JP2013117063A - 溶融塩電解による金属の製造方法 - Google Patents

溶融塩電解による金属の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013117063A
JP2013117063A JP2012149053A JP2012149053A JP2013117063A JP 2013117063 A JP2013117063 A JP 2013117063A JP 2012149053 A JP2012149053 A JP 2012149053A JP 2012149053 A JP2012149053 A JP 2012149053A JP 2013117063 A JP2013117063 A JP 2013117063A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
molten salt
ore
potential
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012149053A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Awazu
知之 粟津
Masatoshi Mashima
正利 真嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2012149053A priority Critical patent/JP2013117063A/ja
Publication of JP2013117063A publication Critical patent/JP2013117063A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】鉱石から低コストで高純度の金属を得る方法の提供。
【解決手段】2種類以上の金属元素を含む鉱石又は該鉱石から得られた粗金属塊に含まれる金属元素を選択的に溶融塩中に溶解させる工程と、前記金属元素が溶解した溶融塩中に一対の電極部材を設け、電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、溶融塩中に存在する特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させる工程と、を備えることを特徴とする溶融塩電解による金属の製造方法。
【選択図】図9

Description

本発明は、溶融塩電解による金属の製造方法に関する。
鉱石から特定の金属を製錬する方法としては、乾式製錬による方法と、湿式製錬による方法とが知られている。
乾式製錬の溶融製錬は、鉱石を高温の炉で融解することで目的となる金属を分離する方法である。例えば、精鉱あるいは焙焼鉱、焼結鉱を高温の炉内で溶融し、粗金属塊にして濃縮し、脈石や不純物などをスラグとして分離する(非特許文献1の第46頁)。
溶融製錬では溶融したときの比重差で鉱石に含まれる金属を分離するため、分離する金属間の比重差が大きいことが求められる。また、分離対象が互いに溶解度が小さいことが求められる。金属材料間でこうした条件を満たす元素は限定されるため、乾式製錬では分離できる対象元素が限定されるという問題がある。
また、湿式製錬とは、アルカリや酸等の溶液中に鉱石を溶解して、この溶液から目的となる金属を分離・抽出する方法である。この水溶液中から目的金属を分離・抽出する方法としては、例えば、イオン交換を利用する方法、溶媒抽出による方法、水溶液電解による方法が有る。
イオン交換による方法は、イオン交換剤とよばれるイオン交換のできるイオン群をその一部に持った固体を用いて、可逆的にイオン交換する方法である(非特許文献1の第194頁)。
イオン交換はイオン交換樹脂の吸着能、交換能力により優れた処理であるが、イオンの吸着と解離の繰り返しで処理されるため、多量の物質を経済的かつ効率よく処理するには適さないという問題がある。
溶媒抽出による方法は、互いに溶けあわない2種の溶媒中への溶質の種類による分配の違いを利用する分離方法である(非特許文献1の第199頁)。
この溶媒抽出は、酸処理等でイオン化し、分離に際しては、処理段数を多く実施する必要があり、それに伴い、多量の酸、アルカリを要し、多量の廃液を生じるという問題がある。
電解製錬の水溶液電解による方法は、元素によってアノード溶解またはカソード析出に難易の差があることを利用して純金属を製造する方法である。また、使用される電解液中での不純物イオンに対する難溶塩の生成反応も同時に利用している(非特許文献1の第219頁)。
しかしながら、水溶液電解精製では分離析出できる金属元素が限られており、例えば、レアアースといった材料は原理的に析出されることができないという問題がある。
また、Alについては、溶融塩電解を利用した電解製錬も知られている。この方法では精製対象の材料であるAlを合金化して融点を低下させて、溶融塩、回収金属の三層式として比重差を利用して製錬を行う。このように比重差を利用するため、三層すべてが溶融した状態で実行する必要がある(非特許文献1の第254頁)。
この方法は対象金属がAlであり、また、共存する不純物の電位が精製目的金属の電位に近いと、析出させた目的金属中に不純物として混入するという問題がある。
上記のように従来の製錬方法にはそれぞれ短所が有る。
講座・現代の金属学 製錬偏 第2巻 非鉄金属製錬、日本金属学会編(1980年)46頁、194頁、199頁、219頁、254頁
本発明は上記問題点に鑑みて、どのような鉱石にも利用可能で、かつ低コストで高純度の金属を得る方法を提供することを課題とする。
本発明は以下の構成を有する。
(1)2種類以上の金属元素を含む鉱石又は該鉱石から得られた粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程と、
前記金属元素が溶解した溶融塩中に一対の電極部材を設け、該電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、溶融塩中に存在する特定の金属元素を析出又は合金化させる工程と、
を備えることを特徴とする溶融塩電解による金属の製造方法。
(2)前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする上記(1)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(3)前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、前記電極部材における電位を所定の値に制御し、前記溶融塩中の前記特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(4)前記鉱石又は鉱石から得られた粗金属塊は、遷移金属又は希土類金属を含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(5)前記鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、
化学的手法により前記金属を前記溶融塩中に溶解させることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(6)前記鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、
