JP2005000462A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の進行を制御する遊技制御手段と演出の実行を制御する演出制御手段とに分けて制御手段を構成した遊技機において、識別情報の変動表示(特図ゲーム)のタイミング制御に要する記憶容量の削減と処理負荷の軽減とを図る。
【解決手段】変動表示パターンとしてのノーマル10コマ、12コマ、14コマ、16コマ、18コマ、20コマの6つは、それぞれの変動時間が異なるが、変動表示の過程に同一性があり、グループ化されている。これら5つのいずれの変動表示パターンが選択された場合も、ノーマル(20.0秒)という同じ特図ゲームコマンドが遊技制御基板から演出制御基板に送信される。遊技制御基板では、送信した特図ゲームコマンドではなく、実際に選択された変動表示パターンに基づいて時間管理をして、変動時間が終了する1秒前に停止準備コマンドを、変動時間が終了するときに確定コマンドを、それぞれ演出制御基板に送信する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に変動表示手段における識別情報の変動表示のタイミング制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置等の表示装置上で識別情報(以下、表示図柄)を変動表示させ、最終的に導出表示された表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる変動表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。変動表示ゲームには、前述の表示装置を特別図柄表示装置として用いた特図ゲームと、前述の表示装置を兼用または他の表示装置を専用に用いた普図ゲームとがある。
【0003】
特に特図ゲームの「当たり」(以下、大当たり)となったときには、大入賞口またはアタッカと呼ばれる特別電動役物が一定期間断続的に開放状態となり、遊技球の入賞が極めて容易となる特定遊技状態に制御される。また、特図ゲームの大当たりの種類によっては、特定遊技状態の終了後に、特図ゲームにおける変動表示の時間を短縮させる時短状態や、大当たりとなる確率を向上させる確率変動状態といった特別遊技状態に、遊技状態を制御するものもある。
【0004】
すなわち、特図ゲームの結果は、遊技者が獲得できる遊技球の数に大きな影響を及ぼすものであり、遊技者は、この結果が導出表示されるまでにおいて、大当たり表示態様、特に特別遊技状態を伴う大当たり表示態様となることを期待する。そこで、このような遊技者の期待感を巧みに利用し、遊技の興趣を向上させるために、特図ゲームの開始から終了までの変動表示の過程において、様々な変動表示パターンによる演出表示を行うものとしたのが一般的である。近年のパチンコ遊技機は、変動表示パターンの増加などによって演出の制御付加が大きくなっているため、遊技の進行を制御する遊技制御基板と演出の実行を制御する演出制御基板とに分けて、制御回路を構成するようになっている。
【0005】
ここで、少なくとも特図ゲームの変動時間(変動表示パターンにより一意に定められる)と、特図ゲームの結果(確定図柄の種類を含む)とは、遊技の進行に直接関わるものであるため、遊技制御基板の側で決定する必要がある。また、特図ゲームの実行は、演出制御基板の側で制御されるが、その演出効果を十分に発揮するためには、遊技の進行に合わせて行う必要があるので、そのタイミング制御も遊技制御基板の側で行う必要がある。
【0006】
遊技の進行に合わせて特図ゲームを実行するため、従来のパチンコ遊技機において、特図ゲームを開始させる際に変動表示パターンと停止図柄の種類とを特定可能なコマンドを遊技制御基板から演出制御基板に送信し、さらに、遊技制御基板において特図ゲームの終了タイミングを監視して終了タイミングとなったときに、全ての図柄を停止させる旨を指示するコマンドを遊技制御基板から演出制御基板に送信するものとしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−187222号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のパチンコ遊技機では、変動表示パターンの種類毎に異なるコマンドが遊技制御基板から演出制御基板に送信されるものとなっていた。このため、コマンドの種類が多くなってしまい、これらを全て記憶しておくために多くの記憶容量が必要となってしまっていた。一方、演出制御基板においても、遊技制御基板から送られてくるコマンドの種類が多くなってしまうので、遊技制御基板と同様に多くの記憶容量が必要となってしまうとともに、受信したコマンドの種類を判断するために、大きな制御負荷がかかるものとなってしまっていた。
【0009】
本発明は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と演出の実行を制御する演出制御手段とに分けて制御手段を構成した遊技機において、識別情報の変動表示(特図ゲーム)のタイミング制御に要する記憶容量の削減と処理負荷の軽減とを図った遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる遊技機は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別図柄)を変動表示させた後に表示結果を導出表示させることが可能な変動表示手段(液晶表示器4)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行状況に応じた制御情報(コマンド)を送信する遊技制御手段(遊技制御基板101)と、
前記遊技制御手段から送信された制御情報を受信し、該受信した制御情報に基づいて前記識別情報の変動表示(特図ゲーム)を含む演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御基板102)とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記識別情報の変動表示の態様として変動表示の時間が異なる複数種類の変動態様からいずれかの変動態様を選択する変動態様選択手段(ステップS100、S101)と、
前記変動態様選択手段により選択された変動態様が、変動表示の過程に応じてそれぞれ複数の変動態様が属するグループのいずれのグループに属するかを判定するグループ判定手段(ステップS102)と、
前記グループ判定手段の判定結果を特定可能なグループ制御情報(特図ゲームコマンド)を前記演出制御手段に送信するグループ制御情報送信手段(ステップS102)と、
前記変動態様選択手段により選択された変動態様に基づいて、前記識別情報の変動表示を停止させるタイミングを監視する停止タイミング監視手段(ステップS104)と、
前記停止タイミング監視手段の監視結果に基づいて前記識別情報の変動表示の停止タイミングであるか否かを判定する停止タイミング判定手段(ステップS104)と、
前記停止タイミング判定手段により停止タイミングであると判定されたときに、前記識別情報の変動表示を停止させる旨を示す停止制御情報(確定コマンド)を前記演出制御手段に送信する停止制御情報送信手段(ステップS104)とを備え、
前記演出制御手段は、
前記グループ制御情報送信手段から送信されたグループ制御情報を受信したときに、該グループ制御情報に基づいて、前記変動表示手段において前記識別情報を変動表示させる変動表示制御手段(ステップS202、S204)と、
前記停止制御情報送信手段から送信された停止制御情報を受信したときに、前記変動表示手段における前記識別情報の変動表示を停止させ、表示結果を導出表示させる変動停止制御手段(ステップS205、S206)とを備える
ことを特徴とする。
【0011】
上記遊技機では、変動態様に応じて制御情報を管理しなくても、グループの数だけ遊技制御手段及び演出制御手段において制御情報を管理すればよいので、制御情報の管理のために必要な記憶容量を小さくすることができる。また、演出制御手段において識別情報の変動表示を開始させる際に判断しなければならない制御情報の種類も少なくなるので、処理負荷を軽減することができる。
【0012】
上記遊技機において、
前記変動態様選択手段は、前記表示結果として導出表示させる識別情報の種類を選択する識別情報選択手段(ステップS100、S101)を含んでいてもよい。この場合において、
前記停止タイミング判定手段は、さらに前記識別情報選択手段が選択した識別情報の種類に従って、前記識別情報の変動表示を停止させるタイミングを判定することができる(ステップS104)。
【0013】
この場合には、変動表示の表示結果として導出表示させる識別情報の種類によりタイミング制御を変えるだけで、同じ制御情報を送信すればよいので、制御情報の管理のために必要な記憶容量を小さくすることができる。
【0014】
上記遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記停止タイミング監視手段の監視結果により、前記識別情報の変動表示を停止させるタイミングよりも所定時間だけ前のタイミングであるか否かを判定するタイミング事前判定手段(ステップS103)と、
前記タイミング事前判定手段により所定時間だけ前のタイミングであると判定されたときに、所定時間だけ前のタイミングである旨を示す停止準備制御情報(停止準備コマンド)を前記演出制御手段に送信する停止準備制御情報送信手段(ステップS103)をさらに備えていてもよい。この場合において、
前記演出制御手段は、前記停止準備制御情報送信手段から送信された停止準備制御情報を受信したときに、前記識別情報の変動表示を停止させるための所定の準備処理を行う停止準備制御手段(ステップS205)をさらに備えるものとすることができる。
