以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1の機械的構成について、図1乃至図3を参照して説明する。図1は、パチンコ機1の正面図であり、図2は、遊技盤2の正面図であり、図3は、図柄表示装置8の拡大図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠11で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、前面枠11の上部には、左右方向の略全長に亘って前側に膨出するように照明装置35が形成されており、前面枠11の上部の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示画面28、時短状態の当落等を遊技者に報知する回転ドラム10、各種ランプ、LED等を備えた図柄表示装置8が設けられている。この図柄表示装置8の左方には普通図柄始動ゲート12が設けられており、普通図柄始動ゲート12の下方には普通電動役物13が設けられている。また、図柄表示装置8の下方には第二大入賞口17が、さらに第二大入賞口17の下方には第一大入賞口16が設けられている。尚、普通電動役物13、第一大入賞口16、及び第二大入賞口17には所定のタイミングで開放される開閉部材が設けられている。そして、開閉部材が開放された場合(普通電動役物13、第一大入賞口16、及び第二大入賞口17が開放された場合)のみ遊技球の入賞が可能となっており、開閉部材の閉鎖時(普通電動役物13、第一大入賞口16、及び第二大入賞口17の閉鎖時)には遊技球は入賞できない。
そして、第二大入賞口17の左方には、遊技盤2を流下する遊技球を2つの大入賞口16,17へ向けて誘導する遊技球誘導部材22が設けられている。また、第一大入賞口16の左方には普通入賞口18,19,20が、右方には普通入賞口21が設けられている。尚、遊技盤2には、上記以外に種々の電飾ランプやその他の電飾用LED、風車及び多数の遊技釘等が設けられている。
次に、図柄表示装置8について、図3を参照して説明する。図3に示すように、図柄表示装置8は中央に液晶画面である表示画面28を備えている。この表示画面28には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に普通当たり判定の結果を報知するために、表示領域内に横並びに3つのデモ図柄表示部が設けられている。また、普通当たり遊技中には、次の普通当たり判定が時短状態中(普通当たり高確率状態中)に行われるか否かが、表示画面28、スピーカ48、及び照明装置35等により遊技者に報知される。
そして、表示画面28の上方には回転ドラム10が配設されている。この回転ドラム10は、普通当たり遊技中でない場合には、普通当たりとなる可能性があることを示す「CHANCE」、普通当たりと判定されたことを示す「V」、及び機種名のロゴのいずれかを表示させることで、普通当たり判定に対する遊技者の興趣を惹き付ける。そして、普通当たり遊技中に所定の条件を満たすと、表示画面28による報知よりも早い段階で、次の普通当たり判定が時短中に行われることを示す「V」を表示させることができる。この詳細は後述する。
また、図柄表示装置8には、表示画面28の下方に4つのLEDからなる普通図柄記憶数表示LED59が設けられており、その右方には1つのLEDからなる普通図柄表示部24が設けられている。そして、普通図柄表示部24は点灯状態が普通当たりの当選、消灯状態が落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たり判定の結果を報知することを示す変動状態とされている。また、普通図柄記憶数表示LED59には、普通図柄始動ゲート12(図2参照)を通過し、普通図柄表示部24に普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂普通図柄作動保留球数が、点灯するLEDの個数により表示される。
また、表示画面28の上方には4つのLEDからなる特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、さらにその上方には、2つの7セグメントから構成される特別図柄表示部25が設けられている。特別図柄表示部25には、7セグメントにより表示可能なアルファベットや数字、又はこれらの組み合わせからなる特別図柄が表示される。この特別図柄には、その組み合わせ毎に「大当たり特別図柄」及び「はずれ特別図柄」のいずれかがあらかじめ定められており、「大当たり特別図柄」にはさらに「確率変動図柄」及び「非確率変動図柄」のいずれかが定められている。また、特別図柄記憶数表示LED60は、普通電動役物13(図2参照)へ入賞し、特別図柄表示部25に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂特別図柄作動保留球数を、点灯するLEDの数によって表示する。
ここで、本実施の形態のパチンコ機1における遊技及び演出について説明する。パチンコ機1では、遊技球が普通図柄始動ゲート12を通過すると、普通当たり判定が行われる。本実施の形態では、普通当たり判定において「当たり」と判定される確率が5/719である普通当たり低確率状態(非時短状態)、及び718/719である普通当たり高確率状態(時短状態)を生起させることができる。この普通当たり判定の判定結果が「当たり」であれば、パチンコ機1が普通当たり状態となり、普通電動役物13が開放されて、普通電動役物13への遊技球の入賞が可能な状態となる。この普通電動役物13は、所定時間(4.5秒)が経過するか、遊技球が5個入賞するかのいずれかの条件が満たされると閉鎖される。ここで、普通当たり判定の結果は普通図柄表示部24に表示され、さらに、表示画面28のデモ図柄表示部に表示される。デモ図柄表示部は、普通図柄表示部24よりも遊技者の目を惹くように構成されており、さらに、表示画面28の背景画面や照明装置35、スピーカ48等による演出と同期して普通当たり判定の結果を報知し、遊技者の関心や期待感を高めている。
次いで、普通電動役物13へ遊技球が入賞すると、大当たり判定が行われる。本実施の形態では、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が2009/2011である大当たり低確率状態(通常状態)、及び2010/2011である大当たり高確率状態(確率変動状態)を生起させることができる。この大当たり判定の結果が「大当たり」であれば、パチンコ機1が大当たり遊技状態となり、第一大入賞口16及び第二大入賞口17が1回ずつ順に開放される大当たり遊技が実施されて、第一大入賞口16及び第二大入賞口17への遊技球の入賞が可能な状態となる。そして、特別図柄作動保留球数の最大数は「4」であるため、普通当たり判定によって1回「当たり」と判定される毎に、最大で5回の大当たり遊技が行われることとなる。尚、開放された第一大入賞口16及び第二大入賞口17は共に、所定時間が経過するか、若しくは遊技球が1個入賞すると閉鎖される。
また、大当たり判定において「大当たり」と判定された場合には、選択された特別図柄により、その大当たりが確率変動大当たりであるか、非確率変動大当たりであるかが判定される。「大当たり」と判定された場合に、「確率変動図柄」が選択されて確率変動大当たりと判定される確率は81/84である。そして、確率変動大当たりと判定された場合には、次回の特別図柄の変動後の停止表示時間が終了するまで継続する確率変動状態及び時短状態を、大当たり遊技の終了後に同時に生起させる(この遊技状態を「確率変動時短状態」とする)。一方で、非確率変動大当たりと判定された場合には、先述した通常状態及び非時短状態を生起させる(この遊技状態を「通常状態」とする)。
従って、普通当たり判定において「当たり」と判定され、普通電動役物13へ遊技球が入賞すると、2009/2011又は2010/2011の確率で「大当たり」と判定される。そして、この大当たりが81/84の確率で判定される確率変動大当たりであり、その後に生起される時短状態中に普通当たり判定が行われた場合には、718/719の確率ですぐに次の普通当たり遊技、及び最大5回の大当たり遊技が行われることになる。すなわち、普通当たり遊技及び大当たり遊技が連続する。この詳細は、フローチャートを参照して後述する。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と、普通電動役物13に入賞した遊技球を検出するための始動口スイッチ72と、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73とが接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中継基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中継基板47には、普通電動役物13の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド69、第一大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する第一大入賞口開放ソレノイド70、第二大入賞口17の開閉部材を開放・閉鎖する第二大入賞口開放ソレノイド71、第一大入賞口16に入賞した遊技球を検出するための第一大入賞口スイッチ75、第二大入賞口17に入賞した遊技球を検出するための第二大入賞口スイッチ76、普通入賞口18〜21に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ77、普通図柄表示部24、特別図柄表示部25、普通図柄記憶数表示LED59、及び特別図柄記憶数表示LED60が接続されている。そして、中継基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継と、主基板41から直接制御される表示部等への中継とを行っている。尚、普通電動役物13、第一大入賞口16、第二大入賞口17、及び普通入賞口18〜21に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
次いで、サブ統合基板58、演出制御基板43、及び電飾基板46について説明する。サブ統合基板58には、CPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、電飾基板46、及びスピーカ48に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行っている。また、演出制御基板43はCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵しており、表示画面28の制御を行っている。また、電飾基板46にはCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、照明装置35と、回転角度を把握しつつ回転ドラム10を回転させるステッピングモータ38と、回転ドラム10の原点位置を検出する磁気センサ39とが接続されている。そして、サブ統合基板58から送信されるコマンドに基づいて、照明装置35の発光態様の制御と、回転ドラム10の回転制御とを行っている。
次いで、電源基板42について説明する。電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給している。遊技球発射装置37は、図示外の発射モータや、発射ハンドル7に設けられたタッチセンサ、発射装置停止スイッチ、及び発射強弱調整ボリューム等からなり、一定間隔(本実施の形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域へ発射する。
次に、主基板41のROM53の記憶エリアについて説明する。ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア、特別図柄表示部25に表示する特別図柄の組み合わせを記憶する特別図柄組み合わせパターン記憶エリア、普通当たり判定の判定結果を報知する際の変動パターンに関するテーブル等の情報が記憶されている普通図柄変動パターン記憶エリア、普通当たり判定、大当たり判定、及び特別図柄の決定等が行われる際に参照される各種テーブルを記憶する判定テーブル記憶エリア等が設けられている。さらに、ROM53には各種の記憶エリアが設けられている。
次に、主基板41のRAM52の記憶エリアについて、図5を参照して説明する。図5は、主基板41のRAM52の記憶エリアを示す概念図である。図5に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、普通図柄始動ゲート12や各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、普通電動役物13への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等へ出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208等が設けられている。さらに、RAM52には図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶される各カウンタについて説明する。RAM52に記憶されるカウンタには、乱数を取得するための乱数取得カウンタ、時間を計測するためのタイマカウンタ、入賞球数を計数するための入賞球数カウンタ等がある。