前記溶融塩中に、陰極と、前記鉱石又は粗金属塊を含む陽極材料からなる陽極とを設け、陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石又は粗金属塊から制御した電位に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(7)前記鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(8)前記鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記陽極における電位を所定の値に制御し、前記特定の金属元素を選択的に溶融塩中に溶解させることを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(9)前記特定の金属が希土類金属であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(10)前記鉱石又は鉱石から得られた粗金属塊は、粒状又は粉末状であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(11)前記粒状又は粉末状の前記鉱石又は鉱石から得られた粗金属塊を押し固めて前記陽極とすることを特徴とする上記(10)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
(12)2種類以上の金属元素を含む鉱石又は該鉱石から得られた粗金属塊から特定の金属を溶融塩電解により製造する方法であって、
溶融塩中に陰極と、前記鉱石又は粗金属塊を含む陽極材料からなる陽極とを設け、陽極の電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石又は粗金属塊から制御した電位に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させることで特定の金属を陽極に残留させることを特徴とする
溶融塩電解による金属の製造方法。
(13)前記溶融塩中に前記鉱石又は粗金属塊から金属元素を溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする上記(12)に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
本発明により、どのような鉱石にも利用可能で、かつ低コストで高純度の金属を得る方法が提供される。
本発明を実施するための形態を説明するフローチャートである。 溶融塩中での希土類金属の析出電位の例を示す模式図である。 本発明を実施した場合の処理時間と溶融塩中の希土類金属のイオン濃度との関係の例を示すグラフである。 本発明を実施する装置の構成を説明するための断面模式図である。 本発明を実施する装置の構成を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態を説明するためのフローチャートである。 本発明の他の実施の形態を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態の変形例を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態の変形例を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態の変形例を説明するための断面模式図である。 実施例で用いたアノード電極を説明するための写真である。 実施例におけるアノード電流値と時間との関係を示すグラフである。 実施例の電解工程で用いたカソード電極の表面部を示す走査型電子顕微鏡写真である。 図16に示した電子顕微鏡写真の領域について、Dyの分布状況を示す走査型電子顕微鏡写真である。
本発明に係る溶融塩電解による金属の製造方法は、2種類以上の金属元素を含む鉱石又は該鉱石から得られた粗金属塊(以下、単に粗金属塊とも記す)に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程と、前記金属元素が溶解した溶融塩中に一対の電極部材を設け、電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、溶融塩中に存在する特定の金属元素を析出又は合金化させる工程と、を備えることを特徴とする。
すなわち、上記本発明は大きくは、溶融塩中に対象物(前記鉱石又は粗金属塊)に含まれる金属を溶解させるプロセスと、該金属が溶解した溶融塩から溶融塩電解により一方の極(陰極)に分離抽出する対象元素の金属もしく合金を析出させるプロセスとから成る。そして本発明の特徴は、電極における電位を制御することで、対象となる特定の元素を選択的に溶解もしくは析出させて分離・精錬するところにある。
まず、対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解するプロセスについて説明する。
鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる方法としては例えば化学的手法により溶解させる方法が挙げられる。具体的には、鉱石又は粗金属塊を粉砕して粒状、粉状にし、これらと塩とを混合して加熱することにより、鉱石又は粗金属塊に含まれる2種以上の金属元素を溶融塩中に溶解させることができる。また、処理対象物を溶融塩に投入して溶解させてもよい。
また、別の方法としては電気化学的手法が挙げられる。具体的には、対象物を溶融塩中に陽極として取り付け、該対象物に制御する電位の大きさによって、対象物に含まれる元素を選択的に溶解する。これは、溶融塩電解において元素が溶解する電位は、元素の種類によって異なる性質があるため、この性質を利用して電位に応じた金属を選択的に分離するものである。このように対象物を陽極として用いて、溶解時の電位を制御することで精錬を行いたい金属元素を選択的に溶融塩中に溶解することができる。
対象物に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解するプロセスでは、対象物に含まれる不純物は溶解しないで残留するように電位を制御することが好ましい。これにより、続く析出プロセスでの不純物の持ち込みをより少なくすることができる。
このためには、前記鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記溶融塩中の特定の金属(溶解させる金属元素)の単体もしくはその合金の標準電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することが好ましい。これにより溶融塩中に溶解させる金属元素と、陽極に残留させる金属元素とを良好に分離することができる。前記標準電極電位の差は0.1V以上であることがより好ましく、0.25V以上であることが更に好ましい。
陽極において制御する所定の電位は、後述するネルンストの式により計算することができる。
なお、使用する鉱石又は粗金属塊に、対象となる特定の金属が複数種類含まれている場合には、そのそれぞれが溶融塩中に溶解するように電位を制御しても良い。また、特定の金属の1種類が溶解したところで、残りの金属が含まれる鉱石又は粗金属塊(陽極)を別の溶融塩に移して同様に電位を所定の値に制御することにより、残りの特定の金属を該溶融塩中に溶解させてもよい。
また、不純物の持ち込みを少なくする観点から、前記鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記陽極における電位を所定の値に制御し、前記特定の金属元素を選択的に溶融塩中に溶解させることが好ましい。
前記溶融塩としては、塩化物系のものやフッ化物系のものを用いることができる。塩化物系の溶融塩としては、例えばKCl、NaCl、CaCl2、LiCl、RbCl、CsCl、SrCl2、BaCl2、MgCl2などを用いることができる。またフッ化物系の溶融塩としては、例えばLiF、NaF、KF、RbF、CsF、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2を用いることができる。なお、希土類元素を溶融塩電解する場合には、効率の点から塩化物系の溶融塩を用いることが好ましく、なかでも安価で入手が容易という点から、KCl、NaCl、CaCl2を用いることが好ましい。