【0015】
この場合には、識別情報が停止される前に所定の準備処理がなされることで、遊技者に違和感を感じさせることなく、識別情報の変動表示を停止させることができる。
【0016】
ここで、前記所定の準備処理は、前記識別情報の変動表示の速度を減速させる減速処理を含むものとすることができる。
【0017】
この減速処理により、識別情報の停止をスムースに行うことができ、遊技者に違和感を感じさせることなく、識別情報の変動表示を停止させることができる。
【0018】
上記遊技機において、
前記グループ制御情報送信手段によって送信されるグループ制御情報は、該グループ制御情報に対応したグループに属する変動態様の中で前記識別情報の変動表示の時間が最も長い変動態様を示すことが好ましい(図3)。
【0019】
この場合には、同じグループに属する全ての種類の変動態様に対応して、識別情報の変動表示を行うことができる。
【0020】
上記遊技機において、
前記遊技制御手段は、所定の条件が成立することにより、遊技状態を前記識別情報の変動表示の実行時間を短縮させる時短状態に移行させる時短制御手段(ステップS108)をさらに備えていてもよい。この場合において、
前記停止タイミング判定手段は、遊技状態が前記時短状態であるか否かに基づいて、前記識別情報の変動表示を停止させるタイミングを判定することができる(ステップS104)。
【0021】
この場合には、時短状態であるか否かによりタイミング制御を変えるだけで、同じ制御情報を送信すればよいので、制御情報の管理のために必要な記憶容量を小さくすることができる。
【0022】
なお、前記タイミング事前判定手段、前記停止準備制御情報送信手段、前記停止準備制御手段を備える構成とした場合には、
前記タイミング事前判定手段は、遊技状態が前記時短状態であるか否かに従って、前記識別情報の変動表示を停止させるタイミングよりも所定時間だけ前のタイミングであるか否かを判定するものとすることができる(ステップS103)。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を指示固定する遊技機用枠(ガラス扉枠)20とから構成されている。遊技盤2は、ガイドレールによって囲まれたほぼ円形状の遊技領域を形成している。
【0025】
遊技盤2の遊技領域のほぼ中央位置には、液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4の後面側の画像が可変表示部4aとして、前面側の画像が特別図柄保留記憶表示部4bとして適用されており、可変表示部4a及び特別図柄保留記憶表示部4bの画像を重ね合わせて表示する。特別図柄保留記憶表示部4bは、特図ゲームの保留記憶数を表示するものである。
【0026】
可変表示部4aは、特図ゲームを行うためのものであり、特図ゲームに伴って、複数種類の特別図柄を変動表示させると共に、予告やその他の演出のための背景画像やキャラクタ画像等を表示する。特別図柄としては互いに識別可能な12種類のものが用意されており、順番に配置されて変動表示される。もっとも、後述する停止準備処理などにおいて、特別図柄の差し替えが行われる場合があり、このときには配置の順番通りに変動表示されないこととなる。
【0027】
可変表示部4aにおいて、左、中及び右の3つの表示領域で特別図柄が変動表示され、特図ゲームは、これら3つの領域で同一の種類の図柄が揃って停止することによって大当たりとなり、特に奇数番目の種類の図柄が揃って停止したときには、大当たり制御(後述)の終了後に時短状態に遊技状態が移行される。時短状態となっているときには、特図ゲームの実行時間が短縮される。また、最終停止までに2つの領域で同一の種類の図柄が揃って停止すると、リーチとなる。特図ゲームについては、さらに後述する。
【0028】
液晶表示器4の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)6を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)5が配設されている。特図ゲームは、特別図柄始動口5を遊技球が通過することによって始動条件が成立し、先に通過した遊技球に基づく保留記憶がなくなると開始条件が成立し、この開始条件の成立によって開始されるものとなる。特別図柄始動口5の遊技球の通過は、最大4つまで保留記憶され、その数が特別図柄保留記憶表示部4aに表示される。
【0029】
特別図柄始動口5の下側には、大当たり発生時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物:アタッカ)8が配設されている。大入賞口8は、特別図柄始動口5への入賞に基づいて特図ゲームが行われた結果大当たりとなった場合に、開放動作を行う。この開放動作は、遊技球が大入賞口8の内部の特定領域(図示せず)を通過することを条件として、最大15ラウンドして行うものであり、この制御を大当たり制御と呼ぶ。
【0030】
特別図柄始動口5の両側には、遊技球の通過により普図ゲームを開始させるための通過ゲート7(7a、7b)が設けられている。大入賞口8の右側には、普図ゲームの結果を○または×で示す普通図柄表示部12、左側には普通図柄保留記憶表示部10が設けられている。通過ゲート7の遊技球の通過も、最大4つまで保留記憶され、その数が普通図柄保留記憶表示部10に表示される。また、通過ゲート7aの左側、7bの右側、及びそれぞれの下側には、遊技球の通過によって賞球が払い出される入賞口9(9a〜9d)が設けられている。
【0031】
液晶表示器4の上側中央には、ステッピングモータにより駆動されて物理的な動作をすることで、例えば特図ゲームの実行や大当たり制御に同期した演出を行う役物11が設けられている。液晶表示器4の左右、役物11の両側、及び、遊技領域2の左下と右下の端部には、装飾ランプ13(13a〜13f)が設けられている。装飾ランプ13も、特図ゲームの実行や大当たり制御に同期した演出を行うために用いられる。
【0032】
ガラス扉枠20には、遊技領域を囲むようにして複数の遊技効果LED14(14a〜14e)が設けられている。また、ガラス扉枠20の上部左右側には、スピーカ15(15a、15b)が設けられている。特図ゲームの実行や大当たり制御に同期して、またはこれらとは独立した制御により、遊技効果LED14が発光し、スピーカ15から音声が出力される。
【0033】
ガラス扉枠20の遊技領域の下側には、遊技領域に打ち出す遊技球を供給するための打球供給皿21が設けられている。その下側には、打球供給皿21への払い出しができなくなった賞球を払い出すための余剰球受皿22が設けられている。その右側には、遊技領域に遊技球を打ち出す発射モータ(図示せず)を駆動するための打球操作ハンドル23が設けられている。また、パチンコ遊技機1の左側には、プリペイドカードを挿入し、遊技球の貸し出しを受けるためのプリペイドカードユニット200が設けられている。
【0034】
図2は、パチンコ遊技機1の制御回路の構成を示すブロック図である。パチンコ遊技機1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、及び払出制御基板104に大きく分けられる。電源基板100は、商用電源を所定の電圧に変換する電源回路が搭載されており、パチンコ遊技機1の各部に動作電力を供給する。
【0035】
遊技制御基板101は、パチンコ遊技機1における遊技の進行全体の流れを制御するためのメイン側の制御基板であり、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113及びI/O(Input/Output)ポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路110を搭載している。また、遊技制御基板101は、スイッチ回路131、ソレノイド回路132、情報出力回路133及びアドレスデコード回路134を搭載している。
【0036】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能、及び乱数発生機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する制御を行うと共に、パチンコ遊技機1の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、基本回路110に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0037】
スイッチ回路131は、通過ゲート7を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ37、特別図柄始動口5を通過した遊技球を検出するための始動口スイッチ35、大入賞口8を通過した遊技球を検出するためのカウントスイッチ38、大入賞口8の特定領域を通過した遊技球を検出するためのVカウントスイッチ30、及び入賞口9を通過した遊技球を検出するための入賞口スイッチ39に接続されている。また、満タンスイッチ53、球切れスイッチ52、及び球払出装置105が払い出した賞球をカウントするための賞球カウントスイッチ51にも接続されている。スイッチ回路131は、各スイッチ37、35、38、30、39、53、52及び51から出力されてくる信号を、I/Oポート114を介してCPU111に入力させる。
【0038】
ソレノイド回路132は、電動チューリップ型役物6を駆動するためのソレノイド45、大入賞口8の開閉を駆動するためのソレノイド48、及び大入賞口8内の内部にあり、遊技球を特定領域に寄せるためのシーソー(図示せず)を駆動するためのソレノイド40に接続されている。ソレノイド回路132は、I/Oポート114から出力される制御信号に基づいて、ソレノイド40、45及び48に駆動制御信号(励磁信号)を出力する。
