JP2013142873A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一のポリエステル樹脂と着色剤と離型剤とを含むコア部と、前記コア部を被覆する第二のポリエステル樹脂を含む第一のシェル層と、前記第一のシェル層を被覆し、芳香族系ビニル単量体と、前記芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有する第三のポリエステル樹脂と、の重合体を含む第二のシェル層と、を有するトナー粒子を含み、前記第一のシェル層及び前記第二のシェル層の合計が前記トナー粒子の16質量%以上40質量%以下を占める静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
Description
第一のポリエステル樹脂と着色剤と離型剤とを含むコア部と、
前記コア部を被覆する第二のポリエステル樹脂を含む第一のシェル層と、
前記第一のシェル層を被覆し、芳香族系ビニル単量体と、前記芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有する第三のポリエステル樹脂と、の重合体を含む第二のシェル層と、を有するトナー粒子を含み、
前記第一のシェル層及び前記第二のシェル層の合計が前記トナー粒子の16質量%以上40質量%以下を占める静電荷像現像用トナーである。
前記第一のポリエステル樹脂及び前記第二のポリエステル樹脂が、前記芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有さないポリエステル樹脂である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
テトラヒドロフランに不溶な樹脂分の、前記トナー粒子に占める割合が5質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーである。
前記重合体を構成する前記芳香族系ビニル単量体と前記第三のポリエステル樹脂との比率(質量基準)が、70:30乃至99.5:0.5である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
前記第二のシェル層が、前記トナー粒子の0.1質量%以上15質量%以下を占める請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤である。
トナーが少なくとも収容され、前記トナーが請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーであるトナーカートリッジである。
現像剤保持体を少なくとも備え、請求項6に記載の静電荷像現像用現像剤を収容するプロセスカートリッジである。
感光体と、
前記感光体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記感光体の表面に形成された前記静電荷像を請求項6に記載の静電荷像現像用現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、
前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、
を有する画像形成装置である。
第一のポリエステル樹脂を分散した第一のポリエステル樹脂粒子分散液、着色剤を分散した着色剤分散液、及び、離型剤を分散した離型剤分散液を混合して第一のポリエステル樹脂粒子、着色剤粒子、及び、離型剤粒子を含む凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、
第二のポリエステル樹脂を分散した第二のポリエステル樹脂粒子分散液と、前記凝集粒子を含む凝集粒子分散液と、を混合して、前記凝集粒子の表面に第二のポリエステル樹脂粒子を付着させて付着樹脂凝集粒子を形成する第一の付着工程と、
加熱により前記付着樹脂凝集粒子を融合して融合粒子を形成する融合工程と、
芳香族系ビニル単量体と前記芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有する第三のポリエステル樹脂とを含む重合性成分と、前記融合粒子を含む融合粒子分散液と、を混合して、前記融合粒子の表面に前記重合性成分を付着させて付着融合粒子を形成する第二の付着工程と、
前記重合性成分に含まれる前記芳香族系ビニル単量体と前記第三のポリエステル樹脂とを重合させて、前記融合粒子の表面に前記重合性成分の重合体を形成する重合工程と、を含む請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
本実施形態の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある)は、第一のポリエステル樹脂と着色剤と離型剤とを含むコア部と、前記コア部を被覆する第二のポリエステル樹脂を含む第一のシェル層と、前記第一のシェル層を被覆し、芳香族系ビニル単量体と、前記芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有する第三のポリエステル樹脂(以下、「不飽和ポリエステル樹脂」と称することがある)と、の重合体を含む第二のシェル層と、を有するトナー粒子を含み、前記第一のシェル層及び前記第二のシェル層の合計が前記トナー粒子の16質量%以上40質量%以下を占める静電荷像現像用トナーである。
本実施形態のトナーは搬送性に優れる。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
トナーの最外層を構成する第二のシェル層は、芳香族系ビニル単量体と芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有する第三のポリエステル樹脂との重合体を含む。トナーの最外層に該重合体を存在させることで、トナーの耐熱性及び耐ストレス性が向上する。そのため、トナーカートリッジから現像器への搬送経路においてトナーの耐熱性及び耐ストレス性が発揮されてトナーの凝集体の形成が抑制される。その結果として、トナー詰まりが生ずることがなくトナーの搬送性が向上するものと推察される。
本実施形態において、第一のポリエステル樹脂及び第二のポリエステル樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂が好適に使用される。また、コア部には必要に応じて結晶性ポリエステル樹脂が併用されてもよい。
本実施形態で用いる結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は保管性と低温定着性から、50℃以上100℃以下の範囲にあることが望ましく、55℃以上90℃以下の範囲にあることがより望ましく、60℃以上85℃以下の範囲にあることがさらに望ましい。融解温度が50℃を上回れば、保管トナーにブロックキングが生じるなどのトナー保管性や、定着後の定着画像の保管性が困難となることがない。また、融解温度が100℃以下であれば十分な低温定着性が得られる。
なお、上記結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
重合性単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い重合性単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い重合性単量体とその重合性単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
本実施形態においては、非晶性ポリエステル樹脂を用いることで、前記結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が向上するため、結晶性ポリエステル樹脂の融解温度における低粘度化に伴い、非晶性ポリエステル樹脂も低粘度化し、トナーとしてのシャープメルト性(鋭敏な溶融特性)が得られるために、低温定着性に有利である。また結晶性ポリエステル樹脂との濡れ性が良好なことから、結晶性ポリエステル樹脂のトナー内部への分散性が向上し、結晶性ポリエステル樹脂のトナー表面への露出を抑制するため、帯電性への悪影響が抑制される。またこの理由により、トナーの強度や定着画像の強度向上の観点でも望ましい。
