以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1は、本実施例のパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には上方左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には後述する普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)を備える普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と更にその下には第2始動口32として作動時(開放時)のみ入球可能となるチューリップ式の普通電動役物40が設けられ、該普通電動役物40には7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。普通電動役物40の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。また、大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b(図2参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(図2参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物40の扉部材が駆動して、普通電動役物40への入球(第2特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)での検出率)が可能となるように構成されている。普通電動役物40を第1始動口31の上部に配置したことにより、普通電動役物40の扉部材駆動時には、第1始動口31への遊技球の入球経路が閉ざされ、遊技球が入球し難い状態となる。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の部材が駆動する開放時間は、通常遊技状態では0.3秒(1回)、時短状態及び確率変動状態では開放延長機能が作動し5.0秒(1回)となる。
第1始動口31に遊技球が入球(第1特別図柄始動スイッチ31a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に入球(第2特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動表示を優先して実施する。具体的には、第2特別図柄の保留記憶がある場合は、第1特別図柄の保留記憶の有無と入球順序に拘らず、第2特別図柄が変動表示を実施し、第1特別図柄が変動を開始するのは、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄の保留記憶がない状態となった場合となる。更に、第1特別図柄の変動中に第2始動口に遊技球が入球した場合、変動中の第1特別図柄の変動時間の時間計測を中断し、第2特別図柄の変動を優先して実施する。
尚、中断した第1特別図柄は第2特別図柄の変動中は変動を継続しているように表示されるが、実際には変動時間の計測は行われず、第2特別図柄の変動が終了し第2保留記憶が無い状態となった時点から、中断していた第1特別図柄の変動時間の計測が再開される。
第1特別図柄及び第2特別図柄の態様(表示結果)に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図2参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球(カウントスイッチ33b(図2参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口33aを閉鎖した遊技と大入賞口33aを開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口33aを閉鎖した遊技には、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常状態)と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態(大当りとなる確率が甘く、大当りし易い)となる高確率状態(以下、確率変動状態)とが存在する。
第1特別図柄及び第2特別図柄は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とからなり、確率変動状態は確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、該大当り遊技終了後、確率変動状態に移行する。同様に通常状態は、非確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当たりすれば、該大当たり遊技終了後、通常状態に移行する。
通常状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ第2始動口32である普通電動役物40の開放延長機能が作動する時短状態となる。第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