【0039】
情報出力回路133は、I/Oポート114から出力された制御信号に基づいて、大当たりの発生中を示す大当たり情報、時短状態(特図ゲーム及び普図ゲームの実行時間を短縮する遊技状態)にあることを示す時短情報、特図ゲームの始動に関する情報である始動情報、支払われた賞球に関する情報である賞球情報等の各種情報を、パチンコホール(遊技店)の管理コンピュータ等の外部コンピュータに対して出力する。
【0040】
アドレスデコード回路134は、CPU111から出力されたアドレス信号を入力し、デコードする。デコードした結果、CPU111の制御対象がRAM112、ROM113及びI/Oポート114のいずれであるかを選択するための信号を、CPU111に出力する。
【0041】
払出制御基板104は、球払出装置105とプリペイドカードユニット200とに接続されており、遊技球の貸し出しのために必要な情報をプリペイドカードユニット200との間でやりとりし、また、球払出装置105に貸し出された遊技球または入賞により賞球として払い出される遊技球を払い出させるための制御回路を備えている。
【0042】
演出制御基板102は、パチンコ遊技機1における演出の実行を制御するためのサブ側の制御基板であり、遊技制御基板101の基本回路110と同様なCPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路120を搭載している。基本回路120は、遊技効果LED14(14a〜14e)、装飾ランプ13(13a〜13f)、普通図柄保留記憶表示部10、普通図柄表示部12に接続されており、これらを制御する。基本回路120は、駆動機構(図示せず)を介して役物11を駆動するための役物駆動モータ41に接続されている。
【0043】
演出制御基板102は、また、それぞれCPU121からの指令に基づいて、液晶表示器4に表示させる画像を描画するためのビデオプロセッサ(VDP)125と、スピーカ15から出力する音声を再生するためのオーディオプロセッサ(ADP)126とを搭載している。演出制御基板102は、また、遊技制御基板101からの確定コマンド(後述)を受信したときに、試験信号を外部に出力する情報出力回路127を搭載している。もっとも、情報出力回路127を必ず搭載していなければならないのは、開発用または検査用の機種だけであり、実際に遊技店に導入されることとなる量産機は、情報出力回路127を搭載していなくてもよい。
【0044】
次に、特図ゲームについて詳細に説明する。特図ゲームの実行は、演出制御基板102のCPU121により制御されるものであるが、その結果を大当たりとするか否か、変動表示パターン、変動時間、確定図柄は、特別図柄始動口5に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値に従って、遊技制御基板101のCPU111により決定される。この決定結果に従って、必要なタイミングで各種のコマンドが演出制御基板102に送信されることで、特図ゲームの実行が制御される。
【0045】
特図ゲームの変動表示パターンには、変動時間が異なる複数種類のものが用意されている。もっとも、変動時間が異なるものであっても、その変動表示の過程に同一性のあるものもある。いずれの変動表示パターンについても、最終的に特別図柄を停止させる前に1秒間の停止準備期間が設定されており、この停止準備期間において図柄の差し替えや変動表示の減速が行われるものとなる。
【0046】
図3は、ROM113に記憶された変動表示パターン選択テーブルを示す図である。複数種類の変動表示パターンは、この変動表示パターン選択テーブル300に登録されている。ここでは、実際に選択可能な変動表示パターンのうちで、ノーマル10コマ、ノーマル12コマ、ノーマル14コマ、ノーマル16コマ、ノーマル18コマ、ノーマル20コマの6つのみを示している。各変動表示パターンにおける変動時間は、時短状態にないときとあるときとで別々に定められており、これも変動表示パターン選択テーブル300に登録されている。
【0047】
図3に示したノーマル10コマ、ノーマル12コマ、ノーマル14コマ、ノーマル16コマ、ノーマル18コマ、ノーマル20コマの6つの変動表示パターンは、変動表示の過程に同一性があり、この同一性に従ってグループ化されたものである。図4は、これらの変動表示パターンの関係を示す図である。ここでは、時短状態にないときを例としているが、時短状態にあるときも同様の関係を有している。
【0048】
例えば、ノーマル10コマについて停止準備期間を除いた変動時間は11.0秒であるが、ノーマル12コマでも11.0秒間は、ノーマル10コマと同様の態様で図柄が変動表示される。ノーマル12コマについて停止準備期間を除いた変動時間は12.6秒であるが、ノーマル14コマでも12.6秒間は、ノーマル12コマと同様の態様で図柄が変動表示される。同じように、ノーマル18コマについて停止準備期間を除いた変動時間は17.4秒であるが、ノーマル20コマでも17.4秒間は、ノーマル18コマと同様の態様で図柄が変動表示される。
【0049】
変動表示パターン選択テーブル300に登録された変動表示パターンから、特別図柄始動口5を遊技球が通過したときに抽出された変動表示パターン選択用乱数の値に従って、いずれかの変動表示パターンが選択される。先の始動入賞に基づく特別図柄の保留記憶がなくなると、特図ゲームの開始となり特図ゲームコマンドが演出制御基板102に送信される。
【0050】
ここで、変動表示の過程に同一性のあるノーマル10コマ、ノーマル12コマ、ノーマル14コマ、ノーマル16コマ、ノーマル18コマ、ノーマル20コマのグループでは、図3に示すように、その種類に関わらず同一の特図ゲームコマンド(ノーマル(20.秒))が演出制御基板102に送信されるものとなる。この20.0秒という時間は、このグループの中で最長のノーマル20コマの変動表示時間に対応したものである。
【0051】
図3に示したノーマル10コマ、ノーマル12コマ、ノーマル14コマ、ノーマル16コマ、ノーマル18コマ、ノーマル20コマ以外の変動表示パターンであっても、その変動表示の過程の同一性に従ってグループ化されて変動表示パターン選択テーブル300に登録されている。グループ分けの基準となる変動表示の過程の同一性とは、途中まで同じパターンで変動することを意味し、例えば、同じリーチアクションをするが、最終停止する図柄とリーチ図柄との関係が異なるパターンが、変動表示の過程に同一性のある変動表示パターンとなる。
【0052】
いずれの変動表示パターンが選択された場合にも、その変動表示パターンが属するグループの中で最長の変動表示パターンに対応した特図ゲームコマンドが演出制御基板102に送信されるものとなる。また、時短状態にないときもあるときも、選択された変動表示パターンが同一であれば、同じ特図ゲームコマンドが遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるものとなる。
【0053】
なお、遊技制御基板101のCPU111は、特別図柄始動口5へ遊技球が入賞したときに、特図ゲームの結果を大当たりとするか否かを決定する大当たり判定用乱数、特図ゲームの過程でリーチとするか否かを決定するリーチ判定用乱数、及び特図ゲームの確定図柄を決定するための表示図柄用乱数も抽出している。変動表示パターンを選択するよりも前に、大当たりとするか否か、リーチとするか否か、及び確定図柄が決定されるものとなっているので、変動表示パターンの選択は、これらの決定結果に応じてなされるものとなる。
【0054】
例えば、同一のグループの変動表示パターンとしてリーチ1コマすべり、リーチ2コマすべりといった変動表示パターンがあった場合、最終停止図柄が、リーチ図柄の1つ後の図柄に決定されていなければ、変動表示パターンとしてリーチ1コマすべりが選択されることはなく、2つ後の図柄に決定されていなければ、リーチ2コマすべりが選択されることはない。逆を言えば、変動表示パターン選択用の乱数として同一の値が抽出されても、最終停止図柄とそれ以外の図柄が1つずれていれば、リーチ1コマすべりが選択され、2つずれていれば、リーチ2コマすべりが選択されるものとなる。
【0055】
遊技制御基板101のCPU111は、特図ゲームコマンドを送信し、演出制御基板102側で特図ゲームが開始されると、内部タイマによりそこからの経過時間を監視するものとなる。その時間監視の結果、選択した変動表示パターンにおける変動時間が終了する1秒前となったときに停止準備コマンドを演出制御基板102に送信し、変動時間が終了して特図ゲームにおける図柄の変動を停止させて表示結果を確定させるタイミングとなったときに確定コマンドを演出制御基板102に送信する。
【0056】
ここで、変動時間が終了する1秒前であるか、終了するタイミングであるかの判定は、時短状態にあるか否かに従って変動表示パターン選択テーブル300に登録されている変動時間に基づいて行われる。例えば、各変動表示パターンについて時短状態であるか否かに対応して登録されている時間を示すデータをRAM112の所定の領域にセットし、これに基づいて時間の監視を行うものとすることができる。なお、特図ゲームの結果の図柄を示す停止図柄コマンドの送信は、左、中及び右の別に、特図ゲームコマンドの送信に続けて行われる。
【0057】
演出制御基板102においては、変動表示パターンのグループ毎、すなわち特図ゲームコマンドの種類毎に、特図ゲーム用の画像データが用意されており、ROM123に予め記憶されている。演出制御基板102のCPU121は、特図ゲームコマンドを受信したときには、該特図ゲームコマンドに対応した画像データをROM123から順次読み出し、読み出した画像データに従ってVDP125により可変表示部4aの画像を描画させて、特別図柄が変動表示される画像を表示させる。
