JP2013147731A - 溶融塩電解による金属の製造方法 - Google Patents

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知之 粟津
Masatoshi Mashima
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Abstract

【課題】2種類以上の金属元素を含む処理対象物から、特定の金属を高純度で安全かつ低コストで得る方法の提供。
【解決手段】2種類以上の金属元素を含む処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程と、前記金属元素が溶解した溶融塩中に一対の電極部材を設け、該電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、溶融塩中に存在する特定の金属を析出又は合金化させる工程と、を備えることを特徴とする溶融塩電解による金属の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融塩電解による金属の製造方法に関する。
近年、希少資源であるレアメタル等の金属を小型電子機器、電気機器や工作機械等の超硬工具等から回収しリサイクルすることが注目されている。
例えば、タンタル(Ta)は主にタンタルコンデンサに利用されており、タンタルコンデンサスクラップから回収することができる。具体的には、酸化処理、磁力選別、篩分け、流水分離、粉砕、篩分け、リーチング、酸化処理、還元処理、リーチングというプロセスを経て回収されている(非特許文献1、319頁〜326頁参照)。
バナジウム(V)は、鉄鋼への添加物や、石油精製における脱硫触媒として利用されている。鉄鋼添加物として利用されたものは鉄鋼スクラップとして回収され、鉄鋼としてリサイクルされる。使用済み触媒に対しては、分級、焙焼、粉砕、浸出、ろ過、浸出液、脱水、熱分解、溶解という工程を順次行うことにより五酸化バナジウムを得ることができる(同文献、391頁〜396頁)。
モリブデン(Mo)も、鉄鋼への添加物や合金、石油精製における脱硫触媒として利用されている。鉄鋼添加物や合金元素として利用されたものは、鉄鋼や合金として回収し、そのまま鉄鋼や合金の形で利用されている。使用済み触媒に対しては、焙焼、油分・水分・硫黄分の除去、塩基性での浸出、回収という工程を順次行うことによりMoを得ることができる(同文献、301頁〜303頁)。
ニオブ(Nb)は、鉄鋼への添加物としての利用形態が大半であり、このような鉄鋼添加物として利用したものは、鉄鋼スクラップとして回収されている。しかしながら、高張力鋼やステンレス鋼などのニオブの含有量は極めて低く、ニオブとしてのリサイクルはされていない(同文献、339頁)。
マンガン(Mn)は大部分が鉄鋼およびアルミ合金に利用されており、それぞれ鉄鋼スクラップ、アルミ合金スクラップとして回収されている。鉄鋼用リサイクルの場合には、マンガンは各種スラグに残る割合が大きく、スラグを形成したマンガンはリサイクルには適さない。スラグ中のマンガンはマンガンケイカル肥料などとして一部利用されている。また、アルミニウム合金として利用されているアルミニウム缶は回収後、リサイクル再生されている(同文献、343頁〜344頁)。
クロム(Cr)は鉄鋼(ステンレス)およびスーパーアロイに利用されたものは、それぞれ鉄鋼スクラップ、スーパーアロイスクラップとして回収後、リサイクル再生されており、クロム単体での抽出回収は行われていない(同文献、219頁〜221頁)。
上記のような回収技術では、焙焼(加熱)、粉砕、浸出、還元等、回収過程におけるプロセス数が多く、複雑であるため処理に時間がかかりコスト高になるという問題がある。また、処理を行うために焙焼が必要であり、その処理に伴い抽出対象でないものに対しても処理をすることとなり、不要なエネルギーを用いることになる。更に、処理対象でないものに焙焼処理を施すことで、不要な酸化物を生成することになり、廃棄物を多く発生させてしまう。また、酸処理や塩基処理を行うため、処理後に酸や塩基の廃液が発生し、環境への負荷が発生してしまう。
このように従来の金属の回収技術では処理コストがかかる、エネルギーロスが大きい、廃棄物が多い、環境負荷が大きい等の問題がある。また、費用面や技術的な問題から単体として再生されない金属もある。
貴金属・レアメタルのリサイクル技術集成、株式会社エヌ・ティー・エス(発行)、有限会社ブッカーズ(企画・編集)、2007年10月19日初版第一刷
本発明は上記問題点に鑑みて、2種類以上の金属元素を含む処理対象物から、特定の金属を高純度で安全かつ低コストで得る方法を提供することを課題とする。
本発明は以下の構成を有する。
(1)2種類以上の金属元素を含む処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程と、
前記金属元素が溶解した溶融塩中に一対の電極部材を設け、該電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、溶融塩中に存在する特定の金属を析出又は合金化させる工程と、
を備えることを特徴とする溶融塩電解による金属の製造方法。
(2)前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする上記(1)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(3)前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、前記電極部材における電位を所定の値に制御し、前記溶融塩中の前記特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(4)前記処理対象物は、遷移金属又は希土類金属を含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(5)前記処理対象物は、V、Nb、Mo、Ti、Ta、Zr、及びHfからなる群より選ばれる1種類以上の金属を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(6)前記処理対象物は、Sr及び/又はBaを含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(7)前記処理対象物は、Zn、Cd、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、及びBiからなる群より選ばれる1種類以上の金属を含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(8)前記処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、
