JP2013143526A - 半導体装置及びその製造方法、電子装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体装置を、開口部3Aを有するヒートスプレッダ3と、開口部に設けられた半導体チップ4と、少なくとも半導体チップの表面上に設けられ、半導体チップとヒートスプレッダとを接合し、かつ、半導体チップが発生した熱を拡散させる熱拡散用接合層5とを備えるものとする。
【選択図】図1
Description
例えば、半導体チップの表面上に、例えばはんだなどのサーマルインターフェイスマテリアル(TIM;Thermal Interface Material)によって、ヒートスプレッダを接合し、半導体チップからの熱を、TIM及びヒートスプレッダを介して、拡散させるようにしている。
しかしながら、従来は、半導体チップの表面とヒートスプレッダの裏面との間にTIMを介在させ、このTIMを比較的低い温度で溶融させることで、半導体チップの表面上にヒートスプレッダを接合するようにしている。このようにして半導体チップの表面上にヒートスプレッダを接合する場合、TIMとして用いることができる材料が限定されてしまう。また、半導体チップの表面にTIMが接することになり、このTIMを介して半導体チップからの熱を拡散させることになる。このため、半導体チップに接する部分で素早く熱を拡散させることが難しい。また、TIMが介在することによる熱抵抗の増加を抑えるのも難しい。
本電子装置は、配線基板と、開口部を有するヒートスプレッダと、開口部に設けられた半導体チップと、少なくとも半導体チップの表面上に設けられ、半導体チップとヒートスプレッダとを接合し、かつ、半導体チップが発生した熱を拡散させる熱拡散用接合層と、半導体チップを実装するパッケージ基板とを備え、配線基板上に実装された半導体装置とを備えることを要件とする。
本実施形態にかかる電子装置は、例えばコンピュータなどの電子装置である。なお、電子装置を電子機器ともいう。
本電子装置は、図1(A)、図1(B)に示すように、配線基板1と、配線基板1上に実装された半導体パッケージ2とを備える。
ここで、半導体パッケージ2は、開口部3Aを有するヒートスプレッダ3と、開口部3Aに設けられた半導体チップ4と、半導体チップ4及びヒートスプレッダ3の表面上に設けられた熱拡散用接合層5と、半導体チップ4を実装するパッケージ基板6とを備える。
本実施形態では、ヒートスプレッダ3は、ダイヤモンド・金属複合材料からなる。ここでは、ヒートスプレッダ3は、ダイヤモンド・銅複合材料(例えば約600W/m・K)からなる。また、本実施形態では、ヒートスプレッダ3は、金属層と、金属層の一の表面上に設けられ、表面(外表面)に露出しているダイヤモンド片とを備える。ここでは、金属層の一の表面の全面にダイヤモンド片が設けられている。そして、ヒートスプレッダ3のダイヤモンド片が露出している側の表面が、半導体チップ4の表面側、即ち、熱拡散用接合層5を設ける側になっている。
本実施形態では、半導体チップ4は、はんだバンプ8を介してパッケージ基板6に電気的に接続されてパッケージ基板6上に実装されている。また、パッケージ基板6はBGA(Ball Grid Array)を有するパッケージ基板である。つまり、半導体パッケージ2はBGAパッケージである。そして、パッケージ基板6は、はんだバンプ9を介して配線基板1に電気的に接続されて配線基板1上に実装されている。
次に、本実施形態の半導体装置及び電子装置の製造方法について、図3、図4を参照しながら説明する。
まず、図3(A)、図3(B)に示すように、ヒートスプレッダ3の開口部3Aに半導体チップ4を配置する。ここでは、ダイヤモンド・銅複合材料(ダイヤモンド・金属複合材料)からなるヒートスプレッダ3の中央部に設けられている開口部3Aに、半導体チップ4を嵌め込む。なお、開口部3Aを貫通穴ともいう。ここで、半導体チップ4のサイズは、縦約20mm×横約20mmである。また、ヒートスプレッダ3のサイズは、縦約40mm×横約40mmであり、その開口部3Aのサイズは、縦約20mm×横約20mmである。
