JP2013143814A - 電力供給システム、電力供給制御装置、電力供給方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力供給システムは、敷設されている低圧配電線を介して複数の電力供給先に電力を給電する給電部と、電力を蓄積する蓄電部と、前記蓄電部に蓄積されている電力に基づいて生成された蓄電電力を、前記複数の電力供給先のうちの何れかの第1電力供給先に供給する蓄電給電部と、を備える。
【選択図】図1
Description
ところで、需要場所に太陽光発電設備を備える場合には、太陽光発電設備が発電した電力のうち余剰な電力を電力事業者の電力系統に逆潮流させて、電力事業者に売電できる場合がある。ただし、電力事業者に売電できる場合は、太陽光発電設備が発電した余剰な電力に限られている。
また、需要場所に蓄電設備を備える場合には、電力事業者の電力系統に逆潮流させることが制限されている。たとえ、蓄電設備と太陽光発電設備とを備える場合であっても、蓄電設備を備えていることによる制限により、電力事業者の電力系統に逆潮流させることができない。このように、電力事業者の電力系統に逆潮流させる場合の条件がそれぞれ定められている。
<第1実施形態>
本実施形態における電力供給システム100は、需要場所に敷設されている低圧配電線LWを介して、給電部10が複数の電気使用場所Z(以下、電気使用場所Z1,Z2,Z3を総称して「電気使用場所Z」という。電力供給先)に電力を給電する。蓄電部BT1は、電力を蓄積する。蓄電給電部PCS1は、蓄電部BT1に蓄積されている電力に基づいて生成された蓄電電力を、低圧配電線LWを介して複数の電気使用場所Z(電力供給先)のうちの何れかの電気使用場所Z(第1電力供給先)に供給する。これにより、需要場所に設置された蓄電部BT1(蓄電設備)によって蓄積されている電力を有効に活用することができる。
また、電力供給システム100における蓄電部BTの充放電電力の売買を行うようにすることにより、現状の制度では不可能な次の課題を解決することができる。
−その1.蓄電部BTに蓄電された電力を電気使用場所に制限されずに共用できること。
−その2.蓄電部BTの設置者の経済的な負担を減らすこと。
図1は、本発明の実施形態に係わる電力供給システムの概略構成図である。この図1において、符号PSは系統電源、符号HWは高圧配電線、符号TRは変圧器、符号LWは低圧配電線、符号LL1、LL2及びLL3は負荷、符号BT1は蓄電部、符号PCS1は蓄電供給部である。
系統電源PSは、例えば、電気事業者(一般電気事業者、特定規模電気事業者など)によって運営されている発電所に相当し、発電した電力を電力網NWに供給する。電力網NWには、系統電源PSから供給される電力を高圧電力(例えば6600V)に変換する配電用変電所(不図示)が設けられている。高圧配電線HWは、配電用変電所と需要場所を接続し、配電用変電所から需要場所へ高圧電力を配電するために用いられる配電線である。需要場所には、電力供給システム100が設けられている。
以上に示したように、系統電源PSから、系統電源PSからの電力を配電する高圧配電線HWまでの構成によって既存の電力系統(商用電力系統)が構成されている。なお、本実施形態の電力供給システム100は、このような電力系統から電力の供給を受けるが、上記電力系統に連系するものではない。
電力供給システム100は、給電部10、蓄電電力制御装置20、蓄電設備30、及び、低圧側計器部40を備える。
高圧側計器WhHは、高圧電力として供給される電力量を検出し、検出した電力量を蓄電電力制御装置20に送る。
遮断器CBは、蓄電電力制御装置20からの指令に応じて、高圧配電線HWと変圧器TRの一次側とを接続する回路を遮断する。
低圧側電圧電流検出部DTLは、変圧器TRによって低圧に変換された電力による電圧VLと電流ILを検出し、検出した電圧VLと電流ILとをそれぞれ蓄電電力制御装置20に送る。
以上に示す給電部10は、いわゆる受変電設備として機能する。
低圧側計器WhAは、電気使用場所Zにおいて消費される消費電力量と、低圧配電線LW側に電気使用場所Z側から供給する供給電力量とをそれぞれ検出する。低圧側計器WhAは、蓄電電力制御装置20との間の通信機能を有している。低圧側計器WhAは、それぞれ検出した消費電力量と供給電力量とをそれぞれ蓄電電力制御装置20に送る。
また、低圧側計器WhAは、蓄電電力制御装置20からの指令に応じて電力の供給を遮断する遠隔制御機能を有していてもよい。
また、低圧側計器WhAは、蓄電設備30との通信機能を有していてもよい。蓄電設備30との通信機能を有している低圧側計器WhAは、蓄電電力制御装置20から蓄電設備30への制御指令を受信して、蓄電設備30に中継するとともに、蓄電設備30から蓄電設備30の制御状態を受信して、蓄電電力制御装置20に中継する。
給電部10には、需要場所における配電系統となる低圧配電線LWが接続されており、低圧配電線LWによって給電部10から電気使用場所Z1の接続点P1まで、電気使用場所Z2の接続点P2まで、電気使用場所Z3の接続点P3までの間がそれぞれ接続されている。
この給電部10は、高圧配電線HW(商用電力線)を介して受電した商用電力に基づいて、各電気使用場所Zに供給する電力を生成する。この給電部10は、敷設されている低圧配電線LWを介して複数の電気使用場所Z(電力供給先)に生成した電力を給電する。