また、これらの溶融塩は複数種類の溶融塩を組み合わせて任意の組成の溶融塩として用いることができ、例えばKCl−CaCl2やLiCl−KCl、あるいはNaCl−KClといった組成の溶融塩を用いることができる。
前記陰極としては炭素または溶融塩中の陽イオンを構成するLiやNa等のアルカリ金属と合金化しやすい材料を用いる。例えば、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)などを用いることができる。
前記鉱石又は粗金属塊を陽極として使用するには、例えば、金属等による導電性のカゴの中に鉱石又は粗金属塊を収容して溶融塩中に設ければよい。カゴの上部に開口部を設けて、当該開口部から処理対象物である鉱石又は粗金属塊を内部に挿入できるようにし、また、カゴの側壁および底壁に多数の穴を形成して溶融塩がカゴの内部に流入できるようにすればよい。カゴを構成する材料としては、金属線を編むことで形成された網状部材や、シート状の金属板に多数の穴を開けたシート部材など、任意の材料を用いることができる。特に、当該材料としてC、Pt、Mo等を用いるのが有効である。
前記陰極と、前記鉱石又は粗金属塊を内部に保持したカゴを前記溶融塩中に設け、外部からカゴにおける電位を前述のように制御することで、鉱石又は粗金属塊から対象となる金属を溶融塩中に溶解させることができる。
次の析出プロセスでは、溶融塩中に一対の電極部材を設け、溶融塩中に溶解した金属元素を溶融塩電解によって一方の電極部材(陰極)に析出させる。この場合は溶融塩電解で制御する電位の大きさによって、特定の金属元素を選択的に陰極に金属もしくは合金として析出させることができる。
この析出プロセスにおいても、前記溶解プロセスと同様に、溶融塩電解において元素が金属もしくは合金として陰極に析出する電位は元素の種類によって異なる性質があるため、この性質を利用して分離する。これにより、目的の特定の金属が溶融塩中に複数種類含まれている場合にも、電位を制御することで、1種類ずつ単独で陰極に析出させることができる。
前記電極部材としては、例えば、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、グラッシーカーボン(C)等を用いることができる。
本発明は以上のような2つのプロセスによって、対象物から製錬対象となる特定の金属元素を分離抽出する。なお、本発明においては溶融塩を用いるため、各プロセスにおける系の温度が溶融塩の融点以上となるように系を加熱する必要がある。
上記の2つのプロセスの特徴は溶融塩を用いることであり、これにより、溶融塩の種類によって各元素の溶解・析出の電位が異なることを利用して、対象となる特定の金属元素とそれ以外の不純物対象の金属元素の溶解・析出電位が処理しやすい値となるように溶融塩を選択して設計することが可能となる。具体的には、前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することが好ましい。溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差は、0.1V以上とすることがより好ましく、0.25V以上とすることが更に好ましい。
このように、前記特定の金属を析出又は合金化させる工程においては、前記電極部材における電位を所定の値に制御し、前記溶融塩中の前記特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させることが好ましい。
陰極に析出させる金属単体又は合金の析出電位は、電気化学的な計算により算出することができる。具体的にはネルンストの式を用いて計算する。
例えば、3価のプラセオジム(Pr)イオン(以下ではPr(III)と表す)からPr単体を析出させる電位は次の式により求めることができる。
Pr=E Pr + RT/3F・ln(aPr(III)/aPr(0)) ・・・式(1)
なお、上記式(1)において、E Prは標準電位を、Rは気体定数を、Tは絶対温度を、Fはファラデー数を、aPr(III)はPr(III)イオンの活量を、aPr(0)はPr単体の活量を、それぞれ意味する。
そして、上記式(1)を、活量係数γPr(III)を考慮して書き直すと、aPr(0)=1なので、以下のような式となる。
Pr=E Pr + RT/3F・lnaPr(III)
=E Pr + RT/3F・ln(γPr(III)・CPr(III)) ・・・式(2)
Pr=E0’ Pr+ RT/3F・lnCPr(III) ・・・式(3)
なお、上記式(3)において、CPr(III)は3価のPrイオンの濃度を、E0’ Prは式量電極電位(ここでは、E Pr+ RT/3F・lnγPr(III)と等しい)をそれぞれ意味する。
また、同様にPrNi合金を電極表面に析出させる場合の電位(析出電位:EPr・Ni)は、以下の式に基づいて決定できる。
Pr・Ni=E0’ Pr・Ni + RT/3F・lnCPr(III) ・・・式(4)
なお、上記式(4)において、E0’ Pr・Niは式量電極電位(ここでは、E Pr・Ni + RT/3F・lnγPr(III)に等しい)を意味する。
同様にして、上記計算式により、全ての析出物に対して溶融塩の種類ごとに、析出電位を求めることができる。陰極に特定の金属を析出又は合金化させるプロセスでは、この特定の金属もしくはその合金の析出電位の値を見て、他の金属もしくはその合金との電位の差が得られる析出物を選定し、また、析出させる順序を決定する。
操業における制御電位は、電極の大きさや位置関係によって変わってくるため、条件出しにより基準となる電位を決めた後に、上記の方法で求めた電位の値と序列に基づいて、各ステップにおいて制御する電位を決定する。
上記のように、本発明の溶融塩電解による金属の製造方法では、電位の値を制御することにより、対象となる金属を電気化学的に溶解・析出させることができる。このため、従来の湿式処理などのように酸などを用いた溶解・抽出といったプロセスを繰り返す場合よりも工程を簡略化でき、また特定の元素を選択的に分離・回収することができる。更に、溶融塩の比重の調整も不必要であり、対象物が固体の状態で処理できる低温の溶融塩を選択することで、簡易な装置構成とすることができる。また、操業形態も単純化することが可能である。このため、工程の効率化および低コスト化を図ることができる。
また、前述のように、特定の金属を陰極に析出又は合金化させるという考え方とは全く逆の考え方で特定の金属を製錬することも可能である。
すなわち、本発明に係る金属の製造方法は、2種類以上の金属元素を含む鉱石又は該鉱石から得られた粗金属塊から特定の金属を溶融塩電解により製造する方法であって、溶融塩中に陰極と、前記鉱石又は粗金属塊を含む陽極材料からなる陽極とを設け、陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石又は粗金属塊から電位に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させることで特定の金属を陽極に残留させることを特徴とする。
この方法は、前記対象物(前記鉱石又は粗金属塊)を陽極とし、特定の金属元素以外、すなわち不純物となる金属元素のみを溶融塩中に溶解させることにより、特定の金属を陽極に残留させるというものである。この場合も、陽極における電位を制御することで、製錬対象の金属元素が陽極に残留し、不純物元素が溶融塩中に溶解するといった現象を発生させる。これにより、陽極に製錬された金属材料が得られる。
この方法においても、前記溶融塩中に前記鉱石又は粗金属塊から金属元素を溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することが好ましい。これにより、特定の金属とその他の金属とを良好に分離することができ、特定の金属のみを陽極に残留させることができる。標準電極電位の差は0.1V以上であることがより好ましく、0.25V以上であることが更に好ましい。