化学的手法により前記金属を前記溶融塩中に溶解させることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(9)前記処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、
前記溶融塩中に、陰極と、前記処理対象物を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記処理対象物から制御した電位に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(10)前記処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする上記(9)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(11)前記処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記陽極における電位を所定の値に制御し、前記特定の金属元素を選択的に溶融塩中に溶解させることを特徴とする上記(9)又は(10)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(12)前記処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、1種類もしくは2種類以上の前記特定の金属を前記溶融塩中に溶解させることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(13)前記析出又は合金化させる特定の金属が遷移金属であることを特徴とする上記(1)〜(5)、(8)〜(11)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(14)前記特定の金属が希土類金属であることを特徴とする上記(1)〜(4)、(8)〜(11)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(15)前記析出又は合金化させる特定の金属がV、Nb、Mo、Ti、Ta、Zr、又はHfであることを特徴とする上記(1)〜(5)、(8)〜(11)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(16)前記析出又は合金化させる特定の金属がSr又はBaであることを特徴とする上記(1)〜(3)、(6)、(8)〜(11)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(17)前記析出又は合金化させる特定の金属がZn、Cd、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、又はBiであることを特徴とする上記(1)〜(3)、(7)〜(11)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(18)前記溶融塩として塩化物系またはフッ化物系の溶融塩を用いることを特徴とする上記(1)〜(17)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(19)前記溶融塩として塩化物系の溶融塩とフッ化物系の溶融塩とを混合した溶融塩を用いることを特徴とする上記(1)〜(17)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(20)前記処理対象物は、粒状又は粉末状であることを特徴とする上記(1)〜(19)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(21)前記粒状又は粉末状の前記処理対象物を押し固めて前記陽極とすることを特徴とする上記(20)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(22)2種類以上の金属元素を含む処理対象物から特定の金属を溶融塩電解により製造する方法であって、
溶融塩中に陰極と、前記処理対象物を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記処理対象物から制御した電位に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させることで特定の金属を陽極に残留させることを特徴とする
溶融塩電解による金属の製造方法。
(23)前記溶融塩中に前記処理対象物から金属元素を溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする上記(22)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
本発明により、2種類以上の金属元素を含む処理対象物から、高純度の特定の金属を安全かつ低コストで得ることができる。
本発明の金属の製造方法に用いられる装置の構成の一例を説明するための断面模式図である。 本発明の金属の製造方法に用いられる装置の構成の別の一例を説明するための断面模式図である。 本発明の実施例で用いたアノード電極を説明するための写真である。 実施例におけるアノード電流値と時間との関係を示すグラフである。
本発明に係る溶融塩電解による金属の製造方法は、2種類以上の金属元素を含む処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程と、前記金属元素が溶解した溶融塩中に一対の電極部材を設け、該電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、溶融塩中に存在する特定の金属を析出又は合金化させる工程と、を備えることを特徴とする。
すなわち、上記本発明は大きくは、前記処理対象物に含まれる特定の金属を溶融塩中に溶解させるプロセスと、該特定の金属が溶解した溶融塩から溶融塩電解により一方の電極(陰極)に特定の金属を析出させるプロセスとから成る。そして本発明の特徴は、電極における電位を所定の値に制御することで、処理対象物から特定の金属を選択的に析出させて純度の高い特定の金属を得ることにある。
まず、処理対象物に含まれる特定の金属を溶融塩中に溶解させるプロセスについて説明する。
処理対象物に含まれる特定の金属を溶融塩中に溶解させる方法としては、例えば化学的手法により溶解させる方法が挙げられる。具体的には、処理対象物を粉砕して粒状、粉状にし、これらと塩とを混合して加熱することにより、処理対象物に含まれる特定の金属を溶融塩中に溶解させることができる。また、処理対象物を溶融塩に投入して溶解させてもよい。