電気使用場所Z1には、低圧側計器WhA1を介して接続される低圧配電線LW1が敷設されている。低圧配電線LW1には、蓄電設備30と負荷LL1とが接続されている。この低圧配電線LW1には、需要場所における配電系統(低圧配電線LW)側から低圧側計器WhA1を介して電力が供給される。また、低圧側計器WhA1を介して低圧配電線LW1から電力低圧配電線LW側に、蓄電設備30によって生成された電力が供給される。
電気使用場所Z2には、低圧側計器WhB2を介して接続される低圧配電線LW2が敷設されている。低圧配電線LW2には、負荷LL2が接続されている。この低圧配電線LW2には、需要場所における配電系統(低圧配電線LW)側から低圧側計器WhB2を介して電力が供給される。
電気使用場所Z3には、低圧側計器WhB3を介して接続される低圧配電線LW2が敷設されている。低圧配電線LW3には、負荷LL3が接続されている。この低圧配電線LW3には、需要場所における配電系統(低圧配電線LW)側から低圧側計器WhB3を介して電力が供給される。
蓄電設備30は、蓄電部BT1と蓄電給電部PCS1を備える。
蓄電部BT1は、電力を蓄積する。蓄電部BT1は、2次電池を備え、蓄電給電部PCS1から供給された電力を蓄積し、蓄積した電力を蓄電給電部PCS1に供給する。蓄電部BT1が備える2次電池は、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、NaS電池などである。蓄電部BT1は、電気使用場所Zごとに設けられる。
また、蓄電給電部PCS1は、蓄電部BT1に蓄積されている電力に基づいて生成された蓄電電力を、低圧配電線LWを介して複数の電気使用場所Z(電力供給先)のうちの何れかの電気使用場所Z(第1電力供給先)に供給する。
この図1に示されているように、蓄電給電部PCS1と蓄電部BT1とを含む蓄電設備30が、電気使用場所Z1に設けられている場合、上記の複数の電気使用場所Z(電力供給先)のうちの何れかの電気使用場所Z(第1電力供給先)とは、例えば、電気使用場所Z2又はZ3である。
例えば、蓄電給電部PCS1は、蓄電電力による電圧を、給電部10の変圧器TRが低圧配電線LWに給電する(電力の)電圧(変圧器TRの2次側の電圧)よりも低く、かつ、給電部10から電力供給先の低圧側計器WhA(又は低圧側計器WhB)に給電されている(電力の)電圧よりも高く生成して、第1電力供給先(例えば電気使用場所Z3)に供給する。
例えば、蓄電給電部PCS1は、給電部10から給電された電力の料金が、1日のうちで高い時間帯に、蓄電電力を第1電力供給先(例えば電気使用場所Z3)に供給してもよい。
蓄電電力制御部21は、高圧側電圧電流検出部DTHが検出した電圧VHと電流IHとをそれぞれ得る。蓄電電力制御部21は、低圧側電圧電流検出部DTLが検出した電圧VLと電流ILとをそれぞれ得る。蓄電電力制御部21は、遮断器CBを制御する指令(指令情報)を給電部10に送り、高圧配電線HWと変圧器TRの一次側とを接続する回路を遮断させる。
蓄電電力制御部21は、低圧側計器部40(低圧側計器WhA)に、電力の供給を遮断する指令(指令情報)を送る。電力の供給を遮断する指令(指令情報)には2つの指令があり、給電部10からの電力を電気使用場所Zに供給するか否かを制御する制御指令と、蓄電設備30からの電力を、他の電気使用場所Zに供給するか否かを制御する制御指令とがある。蓄電設備30からの電力を、他の電気使用場所Zに供給するか否かを制御する制御指令には、蓄電設備30から出力する電力を制御する蓄電設備30への制御指令を含む。
蓄電電力制御部21は、例えば、給電部10から給電された電力の料金が1日のうちで安い時間帯に、給電部10から給電された電力を蓄電部BT1に蓄積させるように制御する。
記憶部22は、半導体メモリーによって構成され、蓄電電力制御部21が行う処理のプログラム、同処理に係る情報を記憶する。
なお、蓄電電力制御装置20(蓄電電力制御部21)が行う各種処理と、その詳細については、後述する。
まず、以下に示す制御条件、制御方法などにより、1箇所の電気使用場所Z1(電力供給先)に蓄電設備30が備えられている場合について説明する。
電力供給システム100においては、各電気使用場所Zにおいて消費する総消費電力量より、供給される総電力供給量が多くなると電力系統に対する逆潮流を生じる虞がある。そこで、電力供給システム100は、電力供給システム100からの逆潮流を生じさせないように制御するために、電力供給システム100においては、総消費電力量を検出することが必要となる。
例えば、電力供給システム100における総消費電力量の検出方法として、下記に示す方法がある。電力供給システム100における蓄電電力制御部21は、下記に示す方法1から方法3のうち、少なくとも何れかの方法を実施する。
方法1は、高圧側に設けられた計器(高圧側計器WhH)によって検出された電力量(高圧側の電力量)が、予め定められた所定の閾値以下になった場合を検出する方法である。
高圧側の電力量が0(ゼロ)以下になった場合に、電力系統に対する逆潮流を生じる虞がある。そこで、蓄電電力制御部21は、高圧側計器WhHによって検出された高圧側の電力量が予め定められた所定の閾値(0に近い正の値)以下になった場合を検出する。なお、上記の高圧側の電力量を、電力事業者において測定されている測定結果(消費電力情報)を、電力事業者の管理装置(不図示)から受信した情報としてもよい。その場合、電力供給システム100における蓄電電力制御装置20は、電力事業者の管理装置(不図示)から所定の高圧側の電力量の情報を受信する。
方法2は、電気使用場所Zごとに設けられている計器(低圧側計器部40)によって検出された電力量の総和が、予め定められた所定の閾値以下になった場合を検出する方法である。