多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;が挙げられ、これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いてもよい。これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を用いることが望ましく、また良好なる定着性を確保するためには架橋構造あるいは分岐構造をとることが望ましく、そのためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが望ましい。
非晶性ポリエステル樹脂のTgは50℃以上65℃以下であることがより望ましい。
なお、上記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、35,000以上80,000以下がさらに望ましく、40,000以上80,000以下が特に望ましい。
本実施形態において、不飽和ポリエステル樹脂は後述する芳香族系ビニル単量体と共に重合体を形成し、第二のシェル層を構成する。
本実施形態で用いられる不飽和ポリエステル樹脂は、非晶性不飽和ポリエステル樹脂であってもよい。
非晶性不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエステル成分として不飽和基(例えばビニル基やビニレン基)を持つ非晶性のポリエステル樹脂である。
具体的には、例えば、非晶性不飽和ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体であって、多価カルボン酸及び多価アルコールの少なくとも一方として、不飽和ポリエステル成分となる不飽和基(例えばビニル基やビニレン基)を持つ単量体を用いたものがよい。
特に、望ましくは、安定性の観点から非晶性不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和基(例えばビニル基やビニレン基)を持つ多価カルボン酸と、望ましくは、多価アルコールと、の縮重合体であることがよく、非晶性不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和基(例えばビニル基やビニレン基)を持つ2価のカルボン酸と、2価のアルコールと、の縮重合体(つまり、直鎖状ポリエステル樹脂)であることがよい。
不飽和基(例えばビニル基やビニレン基)を持つ3価以上のカルボン酸としては、アコニット酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、4−ペンテン-1,2,4,−トリカルボン酸、1−ペンテン-1,1,4,4,−テトラカルボン酸、これらの低級(炭素数1以上4以下)アルキルエステルが挙げられる。
これら多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
なお、多価アルコールと共に、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールを併用してもよい。
これら多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
つまり、非晶性不飽和ポリエステル樹脂の不飽和ポリエステル成分は、フマル酸、マレイン酸、及びマレイン酸無水物から選択される少なくとも1種の2価のカルボン酸に由来する成分であることがよい。
なお、非晶性不飽和ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
本実施形態において、芳香族系ビニル単量体は上述の不飽和ポリエステル樹脂と共に重合体を形成し、第二のシェル層を構成する。
本実施形態で用いられる芳香族系ビニル単量体としては、スチレン系単量体、ビニルトルエン、ビニルカルバゾール、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン等が挙げられる。
本実施形態においては、芳香族系ビニル単量体としてスチレンが特に望ましい。
本実施形態のトナーのコア粒子は着色剤を含む。本実施形態で用いられる着色剤としては、染料であっても顔料であってもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が望ましい。
望ましい着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジシンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド238、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用できる。
本実施形態のトナーのコア粒子は離型剤を含む。離型剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス;シリコーン樹脂;ロジン類;ライスワックス;カルナバワックス;等が挙げられる。これらの離型剤の溶融温度は、50℃以上100℃以下が望ましく、60℃以上95℃以下がより望ましい。離型剤のトナー中の含有量は0.5質量%以上15質量%以下が望ましく、1.0質量%以上12質量%以下がより望ましい。離型剤の含有量が0.5質量%より少ないと、特にオイルレス定着において剥離不良となるおそれがある。離型剤の含有量が15質量%より多いと、トナーの流動性が悪化する等、画質および画像形成の信頼性を低下させるおそれがある。
本実施形態のコア粒子には、上記成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加することができる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
本実施形態のトナー粒子は、第一のポリエステル樹脂と着色剤と離型剤とを含むコア部を有する。該コア部は、第二のポリエステル樹脂を含む第一のシェル層で被覆される。該第一のシェル層は、芳香族系ビニル単量体と不飽和ポリエステル樹脂との重合体を含む第二のシェル層で被覆される。
第一のシェル層及び第二のシェル層の合計は、トナー粒子の20質量%以上35質量%以下が特に望ましい。
THF不溶(ゲル)分が多いと、トナー耐熱性、耐ストレス性は向上するが、低温定着性が損なわれることがある。THF不溶(ゲル)分を5質量%以下とすることで、トナー耐熱性、耐ストレス性及び低温定着性のバランスが図られる。
テトラヒドロフラン(THF)に不溶な樹脂分のトナー粒子に占める割合は、0質量%であってもよいが、トナー表層部の強度を確保する理由から0.5質量%以上であってもよい。
重合体を構成する第三のポリエステル樹脂の比率が低いと、重合反応による重合度が低下し表層部の強度の向上効果が低くなってしまうことがある。一方、重合体を構成する第三のポリエステル樹脂の比率が高いと、第三のポリエステル樹脂を溶解させた芳香族系ビニル単量体の粘度が高くなってしまい、トナー粒子表面に均一な第二のシェル層を形成するのが困難となってしまうことがある。芳香族系ビニル単量体と不飽和ポリエステル樹脂との比率(質量基準)が70:30乃至99.5:0.5の範囲であると、上記問題の発生が抑制される。
本実施形態におけるトナーの体積平均粒子径は4μm以上9μm以下の範囲であることが望ましく、より望ましくは4.5μm以上8.5μm以下の範囲であり、さらに望ましくは5μm以上8μm以下の範囲である。体積平均粒子径が4μm以上であれば、トナー流動性が向上し、各粒子の帯電性が向上しやすい。また、帯電分布が広がらないため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じにくくなる。また4μm以上であれば、クリーニング性が困難となることがない。体積平均粒子径が9μm以下であれば、解像度が向上するため、十分な画質が得られ、近年の高画質要求を満たすことが可能となる。
上記形状係数SF1は110以上130以下の範囲であることがより好ましい。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