ここでは、半導体チップ4の表面上及びヒートスプレッダ3の表面上に、気相合成法、即ち、CVD(chemical vapor deposition)法によって、多結晶ダイヤモンドを成長させて、例えば約1mmの厚さの多結晶ダイヤモンド層(熱拡散用接合層)5を形成する。このようにして多結晶ダイヤモンドを成膜することによって、半導体チップ4とヒートスプレッダ3とを接合し、かつ、半導体チップ4が発生した熱を拡散させる熱拡散用接合層5が形成される。なお、多結晶ダイヤモンドを、CVDダイヤモンドともいう。
ここでは、まず、多結晶ダイヤモンド層5上に、仮固定ジグ12を用いて、複数のフィン7を整列させて位置決めし、仮固定する。つまり、半導体チップ4及びヒートスプレッダ3の上方に、多結晶ダイヤモンド層5を介して、複数のフィン7を並べて配置する。ここでは、フィン7は、例えば厚さ約1mmの板状の多結晶ダイヤモンドからなる。このような板状の多結晶ダイヤモンドは、例えばCVD法によって予め作製しておけば良い。なお、複数のフィン7を、フィン群ともいう。
その後、上述のようにして作製された半導体パッケージ2を、配線基板1上に実装する。ここでは、図4(E)に示すように、半導体パッケージ2を、パッケージ基板6の裏面側に搭載されたはんだバンプ9を介して、配線基板1上に実装する。これにより、パッケージ基板6が、はんだバンプ9を介して、配線基板1に電気的に接続される。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法、電子装置によれば、TIMを用いないで半導体チップ4とヒートスプレッダ3とを接合しながら、半導体チップ4に接する部分で素早く熱を拡散させることができ、TIMが介在することによる熱抵抗の増加を抑えることができるという利点がある。
例えば、上述の実施形態では、フィン7を設けているが、これに限られるものではなく、図5に示すように、フィン7を設けなくても良い。つまり、図5(A)、図5(B)に示すように、ヒートスプレッダ3の開口部3Aに半導体チップ4を嵌め込み、図5(C)、図5(D)に示すように、これらの表面上に熱拡散用接合層5を形成するだけでも良い。この場合、半導体パッケージ2は、図5(E)に示すように、開口部3Aを有するヒートスプレッダ3と、開口部3Aに設けられた半導体チップ4と、半導体チップ4及びヒートスプレッダ3の表面上に設けられた熱拡散用接合層5と、半導体チップ4を実装するパッケージ基板6とを備えるものとなる。この場合、電子装置は、図5(F)に示すように、配線基板1と、配線基板1上に実装された半導体パッケージ2とを備えるものとなる。
例えば、ヒートスプレッダ3を、銅(Cu)やアルミ(Al)などの金属からなるもの(約400W/m・K)としても良いし、銅・タングステン(Cu−W)(約200W/m・K)や銅・モリブデン(Cu−Mo)(約200W/m・K)などの合金からなるものとしても良いし、ヒートスプレッダを構成する金属の中にダイヤモンド粒子を分散(埋め込んだ)させたものとしても良い。例えば図7に示すように、ヒートスプレッダ3を銅からなるものとし、熱拡散用接合層5も銅からなるものとしても良い。この場合、上述の変形例(図6参照)の場合と同様に、図7(A)、図7(B)に示すように、ヒートスプレッダ3を、開口部3Aに突出部3Bを有するものとし、ヒートスプレッダ3の開口部3Aに半導体チップ4を嵌め込んだ後、図7(C)、図7(D)に示すように、熱拡散用接合層5を形成する領域以外の領域に例えばメタルマスク13等のマスキングを施し、銅をスパッタリングして、銅からなる熱拡散用接合層5を形成すれば良い。この場合、熱拡散用接合層5は、ヒートスプレッダ3と同等の熱伝導率を有することになる。この場合、半導体パッケージ2は、図7(E)に示すように、開口部3Aを有するヒートスプレッダ3と、開口部3Aに設けられた半導体チップ4と、半導体チップ4の表面上に設けられた熱拡散用接合層5と、半導体チップ4を実装するパッケージ基板6とを備えるものとなる。この場合、電子装置は、図7(F)に示すように、配線基板1と、配線基板1上に実装された半導体パッケージ2とを備えるものとなる。なお、この変形例では、上述の変形例(図5、図6参照)の場合と同様に、フィン7を一体接合しないものとして説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、熱拡散用接合層5を形成した後に、上述の実施形態の場合と同様に、フィン7を一体接合しても良い。この場合、板状の銅からなるフィン7を、銅をスパッタリングすることで、銅からなる熱拡散用接合層5及びヒートスプレッダ3に一体接合すれば良い。この場合、熱拡散用接合層5の表面上に熱拡散用接合層5と同じ材料によって接合されたフィン7を備えることになる。なお、ここでは、熱拡散用接合層5を銅からなるものとしているが、これに限られるものではなく、銀(例えば約427W/m・K)からなるものとしても良い。この場合、熱拡散用接合層5は、ヒートスプレッダ3と同等又はそれ以上の熱伝導率を有することになる。