蓄電電力制御部21は、1日、1週間、1ヶ月、1年などを周期とする消費電力、及び、供給電力の変動を低圧側計器部40によって検出させて、記憶部22にそれぞれ記憶させておく。記憶されている消費電力を正の値として、供給電力を負の値として集計した総和が負の値になる場合に、供給電力が過剰な状態にあり、電力系統に対する逆潮流を生じる虞がある。蓄電電力制御部21は、上記のように集計し、集計した総和が予め定められた所定の閾値(0に近い正の値)以下になった場合を検出する。
なお、蓄電電力制御部21は、低圧側計器部40からのデータ収集を周期的に実施する。低圧側計器部40からのデータは、蓄電電力制御部21において収集され、定期的に集計されている。蓄電電力制御部21は、そのデータを利用してもよい。
方法3は、低圧側計器部40の各計器同士の間の相互の通信により共有される情報から電力量の総和を算出し、消費電力量が予め定められた所定の閾値以下になった場合を検出する方法である。
低圧側計器部40の各計器が互いに通信可能である場合、それぞれの計器において、上記の蓄電電力制御部21が行うデータの収集と集計とを行うようにしてもよい。
上記に示したように逆潮流の発生が見込まれる状況を検出した場合に、蓄電電力制御部21が逆潮流を生じさせないように制御する方法として、下記に示す方法がある。下記に示す方法1から方法3のうち、少なくとも何れかの方法を実施する。
蓄電電力制御部21は、蓄電給電部PCS1を制御して蓄電部BTからの供給(放電)を停止させる(出力のON/OFF制御する)。
蓄電電力制御部21は、蓄電部BT1からの供給電力量を調節するために、蓄電給電部PCS1を制御して、蓄電部BT1からの供給量を制御する。なお、蓄電部BT1が複数の場合、蓄電電力制御部21は、蓄電部BT1からの総供給電力量を調節するために、蓄電給電部PCS1を制御して、個々の蓄電部BT1からの供給量を制御する。
蓄電電力制御部21は、需要場所(施設)の共用部の負荷LC(エアコン、ポンプなど)を制御して、共用部の負荷LCの駆動量が多くなるように調整する。例えば、上記負荷の運転台数を増やしたり、負荷ごとの駆動量を増加させたりすることにより、蓄電電力制御部21は、共用部の負荷LCの駆動量が多くなるように制御することができる。蓄電電力制御部21は、このように制御することにより、総消費電力量が多くなるように制御する。
上記に示した何れかの方法を実施することにより、逆潮流の発生が見込まれた場合に、逆潮流の発生を回避することができる。
蓄電電力制御部21は、所定の制御情報に基づいて、蓄電部BTからの電力を供給する時間帯を制御する。所定の制御情報として、下記に示す情報がある。蓄電電力制御部21は、下記に示す情報のうち、少なくとも何れかの情報に基づいた制御を実施する。
・1日の内でピーク電力の発生が見込まれる時間帯の情報
・計画的な停電(輪番停電、保守など)が予め見込まれる時間帯の情報
なお、蓄電電力制御部21は、上記情報を予め定めて記憶部22に記憶させておくこととする。
蓄電部BTからの電力を利用可能とする条件として、下記に示す条件がある。蓄電部BTからの電力を共有する際に、蓄電電力制御部21は、以下の条件がそれぞれ満足するように制御する。
蓄電電力制御部21は、記憶部22に記憶されている消費電力情報に基づいて、蓄電給電部PCS1が設置されている電気使用場所Z1の消費電力パターンを生成する。蓄電電力制御部21は、生成した消費電力パターンを記憶部22に記憶させるとともに、蓄電給電部PCS1に送る。蓄電給電部PCS1は、蓄電部BTの蓄電量(電圧)を検出し、検出した蓄電部BTの蓄電量(電圧)と、送られてきた消費電力パターンとに基づいて、供給量を制御する。
例えば、蓄電給電部PCS1に送られてきた消費電力パターンによる電力量を電気使用場所Z1における推定消費電力として定義する。蓄電給電部PCS1は、その推定消費電力を蓄電給電部PCS1からの電力によってまかなえるように、蓄電給電部PCS1から他の電気使用場所への電力供給量を制御する。
なお、蓄電電力制御部21は、生成された消費電力パターンによって過去に生成された消費電力パターンを更新する際に、生成された消費電力パターンと、過去に生成された消費電力パターンとによる重み付け演算処理を行って記憶させる消費電力パターンを生成してもよい。
1日の充電・供給のバランスにより、蓄電部BTに蓄積されている電力のうち、放電しきれなかった残量が発生する場合がある。そのような場合に、蓄電電力制御部21は、より効率よく蓄電部BTに蓄積されている電力を供給するために、供給条件などの制御ルールを変更する。制御ルールを変更する方法として、下記に示す方法がある。
蓄電部BTに蓄積されている電力の利用目的を、予め定められた設定情報に応じて変更することができる。蓄電電力制御部21は、蓄電部BTに蓄積されている電力の利用目的を変更する設定情報を、記憶部22に記憶させる。
蓄電電力制御部21は、使用した電力量以外を売電するように蓄電給電部PCS1を制御する。
・蓄電部BTに蓄積されている電力の全て消費する場合の設定情報。
蓄電電力制御部21は、蓄電部BTに蓄積されている電力の全て消費するように蓄電給電部PCS1を制御する。
上記に示した何れかの設定情報を選択することにより、蓄電部BTに蓄積されている電力の利用目的を変更することができる。