また、陽極に制御する電位は、前記のようにネルンストの式を用いて計算することができる。
本発明に係る溶融塩電解による金属の製造方法において使用する鉱石としては、目的となる特定の金属を含んでいればよい。例えば、金鉱石、銀鉱石、銅鉱石、鉄鉱石、アルミニウム鉱石、鉛鉱石、亜鉛鉱石、スズ鉱石、水銀鉱石、硫黄鉱石、リン鉱石、ニッケル鉱石、コバルト鉱石、マンガン鉱石、クロム鉱石、モリブデン鉱石、タングステン鉱石、アンチモン鉱石、ヒ素鉱石、ビスマス鉱石、ストロンチウム鉱石、ベリリウム鉱石、マグネシウム鉱石、バリウム鉱石、カルシウム鉱石等が挙げられる。また、例えば、バストネサイト、モナザイト、ロパライト、燐灰石、ゼノタイム、フェルグソナイト、ユーダイアライト等を用いることにより、希土類金属を得ることができる。
また、前記鉱石から得られた粗金属塊とは、例えば前記鉱石を製錬することによって得られた金属等の、目的となる特定の金属の純度が低い金属のことをいう。
本発明に係る溶融塩電解による金属の製造方法は、陽極として使用する鉱石又は鉱石から得られた粗金属塊として、遷移金属又は希土類金属(レアアースメタル)を含有しているものに好適に適用される。
前記遷移金属としては特に限定されず、周期律表の第3族(IIIA族)〜第11族(IB族)に含まれる元素であればよい。前記希土類金属も特に限定されず、周期律表の第3族(IIIA族)に属するスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、及びランタノイドの15元素であればよい。
本発明の溶融塩電解による金属の製造方法は、陰極に析出又は合金化させる特定の金属が希土類金属の場合にも好適に利用できる。本発明では前記溶融塩の組成を適宜選択することにより、水溶液による電解では析出させることのできない希土類金属をも析出させることができる。このため資源的に採取が困難な希土類金属を容易に得ることができるようになる。
また、本発明において前記鉱石又は鉱石から得られた粗金属塊は、粒状又は粉末状であることが好ましい。処理対象の前記鉱石又は粗金属塊を、粒状もしくは粉末状とすることで、表面積を増やし処理効率を高めることができる。この観点から、鉱石又は粗金属塊の最大粒径は0.01mm〜2mmとすることが好ましく、0.01mm〜1mmがより好ましく、0.01mm〜0.2mmが更に好ましい。
更に、前記粒状又は粉末状の、前記鉱石又は粗金属塊を押し固めて前記陽極とすることが好ましい。粉末状の鉱石又は粗金属塊は押し固めることで、陽極(アノード)として使用することができる。この場合、粒子間に溶融塩が容易に侵入できる空間が存在することが望ましい。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
本発明を実施するための形態の一例として、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)、プラセオジム(Pr)を含む鉱石を用いてNd、Dy、及びPrを溶融塩電解により得る方法を記載する。このような鉱石としては、例えば、モナザイト、燐灰石、ゼノタイム、フェルグソナイト、ユーダイアライト等を用いることができる。
まず、図1に示すように、準備工程(S10)を実施する。
この工程では、処理対象物である鉱石や、使用する溶融塩、さらに当該溶融塩を保持する容器や電極などを含む装置などを準備する。なお、処理対象物の溶融塩中への溶解を促進するために、処理対象物と溶融塩との接触面積を大きくする目的で、処理対象物を細かく砕くことも可能である。
Nd、Dy、及びPrを含む鉱石としては、例えばゼノタイム鉱石を用いることができる。ゼノタイム鉱石の組成の一例は、Ndが3.0%で、Dyが7.9%で、Prが0.5%である。
次に、溶融塩中への溶解工程(S20)を実施する。
この工程(S20)においては、準備した溶融塩に前記鉱石と、(別の)電極部材とを浸漬し、この鉱石と電極部材に電源を接続することによってそれぞれの電位を制御する。そして、鉱石の電位を調整することにより、鉱石中の希土類元素(Nd、Dy、及びPr)を選択的に溶融塩中に溶解させる。溶融塩としては任意の組成の溶融塩を用いることができる。
例えば一例として、溶融塩としてLiF−NaF−KFを用い、他の電極部材としてグラッシーカーボンからなる電極を用い、前記鉱石を処理対象物として用いることができる。この場合、たとえば溶融塩の加熱温度を700℃とし、前記鉱石から溶融塩中に、Nd、Dy、及びPrを選択的に溶解させることができる。制御する電位は、溶融塩中にNd、Dy、及びPr以外の元素はほとんど溶解しない一方、Nd、Dy、及びPrは溶解するような値を設定している。
次に、図1に示すように、分離抽出工程(S30)を実施する。
具体的には、上述のようにNd、Dy、及びPrが溶解している溶融塩に対して1対の電極を挿入し、この陰極における電位を所定の値に制御する。この電位の値としては、たとえば、LiCl−KCl系の溶融塩を用いる場合には、図2に示すような希土類金属毎に決定される析出電位に対応する電位に調整する。この結果、調整された電位に応じて電極に析出する希土類金属の種類を選択することができる。このため希土類金属を、元素ごとに選択的に回収することができる。
例えば、図2に示すように、Nd、Dy、Prなどの希土類元素は、各元素毎に析出電位の値が異なっている。具体的には、図2に示すようにNdの析出電位は約0.40V(vs.Li+/Li)であり、PrおよびDyの析出電位は約0.47V(vs.Li+/Li)であり、また、Dyの化合物であるDyNi2の析出電位は約0.77V(vs.Li+/Li)となっている。
なお、図2に示した析出電位はLiを基準としている。また、図2において縦軸は析出電位(単位:V)を示している。当該析出電位は、溶融塩としてLiCl−KClを用い、溶融塩の温度を450℃とした場合の値となっている。
このように各元素または化合物の析出電位が異なることから、特定の金属が溶融した溶融塩中に1対の電極を浸漬し、当該陰極において上述した析出電位に対応する電位となるように電位を制御することで、陰極に選択的に特定の希土類元素を析出させることができる。そして、陰極における電位を変える(たとえば電位を順次変更する)ことにより、析出させる特定の金属の種類を選択することもできる。
例えば、図3に示すように、上述したNd、Dy、及びPrが溶解している溶融塩に対して、1対の電極を浸漬し当該陰極における電位を調整していく。なお、溶融塩中のNd、Dy、Prの濃度(イオン濃度)はそれぞれ0.5mol%とする。
析出電位の値として、図2に示したデータを利用する場合、たとえば溶融塩としてLiCl−KClを用い、当該溶融塩の温度を450℃とする。図3において横軸は処理時間を示し、縦軸は溶融塩中の希土類元素のイオン濃度を示している。縦軸の単位はmol%である。
まず、STEP1として陰極材料にNiを用いて陰極の電位を0.77V(vs.Li/Li)より卑であり、0.63V(vs.Li+/Li)より少し貴な値(例えば設定電位を0.631V(vs.Li+/Li))とすると、Dyイオンは陰極材料のNiと合金化し、DyNi2が陰極表面に析出する。この結果、図3に示すように溶融塩中のDyのイオン濃度が急激に低下することになる。Dyの回収は、溶融塩中のDyイオン濃度が3.6×10-4mol%程度になるまで行なうことができる。
次にSTEP2として、別の電極(例えば、Mo電極)を陰極として用いて、当該陰極の電位を0.40V(vs.Li+/Li)より少し貴な値(例えば、設定電位を0.401V(vs.Li+/Li))とすると、Prが一方の電極(陰極)に析出する。この結果、図3に示すように溶融塩中のPrのイオン濃度が急激に低下することになる。このPrの回収は、溶融塩中のPrイオン濃度が0.017mol%程度になるまで行なうことができる。