トナー粒子の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、第一のポリエステル樹脂を分散した第一のポリエステル樹脂粒子分散液、着色剤を分散した着色剤分散液、及び、離型剤を分散した離型剤分散液を混合して第一のポリエステル樹脂粒子、着色剤粒子、及び、離型剤粒子を含む凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、第二のポリエステル樹脂を分散した第二のポリエステル樹脂粒子分散液と、前記凝集粒子を含む凝集粒子分散液と、を混合して、前記凝集粒子の表面に第二のポリエステル樹脂粒子を付着させて付着樹脂凝集粒子を形成する第一の付着工程と、加熱により前記付着樹脂凝集粒子を融合して融合粒子を形成する融合工程と、芳香族系ビニル単量体と前記芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有する第三のポリエステル樹脂とを含む重合性成分と、前記融合粒子を含む融合粒子分散液と、を混合して、前記融合粒子の表面に前記重合性成分を付着させて付着融合粒子を形成する第二の付着工程と、前記重合性成分に含まれる前記芳香族系ビニル単量体と前記第三のポリエステル樹脂とを重合させて、前記融合粒子の表面に前記重合性成分の重合体を形成する重合工程と、を含むものであってもよい。
樹脂粒子分散液の作製は一般的な重合法による樹脂粒子分散液作成、例えば乳化重合法や懸濁重合法、分散重合法などを用いる他にも、水系媒体と結着樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより乳化して行ってもよい。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成してもよい。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用してもよい。さらに、樹脂が油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、該樹脂をそれらの溶剤に解かして水中に分散剤や高分子電解質と共に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液が作製される。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下の範囲が挙げられ、0.03μm以上0.8μm以下であってもよく、0.03μm以上0.6μmであってもよい。
なお、樹脂粒子等、原料分散液中に含まれる粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定される。
また、乳化工程に使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
体積平均粒子径が100nm以上では、使用される結着樹脂の特性にも影響されるが、一般的に離型剤成分がトナー中に取り込まれやすくなる。また、500nm以下の場合には、トナー中の離型剤の分散状態が充分となる。
凝集粒子形成工程においては、第一のポリエステル樹脂粒子の分散液、着色剤分散液、離型剤分散液等を混合して混合液とし、第一のポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、第一のポリエステル樹脂粒子、着色剤粒子、及び、離型剤粒子を含む凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる場合が多い。pHとしては、2以上7以下の範囲が望ましく、この際、凝集剤を使用することも有効である。
なお、凝集粒子形成工程において、離型剤分散液は、樹脂粒子分散液等の各種分散液とともに一度に添加・混合してもよいし、複数回に分割して添加しても良い。
本実施形態においては、アルミニウムを含む4価の無機金属塩の重合体を用いることが、狭い粒度分布を得るためには望ましい。
第一の付着工程では、上記した凝集粒子形成工程を経て形成された凝集粒子の表面に、第二のポリエステル樹脂粒子を付着させることにより被覆層を形成する(凝集粒子表面に被覆層を設けた凝集粒子を「付着樹脂凝集粒子」と称することがある)。ここで、この被覆層は、後述する融合工程を経て形成される第一のシェル層に相当するものである。
第二のポリエステル樹脂粒子の体積平均粒子径は、0.05μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.5μm以下がさらに好ましい。
なお、第一の付着工程においては、凝集粒子が形成された分散液に第二のポリエステル樹脂粒子分散液を追添加した分散液は、静置されていてもよいし、ミキサー等により穏やかに攪拌されていてもよい。後者の場合の方が、均一な付着樹脂凝集粒子が形成され易い点で有利である。
融合工程においては、前記凝集粒子形成工程に準じた攪拌条件下で、付着樹脂凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱を行うことにより付着樹脂凝集粒子を融合させて融合粒子を得る。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
第二の付着工程では、上述の融合工程を経て形成された融合粒子の表面に、芳香族系ビニル単量体と前記芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有する第三のポリエステル樹脂とを含む重合性成分を付着させることにより付着層を形成する(融合粒子表面に付着層を設けた融合粒子を「付着融合粒子」と称することがある)。ここで、この付着層は、後述する重合工程を経て形成される第二のシェル層に相当するものである。
重合性成分に添加されてもよい溶剤としては、例えば、アルコール系有機溶剤、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤等が挙げられる。重合性成分に溶剤を添加する場合、該重合性成分に占める溶剤の割合は5.0質量%以上10.0質量%以下が望ましい。重合性成分の粘度が高いことで融合粒子表面に重合性成分を均一に付着するのが阻害されるような場合に、溶剤を重合性成分に添加することで望ましい粘度の重合性成分が調製される。
前記融合粒子分散液を攪拌分散しながら加熱し、重合開始剤を添加した後、重合成分分散液を添加してもよい。
重合工程では、重合性成分に含まれる芳香族系ビニル単量体と第三のポリエステル樹脂とを重合させて、融合粒子の表面に重合性成分の重合体を形成する。
更に必要に応じ、超音波篩分機、振動篩分機、風力篩分機などを使って、トナーの粗大粒子を外添後取り除いてもよい。
滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
研磨剤としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
本実施形態の現像剤は、本実施形態のトナーを含む一成分現像剤、あるいは、キャリアと本実施形態のトナーを含む二成分現像剤のいずれであってもよい。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。以下、二成分現像剤である場合について説明する。
次に、本実施形態のトナーを用いた本実施形態の画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、帯電した前記感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記感光体の表面に形成された前記静電荷像を本実施形態の現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有するものである。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像効率、画像粒状性、階調再現性等の観点から、直流成分に交流成分を重畳させたバイアス電位(現像バイアス)を現像剤保持体に付与してもよい。具体的には、現像剤保持体直流印加電圧Vdcを−300乃至−700Vとしたとき、現像剤保持体交流電圧ピーク幅Vp−pを0.5乃至2.0kVの範囲としてもよい。
イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
図2は、本実施形態の現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、現像装置111とともに、感光体107、帯電ローラ108、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は被転写体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
<粒度及び粒度分布測定方法>
粒径(「粒子直径」、「粒度」ともいう。)及び粒径分布測定(「粒度分布測定」ともいう。)について述べる。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数それぞれについて小径側から累積分布を描き、体積で累積50%となる粒子径を体積平均粒子径D50v、数で累積50%となる粒子径を個数平均粒子径D50pと定義した。なお、トナーの体積平均粒子径も粒度分布も外添剤の添加により大きく変わることはない。