蓄電給電部PCS1は、一般のパワーコンディショナと異なり、電力系統側の事故停電時や作業停電時などにより系統電源PSからの電力供給が停止した非常時の場合においても、電力の供給を行う。このような蓄電給電部PCS1は、蓄電電力制御部21からの指令によって、非常時の場合に応じた処理に従って制御される。このような制御により、非常時の場合に、低圧配電線LWが蓄電給電部PCS1によって逆充電されるが、給電部10の変圧器TRの一次側と高圧配電線HWとの接続が遮断器CBによって遮断されるため、電力系統への逆潮流を生じることがない。このようにして、電力供給システム100は、非常時の場合においても安全性を確保する。
次に、図2と図3を参照し、需要者ごとの電力消費量と電力供給量とに応じた課金処理について説明する。
図2は、電気使用場所Zごとの電力消費量と電力供給量とに応じた課金処理を説明する図である。この図2に示されるように、電力供給システム100において、電気使用場所Zごとの電力消費量と電力供給量とに応じた課金処理が必要とされる。また、図3は、1日あたりの消費電力量の変化を示す図である。この図3(a)には、1日あたりの消費電力量の変化が示されている。また図3(b)には、図3(a)と同じ消費電力量を消費する電気使用場所に蓄電設備30を導入した場合の消費電力の変化を示す図である。
買電力量料金単価(買電単価A:電気使用場所Zごとに消費する電力を時間帯別料金で買取る場合の単価)は、時間帯に応じて定められており、1日のうちで複数の単価(例えば、買電単価A1、A2、(A1>A2))が設定されている(時間帯別料金)。
また、買電力量料金単価(買電単価A’:電気使用場所Zごとに消費する電力を定額料金で買取る場合の単価)は、終日定額に設定されている(定額料金)。
(ただし、それぞれ独立に設定されていてもよい。)
5)蓄電設備30の蓄電容量(電力量)のうちから、売電用の電力として供給可能な電力量Pdiscと、非常時のバックアップ用の電力として供給可能な電力量Pbackとを予め設定する。
6)1日のうちで、買電単価A1と売電単価B1とが設定されている売電時間帯Td(昼間)と、買電単価A2と売電単価B2とが設定されている充電時間帯Tc(夜間)とが定義されている。
8)蓄電設備30が売電時間帯Tdに放電する電力量は、充電されている総電力量Psのうち電力量Pdiscを売電用の電力として供給可能とする。
また、充電されている総電力量Psのうち電力量Pbackは、非常時にバックアップ用の電力として供給するために保持される。(Ps=Pdisc+Pback)
例えば、電力量Pdiscから電力量Puserを優先的に充当し、その余りの電力量Pexcまでを売電用の電力として供給可能な電力量とする。
11)蓄電設備30の仕様
・充電容量を充電容量P0とする。
・償却期間(寿命)を償却期間TLとする。
・設備導入費用を設備導入費用CBTとする。
12)蓄電設備30の利用形態
充電容量P0を、次のように売電用電力量(Pdisc)と、非常時のバックアップ用の電力量(Pback)とに分ける。
13)時間帯別電気料金
・売電時間帯Td(8時から20時)の買電単価と売電単価とをそれぞれ、買電単価A1、売電単価B1とする。
・充電時間帯Tc(20時から8時)の買電単価と売電単価とをそれぞれ、買電単価A2、売電単価B2とする。
14)需要負荷パターン
各電気使用場所とも共通にする。
・売電時間帯Td(8時から20時)の消費電力量を消費電力量Pdとする。
・充電時間帯Tc(20時から8時)の消費電力量を消費電力量Pcとする。
よって、売電用電力Pdiscのうち、売電時間帯Tdにおける消費電力量Pdを除いた電力が、売電できる売電電力Ppは、式(1)から算出される。
蓄電設備30が設けられている電気使用場所Z1は、売電時間帯Tdに売電することができる。
まず、買電電気料金を時間帯ごとに計算する。
売電時間帯Tdの買電電力量は、蓄電設備30から供給される電力によってまかなわれて0kWhであり、買電電気料金が0円になる。
充電時間帯Tcの買電電力量は、売電時間帯Tdにおいて放電させる売電用電力Pdiscと、充電時間帯Tcにおいて消費される消費電力量Pcの和(Pdisc+Pc)である。充電時間帯Tcの買電電気料金が(A2×(Pdisc+Pc))になる。
次に、売電電気料金を時間帯ごとに計算する。
売電時間帯Tdの売電電力量は、蓄電設備30から供給される売電用電力Pdiscのうち、売電時間帯Tdにおける消費電力量Pdを除いた売電電力Ppを売ることができる。売電時間帯Tdの売電電気料金が(B1×Pp)になる。
充電時間帯Tcは、蓄電設備30の充電時間に当てられることから、売充電時間帯Tcの売電電力量は、0kWhであり、売電電気料金が0円になる。
電気使用場所Z1の1日の電気使用料金CH1を整理すると、式(2)から算出される。
電気使用場所Z2には蓄電設備30が設けられておらず、終日買電することになる。
電気使用場所Z2における買電の契約は、時間帯別料金の契約である。
買電電気料金を時間帯ごとに計算する。
売電時間帯Tdの買電電力量は、売電時間帯Tdにおける消費電力量Pdである。売電時間帯Tdの買電電気料金が(A2×Pd)になる。
充電時間帯Tcの買電電力量は、充電時間帯Tcにおいて消費される消費電力量Pcである。充電時間帯Tcの買電電気料金が(A1×Pc)になる。
なお、売電電気料金は、蓄電設備30が設けられていないことから発生しない。
電気使用場所Z2の1日の電気使用料金CH2を整理すると、式(3)から算出される。
電気使用場所Z3には蓄電設備30が設けられておらず、終日買電することになる。
電気使用場所Z3における買電の契約は、定額料金の契約である。
買電電気料金を時間帯ごとに計算する。
