JP2013117062A - 電解による金属の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉱石から低コストで高純度の金属を得る方法の提供。
【解決手段】2種類以上の金属元素を含む鉱石から特定の金属を電解により製造する方法であって、電解液中に、陰極と、前記鉱石を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石から制御した電位に応じた金属元素を電解液中に選択的に溶解させる工程と、前記金属元素が溶解した電解液中に一対の電極部材を設け、電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、電解液中に存在する特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させる工程と、を備え、前記陽極が、前記鉱石を粉末状に粉砕し、該粉末状の鉱石を三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填して得られたものであることを特徴とする電解による金属の製造方法。
【選択図】図9

Description

本発明は、電解による金属の製造方法に関する。
鉱石から特定の金属を製錬する方法としては、乾式製錬による方法と、湿式製錬による方法とが知られている。
乾式製錬の溶融製錬は、鉱石を高温の炉で融解することで目的となる金属を分離する方法である。例えば、精鉱あるいは焙焼鉱、焼結鉱を高温の炉内で溶融し、粗金属塊にして濃縮し、脈石や不純物などをスラグとして分離する(非特許文献1の第46頁)。
溶融製錬では溶融したときの比重差で鉱石に含まれる金属を分離するため、分離する金属間の比重差が大きいことが求められる。また、分離対象が互いに溶解度が小さいことが求められる。金属材料間でこうした条件を満たす元素は限定されるため、乾式製錬では分離できる対象元素が限定されるという問題がある。
また、湿式製錬とは、アルカリや酸等の溶液中に鉱石を溶解して、この溶液から目的となる金属を分離・抽出する方法である。この水溶液中から目的金属を分離・抽出する方法としては、例えば、イオン交換を利用する方法、溶媒抽出による方法、水溶液電解による方法が有る。
イオン交換による方法は、イオン交換剤とよばれるイオン交換のできるイオン群をその一部に持った固体を用いて、可逆的にイオン交換する方法である(非特許文献1の第194頁)。
イオン交換はイオン交換樹脂の吸着能、交換能力により優れた処理であるが、イオンの吸着と解離の繰り返しで処理されるため、多量の物質を経済的かつ効率よく処理するには適さないという問題がある。
溶媒抽出による方法は、たがいに溶けあわない2種の溶媒中への溶質の種類による分配の違いを利用する分離方法である(非特許文献1の第199頁)。
この溶媒抽出は、酸処理等でイオン化し、分離に際しては、処理段数を多く実施する必要があり、それに伴い、多量の酸、アルカリを要し、多量の廃液を生じるという問題がある。
電解製錬の水溶液電解による方法は、元素によってアノード溶解またはカソード析出に難易の差があることを利用して純金属を製造する方法である。また、使用される電解液中での不純物イオンに対する難溶塩の生成反応も同時に利用している(非特許文献1の第219頁)。
しかしながら水溶液電解精錬は処理対象物が導電性であることが必要であり、酸化物等の電気を通しにくい鉱石を直接処理することができないという問題がある。
また、Alについては、溶融塩電解を利用した電解製錬も知られている。この方法では精製対象の材料であるAlを合金化して融点を低下させて、溶融塩、回収金属の三層式として比重差を利用して製錬を行う。このように比重差を利用するため、三層すべてが溶融した状態で実行する必要がある(非特許文献1の第254頁)。
この方法は対象金属がAlであり、また、共存する不純物の電位が精製目的金属の電位に近いと、析出させた目的金属中に不純物として混入するという問題がある。
上記のように従来の製錬方法にはそれぞれ短所が有る。
講座・現代の金属学 製錬偏 第2巻 非鉄金属製錬、日本金属学会編(1980年)46頁、194頁、199頁、219頁、254頁
本発明は上記問題点に鑑みて、どのような鉱石にも利用可能で、かつ低コストで高純度の金属を得る方法を提供することを課題とする。
本発明は以下の構成を有する。
(1)2種類以上の金属元素を含む鉱石から特定の金属を電解により製造する方法であって、
電解液中に、陰極と、前記鉱石を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石から制御した電位に応じた金属元素を電解液中に溶解させる工程と、
前記金属元素が溶解した電解液中に一対の電極部材を設け、電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、電解液中に存在する特定の金属元素を析出又は合金化させる工程と、
を備え、
前記陽極が、前記鉱石を粉末状に粉砕し、該粉末状の鉱石を三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填して得られたものであることを特徴とする電解による金属の製造方法。
(2)前記電解液が溶融塩電解液であることを特徴とする上記(1)に記載の電解による金属の製造方法。
(3)前記鉱石から金属元素を電解液中に溶解させる工程において、
前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする上記(2)に記載の電解による金属の製造方法。
(4)前記鉱石から金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記陽極における電位を所定の値に制御し、前記特定の金属元素を選択的に溶融塩中に溶解させることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の電解による金属の製造方法。
(5)前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
(6)前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、電極部材における電位を所定の値に制御し、前記溶融塩中の前記特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させることを特徴とする上記(2)〜(5)のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