なお、STEP1においてDyNi2が析出した電極とは別の電極をSTEP2では用いる。例えば、STEP1においてDyNi2が析出した電極は、STEP2が始まる前に溶融塩中から取出しておき、別の電極を溶融塩中に浸漬しておいてもよいし、当該DyNi2が析出した電極をそのままにしておき、STEP2では別の電極の電位を制御するようにしてもよい。
次に、STEP3として、更に別の電極(例えばMo電極)の電位を0.10V(vs.Li+/Li)とすると、Ndがこの電極(陰極)に析出する。この結果、図3に示すように溶融塩中のNdのイオン濃度が急激に低下することになる。Ndの回収は、溶融塩中のNdイオン濃度が例えば2.7×10-7mol%程度になるまで行なうことができる。
なお、STEP2においてPrが析出した電極は、STEP3が始まる前に溶融塩中から取出しておき、別の電極を溶融塩中に浸漬しておいてもよい。あるいは、STEP2においてPrが析出した電極を溶融塩中にそのまま浸漬しておき、別の電極をSTEP3において用いてもよい。
そして、STEP1で回収したDyNi2については、STEP4として、DyNi2が表面に析出した電極を、別の電極(例えばMo電極)とともに溶融塩中に浸漬し、DyNi2電極の電位をDyは溶解するもののNiは溶解しない電位範囲(0.77以上2.6V以下(vs.Li+/Li))に設定することで、Dyを溶融塩中に溶解させるとともに、別の電極の表面にDyのみを析出させることができる。
以上のようにして、目的の特定の金属毎に溶融塩中から回収することができる。
(本発明の方法に用いられる装置)
次に、図1に示した本発明の方法において用いられる装置を、図4および図5を参照して説明する。図4に示す回収装置は、溶融塩を内部に保持する容器1と、容器1の内部に保持される溶融塩2と、処理対象物(前記鉱石又は粗金属塊)3を内部に保持するカゴ4と、電極6〜8と、溶融塩2を加熱するためのヒータ10と、カゴ4および電極6〜8と導電線5によって電気的に接続された制御部9とを備える。制御部9は、カゴ4を一方の電極とし、電極6〜8のいずれかを他方の電極としてこれらの電極の電位を制御することが可能となっている。また、制御部9においては、制御する電位の値の変更が可能である。ヒータ10は、容器1の周囲を環状に囲むように配置されている。電極6〜8は任意の材料により構成することができるが、たとえば電極6の材料としてはニッケル(Ni)を用いることができる。また、電極7、8の材料としては、たとえばカーボン(C)を用いることができる。なお、容器1の形状は、底面の円形状あるいは多角形状であってもよい。また、カゴ4は前述のカゴを用いることができる。
カゴ4と電極6〜8においては、制御部9により所定の電位の値に制御される。電極6〜8のそれぞれに異なる電位に制御されることで、電極6〜8の表面には、後述するように制御される電位の値に応じてそれぞれ異なる特定の金属が析出する。例えば、後述するように、電極6の表面にはDyNi2膜11が析出するように、電極6に制御する電位の値を調整できる。また、電極7に制御する電位の値を調整することで、電極7の表面にはPr膜12を析出させることができる。また、電極8に制御する電位の値を調整することで、電極8の表面にはNd膜13を析出させることができる。
そして、DyNi2膜11が析出した電極6を、さらに図5に示すように溶融塩2を内部に保持した容器1内に配置する。更に、DyNi2膜11が表面に析出した電極6と対向するように、他の電極を溶融塩2中に配置し、それぞれの電極6、15を導電線5により制御部9と接続する。そして、容器1の周囲に配置されたヒータ10により溶融塩2を加熱しながら、制御部9により電極6、15における電位を所定の値に制御する。このとき制御する電位については、陰極における電位がDyの析出電位となるように調整する。
これにより、電極6の表面に析出したDyNi2膜11からDyが溶融塩2中に溶け出す一方、電極15の表面にはDy膜16が析出することになる。なお、ヒータ10による溶融塩2の加熱温度は、図4および図5に示した装置での処理のいずれについてもたとえば800℃とすることができる。このようにして、電極7、8、15の表面に特定の金属を単体として析出させることができる。
図4及び図5に示したような装置を用いて本発明の方法を実施する場合には、例えば以下のように実施することが考えられる。
まず、処理対象物3として前記鉱石を9kg準備し、溶融塩2としてLiF−NaF−KFを準備する。鉱石としては、例えば、Ndを3.0wt%、Prを0.5wt%、Dyを7.9wt%含有するものを用いることができる。当該鉱石を粉砕してカゴ4の内部に配置する。処理の効率を向上させる観点から、処理対象物3である鉱石はできるだけ小さく粉砕することが好ましいが、例えば最大粒径が2mm以下、より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下となるような粒状に当該鉱石を粉砕する。溶融塩2の量は約16リットル(質量:25kg)とする。
そして、カゴ4に保持された処理対象物3と電極6〜8のいずれか1つとを1対の電極として、図2及び図3を参照しながら説明した本発明の方法のSTEP1〜STEP3を実施する。具体的には、上述したSTEP1としてカゴ4に保持された処理対象物3と電極6とを電極として、当該電極における電位を所定の値に制御する。これにより、電極6の表面にはDyNi2が析出する。また、上述したSTEP2としてカゴ4に保持された処理対象物3と電極7とを1対の電極として、当該電極における電位を所定の値に制御する。これにより、電極7の表面にはPrが析出する。図4に示した電極7の表面に析出するPr膜の質量は例えば30g〜50g程度となる。
また、上述したSTEP3としてカゴ4に保持された処理対象物3と電極8とを1対の電極として、当該電極における電位を所定の値に制御する。この結果、電極8の表面にはNdが析出する。電極8の表面に析出するNd膜の質量は例えば200g〜300g程度となる。
また、上述したSTEP4として、図5に示した装置に上記電極6と電極15とを配置し、溶融塩中でこれらの電極における電位を所定の値に制御する。これにより、電極15の表面にはDyが析出する。電極15の表面に析出するDy膜16の質量はたとえば600g〜800gとなる。
なお、図4を参照して説明したように、溶融塩2中に目的となる金属を溶解させる工程と、電極7、8などの表面に特定の金属を単体として析出させる工程とは、同じ装置内で(同じ溶融塩2を用いて)実施することができる。一方、上記STEP4で示した、DyNi2からDyを分離・抽出する工程については、図4を参照して説明した溶融塩2中に金属を溶解させる工程で用いた装置(図4に示した装置)とは別の装置(図5に示した装置)において実施することが好ましい。
以上のようにして、処理対象物3としての鉱石又は粗金属塊から特定の金属(例えば、Dy、Pr、Ndを回収することができる。
(実施の形態2)
本発明を実施するための形態の一例として、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)プラセオジム(Pr)を含む鉱石を製錬して得られた粗金属塊を用いてNd、Dy、及びPrを溶融塩電解により得る方法を記載する。
Nd、Dy、及びPrを含む粗金属塊としては、例えば混合希土類金属(ジジム)を用いることができる。当該混合希土類金属を得る製錬方法としては特に限定されず公知の方法を利用可能である。
図6に示すように、まず処理対象物である粗金属塊を準備する工程(S11)を実施する。具体的には、図7に示すように、容器1の内部に保持された溶融塩2に、処理対象物3としての粗金属塊を浸漬し、この処理対象物3に制御部9における電源と接続するための導電線5を接続する。塩にはLiCl−KClを用いた。