売電時間帯Tdの買電電力量は、売電時間帯Tdにおける消費電力量がPdである。売電時間帯Tdの買電電気料金が(A’×Pd)になる。
充電時間帯Tcの買電電力量は、充電時間帯Tcにおいて消費される消費電力量Pcである。充電時間帯Tcの買電電気料金が(A’×Pc)になる。
なお、売電電気料金は、蓄電設備30が設けられていないことから発生しない。
電気使用場所Z3の1日の電気使用料金CH3を整理すると、式(4)から算出される。
電気使用場所Z1は、買電に対し売電による利益が得られるように各単価が設定されている。そのため、それぞれの電気使用場所において同じ電力量を消費したとしても、電力を消費するだけの電気使用場所Z2の電気使用料金CH2と、電気使用場所Z3の電気使用料金CH3のそれぞれより電気使用場所Z1の電気使用料金CH1が安くなる。
電気使用場所Z3の電気使用料金を基準にして、電気使用場所Z1の電気使用料金を比較する。
電気使用場所Z1においては、電気使用場所Z3の場合に比べて1日あたりの電気使用料金について毎日の利益Prdが生じることになる。利益Prdは、式(5)により算出できる。
・・・(5)
上記の試算結果により、この1年間の利益を蓄電設備30の償却期間TLを集計すると、(Pry×TL)となる。このように、蓄電設備30に投資したことにより償却期間TL分に発生する利益(Pry×TL)は、蓄電設備30の設備導入費用CBTを上回るように設定されている。それゆえ、蓄電設備30に対する投資を行ったとしても、蓄電設備30の寿命期間内に蓄電設備30に対する投資額を回収することが可能であり、蓄電設備30による停電補償の効果も得ることができる。
サービス事業者の電気使用料金:
サービス事業者は、電気事業者と需要場所の電気使用契約を行う。そこで、サービス事業者は、各電気使用場所Zが消費する電力量から、蓄電部BTから給電される電力量を減じた電力量の電気使用料金を電力事業者に支払うことになる。サービス事業者の買電の契約は、例えば、定額料金の契約とする。
以下、電気事業者から供給を受ける電力の買電電気料金を時間帯ごとに計算する。
売電時間帯Tdの買電電力量は、売電時間帯Tdにおける消費電力量がPdである。売電時間帯Tdの買電電気料金が(C1×(3Pd+Pp+Pc))になる。
充電時間帯Tcの買電電力量は、充電時間帯Tcにおいて消費される消費電力量Pcである。充電時間帯Tcの買電電気料金が(C2×(2Pc−Pp)になる。
なお、サービス事業者から電気事業者に対する売電電力の売電電気料金は、電力系統側への逆潮流を生じることがないことにより発生しない。
需要場所単位の1日の電気使用料金COMを整理すると、式(4)から算出される。
単価情報TBLには、契約条件に対応させて、予め定められている契約単価情報が記憶されている。契約単価情報は、例えば、一日が複数の時間帯に分割されており、その時間帯に応じて定められている。契約単価情報には、蓄電設備30からの電力を他の電気使用場所に給電する場合の売電単価情報と、電気使用場所ごとに給電を受ける買電単価情報とが、上記の時間帯に対応づけて記憶されている。各契約単価は、一日を通して同額とする定額単価を設けることができる。
上記の実施形態においては、「電気使用場所Z」を単位として、電力共有制御と課金処理とを行う場合について説明した。電力共有制御と課金処理とを行う場合の施設には、集合住宅施設、テナント型のビル(オフィスビル)があげられる
上記実施形態の処理と異なり、電力共有制御だけを行う場合にも本実施形態を適用することができる。例えば、電力共有制御だけを行う場合の施設には、(テナントのように個別の課金が不要な)纏めて電力料金を電力事業者に支払うビル(オフィスビル)、病院、工場などがあげられる。
図4を参照し、本発明の異なる実施形態について説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係わる電力供給システムの概略構成図である。
この図4に示される電力供給システム100Aには、複数の電気使用場所Z(電力供給先)に蓄電部BTが備えられている。以下、図1と同じ構成には同じ符号を附し、異なる点を中心に説明する。
低圧配電系統には、電気使用場所Z2に対応させて、低圧側計器部40Aにおける低圧側計器WhAが設けられている。低圧側計器部40Aは、各電気使用場所Zの電力量を検出する。低圧側計器部40Aには、各電気使用場所Zの電力量を検出する2種類の低圧側計器WhA(WhA1、WhA2)と低圧側計器WhB(WhB3)とが含まれる。
電気使用場所Z1には、低圧側計器WhAを介して接続される低圧配電線LW1が敷設されている。低圧配電線LW1には、蓄電設備31と負荷LL1とが接続されている。この低圧配電線LW1には、需要場所における配電系統(低圧配電線LW)側から低圧側計器WhAを介して電力が供給される。また、低圧側計器WhAを介して低圧配電線LW1から電力低圧配電線LW側に、蓄電設備31によって生成された電力が供給される。
蓄電設備31は、蓄電部BT1と蓄電給電部PCS1を備える。蓄電設備31は、第1実施形態における蓄電設備30としての機能を備える。
蓄電部BT2は、2次電池であり、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、NaS電池などである。蓄電部BT2は、電気使用場所Z2に設けられる。
なお、以下の説明において、蓄電設備31と蓄電設備32は、「蓄電設備30」で総称する場合がある。また、蓄電給電部PCS1と蓄電供給部PCS2は、「蓄電供給部PCS」で総称する場合がある。