(7)前記鉱石は、遷移金属もしくは希土類金属を含むことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
(8)前記三次元網状金属多孔体は、Ni、Ag、Cu、Au、Al、Sn、Cr、若しくはFeの単体又は少なくともこれらの一つを含む合金であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
(9)前記三次元網状金属多孔体の気孔率が80%以上であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
(10)前記特定の金属が希土類金属であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
(11)2種類以上の金属元素を含む鉱石から特定の金属を電解により製造する方法であって、
電解液中に、陰極と、前記鉱石を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石から制御した電位に応じた金属元素を電解液中に溶解させることで特定の金属を陽極に残留させ、
前記陽極が、前記鉱石を粉末状に粉砕し、該粉末状の鉱石を三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填して得られたものであることを特徴とする電解による金属の製造方法。
(12)前記電解液が溶融塩電解液であることを特徴とする上記(11)に記載の電解による金属の製造方法。
(13)前記溶融塩中に前記鉱石から金属元素を溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする上記(12)に記載の電解による金属の製造方法。
本発明により、どのような鉱石にも利用可能で、かつ低コストで高純度の金属を得る方法が提供される。
三次元網状金属多孔体の空孔部分に鉱石を充填した状態を表す模式図である。 三次元網状金属多孔体の断面の拡大図である。 本発明を実施するための形態を説明するフローチャートである。 本発明を実施する装置の構成を説明するための断面模式図である。 本発明を実施する装置の構成を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態を説明するためのフローチャートである。 本発明の他の実施の形態を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態の変形例を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態の変形例を説明するための断面模式図である。 本発明の他の実施の形態の変形例を説明するための断面模式図である。 実施例におけるアノード電流値と時間との関係を示すグラフである。 実施例の電解工程で用いたカソード電極の表面部を示す走査型電子顕微鏡写真である。 図15に示した電子顕微鏡写真の領域について、Dyの分布状況を示す走査型電子顕微鏡写真である。
本発明に係る電解による金属の製造方法は、2種類以上の金属元素を含む鉱石から特定の金属を電解により製造する方法であって、電解液中に、陰極と、前記鉱石を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石から制御した電位に応じた金属元素を電解液中に溶解させる工程と、前記金属元素が溶解した電解液中に一対の電極部材を設け、電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、電解液中に存在する特定の金属元素を析出又は合金化させる工程と、を備え、前記陽極が、前記鉱石を粉末状に粉砕し、該粉末状の鉱石を三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填して得られたものであることを特徴とする。
すなわち、上記本発明は大きくは、電解液(例えば、水溶液又は溶融塩)中において、対象物である鉱石を電極(陽極)として電位を制御して溶解するプロセスと、溶解した電解液からもう一方の極(陰極)に分離抽出する対象元素の金属もしくは合金を析出させるプロセスとからなる。そしてこのプロセスの特徴は、前記陽極を、空孔部分に対象金属を含む鉱石を充填した三次元網状金属多孔体とすることにより、電気抵抗率の高い鉱石に対して、負荷する電位を制御することを可能とし、対象となる特定の元素を選択的に溶解もしくは析出させて分離・精錬できるようにするところにある。
前記陽極を得るには、まず、処理対象の鉱石を粉砕して粉末状にする。そして、この粉末状の鉱石を三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填する。この構造体を電極として電位を制御すると、三次元網状金属多孔体の骨格が導電体となって鉱石に電位を伝える。この網目状の骨格中に粉砕した鉱石が存在することで、粉末状の各鉱石と金属とが接触し、酸化物や硫化物等の抵抗率の高い鉱石においても電位を制御することができるようになる(図1参照)。これにより、水溶液、溶融塩のいずれにおいても電解精製が可能となる。また、本発明により、廃液量を抑えつつ簡易な方法で鉱石から特定の金属を得ることができる。
前記陰極としては、例えば、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)などを用いることができる。
本発明の電解による金属の製造方法において使用する鉱石としては、目的となる特定の金属を含んでいればよい。例えば、金鉱石、銀鉱石、銅鉱石、鉄鉱石、アルミニウム鉱石、鉛鉱石、亜鉛鉱石、スズ鉱石、水銀鉱石、硫黄鉱石、リン鉱石、ニッケル鉱石、コバルト鉱石、マンガン鉱石、クロム鉱石、モリブデン鉱石、タングステン鉱石、アンチモン鉱石、ヒ素鉱石、ビスマス鉱石、ストロンチウム鉱石、ベリリウム鉱石、マグネシウム鉱石、バリウム鉱石、カルシウム鉱石等が挙げられる。また、例えば、バストネサイト、モナザイト、ロパライト、燐灰石、ゼノタイム、フェルグソナイト、ユーダイアライト等を用いることにより、希土類金属を得ることができる。
陽極として取り付けた対象物において制御する電位の大きさによって、対象物(鉱石)に含まれる金属元素を選択的に溶解するが、特に、電解液中に特定の金属を溶解するプロセスでは、金属元素が溶解する電位は、電解液の種類によって異なる性質があるため、電解液の選択によって鉱石中の金属の選択的な分離が可能となる。