具体的には、本実施形態の時短状態では、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置41に表示される普通図柄の時間短縮も行われるが、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回普通図柄の確定表示を行う。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより第2始動口32である普通電動役物40の作動回数も増大する。また、普通電動役物40の開放時間が長くなるように設定されている(開放延長機能)ので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特別図柄の変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物40入賞による賞球により遊技者の持ち玉が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
なお、確率変動状態では、時短状態と同様に、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、第2始動口32である普通電動役物40の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普通電動役物40開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確率変動状態は時短状態に加えて第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)。
また、大当り遊技時の、大入賞口33aの開放回数は図10(1)に示すように、第1特別図柄に大当りとなる所定の結果(本願発明における特定表示)が表示された場合は12回、第2特別図柄に大当りとなる所定の結果(本願発明における特定表示)が表示された場合は15回となり、全ての遊技状態の大当り時において共通回数である。従って、第2特別図柄からの大当り遊技は、第1特別図柄からの大当り遊技よりも多くの遊技球が獲得でき、遊技者に有利な内容となっている。尚、大当り時の大入賞口33aの開放回数は、これらの回数に限ったものではなく、第2特別図柄の大当りが第1特別図柄の大当りよりも遊技者に有利となる設定であるならば、数値の異なる設定でも問題ない。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
図2に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特別図柄始動スイッチ31aと第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特別図柄始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されており、裏配線中継端子板63を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物40のチューリップ式役物の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド40bとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置29と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示装置30と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70と、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク(図示せず)又はタンクレール(図示せず)内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22a又は23aと、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。
ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板61を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータ70に送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータ36を制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドル18からの回動量信号、タッチスイッチ20aからのタッチ信号、発射停止スイッチ19aから発射停止スイッチ信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ19aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置51に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。
尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に図3を用いて、主制御装置50が行う保留記憶処理について説明する。保留記憶処理とは、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したときに取得される当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納する処理である。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶とする。尚、メインルーチンとして行われる各処理は従来技術にそったものであるため、説明は割愛する
尚、主制御装置50に格納されている第1、第2保留記憶の保留記憶数は、各々図1で示した第1特別図柄保留数表示装置29a、第2特別図柄保留数表示装置30aの点灯により遊技者が認識できるようになっている。更に演出図柄表示装置54b上に保留記憶数表示領域が設けられ各々の保留記憶数が認識可能に表示される。本実施形態においては、第1特別図柄保留数表示装置29a、第2特別図柄保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個となっている。また、第1〜第2それぞれの保留記憶に保留記憶された数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したときに取得される当否乱数等の種々の乱数(例えば確率変動乱数や大当り図柄決定用乱数や変動パターン選択用乱数)は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
保留記憶処理が開始されると、第1始動口31に遊技球が入球したか否か判定する(S10)。肯定判定であれば(S10:YES)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶数が最大値(=4個)未満であるか否か判定される(S11)。肯定判定であれば(S11:YES)、当否乱数等の各種乱数を抽出し(S12)、抽出された各種乱数を第1保留記憶として主制御装置50に格納する(S13)。
S10、S11にて否定判定(S10:NO、S11:NO)、又はS13の処理を終えると、第2始動口32に遊技球が入球したか否か判定する(S14)。肯定判定であれば(S14:YES)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶数が最大値(=4個)未満であるか否か判定する(S15)。肯定判定であれば(S15:YES)、当否乱数等の各種乱数を抽出し(S16)、抽出された各種乱数を第2保留記憶として主制御装置50に格納する(S17)。S14、S15にて否定判定(S14:NO、S15:NO)、又はS17の処理を終えるとリターンに抜ける。
次に図4、図5、図6、図7を用いて、主制御装置50が行う特別図柄変動処理について説明する。この処理は、第1始動口及び第2始動口への遊技球の入球に起因する変動表示を実施するための処理であり、本願発明の優先変動手段1を含み、該優先変動手段1による第2特別図柄の変動表示中に、新たに第2始動口に遊技球が入球したとき、該変動表示中の第2特別図柄の変動表示終了後、第1特別図柄の変動表示の中断を継続し、該新たな第2始動口への遊技球の入球に起因した第2特別図柄の変動表示を開始するものである。但し、変動中の第1特別図柄の表示結果が特定表示(大当り)となる場合、経過計時の中断を行わず該第1特別図柄の変動表示を継続する処理となる。
本実施例は、時短状態及び確率変動状態において、大当り時の獲得遊技球数の多い第2特別図柄の変動を開放延長機能を用いて優先的に実施する構成であり、開放延長機能作動時において第1特別図柄が変動を開始した場合、該第1特別図柄が変動中であっても第2始動口32に遊技球が入球すると、該第1特別図柄の変動表示の時間計測を中断し、該第2始動口への遊技球の入球に応じた第2特別図柄の変動を開始する構成となっている。
また本実施例では、第2特別図柄の変動が特に優先して実施される開放延長機能作動時のみ第1特別図柄の中断処理が行われるが、開放延長機能未作動時において同様の処理を行う構成としても何ら問題ない。
図4は、特別図柄変動処理の一部を示すフローチャートであり、特別図柄変動処理の開始から通常状態時の第2特別図柄の変動開始処理までを示すものである。特別図柄変動処理が開始されると、非大当り中か否かを判定し(S20)、肯定判定であれば(S20:YES)時短状態及び確率変動状態で実施される開放延長機能が未作動か否かを判定する(S21)。S21が肯定判定であれば(S21:YES)、第1特別図柄が変動表示を停止しているか否か判定する(S22)。肯定判定であれば(S22:YES)、第2特別図柄が変動表示を停止しているか否か判定する(S23)。S23が肯定判定であれば(S23:YES)、第2保留記憶が格納されているか否か判定する(S24)。肯定判定であれば(S24:YES)、第2保留記憶を読み出し保留記憶領域のシフト処理を行う(S25)。第2保留記憶が複数個ある場合には、格納されてから最も時間が経過している保留記憶から読み出す。