そして、溶融塩2に、もう一方の電極としてのカゴ24の内部に保持された電極材料25をカゴ24ごと浸漬する。この電極材料25としては、溶融塩中の陽イオンを構成するLiやNa等のアルカリ金属と合金化しやすい材料を用いる。この電極材料25としては例えば、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)などを用いることができる。
次に、図6に示した、溶融塩にNd、Dy、Prを溶解する工程(S21)を実施する。具体的には、図7に示すように、処理対象物3とカゴ24の内部に保持された電極材料25における電位を制御部9により制御することにより、処理対象物3における電位を所定の値に調整する。この結果、処理対象物3である粗金属塊からNd、Dy、Prといった希土類元素が溶融塩2中に溶解する。
次に、図6に示す、電解によりDyNi2を析出させる工程(S31)を実施する。具体的には、図7に示したカゴ24に保持された電極材料25に代えて、図8に示すように、ニッケルからなる電極6を溶融塩2に浸漬する。そして、この電極6を制御部9と導電線5により接続する。この状態で、制御部9により一方の電極としての処理対象物3ともう一方の電極としての電極6における電位を制御することにより、これらの電位を所定の値に調整する。この結果、処理対象物3から溶融塩2中にDyなどの希土類元素が溶解するとともに、溶融塩2から電極6の表面にDyNi2が析出する。
次に、図6に示す、電解によりPrを回収する工程(S32)を実施する。具体的には、図9に示すように、処理対象物3に代えて炭素からなる電極27を一方の電極として溶融塩2に浸漬する。また、図8に示した電極6に代えて、炭素からなる電極7を、上記電極27と対向する位置であって溶融塩2に浸漬した状態で配置する。そして、この電極27および電極7を制御部9と導電線5により電気的に接続する。この状態で、一方の電極27ともう一方の電極7における電位を制御することにより、これらの電位を所定の値に調整する。これにより、溶融塩2中に溶解していたPrが電極7の表面に析出する。なお、溶融塩2として塩化物を用いている場合には、電極27側から塩素ガス(Cl2)が発生する。
次に、図6に示す、電解によりNdを回収する工程(S33)を実施する。具体的には、上記電極7に代えて、図10に示すように、電極27に対向するように、炭素からなる電極8を溶融塩2に浸漬した状態で配置する。この電極8は制御部9と導電線5により電気的に接続される。そして、制御部9により電極8と電極27における電位を制御することにより、これらの電位を所定の値に調整する。これにより電極8の表面にNdが析出する。また、このとき電極27側からは塩素ガスが発生する。
次に、上記工程(S31)において回収されたDyNi2から電解によりDyを回収する工程(S34)を実施する。具体的には、図5に示したように、DyNi2が表面に析出した電極6(図8参照)を溶融塩2中に浸漬し、別の電極15を溶融塩2に浸漬した状態で配置し、これらの電極6、15における電位を制御部9により所定の値に制御する。これにより、電極6の表面に析出したDyNi2が一旦溶融塩2中に溶解した後、電極15の表面にDy膜16が析出する。このようにして、希土類金属であるNd、Dy、Prを個別に回収することができる。
なお、上述した工程(S21〜S32)は、以下のような装置構成によって実施してもよい。例えば、上述した工程(S31)を、図11に示すような装置構成により実施してもよい。
具体的には、図7に示した装置構成における処理対象物3の代わりにニッケルからなる電極6を溶融塩2中に浸漬する。そして、図11に示したように、この電極6と制御部9とを導電線5により電気的に接続する。そして、カゴ24の内部に保持された、図7に示した工程で合金化した材料と電極6における電位を制御をすることにより所定の値に調整する。これにより、電極6の表面には溶融塩2中に溶解していたDyがDyNi2として析出する。なお、電極6の表面に析出したDyNi2から、図6の工程(S34)と同様の工程によりDyを単体として回収することができる。
次に、上述した工程(S32)として、図12に示すような装置構成で処理を実施してもよい。具体的には、図11に示した電極6に代えて、図12に示したように炭素からなる電極7をカゴ24と対向する位置であって溶融塩2に浸漬した状態で配置する。この電極7と制御部9とを導電線5により電気的に接続する。そして、カゴ24の内部に保持された合金26と電極7における電位を制御することで、所定の値に調整する。これにより溶融塩2に溶解していたPrが電極7の表面に析出する。
次に、上述した工程(S33)として、図13に示すような装置構成により処理を実施してもよい。具体的には、図13に示すように、図12の電極7に代えて、炭素からなる電極8をカゴ24と対向する位置であって溶融塩2に浸漬した状態で配置する。そして、電極8と制御部9とを導電線5により電気的に接続する。制御部9によりカゴ24の内部に配置された合金26と、電極8における電位を制御することにより、これらの電位を所定の値に調整する。これにより、電極8の表面にNdが析出する。
以上のような方法により、粗金属塊に含まれる特定の金属を順次個別に回収することができる。そして、本発明の方法によれば従来の湿式の分離方法などに比べて装置構成を簡略化できるとともに処理時間も短くすることができるため、希土類元素などの元素を得るためのコストを低減することができる。さらに、電極における電位を適切に設定することで、電極表面に特定の金属を単体として析出させることができるので、純度の高い金属を得ることができる。なお、それぞれの金属又は合金を析出させるための電位は前述の計算により算出することができる。
[実施例]
希土類金属を含む鉱石からNd、Dy、及びPrを溶融塩電解により製造した。
(試料)
処理対象物である鉱石としてとして、ゼノタイム鉱石を用いた。ゼノタイム鉱石をクラッシャーやボールミルの手段により粉砕して粒径が約2mmとなるようにした。そして、粉砕した試料(ゼノタイム鉱石)を、モリブデン(Mo)製の網(50mesh)で包んだ。図14に示すように網の内部に保持された試料粉末を、陽極(アノード電極)とした。
(実験内容)
溶融塩としてLiF−NaF−KFの共晶組成の溶融塩を使用し、700℃に加熱して完全に溶解させた。そして、当該溶融塩に、上述した陽極(アノード電極)と、陰極(カソード電極)とを配線して浸漬した。カソード電極の材料としてはグラッシーカーボンを用いた。
溶解工程:
このように溶融塩にアノード電極とカソード電極とを浸漬した状態で、アノード電極を所定の電位に保持した。そして、約4時間経過後、溶融塩からサンプルを採取し、当該サンプルについてICP−AESにより組成分析を行なった。
電解工程:
上記溶解工程の後、溶融塩にNiからなるカソード電極およびグラッシーカーボンからなるアノード電極を浸漬し、カソード電極の電位を所定の電位に保持した。具体的には、LiF−NaF−KF系溶融塩においてDy−Ni合金が形成するような電位に保持した。そして、所定時間経過後、カソード電極の表面状態を観察した。
(結果)
溶解工程について:
溶解工程において観察されたアノード電流は、図15に示すような経時変化を示した。なお、図15の横軸は時間(単位:分)を示し、縦軸はアノード電流の電流値(単位:mA)を示す。図15に示すように、電流値は時間が経過するにつれて低下していた。また、電流値の時間変化率は、測定開始時(通電開始時)が最も高く、その後徐々に変化率が小さくなっていく傾向が見られた。
そして、溶融塩から採取したサンプルについて、ICP−AESにより組成分析を行なった結果、当該溶融塩中にNd、Dyが溶解していることが確認された。
電解工程について:
カソード電極の表面層について、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を図16および図17に示す。図16および図17に示すように、カソード電極を構成するNiからなる電極本体部31の表面に、Dy−Ni合金32が析出していた。このDy−Ni合金32は、溶融塩中に存在していたDyがカソード電極を構成するNiと反応し、カソード電極の表面に析出したものと考えられる。このように、ゼノタイム鉱石に含まれていたDyをDy−Ni合金という形で当該鉱石から分離・抽出することができる。
なお、図16はSEMによる反射電子像を示しており、また、図17は図16に示した領域についてのX線分析によりDy原子の分布を示している。図17に示すように、電極本体部31に対応する領域33ではほとんどDyは検出されていないが、Dy−Ni合金32に対応する領域34ではDyが検出されている。
以上、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は鉱石又は粗金属塊から任意の金属を得る方法に好適に利用することができる。
1 容器
2 溶融塩
3 処理対象物
4,24 カゴ
5 導電線
6〜8,15,27 電極
9 制御部
10 ヒータ
11 DyNi2
12 Pr膜
13 Nd膜
16 Dy膜
25 電極材料
26 合金
31 電極本体部
32 Dy−Ni合金
33,34 領域

Claims (13)

  1. 2種類以上の金属元素を含む鉱石又は該鉱石から得られた粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程と、
    前記金属元素が溶解した溶融塩中に一対の電極部材を設け、該電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、溶融塩中に存在する特定の金属元素を析出又は合金化させる工程と、
    を備えることを特徴とする溶融塩電解による金属の製造方法。
  2. 前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする請求項1に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  3. 前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、前記電極部材における電位を所定の値に制御し、前記溶融塩中の前記特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  4. 前記鉱石又は鉱石から得られた粗金属塊は、遷移金属又は希土類金属を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  5. 前記鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、
    化学的手法により前記金属を前記溶融塩中に溶解させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  6. 前記鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、
    前記溶融塩中に、陰極と、前記鉱石又は粗金属塊を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石又は粗金属塊から制御した電位に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  7. 前記鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  8. 前記鉱石又は粗金属塊に含まれる金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記陽極における電位を所定の値に制御し、前記特定の金属元素を選択的に溶融塩中に溶解させることを特徴とする請求項6又は7に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  9. 前記特定の金属が希土類金属であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  10. 前記鉱石又は鉱石から得られた粗金属塊は、粒状又は粉末状であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  11. 前記粒状又は粉末状の前記鉱石又は鉱石から得られた粗金属塊を押し固めて前記陽極とすることを特徴とする請求項10に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
  12. 2種類以上の金属元素を含む鉱石又は該鉱石から得られた粗金属塊から特定の金属を溶融塩電解により製造する方法であって、
    溶融塩中に陰極と、前記鉱石又は粗金属塊を含む陽極材料からなる陽極とを設け、陽極の電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石又は粗金属塊から制御した電位に応じた金属元素を溶融塩中に溶解させることで特定の金属を陽極に残留させることを特徴とする
    溶融塩電解による金属の製造方法。
  13. 前記溶融塩中に前記鉱石又は粗金属塊から金属元素を溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする請求項12に記載の溶融塩電解による金属の製造方法。
JP2012149053A 2011-11-04 2012-07-03 溶融塩電解による金属の製造方法 Pending JP2013117063A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012149053A JP2013117063A (ja) 2011-11-04 2012-07-03 溶融塩電解による金属の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011242457 2011-11-04
JP2011242457 2011-11-04
JP2012149053A JP2013117063A (ja) 2011-11-04 2012-07-03 溶融塩電解による金属の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013117063A true JP2013117063A (ja) 2013-06-13

Family

ID=48711812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012149053A Pending JP2013117063A (ja) 2011-11-04 2012-07-03 溶融塩電解による金属の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013117063A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015024347A (ja) * 2013-07-24 2015-02-05 株式会社東芝 廃磁石に含まれる有価金属の回収方法およびその回収装置
JP2017053016A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 住友電気工業株式会社 希土類金属の製造方法
KR20220008061A (ko) * 2020-07-13 2022-01-20 한국원자력연구원 방사성 핵종 혼성 폐액의 처리 방법

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63134686A (ja) * 1986-11-07 1988-06-07 アルキャン・インターナショナル・リミテッド リチウム含有アルミニウムスクラップの精製方法