このため本発明では対象物を陽極に用いて溶解時の電位を制御することで、後の工程において析出させたい金属元素を選択的に溶解させることが好ましい。すなわち、対象物に含まれる不純物は溶解しないで電極に残留するように電位を制御することで、続く析出プロセスでの不純物の持ち込みをより少なくすることができる。
電解液として溶融塩を用いる場合には、溶融塩の種類によって電解時の各元素の溶解・析出の電位が異なることを利用して、対象となる特定の金属の単体もしくはその合金の溶解・析出電位と、それ以外の不純物の金属の単体もしくはその合金の溶解・析出電位の値とが充分に離れていて処理しやすい値となるように溶融塩を選択して設計することが可能となる。
具体的には、前記鉱石から金属元素を電解液中に溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することが好ましい。これにより溶融塩中に溶解させる金属元素と、陽極に残留させる金属元素とを良好に分離することができる。前記標準電極電位の差は0.1V以上であることがより好ましく、0.25V以上であることが更に好ましい。
陽極において制御する電位は、後述するネルンストの式により計算することができる。
なお、使用する鉱石に対象となる特定の金属が複数種類含まれている場合には、そのそれぞれが電解液に溶解するように電位を制御しても良い。また、特定の金属の1種類が溶解したところで、残りの金属が含まれる鉱石(陽極)を別の電解液に移して同様に電位を印加することにより、残りの特定の金属を該電解液中に溶解させてもよい。
また、不純物の持ち込みを少なくする観点から、前記鉱石から金属元素を溶融塩中に溶解させる工程においては、前記陽極における電位を所定の値に制御し、前記特定の金属元素を選択的に溶融塩中に溶解させることが好ましい。
次の析出プロセスでは、電解液中に一対の電極部材を設け、該電解液中に溶解した金属元素を電解によって一方の電極部材(陰極)に析出させる。この場合は電解で制御する電位の大きさによって、特定の金属元素を選択的に陰極に金属もしくは合金として析出させることができる。
この析出プロセスにおいても、前記溶解プロセスと同様に、電解においては、電解液の種類によって元素が金属もしくは合金として陰極に析出する電位は、元素の種類によって異なる性質があるため、この性質を利用して分離が可能となる。これにより、目的の特定の金属が電解液中に複数種類含まれている場合にも、電位を制御することで、1種類ずつ単独で陰極に析出させることができる。
前記電極部材としては、例えば、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、グラッシーカーボン(C)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)等を用いることができる。
本発明は以上のような2つのプロセスを備えることにより、対象物から特定の金属元素を分離抽出し純度の高い金属が得られる。
本発明において使用される前記電解液としては、例えば、水溶液又は溶融塩を利用することができる。
水溶液としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸等の酸が挙げられる。
前記溶融塩としては、塩化物系のものやフッ化物系のものを用いることができる。塩化物系の溶融塩としては、例えばKCl、NaCl、CaCl2、LiCl、RbCl、CsCl、SrCl2、BaCl2、MgCl2などを用いることができる。またフッ化物系の溶融塩としては、例えばLiF、NaF、KF、RbF、CsF、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2を用いることができる。なお、希土類元素を含む鉱石を溶融塩電解する場合には、効率の点から塩化物系の溶融塩を用いることが好ましく、なかでも安価で入手が容易という点から、KCl、NaCl、CaCl2を用いることが好ましい。
また、これらの溶融塩は複数種類の溶融塩を組み合わせて任意の組成の溶融塩として用いることができ、例えばKCl−CaCl2やLiCl−KCl、あるいはNaCl−KClといった組成の溶融塩を用いることができる。
なお、溶融塩を用いる場合には、各プロセスにおける系の温度が溶融塩の融点以上となるように系を加熱する必要がある。
前記電解液として溶融塩を使用する場合には、前記溶解工程における陰極は、溶融塩中の陽イオンを構成するLiやNa等のアルカリ金属と合金化しやすい材料を用いる。例えば、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)などを用いることができる。
また、電解液として溶融塩を用いる場合には、溶融塩の種類によって電解時の各元素の溶解・析出の電位が異なることを利用して、対象となる特定の金属元素の溶解・析出電位と、それ以外の不純物の金属元素の溶解・析出電位の値とが充分に離れていて処理しやすい値となるように溶融塩を選択して設計することが可能となる。
具体的には、前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することが好ましい。溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差は、0.1V以上とすることがより好ましく、0.25V以上とすることが更に好ましい。
このように、前記特定の金属を析出又は合金化させる工程においては、電極部材における電位を所定の値に制御して、前記溶融塩中の前記特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させることが好ましい。
陰極に析出させる金属単体又は合金の析出電位は、電気化学的な計算により算出することができる。具体的にはネルンストの式を用いて計算する。
例えば、3価のプラセオジム(Pr)イオン(以下ではPr(III)と表す)からPr単体を析出させる電位は次の式により求めることができる。
Pr=E Pr + RT/3F・ln(aPr(III)/aPr(0))・・・式(1)
なお、上記式(1)において、E Prは標準電位を、Rは気体定数を、Tは絶対温度を、Fはファラデー数を、aPr(III)はPr(III)イオンの活量を、aPr(0)はPr単体の活量を、それぞれ意味する。
そして、上記式(1)を、活量係数γPr(III)を考慮して書き直すと、aPr(0)=1なので、以下のような式となる。
Pr=E Pr + RT/3F・lnaPr(III)
=E Pr + RT/3F・ln(γPr(III)・CPr(III))・・・式(2)
Pr=E0’ Pr+ RT/3F・lnCPr(III) ・・・式(3)