まず、乱数取得カウンタについて説明する。乱数取得カウンタとしては、普通当たり判定カウンタ、変動パターン決定カウンタ、大当たり判定カウンタ、当たり特別図柄作成カウンタ等がある。これらのカウンタの値は、割込信号発生回路57(図4参照)からの割込信号に基づいて実行されるメイン処理のカウンタ更新処理(S12、図8参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば「1」)ずつ加算される。また、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値までの範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。そして、更新により値が一巡して初期値と同じ値となる毎に、新たな初期値が取得され、その初期値に対して「1」ずつの加算が行われる。この新たな初期値の決定には、所定のアルゴリズムにより乱数を発生させる初期値乱数処理によって生成された乱数が用いられる。尚、これらの乱数取得カウンタは、後述するメイン処理の普通図柄処理(図9及び図10参照)、及び特別図柄処理(図12及び図13参照)において使用される。
次いで、タイマカウンタについて説明する。タイマカウンタは時間を計測するために使用されるカウンタであり、時間の計測開始時に初期値として所定の値が記憶される。例えば、1秒を計測する場合には初期値として「500」が記憶される。そして、割込信号発生の間隔である2ms毎に行われるカウンタ更新処理(S12、図8参照)において「1」ずつ減算されて、値が「0」でなければ時間の計測中であると判断され、値が「0」となることで所定時間が経過したと判断される。また、タイマカウンタの値は、「0」となった後は更新されないようにプログラムされている。尚、本実施の形態では多数のタイマカウンタが使用されているが、個々のタイマカウンタについての説明は後述する。
次いで、入賞球数カウンタについて説明する。入賞球数カウンタは、可変入賞口が1回の開閉動作を行う間に、この可変入賞口へ入賞した遊技球の個数を計数するために使用される。このカウンタの初期値は「0」であり、後述するメイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において入賞が検出される毎に「1」加算される。そして、可変入賞口が閉鎖すると初期化される。
次に、普通当たり関係情報記憶エリア5203について、図6を参照して説明する。図6は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。この普通当たり関係情報記憶エリア5203は、後述するメイン処理の普通図柄処理(図9及び図10参照)において使用される。図6に示すように、普通当たり関係情報記憶エリア5203には、判定エリア、及び第一〜第四記憶エリアが設けられている。そして、第一〜第四記憶エリアには、普通図柄始動ゲート12を通過し、まだ普通当たり判定の結果の報知がされていない遊技球(普通図柄作動保留球数)の取得した乱数が記憶される。また、判定エリアには、現在行われている普通当たり判定の結果報知や、普通当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。
この判定エリア及び第一〜第四記憶エリアのそれぞれには、普通当たり判定カウンタの値が記憶される普通当たり乱数欄、及び変動パターン決定カウンタの値が記憶される変動パターン決定乱数欄が設けられている。そして、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると、RAM52の普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値に対応する記憶エリアに各値が記憶され、この値に基づいて普通当たり判定や、デモ図柄及び普通図柄の変動パターンの決定が行われる。そして、判定エリアに記憶されている値に対する処理が終了したら、第一記憶エリアに記憶されている値が判定エリアにシフトされ、この値に基づいて普通当たり判定等の処理が行われる。これに伴い、第二〜第四記憶エリアの各値が1つ番号の若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。すなわち、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。従って、普通図柄作動保留球数の上限は4つであり、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値は「4」より大きい値を取ることはない。
次に、大当たり関係情報記憶エリア5205について、図7を参照して説明する。図7は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。この大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメイン処理の特別図柄処理(図12及び図13参照)において使用される。図7に示すように、大当たり関係情報記憶エリア5205には、先述した普通当たり関係情報記憶エリア5203と同様に判定エリア及び第一〜第四記憶エリアが設けられており、第一〜第四記憶エリアには、普通電動役物13に入賞し、まだ大当たり判定の結果が報知されていない遊技球(特別図柄作動保留球)の取得した乱数が記憶される。また、判定エリアには、現在行われている大当たり判定の結果報知や、大当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。
この判定エリア及び第一〜第四記憶エリアのそれぞれには、大当たり判定カウンタの値が記憶される大当たり乱数欄と、当たり特別図柄作成カウンタの値が記憶される当たり特別図柄決定乱数欄とが設けられている。そして、普通電動役物13への遊技球の入賞が確認されると、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する記憶エリアに各値が記憶され、この値に基づいて大当たり判定や特別図柄の決定が行われる。尚、決定された特別図柄により、大当たり判定終了後に生起する遊技状態を確率変動時短状態とするか、通常状態とするかが決定されるが、この詳細は後述する。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の主基板41による動作の詳細について、図8乃至図13を参照して説明する。図8は、主基板41におけるメイン処理のフローチャートである。また、図9及び図10は、メイン処理の中で行われる普通図柄処理のフローチャートであり、図11は、メイン処理の中で行われる普通電動役物処理のフローチャートである。また、図12及び図13は、メイン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリアに記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は、一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
まず、主基板41で行われるメイン処理について、図8を参照して説明する。図8に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、コマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等に出力される。制御コマンドには、決定された普通図柄の変動パターンを指示するコマンド、普通図柄を停止させるタイミングを指示するコマンド、電動役物の開閉タイミングを指示するコマンド、大当たり判定の結果をサブ統合基板58に通知するコマンド、特別図柄作動保留球数をサブ統合基板58に通知するコマンド等、多数のコマンドがある。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶されたコマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12、普通電動役物13、第一大入賞口16、第二大入賞口17、普通入賞口18〜21への遊技球の入賞を検知する処理が行われる。遊技球の入賞を検知する各スイッチにより入賞が検知された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグがONとされる。そして、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。また、普通電動役物13及び大入賞口16,17が閉鎖すると、1.9秒の有効検出時間の計測が開始され、この有効検出時間の計測が終了した場合には、スイッチによる入賞の検出は無効となる。すなわち、スイッチによる入賞の検出が有効な時間は、開閉部材が開放されてから、閉鎖後に計測される有効検出時間が経過するまでの間となっている。これにより、遊技球が実際に電動役物に入り込む時間と、電動役物の内部に設けられたスイッチが遊技球を検出する時間との差を考慮しつつ、故障や不正による電動役物への入賞を無効とすることができる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。先述したように、このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶されている乱数取得カウンタの各値が所定量だけ加算され、タイマカウンタの各値が所定量だけ減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、第一大入賞口16及び第二大入賞口17の開閉動作を指示するための大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド等の制御コマンドを送信するための処理が行われる。これにより、大当たり遊技中には第一大入賞口16及び第二大入賞口17が1回ずつ開閉される。そして、大入賞口16,17の開閉動作が終了すると、大当たり判定時に決定されている当たり特別図柄が確率変動図柄であるか否かに応じて、遊技状態を決定するための確率変動フラグ及び時短中フラグの値が制御される。その後、大当たり遊技状態フラグが「OFF」とされて大当たり遊技を終了する。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。この特別図柄処理では、大当たりの判定、特別図柄表示部25に表示される特別図柄の決定、大当たりの判定結果や特別図柄作動保留球数をサブ統合基板58に通知するためのコマンドの記憶、特別図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。この特別図柄処理については、図12及び図13に示すフローチャートを参照して後述する。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通電動役物13を開閉する動作を制御するための処理が行われるが、この詳細は、図11に示すフローチャートを参照して後述する。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、スイッチ読込処理(S11)にて普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「ON」となっている場合に普通当たり乱数が取得され、普通当たりの判定、表示画面28に表示されるデモ図柄の変動パターンの決定、デモ図柄及び普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶、普通当たり遊技状態であるか否かを示す普通当たり遊技状態フラグを「ON」とする処理等が行われる。この普通図柄処理については、図9及び図10に示すフローチャートを参照して後述する。
次いで、賞品球の払い出しを行う払出処理(S17)、及びエラーチェック(S18)が行われる。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、照明装置35を点灯・点滅させたり、スピーカ48にエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。次いで、情報出力処理(S19)において、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
ここで、ある遊技球が普通図柄始動ゲート12を通過して普通当たりと判定された場合のパチンコ機1の動作を例に挙げて、メイン処理の一連の流れを説明する。遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に発射すると、遊技球は遊技領域4を流下する。その遊技球が普通図柄始動ゲート12を通過すると、スイッチ読込処理において遊技球の通過が検出され、入賞球フラグ記憶エリア5202の対応するフラグが「ON」とされる(S11)。そして、普通図柄及び表示画面28内のデモ図柄が停止し、普通当たりを示す図柄が表示される。普通当たり図柄の停止表示時間が経過すると、フラグ関係記憶エリア5208の普通当たり遊技状態フラグが「ON」とされる(S16)。すると、次に実施されるメイン処理の普通電動役物処理(S15)で、普通電動役物13を開放させるコマンドが記憶される。そして、繰り返しメイン処理が実施される中で、普通電動役物13への5個の遊技球の入賞を検知するか、若しくは所定の開放時間(4.5秒)が経過すると、普通電動役物13を閉鎖させるコマンドが記憶される。