融解温度及びガラス転移温度は、DSC(示差走査型熱量計)測定法により決定し、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
軟化温度は高化式フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用い、ダイスの細孔の径を0.5mm、加圧荷重を0.98MPa(10kgf/cm2)、昇温速度を1℃/分とした条件下で、1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から終了点の高さの1/2に相当する温度として求められるものである。
THFに不溶な樹脂分は、以下のようにして測定した。
(1)試料200乃至300mgを25mlの三角フラスコに直接量り取り、20mlのTHFを入れて一晩放置する。
(2)上記(1)の三角フラスコをテフロン(登録商標)製遠心分離用チューブに入れる。
(3)上記(1)の三角フラスコにもう一度20mlのTHFにてリンスアウトし、(2)のチューブに入れて40mlにして密閉する。
(4)上記(3)を回転数18,000rpm、−10℃の条件で20分間遠心分離を行う。
(5)上記(4)の処理物を取り出し、室温に戻るまで放置する。
(6)上記(5)の上澄み液を5ml量り取り重量の測定してあるアルミニウム皿に取り出し、ついで溶媒のTHFをホットプレートにて蒸発させる。
(7)上記(6)の残留物を50℃の真空乾燥機に入れて一晩放置し乾燥させ、これを5ml中のトルエン可溶分として、アルミニウム皿の重量と合わせて秤量する。
(8)次式にてTHF不溶分を算出する。
{<サンプル重量>−[(<THF可溶分+アルミニウム皿の重量>−<アルミニウム皿の重量>)×40/5]}÷<サンプル重量>×100=THF不溶分(%)
−エチレン性不飽和二重結合を有さないポリエステル樹脂−
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物60モル部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物40モル部、テレフタル酸50モル部、ドデセニルコハク酸40モル部、ジブチルスズオキサイド0.1モル部、を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて230℃、常圧(101.3kPa)にて10時間反応させ、さらに8kPaにて1時間反応させた。210℃まで冷却して無水トリメリット酸を10モル部添加し、1時間反応させた後、8kPaにて軟化温度が115℃になるまで反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂A)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度は58℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂A500質量部と、メチルエチルケトン300質量部と、イソプロピルアルコール100質量部、10質量%アンモニア水溶液5.0質量部とをセパラブルフラスコに入れ、混合、溶解した後、50℃で加熱攪拌しながら、イオン交換水を送液ポンプで滴下した。その後減圧下で溶剤除去を行った。そして溶剤除去した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液に20質量%ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液を50質量部を添加した後、イオン交換水を添加し固形分濃度を40質量%に調整し、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを得た。得られたポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は、220nmであった。
−エチレン性不飽和二重結合を有さないポリエステル樹脂−
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物60モル部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物40モル部、テレフタル酸40モル部、ドデセニルコハク酸50モル部、ジブチルスズオキサイド0.1モル部、を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて230℃、常圧(101.3kPa)にて10時間反応させ、さらに8kPaにて1時間反応させた。210℃まで冷却して無水トリメリット酸を10モル部添加し、1時間反応させた後、8kPaにて軟化温度が115℃になるまで反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂B)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂Bのガラス転移温度は52℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂B500質量部と、メチルエチルケトン350質量部と、イソプロピルアルコール200質量部、10質量%アンモニア水溶液5.0質量部とをセパラブルフラスコに入れ、混合、溶解した後、50℃で加熱攪拌しながら、イオン交換水を送液ポンプで滴下した。その後減圧下で溶剤除去を行った。そして溶剤除去した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液に20質量%ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液を50質量部を添加した後、イオン交換水を添加し固形分濃度を40質量%に調整し、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Bを得た。得られたポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は、203nmであった。
−エチレン性不飽和二重結合を有さないポリエステル樹脂−
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物80モル部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物20モル部、テレフタル酸75モル部、ドデセニルコハク酸15モル部、ジブチルスズオキサイド0.1モル部、を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて230℃、常圧(101.3kPa)にて10時間反応させ、さらに8kPaにて1時間反応させた。210℃まで冷却して無水トリメリット酸を10モル部添加し、1時間反応させた後、8kPaにて軟化温度が115℃になるまで反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂C)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂Cのガラス転移温度は63℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂C500質量部と、メチルエチルケトン300質量部と、イソプロピルアルコール100質量部、10質量%アンモニア水溶液5.0質量部とをセパラブルフラスコに入れ、混合、溶解した後、50℃で加熱攪拌しながら、イオン交換水を送液ポンプで滴下した。その後減圧下で溶剤除去を行った。そして溶剤除去した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液に20質量%ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液を50質量部を添加した後、イオン交換水を添加し固形分濃度を40質量%に調整し、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Cを得た。得られたポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は、203nmであった。