上記の場合には、上記第1実施形態に示した内容に加え、以下に示すように、各蓄電設備30の所有者の利益がそれぞれ公平になるように、売電による利益を配分できるように制御することが必要になる。例えば、その制御方法として、下記に示す方法がある。
蓄電電力制御部21は、例えば、契約者ごとの契約情報を参照して、1日のうちで各蓄電設備30から供給させる時間が均等になるように定められた供給時間帯情報を生成する。蓄電電力制御部21は、定められた供給時間帯情報を各蓄電設備30に送り、供給時間帯情報に従って順に供給させるように各蓄電設備30を制御する。この方法の場合、各蓄電設備30の供給可能電力に差がある場合には、同じ時間が割り当てられたとしても、各蓄電設備30から供給する電力量に差が生じる場合がある。
蓄電電力制御部21は、例えば1日のうちで各蓄電設備30からそれぞれ供給させる電力量が均等になるように定められた供給時間帯情報を生成する。蓄電電力制御部21は、定められた供給時間帯情報を各蓄電設備30に送り、供給時間帯情報に従って順に供給させるように各蓄電設備30を制御する。この方法の場合、各蓄電設備30の供給可能電力に差がある場合であっても、供給する電力量に従って配分されるので各蓄電設備30から供給する電力量が均等になる。
蓄電電力制御部21は、蓄電設備30ごとに売電により得られる料金が均等になるように異なる売電単価を定め、蓄電設備30ごとの契約単価情報(売電単価情報)を設ける。なお、蓄電電力制御部21は、契約者情報TBLに記憶(登録)されている契約情報に基づいて対象となる契約者と、当該蓄電設備30とを対応づけて特定することにより、売電により得られる料金(利益)が均等になるように、蓄電設備30ごとに契約単価情報(売電単価情報)を設定する。この方法の場合、各蓄電設備30の供給可能電力や供給時間に差がある場合であっても、各蓄電設備30から供給される電力量と、売電により得られる料金(利益)とを独立に制御することができることから、各蓄電設備30から供給する電力量を有効に利用することが可能となる。
例えば、1つの電気使用場所に複数の蓄電設備30が設けられる場合がある。この場合、蓄電電力制御部21は、電気使用場所ごとに売電により得られる料金が均等になるように異なる売電単価を定め、電気使用場所ごとの契約単価情報(売電単価情報)を設ける。なお、蓄電電力制御部21は、契約者情報TBLに記憶(登録)されている契約情報に基づいて対象となる契約者と、当該電気使用場所とを対応づけて特定することにより、売電により得られる料金(利益)が均等になるように、電気使用場所ごとに契約単価情報(売電単価情報)を設定する。この方法の場合、各蓄電設備30の供給可能電力や供給時間や、1つの電気使用場所における蓄電設備30の数量に差がある場合であっても、各電気使用場所から供給される電力量と、売電により得られる料金(利益)とを独立に制御することができることから、各蓄電設備30から供給する電力量を有効に利用することが可能となる。
例えば、需要場所において供給が必要とされる電力量に対して、各蓄電設備30が供給可能な供給量まで放電しきれるか否かの判定結果に応じて、蓄電設備30に蓄電された電力を放電パターンを制御する。
上記の判定の結果により下記のように制御する。
上記の判定において、各蓄電設備30が供給可能な供給量まで放電しきれる(Yes)と判定した場合、蓄電電力制御装置20は、蓄電供給部PCSを制御して、蓄電供給部現状の供給状態(供給条件)を変更することなく、現状を維持してそのまま電池部BTから電力供給を継続させる。
上記の判定において、各蓄電設備30が供給可能な供給量まで放電しきれない(No)と判定した場合、蓄電電力制御装置20は、蓄電供給部PCSを制御して、蓄電供給部PCSの現状の供給状態(供給条件)を変更する。上記の蓄電供給部PCSの供給状態(供給条件)を、上記判定の基準とした推定放電量に基づいて利益を均等化するように、残りの放電量を配分する。なお、上記の判定の基準とする推定放電量は、例えば、1ヶ月の放電パターンを参照としてもよい。
また、電気使用場所Zの利用者が個々に設置する場合の蓄電設備30の導入費用は、当該利用者がそれぞれ負担していたが、電力供給システム100(100A)を適用することにより、平常時の売電による利益により、初期投資を回収することができる。従来は、当該利用者の経済的な負担が大きくなることにより、当該利用者が蓄電設備を設けようとすることの妨げになるという問題があったが、電力供給システム100(100A)の効果により、経済的な課題を解決することが可能となる。
また、電力供給システム100(100A)によれば、電力系統に逆潮流を生じさせることなく、需要場所における他の電気使用場所Zに電力を供給することができる。
図1を参照し、電力供給システム100における給電制御処理の詳細について説明する。本実施形態においては、主に電力供給システムに電力系統からの供給を受けない場合について示す。
電力供給システム100における蓄電供給部PCS1は、前述のとおり一般のパワーコンディショナと異なり、電力系統側の事故停電時や作業停電時などにより系統電源PSからの電力供給が停止した非常時の場合においても、低圧配線LWに電力の供給を行う。
本実施形態における蓄電電力制御装置20(電力供給制御装置)の蓄電電力制御部21は、給電部10に供給されている電力の供給状況に応じて蓄電設備30に指令(指令情報)を送り、蓄電給電部PCS1(蓄電部BT1)からの電力の供給を制御する。