そして、普通電動役物13への遊技球の入賞がスイッチ読込処理(S11)で検出され、対応するフラグが「ON」とされると、特別図柄処理(S14)において大当たり判定及び特別図柄の決定が行われ、特別図柄の変動に関する処理が行われる。この大当たり判定において「大当たり」と判定される確率は2009/2011若しくは2010/2011である。大当たりと判定されると、フラグ関係記憶エリア5208の大当たり遊技状態フラグが「ON」とされるので、次に実施されるメイン処理の特別電動役物処理(S13)において、2つの大入賞口16,17を開閉させるコマンドが記憶される。そして、決定された特別図柄が確率変動図柄である場合、すなわち「確率変動大当たり」である場合には、大当たり遊技状態終了後に確率変動フラグ及び時短中フラグが共に「ON」とされる。時短中フラグが「ON」である際に次の普通当たり判定が行われると、718/719の確率で再び普通当たりとなるため(S16)、時短中フラグが「OFF」である場合(普通当たり確率5/719)よりも短い時間間隔で次の普通電動役物13の開放(S15)、及び大当たり判定が行われる機会の発生(S14)が見込まれる。すなわち、時短中フラグが「ON」である場合には、「OFF」である場合よりも短い時間間隔で普通当たりと大当たりとが連続して発生し、遊技者に多数の遊技球が払い出される。
次に、メイン処理の普通図柄処理(S16)の詳細について、図9及び図10を参照して説明する。はじめに、普通図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ関係記憶エリア5208には、普通図柄表示状態フラグ、普通当たり遊技状態フラグ、時短中フラグ等が記憶されている。普通図柄表示状態フラグは普通図柄表示部24の状態を示すフラグであり、普通図柄表示部24が変動している場合(変動中)には「1」、停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、変動中でも停止表示中でもない場合には「0」が記憶されている。また、普通当たり遊技状態フラグは、普通当たり遊技状態である場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。また、時短中フラグは、「確率変動時短状態」が生起される際に「1」が記憶されて「ON」となり、「通常状態」が生起される際に「0」が記憶されて「OFF」となる。尚、時短中フラグが「ON」となっている確率変動時短状態中(時短中)には、通常状態中(非時短中)に比べて普通図柄の変動時間が短くなり、且つ普通当たり判定において「普通当たり」と判定される確率が通常状態中よりも高くなる。また、各フラグの初期値はいずれも「0」である。
図9に示すように、メイン処理の普通図柄処理が開始されると、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過に関する処理が行われる。まず、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過したか否かが判断される(S21)。メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、普通図柄始動ゲート12に設けられている普通図柄作動スイッチ73が遊技球の通過を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「ON」となっている。そこで、S21ではこの普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断が行われ、「ON」でない場合には(S21:NO)、遊技球は普通図柄始動ゲート12を通過していないので、そのままS25の判断へ移行する。
普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「ON」である場合には(S21:YES)、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過しているので、その遊技球についての乱数が取得されて普通当たり関係情報記憶エリア5203に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる普通図柄作動保留球の数は4個である。そこで、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S22)。普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS25の判断へ移行する。
普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値に「1」が加算される(S23)。そして、普通当たり関係情報記憶エリア5203(図6参照)のうち、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S24)。具体的には、普通当たり乱数欄には普通当たり判定カウンタの値が記憶され、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が記憶される。
次いで、普通当たり遊技状態フラグにより、普通当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S25)。普通当たり遊技状態である場合には、普通当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、普通当たり遊技状態フラグが「ON」であり、普通当たり遊技状態である場合には(S25:YES)、何もせずにメイン処理へ戻る。
普通当たり遊技状態フラグが「ON」でない場合には(S25:NO)、普通当たり遊技状態でないので、普通図柄表示部24の制御に関する処理が行われる。まず、普通図柄表示状態フラグにより、普通図柄表示部24が変動中であるか否かの判断が行われる(S26)。普通図柄表示状態フラグが「1」でなく、変動中でない場合には(S26:NO)、普通図柄表示状態フラグにより停止表示中であるか否かの判断が行われる(S27)。普通図柄表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でない場合には(S27:NO)、普通当たり判定が行われる。
そこで、図10のフローチャートに示すように、普通当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S28)。普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「1」以上でなければ(S28:NO)、普通当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S28:YES)、普通当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「1」減算され(S29)、普通当たり関係情報記憶エリア5203に記憶されている値がシフトされる。すなわち、第一記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、第二〜第四記憶エリアに記憶されている乱数が番号の1つ若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる(S30)。
次いで、普通当たり判定が行われる。普通当たり判定は、確率変動時短状態中であるか否か、すなわち、時短中であるか否かに応じて、判定エリアの普通当たり乱数欄に記憶されている値を用いて行われる。尚、時短中であるか否かを示す時短中フラグは、特別電動役物処理、及び後述する特別図柄処理において「ON」・「OFF」の切り替えが行われている。時短中フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている時短中であれば(S31:YES)、普通当たりとして決められている特定の値の数が非時短中のテーブルよりも多い高確率の普通当たり判定テーブル(図示外)が参照されて、普通当たり判定が行われる(S32)。
次いで、「普通当たり」と判定された場合には(S33:YES)、時短中に普通当たりと判定された際の変動パターン決定処理が行われる(S34)。具体的には、まず、時短中における普通当たり時の変動パターン決定テーブル(図示外)が参照されて、普通当たり関係情報記憶エリア5203の判定エリアに記憶されている変動パターン決定乱数により変動パターンが1つ決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。この変動パターン指定コマンドは、コマンド出力処理(S10、図8参照)においてサブ統合基板58及び中継基板47に送信され、決定された変動パターンを指定すると共に、表示画面28内のデモ図柄表示部及び普通図柄表示部24の変動開始の指示を行う。また、普通当たり判定において「普通当たり」と判定されなかった場合には(S33:NO)、時短中における普通当たり判定がはずれであった際の変動パターン決定テーブルが参照されて変動パターンが決定され、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S35)。
一方で、時短中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となっている非時短中、すなわち、普通当たり低確率状態中である場合には(S31:NO)、普通当たりとして決められている特定の値が時短中のテーブルよりも少ない低確率の普通当たり判定テーブルが参照されて、普通当たり判定が行われる(S36)。次いで、「普通当たり」と判定された場合には(S37:YES)、非時短中における普通当たり時の変動パターン決定テーブルが参照されて変動パターンが決定され、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S38)。また、「普通当たり」と判定されなかった場合には(S37:NO)、非時短中における普通当たり判定がはずれであった際の変動パターン決定テーブルが参照されて変動パターンが決定され、決定された変動パターン指定コマンドが記憶される(S39)。
次いで、決定された変動パターンにより決められている普通図柄の変動時間が、普通図柄変動時間カウンタTC1に記憶される(S40)。この変動時間は変動パターン毎にあらかじめ設定されている。本実施の形態では、時短中の変動パターンは全て変動時間が2秒に設定されているのに対し、非時短中の変動パターンは複数の変動時間が変動パターン毎に割り当てられているが、変動時間の設定は適宜変更が可能である。そして、普通図柄表示部24が変動中であることを示す「1」が普通図柄表示状態フラグに記憶されて(S41)、普通図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、図9のフローチャートに示すS26の判断において、普通図柄表示状態フラグに「1」が記憶されており、普通図柄表示部24が変動中であると判断された場合には(S26:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S47)。この判断は、普通図柄変動時間カウンタTC1の値により行われる。S40(図10参照)でセットされた普通図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」となった場合には、普通図柄の変動時間が経過したので(S47:YES)、コマンド関係記憶エリア5207に普通図柄停止コマンドが記憶される(S48)。この普通図柄停止コマンドは、コマンド出力処理(S10、図8参照)においてサブ統合基板58及び中継基板47へ送信され、表示画面28内のデモ図柄表示部及び普通図柄表示部24の停止を指示する。そして、所定の停止表示時間(本実施の形態では0.8秒)が普通図柄停止時間カウンタTC2に記憶され(S49)、普通図柄表示部24が停止表示中であることを示す「2」が普通図柄表示状態フラグに記憶される(S50)。そして、普通図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、S47の判断において、普通図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S47:NO)、普通図柄表示部24の変動が継続される。そこで、そのままメイン処理へ戻る。
また、S27の判断において、普通図柄表示状態フラグに「2」が記憶されており、普通図柄表示部24が停止表示中であると判断された場合には(S27:YES)、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S51)。この判断は、普通図柄停止時間カウンタTC2の値により行われる。S49でセットされた普通図柄停止時間カウンタTC2の値が、カウンタ更新処理(S12、図8参照)において減算されて「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S51:YES)、普通図柄表示部24が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が普通図柄表示状態フラグに記憶される(S52)。