−エチレン性不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂−
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物80モル部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物20モル部、テレフタル酸50モル部、ドデセニルコハク酸15モル部、フマル酸20モル部、ジブチルスズオキサイド0.1モル部、を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて230℃、常圧(101.3kPa)にて10時間反応させ、さらに8kPaにて1時間反応させた。210℃まで冷却して無水トリメリット酸を10モル部添加し、1時間反応させた後、8kPaにて軟化温度が115℃になるまで反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂D)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂Dのガラス転移温度は65℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂D500質量部と、メチルエチルケトン340質量部と、イソプロピルアルコール100質量部、10質量%アンモニア水溶液5.0質量部とをセパラブルフラスコに入れ、混合、溶解した後、50℃で加熱攪拌しながら、イオン交換水を送液ポンプで滴下した。その後減圧下で溶剤除去を行った。そして溶剤除去した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液に20質量%ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液を50質量部を添加した後、イオン交換水を添加し固形分濃度を40質量%に調整し、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Dを得た。得られたポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は、182nmであった。
−エチレン性不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂−
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物80モル部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物20モル部、テレフタル酸10モル部、ドデセニルコハク酸30モル部、フマル酸50モル部、ジブチルスズオキサイド0.1モル部、を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて230℃、常圧(101.3kPa)にて10時間反応させ、さらに8kPaにて1時間反応させた。210℃まで冷却して無水トリメリット酸を10モル部添加し、1時間反応させた後、8kPaにて軟化温度が115℃になるまで反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂E)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂Eのガラス転移温度は60℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂E500質量部と、メチルエチルケトン320質量部と、イソプロピルアルコール125質量部、10質量%アンモニア水溶液5.0質量部とをセパラブルフラスコに入れ、混合、溶解した後、50℃で加熱攪拌しながら、イオン交換水を送液ポンプで滴下した。その後減圧下で溶剤除去を行った。そして溶剤除去した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液に20質量%ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液を50質量部を添加した後、イオン交換水を添加し固形分濃度を40質量%に調整し、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Eを得た。得られたポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は、190nmであった。
−エチレン性不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂−
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物100モル部、テレフタル酸70モル部、フマル酸20モル部、ジブチルスズオキサイド0.1モル部、を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて230℃、常圧(101.3kPa)にて10時間反応させ、さらに8kPaにて1時間反応させた。210℃まで冷却して無水トリメリット酸を10モル部添加し、1時間反応させた後、8kPaにて軟化温度が115℃になるまで反応させ、非晶性ポリエステル樹脂(非晶性樹脂F)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂Fのガラス転移温度は57℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂F500質量部と、メチルエチルケトン250質量部と、イソプロピルアルコール100質量部、10質量%アンモニア水溶液5.0質量部とをセパラブルフラスコに入れ、混合、溶解した後、50℃で加熱攪拌しながら、イオン交換水を送液ポンプで滴下した。その後減圧下で溶剤除去を行った。そして溶剤除去した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液に20質量%ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液を50質量部を添加した後、イオン交換水を添加し固形分濃度を40質量%に調整し、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Fを得た。得られたポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は、172nmであった。
加熱乾燥した三口フラスコに、1、9−ノナンジオール44モル部、ドデカンジカルボン酸56モル部、ジブチルスズオキサイド0.05モル部を入れた後、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃乃至230℃で2時間共縮重合反応させ、その後230℃まで除々に昇温を行い5時間攪拌し、粘稠な状態になったところで空冷し、反応を停止させて結晶性ポリエステル樹脂を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂3000質量部、イオン交換水10000質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム60質量部を、高温、高圧乳化装置(キャビトロンCD1010)の乳化タンクに投入した後、130℃に加熱溶融後、110℃で流量3L/m、10000rpmで30分間分散させ、冷却タンクを通過させて固形分40質量%、体積平均粒径D50vが125nmの結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を作製した。
カーボンブラック(Regal330キャボット社製)50質量部、イオン性界面活性剤ネオゲンR(第一工業製薬)2.5質量部、イオン交換水150質量部を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、次いでアルティマイザーを用いて分散処理した後、イオン交換水にて固形分30質量%に調整し、中心粒径245nmの着色剤分散液を得た。
パラフィンワックス(日本精鑞社製、HNP0190)50質量部、イオン性界面活性剤ネオゲンR(第一工業製薬)2.5質量部、イオン交換水150質量部を120℃に加熱し、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理した後、イオン交換水にて固形分30質量%に調整し、中心粒径219nmの離型剤分散液を得た。