【0058】
停止図柄コマンドを受信したときには、それぞれの図柄の種類をRAM122に一時保存しておく。停止準備コマンドを受信したときには、特図ゲームコマンドに基づいて行われていた特別図柄の変動表示の速度を減速させるとともに、保存しておいた停止図柄が確定タイミングで可変表示部4aに表示されているように、図柄の差し替えを行う停止準備処理を行う。もっとも、図柄の差し替えは、停止準備コマンドを受信していなくても、行われる場合がある。確定コマンドを受信したときには、可変表示部4aに表示されている特別図柄を完全に停止させることにより表示結果を導出表示させ、特図ゲームの結果を遊技者に示すものとする。
【0059】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技動作について説明する。図5は、遊技制御基板101の基本回路110内のCPU111が実行する処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、図5(a)に示すメイン処理が実行されることとなる。
【0060】
メイン処理では、まず初期設定処理が行われる(ステップS11)。初期設定処理では、後述する割り込み処理を実行するタイミングを規定するタイマ割り込み時間(例えば、2msec)をCPU111に設定する処理が行われる。これにより、電源投入等によるリセット後、最初の割り込み処理が実行されるタイミングを規定するための計時が開始される。また、初期設定処理においては、種々のタイマをセットするための処理も行われる。
【0061】
初期設定処理が終了すると、この電源投入前に生じた電源エラーによる電源遮断時における状態のバックアップがされていないかどうかを判定する(ステップS12)。電源遮断時における状態のバックアップがされていれば、バックアップされていた状態を復元して、電源エラーの前の状態に復帰する(ステップS13)。そして、復帰した電源エラーの前の状態からの処理を継続して行う。
【0062】
電源遮断時における状態のバックアップがされていなければ、RAM112を初期化すること、及び各種フラグの初期化などの処理が行われる(ステップS14)。次に、演出制御基板102、払出制御基板104などのサブ基板などに初期コマンドを送信し、これらのサブ基板の状態を初期化させる(ステップS15)。
【0063】
サブ基板の初期化が行われると、大当たり判定用乱数及び表示図柄乱数を更新する処理が行われる(ステップS16)。さらに、大当たり判定用乱数に設定すべき初期値を決定する初期値決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS17)。次に、リーチ判定用乱数及び変動表示パターン選択用乱数をそれぞれ更新する乱数更新処理が行われる(ステップS18)。
【0064】
ステップS15でサブ基板の初期化が終了した後には、ステップS16〜S18の処理が無限ループで繰り返して実行されることとなる。この間に設定したタイマ割り込み時間が到来してタイマ割り込みが入る毎に、図5(b)のタイマ割り込み処理が実行され、タイマ割り込み処理が終了すると、再度ステップS16〜S18の無限ループの処理が実行されることとなる。
【0065】
タイマ割り込み処理では、まずゲートスイッチ37、カウントスイッチ38、Vカウントスイッチ30等の状態を入力し、各入賞口や通過ゲートに対する入賞があったか否かを判定するスイッチ処理を行う(ステップS21)。なお、始動口スイッチ35による始動入賞の判定は、後述する特別図柄プロセス処理において行っている。
【0066】
次に、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断を行い、その結果に応じて必要ならば警報を発生させる等の処理を含むエラー処理を行う(ステップS22)。次に、ステップS18と同様に、リーチ判定用乱数及び変動表示パターン選択用乱数をそれぞれ更新する乱数更新処理が行われる(ステップS23)。
【0067】
さらに、初期値決定用乱数を更新する処理が行われ(ステップS24)、大当たり判定用乱数及び表示図柄乱数を更新する処理が行われる(ステップS25)。ここで、初期値決定用乱数は、大当たり判定用乱数の値が周期的に更新されるのを避けるために、例えば大当たり判定用乱数の値が最大値に達した後に最初に行われるタイマ割り込み処理で、大当たり判定用乱数の値として設定する初期値を決定するための乱数である。
【0068】
ステップS23〜S25における各種の乱数値の更新が終了すると、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。この特別図柄プロセス処理では、特別図柄プロセスフラグに従って、上記した各種の乱数を抽出して、特図ゲームの結果を大当たりとするか、特図ゲームにおける確定図柄をどの種類の図柄とするか、特図ゲームの変動表示パターンをどのパターンとするか、などの抽選を行う処理が含まれる。また、その処理結果に応じて、必要なコマンドを生成する。特別図柄プロセス処理の詳細については、後述する。
【0069】
次に、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。また、その処理結果に応じて、普図ゲームコマンドなどのコマンドを生成する。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0070】
次に、特別図柄コマンド処理を行う(ステップS28)。この特別図柄コマンド処理は、ステップS26において各種のコマンドが生成されていれば、これを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。次に、普通図柄コマンド処理を行う(ステップS29)。この普通図柄コマンド処理は、普通図柄を表示制御するためのコマンドを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。
【0071】
次に、情報出力回路133を介して時短情報、大当たり情報、始動情報、賞球情報等の情報を外部に出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。次に、ソレノイド45、48、40を励磁制御するための制御信号をソレノイド回路132に出力するソレノイド出力処理を行う(ステップS31)。次に、基本回路110から払出制御基板104に賞球個数信号と賞球可能信号とを送信して、賞球の払出指令を行うための賞球処理を行う(ステップS32)。
【0072】
次に、保留記憶処理を行う(ステップS33)。この保留記憶処理は、例えば、特別図柄始動口5に遊技球の入賞があって保留記憶が増加した場合や特別図柄の変動が開始されて保留記憶が減少した場合などの保留記憶数が変化した場合に、保留記憶数の表示変更を指示するための保留記憶数コマンドを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。普通図柄の保留記憶についても同様の処理を行う。このステップS33の処理が終了すると、前述したステップS16及びS17の無限ループの処理に戻る。
【0073】
次に、ステップS26の特別図柄プロセス処理について詳しく説明する。図6は、ステップS26の特別図柄プロセス処理を詳細に示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、まず、始動口スイッチ35による特別図柄始動口5への遊技球の通過の検出(いわゆる始動入賞)を確認し、始動入賞があった際に、各種の抽選用の乱数の抽出処理を含む入賞確認処理を行う(ステップS100)。
【0074】
その後、特図ゲーム及び特図ゲームで大当たりとなった場合の制御状態を示す特別図柄プロセスフラグ(RAM112に設定)に従って、停止図柄設定処理(ステップS101)、全図柄変動開始処理(ステップS102)、全図柄停止準備処理(ステップS103)、全図柄停止待ち処理(ステップS104)、大入賞口開放開始処理(ステップS105)、大入賞口開放中処理(ステップS106)、特定領域有効時間処理(ステップS107)、大当たり終了処理(ステップS108)のうちのいずれかの処理を行う。
【0075】
これらの処理のうち、本発明に関わる処理について詳しく説明すると、ステップS100の入賞確認処理では、特別図柄始動口5への遊技球の通過が始動口スイッチ35により検出された場合、保留記憶数が4となるまで(特別図柄判定用のバンクは4つからなり、始動入賞が検出された際に全てのバンクに記憶がある場合には、その始動入賞が無効とされる)、入賞時フラグを設定すると共に、大当たり判定用乱数、リーチ判定用乱数、表示図柄決定用乱数及び変動表示パターン選択用乱数を抽出し、始動記憶用の特別図柄判定用バンクに記憶する。また、抽出した大当たり判定用乱数の値に応じて、特図ゲームの結果を大当たりとするかどうか、さらには時短大当たりとするかどうか、特図ゲームの経過をリーチとするかどうかを決定する。
【0076】
ステップS101の停止図柄設定処理では、特別図柄判定用バンクに記憶しておいた表示図柄決定用乱数の値に応じて特図ゲームの確定図柄を決定する。但し、確定図柄の決定は、大当たりとするかどうか、リーチとするかどうかの決定に従う。また、特別図柄判定用バンクに記憶しておいた変動表示パターン選択用乱数の値に応じて、図3の変動表示パターン選択用テーブルに登録された変動表示パターンのうちから、いずれかの変動表示パターンを選択する。但し、変動表示パターンの選択は、確定図柄の決定に従う。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、全図柄変動開始処理を行わせるための値に更新する。
【0077】