また、別の方法としては電気化学的手法が挙げられる。具体的には、前記溶融塩中に、陰極と、前記処理対象物を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記処理対象物から制御した電位に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させる。溶融塩電解においては、元素が溶解する電位は元素の種類によって異なる性質があるため、この性質を利用して特定の金属を他の金属から分離することができる。このように処理対象物を陽極として用いて、溶解時の電位を制御することで特定の金属を選択的に溶融塩中に溶解させることができる。
この工程においては、処理対象物に含まれるすべての金属を溶解させても良いし、処理対象物に含まれる特定の金属とその他の金属を溶解させても良く、更には処理対象物に含まれる特定の金属のみを溶解させることが好ましい。処理対象物に含まれる特定の金属とそれ以外の金属とが溶解する条件であってもよいが、なるべく特定の金属のみが溶解するように電位を制御することが好ましい。すなわち、前記特定の金属を溶融塩中に溶解させる工程においては、前記陽極における電位を所定の値に制御し、前記特定の金属元素を選択的に溶融塩中に溶解させることが好ましい。これにより、続けて行う析出工程において不純物の持ち込みをより少なくすることができる。
このためには、前記溶融塩中に前記処理対象物から特定の金属を溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することが好ましい。これにより溶融塩中に溶解させる特定の金属と、陽極に残留させる他の金属元素とを良好に分離することができる。前記標準電極電位の差は、0.1V以上であることがより好ましく、0.25V以上であることが更に好ましい。
陽極に負荷する電位は、後述するネルンストの式により計算することができる。
なお、前記処理対象物に、目的となる特定の金属が1種類以上含まれている場合には、前記溶解工程において、1種類もしくは2種類以上の特定の金属を前記溶融塩中に溶解させる。
処理対象物に特定の金属が1種類のみ含まれている場合には、前述のように当該特定の金属を溶解させた後に析出工程を行って目的の金属を得る。また、処理対象物に目的となる特定の金属が2種類以上含まれている場合には、そのうちの1種類のみを溶融塩中に溶解させ、続けて析出工程を行い、その後に、再度溶解工程を行うことにより残りの種類の特定の金属を溶融塩に溶解させても良い。なおこの場合には、最初の溶解工程を経た後の処理対象物を当該溶解工程に用いた溶融塩とは別の溶融塩に移して溶解工程を行うことによって、残りの種類の特定の金属を溶解させても良い。
処理対象物に含まれている2種類以上の特定の金属を溶融塩中に2種類以上溶解させた場合には、その後に行う析出工程において、溶融塩中に存在する特定の金属を1種類ずつ電極材料に析出又は合金化させることで、所望の特定の金属を製造することができる。この場合には、1種類の特定の金属を電極材料に析出又は合金化させた後に、電極材料を交換して、該電極材料に溶融塩中に溶解している残りの特定の金属を析出又は合金化させればよい。
前記溶解工程において使用する陰極としては、炭素あるいは溶融塩中の陽イオンを構成するLiやNa等のアルカリ金属と合金化しやすい材料を用いる。例えば、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)等を用いることができる。
前記特定の金属を含む処理対象物を陽極として使用するには、例えば、金属等による導電性のカゴ(陽極材料)の中に処理対象物を収容して溶融塩中に設ければよい。カゴの上部に開口部を設けて、当該開口部から処理対象物を内部に挿入できるようにし、また、カゴの側壁および底壁に多数の穴を形成して溶融塩がカゴの内部に流入できるようにすればよい。カゴを構成する材料としては、金属線を編むことで形成された網状部材や、シート状の金属板に多数の穴を開けたシート部材など、任意の材料を用いることができる。特に、当該材料としてC、Pt、Mo等を用いるのが有効である。
前記陰極と、前記処理対象物を含む陽極材料かなる陽極(例えば、前記処理対象物を内部に保持した金属製のカゴ)を前記溶融塩中に設け、該陽極における電位を所定の値に制御することで、処理対象物から特定の金属を溶融塩中に溶解させることができる。
次の析出プロセスでは、前記特定の金属が溶解した溶融塩中に一対の電極部材を設けて溶融塩電解を行うことにより特定の金属を一方の電極部材(陰極)に析出させる。この場合は溶融塩電解で制御する電位の大きさによって、特定の金属を選択的に陰極に金属もしくは合金として析出させることができる。
この析出プロセスにおいても、前記溶解プロセスと同様に、溶融塩電解においては元素が金属もしくは合金として陰極に析出する電位は元素の種類によって異なるという性質を利用して、特定の金属と他の金属とを分離する。これにより、特定の金属以外の金属が溶融塩中に含まれている場合にも、前記電極部材における電位を所定の値に制御することで、特定の金属元素を選択的に陰極に析出又は合金化させることができる。すなわち高純度の特定の金属を得ることができる。
また、特定の金属を析出させる場合に、特定の金属の溶解・析出電位と溶融塩中に含まれる他の金属の溶解・析出電位との差が小さく、特定の金属を他の金属と分離することが困難な場合には、陰極材料と特定の金属とが合金化して析出するように、陰極材料の選択及び付与する電位の制御を行っても良い。これにより、溶融塩中の特定の金属を合金として析出させ、他の不純物金属と分離し、その後に例えば、特定の金属と合金化した陰極材料を用いて、別の溶融塩中にて溶解工程と析出工程を行うことにより高純度の特定の金属を得ることができる。
前記析出工程において使用する電極部材としては、例えば、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、グラッシーカーボン(C)等を用いることができる。
本発明は以上のような2つのプロセスによって、処理対象物から特定の金属を分離抽出する。なお、本発明においては溶融塩を用いるため、各プロセスにおける系の温度が溶融塩の融点以上となるように系を加熱する必要がある。
また、後述するように、本プロセスと全く逆の考え方で製錬することも可能である。すなわち、対象処理物を陽極とし、不純物となる金属元素のみを溶融塩中に溶解させるというものである。この場合も、陽極における電位を制御することで、特定の金属が陽極に残留し、不純物元素が溶解するといった現象を発生させる。これにより陽極に特定の金属が得られる。