2 半導体パッケージ(半導体装置)
3 ヒートスプレッダ
3A 開口部
3B 突出部
4 半導体チップ
5 熱拡散用接合層
6 パッケージ基板
7 フィン(放熱部材)
8、9 はんだバンプ
10 スペーサ
11 アンダーフィル
12 仮固定ジグ
13 メタルマスク
14 カバー
Claims (11)
- 開口部を有するヒートスプレッダと、
前記開口部に設けられた半導体チップと、
少なくとも前記半導体チップの表面上に設けられ、前記半導体チップと前記ヒートスプレッダとを接合し、かつ、前記半導体チップが発生した熱を拡散させる熱拡散用接合層とを備えることを特徴とする半導体装置。 - 前記熱拡散用接合層は、前記半導体チップ及び前記ヒートスプレッダの表面上に設けられており、
前記半導体チップの表面と前記ヒートスプレッダの表面とが前記熱拡散用接合層を介して接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。 - 前記ヒートスプレッダは、前記半導体チップよりも厚くなっており、
前記熱拡散用接合層は、前記半導体チップの表面上に設けられており、
前記半導体チップの表面と前記ヒートスプレッダの前記開口部に露出している面とが前記熱拡散用接合層を介して接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。 - 前記熱拡散用接合層の表面上に前記熱拡散用接合層と同じ材料によって接合されたフィンを備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記熱拡散用接合層は、前記ヒートスプレッダと同等又はそれ以上の熱伝導率を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記熱拡散用接合層は、多結晶ダイヤモンドを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
- 前記ヒートスプレッダは、
金属層と、
前記金属層の少なくとも一の表面上に設けられ、表面に露出しているダイヤモンド片とを備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 配線基板と、
開口部を有するヒートスプレッダと、前記開口部に設けられた半導体チップと、少なくとも前記半導体チップの表面上に設けられ、前記半導体チップと前記ヒートスプレッダとを接合し、かつ、前記半導体チップが発生した熱を拡散させる熱拡散用接合層と、前記半導体チップを実装するパッケージ基板とを備え、前記配線基板上に実装された半導体装置とを備えることを特徴とする電子装置。 - 開口部を有するヒートスプレッダの前記開口部に半導体チップを配置する工程と、
少なくとも前記半導体チップの表面上に、前記半導体チップと前記ヒートスプレッダとを接合し、かつ、前記半導体チップが発生した熱を拡散させる熱拡散用接合層を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記熱拡散用接合層を形成する工程において、気相合成法によって多結晶ダイヤモンドを含む熱拡散用接合層を形成することを特徴とする、請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記熱拡散用接合層の表面上に、気相合成法によって形成される多結晶ダイヤモンドによってフィンを接合する工程を備えることを特徴とする、請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
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