なお、上記式(3)において、CPr(III)は3価のPrイオンの濃度を、E0’ Prは式量電極電位(ここでは、E Pr+ RT/3F・lnγPr(III)と等しい)をそれぞれ意味する。
また、同様にPrNi合金を電極表面に析出させる場合の電位(析出電位:EPr・Ni)は、以下の式に基づいて決定できる。
Pr・Ni=E0’ Pr・Ni + RT/3F・lnCPr(III) ・・・式(4)
なお、上記式(4)において、E0’ Pr・Niは式量電極電位(ここでは、E Pr・Ni + RT/3F・lnγPr(III)に等しい)を意味する。
同様にして、上記計算式により、全ての析出物に対して溶融塩の種類ごとに、析出電位を求めることができる。陰極に特定の金属を析出又は合金化させるプロセスでは、この特定の金属もしくはその合金の析出電位の値を見て、他の金属もしくはその合金との電位の差が得られる析出物を選定し、また、析出させる順序を決定する。
操業において制御する電位は、電極の大きさや位置関係によって変わってくるため、条件出しにより基準となる電位を決めた後に、上記の方法で求めた電位の値と序列に基づいて、各ステップにおいて制御する電位を決定する。
前記電解液として溶融塩を使用することで、水溶液では他の元素と標準電極電位が近いために分離できない金属元素に対しても分離が可能となる。また、水溶液では析出できない金属元素であっても析出させることが可能となる。
上記のように、本発明の金属の製造方法では、電位の値を制御することにより、対象となる金属を電気化学的に溶解・析出させることができる。このため、従来の湿式処理などのように酸などを用いた溶解・抽出といったプロセスを繰り返す場合よりも工程を簡略化でき、また特定の元素を選択的に分離・回収することができる。更に、溶融塩の比重の調整も不必要であり、対象物が固体の状態で処理できる低温の溶融塩を選択することで、簡易な装置構成とすることができる。また、操業形態も単純化することが可能である。このため、工程の効率化および低コスト化を図ることができる。
また、前述のように、特定の金属を陰極に析出又は合金化させるという考え方とは全く逆の考え方で特定の金属を製錬することも可能である。
すなわち、本発明に係る金属の製造方法は、2種類以上の金属元素を含む鉱石から特定の金属を電解により製造する方法であって、電解液中に、陰極と、前記鉱石を含む陽極材料からなる陽極とを設け、陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石から電位に応じた金属元素を電解液中に溶解させることで特定の金属を陽極に残留させ、前記陽極が、前記鉱石を粉末状に粉砕し、該粉末状の鉱石を三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填して得られたものであることを特徴とする。
この方法は、前記対象物(鉱石)を陽極とし、特定の金属元素以外、すなわち不純物となる金属元素のみを電解液中に溶解させることにより、特定の金属を陽極に残留させるというものである。この場合も、陽極における電位を制御することで、製錬対象の金属元素が陽極に残留し、不純物元素が電解液中に溶解するといった現象を発生させる。これにより、陽極に製錬された金属材料が得られる。
この方法においても、電解液としては水溶液や溶融塩を用いることができる。また、電解液として溶融塩を利用する場合には、溶融塩電解液中での特定の金属の単体もしくはその合金とそれ以外の金属の単体もしくはその合金との標準電極電位の差が大きくなるように溶融塩を選択することができるようになるので好ましい。
すなわち、前記溶融塩中に前記鉱石から金属元素を溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することが好ましい。これにより、特定の金属とその他の金属とを良好に分離することができ、特定の金属のみを陽極に残留させることができる。標準電極電位の差は0.1V以上であることがより好ましく、0.25V以上であることが更に好ましい。
また、陽極に負荷する電位は、前記のようにネルンストの式を用いて計算することができる。
本発明の電解による金属の製造方法は、陽極として使用する鉱石として、遷移金属又は希土類金属(レアアースメタル)を含有しているものに好適に適用される。
前記遷移金属としては特に限定されず、周期律表の第3族(IIIA族)〜第11族(IB族)に含まれる元素であればよい。前記希土類金属も特に限定されず、周期律表の第3族(IIIA族)に属するスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、及びランタノイドの15元素であればよい。
本発明の電解による金属の製造方法は、陰極に析出又は合金化させる特定の金属が希土類金属の場合にも好適に利用できる。また、電解液として溶融塩を使用する場合には、溶融塩の組成を適宜選択することにより、水溶液による電解では析出させることのできない希土類金属をも析出させることができるようになる。このため資源的に採取が困難な希土類金属を容易に得ることができるようになる。
以下に、本発明の陽極に用いられる三次元網状金属多孔体について説明する。
前記三次元網状金属多孔体は、導電性を有し、かつ、水溶液、溶融塩等の電解液中で安定に存在するものであればよく、例えば、Ni、Ag、Cu、Au、Al、Sn、Cr、若しくはFeの単体又は少なくともこれらの一つを含む合金からなることが好ましい。
また、三次元網状金属多孔体の気孔率は80%以上であることが好ましい。これにより三次元網状金属多孔体中に充填できる鉱石の比率を大きくすることができ、処理効率を向上させることができる。図2に本発明に好ましく使用することのできる三次元網状金属多孔体の断面の拡大図を示す。
図2に示すように、三次元網状金属多孔体は連通した空孔部分を多く備えるため、粉末状の鉱石をふりかけるだけで容易に空孔部分に鉱石を保持することができる。また、充填する際に振動を付与したり、対象物(鉱石)をスラリー状で流し込んだりするという方法も可能である。
なお、鉱石を粉砕する際には、三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填しやすいように、鉱石の最大粒径が10μm〜2000μmとなるようにすることが好ましい。より好ましくは10μm〜1000μmであり、10μm〜200μmであることが更に好ましい。
このような三次元網状金属多孔体としては、発泡状樹脂成形体や不織布状樹脂成形体に上記金属をコーティングして、樹脂成形体を除去したものを好ましく利用することができる。例えば、ニッケルからなるものはセルメット(登録商標)として市場より入手することができる。