上記の2つのプロセスの特徴は溶融塩を用いることである。すなわち、溶融塩の種類によって各元素の溶解・析出の電位が異なるという溶融塩電解の性質を利用して、特定の金属の溶解・析出電位と特定の金属以外の不純物対象となる金属の溶解・析出電位とが充分に離れて処理しやすい値となるように溶融塩を選択して設計することが可能となる。
具体的には、前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することが好ましい。溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差は、0.1V以上とすることがより好ましく、0.25V以上とすることが更に好ましい。
このように、前記特定の金属を析出もしくは合金化させる工程においては、前記電極部材における電位を所定の値に制御し、前記溶融塩中の前記特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させることが好ましい。
陰極に析出させる特定の金属の析出電位は、電気化学的な計算により算出することができる。具体的にはネルンストの式を用いて計算する。
例えば、特定の金属としてモリブデンが溶解して4価のモリブデン(Mo)イオン(以下ではMo(IV)と表す)となっている溶融塩からMo単体を析出させる電位は次の式により求めることができる。
Mo=E Mo + RT/3F・ln(aMo(IV)/aMo(0))・・・式(1)
なお、上記式(1)において、E Moは標準電位を、Rは気体定数を、Tは絶対温度を、Fはファラデー数を、aMo(IV)はMo(IV)イオンの活量を、aMo(0)はMo単体の活量を、それぞれ意味する。
そして、上記式(1)を、活量係数γMo(IV)を考慮して書き直すと、aMo(0)=1なので、以下のような式となる。
Mo=E Mo + RT/3F・lnaMo(IV)
=E Mo + RT/3F・ln(γMo(IV)・CMo(IV)) ・・・式(2)
Mo=E0’ Mo+ RT/3F・lnCMo(IV) ・・・式(3)
なお、上記式(3)において、CMo(IV)は4価のMoイオンの濃度を、E0’ Moは式量電極電位(ここでは、E Mo+RT/3F・lnγMo(IV)と等しい)をそれぞれ意味する。
同様にして、上記計算式により、全ての析出物に対して溶融塩の種類ごとに、析出電位を求めることができる。
また、モリブデンを合金として析出させる場合にも同様にして計算することができる。前記の陰極にモリブデンを析出もしくは合金化させるプロセスでは、このモリブデン単体もしくはモリブデン合金の析出電位の値を見て、他の金属の単体もしくはその合金の析出電位と充分な電位の差が得られるように溶融塩や陰極材料の選定を行い、モリブデン単体として析出させるか又はモリブデン合金として析出させるかを決定する。
操業における電位は、電極の大きさや位置関係によって変わってくるため、条件出しにより基準となる電位を決めた後に、上記の方法で求めた電位の値と序列に基づいて、各ステップにおいて制御する電位の値を決定する。
上記のように、本発明の溶融塩電解による特定の金属の製造方法では、電位の値を制御することにより特定の金属を電気化学的に溶解・析出させることができる。このため、従来の湿式処理などのように酸などを用いた溶解・抽出といったプロセスを繰り返す場合よりも工程を簡略化でき、また、特定の金属を選択的に分離・回収することができる。更に、溶融塩の比重の調整も不必要であり、特定の金属を固体の状態で処理できる低温の溶融塩を選択することで、簡易な装置構成とすることができる。また、操業形態も単純化することが可能である。このため、工程の効率化、および低コスト化を図ることが可能である。
また、前述のように特定の金属を陰極に析出もしくは合金化させるという考え方とは全く逆の考え方で特定の金属を製錬することも可能である。
すなわち、本発明の溶融塩電解による金属の製造方法は、2種類以上の金属元素を含む処理対象物から特定の金属を溶融塩電解により製造する方法であって、溶融塩中に陰極と、前記処理対象物を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記処理対象物から電位の値に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させることで特定の金属を陽極に残留させることを特徴とする。
この製造方法は、前記処理対象物を含む陽極材料を陽極とし、特定の金属以外、すなわち不純物となる金属元素のみを溶融塩中に溶解させることにより、特定の金属を陽極に残留させるというものである。この場合も、陽極における電位を制御することで、製錬対象の特定の金属が陽極に残留し、不純物元素が溶融塩中に溶解するといった現象を発生させることができる。これにより、陽極に製錬された特定の金属が得られる。
この方法においても、前記溶融塩中に前記処理対象物から金属元素を溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することが好ましい。これにより、特定の金属とその他の金属とを良好に分離することができ、特定の金属のみを陽極に残留させることができる。標準電極電位の差は0.1V以上であることがより好ましく、0.25V以上であることが更に好ましい。
また、陽極において制御する電位は、前記のようにネルンストの式を用いて計算することができる。
本発明に係る溶融塩電解による金属の製造方法において、2種類以上の金属元素を含む処理対象物としては、目的となる特定の金属を含む金属材料であれば何ら限定されるものではない。例えば、回収電池材料からはMn、Co、Sb等を、金属超電導材料からはNb等を、酸化物系超電導材料からはBi、Sr等を、フェロバナジウムからはVを、Mo−Cu系ヒートスプレッダからはMo等を、光ファイバ材料からはGe等を得ることができる。
本発明は前記処理対象物が遷移金属又は希土類金属を含む金属材料の場合にも好ましく適用することができる。遷移金属としては特に限定されず、周期律表の第3族(IIIA族)〜第11族(IB族)に含まれる元素であればよい。前記処理対象物が遷移金属としてV、Nb、Mo、Ti、Ta、Zr、及びHfからなる群より選ばれるいずれか1種類以上の金属を含むものである場合にも本発明を好適に利用することができる。
また本発明は、前記処理対象物に含まれる金属が、Sr、Baのいずれか、又は両方である場合にも好適に利用される。更に、前記処理対象物がZn、Cd、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、及びBiからなる群より選ばれる1種類以上の金属を含む場合にも好適に利用される。