S25の処理を終えると、読み出した第2保留記憶の当否乱数が判定テーブル1(確率変動状態中は、当りとなる確率が高くなる別の判定テーブルを用いる)の当否判定値と一致するか否か判定する(S26)。肯定判定であれば(S26:YES)、第2保留記憶から読み出した確率変動乱数の値が確率変動判定テーブルと一致するか否か判定する(S27)。肯定判定であれば(S27:YES)、確率変動図柄の大当たり図柄となることを判断し、最終的に確定表示される確率変動となる第2特別図柄の種類を選択する(S28)。S27が否定判定であれば(S27:NO)、非確率変動図柄の大当たり図柄となることを判断し、最終的に確定表示される非確率変動となる第2特別図柄の種類を選択する (S29)。S28、S29の処理の後、通常状態専用のテーブルから当たり用の変動パターンを選択する処理を行う(S30)。
S26が否定判定であれば(S26:NO)、外れ表示として最終的に確定表示される第2特別図柄の外れ図柄の種類を選択する(S31)。S31の処理の後、通常状態専用のテーブルから外れ用の変動パターンを選択する処理を行う(S32)。
S30、S32に続いては、上記処理により決定した確定図柄の種類と変動パターンを基に、第2特別図柄表示装置30上に第2特別図柄を表示制御する処理を行う(S33)。S33に続いては、サブ統合装置53に変動パターン指定コマンドを送信する処理を行う(S34)。S20、S22、S23が否定判定(S20:NO、S22:NO、S23:NO)、又はS34の処理を終えると、リターンに抜ける。S24が否定判定の場合(第2保留記憶の記憶がない場合)は(S24:NO)、図5の処理に進み、S21が否定判定の場合(開放延長機機能作動時の場合)は(S21:NO)、図6の処理に進む。
図5に示す処理の概要は、通常状態時の特別図柄変動処理において第2保留記憶の記憶がない場合に行われる、第1特別図柄の変動処理を示すものである。この処理の流れによって、第1特別図柄は第1特別図柄の保留記憶がある場合でも、第2特別図柄の保留記憶が無くなった時点で変動を開始する構成となる(第2特別図柄の保留記憶を優先して変動)。
図5では、図4のS24否定判定(S24:NO)から続いて、第1保留記憶が格納されているか否か判定する(S40)。肯定判定であれば(S40:YES)、第1保留記憶を読み出し保留記憶領域のシフト処理を行う(S41)。第1保留記憶が複数個ある場合には、格納されてから最も時間が経過している保留記憶から読み出す。
S41に続いては、読み出した第1保留記憶の当否乱数が判定テーブル1(確率変動状態中は、当りとなる確率が高くなる別の判定テーブルを用いる)の当否判定値と一致するか否か判定する(S42)。肯定判定であれば(S42:YES)、第1保留記憶の確率変動乱数が確率変動判定テーブルと一致するか否か判定する(S43)。肯定判定であれば(S43:YES)、確率変動図柄の大当たり図柄となることを判断し、最終的に確定表示される第1特別図柄の確率変動図柄の種類を選択する(S44)。S43が否定判定であれば(S43:NO)、非確率変動図柄の大当たり図柄となることを判断し、第1特別図柄が最終的に確定表示される非確率変動図柄の種類を選択する(S45)。S44、S45の処理の後、通常状態専用のテーブルから当たり用の変動パターンを選択する処理を行う(S46)。S42が否定判定であれば(S42:NO)、外れ表示として最終的に確定表示される第1特別図柄の外れ図柄の種類を選択する(S47)。次に通常状態専用のテーブルから外れ用の変動パターンを選択する処理を行う(S48)。
S46、S48に続いては、上記処理により決定した確定図柄の種類と変動パターンを基に、第1特別図柄表示装置29上に第1特別図柄を表示制御する処理を行う(S49)。S49に続いては、サブ統合装置53に変動パターン指定コマンドを送信する処理を行う(S50)。S40で否定判定(S40:NO)、または、S50の処理を終えるとリターンに抜ける。
次に図4のS21の否定判定から続く図6のフローチャートについて説明する。図6に示す処理の概要は、確率変動状態及び時短状態で開放延長機能が作動した場合に実施される処理であり、本願発明となる第1特別図柄の変動を中断し第2特別図柄を優先して変動させる処理を含むものである。
図6では、図4のS21否定判定(S21:NO)から続いて、第1特別図柄の変動表示時間の計時を未実行中か否か判定する(S60)。肯定判定であれば(S60:YES)、第2特別図柄が変動表示を停止しているか否か判定し(S61)、肯定判定であれば(S61:YES)、第2保留記憶が格納されているか否か判定する(S62)。尚、特別図柄変動処理における、全ての第1特別図柄及び第2特別図柄が変動表示を停止しているか否かの判定(S22、S23、S60、S61)は、変動表示時間の計時を実行中か否かという判定内容であっても良い。