そして、普通当たり乱数があらかじめ「普通当たり」と決められた乱数である場合には(S53:YES)、RAM52のフラグ関係記憶エリア5208に記憶されている普通当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ(S54)、表示画面28に普通当たり開始画面を表示させるための普通当たり開始画面表示コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶されて(S55)、普通図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。この普通当たり遊技状態フラグは、後述する普通電動役物処理(図11参照)において、普通電動役物13を開閉させる処理を行うか否かを判断する際に使用される。また、普通当たりでない場合には(S53:NO)、そのまま普通図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。また、S51の判断において、普通図柄停止時間カウンタTC2の値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していないと判断された場合には(S51:NO)、普通図柄表示部24には引き続き図柄が停止表示される。そこで、そのままメイン処理へ戻る。
以上説明したように、遊技球が普通図柄始動ゲート12を通過すると(S21:YES)、乱数が取得され(S24)、時短中であるか否かに応じて普通当たり判定が行われて(S32,S36)、変動パターンが決定され、変動パターン指定コマンドが記憶される(S34,S35,S38,S39)。そして、繰り返しメイン処理が実行される中で、普通図柄処理も繰り返し実施され、変動時間が経過すると(S26:YES、S47:YES)、普通図柄停止コマンドが記憶される(S48)。さらに普通図柄処理が繰り返し実行され、停止表示時間が経過すると(S27:YES、S51:YES)、普通当たり判定の判定結果の報知を終了し、普通当たりであった場合には(S53:YES)、普通当たり遊技状態へ移行するために普通当たり遊技状態フラグが「ON」とされ(S54)、普通当たりの開始がサブ統合基板58に通知されて(S55)、メイン処理へ戻る。
次に、メイン処理の普通電動役物処理(S15)の詳細について、図11を参照して説明する。まず、普通電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。ここで使用される主なフラグとして、普通電動役物開放中フラグ及び普通図柄変動待機中フラグがある。普通電動役物開放中フラグは普通電動役物13が開放中であるか否かを示すフラグであり、普通電動役物13の開放中には「1」が記憶されて「ON」となり、閉鎖中には「0」が記憶されて「OFF」となる。また、普通図柄変動待機中フラグは、普通電動役物13が閉鎖されてから次の普通図柄の変動を可能とするまでの待機時間中であるか否かを示すフラグであり、変動待機中には「1」が記憶されて「ON」となり、変動待機中でなければ「0」が記憶されて「OFF」となる。尚、初期値は共に「0」である。
図11に示すように、メイン処理の普通電動役物処理が開始されると、普通当たり遊技状態フラグにより、普通当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S61)。普通当たり遊技状態でない場合には、普通電動役物13の開放・閉鎖は行われない。そこで、普通当たり遊技状態フラグが「OFF」であり、普通当たり遊技状態でない場合には(S61:NO)、そのままメイン処理へ戻る。
一方で、普通当たり遊技状態フラグが「ON」であり、普通当たり遊技状態である場合には(S61:YES)、普通電動役物13の開放・閉鎖に関する処理が行われる。まず、普通図柄変動待機中フラグにより、普通図柄の変動待機中であるか否かの判断が行われる(S62)。普通図柄変動待機中フラグが「OFF」であり、変動待機中でない場合には(S62:NO)、普通電動役物開放中フラグにより普通電動役物13が開放中であるか否かの判断が行われる(S63)。普通電動役物開放中フラグが「OFF」であり、普通電動役物13がまだ開放されていなければ(S63:NO)、普通電動役物13を開放させるための普通電動役物開放コマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S64)。そして、普通電動役物13の最大開放時間(4.5秒)が普通電動役物開放時間カウンタTC3に記憶され(S65)、普通電動役物13が開放中であることを示す「1」が普通電動役物開放中フラグに記憶されて「ON」とされる(S66)。
次いで、普通電動役物入賞球数カウンタの値が5であるか否かの判断が行われる(S67)。メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)では、普通電動役物13へ遊技球が入賞する毎に、普通電動役物入賞球数カウンタの値に「1」が加算される。この普通電動役物入賞球数カウンタの値が5未満、すなわち「0」〜「4」であれば(S67:NO)、S65の処理でセットされた普通電動役物開放時間カウンタTC3により、普通電動役物13の最大開放時間が経過したか否かの判断が行われる(S68)。4.5秒の最大開放時間が経過していなければ(S68:NO)、そのままメイン処理へ戻る。
そして、その後に行われるメイン処理の普通電動役物処理で、普通当たり遊技状態であり(S61:YES)、普通図柄の変動待機中でなく(S62:NO)、普通電動役物13が開放中である場合には(S63:YES)、入賞球数が「5」となるか、若しくは普通電動役物13の最大開放時間が経過するまで、繰り返しこれらの判断が行われる(S67:NO、S68:NO)。そして、入賞球数が「5」となった場合(S67:YES)、若しくは4.5秒の開放時間が経過した場合には(S68:YES)、普通電動役物13を閉鎖させる処理が行われる。そこで、普通電動役物13を閉鎖させるための普通電動役物閉鎖コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S69)。次いで、次の普通図柄の変動を可能とするまでの待機時間(23.2秒)が普通図柄変動待機時間カウンタTC4に記憶され(S70)、普通電動役物入賞球数カウンタの値が初期値である「0」に初期化される(S71)。次いで、フラグ関係記憶エリア5208の普通電動役物開放中フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ(S72)、普通図柄の変動待機中であることを示す「1」が普通図柄変動待機中フラグに記憶されて「ON」とされる(S73)。そして、メイン処理へ戻る。
また、普通図柄変動待機中フラグが「ON」であり、普通図柄の変動待機中である場合には(S62:YES)、普通図柄変動待機時間カウンタTC4の値により、待機時間が経過したか否かの判断が行われる(S74)。普通図柄変動待機時間カウンタTC4の値が「0」でなく、待機時間の計測中であると判断された場合には(S74:NO)、そのままメイン処理へ戻る。そして、繰り返しメイン処理が行われる中で時間が経過し、普通図柄変動待機時間カウンタTC4の値が「0」となって待機時間が経過したと判断された場合には(S74:YES)、フラグ関係記憶エリア5208の普通当たり遊技状態フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ(S75)、普通図柄変動待機中フラグが変動待機中でないことを示す「OFF」とされて(S76)、普通電動役物処理を終了し、メイン処理へ戻る。
以上説明したように、普通当たり判定の結果が「普通当たり」であり、普通当たり遊技状態となると(S61:YES)、普通電動役物13が開放される(S64)。そして、5個の遊技球の入賞を検知するか(S67:YES)、若しくは4.5秒の最大開放時間が経過すると(S68:YES)、普通電動役物13が閉鎖される(S69)。しかし、普通当たり遊技状態フラグは、その時点から計測される23.2秒の待機時間が経過するまで引き続き「ON」とされ(S74:NO)、待機時間が経過した時点で「OFF」とされる(S74:YES、S75)。ここで、先述したように、普通当たり遊技状態フラグが「ON」となっている場合は普通当たり判定が行われないため、普通当たり関係情報記憶エリア5203(図6参照)の第一記憶エリアに乱数が記憶されている場合でも、普通電動役物13の閉鎖後23.2秒間は普通当たり判定が行われないこととなる。そして、この23.2秒間の待機時間の長さは、特別図柄の変動・停止及び大当たり遊技の消化に必要となり得る最長の時間を費やすことを想定した上で、普通当たりとなってから最後の特別図柄保留である5回目の特別図柄の変動が終了する最長の時点よりも後まで継続する長さに設定されている。これにより、1回の普通当たり遊技により普通電動役物13へ入賞した全ての遊技球に対する大当たり判定の消化を1つのまとまりとして、その中の最後の大当たり判定の結果に基づいて、次の普通当たり判定が時短中に行われるか否かを矛盾なく遊技者に報知することができる。この詳細は、図14を参照して後述する。
次に、メイン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図12及び図13を参照して説明する。特別図柄処理で使用されるフラグとしては、特別図柄表示状態フラグ、大当たり遊技状態フラグ、確率変動フラグ等がある。特別図柄表示状態フラグは特別図柄表示部25の状態を示すフラグであり、特別図柄表示部25の変動中には「1」、停止表示中には「2」、変動中でも停止表示中でもない場合には「0」が記憶されている。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態である場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。また、確率変動フラグは、確率変動中である場合(「確率変動時短状態」が生起されている場合)に「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合(「通常状態」が生起されている場合)は「0」が記憶されて「OFF」となっている。尚、確率変動中(大当たり高確率状態中)は、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が、通常(大当たり低確率状態中)に比べて高くなる。また、各フラグの初期値はいずれも「0」である。
図12に示すように、メイン処理の特別図柄処理が開始されると、普通電動役物13へ遊技球が入賞したか否かが判断される(S80)。入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶されているフラグのうち、普通電動役物13に設けられている始動口スイッチ72に対応するフラグが「OFF」となっている場合には(S80:NO)、遊技球は普通電動役物13へ入賞していないので、そのままS85の判断へ移行する。
始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」である場合には(S80:YES)、普通電動役物13へ遊技球が入賞しているので、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S81)。「4」である場合には(S81:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS85の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S81:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S82)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205(図7参照)のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S83)。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が、当たり特別図柄決定乱数欄には当たり特別図柄作成カウンタの値がそれぞれ記憶される。そして、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値をサブ統合基板58へ通知するための特別図柄作動保留球数通知コマンドが、コマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S84)。
次いで、大当たり遊技状態フラグにより、大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S85)。大当たり遊技状態である場合には、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であり、大当たり遊技状態である場合には(S85:YES)、何もせずにメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグが「ON」でない場合には(S85:NO)、大当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部25の制御に関する処理が行われる。まず、特別図柄表示状態フラグにより、特別図柄表示部25が変動中であるか否かの判断が行われる(S86)。特別図柄表示状態フラグが「1」でなく、変動中でない場合には(S86:NO)、特別図柄表示状態フラグにより停止表示中であるか否かの判断が行われる(S87)。特別図柄表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でない場合には(S87:NO)、大当たり判定が行われる。