前記析出又は合金化させる特定の金属を遷移金属又は希土類金属とすることで、本発明の溶融塩電解による金属の製造方法により、遷移金属又は希土類金属を得ることができる。なお、遷移金属としては特に限定されず、周期律表の第3族(IIIA族)〜第11族(IB族)に含まれる元素であればよい。
同様に、前記析出又は合金化させる特定の金属を、V、Nb、Mo、Ti、Ta、Zr若しくはHfとするか、Sr若しくはBaとするか、又はZn、Cd、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb若しくはBiとすることにより、これらの金属を得ることができる。
前述のように、前記溶解工程において、処理対象物に含まれるこれらの金属を1種類以上溶融塩に溶解させて、当該溶融塩から順番に特定の金属を電極部材に析出又は合金化させることができる。
前記処理対象物は粒状又は粉末状であることが好ましい。処理対象物を粒状又は粉末状にすることで、表面積を増やし処理効率を高めることができる。
更に、粒状又は粉末状にした処理対象物を押し固めることで、陽極(アノード)として使用することができる。この場合、粒子間に溶融塩が容易に侵入できる空間が存在することが望ましい。
前記溶融塩としては、塩化物系の溶融塩またはフッ化物系の溶融塩を用いることができる。また、塩化物系の溶融塩とフッ化物系の溶融塩とを混合した溶融塩を用いることもできる。
塩化物系の溶融塩としては、例えばKCl、NaCl、CaCl、LiCl、RbCl、CsCl、SrCl、BaCl、MgClなどを用いることができる。またフッ化物系の溶融塩としては、例えばLiF、NaF、KF、RbF、CsF、MgF、CaF、SrF、BaFを用いることができる。なお、効率の点から塩化物系の溶融塩を用いることが好ましく、なかでも安価で入手が容易という点から、KCl、NaCl、CaClを用いることが好ましい。
また、これらの溶融塩は複数種類の溶融塩を組み合わせて任意の組成の溶融塩として用いることができ、例えばKCl−CaClやLiCl−KCl、あるいはNaCl−KClといった組成の溶融塩を用いることができる。
本発明に係る溶融塩電解による金属の製造方法においては、次のような装置を好ましく使用することができる。すなわち、溶融塩を内部に保持した容器と、前記容器の内部に保持された溶融塩に浸漬した陰極と、前記容器の内部に保持された溶融塩に浸漬され、2種類以上の金属元素を含み導電性の処理対象物を内部に保持した陽極とを備え、前記陽極は内部と外部との間で前記溶融塩が流通可能になっており、さらに、前記陰極と前記陽極における電位を所定の値に制御する制御部を備え、前記制御部は、前記電位の値の変更が可能となっていることが好ましい。また、本発明に係る溶融塩電解による金属の製造方法に使用する装置は、特定の金属が溶解した溶融塩を内部に保持した容器と、前記容器の内部に保持された溶融塩に浸漬した陰極と陽極とを備え、前記陰極と前記陽極における電位を所定の値に制御する制御部を備え、前記制御部は、前記電位の値の変更が可能となっていることが好ましい。
前記装置を、図1および図2を参照して説明する。図1に示す装置は、溶融塩を内部に保持する容器1と、容器1の内部に保持される溶融塩2と、2種類以上の金属元素を含む処理対象物3を内部に保持するカゴ4と、電極6と、溶融塩2を加熱するためのヒータ10と、カゴ4および電極6と導電線5によって電気的に接続された制御部9とを備えている。
制御部9は、カゴ4を一方の電極(陽極)とし、電極6を他方の電極(陰極)としてこの電極における電位を所定の値に制御することが可能となっている。また、制御部9においては、制御する電圧の値の変更が可能である。ヒータ10は、容器1の周囲を環状に囲むように配置されている。電極6は任意の材料により構成することができるが、例えば炭素を用いることができる。なお、容器1の形状は、底面の円形状あるいは多角形状であってもよい。また、カゴ4としては前述のカゴを用いることができる。
カゴ4と電極6の間には、制御部9により所定の電位の値となるように電位が制御される。これにより処理対象物3から特定の金属が溶融塩2中に溶解する。
そして、処理対象物3から特定の金属が充分に溶解した後に、カゴ4及び電極6を取り出し、別の電極7(陰極)、電極8(陽極)を溶融塩2中に投入する。この電極7、8はそれぞれ導電線5を介して制御部9と接続している。そして、制御部9から電極7、8における電位を所定の値に制御する。このとき、制御する電圧は、電極7、8の電位差が特定の金属の析出電位となるように調整する。これにより溶融塩2に溶解していた特定の金属が電極7(陰極)の表面に析出することになる。電極7、8の材料としては、たとえばグラッシーカーボン(C)を用いることができる。
なお、ヒータ10による溶融塩2の加熱温度は、図1および図2に示した装置での処理のいずれについてもたとえば800℃とすることができる。このようにして、電極7の表面に特定の金属を単体として析出させることができる。
なお、前記電極7、8に印加する電圧は、電極7(陰極)の表面に特定の金属と陰極材料との合金が析出するように調整してもよい。この場合には、該合金化した電極7を用いて、前述の溶解工程及び析出工程を行えばよい。即ち、新たに図1に示すような装置を用意して、前述の処理対象物3の代わりに特定の金属と合金化した電極7を用いればよい。
図1及び図2に示したような装置を用いて本発明による金属の製造方法を実施する場合には、例えば次のように実施することができる。以下では、バナジウム、モリブデン、ストロンチウム、及びゲルマニウムを例に説明する。
(バナジウム)
例えば、本発明の金属の製造方法によりバナジウムを得るためには、まず、処理対象物3としてフェロバナジウムを1kg準備し、溶融塩2としてNaCl−KClを準備する。フェロバナジウムとしては例えばバナジウム(V)を75wt%、鉄(Fe)を25wt%含有するものとする。当該フェロバナジウムを粉砕してカゴ4の内部に配置する。溶融塩2の量は約15リットルとする。
そして、電極6として炭素からなる電極を用いて前述の溶解工程を行い、続いて、電極7、8としてグラッシーカーボンからなる電極を用いて析出工程を行えばよい。
(モリブデン)
本発明の金属の製造方法によりモリブデンを得るためには、まず、処理対象物3としてMo−Cu系ヒートスプレッダを1kg準備し、溶融塩2としてLiCl−KClを準備する。Mo−Cu系ヒートスプレッダとしては例えばモリブデン(Mo)を50wt%、銅(Cu)を50wt%含有するものとする。当該ヒートスプレッダを粉砕してカゴ4の内部に配置する。溶融塩2の量は約5リットルとする。
そして、電極6として炭素からなる電極を用いて前述の溶解工程を行い、続いて電極7、8としてグラッシーカーボンからなる電極を用いて析出工程を行えばよい。