S60が否定判定(S60:NO)であれば(開放延長機能が作動中で第1特別図柄が変動中)、変動中の第1特別図柄が非大当り変動(ハズレ変動)か否か判定する(S63)。この判定では、変動開始時の処理で選択された確定図柄を参照して判定しても良いし、大当り判定が行われた時点でフラグを立てる処理を行い、そのフラグ値によって主制御装置50が変動中の第1特別図柄が大当りとなるか否かを判定する処理としても良い。
S63が肯定判定なら(S63:YES)、第2保留記憶が格納されているか否か判定する(S64)。肯定判定なら(S64:YES)、変動中の第1特別図柄の中断処理を行う(S65)。この第1特別図柄の中断処理では、変動開始時に選択された変動パターンに基づいて実施されていた変動時間の計時をその時点で中断し、未実施となる残りの変動時間を記憶する処理を行う。この処理によって第1特別図柄表示装置29は、表示上では表示図柄の切替表示は実施されるが、実際には図柄変動の時間計測を実施していない状態となる。
S65の処理に続き、サブ統合装置53に第1特別図柄中断指示コマンドを送信し(S66)、特図1中断フラグの値に1セットする(S67)。特図1中断フラグとは、主制御装置50にて記憶される値であり、特図1中断フラグの値が1の時は第1特別図柄の図柄変動が中断状態であることを、特図1中断フラグの値が0の時は第1特別図柄の図柄変動が非中断状態であることを主制御装置50が判断するための値である。
S62の肯定判定(S62:NO)又はS67の処理に続いて、第2保留記憶を読み出し保留記憶領域のシフト処理を行う(S68)。第2保留記憶が複数個ある場合には、格納されてから最も時間が経過している保留記憶から読み出す。
S68の処理を終えると、読み出した第2保留記憶の当否乱数が判定テーブルの当否判定値と一致するか否か判定する(S69)。この時に用いる判定テーブルは、開放延長機能の作動が確率変動状態によるものであれば判定テーブル2、開放延長機能の作動が時短状態によるものであれば判定テーブル1となる。当否判定テーブルは図9の図表に示す内容となっており、(1)に示す図表は、当否乱数の範囲と判定テーブル1、2の内容を示すものである。本実施例では当否乱数のカウント範囲が0〜711の整数値で、通常確率状態では判定テーブル1(当たり値は1と7)を使用し、確率変動状態では判定テーブル2(当たり値は1、3、5、7、11、13、17、19、23、29)を使用する。従って各々の状態での確率は、通常状態時2/712、確率変動状態時10/712となる。
S69が肯定判定であれば(S69:YES)、第2保留記憶から読み出した確率変動乱数の値が確率変動判定テーブルと一致するか否か判定する(S70)。肯定判定であれば(S70:YES)、確率変動図柄の大当たり図柄となることを判断し、最終的に確定表示される確率変動となる第2特別図柄の種類を選択する(S71)。S70が否定判定であれば(S70:NO)、非確率変動図柄の大当たり図柄となることを判断し、最終的に確定表示される非確率変動となる第2特別図柄の種類を選択する (S72)。S71、S72の処理の後、開放延長機能作動時専用のテーブルから当たり用の変動パターンを選択する処理を行う(S73)。
S69が否定判定であれば(S69:NO)、外れ表示として最終的に確定表示される第2特別図柄の外れ図柄の種類を選択する(S74)。S74の処理の後、開放延長機能作動時専用のテーブルから外れ用の変動パターンを選択する処理を行う(S75)。
S73、S75に続いては、上記処理により決定した確定図柄の種類と変動パターンを基に、第2特別図柄表示装置30上に第2特別図柄を表示制御する処理を行う(S76)。S76に続いては、サブ統合装置53に変動パターン指定コマンドを送信する処理を行う(S77)。S61、S63、S64が否定判定(S61:NO、S63:NO、S64:NO)、又はS77の処理を終えると、リターンに抜ける。S62が否定判定の場合(開放延長機機能作動時で第2保留記憶の記憶がない場合)は(S62:NO)、図7の処理に進む。
S60の否定判定(第1特別図柄の時間計測を伴う変動表示中)に続く、S63の肯定判定からS67にかけての処理は、本願発明における、第1特別図柄の変動表示中に第2始動口に遊技球が入球すると、該第1特別図柄の変動表示の経過計時を中断し第2特別図柄の変動表示を開始する優先変動手段1の処理にあたるものである。更にS63の判定(第1特別図柄の変動表示が大当り遊技に移行しない結果となるか否か)は、否定判定(第1特別図柄の変動結果が大当り遊技に移行する)ならばリターンに抜け第1特別図柄の変動表示を継続する処理となり、これは本願発明における、優先変動手段1は、変動中の第1特別図柄の表示結果が特定表示となる場合、経過計時の中断を行わず該第1特別図柄の変動表示を継続する、にあたる処理となる。
また、第1特別図柄の変動が大当りとなる場合は、第1特別図柄の変動中に第2始動口に遊技球が入球しても第2特別図柄の変動が開始されないため、この第2特別図柄の変動が開始されないことが変動中の第1特別図柄が当りとなること予告することとなり、遊技を更に興趣あるものとしている。
また、第1特別図柄の変動が確率変動状態に移行する大当りとなる場合に、該変動中に第2始動口に遊技球が入球しても第1特別図柄の中断(変動時間の計時の中断)を実施せず、通常の特定表示(通常大当り図柄)の場合、中断(変動時間の計時の中断)を実施するという構成も考えられる。