ステップS102の全図柄変動開始処理では、ステップS101の停止図柄設定処理で選択した変動表示パターンに対応して変動表示パターン選択用テーブルに登録されている特図ゲームコマンドを生成し、次の特別図柄コマンド処理で演出制御基板102に送信されるように設定する。特図ゲームコマンドは、同じグループで最長の変動時間を有する変動表示パターン及びその変動時間を特定できるものである。また、ここでは、内部タイマを用いて変動表示の経過時間の監視を開始する。
【0078】
さらに、ステップS101の停止図柄設定処理で決定した確定図柄を特定可能な停止図柄コマンドを、左、中及び右のそれぞれについて順次生成し、次の特別図柄コマンド処理で演出制御基板102に送信されるように設定する。また、保留記憶数を1だけ減算する。これら全てのコマンドの設定が終了した後、特別図柄プロセスフラグの値を全図柄停止準備処理を行わせるための値に更新する。
【0079】
ステップS103の全図柄停止準備処理では、ステップS101の停止図柄設定処理で選択した変動表示パターンの変動時間に応じて、特図ゲームを終了するタイミングの1秒前となったかどうかを判定する。この判定を行うための時間データとして時短状態にあるか否かで異なる時間データがRAM112にセットされることとなるため、時短状態であるか否かに従って行われるものとなる。1秒前となったと判定した場合には、可変表示部4aにおいて図柄の差し替えと変動表示の減速処理が行われるように、停止準備コマンドを生成して、次の特別図柄コマンド処理が実行されるときに送信されるように設定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理を行わせるための値に更新する。
【0080】
ステップS104の全図柄停止待ち処理では、ステップS101の停止図柄設定処理で選択した変動表示パターンの変動時間に応じて、特図ゲームを終了するタイミングとなったかどうかを判定する。この判定も、RAM112にセットされた時間データに基づいて時短状態にあるか否かに従って行われるものとなる。終了タイミングとなったと判定した場合には、可変表示部4aにおいて特図ゲームの確定結果が示されるように、確定コマンドを生成して、次に特別図柄コマンド処理が実行されるときに送信されるように設定する。そして、特図ゲームの確定結果に従って、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放開始処理または次の特図ゲームにおける停止図柄設定処理が行わせるための値に更新する。
【0081】
ステップS105の大入賞口開放開始処理では、大入賞口8を開放状態とさせるためのラウンドコマンド(大当たり制御の何ラウンド目であるかを示す情報を含む)を生成し、次に特別図柄コマンド処理が実行されるときに送信されるように設定する。ステップS108の大当たり終了処理では、大当たり制御の終了を示す大当たり終了コマンドを生成し、次に特別図柄コマンド処理が実行されるときに送信されるように設定する。また、時短大当たりであった場合は、大当たり終了後の特図ゲームが時短制御されるように、RAM112に時短フラグを設定する(これは、次の大当たりの発生時に消去される)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を新たな特図ゲームの停止図柄設定処理を行わせるための値に更新する。
【0082】
以上示した処理により、遊技制御基板101の側では、特別図柄始動口5への遊技球の通過に基づいて抽選を行い、その結果が大当たりとなった場合に、大入賞口8を一定期間断続的に開放させる。また、入賞によって遊技球を払い出す。一方、演出制御基板102内の制御部は、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに従って、可変表示部4aにおける特別図柄の変動表示処理を含む各種の演出動作を行っている。なお、遊技制御基板101の側で制御する遊技動作は、送信したコマンドに従って演出制御基板102の側で制御さている演出動作とのタイミングが図られている。
【0083】
演出制御基板102の制御部が実行する演出には、スピーカ15からの音声の出力や、装飾ランプ13及び遊技効果LED14の発光、役物11の駆動による演出も含まれているが、ここでは、本発明に関わる表示制御処理のみを説明する。図7は、演出制御基板102の制御部が実行する表示制御処理を示すフローチャートである。
【0084】
表示制御処理では、まず初期化処理が行われる(ステップS51)。この初期化処理では、例えば遊技制御基板101から送られてくる初期化コマンドに基づいて、演出制御基板102の状態、特にRAMに設けられた各種カウンタの値や偏りモードなどの設定を初期化する。この初期化処理が終了すると、ステップS52〜S56の無限ループの処理が実行されることとなる。
【0085】
初期化処理が終了すると、遊技制御基板101から受信した各種コマンドを解析するコマンド解析処理が行われる(ステップS52)。次に、コマンド解析処理で解析したコマンドにより確定コマンドを受信していた場合に、試験信号を作成し、情報出力回路127から外部に出力させるための試験信号作成処理を行う(ステップS53)。もっとも、情報出力回路127が搭載されていない機種では、試験信号が実際に外部に出力されることはない。
【0086】
外部信号作成処理が終了すると、特別図柄表示制御プロセス処理を行う(ステップS54)。特別図柄表示制御プロセス処理では、特図ゲームコマンドの受信により、可変表示部4aにおいて特別図柄を変動表示を開始させると共に、停止準備コマンドの受信により停止準備処理を行い、さらに確定コマンドの受信により表示結果を導出表示させるための処理が含まれる。特別図柄表示制御プロセス処理の詳細については、後述する。
【0087】
特別図柄表示制御プロセス処理が終了すると、普図ゲームコマンドの受信により、普通図柄表示部12において普通図柄を変動表示させ、その表示結果を導出表示させる普通図柄表示制御プロセス処理を行う(ステップS55)。さらに、演出制御基板102において演出を実行するために用いられる各種の乱数を更新する乱数更新処理を行う(ステップS56)。乱数更新処理が終了すると、ステップS52のコマンド解析処理に戻る。
【0088】
次に、ステップS54の特別図柄表示制御プロセス処理について詳しく説明する。図8は、ステップS54の特別図柄表示制御プロセス処理を詳細に示すフローチャートである。特別図柄表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグ(演出制御基板102のRAMに設定)に従って、特図ゲームコマンド受信待ち処理(ステップS201)、図柄変動開始処理(ステップS202)、停止図柄設定処理(ステップS203)、図柄変動中処理(ステップS204)、図柄停止準備処理(ステップS205)、図柄停止待ち処理(ステップS206)、大当たり表示処理(ステップS207)、大当たり遊技中処理(ステップS208)のうちのいずれかの処理を行う。
【0089】
これらの処理のうち、本発明に関わる処理について詳しく説明すると、ステップS201の特図ゲームコマンド受信待ち処理では、ステップS52のコマンド解析処理で特図ゲームコマンドを受信したと解析されるのを待機し、特図ゲームコマンドを受信したと解析されたときに、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動開始処理を行わせるための値に更新する。
【0090】
ステップS202の図柄変動開始処理では、受信した特図ゲームコマンドが示す変動表示パターンに従って、可変表示部4aにおいて特別図柄の変動表示を開始させる。そして、表示制御プロセスフラグの値を停止図柄設定処理を行わせるための値に更新する。ステップS203の停止図柄設定処理では、特図ゲームコマンドに続けて送られてくる確定図柄コマンドが示す特別図柄の種類を、左、中及び右のそれぞれについてRAM122に一時保存しておく。そして、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理を行わせるための値に更新する。
【0091】
ステップS204の図柄変動中処理では、選択した変動表示パターンに従って可変表示部4aにおける特別図柄の変動表示を継続させる。ここでは、必要に応じて変動表示中の特別図柄が差し替えられることがある。その後、停止準備処理が行われるまでは、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止準備処理を行わせるための値に更新し、停止準備処理が行われた後は、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理を行わせるための値に更新する。
【0092】
ステップS205の図柄停止準備処理では、ステップS52のコマンド解析処理で停止準備コマンドを受信したと解析したかどうかを判定する。停止準備コマンドを受信していなければ、そのまま表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理を行わせるための値に戻す。停止準備コマンドを受信していれば、ステップS203の停止図柄設定処理でRAM122に保存しておいた確定図柄が最終的に導出表示されるように、変動表示中の特別図柄の差し替えを行い、また、変動表示の速度の減速を開始させる。その後、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理を行わせるための値に戻す。
【0093】