(トナー1の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液A638質量部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液128質量部、着色剤分散液88質量部、離型剤分散液175質量部、硫酸アルミニウム(和光純薬社製)2.5質量部、0.3M硝酸水溶液50質量部、イオン交換水2050質量部を温度計、pH計、撹拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、撹拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、10質量%硫酸アルミ水溶液を25質量部添加した。その後、0.3N硝酸水溶液を添加し、凝集工程でのpHを3.5に調整した。50℃まで昇温し、コールターマルチサイザーII(アパーチャー径:100μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmの凝集体とした。
次に追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液A255質量部を添加した。
フェライト粒子(パウダーテック社製、体積平均粒径50μm)100質量部とメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、分子量95000、10000以下の成分比率は5%)1.5質量部を、トルエン500質量部と共に加圧式ニーダーに入れ、常温(30℃)で15分間攪拌混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温してトルエンを留去し、その後冷却し、105μmの篩を用いて分級して樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
この樹脂被覆フェライトキャリアと、上述のトナー1とをそれぞれ混合し、トナー濃度が7質量%の二成分現像剤1を作成した。
下記方法に基づき、ブロッキング性、最低定着温度及びトナー搬送性を評価した。得られた結果を表1に示す。
−ブロッキング性−
トナー10gをプロピレン性カップの上に秤量し、50℃、50%RHの環境に17時間放置し、ブロッキング(凝集)状態を、以下の基準で評価した。
◎:カップを傾けるとトナーがさらさら流れる
○:カップを動かしているとトナーが徐々に崩れ、流れ出す
△:ブロック体が発生しており、先の尖ったもので突付くと崩れる
×:ブロック体が発生しており、先の尖ったもので突付いても崩れにくい。
低温定着性(最低定着温度)は、次のようにして評価した。
富士ゼロックス社製DocuCentre−IV C4300改造機(定着温度が可変な外部定着機で定着を行うように改造したもの)を用いて、富士ゼロックス製ペーパー(J紙)に、トナー載り量13.5g/m2に調整して、ベタのトナー画像の形成を行った。トナー画像出しした後、外部定着機を用い、Nip6.5mm下、定着速度210mm/secにて定着した。
定着温度を130℃から5℃ずつ温度を上げてトナー画像を定着し、用紙の定着画像の
ソリッド部のほぼ中央に、内側に折り目を入れ、定着画像が破壊された部分をティッシュ
ペーパーで拭い取り、白抜けした線幅を測定し、以下の評価基準で評価した。
そして○となる定着温度を最低定着温度とした。最低定着温度は、150℃未満が好ましい。
◎:白抜けした線幅が0.2mm未満のもの
○:白抜けした線幅が0.2mm以上0.4mm未満のもの
△:白抜けした線幅が0.4mm以上0.8mm以下のもの
×:白抜けした線幅が0.8mmを超えるもの
トナー搬送性は、次のように評価した。
富士ゼロックス社製DocuCentre−IV C4300用カラートナーカートリッジにトナー300gを投入し、高温高湿(45℃90%)環境下に7日間放置した後、トナー排出口を開けたままで、カートリッジを駆動させ、搬送経路つまりを評価した。
搬送経路つまりの基準は以下の通りである。
○:発生しない
△:やや発生する
×:発生する
(トナー2の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを740質量部に変更し、凝集体を作製し、追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを153質量部にした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー2を作製した。
実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー3の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aの代わりに非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Bを446質量部、イオン交換水を2110質量部に変更し、凝集体を作製した。
次に追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Dを446質量部にした以外はトナー1の作製と同様にしてトナー3を作製した。
実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー4の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Cに変更し、追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Bに変更した以外は実施例1と同様にしてトナー4及び現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー5の作製)
非晶性ポリエステル樹脂Dを非晶性ポリエステル樹脂Eに変更した以外は実施例1と同様にしてトナー5及び現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー6の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを510質量部、イオン交換水を2178質量部に変更し、凝集体を作製し、次に追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Eを255質量部にし、その後、非晶性ポリエステル樹脂Dの代わりに非晶性ポリエステル樹脂Eを用いた以外はトナー1の作製と同様にしてトナー6を作製した。
実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー7の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを698質量部、イオン交換水2178質量部に変更し凝集体を作製した以外はトナー1と同様にして、融合粒子分散液を作製した。
実施例1と同様にして現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー8の作製)
イオン交換水を2178質量部に変更する以外はトナー1と同様の方法で融合粒子分散液を作製した。
実施例1と同様にして現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー9の作成)
イオン交換水を2178質量部に変更する以外はトナー1と同様の方法で融合粒子分散液を作製した。
得られた融合粒子分散液に、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液を100質量部を添加した。その後、スチレン(St)23.75質量部に対し非晶性ポリエステル樹脂D1.25質量部を溶解した溶解液を、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液12質量部を溶解したイオン交換水90質量部に添加した後、ディスパーで60分乳化して得られた乳化液を30分かけて融合粒子分散液に滴下し、80℃で4時間重合した後、冷却しろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得、トナー1と同様の方法で疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを調整しトナー9を得た。
実施例1と同様にして現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー10の作成)