例えば、蓄電電力制御部21は、給電部10に供給されている電力の供給状況に応じて、電気使用場所Z(例えば、電気使用場所Z2、第1電力供給先)に蓄電電力を供給するように制御するとともに、電気使用場所Z3(第1電力供給先(電気使用場所Z2)と異なる第2電力供給先)において蓄電電力が消費されないように制御する。このような蓄電電力制御部21は、給電部10に供給されている電力の供給状況に応じて電気使用場所Z3(第2電力供給先)において電力を消費する負荷LL3を制御して、負荷LL3による蓄電電力の消費が低減するように制御する。或いは、蓄電電力制御部21は、給電部10に供給されている電力の供給状況に応じて電気使用場所Z3(第2電力供給先)において電力を消費する負荷LL3を制御して、負荷LL3による蓄電電力の消費が中断するように制御してもよい。
なお、給電部10は、供給されている電力の供給状況を検出し、検出した供給状況に応じた情報を蓄電電力制御部21に送るものとする。例えば、給電部10は、供給されている電力の供給状況を、供給されている電圧に基づいて検出する。
蓄電電力制御部21は、給電部10から送られた情報に基づいて、検出した供給状況から給電部10に供給されている電圧が上記閾値より低下すると判定する。
続いて、電力供給システム100における、通常時と非常時とを識別する判定処理について説明する。ここでいう、通常時とは第1実施形態として示したように、電力系統から電力の供給を受けている状態のことであり、非常時とは、それに対して、電力系統から電力の供給を受けていない状態のことである。
図5は、電力供給システムの通常時と非常時とを識別する判定処理を示すフローチャートである。
蓄電電力制御装置20(蓄電電力制御部21)は、給電部10に電力が供給されている状況にあるか否かを判定する。この判定は、高圧側電圧電流検出部DTHによって検出された電圧を予め定められている所定の閾値と比較することにより行う(ステップS20)。
このステップS30の処理において、蓄電電力制御部21は、敷設されている低圧配電線LWを介して複数の電気使用場所Z(電力供給先)に電力を給電部10が給電するように制御する。また、蓄電電力制御部21は、蓄電部BT1が電力を蓄積するように制御する。また、蓄電電力制御部21は、蓄電部BT1に蓄積されている電力に基づいて生成された蓄電電力を、蓄電給電部PCS1が、複数の電気使用場所Z(電力供給先)のうちの何れかの電気使用場所Z(第1電力供給先)に供給するように制御する。
以上に示したように、電力供給システム100は、通常時と非常時とを識別する判定処理を、給電部10に供給されている電力の供給状況に基づいて行うことができる。
続いて、蓄電電力制御部21による、非常時の給電制御処理(上記のステップS40)について説明する。
図6は、電力供給システムの非常時の給電制御処理を示すフローチャートである。
前述の図5におけるステップS20において、給電部10に電力が供給されている状況にない(ステップS20:No)と判定した場合に、以下に示す処理を順に従って実施する。
なお、図6に示す非常時の給電制御処理を説明するにあたり、次の条件が定められている。
電気使用場所Zごとに非常時に電気使用場所Zへの給電を継続するか否かを選択する契約条件(給電継続契約情報)が、サービス事業者と入居者(ユーザー)との間において予め定められている。また、非常時に給電を継続する場合の優先度k(優先度情報)についても、サービス事業者と入居者(ユーザー)との間において予め定められている。また、蓄電設備30からの給電を行うか否か選択する契約情報(蓄電電力売電契約情報)が、サービス事業者と入居者(ユーザー)との間において予め定められている。
さらに、上記のように定められた契約条件は、記憶部22に上記の給電継続契約情報、優先度情報(優先度k)、及び、蓄電電力売電契約情報が、契約者を識別する契約者識別情報に対応づけて記憶されている。上記の優先度kは、供給する電力の不足が見込まれた場合に、電力の供給を選択的に遮断する際の情報とする。優先度kが高い場合には長く供給されるように定義されており、優先度kが低い場合には先に供給が停止される場合があるように定義されている。
また、蓄電設備30が売電時間帯に放電する電力量は、充電されている総電力量のうち電力量Pdiscまでを売電用の電力として供給可能とする。さらに、充電されている総電力量のうちの電力量Pbackは、非常時にバックアップ用の電力として供給するために保持される。
このステップS48の処理を行うことにより、非常時が生じている場合であっても蓄電設備30から供給可能な容量以上の給電を中断させる。このように、蓄電設備30から供給可能な容量以上の給電を中断させることにより、例えば蓄電設備30の損傷を未然に防ぐことができる。これにより、蓄電設備30から供給可能な容量以上に給電することができない状況が生じることがあっても、停電が復旧すれば速やかに通常時の動作を行えるようになる。仮に、蓄電設備30から供給可能な容量以上の給電を中断させなかったことにより、蓄電設備30が損傷してしまった場合には、停電が復旧しても修理が完了するまで蓄電設備30を使用できなくなる虞がある。このように、蓄電設備30から供給可能な容量以上の給電を中断させる処理は、蓄電設備30を運用するうえで有効な手段となる。
なお、計器部40Bは、さらに遮断部を備えてもよい。上記の遮断部は、電力供給先に対応させて設けられており、低圧配電線LWと電気使用場所Z(電力供給先)内の配線との回路を遮断する。