ステップS206の図柄停止待ち処理では、ステップS52のコマンド解析処理で確定コマンドを受信したと解析したかどうかを判定する。確定コマンドを受信していなければ、そのまま表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理を行わせるための値に戻す。確定コマンドを受信したときには、可変表示部4aにおいて表示されている特別図柄を完全に停止させて、特図ゲームの結果を遊技者に示す。そして、特図ゲームの結果が大当たりとなったかどうかに従って、表示制御プロセスフラグの値を、大当たり表示処理を行わせるための値、または次の特図ゲームにおける特図ゲームコマンド受信待ち処理を行わせるための値のいずれかに更新する。
【0094】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における特図ゲームの実行を具体的な例に基づいて説明する。図9は、この実施の形態における特図ゲームの制御タイミングを示すタイミングチャートである。ここでは、特図ゲームの変動表示パターンとして、図3の変動表示パターン選択テーブル300からノーマル14コマが選択され、時短状態にない場合を例として説明する。
【0095】
タイミングt0において特図ゲームの開始条件が成立したとすると、ノーマル14コマに対応して変動表示パターン選択テーブル300に登録されているノーマル(20.0秒)の特図ゲームコマンドが、遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。実質的にこのタイミングから、遊技制御基板101においては、特図ゲームの開始からの経過時間が監視されるものとなる。
【0096】
演出制御基板102においては、この特図ゲームコマンドに基づいて、タイミングt0の20.0秒後まで(この時点では、停止のタイミングが認識できないため)、可変表示部4aにおいて特別図柄の変動表示を実行させる。特図ゲームコマンドに続けて、左、中及び右の停止図柄コマンドが遊技制御基板101から演出制御基板102に送られてくるので、演出制御基板102においては、その種類をRAM122に一時保存しておく。
【0097】
タイミングt0から14.2秒が経過したときに、ノーマル14コマにおける変動表示の終了タイミングから1秒前となる。このタイミングにおいて、遊技制御基板101から演出制御基板102に停止準備コマンドが送信される。演出制御基板102においては、この停止準備コマンドに基づいて、停止タイミング(タイミングt0から15.2秒が経過したとき)でRAM122に保存しておいた種類の特別図柄が可変表示部4aに表示されるように、変動表示中の図柄の差し替えを行う。また、このタイミングから停止タイミング(タイミングt0から15.2秒経過時)となるまで、特別図柄の変動表示の速度を順次減速させる。
【0098】
タイミングt0から15.2秒が経過したときには、ノーマル14コマにおける変動表示の終了タイミングとなる。このタイミングにおいて、遊技制御基板101から演出制御基板102に確定コマンドが送信される。演出制御基板102においては、この確定コマンドに基づいて、可変表示部4aに表示されている特別図柄を停止させ、特図ゲームの結果を遊技者に示すものとなる。
【0099】
ここからさらに一定時間を経過した後のタイミングt1において、次の特図ゲームの開始条件が成立すると、それについての特図ゲームコマンドが遊技制御基板101から演出制御基板102に送信され、以降同様の処理によって次の特図ゲームを実行するものとなる。
【0100】
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、複数種類の変動表示パターンのうちで変動の過程に同一性のあるものについてグループ化して変動表示パターン選択テーブル300に登録している。特図ゲームコマンドは、グループ毎に変動表示パターン選択テーブル300に登録されており、選択した変動表示パターンが属するグループに対応した特図ゲームコマンドが、遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるものとなっている。
【0101】
このため、遊技制御基板101と演出制御基板102のそれぞれの側で管理しなければならない特図ゲームコマンドの種類が少なくて済み、そのための記憶容量を小さくすることができる。また、演出制御基板102のCPU121が判断しなければならない特図ゲームコマンドの種類も少なくなり、特図ゲームコマンドの種類を特定するための処理負荷を小さくすることができる。
【0102】
また、同じ種類の変動表示パターンであれば、時短状態であってもなくても、同一の特図ゲームコマンドが送信されるものとなっている。時短状態であるか否かにより、停止準備コマンド及び確定コマンドの送信タイミングを変えているだけである。このため、遊技状態を複数設けたことによっても、遊技制御基板101と演出制御基板102のそれぞれの側で管理しなければならない特図ゲームコマンドの種類が増えることがない。
【0103】
ここで、特図ゲームコマンドは、同じグループに属する変動表示パターンのうちで変動時間が最も長い変動表示パターンに対応したものである。また、この変動表示時間の最も長い変動表示パターンに合わせて演出制御基板102に特図ゲームの画像データが用意されており、特図ゲームが実行されるものとなる。つまり、全ての変動表示パターンに合わせて特図ゲームの画像データを用意しておかなくても、全ての変動表示パターンに対応して特図ゲームが実行できるようになる。
【0104】
また、同じグループの変動表示パターンが選択されていれば、時短状態にあるか否かにより停止準備コマンド及び確定コマンドの送信タイミングを変えるものとしているが、遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される特図ゲームコマンドに違いはない。このため、管理すべき特図ゲームコマンドの種類をさらに少なくすることができ、記憶容量を小さくすることができる。
【0105】
ところで、変動表示パターンが選択されるよりも前に、大当たりとするか否か、リーチとするか否か、最終的な停止図柄の種類が決定されるが、変動表示パターンの選択は、これの決定結果に従って行われるものとなっている。つまり、停止図柄の決定結果に応じて、変動表示パターンが選ばれて、特図ゲームを終了させるタイミングが制御されることとなる。停止図柄の決定結果に応じて変動表示パターンが異なるものとなっても、変動の過程に同一性があれば同じグループの特図ゲームコマンドを送信するだけで済むので、管理すべき特図ゲームコマンドの種類が増加することがない。
【0106】
さらに、選択した変動パターンの変動時間を経過する1秒前に停止準備期間となることを判定し、停止準備コマンドを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信するものとしている。演出制御基板102では、停止準備コマンドを受信したときに、先に受信していた停止図柄コマンドが示す図柄の種類に応じて、変動中の図柄の差し替えを行っている。このタイミングでは、特別図柄の変動表示は高速で行われており、差し替えが行われていることが遊技者に認識されづらいので、遊技者に違和感を感じさせることなく図柄の差し替えを行うことができる。
【0107】
また、変動時間の終了時において、停止図柄コマンドに応じた図柄を可変表示部4aに表示させた状態としておくことができるので、違和感なく特別図柄の変動表示を停止させることができる。また、停止位置のずれを生じさせないようにすることができる。さらに、停止準備期間においては、図柄の変動表示を減速させる処理も行われている。このため、変動時間が終了するときにおいてスムースに特別図柄の変動表示を停止させることができ、遊技者に違和感を感じさせることがない。
【0108】
さらに、遊技制御基板101から確定コマンドを受信したときには、演出制御基板102のCPU121における変動時間の認識がどうなっていたかに関わらず、外部信号作成処理により試験信号を作成するものとしている。そして、パチンコ遊技機1が情報出力回路127を有する仕様となっていれば、この試験信号が外部に出力されることとなる。つまり、特図ゲームの実行の制御に関わらず、確定コマンドの受信により適正に、演出制御基板102から試験信号を出力させることができる。
【0109】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0110】
上記の実施の形態では、特図ゲームコマンドは、対応するグループに属する変動表示パターンのうちで最長の変動時間を含むものとしていた。しかしながら、演出制御基板102の側で特図ゲームコマンドと変動時間の対応付けとをROM123で管理しておけば、特図ゲームコマンドとして変動時間を含まないものを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信するものとしてもよい。演出制御基板102のCPU121は、ROM123で管理されている変動時間を参照して、受信した特図ゲームコマンドに基づいて特図ゲームを実行するものとすることができる。
【0111】
上記の実施の形態では、ステップS54の特別図柄表示制御プロセス処理において、停止準備コマンドの受信の判定は、ステップS205の図柄停止準備処理で行うものとしていた。もっとも、特別図柄表示制御プロセス処理においてこのようなステップを特別に設けることなく、ステップS204の図柄変動中処理において停止準備コマンドの受信を判定するものとしてもよい。この場合、図柄変動中処理において停止準備コマンドを受信したと判定したならば、表示制御プロセスフラグを図柄停止待ち処理を行わせるための値に更新することができる。
【0112】