以下において、ニッケルからなる三次元網状金属多孔体の製造例を説明する。
前記三次元網状ニッケル多孔体は、まず多孔体基材の表面を導電化処理して導電膜(以下「導電被覆層」という)を形成し、この導電被覆層に電気ニッケルめっきを施して多孔体基材の表面に電気めっき層を形成し、次いで多孔体基材を除去することにより得ることができる。
(多孔体基材)
多孔体基材としては多孔性のものであればよく公知又は市販のものを使用でき、樹脂発泡体、不織布、フェルト、織布などが用いられるが必要に応じてこれらを組み合わせて用いることもできる。また、素材としては特に限定されるものではないが、金属をめっきした後焼却処理により除去できるものが好ましい。また、多孔体基材の取扱い上、特にシート状のものにおいては剛性が高いと折れるので柔軟性のある素材であることが好ましい。
上記多孔体基材としては樹脂発泡体を用いることが好ましい。樹脂発泡体としては発泡ウレタン、発泡スチレン、発泡メラミン樹脂等が挙げられるが、これらの中でも、特に多孔度が大きい観点から、発泡ウレタンが好ましい。
多孔体基材の多孔度は限定的でなく、通常60%以上、97%以下程度、好ましくは80%以上、96%以下程度である。多孔体基材の厚みは限定的でなく、用途等に応じて適宜決定される。
以下では、多孔体基材として発泡状樹脂を用いた場合を例にとって説明する。
(導電処理)
導電処理は、発泡状樹脂の表面に導電性を有する層を設けることができる限り限定的でない。導電性を有する層(導電被覆層)を構成する材料としては、例えば、ニッケル、チタン、ステンレススチール等の金属の他、黒鉛等が挙げられる。
導電処理の具体例としては、例えば、ニッケルなどの金属を用いる場合は、無電解めっき処理、スパッタリングや蒸着・イオンプレーティングなどの気相処理等が好ましく挙げられる。また、ステンレススチール等の合金金属、黒鉛などの材料を用いる場合は、これら材料の微粉末にバインダを加えて得られる混合物を、発泡状樹脂の表面に塗着する処理が好ましく挙げられる。
ニッケルを用いた無電解めっき処理は、例えば、還元剤として次亜リン骸ナトリウムを含有した硫酸ニッケル水溶液等の公知の無電解ニッケルめっき浴に発泡状樹脂を浸漬することによって行うことができる。必要に応じて、めっき浴浸漬前に、発泡状樹脂を微量のパラジウムイオンを含む活性化液(カニゼン社製の洗浄液)等に浸漬してもよい。
ニッケルを用いたスパッタリング処理としては、例えば、基板ホルダーに発泡状樹脂を取り付けた後、不活性ガスを導入しながら、ホルダーとターゲット(ニッケル)との間に直流電圧を印加することにより、イオン化した不活性ガスをニッケルに衝突させて、吹き飛ばしたニッケル粒子を発泡状樹脂表面に堆積すればよい。
導電被覆層にニッケルを用いる場合は発泡状樹脂表面に連続的に形成されていればよく、目付量は限定的でないが、通常5g/m2以上、15g/m2以下程度、好ましくは7g/m2以上、10g/m2以下程度とすればよい。
(電解ニッケルめっき処理)
電解ニッケルめっき処理は、常法に従って行えばよい。電解ニッケルめっき処理に用いるめっき浴としては、公知又は市販のものを使用することができ、例えば、ワット浴、塩化浴、スルファミン酸浴等が挙げられる。
前記の無電解めっきやスパッタリングにより表面に導電層を形成された多孔体基材をメッキ浴に浸し、多孔体基材を陰極に、ニッケル対極板を陽極に接続して直流或いはパルス断続電流を通電させることにより、導電層上に、さらにニッケルの被覆を形成することができる。
(発泡状樹脂除去処理)
発泡状樹脂成分を除去する方法は限定的でないが、焼却により除去することが好ましい。具体的には、例えば600℃程度以上の大気等の酸化性雰囲気下で加熱すればよい。得られた多孔体を還元性雰囲気下で加熱処理して金属を還元することにより、三次元網状ニッケル多孔体が得られる。
上記の三次元網状ニッケル多孔体の製造方法については、たとえば特開平04−002795号公報や特開平08−069801号公報などに開示されている。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
本発明を実施するための形態の一例として、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)プラセオジム(Pr)を含む鉱石を溶融塩中で溶融塩電解することにより純度の高いNd、Dy、及びPrを得る方法を記載する。このような鉱石としては、例えば、モナザイト、燐灰石、ゼノタイム、フェルグソナイト、ユーダイアライト等を用いることができる。
まず、図3に示すように、準備工程(S10)を実施する。
この工程では、処理対象物である鉱石や、使用する溶融塩、さらに当該溶融塩を保持する容器や電極などを含む装置などを準備する。
Nd、Dy、及びPrを含む鉱石としては、例えばゼノタイム鉱石を用いることができる。鉱石の組成は、Ndが3.0wt%で、Dyが7.9wt%で、Prが0.5wt%である。
上記のような鉱石を、クラッシャー、ボールミル等の手段により粉砕し、最大粒径が10μm〜200μmとなるようにする。続いて、粉末状にした鉱石を三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填する。
次に、溶融塩中への溶解工程(S20)を実施する。
この工程(S20)においては、準備した溶融塩に前記鉱石を充填した三次元網状金属多孔体(陽極)と、(別の)電極部材(陰極)とを浸漬し、この陽極と陰極に電源を接続することによってそれぞれの電位を制御する。そして、鉱石にかかる電位を調整することにより、鉱石中の希土類元素(Nd、Dy、及びPr)を選択的に溶融塩中に溶解させる。
溶融塩としては、任意の組成の溶融塩を用いることができるが、たとえばLiF−NaF、LiF−KFといった組成の溶融塩を用いることができる。
例えば、一例として、溶融塩としてLiF−NaF−KFを用いて、他の電極部材(陰極)としてグラッシーカーボンからなる電極を用い、前記陽極としてAlからなる三次元網状金属多孔体に鉱石を充填したものを用いることができる。この場合、例えば溶融塩の加熱温度を700℃とし、上記電位(鉱石における電位)を制御することによって、前記鉱石から溶融塩中に、Nd、Dy、及びPrを選択的に溶解させることができる。制御する電位は、溶融塩中にNd、Dy、及びPr以外の元素はほとんど溶解しない一方、Nd、Dy、及びPrは溶解するような値を設定している。
次に、図3に示すように、分離抽出工程(S30)を実施する。