この構成では、第1特別図柄が中断しない場合、通常の大当りに比べ遊技者の利益がより増すことになる確率変動大当りを予告することとなり、更に射幸性の高い予告が実施可能となる。
加えて、これとは逆の構成も考えられる。具体的には、第1特別図柄の変動が確率変動状態に移行する大当りとなる場合、該変動中に第2始動口に遊技球が入球すると第1特別図柄の中断(変動時間の計時の中断)を実施し、通常の特定表示(通常大当り図柄)の場合、中断(変動時間の計時の中断)を実施しないという構成である。
この構成の場合、第1特別図柄の中断が実施された場合は、再開したときに、確率変動状態に移行する大当りとなる可能性があり、遊技者は第1特別図柄の表示結果を期待しながら優先変動する第2特別図柄の変動遊技を行うことが可能となる。
更に、後述する第1特別図柄を終了させる構成(優先変動手段2)と、中断させる構成を組み合わせることも可能である。具体的には、第1特別図柄が変動中に第2始動口に遊技球が入球すると、該変動中の第1特別図柄の表示結果がハズレの場合は、該入球した時点で第1特別図柄の変動表示を終了すると伴に第2特別図柄の変動が開始し、第1特別図柄の表示結果が大当りの場合は、該入球した時点で第1特別図柄の変動表示を中断し、第2特別図柄の変動を開始するといった構成である。
この構成は、確定している不利となる特別図柄による利益を担保しながら遊技を実施する構成となり、第2特別図柄の遊技結果が通常の大当りであっても、次回の大当りが保障されるため安心して遊技することが可能であり、中断する条件を確率変動状態となる大当りに限定した場合、射幸性の高さ(大量の獲得球を期待)も付加したものとなる。
従来の優先変動は、双方の特別図柄に変動を開始する条件(第1若しくは第2始動口に遊技球が入球し保留記憶が発生)が整った場合、遊技者に有利な特別図柄の変動を優先的に実施するという一律で遊技性に乏しいものであったが、上記した構成は、有利となる特別図柄を優先的に変動させる場合、不利となる特別図柄からの利益享受を含め、トータルで遊技者が多くの利益を得る(それをもって安心して遊技できる)ことを目的に、不利となる特別図柄の中断(若しくは/または中止)の判断が行われる構成である。
図6の説明に戻り、S62の判定によって、第1、第2特別図柄の変動表示が停止(変動表示の時間計測未実施)している場合、優先して第2特別図柄の変動開始処理が実施されており、これは本願発明における、優先変動手段1による第2特別図柄の変動表示中に、新たに第2始動口に遊技球が入球したとき、該変動表示中の第2特別図柄の変動表示終了後、第1特別図柄の変動表示の中断を継続し、該新たな第2始動口への遊技球の入球に起因した第2特別図柄の変動表示を開始する、にあたる処理となる。
次に図7について説明する。図7に示す処理の概要は、確率変動状態及び時短状態で開放延長機能が作動した場合に実施される処理であり、開放延長機能が作動中にも拘らず第2特別図柄の保留記憶がない場合の処理(第1特別図柄の変動に係る)となる。
図7では、図6S62の否定判定(S62:NO)から続いて、特図1中断フラグの値が0か否か判定する(S80)。肯定判定であれば(S80:YES)、第1保留記憶が格納されているか否か判定する(S81)。肯定判定であれば(S81:YES)、第1保留記憶を読み出し保留記憶領域のシフト処理を行う(S82)。第1保留記憶が複数個ある場合には、格納されてから最も時間が経過している保留記憶から読み出す。
S82に続いては、読み出した第1保留記憶の当否乱数が判定テーブルの当否判定値と一致するか否か判定する(S83)。この場合に用いる判定テーブルは、図6のS69で説明した内容と同一となる。肯定判定であれば(S83:YES)、第1保留記憶の確率変動乱数が確率変動判定テーブルと一致するか否か判定する(S84)。肯定判定であれば(S84:YES)、確率変動図柄の大当たり図柄となることを判断し、最終的に確定表示される第1特別図柄の確率変動図柄の種類を選択する(S85)。S84が否定判定であれば(S84:NO)、非確率変動図柄の大当たり図柄となることを判断し、第1特別図柄が最終的に確定表示される非確率変動図柄の種類を選択する(S86)。S85、S86の処理の後、開放延長機能作動時専用のテーブルから当たり用の変動パターンを選択する処理を行う(S87)。S83が否定判定であれば(S83:NO)、外れ表示として最終的に確定表示される第1特別図柄の外れ図柄の種類を選択する(S88)。次に開放延長機能作動時専用のテーブルから外れ用の変動パターンを選択する処理を行う(S89)。
S87、S89に続いては、上記処理により決定した確定図柄の種類と変動パターンを基に、第1特別図柄表示装置29上に第1特別図柄を表示制御する処理を行う(S90)。S90に続いては、サブ統合装置53に変動パターン指定コマンドを送信する処理を行う(S91)。
S80が否定判定なら(S80:NO)、変動時間計測を中断中の第1特別図柄の変動計時を再開する処理を行う(S92)。続いて、サブ統合装置53へ特図1中断再開指示コマンドを送信する処理を行い(S93)、特図1中断フラグの値に0をセットする。S94又はS91の処理の後、又はS81で否定判定(S81:NO)の後リターンに抜ける。