JPH03177594A (ja) * 1989-12-06 1991-08-01 Nippon Mining Co Ltd 高純度チタンの製造方法及び装置
JPH06173064A (ja) * 1992-12-09 1994-06-21 Japan Energy Corp Tiの精製方法
JPH11153684A (ja) * 1997-11-21 1999-06-08 Toshiba Corp 酸化物燃料の製造方法
JP2002198104A (ja) * 2000-12-27 2002-07-12 Toshiba Corp 水素吸蔵合金のリサイクル方法
WO2002066712A1 (en) * 2001-02-21 2002-08-29 British Nuclear Fuels Plc Electrorefining process for separating metals
JP2005113191A (ja) * 2003-10-07 2005-04-28 Nikko Materials Co Ltd 高純度バナジウム、同バナジウムからなるターゲット、同バナジウム薄膜、同バナジウムの製造方法及び同バナジウムスパッタリングターゲットの製造方法
WO2005111272A1 (ja) * 2004-04-06 2005-11-24 Iox Co., Ltd. プラズマ誘起電解による微粒子の製造方法
JP2008202064A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 溶融塩電解法による白金族金属の回収・精製方法
JP2011122242A (ja) * 2009-11-16 2011-06-23 Yokohama National Univ 白金族元素及び/又は希土類元素の回収方法、並びに白金族元素及び希土類元素の回収装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63134686A (ja) * 1986-11-07 1988-06-07 アルキャン・インターナショナル・リミテッド リチウム含有アルミニウムスクラップの精製方法
JPH03177594A (ja) * 1989-12-06 1991-08-01 Nippon Mining Co Ltd 高純度チタンの製造方法及び装置
JPH06173064A (ja) * 1992-12-09 1994-06-21 Japan Energy Corp Tiの精製方法
JPH11153684A (ja) * 1997-11-21 1999-06-08 Toshiba Corp 酸化物燃料の製造方法
JP2002198104A (ja) * 2000-12-27 2002-07-12 Toshiba Corp 水素吸蔵合金のリサイクル方法
WO2002066712A1 (en) * 2001-02-21 2002-08-29 British Nuclear Fuels Plc Electrorefining process for separating metals
JP2005113191A (ja) * 2003-10-07 2005-04-28 Nikko Materials Co Ltd 高純度バナジウム、同バナジウムからなるターゲット、同バナジウム薄膜、同バナジウムの製造方法及び同バナジウムスパッタリングターゲットの製造方法
WO2005111272A1 (ja) * 2004-04-06 2005-11-24 Iox Co., Ltd. プラズマ誘起電解による微粒子の製造方法
JP2008202064A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 溶融塩電解法による白金族金属の回収・精製方法
JP2011122242A (ja) * 2009-11-16 2011-06-23 Yokohama National Univ 白金族元素及び/又は希土類元素の回収方法、並びに白金族元素及び希土類元素の回収装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015024347A (ja) * 2013-07-24 2015-02-05 株式会社東芝 廃磁石に含まれる有価金属の回収方法およびその回収装置
JP2017053016A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 住友電気工業株式会社 希土類金属の製造方法
KR20220008061A (ko) * 2020-07-13 2022-01-20 한국원자력연구원 방사성 핵종 혼성 폐액의 처리 방법
KR102484490B1 (ko) * 2020-07-13 2023-01-05 한국원자력연구원 방사성 핵종 혼성 폐액의 처리 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013065511A1 (ja) 溶融塩電解による金属の製造方法及びその製造方法に使用する装置
JP5993374B2 (ja) 元素回収方法
JP6258890B2 (ja) リチウムイオン電池スクラップからの銅の除去方法および金属の回収方法
JP6057250B2 (ja) 希土類金属の回収方法および回収装置
Tan et al. Electrochemical sulfur removal from chalcopyrite in molten NaCl-KCl
CN108138343A (zh) 利用电解还原和电解精炼工序的金属精炼方法
Takeda et al. Recycling of rare earth magnet waste by removing rare earth oxide with molten fluoride
CA2703400C (en) Production of tungsten and tungsten alloys from tungsten bearing compounds by electrochemical methods
WO2014027950A1 (en) Recovery of rare earth metals
MX2010013510A (es) Electrorecuperacion de oro y plata a partir de soluciones de tiosulfato.
US20200407863A1 (en) Method of aluminum-scandium alloy production
JP2013117064A (ja) 溶融塩電解によるタングステンの製造方法及びその製造方法に使用する装置
JP2013117063A (ja) 溶融塩電解による金属の製造方法
CN109402410B (zh) 一种铁锍酸溶渣预处理富集贵金属的方法
JP2013147731A (ja) 溶融塩電解による金属の製造方法
JP2013117062A (ja) 電解による金属の製造方法
KR20140007011A (ko) 고순도 에르븀, 고순도 에르븀으로 이루어지는 스퍼터링 타깃, 고순도 에르븀을 주성분으로 하는 메탈 게이트막 및 고순도 에르븀의 제조 방법
CN108034821B (zh) 一种阳极泥熔炼渣的湿法处理工艺
KR102211986B1 (ko) 스크랩으로부터의 금속의 회수 방법
JP7365846B2 (ja) 高純度硫酸コバルト溶液の製造方法及び、硫酸コバルトの製造方法
JP6234160B2 (ja) 希土類金属の製造方法
JP6750454B2 (ja) ビスマス電解液の不純物除去方法
JP2009074128A (ja) 錫の回収方法
JP2013117065A (ja) 溶融塩電解によるリチウムの製造方法及びその製造方法に使用する装置
CN116411169B (zh) 无铅热镀锌浮渣的综合利用方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160916