具体的には、上述のようにNd、Dy、及びPrが溶解している溶融塩に対して1対の電極を挿入し、この陰極における電位を所定の値に制御する。この結果、制御された電位に応じて電極に析出する希土類金属の種類を選択することができる。このため希土類金属を、元素ごとに選択的に回収することができる。
このように各元素または化合物の析出電位が異なることから、特定の金属が溶解した溶融塩中に1対の電極を浸漬し、当該陰極において上述した析出電位に対応する電位となるように電位を制御することで、陰極に選択的に特定の希土類元素を析出させることができる。そして、陰極における電位を変える(例えば電位を順次変更する)ことにより、析出させる特定の金属の種類を選択することもできる。
(本発明の方法に用いられる装置)
次に、図3に示した本発明の方法において用いられる装置を、図4および図5を参照して説明する。図4に示す回収装置は、溶融塩を内部に保持する容器1と、容器1の内部に保持される溶融塩2と、処理対象物(空孔部分に粉末状の鉱石が充填された三次元網状金属多孔体)3と、電極6〜8と、溶融塩2を加熱するためのヒータ10と、処理対象物3および電極6〜8と導電線5によって電気的に接続された制御部9とを備える。制御部9は、処理対象物3を一方の電極とし、電極6〜8のいずれかを他方の電極としてこれらの電極の電位を制御することが可能となっている。また、制御部9においては、制御する電位の値の変更が可能である。ヒータ10は、容器1の周囲を環状に囲むように配置されている。電極6〜8は任意の材料により構成することができるが、たとえば電極6の材料としてはニッケル(Ni)を用いることができる。また、電極7、8の材料としては、たとえばカーボン(C)を用いることができる。なお、容器1の形状は、底面の円形状あるいは多角形状であってもよい。
処理対象物3と電極6〜8においては、制御部9により所定の電位の値に制御される。電極6〜8のそれぞれに異なる電位に制御することで、電極6〜8の表面には、後述するように制御される電位の値に応じてそれぞれ異なる特定の金属が析出する。例えば、後述するように、電極6の表面にはDyNi2膜11が析出するように、電極6に制御する電位の値を調整できる。また、電極7に制御する電位の値を調整することで、電極7の表面にはPr膜12を析出させることができる。また、電極8に制御する電位の値を調整することで、電極8の表面にはNd膜13を析出させることができる。
そして、DyNi2膜11が析出した電極6を、さらに図5に示すように溶融塩2を内部に保持した容器1内に配置する。更に、DyNi2膜11が表面に析出した電極6と対向するように、他の電極を溶融塩2中に配置し、それぞれの電極6、15を導電線5により制御部9と接続する。そして、容器1の周囲に配置されたヒータ10により溶融塩2を加熱しながら、制御部9により電極6、15における電位を所定の値に制御する。このとき制御する電位については、陰極における電位の値がDyの析出電位となるように調整する。
これにより、電極6の表面に析出したDyNi2膜11からDyが溶融塩2中に溶け出す一方、電極15の表面にはDy膜16が析出することになる。なお、ヒータ10による溶融塩2の加熱温度は、図4および図5に示した装置での処理のいずれについてもたとえば800℃とすることができる。このようにして、電極7、8、15の表面に特定の金属を単体として析出させることができる。
図4及び図5に示したような装置を用いて本発明の方法を実施する場合には、例えば以下のように実施することが考えられる。
まず、処理対象物3として前記鉱石を9kg準備し、これを粉砕して粉末状にした後に三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填する。また、溶融塩2としてLiF−NaF−KFを準備する。鉱石としては例えばNdを3.0wt%、Prを0.5wt%、Dyを7.9wt%含有するものとする。溶融塩2の量は約16リットル(質量:25kg)とする。
そして、処理対象物(空孔部分に粉末状の鉱石が充填された三次元網状金属多孔体)3と電極6〜8のいずれか1つとを1対の電極として溶解工程を実施する。
具体的には、処理対象物3と電極6とを電極として、当該電極における電位を所定の値に制御印加する。これにより電極6の表面にはDyNi2が析出する。続いて、処理対象物3と電極7とを1対の電極として、当該電極における電位を所定の値に制御する。これにより電極7の表面にはPrが析出する。図4に示した電極7の表面に析出するPr膜の質量は例えば30g〜50g程度となる。
更に、処理対象物3と電極8とを1対の電極として、当該電極における電位を所定の値に制御する。この結果、電極8の表面にはNdが析出する。電極8の表面に析出するNd膜の質量は例えば200g〜300g程度となる。
また、図5に示した装置に上記電極6と電極15とを配置し、溶融塩中でこれらの電極における電位を所定の値に制御する。これにより、電極15の表面にはDyが析出する。電極15の表面に析出するDy膜16の質量はたとえば600g〜800gとなる。
なお、図4を参照して説明したように、溶融塩2中に目的となる金属を溶解させる工程と、電極7、8などの表面に特定の金属を単体として析出させる工程とは、同じ装置内で(同じ溶融塩2を用いて)実施することができる。一方、DyNi2からDyを分離・抽出する工程については、図4を参照して説明した溶融塩2中に金属を溶解させる工程で用いた装置(図4に示した装置)とは別の装置(図5に示した装置)において実施することが好ましい。
以上のようにして、処理対象物3としての鉱石から特定の金属(例えば、Dy、Pr、Ndを回収することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態として、溶融塩電解によりネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)プラセオジム(Pr)を含む鉱石から純度の高いNd、Dy、及びPrを得る別の一例を説明する。
Nd、Dy、及びPrを含む鉱石としては、例えばゼノタイム鉱石を用いることができる。当該ゼノタイム鉱石の製錬方法としては特に限定されず公知の方法を利用可能である。
図6に示すように、まず処理対象物である鉱石を準備する工程(S11)を実施する。具体的には、前記鉱石を粉砕して粉末状にし、これを三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填する。続いて、図7に示すように、容器1の内部に保持された溶融塩2に、処理対象物(空孔部分に粉末状の鉱石を保持した三次元網状金属多孔体)3を浸漬し、この処理対象物3に制御部9における電源と接続するための導電線5を接続する。