そこで、図13のフローチャートに示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S88)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S88:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S88:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算され(S89)、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶されている値がシフトされる。すなわち、第一記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、第二〜第四記憶エリアに記憶されている乱数が番号の1つ若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる(S90)。
次いで、大当たり判定が行われる。大当たり判定は、確率変動中であるか否か、すなわち、大当たり高確率状態であるか否かに応じて、判定エリアの大当たり乱数欄に記憶されている値を用いて行われる。確率変動フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている確率変動中の場合は(S91:YES)、大当たりとして決められている特定の値の数が通常状態の場合よりも多い高確率の大当たり判定テーブル(図示外)が参照されて、大当たり判定が行われる(S92)。一方で、確率変動フラグが「OFF」となっている非確率変動中の場合は(S91:NO)、大当たりとして決められている特定の値の数が高確率の大当たり判定テーブルよりも少ない低確率の大当たり判定テーブルが参照されて、大当たり判定が行われる(S93)。
次いで、「大当たり」と判定された場合には(S94:YES)、当たり特別図柄決定処理(S95)において、判定エリアの当たり特別図柄決定乱数欄に記憶されている値に基づいて、複数の当たり特別図柄の中から1つが決定され、決定された当たり特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。そして、大当たりが確率変動大当たりであるか否かの判断が行われる(S96)。S95で決定された特別図柄が確率変動図柄であり、確率変動大当たりであると判断された場合には(S96:YES)、大当たり遊技終了後に「確率変動時短状態」を生起させることを示す時短大当たり通知コマンドが、コマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S97)。また、特別図柄が非確率変動図柄であり、通常大当たりであると判断された場合には(S96:NO)、大当たり遊技終了後に「通常状態」を生起させることを示す非時短大当たり通知コマンドが記憶される(S98)。
一方で、大当たり判定の結果が「はずれ」であった場合には(S94:NO)、はずれ特別図柄決定処理(S99)においてはずれ特別図柄が決定され、決定された特別図柄がはずれ特別図柄であることを示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。そして、大当たり判定の判定結果が「はずれ」であることを示すはずれ通知コマンドが記憶される(S100)。
次いで、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「0」であるか否かの判断が行われ(S101)、「0」である場合には(S101:YES)、特別図柄の第一変動時間(0.4秒)が特別図柄第一変動時間カウンタTC5に記憶される(S102)。また、保留球が存在し、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「0」でない場合には(S101:NO)、特別図柄の第二変動時間(1.8秒)が特別図柄第二変動時間カウンタTC6に記憶される(S103)。
次いで、特別図柄表示部25の変動を開始させるための特別図柄変動開始コマンドが、コマンド関係記憶エリア5207に記憶されて(S104)、特別図柄表示部25が変動中であることを示す「1」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S105)。そして、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値をサブ統合基板58へ通知するための特別図柄作動保留球数通知コマンドが、コマンド関係記憶エリア5207に記憶されて(S106)、メイン処理へ戻る。尚、同じ1回のメイン処理の中の、S84の処理(図12参照)において、既に特別図柄作動保留球数通知コマンドが記憶されている場合には、S106におけるコマンドの内容が上書きされる。
また、図12のフローチャートに示すS86の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部25が変動中であると判断された場合には(S86:YES)、S102若しくはS103(図13参照)でセットされた特別図柄表示時間カウンタの値が「0」となったか否かにより、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S111)。特別図柄表示時間カウンタの値が「0」である場合には、特別図柄の変動時間が経過したので(S111:YES)、特別図柄表示部25の変動を停止させるための特別図柄停止コマンドが記憶される(S112)。そして、0.5秒の停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタTC7に記憶され(S113)、特別図柄表示部25が停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S114)、メイン処理へ戻る。一方、S111の判断において、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S111:NO)、特別図柄表示部25の変動が継続される。そこで、そのままメイン処理へ戻る。
また、S87の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部25が停止表示中であると判断された場合には(S87:YES)、S113でセットされた特別図柄停止時間カウンタTC7の値により、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S115)。特別図柄停止時間カウンタTC7の値が「0」である場合には、停止表示時間が経過したので(S115:YES)、特別図柄表示部25が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が特別図柄表示状態フラグに記憶される(S116)。そして、本実施の形態では、一旦生起された「確率変動時短状態」は、次の特別図柄の変動及び停止表示が完了した時点で終了し、その後の遊技状態は「通常状態」へ移行する。よって、フラグ関係記憶エリア5208の確率変動フラグ及び時短中フラグが「ON」となっている場合には、共に「OFF」へ切り替える処理が行われる(S117)。
そして、先に行われた大当たり判定で「大当たり」と判定された場合には(S118:YES)、フラグ関係記憶エリア5208の大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ(S119)、特別図柄処理を終了してメイン処理へ戻る。この大当たり遊技状態フラグは、特別電動役物処理(S13、図8参照)において、第一大入賞口16及び第二大入賞口17を開閉させる処理を行うか否かを判断する際に使用される。また、大当たりでない場合には(S118:NO)、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。また、S115の判断において、特別図柄停止時間カウンタTC7の値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していないと判断された場合には(S115:NO)、特別図柄表示部25には引き続き図柄が停止表示される。そこで、そのままメイン処理へ戻る。
以上説明したように、遊技球が普通電動役物13へ入賞すると(S80:YES)、乱数が取得され(S83)、大当たり判定が行われる(S91〜S93)。そして、大当たり判定の結果が確率変動大当たりであるか、通常大当たりであるか、はずれであるかに応じて、判定結果をサブ統合基板58へ通知するコマンドが記憶される(S94〜S100)。さらに、特別図柄作動保留球数が加算された場合、及び大当たり判定が行われた場合には、その時点での特別図柄作動保留球数をサブ統合基板58へ通知するコマンドが記憶される(S84,S106)。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の主基板41によって制御される遊技内容について、図14のタイミングチャートを参照して説明する。図14は、パチンコ機1の各制御の一例を時間経過に対応させて表したタイミングチャートである。図14では、パチンコ機1の主基板41による各制御として、普通図柄作動SW(普通図柄作動スイッチ73)、普通図柄(普通図柄表示部24)、普通電動役物13、始動口SW(始動口スイッチ72)、特別図柄(特別図柄表示部25)、大入賞口(第一大入賞口16及び第二大入賞口17)、確率変動フラグ及び時短中フラグを表している。また、液晶(表示画面28)で実行される報知前演出、報知延長用演出、及び時短当落演出と、ドラム(回転ドラム10)で実行される時短当落演出とについては後述する。尚、図14では、普通図柄始動ゲート12を通過した1つ目の遊技球についての普通当たり判定によって「普通当たり」と判定され、その後に行われる連続した5回の大当たり判定で全て「確率変動大当たり」、さらに、その後に行われる普通当たり判定でも「普通当たり」と判定された場合の制御を例示している。
まず、遊技球が普通図柄始動ゲート12を通過したことが普通図柄作動スイッチにより検知されると(S21:YES)、確率変動フラグ及び時短中フラグが「OFF」の状態となっている「通常状態」であるため、その遊技球に関する低確率での普通当たり判定が行われる(S36)。そして、普通図柄が変動を開始する(S38)。ここで、通常状態中の普通図柄の変動時間は、決定された変動パターンに応じて異なる(S40)。また、低確率での普通当たり判定において「普通当たり」と判定される確率は5/719である。尚、普通図柄始動ゲート12を3つの遊技球が通過しているが、最初の1つ以外は普通図柄作動保留球となる。
次いで、決定された変動パターンによって指定されている普通図柄の変動時間が経過すると、普通図柄が停止し(S48)、0.8秒の停止表示時間を経て普通当たり遊技が実行される。普通当たり遊技では、まず、普通電動役物13が開放され(S64)、遊技球の入賞が可能な状態となる。そして、5個の遊技球の入賞が検知されると、普通電動役物13は閉鎖される(S69)。この普通当たり遊技は、普通電動役物13の閉鎖後23.2秒の普通図柄変動待機時間が経過するまで継続し、普通当たり遊技中は新たな普通当たり判定が行われることはない。この23.2秒の普通図柄変動待機時間を普通当たり遊技に含まずに、次回の普通当たり判定までの単なる待機時間として扱ってもよい。
次いで、普通電動役物13への1つ目の遊技球の入賞が始動口スイッチ72により検知されると、確率変動フラグが「OFF」となっているため、その遊技球に関する低確率(2009/2011)での大当たり判定が行われて(S93)、特別図柄が変動を開始する(S104)。そして、0.4秒の変動時間が経過して特別図柄が停止し(S112)、0.5秒の停止表示時間が経過すると、大当たり遊技状態となる。尚、大当たりと判定された際に、その大当たりが「確率変動大当たり」である確率は81/84である。
大当たり遊技では、先に第一大入賞口16が開閉され、0.4秒の処理待機時間を経て第二大入賞口17が開閉される。これらの大入賞口16,17は、1.5秒が経過するか、若しくは1つでも遊技球の入賞が検知されると閉鎖される。そして、第二大入賞口17の閉鎖後再び0.4秒の処理待機時間を経て一連の大当たり遊技が終了する。尚、大当たりが「確率変動大当たり」であるため、大当たり遊技の終了時に、確率変動フラグ及び時短中フラグが共に「ON」とされる。
次いで、1回目の大当たり遊技が終了すると、確率変動フラグが「ON」となっているため、普通電動役物13へ入賞した遊技球に関して、高確率(2010/2011)での大当たり判定が行われて(S92)、特別図柄が変動を開始する(S104)。そして、1.8秒の変動時間が経過して特別図柄が停止し(S112)、停止表示時間経過後、先述した1回目の大当たり遊技と同様の処理が行われる。その後、1回目及び2回目の特別図柄の変動と同様に、3〜5回目の特別図柄の変動が制御され、特別図柄の停止後には大当たり遊技が行われることとなる。
次いで、普通当たり遊技状態が終了し、普通図柄始動ゲート12を通過した2つ目の遊技球に関する普通当たり判定が行われる。先述したように、普通電動役物13が閉鎖された後の23.2秒の待機時間の長さは、普通当たりとなってから最後の特別図柄保留である5回目の特別図柄の変動が終了するまでの最長の時点よりも後まで継続する長さに設定されている。これにより、大当たり消化が遅れ、想定され得る最長の時間を要したとしても、次回の普通当たり判定は、5回目の大当たり遊技中、若しくは5回目の大当たり判定によりはずれと判定された後に行われることになる。
