、MgO、ZnOは結晶に取り込まれやすくなり、ガラスマトリックス中のTiO2、MgO、ZnOの濃度が適量となるため着色は低減しやすくなる。
本発明の結晶化ガラスを、実施例および比較例を用いて詳細に説明する。
表1は、本発明の実施例1〜6、表2は実施例7〜12、表3は比較例1〜5を示す。
まず、表の組成となるように、ナトリウム、カリウム及びバリウムの硝酸塩を含むガラス原料を調合し、調合したガラス原料を1550〜1750℃で4〜40時間溶融した後、成形し、Li2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラスを得た。尚、実施例5は、BaOを含有していないため、バリウムの硝酸塩を使用しなかった。また比較例6は、原料として硝酸塩を用いず、カーボンを0.5%含有させたガラス原料を用い、1750℃で溶融を行った。
続いて、この結晶性ガラスからなる成形体を700〜800℃で1〜4時間保持して核形成を行い、800〜950℃で0.5〜3時間熱処理してβ−石英固溶体を析出させ、Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスを得た。
表1〜3から明らかなように、実施例1〜12は、可視平均透過率が65%以上であり、かつa*値は−2〜2、b*値は−10〜20であり、透明体であった。
一方、比較例1〜5は、a*値が−2〜2およびb*値が−10〜20をともに満たすものはなかった。
なお、結晶性ガラスの全Fe量は、ICP発光分析法によって、Fe2+量は、O−フェナントロリン吸光光度法によって求めた。
結晶化度は、X線回折装置(リガク製)を用い、回折角2θが10〜60°の範囲において測定した結晶性ガラスの散乱強度面積と結晶化ガラスの結晶ピーク面積を多重ピーク分離法を用いて算出し、結晶性ガラスの散乱強度面積に対する結晶化ガラスの結晶ピーク面積の比率(%)として求めた。
可視透過率は、肉厚5mmに両面光学研磨した結晶化ガラスからなる板について、分光光度計を用いて測定した波長380〜780nmでの透過率からJIS R 3106の記載により算出した。
a*値、b*値は、肉厚4mmに両面光学研磨した結晶化ガラスからなる板について、分光光度計を用いて測定した波長380〜780nmでの透過率から算出した。
以上のように、本発明の結晶化ガラスは、白色不透明または無色透明であるため、石油ストーブ、薪ストーブ等の前面窓、カラーフィルターやイメージセンサー用基板等のハイテク製品用基板、電子レンジ用棚板、電磁調理用トッププレート、防火戸用窓ガラス等に好適である。
Claims (6)
- 質量換算で、Fe2O3が50〜500ppm、CoO+Cr2O3+NiO+MnOが5〜100ppm、CoO+NiOが0〜70ppmを含有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラスであって、Fe2+比率(Fe2+/全Fe)が90質量%以下であることを特徴とするLi2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラス。
- 質量%表記で、TiO2が0.3〜3%、TiO2+MgO+ZnOが1.5〜8%、TiO2/(TiO2+MgO+ZnO)が0.2〜0.9であることを特徴とする請求項1に記載のLi2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラス。
- 請求項1又は2の結晶性ガラスを結晶化させてなることを特徴とするLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス。
- 質量換算で、Fe2O3が50〜500ppm、CoO+Cr2O3+NiO+MnOが5〜100ppm、CoO+NiOが0〜70ppmを含有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスを製造する方法であって、ガラス原料中に、還元剤を含まないことを特徴とするLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの製造方法。
- ガラス原料中に、酸化剤を含有することを特徴とする請求項4に記載のLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの製造方法。
- 酸化剤が、硝酸塩であることを特徴とする請求項5に記載のLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの製造方法。
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