(ストロンチウム)
本発明の金属の製造方法によりストロンチウムを得るためには、まず、処理対象物3として酸化物系超電導材料を1kg準備し、溶融塩2としてLiF−CaFを準備する。酸化物系超電導材料としては例えばストロンチウム(Sr)を17wt%、カルシウム(Ca)を8wt%含有するものとする。当該酸化物系超電導材料を粉砕してカゴ4の内部に配置する。溶融塩2の量は約4リットルとする。
そして、電極6として炭素からなる電極を用いて前述の溶解工程を行い、続いて電極7、8としてグラッシーカーボンからなる電極を用いて析出工程を行えばよい。
(ゲルマニウム)
本発明の金属の製造方法によりゲルマニウムを得るためには、まず、処理対象物3として光ファイバ材料を1kg準備し、溶融塩2としてLiF−CaFを準備する。光ファイバ材料としては例えばゲルマニウム(Ge)を3wt%含有するものとする。当該光ファイバ材料を粉砕してカゴ4の内部に配置する。溶融塩2の量は約4リットルとする。
そして、電極6として炭素からなる電極を用いて前述の溶解工程を行い、続いて電極7、8としてグラッシーカーボンからなる電極を用いて析出工程を行えばよい。
以上のようにして、処理対象物3としてフェロバナジウム、Mo−Cu系ヒートスプレッダ、酸化物系超電導材料、光ファイバ材料を用いることにより、それぞれバナジウム、モリブデン、ストロンチウム、ゲルマニウムを得ることができる。なお、処理の効率を向上させる観点から、処理対象物3として用いるフェロバナジウム、Mo−Cu系ヒートスプレッダ、酸化物系超電導材料、及び光ファイバ材料は、それぞれできるだけ小さく粉砕することが好ましく、例えば径の最大値が5mm以下、より好ましくは3mm以下、さらに好ましくは1mm以下となるような粒状に粉砕することが好ましい。
本発明の溶融塩電解による金属の製造方法によれば、従来の回収方法などに比べて装置構成を簡略化できるとともに処理時間も短くすることができるため、コストを低減することができる。さらに、電極における電位を適切に設定することで、電極表面に特定の金属を単体として析出させることができるので、純度の高い金属を得ることができる。
なお、それぞれのバナジウム、バナジウム合金、モリブデン、モリブデン合金、ストロンチウム、ストロンチウム合金、ゲルマニウム、又はゲルマニウム合金を析出させるための電位は前述の計算により算出することができる。
[実施の形態1]
バナジウムを含む金属材料としてフェロバナジウムを用いて、溶融塩電解によりバナジウムを製造した。
(試料)
処理対象物であるフェロバナジウムとしては、バナジウムを75wt%、鉄を25wt%有するフェロバナジウムを使用した。そして当該フェロバナジウムをビーズミルやアトライターの手段により粉砕して粒径が約2mmとなるようにした。粉砕した試料(フェロバナジウム)を、モリブデン(Mo)製の網(50mesh)で包んだ。図3に示すようにMo製の網の内部に保持された試料粉末(処理対象物)を、陽極(アノード電極)とした。
(実験内容)
溶融塩としてNaCl−KClの共晶組成の溶融塩を使用し、700℃に加熱して完全に溶融させた。そして、当該溶融塩に、上述した陽極(アノード電極)と、陰極(カソード電極)とを配線して浸漬した。カソード電極の材料としてはグラッシーカーボンを用いた。
溶解工程:
このように溶融塩にアノード電極とカソード電極とを浸漬した状態で、アノード電極を所定の電位に保持した。この際の電位は、鉄は溶解せずに、バナジウムのみが選択的に溶解する電位とした。そして、所定時間経過後、溶融塩からサンプルを採取し、当該サンプルについてICP−AESにより組成分析を行なった。
電解工程:
上記溶解工程の後、溶融塩にグラッシーカーボンからなるカソード電極およびグラッシーカーボンからなるアノード電極を浸漬し、カソード電極の電位を所定の電位に保持した。具体的には、NaCl−KCl系溶融塩においてバナジウムが析出するような電位に保持した。そして、所定時間経過後、カソード電極の表面状態を観察した。
(結果)
溶解工程について:
溶解工程において観察されたアノード電流は、図4に示すような経時変化を示した。なお、図4の横軸は時間(単位:分)を示し、縦軸はアノード電流の電流値を示す。図4に示すように、電流値は時間が経過するにつれて低下していた。また、電流値の時間変化率は、測定開始時(通電開始時)が最も高く、その後徐々に変化率が小さくなっていく傾向が見られた。
そして、溶融塩から採取したサンプルについて、ICP−AESにより組成分析を行なった結果、当該溶融塩中にバナジウムが溶解していることが確認された。
電解(析出)工程について:
カソード電極の表面層について、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、カソード電極を構成するグラッシーカーボンからなる電極本体部の表面に、バナジウムが析出していた。
このように、バナジウムを含むフェロバナジウムに含まれていたバナジウムを高純度で得ることができた。
[実施の形態2]
モリブデンを含む金属材料としてMo−Cu系ヒートスプレッダを用いて、溶融塩電解によりモリブデンを製造した。
(試料)
処理対象物であるMo−Cu系ヒートスプレッダとしては、モリブデンを50wt%、銅を50wt%有するヒートスプレッダを使用した。そして当該ヒートスプレッダをビーズミルやアトライターの手段により粉砕して粒径が約2mmとなるようにした。粉砕した試料(ヒートスプレッダ)を、白金(Pt)製の網(50mesh)で包んだ。Pt製の網の内部に保持された試料粉末(処理対象物)を、陽極(アノード電極)とした。
(実験内容)
溶融塩としてLiCl−KClの共晶組成の溶融塩を使用し、450℃に加熱して完全に溶融させた。そして、当該溶融塩に、上述したアノード電極と、カソード電極とを配線して浸漬した。カソード電極の材料としてはグラッシーカーボンを用いた。
溶解工程:
このように溶融塩にアノード電極とカソード電極とを浸漬した状態で、アノード電極を所定の電位に保持した。この際の電位は、銅は溶解せずに、モリブデンのみが選択的に溶解する電位とした。そして、所定時間経過後、溶融塩からサンプルを採取し、当該サンプルについてICP−AESにより組成分析を行なった。
電解工程:
上記溶解工程の後、溶融塩にグラッシーカーボンからなるカソード電極およびグラッシーカーボンからなるアノード電極を浸漬し、カソード電極の電位を所定の電位に保持した。具体的には、LiCl−KCl系溶融塩においてモリブデンが析出するような電位に保持した。そして、所定時間経過後、カソード電極の表面状態を観察した。
(結果)
溶解工程について:
溶解工程において観察されたアノード電流は、前記バナジウムの場合と同様に、時間が経過するにつれて電流値が低下していた。また、電流値の時間変化率は、測定開始時(通電開始時)が最も高く、その後徐々に変化率が小さくなっていく傾向が見られた。
そして、溶融塩から採取したサンプルについて、ICP−AESにより組成分析を行なった結果、当該溶融塩中にモリブデンが溶解していることが確認された。
電解(析出)工程について:
カソード電極の表面層について、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、カソード電極を構成するグラッシーカーボンからなる電極本体部の表面に、モリブデンが析出していた。
このように、モリブデンを含むヒートスプレッダに含まれていたモリブデンを高純度で得ることができた。
[実施の形態3]
ストロンチウムを含む金属材料として酸化物系超電導材料を用いて、溶融塩電解によりストロンチウムを製造した。
(試料)
処理対象物である酸化物系超電導材料としては、ストロンチウムを17wt%、カルシウムを8wt%有する酸化物系超電導材料を使用した。そして当該酸化物系超電導材料をビーズミルやアトライターの手段により粉砕して粒径が約2mmとなるようにした。粉砕した試料(酸化物系超電導材料)を、白金(Pt)製の網(50mesh)で包んだ。Pt製の網の内部に保持された試料粉末(処理対象物)を、陽極(アノード電極)とした。
(実験内容)
溶融塩としてLiF−CaFの共晶組成の溶融塩を使用し、850℃に加熱して完全に溶融させた。そして、当該溶融塩に、上述したアノード電極と、カソード電極とを配線して浸漬した。カソード電極の材料としてはグラッシーカーボンを用いた。
溶解工程:
このように溶融塩にアノード電極とカソード電極とを浸漬した状態で、アノード電極を所定の電位に保持した。この際の電位は、ストロンチウム、カルシウムのみが選択的に溶解し、他の含有元素は溶解しない電位とした。そして、所定時間経過後、溶融塩からサンプルを採取し、当該サンプルについてICP−AESにより組成分析を行なった。
電解工程:
上記溶解工程の後、溶融塩にグラッシーカーボンからなるカソード電極およびグラッシーカーボンからなるアノード電極を浸漬し、カソード電極の電位を所定の電位に保持した。具体的には、LiF−CaF系溶融塩においてストロンチウムが析出するような電位に保持した。そして、所定時間経過後、カソード電極の表面状態を観察した。
(結果)
溶解工程について:
溶解工程において観察されたアノード電流は、前記バナジウムの場合と同様に、時間が経過するにつれて電流値が低下していた。また、電流値の時間変化率は、測定開始時(通電開始時)が最も高く、その後徐々に変化率が小さくなっていく傾向が見られた。
そして、溶融塩から採取したサンプルについて、ICP−AESにより組成分析を行なった結果、当該溶融塩中にストロンチウムが溶解していることが確認された。
電解(析出)工程について:
カソード電極の表面層について、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、カソード電極を構成するグラッシーカーボンからなる電極本体部の表面に、ストロンチウムが付着していた。ストロンチウムの融点は768℃なので、液体となっている。電極本体への付着量が多くなると、溶融塩との比重差により、浮遊してくるので、電極の上側には浮遊してきたストロンチウムを捕集する治具を設置した。
このように、ストロンチウムを含む酸化物系超電導材料に含まれていたストロンチウムを高純度で得ることができた。
[実施の形態4]
ゲルマニウムを含む金属材料として光ファイバ材料を用いて、溶融塩電解によりゲルマニウムを製造した。
(試料)
処理対象物である光ファイバ材料としては、ゲルマニウムを3wt%有する光ファイバ材料を使用した。そして当該光ファイバ材料をビーズミルやアトライターの手段により粉砕して粒径が約2mmとなるようにした。粉砕した試料(光ファイバ材料)を、白金(Pt)製の網(50mesh)で包んだ。Pt製の網の内部に保持された試料粉末(処理対象物)を、陽極(アノード電極)とした。
(実験内容)
溶融塩としてLiF−CaFの共晶組成の溶融塩を使用し、850℃に加熱して完全に溶融させた。そして、当該溶融塩に、上述したアノード電極と、カソード電極とを配線して浸漬した。カソード電極の材料としてはグラッシーカーボンを用いた。
溶解工程:
このように溶融塩にアノード電極とカソード電極とを浸漬した状態で、アノード電極を所定の電位に保持した。この際の電位は、ゲルマニウムのみが選択的に溶解し、他の含有元素は溶解しない電位とした。そして、所定時間経過後、溶融塩からサンプルを採取し、当該サンプルについてICP−AESにより組成分析を行なった。
電解工程:
上記溶解工程の後、溶融塩にグラッシーカーボンからなるカソード電極およびグラッシーカーボンからなるアノード電極を浸漬し、カソード電極の電位を所定の電位に保持した。具体的には、LiF−CaF系溶融塩においてゲルマニウムが析出するような電位に保持した。そして、所定時間経過後、カソード電極の表面状態を観察した。
(結果)
溶解工程について:
溶解工程において観察されたアノード電流は、前記バナジウムの場合と同様に、時間が経過するにつれて低下していた。また、電流値の時間変化率は、測定開始時(通電開始時)が最も高く、その後徐々に変化率が小さくなっていく傾向が見られた。
そして、溶融塩から採取したサンプルについて、ICP−AESにより組成分析を行なった結果、当該溶融塩中にゲルマニウムが溶解していることが確認された。
電解(析出)工程について:
カソード電極の表面層について、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、カソード電極を構成するグラッシーカーボンからなる電極本体部の表面に、ゲルマニウムが析出していた。
このように、ゲルマニウムを含む光ファイバ材料に含まれていたゲルマニウムを高純度で得ることができた。
以上、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は2種類以上の金属元素を含む処理対象物から高純度の特定の金属を得る方法に好適に利用することができる。
1 容器
2 溶融塩
3 処理対象物
4 カゴ
5 導電線
6〜8 電極
9 制御部
10 ヒータ

Claims (23)

  1. 2種類以上の金属元素を含む処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程と、
    前記金属元素が溶解した溶融塩中に一対の電極部材を設け、該電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、溶融塩中に存在する特定の金属を析出又は合金化させる工程と、