ここで、この普通当たり判定が行われる前の最も近い時間に行われた大当たり判定の結果が「確率変動大当たり」であれば、普通当たり判定では718/719の確率で「普通当たり」と判定されるため、「非確率変動大当たり」であった場合よりも短い間隔で普通当たり遊技及び大当たり遊技が連続し、多数の遊技球が払い出される。一方で、普通当たり判定が行われる前に行われた大当たり判定の結果が「非確率変動大当たり」若しくは「はずれ」であった場合には、遊技状態は「通常状態」となるため、普通当たりと判定される確率は「確率変動状態」の場合よりも低い5/719となる。尚、普通当たり判定を契機として遊技状態が移行することは無いため、普通当たり判定において「はずれ」と判定された場合や、「普通当たり」と判定された後に開放された普通電動役物13に遊技球が1つも入賞しなかった場合には、その時点の遊技状態がそのまま継続される。
従って、一旦普通当たりと判定されると、遊技者は、次の普通当たり判定が時短中(確率変動時短状態中)に行われることを強く期待しながら遊技を行う。そして、次の普通当たり判定が時短中に行われるか否かは、普通当たり判定が行われる前の最も近い時間に行われた大当たり判定時に時短に当選したか否かによって決定される。従って、最大で5回連続して行われる大当たり判定のうち、最後の大当たり判定時に時短に当選したか否かを遊技者に報知することで、遊技者の興趣を惹き付けることができる。また、1回の普通当たり遊技中に複数個の遊技球が普通電動役物13へ入賞し、複数回の大当たり判定が行われた場合には、最後の大当たり判定以外の大当たり判定時における時短の当落は、当たり遊技の連続には影響しない。よって、本実施の形態では、最後の大当たり判定以外の大当たり判定の判定結果は考慮せずに、複数回の大当たり判定及び大当たり遊技にまたがる連続性のある報知前演出を行う。その後、最後の大当たり判定時の時短の当落を遊技者に報知する時短当落演出を行う。これにより、遊技者をより楽しませることができる。これらの演出に関するサブ統合基板58の制御について、以下で説明する。
また、本実施の形態では、大当たり遊技中は必ず非時短状態となるため、普通当たり判定では概ねはずれと判定される。一方で、2回目から5回目までの各特別図柄の変動中に次回の普通図柄の判定が行われると、普通当たりと判定される確率が高確率になっている場合があり、遊技性を損なう虞がある。具体的には、最後の大当たり判定時に「確率変動大当たり」と判定されなかった場合であっても、非時短状態となる前の特別図柄の変動中に高確率での普通当たり判定が行われると、718/719の確率ですぐに普通当たり遊技が行われる。すると、最後の大当たり判定時に決定された遊技状態、すなわち、当たり遊技の連続が継続せずに終了する旨を遊技者に報知しても、この報知内容と矛盾した内容の遊技が実行されてしまう。これに対し、普通図柄の変動待機時間が、5回目の特別図柄の変動が終了するまでの最長の時間よりも長ければ、2回目から5回目までの特別図柄の変動中に普通当たり判定が行われることを確実に回避でき、遊技性を損なうことがない。
次に、表示画面28や回転ドラム10等で行われる演出を制御するサブ統合基板58での処理について、図15及び図16を参照して説明する。図15は、サブ統合基板58におけるサブ統合基板処理のフローチャートであり、図16は、サブ統合基板処理の中で行われる時短当落演出決定処理のフローチャートである。
本実施の形態のパチンコ機1では、普通当たりとなって開放された普通電動役物13に1つ目の遊技球が入賞した際に、所定の待機時間(ドラム当落演出開始待機時間、及び液晶当落演出開始待機時間)の計測が開始されると共に、複数回の大当たり判定及び大当たり遊技にまたがる連続性のある報知前演出が開始される。その後、ドラム当落演出開始待機時間が経過した時点で特別図柄作動保留球数が「0」であり、時短に当選していれば、1/10の確率で、液晶(表示画面28)による演出の前にドラムによって時短の当選を遊技者に報知する。さらにその後、液晶当落演出開始時間が経過し、保留球数が「0」となると、ドラムによる時短当落演出が実行されたか否かに関わらず、時短の当落を液晶によって遊技者に報知する。尚、ドラムの演出及び液晶の演出に同期して、スピーカ48や照明装置35では様々な動作が実行されるが、説明の簡略化のためこの説明を省略する。
まず、サブ統合基板58のROM583について説明する。ROM583には、CPU581がパチンコ機1の制御を補助するための各種プログラムが記憶されている。また、サブ統合基板58から演出制御基板43、電飾基板46、及びスピーカ48に出力される制御コマンド及び制御信号のテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリアと、変動パターンに関する情報が記憶されている変動パターン記憶エリアと、ドラムや液晶等によって行われる演出のパターンが記憶されている演出パターン記憶エリアとが設けられている。さらに、ROM583には、その他の各種記憶エリアが設けられている。
次いで、サブ統合基板58のRAM582について説明する。RAM582には、主基板41により指定された変動パターンが記憶される変動パターン記憶エリア、各種カウンタが記憶されるカウンタ記憶エリア、特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア、演出制御基板43等に出力される制御コマンドが記憶されるコマンド関係情報記憶エリア、各種フラグが記憶されるフラグ関係記憶エリア等の記憶エリアが設けられている。
次いで、RAM582のフラグ関係記憶エリアに記憶されるフラグについて説明する。サブ統合基板処理で用いられる主なフラグとして、演出決定遊技状態フラグ、特別図柄変動前フラグ、及び報知延長用演出中フラグがある。演出決定遊技状態フラグは、特別図柄の変動、若しくは変動後に実行される大当たり遊技が終了した後の遊技状態が「確率変動時短状態」(時短中)であるか、「通常状態」(非時短中)であるかを示すフラグである。この演出決定遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている場合には、その後に「確率変動時短状態」が生起されることを示す。一方で、「0」が記憶されて「OFF」となっている場合には、その後の遊技状態が「通常状態」であることを示す。また、特別図柄変動前フラグは、普通当たりと判定された後の最初の特別図柄の変動前であるか否かを示すフラグであり、「ON」となっている場合に未だ変動が行われていないことを示し、「OFF」となっている場合に最初の変動が行われた後であることを示す。また、報知延長用演出中フラグは、演出開始待機時間が経過してから特別図柄作動保留球数が「0」となるまでの間に行われる報知延長用演出中であるか否かを示すフラグであり、「ON」となっている場合に報知延長用演出中であることを示し、「OFF」となっている場合に報知延長用演出中でないことを示す。
以下、サブ統合基板58で行われるサブ統合基板処理について、図15及び図16のフローチャートを参照して説明する。図15に示すように、サブ統合基板処理が開始されると、まず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S201)。受信した場合には(S201:YES)、コマンドによって指定されている変動パターンがRAM582の変動パターン記憶エリアに記憶され(S211)、表示画面28のデモ図柄の変動を開始させるデモ図柄変動開始コマンドが演出制御基板43に送信されて(S212)、S225の処理へ移行する。
また、変動パターン指定コマンドを受信していない場合には(S201:NO)、普通図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S202)。受信した場合には(S202:YES)、変動しているデモ図柄を停止させるためのデモ図柄指定コマンドが演出制御基板43に送信されて(S213)、S225の処理へ移行する。
また、普通図柄停止コマンドを受信していない場合には(S202:NO)、普通当たり開始画面表示コマンドを受信したか否かが判断される(S203)。受信した場合には(S203:YES)、表示画面28に普通当たり開始画面を表示させる普通当たり開始画面表示コマンドが、演出制御基板43へ送信される(S214)。そして、普通当たりと判定された以後未だ特別図柄の変動が行われていないことを示す「1」が特別図柄変動前フラグに記憶されて「ON」とされ(S215)、S225の処理へ移行する。
また、普通当たり開始画面表示コマンドを受信していない場合には(S203:NO)、時短大当たり通知コマンドを受信したか否かが判断される(S204)。受信した場合には(S204:YES)、大当たり遊技終了後に「確率変動時短状態」が生起されることを示す「1」が演出決定遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされ(S216)、S218の処理へ移行する。また、時短大当たり通知コマンドを受信していない場合には(S204:NO)、非時短大当たり通知コマンド、及びはずれ通知コマンドを受信したか否かが判断される(S205、S206)。いずれのコマンドも受信していない場合には(S205:NO、S206:NO)、後述する時短当落演出決定処理へ移行する(S207)。
一方で、非時短大当たり通知コマンド、及びはずれ通知コマンドのいずれかを受信したと判断された場合には(S205:YES、若しくはS206:YES)、特別図柄の変動後、若しくは大当たり遊技終了後の遊技状態が「通常状態」となることを示す「0」が演出決定遊技状態フラグに記憶されて「OFF」とされ(S217)、S218の処理へ移行する。このように、主基板41で決定されたその後の遊技状態が、演出決定遊技状態フラグによって決定されるため、その後の遊技状態を通知するコマンドの受信後であっても、コマンドに応じた演出を制御することができる。
次いで、特別図柄変動前フラグにより、普通当たりと判定された後の、最初の特別図柄の変動前の状態であるか否かが判断される(S218)。本実施の形態では、普通電動役物13の開放後、最初の特別図柄の変動が開始された時点で、2つの待機時間(ドラム当落演出開始待機時間、及び液晶当落演出開始待機時間)の計測が開始され、この待機時間の経過に起因して演出を制御する。従って、特別図柄の変動開始と同時に送信される時短大当たり通知コマンド、非時短大当たり通知コマンド、及びはずれ通知コマンドのいずれかを受信し、特別図柄変動前フラグが「OFF」となっていれば(S218:NO)、最初の特別図柄の変動が行われた後であるため、そのままS225の判断へ戻る。特別図柄変動前フラグが「ON」となっていれば(S218:YES)、特別図柄の変動が行われる前であるため、ドラム当落演出開始待機時間(本実施の形態では19秒)がドラム当落演出開始待機時間カウンタに記憶され(S219)、液晶当落演出開始待機時間(本実施の形態では20秒)が液晶当落演出開始待機時間カウンタに記憶される(S220)。次いで、複数回の大当たり判定及び大当たり遊技にまたがる長い時間を使った報知前演出を開始させる報知前演出開始コマンドが、演出制御基板43へ送信される(S221)。次いで、最初の特別図柄の変動が行われた後であることを示す「0」が特別図柄変動前フラグに記憶されて「OFF」とされ(S222)、S225の処理へ移行する。そして、S225においてその他の処理が行われた後(S225)、S201の判断へ戻る。
一方で、時短大当たり通知コマンド、非時短大当たり通知コマンド、及びはずれ通知コマンドのいずれも受信していない場合には(S204:NO、S205:NO、S206:NO)、時短当落演出決定処理が行われる(S207)。
図16のフローチャートに示すように、時短当落演出決定処理では、特別図柄作動保留球数通知コマンドを受信したか否かが判断される(S231)。受信した場合には(S231:YES)、コマンドによって通知された特別図柄作動保留球数が、RAM582の特別図柄作動保留球数記憶エリアに記憶される(S232)。そして、報知延長用演出中フラグにより、報知延長用演出中であるか否かの判断が行われる(S233)。報知延長用演出中フラグが「OFF」であり、報知延長用演出中でないと判断された場合には(S233:NO)、そのままサブ統合基板処理へ戻る。
また、特別図柄作動保留球数通知コマンドを受信していないと判断された場合には(S231:NO)、S219(図15参照)でセットされたドラム当落演出開始待機時間が経過したか否かが判断される(S234)。ドラム当落演出開始待機時間が計測されていない場合、又は計測中であって時間が経過していない場合には(S234:NO)、そのままS243の判断へ移行する。
カウンタの値が「0」となり、ドラム当落演出開始待機時間が経過した場合には(S234:YES)、特別図柄作動保留球数記憶エリアに記憶されている特別図柄作動保留球数が「0」であるか否かが判断される(S235)。特別図柄作動保留球数が「0」でない場合には(S235:NO)、次の普通当たり判定時の遊技状態はまだ決定されていないため、時短当落演出を実行することはできない。よって、そのままS243の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数が「0」となっていれば(S235:YES)、演出決定遊技状態フラグが「ON」となっているか否かが判断される(S236)。本実施の形態では、回転ドラム10による時短当落演出は、時短に当選している場合のみ行われる。これにより、時短に当選していることを、液晶による時短当落演出よりも早い段階で遊技者に報知し、遊技者を楽しませることができる。従って、フラグが「OFF」となっており、大当たり遊技終了後に「通常状態」が生起されると判断された場合、すなわち、時短に落選していると判断された場合には(S236:NO)、そのままS243の判断へ移行する。