上記の実施の形態では、遊技制御基板101のCPU111は、選択した変動表示パターンにおける変動時間が経過する1秒前に停止準備コマンドを、変動時間の経過時に確定コマンドを送信していた。演出制御基板102のCPU121は、停止準備コマンドの受信により図柄の差し替えと変動表示の減速とを行い、確定コマンドの受信により特別図柄の変動表示を停止させて、特図ゲームの結果を示すものとしていた。しかし、特図ゲームの結果を示すために必要なのは確定コマンドだけで、停止準備コマンドは必ずしも必要なものではない。
【0113】
停止準備コマンドを送信することなく、選択した変動表示パターンにおける変動時間が経過したときに確定コマンドを送信するだけであっても、次のような制御を行うことによって、遊技者に違和感を生じさせることなく、特図ゲームにおける図柄の変動表示を停止させるものとすることができる。このような制御は、特別図柄プロセス処理及び特別図柄表示制御プロセス処理に次のような変形を加えることによって、実現することができる。
【0114】
図6の特別図柄プロセス処理において、ステップS103の全図柄停止準備処理が実行されることはなく、ステップS102の全図柄変動開始処理で行うべき全ての処理が終了すると、特別図柄プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理を行うための値に更新する。特別図柄プロセス処理におけるそれ以外の処理は、上記の実施の形態の場合と同じである。
【0115】
また、図8の特別図柄表示制御プロセス処理においても、ステップS205の図柄停止準備処理が実行されることはなく、ステップS204の図柄変動中処理の後に、表示制御プロセスフラグをステップS206の図柄停止待ち処理を行わせるための値に更新する。また、図柄停止待ち処理では、次のような処理が行われる。特別図柄表示制御プロセス処理におけるそれ以外の処理は、上記の実施の形態の場合と同じである。
【0116】
ステップS206の図柄停止待ち処理においては、ステップS52のコマンド解析処理で確定コマンドを受信したかどうかを判定する。確定コマンドを受信していなければ、そのまま表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理を行わせるための値に戻す。確定コマンドを受信していれば、ステップS203の停止図柄設定処理でRAM122に保存しておいた確定図柄が最終的に導出表示されるように、変動表示中の特別図柄の差し替えを行い、また、変動表示の速度の減速させを開始させる停止準備処理を行う。
【0117】
停止準備処理の終了により停止図柄が可変表示部4aに表示された状態となったときに、可変表示部4aにおいて表示されている特別図柄を完全に停止させて、特図ゲームの結果を遊技者に示す。そして、特図ゲームの結果が大当たりとなったかどうかに従って、表示制御プロセスフラグの値を、大当たり表示処理を行わせるための値、または次の特図ゲームにおける特図ゲームコマンド受信待ち処理を行わせるための値のいずれかに更新する。
【0118】
なお、確定コマンドを受信したときに特図ゲームコマンドに対応した変動表示の時間となっている場合には、特図ゲームコマンドに応じた変動表示パターンの最後で停止準備処理が行われていることとなるので、確定コマンドの受信によって、そのまま可変表示部4aにおいて表示されている特別図柄を完全に停止させて、特図ゲームの結果を遊技者に示すものとすることができる。
【0119】
次に、この変形例における制御タイミングをタイミングチャートに基づいて詳しく説明する。図10は、この変形例における特図ゲームの実行の制御タイミングを示すタイミングチャートである。ここでも、特図ゲームの変動表示パターンとして、図3の変動表示パターン選択テーブル300からノーマル14コマが選択され、時短状態にない場合を例として説明する。
【0120】
タイミングt0において特図ゲームの開始条件が成立したとすると、ノーマル14コマに対応して変動表示パターン選択テーブル300に登録されているノーマル(20.0秒)の特図ゲームコマンドが、遊技制御基板101から演出制御基板に送信される。実質的にこのタイミングから、遊技制御基板101においては、特図ゲームの開始からの経過時間が監視されるものとなる。
【0121】
演出制御基板102においては、この特図ゲームコマンドに基づいて、タイミングt0の20.0秒後まで(この時点では、停止のタイミングが認識できないため)、可変表示部4aにおいて特別図柄の変動表示を実行させる。特図ゲームコマンドに続けて、左、中及び右の停止図柄コマンドが遊技制御基板101から演出制御基板102に送られてくるので、演出制御基板102においては、その種類をRAM122に一時保存しておく。
【0122】
タイミングt0から15.2秒が経過したタイミングt1では、ノーマル14コマにおける変動表示の終了タイミングとなる。このタイミングにおいて、遊技制御基板101から演出制御基板102に確定コマンドが送信される。演出制御基板102においては、この確定コマンドに基づいて、RAM122に保存しておいた種類の特別図柄が1秒後に可変表示部4aに表示されるように図柄の差し替えを行うとともに、ここから変動表示の速度を順次減速させる。タイミングt1から1.0秒を経過したときに、可変表示部4aに停止図柄が表示された状態となっているので、ここで特別図柄を停止させて、特図ゲームの確定結果を遊技者に示すものとなる。
【0123】
さらに特別図柄の保留記憶がされている場合には、続けて特図ゲームコマンドが送られてきて、次の特図ゲームが開始されるものとなる。もっとも、特図ゲームコマンドを送信するタイミングt2は、確定コマンドを送信したタイミングt1からの経過時間が1秒を越えるタイミングに制御される。これにより、特図ゲームの確定結果が示されるよりも前に、次の特図ゲームが開始してしまうことがないように制御されている。
【0124】
特図ゲームの結果が大当たりである場合には、特図ゲームの後に大当たり制御に移行することとなり、可変表示部4aに大当たり画面が表示されるものとなる。確定コマンドを受信した後、停止準備期間を経て特図ゲームの結果を示すまでの期間は、遊技制御基板101のCPU111が確定コマンドを送信してから大当たり制御に移行するまでの期間よりも短い期間とすることができる。これにより、大当たり制御に移行するのに影響を及ぼすことなく、特図ゲームの結果を示すことができるようになる。
【0125】
なお、確定コマンドを送信してから演出制御基板102における制御により特別図柄の変動表示が停止されるまでに、停止準備期間だけの時間(ここでは、1秒)を要するものとなっている。そこで、選択した変動表示パターンの変動時間に応じたタイミングではなく、これよりも停止準備期間だけ前のタイミング(ここでは、t0から14.2秒を経過したとき。上記の実施の形態における停止準備コマンドの送信タイミングと同じ)において、確定コマンドを送信するものとしてもよい。
【0126】
また、この変形例における制御は、変動表示パターンをグループ分けしていない場合にも適用することができる。例えば、変動表示パターン毎に異なる特図ゲームコマンドを送信するものとするが、時短状態であるか否かには関わらないものとする。時短状態にあるときには、特図ゲームコマンドが示す変動時間を経過するよりも前に、遊技制御基板101から演出制御基板102に確定コマンドが送信されることとなる。このような場合に確定コマンドを受信したときに、図柄の差し替えと変動表示の減速とを行ってから、特別図柄を停止させるものとすることができる。
【0127】
さらに、この変形例における制御は、遊技制御基板101の側と演出制御基板102の側との特図ゲームの終了タイミングの認識にエラーが生じた場合にも適用することができる。特図ゲームの終了タイミングの認識のエラーは、遊技制御基板101の側の原因で生じることと、演出制御基板102の側の原因で生じることとがある。もっとも、いずれの場合においても、本来の遊技の進行に合わせた制御を行うためには、両者の認識を遊技制御基板101の側の認識に合わせる必要がある。
【0128】
遊技制御基板101の側の認識において、特図ゲームの変動時間を経過したものとなったときには、遊技制御基板101から演出制御基板102に確定コマンドを送信するものとすればよい。このような場合に確定コマンドを受信したときには、演出制御基板102の側の認識では変動時間を経過していないものとなっていても、図柄の差し替えと変動表示の減速とを行ってから、特別図柄を停止させるものとすることができる。
【0129】
これらいずれの場合においても、演出制御基板102のCPU121は、ステップS52のコマンド解析処理の解析結果により確定コマンドを受信していたときには、ステップS53の外部信号作成処理で、試験信号を作成することができる。情報出力回路127が備えられていれば、この試験信号を外部に出力するものとすることができる。
【0130】
以上説明したように、この変形例では、演出制御基板102のCPU121が認識している変動時間を経過する前に、遊技制御基板101から確定コマンドを受信したとしても、図柄の差し替えと変動表示の減速とを行った後、特別図柄を停止させるので、遊技者に違和感を感じさせることがない。また、いずれの認識に誤りがあったかに関わらず、遊技制御基板101の側で認識している終了タイミングで特図ゲームを終了させることができるため、遊技の進行に影響を及ぼすことがない。
【0131】
また、保留記憶により特図ゲームが続けて行われる場合であっても、遊技制御基板101のCPU111が確定コマンドを送信してから次の特図ゲームコマンドを送信するまでの期間よりも短い期間で、演出制御基板102のCPU121は、確定コマンドの受信により特図ゲームの結果を示すものとしている。大当たり制御に移行する場合も同様である。このため、新たな特図ゲームの実行や大当たり制御への移行に影響を及ぼすことはない。
【0132】