また、本実施形態における蓄電電力制御部21は、給電部10に供給されている電力の供給状況に応じて、電気使用場所Z(第1電力供給先)に対応する第1の遮断部を導通させ、他の電気使用場所Z(第2電力供給先)に対応する第2の遮断部を遮断するように制御する。蓄電電力制御部21は、給電部10に供給されている電力に応じた電圧が、予め定められた所定の閾値より低下するか否かの判定結果に応じて、蓄電給電部PCS1から第1電力供給先に蓄電電力を供給するように制御するとともに、負荷LLが消費する消費電力を低減させてもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
10 給電部、
20 蓄電電力制御装置、21 蓄電電力制御部、22 記憶部、
30 蓄電設備、BT1 蓄電部、PCS1 蓄電供給部
40、40A 低圧側計器部
Claims (13)
- 敷設されている低圧配電線を介して複数の電力供給先に電力を給電する給電部と、
電力を蓄積する蓄電部と、
前記蓄電部に蓄積されている電力に基づいて生成された蓄電電力を、前記複数の電力供給先のうちの何れかの第1電力供給先に供給する蓄電給電部と、
を備えることを特徴とする電力供給システム。 - 前記給電部は、
商用電力線を介して受電した商用電力に基づいて供給電力を生成し、当該生成した供給電力を、前記低圧配電線を介して複数の電力供給先に給電し、
前記蓄電給電部は、
前記蓄電電力を、前記商用電力線に供給することなく、前記第1電力供給先に供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。 - 前記蓄電給電部は、
前記蓄電電力の電圧を、前記給電部が前記低圧配電線に給電する電圧よりも低く、かつ、前記電力供給先に給電されている電圧よりも高く生成して、前記第1電力供給先に供給する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力供給システム。 - 前記蓄電給電部は、
前記給電部から給電された電力の料金が、1日のうちで高い時間帯に、前記蓄電電力を前記第1電力供給先に供給する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の電力供給システム。 - 前記蓄電給電部は、
前記複数の電力供給先に供給する電力量に応じて、前記蓄電電力を前記第1電力供給先に供給する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電力供給システム。 - 一日が複数の時間帯に分割されており、前記分割された時間帯に応じて売電する前記電力の単位電力量あたりの売電単価が定められており、前記定められた売電単価に応じて記憶部に記憶されている単価情報と前記電力量とに基づいて前記売電する電力の電気料金を算出する蓄電電力制御部
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の電力供給システム。 - 前記蓄電給電部は、
前記蓄電部に、前記給電部から給電された電力を蓄積させ、
前記蓄電給電部は、
前記給電部から給電された電力の料金が、1日のうちで安い時間帯に、前記蓄電部に前記給電部から給電された電力を蓄積させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の電力供給システム。 - 前記蓄電給電部は、
商用電力に基づいた電力を前記第1電力供給先に供給する場合の料金よりも、前記蓄電部に蓄積されている電力を前記第1電力供給先に供給する場合の料金の方が安い場合に、前記蓄電電力を第1電力供給先に供給する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の電力供給システム。 - 前記蓄電給電部には、
前記蓄電部の蓄電容量のうちから、売電用の電力として供給可能な売電電力量と、非常時のバックアップ用の電力として供給可能な非常用電力量とが予め設定されており、
前記蓄電給電部は、
前記売電電力量の一部を売電用の電力として供給する
ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の電力供給システム。 - 前記蓄電給電部は、
複数の単価が設定されている買電単価を切り替える時刻と、複数の単価が設定されている売電単価を切り替える時刻とを同期させてそれぞれ切り替える
ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の電力供給システム。 - 敷設されている低圧配電線を介して複数の電力供給先に給電された電力を蓄積する蓄電部からの電力の供給を制御する電力供給制御装置であって、
前記蓄電部に蓄積されている電力に基づいて生成された蓄電電力を、前記複数の電力供給先のうちの何れかの第1電力供給先に供給するように制御する制御部、
を備えることを特徴とする電力供給制御装置。 - 敷設されている低圧配電線を介して複数の電力供給先に電力を給電する過程と、
蓄電部が電力を蓄積する過程と、
前記蓄電部に蓄積されている電力に基づいて生成された蓄電電力を、前記複数の電力供給先のうちの何れかの第1電力供給先に供給する過程と、
を含むことを特徴とする電力供給方法。 - 電力供給システムが備えるコンピュータが、
敷設されている低圧配電線を介して複数の電力供給先に電力を給電部が給電するステップと、
蓄電部が電力を蓄積するステップと、
蓄電給電部が、前記蓄電部に蓄積されている電力に基づいて生成された蓄電電力を、前記複数の電力供給先のうちの何れかの第1電力供給先に供給するステップと、
を実行するためのプログラム。
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