イオン交換水を2178質量部に変更する以外はトナー1と同様の方法で融合粒子分散液を作製した。
実施例1と同様にして現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー11の作成)
イオン交換水2178質量部に変更する以外はトナー1と同様の方法で融合粒子分散液を作製した。
実施例1と同様にして現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー12の作製)
イオン交換水を2178質量部に変更する以外はトナー1と同様の方法で融合粒子分散液を作製した。
(トナー13の作製)
追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Fとした以外は実施例1と同様にしてトナー13及び現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー14の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Cに、追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Cに、非晶性ポリエステル樹脂Dを非晶性ポリエステル樹脂Fに変更した以外は実施例1と同様にしてトナー14及び現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー15の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを446質量部、イオン交換水を2178質量部に変更する以外はトナー1と同様の方法で融合粒子分散液を作製した。
実施例1と同様にして現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー16の作製)
イオン交換水2178質量部に変更する以外はトナー1と同様の方法で融合粒子分散液を作製した。
得られた融合粒子分散液に、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液を100質量部を添加した。その後、スチレン(St)7.5質量部に対し非晶性ポリエステル樹脂D17.5質量部を溶解した溶解液を、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液12質量部を溶解したイオン交換水90質量部に添加した後、ディスパーで60分乳化して得られた乳化液を30分かけて融合粒子分散液に滴下し、80℃で4時間重合した後、冷却しろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得、トナー1と同様の方法で疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを調整しトナー16を得た。
実施例1と同様にして現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
(トナー17の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを829質量部にして凝集粒子を作製し、追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを64質量部に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー17を得た。
実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表2に示す。
(トナー18の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを383質量部にして凝集粒子を作製し、追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを383質量部に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー18を得た。
実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表2に示す。
(トナー19の作製)
トナー1で用いた融合粒子分散液に、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液を100質量部を添加した。その後、スチレン(St)20質量部に対し非晶性ポリエステル樹脂A5質量部を溶解した溶解液を、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液12質量部を溶解したイオン交換水90質量部に添加した後、ディスパーで60分乳化して得られた乳化液を30分かけて融合粒子分散液に滴下し、80℃で4時間重合した後、冷却しろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得、トナー1と同様の方法で疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを調整しトナー19を得た。
実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表2に示す。
(トナー20の作製)
トナー1で用いた融合粒子分散液に、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液を100質量部を添加した。その後、スチレン(St)25質量部を、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液12質量部を溶解したイオン交換水90質量部に添加した後、ディスパーで60分乳化して得られた乳化液を30分かけて融合粒子分散液に滴下し、80℃で4時間重合した後、冷却しろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得、トナー1と同様の方法で疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを調整しトナー20を得た。
(トナー21の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを701質量部とした以外はトナー1と同様の方法で凝集粒子を作製した。次いで、トナー1と同様に追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを添加した。
ト株式会社製)を40質量部を加えた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、昇温速度を0.05℃/分にして80℃まで昇温し、80℃で3時間保持した後、冷却しろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得、トナー1と同様の方法で疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを調整しトナー21を得た。
実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表2に示す。
(トナー22の作製)
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを383質量部にした以外はトナー1と同様にして融合粒子分散液を作製した。
得られた融合粒子分散液に、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液を100質量部を添加した。その後、スチレン(St)100質量部に対し非晶性ポリエステル樹脂D25質量部を溶解した溶解液を、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液25質量部を溶解したイオン交換水90質量部に添加した後、ディスパーで60分乳化して得られた乳化液を30分かけて融合粒子分散液に滴下し、80℃で4時間重合した後、冷却しろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得、トナー1と同様の方法で疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを調整しトナー22を得た。
実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表2に示す。
(トナー23の作製)