上記の実施の形態では、特図ゲームの結果が大当たりとなったときの表示態様によって移行される特別遊技状態としては、時短状態だけが設けられていた。これに対して、特図ゲームの結果が大当たりとなったときの表示態様によっては、特別遊技状態として、次に大当たりとなる確率を向上させる確率変動状態に移行させるものとしてもよい。確率変動状態においても時短状態と同様に特図ゲームの実行時間が短縮される場合には、確率変動状態であるか否かによって変動時間の監視を行うことができる。また、確率変動状態と時短状態との2種類の特別遊技状態があり、確率変動状態において時短状態よりも少なく特図ゲームの実行時間が短縮される場合には、通常の遊技状態か、確率変動状態か、時短状態であるかによって変動時間の監視を行うものとすればよい。
【0133】
上記の実施の形態では、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明したが、液晶表示器等の画像表示装置を有するものであれば、例えば第2種或いは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であってもよい。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機(CR機)だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機(現金機)にも適用可能である。
【0134】
さらには、パチンコ遊技機の動作をシミュレーションするゲーム機等に本発明を適用することができる。上記の実施の形態のパチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機では、ゲーム機のCPUが所定のプログラムを実行することにより、上記した遊技機の動きをシミュレーションし、その結果として特別図柄始動口5を通過したと判別したときに、上記と同様の抽選を行い、図柄を可変表示させることができる。このゲーム機のプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納したり、Web上のサーバ装置からゲーム機にダウンロードさせるものとして、ゲーム機とは別に流通させることができる。
【0135】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、変動態様に応じて制御情報を管理しなくても、グループの数だけ遊技制御手段及び演出制御手段において制御情報を管理すればよいので、制御情報の管理のために必要な記憶容量を小さくすることができる。また、演出制御手段において識別情報の変動表示を開始させる際に判断しなければならない制御情報の種類も少なくなるので、処理負荷を軽減することができる。
【0136】
請求項2の発明によれば、変動表示の表示結果として導出表示させる識別情報の種類によりタイミング制御を変えるだけで、同じ制御情報を送信すればよいので、制御情報の管理のために必要な記憶容量を小さくすることができる。
【0137】
請求項3の発明によれば、識別情報が停止される前に所定の準備処理がなされることで、遊技者に違和感を感じさせることなく、識別情報の変動表示を停止させることができる。
【0138】
請求項4の発明によれば、識別情報の停止をスムースに行うことができ、遊技者に違和感を感じさせることなく、識別情報の変動表示を停止させることができる。
【0139】
請求項5の発明によれば、同じグループに属する全ての種類の変動態様に対応して、識別情報の変動表示を行うことができる。
【0140】
請求項6の発明によれば、時短状態であるか否かによりタイミング制御を変えるだけで、同じ制御情報を送信すればよいので、制御情報の管理のために必要な記憶容量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】図1のパチンコ遊技機の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】遊技制御基板のROMに記憶された変動表示パターン選択テーブルを示す図である。
【図4】図3の変動表示パターン選択テーブルに登録された変動表示パターンの関係を示す図である。
【図5】(a)は、遊技制御基板の基本回路内のCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートであり、(b)は、タイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
【図6】図5の特別図柄プロセス処理を詳細に示すフローチャートである。
【図7】演出制御基板の基本回路内のCPUが実行する表示制御処理を示すフローチャートである。
【図8】図7の特別図柄表示制御プロセス処理を詳細に示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態における特図ゲームの制御タイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】変形例における特図ゲームの実行の制御タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
4a 可変表示部
101 遊技制御基板
102 演出制御基板
300 変動表示パターン選択テーブル

Claims (6)

  1. 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示させた後に表示結果を導出表示させることが可能な変動表示手段を備える遊技機において、
    遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行状況に応じた制御情報を送信する遊技制御手段と、
    前記遊技制御手段から送信された制御情報を受信し、該受信した制御情報に基づいて前記識別情報の変動表示を含む演出の実行を制御する演出制御手段とを備え、
    前記遊技制御手段は、
    前記識別情報の変動表示の態様として変動表示の時間が異なる複数種類の変動態様からいずれかの変動態様を選択する変動態様選択手段と、
    前記変動態様選択手段により選択された変動態様が、変動表示の過程に応じてそれぞれ複数の変動態様が属するグループのいずれのグループに属するかを判定するグループ判定手段と、
    前記グループ判定手段の判定結果を特定可能なグループ制御情報を前記演出制御手段に送信するグループ制御情報送信手段と、
    前記変動態様選択手段により選択された変動態様に基づいて、前記識別情報の変動表示を停止させるタイミングを監視する停止タイミング監視手段と、
    前記停止タイミング監視手段の監視結果に基づいて前記識別情報の変動表示の停止タイミングであるか否かを判定する停止タイミング判定手段と、
    前記停止タイミング判定手段により停止タイミングであると判定されたときに、前記識別情報の変動表示を停止させる旨を示す停止制御情報を前記演出制御手段に送信する停止制御情報送信手段とを備え、
    前記演出制御手段は、
    前記グループ制御情報送信手段から送信されたグループ制御情報を受信したときに、該グループ制御情報に基づいて、前記変動表示手段において前記識別情報を変動表示させる変動表示制御手段と、
    前記停止制御情報送信手段から送信された停止制御情報を受信したときに、前記変動表示手段における前記識別情報の変動表示を停止させ、表示結果を導出表示させる変動停止制御手段とを備える
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記変動態様選択手段は、前記表示結果として導出表示させる識別情報の種類を選択する識別情報選択手段を含み、
    前記停止タイミング判定手段は、さらに前記識別情報選択手段により選択された識別情報の種類に基づいて、前記識別情報の変動表示を停止させるタイミングを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記遊技制御手段は、
    前記停止タイミング監視手段の監視結果により、前記識別情報の変動表示を停止させるタイミングよりも所定時間だけ前のタイミングであるか否かを判定するタイミング事前判定手段と、
    前記タイミング事前判定手段により所定時間だけ前のタイミングであると判定されたときに、所定時間だけ前のタイミングである旨を示す停止準備制御情報を前記演出制御手段に送信する停止準備制御情報送信手段をさらに備え、
    前記演出制御手段は、前記停止準備制御情報送信手段から送信された停止準備制御情報を受信したときに、前記識別情報の変動表示を停止させるための所定の準備処理を行う停止準備制御手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記所定の準備処理は、前記識別情報の変動表示の速度を減速させる減速処理を含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記グループ制御情報送信手段によって送信されるグループ制御情報は、該グループ制御情報に対応したグループに属する変動態様の中で前記識別情報の変動表示の時間が最も長い変動態様を示す
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機。
  6. 前記遊技制御手段は、所定の条件が成立することにより、遊技状態を前記識別情報の変動表示の実行時間を短縮させる時短状態に移行させる時短制御手段をさらに備え、
    前記停止タイミング監視手段は、遊技状態が前記時短状態であるか否かに基づいて、前記識別情報の変動表示を停止させるタイミングを監視する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機。
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