    を備えることを特徴とする溶融塩電解による金属の製造方法。
  2. 前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする請求項1に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  3. 前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、前記電極部材における電位を所定の値に制御し、前記溶融塩中の前記特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  4. 前記処理対象物は、遷移金属又は希土類金属を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  5. 前記処理対象物は、V、Nb、Mo、Ti、Ta、Zr、及びHfからなる群より選ばれる1種類以上の金属を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  6. 前記処理対象物は、Sr及び/又はBaを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  7. 前記処理対象物は、Zn、Cd、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、及びBiからなる群より選ばれる1種類以上の金属を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  8. 前記処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、
    化学的手法により前記金属を前記溶融塩中に溶解させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  9. 前記処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、
    前記溶融塩中に、陰極と、前記処理対象物を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記処理対象物から制御した電位に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  10. 前記処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする請求項9に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  11. 前記処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記陽極における電位を所定の値に制御し、前記特定の金属元素を選択的に溶融塩中に溶解させることを特徴とする請求項9又は10に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  12. 前記処理対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、1種類もしくは2種類以上の前記特定の金属を前記溶融塩中に溶解させることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  13. 前記析出又は合金化させる特定の金属が遷移金属であることを特徴とする請求項1〜5、8〜11のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  14. 前記析出又は合金化させる特定の金属が希土類金属であることを特徴とする請求項1〜4、8〜11のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  15. 前記析出又は合金化させる特定の金属がV、Nb、Mo、Ti、Ta、Zr、又はHfであることを特徴とする請求項1〜5、8〜11のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  16. 前記析出又は合金化させる特定の金属がSr又はBaであることを特徴とする請求項1〜3、6、8〜11のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  17. 前記析出又は合金化させる特定の金属がZn、Cd、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、又はBiであることを特徴とする請求項1〜3、7〜11のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  18. 前記溶融塩として塩化物系またはフッ化物系の溶融塩を用いることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  19. 前記溶融塩として塩化物系の溶融塩とフッ化物系の溶融塩とを混合した溶融塩を用いることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  20. 前記処理対象物は、粒状又は粉末状であることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  21. 前記粒状又は粉末状の前記処理対象物を押し固めて前記陽極とすることを特徴とする請求項20に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  22. 2種類以上の金属元素を含む処理対象物から特定の金属を溶融塩電解により製造する方法であって、
    溶融塩中に陰極と、前記処理対象物を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記処理対象物から制御した電位に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させることで特定の金属を陽極に残留させることを特徴とする
    溶融塩電解による金属の製造方法。
  23. 前記溶融塩中に前記処理対象物から金属元素を溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする請求項22に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
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