トナー1で用いた融合粒子分散液に、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液を100質量部を添加した。その後、メチルメタクリレート(MMA)25質量部を、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液12質量部を溶解したイオン交換水90質量部に添加した後、ディスパーで60分乳化して得られた乳化液を30分かけて融合粒子分散液に滴下し、80℃で4時間重合した後、冷却しろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得、トナー1と同様の方法で疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを調整しトナー23を得た。
実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表2に示す。
(トナー24の作製)
トナー1で用いた融合粒子分散液に、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液を100質量部を添加した。その後、スチレン(St)100質量部に対し非晶性ポリエステル樹脂C25質量部を溶解した溶解液を、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液12質量部を溶解したイオン交換水90質量部に添加した後、ディスパーで60分乳化して得られた乳化液を30分かけて融合粒子分散液に滴下し、80℃で4時間重合した後、冷却しろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得、トナー1と同様の方法で疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを調整しトナー24を得た。
(トナー25の作製)
トナー1で用いた融合粒子分散液に、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液を100質量部を添加した。その後、メチルメタクリレート(MMA)100質量部に対し非晶性ポリエステル樹脂D25質量部を溶解した溶解液を、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液12質量部に溶解したイオン交換水90質量部に添加した後、ディスパーで60分乳化して得られた乳化液を30分かけて融合粒子分散液に滴下し、80℃で4時間重合した後、冷却しろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得、トナー1と同様の方法で疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを調整しトナー25を得た。
実施例1と同様にして現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表2に示す。
(トナー26の作製)
追加の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液Aを用いない以外はトナー1と同様の方法で融合粒子分散液を得た。
該融合粒子分散液に、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液を100質量部を添加した。その後、メチルメタクリレート(MMA)100質量部に対し非晶性ポリエステル樹脂D25質量部を溶解した溶解液を、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液12質量部を溶解したイオン交換水90質量部に添加した後、ディスパーで60分乳化して得られた乳化液を30分かけて融合粒子分散液に滴下し、80℃で4時間重合した後、冷却しろ過して粗トナー粒子を得た。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得、トナー1と同様の方法で疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを調整しトナー26を得た。
実施例1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表2に示す。
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(被転写体)
Claims (10)
- 第一のポリエステル樹脂と着色剤と離型剤とを含むコア部と、
前記コア部を被覆する第二のポリエステル樹脂を含む第一のシェル層と、
前記第一のシェル層を被覆し、芳香族系ビニル単量体と、前記芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有する第三のポリエステル樹脂と、の重合体を含む第二のシェル層と、を有するトナー粒子を含み、
前記第一のシェル層及び前記第二のシェル層の合計が前記トナー粒子の16質量%以上40質量%以下を占める静電荷像現像用トナー。 - 前記第一のポリエステル樹脂及び前記第二のポリエステル樹脂が、前記芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有さないポリエステル樹脂である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- テトラヒドロフランに不溶な樹脂分の、前記トナー粒子に占める割合が5質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記重合体を構成する前記芳香族系ビニル単量体と前記第三のポリエステル樹脂との比率(質量基準)が、70:30乃至99.5:0.5である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記第二のシェル層が、前記トナー粒子の0.1質量%以上15質量%以下を占める請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤。
- トナーが少なくとも収容され、前記トナーが請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーであるトナーカートリッジ。
- 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項6に記載の静電荷像現像用現像剤を収容するプロセスカートリッジ。
- 感光体と、
前記感光体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記感光体の表面に形成された前記静電荷像を請求項6に記載の静電荷像現像用現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、
前記トナー像を被転写体上に転写する転写手段と、
前記被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、
を有する画像形成装置。 - 第一のポリエステル樹脂を分散した第一のポリエステル樹脂粒子分散液、着色剤を分散した着色剤分散液、及び、離型剤を分散した離型剤分散液を混合して第一のポリエステル樹脂粒子、着色剤粒子、及び、離型剤粒子を含む凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、
第二のポリエステル樹脂を分散した第二のポリエステル樹脂粒子分散液と、前記凝集粒子を含む凝集粒子分散液と、を混合して、前記凝集粒子の表面に第二のポリエステル樹脂粒子を付着させて付着樹脂凝集粒子を形成する第一の付着工程と、
加熱により前記付着樹脂凝集粒子を融合して融合粒子を形成する融合工程と、
芳香族系ビニル単量体と前記芳香族系ビニル単量体と重合反応可能なエチレン性不飽和二重結合を有する第三のポリエステル樹脂とを含む重合性成分と、前記融合粒子を含む融合粒子分散液と、を混合して、前記融合粒子の表面に前記重合性成分を付着させて付着融合粒子を形成する第二の付着工程と、
前記重合性成分に含まれる前記芳香族系ビニル単量体と前記第三のポリエステル樹脂とを重合させて、前記融合粒子の表面に前記重合性成分の重合体を形成する重合工程と、を含む請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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