そして、溶融塩2に、もう一方の電極としてのカゴ24の内部に保持された電極材料25をカゴ24ごと浸漬する。この電極材料25としては、溶融塩中の陽イオンを構成するLiやNa等のアルカリ金属と合金化しやすい材料を用いる。この電極材料25としては例えば、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)などを用いることができる。
次に、図6に示した、溶融塩にNd、Dy、Prを溶解する工程(S21)を実施する。具体的には、図7に示すように、処理対象物3とカゴ24の内部に保持された電極材料25における電位を制御部9により制御することにより、処理対象物3における電位を所定の値に制御する。この結果、処理対象物3の鉱石からNd、Dy、Prといった希土類元素が溶融塩2中に溶解する。
次に、図6に示す、電解によりDyNi2を析出させる工程(S31)を実施する。具体的には、図7に示したカゴ24に保持された電極材料25に代えて、図8に示すように、ニッケルからなる電極6を溶融塩2に浸漬する。そして、この電極6を制御部9と導電線5により接続する。この状態で、制御部9により一方の電極としての処理対象物3ともう一方の電極としての電極6における電位を制御することにより、これらの電位を所定の値に調整する。この結果、処理対象物3から溶融塩2中にDyなどの希土類元素が溶解するとともに、溶融塩2から電極6の表面にDyNi2が析出する。
次に、図6に示す、電解によりPrを回収する工程(S32)を実施する。具体的には、図9に示すように、処理対象物3に代えて炭素からなる電極27を一方の電極として溶融塩2に浸漬する。また、図8に示した電極6に代えて、炭素からなる電極7を、上記電極27と対向する位置であって溶融塩2に浸漬した状態で配置する。そして、この電極27および電極7を制御部9と導電線5により電気的に接続する。この状態で、一方の電極27ともう一方の電極7における電位を制御することにより、これらの電位を所定の値に調整する。これにより、溶融塩2中に溶解していたPrが電極7の表面に析出する。
次に、図6に示す、電解によりNdを回収する工程(S33)を実施する。具体的には、上記電極7に代えて、図10に示すように、電極27に対向するように、炭素からなる電極8を溶融塩2に浸漬した状態で配置する。この電極8は制御部9と導電線5により電気的に接続される。そして、制御部9により電極8と電極27における電位を制御することにより、これらの電位を所定の値に調整する。これにより電極8の表面にNdが析出する。
次に、上記工程(S31)において回収されたDyNi2から電解によりDyを回収する工程(S34)を実施する。具体的には、図5に示したように、DyNi2が表面に析出した電極6(図8参照)を溶融塩2中に浸漬し、別の電極15を溶融塩2に浸漬した状態で配置し、これらの電極6、15における電位を制御部9により所定の値に制御する。これにより、電極6の表面に析出したDyNi2が一旦溶融塩2中に溶解した後、電極15の表面にDy膜16が析出する。このようにして、希土類金属であるNd、Dy、Prを個別に回収することができる。
なお、上述した工程(S21〜S32)は、以下のような装置構成によって実施してもよい。例えば、上述した工程(S31)を、図11に示すような装置構成により実施してもよい。
具体的には、図7に示した装置構成における処理対象物3の代わりにニッケルからなる電極6を溶融塩2中に浸漬する。そして、図11に示したように、この電極6と制御部9とを導電線5により電気的に接続する。そして、カゴ24の内部に保持された、図7に示した工程で合金化した材料と電極6における電位を制御することにより所定の値に調整する。これにより、電極6の表面には溶融塩2中に溶解していたDyがDyNi2として析出する。なお、電極6の表面に析出したDyNi2から、図6の工程(S34)と同様の工程によりDyを単体として回収することができる。
次に、上述した工程(S32)として、図12に示すような装置構成で処理を実施してもよい。具体的には、図11に示した電極6に代えて、図12に示したように炭素からなる電極7をカゴ24と対向する位置であって溶融塩2に浸漬した状態で配置する。この電極7と制御部9とを導電線5により電気的に接続する。そして、カゴ24の内部に保持された合金26と電極7における電位を制御することにより、所定の値に調整する。これにより溶融塩2に溶解していたPrが電極7の表面に析出する。
次に、上述した工程(S33)として、図13に示すような装置構成により処理を実施してもよい。具体的には、図13に示すように、図12の電極7に代えて、炭素からなる電極8をカゴ24と対向する位置であって溶融塩2に浸漬した状態で配置する。そして、電極8と制御部9とを導電線5により電気的に接続する。制御部9によりカゴ24の内部に配置された合金26と、電極8における電位を制御することにより、これらの電位を所定の値に調整する。これにより、電極8の表面にNdが析出する。
以上のような方法により、鉱石に含まれる特定の金属を順次個別に回収することができる。そして、本発明の方法によれば従来の湿式の分離方法などに比べて装置構成を簡略化できるとともに処理時間も短くすることができるため、希土類元素などの元素を得るためのコストを低減することができる。さらに、電極における電位を適切に設定することで、電極表面に特定の金属を単体として析出させることができるので、純度の高い金属を得ることができる。なお、それぞれの金属又は合金を析出させるための電位は前述の計算により算出することができる。
[実施例]
希土類金属を含む鉱石からNd、Dy、及びPrを溶融塩電解により製造した。
(試料)
処理対象物である鉱石としてとして、ゼノタイム鉱石を用いた。ゼノタイム鉱石をクラッシャーにより粉砕して最大粒径が10μm〜200μmとなるようにした。そして、粉砕した試料(ゼノタイム鉱石)を、ニッケル製の三次元網状金属多孔体(気孔率96%)に充填した。
(実験内容)
溶融塩としてLiF−NaF−KFの共晶組成の溶融塩を使用し、700℃に加熱して完全に溶融させた。そして、当該溶融塩に、上述したアノード電極(陽極)と、カソード電極(陰極)とを配線して浸漬した。カソード電極の材料としてはグラッシーカーボンを用いた。
溶解工程:
このように溶融塩にアノード電極とカソード電極とを浸漬した状態で、アノード電極を所定の電位に保持した。そして、所定時間経過後、溶融塩からサンプルを採取し、当該サンプルについてICP−AESにより組成分析を行なった。