図6S72の否定判定に続く図7のS80からS94の処理は、第1特別図柄が中断中ならば変動(時間計測)を再開する処理となる。これは、優先変動手段1による第2特別図柄の変動開始後、新たに第2始動口への遊技球の入球が無い場合、(第2保留記憶が無い場合)中断した第1特別図柄の変動表示の経過計時を再開する処理である。
次に、第1特別図柄中断を表す、第1、第2特別図柄の変動例を、図8に示すタイムチャートを用いて説明する。開放延長機能作動時に、第1、第2特別図柄ともに保留記憶が無い状態において第1始動口に遊技球が入球すると(1a)、第1特別図柄の変動処理を実施する(1Aa)。上述した特別図柄変動処理では、図7のS81の肯定判定に続く処理の実施にあたる。
第1特別図柄が変動中に第2始動口に遊技球が入球すると(2a)、第1特別図柄の変動時間計時を中断し、第2始動口への入球(2a)に応じた第2特別図柄の変動処理を実施する(2A)。この時点で第1特別図柄の変動表示を進行する内部処理が中断し、優先して第2特別図柄の変動表示を行う優先変動手段1が実行されたことになる。
第2特別図柄の2Aの変動は、第2始動口入球時に取得した乱数値に応じて所定時間の変動表示を行い、該変動表示中に新たに第2始動口に遊技球が入球(2b)した場合、第2保留記憶として入球時に取得した各種乱数値を記憶し、2Aの変動が終了後(確定表示時間を含む)、1Aaの第1特別図柄の変動はそのまま中断を継続し、第2始動口への2bの入賞に応じた第2特別図柄の変動表示(2B)を実施する。
第2特別図柄の2Bの変動中に新たに第2始動口に遊技球が入球した場合は、2Aの変動時に入賞した時と同様に入球時に取得した各種乱数値を第2保留記憶として記憶し、2Bの変動が終了後に、第2特別図柄の変動表示を開始する。以降も第2始動口への新たな入賞に応じた第2保留記憶があれば、第1特別図柄の変動中断(変動時間計時の中断)を継続し第2特別図柄の変動表示(第2始動口入球に応じた結果表示)を優先して実施する。
第2特別図柄の変動表示(2B)が終了する時点で第2保留記憶が無い場合、中断していた第1特別図柄の変動時間時計を再開し(1Ab)、記憶していた残りの変動時間が経過すると第1特別図柄の変動を終了する。
以上が実施例1の説明となる。上記した特別図柄変動処理によって、通常状態時、開放延長機能作動時ともに、遊技者に有利となる第2特別図柄に保留記憶があれば、各始動口への遊技球の入球順と第1特別図柄の保留記憶の有無に拘らず、第2特別図柄の変動表示を優先して実施するが、更に開放延長機能作動時においては、第1特別図柄が変動表示の最中であっても第2始動口に遊技球が入球すると、変動中の第1特別図柄の変動表示(変動時間計時)を中断し、該第2始動口への遊技球の入球に応じた第2特別図柄の変動表示を開始する(優先変動手段1)。優先変動手段1による第2特別図柄の変動中も、第2保留記憶が有れば優先して第2特別図柄の変動表示を行い、第2保留記憶が無くなると、中断していた第1特別図柄の変動表示(変動時間の計時)を再開することになる。
この構成により、開放延長機能の作動によって遊技者が当然享受すべき特典を更に優先して享受することが可能となり、遊技者が不利益を被ることを防ぐ効果を生むと伴に、遊技者に有利な特別図柄の変動表示を効率的に(変動開始までの待ち時間がなく)実施することが可能となる。本実施例において優先変動手段1は開放延長機能作動時に実施したが、開放延長機能未作動時となる通常状態時に実施する構成としても何ら問題ない。
また、本実施例では優先変動手段1によって第2特別図柄の変動が開始されると、該変動中に第2保留記憶が発生すれば、第1特別図柄の変動時間の計時中断を継続し、該第2保留記憶に応じた第2特別図柄の変動表示を開始するが、該第1特別図柄の変動を中断させることとなった1回目の第2特別図柄の変動が終了した時点で、第2保留記憶に応じた第2特別図柄の変動を開始せず、第1特別図柄の変動(変動時間の計時)を再開する構成としても良い。
この構成(第2保留記憶がある場合に第1特別図柄の中断中の変動を再開)とする場合、優先変動手段1による第2特別図柄の変動表示が終了時、第2保留記憶の記憶数を参照し、中断中の第1特別図柄の変動表示(変動時間の計時)を再開する構成とするのが好適である。具体的には、優先変動手段1の実施中(第1特別図柄の変動表示時間の計時中断中)の第2特別図柄の変動終了時に、第2保留記憶の記憶数が所定数以上(例えば3個以上)ならば中断していた第1特別図柄の変動を再開するといった構成である。
この構成は、遊技者に有利となる第2特別図柄の連続した変動を確保した状態、言い換えると、再開した第1特別図柄の変動終了後、第2特別図柄の変動(連続した)が途切れて遊技者に不利となる第1特別図柄が変動を開始することが無い状態、となった場合に、中断状態の第1特別図柄の変動を再開することになる。従って、遊技者に有利な第2特別図柄の変動の担保を保持しながら、不利な変動(変動を行うのであればハズレ)を消化するという遊技者にとって安心できる効率的な遊技が可能となる。