演出決定遊技状態フラグが「ON」となっており、大当たり遊技終了後に「確率変動時短状態」が生起されると判断された場合には(S236:YES)、ドラムによる時短当落演出を実行するか否かの判定が乱数を用いて行われ(S237)、実行すると判定されなかった場合には(S238:NO)、そのままS243の判断へ移行する。そして、実行すると判定された場合には(S238:YES)、次の普通当たり判定が時短中に行われることをドラムで示す時短当選ドラム演出の実行が決定される。そして、決定された時短当選ドラム演出を実行させるための時短当選ドラム演出開始コマンドが電飾基板46へ送信されて(S239)、S243の判断へ戻る。
そして、S243では、S220(図15参照)でセットされた液晶当落演出待機時間が経過したか否かが判断される。液晶当落演出待機時間が計測されていない場合、又は計測中であって時間が経過していない場合には(S243:NO)、そのままサブ統合基板処理へ戻る。一方で、カウンタの値が「0」となり、待機時間が経過した場合には(S243:YES)、特別図柄作動保留球数が「0」であるか否かが判断される(S244)。
特別図柄作動保留球数が「0」である場合には(S244:YES)、液晶による時短当落演出の内容の決定、及びコマンドの送信が行われる。まず、演出決定遊技状態フラグが「ON」となっているか否かが判断される(S245)。フラグが「ON」となっており、大当たり遊技終了後に「確率変動時短状態」が生起されると判断された場合には(S245:YES)、次の普通当たり判定が時短中に行われることを液晶で示す時短当選液晶演出の実行が決定される。そして、決定された時短当選液晶演出を実行させるための時短当選液晶演出開始コマンドが演出制御基板43へ送信されて(S246)、サブ統合基板処理へ戻る。また、演出決定遊技状態フラグが「OFF」となっており、その後の遊技状態が「通常状態」となると判断された場合には(S245:NO)、次の普通当たり判定が非時短中に行われることを液晶で示す時短落選液晶演出の実行が決定される。そして、決定された時短落選液晶演出を実行させるための時短落選液晶演出開始コマンドが演出制御基板43へ送信されて(S247)、サブ統合基板処理へ戻る。
また、液晶当落演出待機時間が経過した場合であっても(S243:YES)、特別図柄作動保留球数が「0」でなければ、時短当落演出の内容を決定することはできない。従って、特別図柄作動保留球数が「0」でない場合には(S244:NO)、報知延長用演出中であることを示す「1」が報知延長用演出中フラグに記憶されて「ON」とされる(S249)。次いで、液晶による時短当落演出が行われるまでの報知延長用演出を開始させるための報知延長用演出開始コマンドが演出制御基板43へ送信されて(S250)、サブ統合基板処理へ戻る。
そして、時短当落演出決定処理が繰り返し行われる中で、特別図柄作動保留球数通知コマンドを受信し(S231:YES)、特別図柄作動保留球数が記憶された際に(S232)、報知延長用演出中フラグが「ON」となっていれば(S233:YES)、記憶された特別図柄作動保留球数が「0」であるか否かが判断される(S252)。保留球数が未だ「0」となっていなければ(S252:NO)、そのままサブ統合基板処理へ戻る。保留球数が「0」となっていれば(S252:YES)、報知延長用演出中でないことを示す「0」が報知延長用演出中フラグに記憶されて「OFF」とされ(S253)、演出決定遊技状態フラグに値に応じた時短当落液晶演出の内容の決定、及びコマンドの送信が行われて(S245〜S247)、サブ統合基板処理へ戻る。そして、図15に示すように、時短当落演出決定処理(S207)が終了すると、その他の処理が行われて(S225)、S201の判断へ戻る。
尚、演出開始コマンドを受信した演出制御基板43及び電飾基板46では、時短の当否を示す演出を表示画面28又は回転ドラム10に実行させる制御が行われる。そして、電飾基板46では、この演出に同期して照明装置35を発光させる制御が行われ、サブ統合基板では、演出に同期した音声を発生させる制御が行われる。詳細には、サブ統合基板58のROM583における演出パターン記憶エリアに多数の時短当落演出のパターンが記憶されており、この複数の演出パターンの中から1つが決定される。そして、決定された演出パターンに応じて演出の内容を制御することで、時短の当否、すなわち、普通当たり遊技及び大当たり遊技の連続が継続するか否かを遊技者に報知する。また、ドラム当落演出開始待機時間、及び液晶当落演出開始待機時間の長さは、普通電動役物13への遊技球の入賞の有効な検出を終了するまでの時間よりも長く設定されている。これにより、時短当落演出の内容が決定された後に、再び普通電動役物13への遊技球の入賞が検出されることを防止している。よって、演出によって示された遊技状態と、実際の遊技状態とが矛盾する不具合を回避することができる。
次に、サブ統合基板58によって制御される演出について、図14及び図17のタイミングチャートを参照して説明する。図17は、パチンコ機1の各制御の一例を時間経過に対応させて表したタイミングチャートである。尚、図14のタイミングチャートでは、1回の普通当たり遊技に対して複数回行われる大当たり遊技(図中「大入賞口」と表す)の消化に時間を要した結果、液晶演出開始待機時間が経過した時点での特別図柄作動保留球数が「0」とならなかった場合を示している。一方で、図17のタイミングチャートでは、複数回行われる大当たり遊技が図14に示す場合よりも短い時間で消化された結果、ドラム演出開始待機時間が経過した時点での特別図柄作動保留球数が既に「0」となり、ドラムによる時短当落演出が実行された場合を示している。
まず、大当たり遊技の消化に長い時間を要した場合の演出について、図14を参照して説明する。図14に示すように、開放された普通電動役物13へ1つ目の遊技球が入賞すると、サブ統合基板58では演出決定遊技状態フラグの処理が行われる(S216、又はS217)。そして、19秒のドラム演出開始待機時間、及び20秒の液晶演出開始待機時間の計測が開始され(S219,S220)、これと同時に、複数回の大当たり判定及び大当たり遊技にまたがる長い時間を使った報知前演出が開始される(S221)。
ここで、ドラム演出開始待機時間、及び液晶演出開始待機時間の長さは適宜変更が可能であるが、普通電動役物13の閉鎖後に計測される有効検出時間が経過するよりも後まで継続する長さとするのが望ましい。これにより、時短当落演出の内容が決定された後に、再び普通電動役物13への遊技球の入賞が検出されることを防止できる。従って、時短当落演出によって報知された遊技状態と、実際の遊技状態とが矛盾する不具合を防止することができる。さらに、これらの演出待機時間は、次の普通当たり判定が行われるよりも前に計測が終了する長さに設定するとよい。これにより、次の普通当たり判定時の遊技状態が、実際に次の普通当たり判定が行われるよりも前に時短当落演出によって遊技者に報知されるため、普通電動役物13の開放動作等によって遊技状態が報知される場合よりも遊技者を楽しませることができる。
また、これらの演出開始待機時間の計測は、普通電動役物13へ1つ目の遊技球が入賞した時点で開始される。よって、他のタイミングで計測が開始される場合よりも、大当たり遊技の消化時間に応じたより適切な時間に、時短当落演出を実行するか否かを判断することができる。また、開放された普通電動役物13へ1つも遊技球が入賞しなかった場合には演出開始待機時間が計測されず、時短当落演出が行われないため、無駄な演出を行って遊技者の興趣を損ねることがない。
次いで、ドラム演出開始待機時間が経過した時点では、4回目の特別図柄の変動が開始した直後であり、特別図柄作動保留球数は「1」である(S235:NO)。従って、次の普通当たり判定が時短中に行われるか否かは、この時点ではまだ判断できないため、ドラムによる時短当落演出は行われない。
次いで、液晶演出開始待機時間が経過した時点では、4回目の特別図柄の変動が終了した直後であり、特別図柄作動保留球数は未だ「1」である(S244:NO)。そこで、時短当落演出が行われるまでの報知延長用演出が液晶(表示画面28)にて行われる(S250)。この報知延長用演出は、その前に行われている報知前演出との間に視覚的な連続性を有するように構成されている。そして、報知延長用演出を行うことで、演出開始待機時間経過時に時短当落演出が行われない場合でも遊技者を楽しませることができる。
次いで、5回目の特別図柄の変動が開始すると、特別図柄作動保留球数は「0」となるため(S252:YES)、この時点で、次の普通当たり判定が時短中に行われることを示す時短当落演出が液晶で実行される(S246)。本実施の形態では、時短当落演出は、次の普通当たり判定が行われるまで継続するように構成されている。
次に、大当たりの消化がスムーズに行われた場合の演出について、図17を参照して説明する。図17のタイミングチャートに示す例では、図14の例に比べて大入賞口16,17への遊技球の入賞がタイミング良く行われ、大当たり遊技が早く消化されている。このため、ドラム演出開始待機時間が経過した時点で(S234:YES)、既に5回目の大当たり遊技が行われており、特別図柄作動保留球数は「0」となっている(S235:YES)。そして、時短に当選していれば(S236:YES)、ドラム演出を実行するか否かが決定され(S237)、実行することが決定されると(S238:YES)液晶による時短当落演出の前に、ドラムによる時短当落演出が実行される(S239)。その後、液晶演出開始待機時間が経過すると(S243:YES)、保留球数が「0」となっているので(S244:YES)、液晶でも時短当落演出が開始される(S246)。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機1によると、次の普通当たり判定時の遊技状態を、大当たり判定の結果と特別図柄作動保留球数とに応じて適切に遊技者に報知することができ、さらに、この演出を複数のタイミングで実行することができる。詳細には、普通電動役物13へ入賞した遊技球の個数が少ない場合や、大当たり遊技がスムーズに消化された場合には、所定のタイミング以降に実行される液晶での時短当落演出の前に、ドラムによる時短当落演出を行うことができる。よって、大当たり判定、大当たり遊技、及び時短当落演出のいずれも実行されない時間を短縮することができ、遊技者の興趣を損なうことを防止できる。また、液晶による時短当落演出を必ず実行することで、時短の当落を確実に遊技者に報知しつつ、ドラムによる時短当落演出を行うか否かはその都度判断する。これにより、時短当落演出の内容を多様化させることができ、遊技者の興趣をより強く惹き付けることができる。
特に、普通電動役物13への遊技球の入賞球数について、5個の遊技球が入賞した場合については先述したとおりであるが、遊技球の入賞球数が5個よりも少ない場合には、特別図柄作動保留球数が「0」となる特別図柄の変動開始タイミングは、入賞球数が5個の場合よりも早くなる。ここで、普通電動役物13の閉鎖後の有効検出時間が経過してから、ドラムによる時短当落演出の開始時までの間にも、入賞球数が4個以下となる場合を想定して、演出を実行するか否かを判断する判断タイミングを設定することも可能である。これにより、普通電動役物13への入賞球数が5個よりも少ない場合、すなわち、特別図柄作動保留球数が最大数(本実施の形態では4個)に達しなかった場合でも、保留球数が「0」となった際の大当たり判定の結果を迅速に遊技者に報知することができる。
尚、本実施の形態における表示画面28及び回転ドラム10が本発明の「報知手段」に相当し、さらに表示画面28が「主報知手段」、回転ドラム10が「副報知手段」に相当する。また、主基板41が「メイン制御基板」に相当し、普通電動役物13が「始動口」及び「可変始動口」に相当し、始動口スイッチ72が「始動口遊技球検出手段」に相当する。また、図12のS83で大当たり乱数を取得する主基板41のCPU51が「大当たり乱数取得手段」として機能し、主基板41におけるRAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205が「大当たり乱数記憶手段」に相当する。また、図13のS92及びS93において、乱数が大当たりとして決められた乱数であるか否かを判断する主基板41のCPU51が「大当たり判定手段」として機能し、図8のS13及び図12のS117において、確率変動フラグ及び時短中フラグの「ON」「OFF」の制御を行う主基板41のCPU51が「遊技状態制御手段」として機能する。
また、図13のS96において、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態を決定する主基板41のCPU51が「遊技状態決定手段」として機能する。また、図13に示すS97,S98,S100において送信される時短大当たり通知コマンド、非時短大当たり通知コマンド、及びはずれ通知コマンドが「決定遊技状態信号」に相当し、これらのコマンドを送信する主基板41のCPU51が「決定遊技状態信号送信手段」として機能する。また、図12のS84、及び図13のS106において送信される特別図柄作動保留球数通知コマンドが「保留数信号」に相当し、このコマンドを送信する主基板41のCPU51が「保留数信号送信手段」として機能する。また、主基板41から通知された保留数を記憶するサブ統合基板58のRAM582の特別図柄作動保留球数記憶エリアが「保留数記憶手段」に相当し、図16のS235及びS244において、保留数が0であるか否かを判断するサブ統合基板58のCPU581が「保留数判断手段」として機能する。また、確率変動時短状態が本発明の「特定遊技状態」に相当し、時短当落演出が「特定演出」及び「状態報知演出」に相当する。また、図16のS235〜S238、及びS244において、時短当落演出を実行するか否かを判断するサブ統合基板58のCPU581が「特定演出実行判断手段」として機能する。また、図16のS239、及びS245〜S247で時短当落演出を実行させるサブ統合基板58のCPU581が「特定演出実行制御手段」として機能する。また、図16のS234でドラム当落演出開始待機時間の計測が終了したと判断されるタイミング、及びS243で液晶当落演出開始待機時間の計測が終了したと判断されるタイミングが本発明の「判断タイミング」に相当する。