電解工程:
上記溶解工程の後、溶融塩にNiからなるカソード電極およびグラッシーカーボンからなるアノード電極を浸漬し、カソード電極の電位を所定の電位に保持した。具体的には、NaCl−KCl系溶融塩においてDy−Ni合金が形成するような電位に保持した。そして、4時間経過後、カソード電極の表面状態を観察した。
(結果)
溶解工程について:
溶解工程において観察されたアノード電流は、図14に示すような経時変化を示した。なお、図14の横軸は時間(単位:分)を示し、縦軸はアノード電流の電流値(単位:mA)を示す。図14に示すように、電流値は時間が経過するにつれて低下していた。また、電流値の時間変化率は、測定開始時(通電開始時)が最も高く、その後徐々に変化率が小さくなっていく傾向が見られた。
そして、溶融塩から採取したサンプルについて、ICP−AESにより組成分析を行なった結果、当該溶融塩中にNd、Dyが溶解していることが確認された。
電解工程について:
カソード電極の表面層について、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を図15および図16に示す。図15および図16に示すように、カソード電極を構成するNiからなる電極本体部31の表面に、Dy−Ni合金32が析出していた。このDy−Ni合金32は、溶融塩中に存在していたDyがカソード電極を構成するNiと反応し、カソード電極の表面に析出したものと考えられる。このように、ゼノタイム鉱石に含まれていたDyをDy−Ni合金という形で当該鉱石から分離・抽出することができる。
なお、図15はSEMによる反射電子像を示しており、また、図16は図15に示した領域についてのX線分析によりDy原子の分布を示している。図16に示すように、電極本体部31に対応する領域33ではほとんどDyは検出されていないが、Dy−Ni合金32に対応する領域34ではDyが検出されている。
以上、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は鉱石から任意の金属を得る方法に好適に利用することができる。
1 容器
2 溶融塩
3 処理対象物
5 導電線
6〜8,15,27 電極
9 制御部
10ヒータ
11 DyNi2
12Pr膜
13 Nd膜
16 Dy膜
24 カゴ
25 電極材料
26 合金、電極本体部
32 Dy−Ni合金
33,34 領域

Claims (13)

  1. 2種類以上の金属元素を含む鉱石から特定の金属を電解により製造する方法であって、
    電解液中に、陰極と、前記鉱石を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石から制御した電位に応じた金属元素を電解液中に溶解させる工程と、
    前記金属元素が溶解した電解液中に一対の電極部材を設け、電極部材における電位を所定の値に制御することにより、電極部材の一方に、電解液中に存在する特定の金属元素を析出又は合金化させる工程と、
    を備え、
    前記陽極が、前記鉱石を粉末状に粉砕し、該粉末状の鉱石を三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填して得られたものであることを特徴とする電解による金属の製造方法。
  2. 前記電解液が溶融塩電解液であることを特徴とする請求項1に記載の電解による金属の製造方法。
  3. 前記鉱石から金属元素を電解液中に溶解させる工程において、
    前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする請求項2に記載の電解による金属の製造方法。
  4. 前記鉱石から金属元素を溶融塩中に溶解させる工程において、前記陽極における電位を所定の値に制御し、前記特定の金属元素を選択的に溶融塩中に溶解させることを特徴とする請求項2又は3に記載の電解による金属の製造方法。
  5. 前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、
    前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
  6. 前記特定の金属を析出又は合金化させる工程において、電極部材における電位を所定の値に制御し、前記溶融塩中の前記特定の金属元素を選択的に析出又は合金化させることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
  7. 前記鉱石は、遷移金属もしくは希土類金属を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
  8. 前記三次元網状金属多孔体は、Ni、Ag、Cu、Au、Al、Sn、Cr、若しくはFeの単体又は少なくともこれらの一つを含む合金であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
  9. 前記三次元網状金属多孔体の気孔率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
  10. 前記特定の金属が希土類金属であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電解による金属の製造方法。
  11. 2種類以上の金属元素を含む鉱石から特定の金属を電解により製造する方法であって、
    電解液中に、陰極と、前記鉱石を含む陽極材料からなる陽極とを設け、該陽極における電位を所定の値に制御することにより、前記鉱石から制御した電位に応じた金属元素を電解液中に溶解させることで特定の金属を陽極に残留させ、
    前記陽極が、前記鉱石を粉末状に粉砕し、該粉末状の鉱石を三次元網状金属多孔体の空孔部分に充填して得られたものであることを特徴とする電解による金属の製造方法。
  12. 前記電解液が溶融塩電解液であることを特徴とする請求項11に記載の電解による金属の製造方法。
  13. 前記溶融塩中に前記鉱石から金属元素を溶解させる工程において、前記溶融塩中の前記特定の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位と他の金属の単体もしくはその合金の標準電極電位との差が0.05V以上となるように前記溶融塩を選択することを特徴とする請求項12に記載の電解による金属の製造方法。
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