また、電動役物開放ソレノイド69が「可変始動口開閉手段」に相当し、普通図柄始動ゲート12が「通過口」に相当し、普通図柄作動スイッチ73が「通過口遊技球検出手段」に相当する。また、図9のS24で普通当たり乱数を取得する主基板41のCPU51が「普通当たり乱数取得手段」として機能し、図10のS32及びS36において、乱数が普通当たりとして決められた乱数であるか否かを判断する主基板41のCPU51が「普通当たり判定手段」として機能する。また、図11のS64及びS69において、電動役物開放ソレノイド69の開閉を制御する主基板41のCPU51が「可変始動口開閉制御手段」に相当する。
また、図11に示すS70で計測される普通図柄変動待機時間が「判定待機時間」に相当し、この時間の計測を行う主基板41のCPU51が「普通当たり判定待機時間計測手段」として機能する。また、ドラム当落演出開始待機時間及び液晶当落演出開始待機時間が「判断待機時間」に相当し、さらにドラム当落演出開始待機時間が「副判断待機時間」に、液晶当落演出開始待機時間が「主判断待機時間」に相当する。また、図15のS219,S220、及び図16のS234,S243でこれらの演出開始待機時間を計測するサブ統合基板58のCPU581が「判断待機時間計測手段」として機能する。また、図8のS11において、始動口スイッチ72による入賞の有効な検出を終了するまでの時間を計測する主基板41のCPU51が「有効検出時間計測手段」として機能する。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
ここで、本実施の形態の変形例について、図18を参照して説明する。図18は、一変形例のパチンコ機における大当たり判定時の遊技状態と、大当たり遊技終了後に生起される各遊技状態の割合との関係を示した図である。この変形例のパチンコ機では、特別図柄作動保留球数が「1」である場合に、次の大当たり判定後の遊技状態が確率変動時短状態となる期待度を複数のタイミングで遊技者に報知することができる。尚、この変形例のパチンコ機は、遊技状態が2種類でなく3種類設定されており、大当たり判定時の遊技状態に応じて時短に当選する割合が異なる点、期待度演出を実行するか否かを判断するタイミングが設定されている点等が先述したパチンコ機1と異なるのみである。よって、パチンコ機1と共通する構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
まず、主基板41で制御される遊技状態について説明する。図18に示すように、変形例のパチンコ機では、通常非時短状態、通常時短状態、確率変動時短状態の3つの遊技状態が設定されている。通常非時短状態では、大当たりと判定される確率が通常の確率(2009/2011)となり、普通当たりと判定される確率も低確率(5/719)となる。通常時短状態では、大当たりと判定される確率は通常の確率となるが、普通当たりと判定される確率は高確率(718/719)となる。そして、確率変動時短状態では、大当たりと判定される確率が高確率(2010/2011)となり、普通当たりと判定される確率も高確率となる。
そして、主基板41によるメイン処理の特別図柄処理(S14、図8参照)において、大当たりと判定された際に決定される特別図柄が確率変動図柄となる割合は30%、非確率変動図柄となる割合が70%となるように設定されている。また、確率変動図柄が決定された場合には、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態として「確率変動時短状態」が決定される。また、非確率変動図柄が決定された場合には、大当たり判定時の遊技状態が「通常非時短状態」であれば「通常非時短状態」が、「確率変動時短状態」であれば「通常時短状態」が決定される。そして、非確率変動図柄で大当たりと判定された際の遊技状態が「通常時短状態」である場合には、時短中とするか否かの判定である時短当否判定が行われる。この時短当否判定によって「通常時短状態」を生起すると判定される割合は5/7(約71.4%)である。
従って、図18に示すように、大当たり遊技終了後に各遊技状態が生起される割合は、大当たり判定時の遊技状態が「通常非時短状態」であれば、「通常非時短状態」が70%、「確率変動時短状態」が30%であり、「通常時短状態」が生起されることは無い。また、大当たり判定時の遊技状態が「通常時短状態」であれば、「通常非時短状態」が20%、「通常時短状態」が50%、「確率変動時短状態」が30%の割合で生起される。また、大当たり判定時の遊技状態が「確率変動時短状態」であれば、「通常時短状態」が70%、「確率変動時短状態」が30%であり、「通常非時短状態」が生起されることは無い。よって、大当たり遊技終了後に時短中となる確率は、大当たり判定時の遊技状態が「通常非時短状態」であれば30%、「通常時短状態」であれば80%、「確率変動時短状態」であれば100%となる。そして、大当たり遊技終了後(はずれの場合は、特別図柄の変動終了後)に生起される遊技状態が、主基板41からサブ統合基板58へコマンドによって通知される。
次に、サブ統合基板58で行われる処理について説明する。サブ統合基板では、主基板41から通知された遊技状態がいずれであるかが、RAM582においてフラグによって記憶されている。そして、時短当落演出(次の普通当たり判定が時短中に行われるか否かを示す演出)を実行するか否かを判断する2つのタイミングに加えて、期待度演出を実行するか否かを判断するタイミングが設定されている。このタイミングは、時短当落演出の判断タイミングと同様に、期待度演出開始待機時間カウンタが計測されることによって決定される。また、この期待度演出開始待機時間の長さは、保留数が「1」となるタイミングを想定して設定されるため、他の2つの演出開始待機時間の長さよりも短くなっている。
そして、期待度演出開始待機時間が経過した時点で保留数が「1」となっていれば、期待度演出を実行するか否かを判定する。実行すると判定された場合には、次の大当たり判定時の遊技状態が既に決定されているため、この遊技状態に応じて回転ドラム10による期待度演出を行う。詳細には、次の大当たり判定時の遊技状態が確率変動時短状態であれば、大当たり判定によって「はずれ」(1/2011)と判定されない限り時短状態が生起されるため、最も期待度が高いことを示す「V」を回転ドラム10に表示させる。通常非時短状態であれば、最も期待度が低いことを示すロゴを表示させる。通常時短状態であれば、期待度が中程度であることを示す「CHANCE」を表示させる。その後、時短当落演出によって、次の普通当たり判定時の実際の遊技状態を遊技者に報知する。
これにより、表示画面28による時短当落演出と、回転ドラム10による時短当落演出と、回転ドラム10による期待度演出とをそれぞれ異なるタイミングで実行することができる。よって、遊技の有利度を遊技者に報知する演出(本発明における「特定演出」)が一定のタイミングで行われる遊技機に比べて、演出の内容を多様化させることができる。
そして、上記変形例の構成も各種変更が可能であり、例えば、期待度演出を実行するか否かを判断するタイミングを複数設定することができるのは言うまでもない。また、時短当落演出を実行するか否かを1つのタイミングで判断し、期待度演出の実行判断タイミングのみを複数設定してもよい。また、回転ドラム10では時短当落演出を行わず、期待度演出のみを行う構成としてもよいし、全ての演出を表示画面28で行うことも可能である。また、図18に示す遊技状態や各種割合は適宜変更でき、4つ以上の遊技状態を設定しても本発明を実現できる。また、この変形例では、一旦生起された時短状態は次の特別図柄の変動終了後に終了するため(S117、図12参照)、大当たり判定の結果が「はずれ」であると、その後は必ず非時短状態となる。しかし、時短状態が終了する条件となる特別図柄の変動回数を2回以上とすれば、最後の大当たり判定時(保留数が「0」の大当たり判定時)の遊技状態が「確率変動時短状態」となることが決定した時点で、次の普通当たり判定が時短中に行われることを報知できる。この場合、保留数が「1」の時点で、次の普通当たり判定が時短中に行われることを示す時短当選演出を行うことができ、時短の当選をより早い段階で遊技者に報知することができる。
また、先述した本実施の形態のパチンコ機1は、その他各種変更も可能である。まず、本実施の形態のパチンコ機1では、普通当たりと判定されなければ大当たり判定が行われない構成となっており、1回の普通当たり遊技に対して大当たり遊技が最大で5回連続して行われるが、このような構成を有さない遊技機であっても本発明が適用できる。例えば、大当たり判定の契機となる始動口への入賞が常に可能な遊技機において、遊技者に有利な遊技状態へ移行している可能性があることを示す「チャンスモード」を実行する。そして、このチャンスモード中に複数回到来する所定のタイミングで、特別図柄作動保留球数が特定の値(例えば、最大数である「4」)であれば、実際に有利な遊技状態が生起されているのかを遊技者に報知する演出を行う。この場合、遊技者は実際の遊技状態を早く知りたいため、所定のタイミングが到来するまでに保留数が特定の値になるように期待しながら遊技を楽しむことができ、遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。
また、本実施の形態のパチンコ機1で生起される遊技状態には、「通常状態」と、普通当たり判定の確率及び大当たり判定の確率が共に通常状態よりも高くなる「確率変動時短状態」とが設けられているが、これを変更することができる。例えば、普通当たり判定の確率のみが異なる時短状態及び非時短状態を生起させる遊技機であっても、時短状態中に非時短状態中よりも短い時間で大当たりが連続するパチンコ機1と同様の動作を行わせることが可能である。また、本実施の形態では、確率変動フラグのON・OFFと時短中フラグのON・OFFとを同期させているが、先述した変形例で示したように、必ずしも同期させる必要はない。
また、本実施の形態では、回転ドラム10及び表示画面28による時短当落演出が可能となるまでの2種類の演出開始待機時間は、開放された普通電動役物13への1つ目の遊技球の入賞が検知されると計測が開始されるが、計測を開始させるタイミングや待機時間の長さは適宜変更が可能である。例えば、普通電動役物13の開放時や閉鎖時に待機時間の計測を開始してもよいし、2回目〜4回目の大当たり判定時に計測を開始してもよい。
また、本実施の形態では、遊技状態を遊技者に報知するために回転ドラム10及び表示画面28の2つの報知手段を備えている。そして、時短当落演出を開始させるか否かを判断するタイミングとして、回転ドラム10に対応したタイミング(ドラム当落演出開始待機時間の経過時)、及び表示画面28に対応したタイミング(液晶当落演出開始待機時間の経過時)の2つの判断タイミングを設定している。しかし、これらは適宜変更が可能であり、報知手段は2つに限られず1つでもよいし、3つ以上備えてもよい。また、7セグメントLEDや役物装置等の他の報知手段を用いてもよいことは勿論である。また、表示画面28の表示領域を分割可能とし、1つの表示画面28を用いて複数の演出を実行する場合でも本発明を適用できる。更には、報知手段の数を1つ(例えば、表示画面28のみ)として表示領域の分割も行わない場合でも、本発明を適用することで時短当落演出を開始させるタイミングを複数設定することができ、遊技者の興趣を惹き付けることができる。
また、本実施の形態では、回転ドラム10による時短当落演出を実行したか否かに関わらず、表示画面28では必ず時短当落演出を実行していたが、これも変更が可能である。例えば、いずれかの時短当落演出が実行された後は、他の時短当落演出を実行しない構成としてもよい。また、回転ドラム10による時短当落演出を実行する場合には、回転ドラム10の動作に同期した演出を表示画面28でも実行させるようにすることも可能である。また、時短当落演出を実行するか否かを判断する判断タイミングは2種類に限られず、3種類以上設定してもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態では、ドラム当落演出開始待機時間が経過した際に保留球数が「0」であれば、時短に当選している場合のみ1/10の確率で、回転ドラム10による時短当選演出が行われる構成となっている。しかし、時短に当選しているか否かに関わらず時短当落演出を行ってもよい。また、時短に当選している場合の方が高い割合で回転ドラム10が動作するように、回転ドラム10を動作させる割合を時短の当否に応じて変えることも可能である。これにより、動作を開始した回転ドラム10への遊技者の興趣をより強く惹き付けることができる。
また、各遊技の制御方法も上記実施の形態に例示したものに限定されることはなく、遊技機の仕様等に応じて様々な変更が可能である。例えば、大当たり判定によって大当たりと判定される確率、大当たりと判定された際に確率変動時短大当たりとなる確率、大当たり遊技中に大入賞口16,17を開閉させる回数、特別図柄の変動時間等を変更することができる。また、本実施の形態では特別図柄の最大保留球数が「4」であるため、1回の普通当たり遊技に対して最大で5回の大当たり遊技が行われるが、特別図柄の最大保留球数や、普通電動役物13が閉鎖するための条件となる入賞球数等は変更することができる。