JP2013142840A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧ローラ蓄熱量を高い精度で予測し、プリントの組合せが複雑になった場合や、設計者が想定外の記録材を通紙した際にも目標温度を最適に補正し、画像品質を高い水準に保つようにする。
【解決手段】加熱手段及び材質を異にする複数の部材を内包する可撓性回転体と、前記加熱手段の温度を検出する加熱手段温度検出手段と、前記加熱手段温度検出手段によって検出された温度と加熱手段目標温度との差に応じて前記加熱手段への供給電力を制御する温度制御手段と、該可撓性回転体に加圧圧接してニップ部を形成するための加圧手段とを有し、未定着画像を担持した記録材を、該ニップ部に通して加熱する、該可撓性回転体の熱容量は、該加圧手段の熱容量より小さい関係にある画像加熱装置において、該可撓性回転体に内包された複数の部材のうち、最も熱容量の大きく、かつ最も熱伝導率の高い部材を検出する部材温度検出手段を有し、その部材温度検出結果を反映して、前記加熱手段目標温度を調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザプリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真記録方式を利用する画像形成装置の、特に画像加熱装置に関するものである。
従来、画像形成装置における加熱定着装置としては、熱ローラ方式やベルト加熱方式が広く用いられている。特に、スタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えたベルト加熱方式として、例えば、特許文献1の方式がある。この方式は、発熱体が形成されたヒータと、ヒータ背面には、温度検知手段としてのサーミスタが配置されており、検知温度は通電制御部へフィードバックされる。通電制御部はサーミスタで検知されるヒータ温度が目標温度に維持されるように、発熱体に対する通電を制御する。このヒータと接触しつつ回転する熱容量の小さな定着ベルトと、定着ベルトを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラとを有し、定着ベルトと加圧ローラの間に未定着画像を担持する記録材を通過させて未定着画像を加熱定着する。
以上のような定着装置は、熱容量の小さな定着ベルトを用いることですばやく昇温させることが出来る。そのため、消費電力や一枚目のプリント開始から終了までに要する時間First Print Out Time(以下FPOTと略記)の点で優れており、特に小型の画像形成装置で好適に用いられている。
しかしながら、熱容量の小さな定着ベルトを介して未定着画像を加熱定着する装置は、定着器全体が十分温まった状態でプリントすると、記録材に定着されるべきトナーへの熱供給が過剰となってしまう場合がある。トナーへの熱供給が過剰となってしまうと、トナーは定着ベルト表面にオフセットし、それ以降定着装置に送られる記録材に付着して汚してしまうという画像問題(ホットオフセット)を引き起こしてしまう。特に、長時間使用した後、本現象は顕著に発生する。
この画像問題等への対策として、定着装置の動作状況から定着器全体の蓄熱量を予測して、ヒータ目標温度を補正する制御が行われている。例えば特許文献2においては、定着装置の起動時間間隔と、定着装置が起動される回数によって計数値を更新し、その計数値に従ってヒータの目標温度を設定して、定着装置の温度調整を行う構成が提案されている。この装置は、定着器蓄熱量の判断基準として定着装置の起動時間間隔と定着装置が起動される回数を参照している。
しかしながら、特許文献2の方法を用いた場合には、複数種類の記録材を間欠印刷するなど、プリントの組合せが複雑になった場合には、予測精度が不十分となることがあった。
特開平2−157878号公報 特開2001−159859号公報
本出願に係わる発明の目的は、定着器全体の蓄熱量を高い精度で予測し、プリントの組合せが複雑になった場合にも目標温度を最適に補正し、画像品質を高い水準に安定して保つことが出来る制御を提供することである。
上記目的を達成するために、本出願に係る第1の発明は、
可撓性回転体と、可撓性回転体を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を支持する支持部材と、
前記可撓性回転体または前記加熱手段の温度を検出する第一の温度検出手段と、
第一の温度検出手段によって検出された温度と目標温度との差に応じて
前記加熱手段への供給電力を制御する温度制御手段と、
前記可撓性回転体に加圧圧接してニップ部を形成するための加圧手段とを有し、
未定着画像を担持した記録材を、該ニップ部に通して加熱する、
画像加熱装置において、
前記支持部材の温度を検出する第二の温度検出手段を有し、
前記第二の温度検出結果を反映して、前記目標温度を調整すること
を特徴とする画像加熱装置である。
上記目的を達成するために、本出願に係る第2の発明は、
前記第二の温度検出手段が温度を検出する支持部材が金属製部材であること
を特徴とする第1の発明に記載の画像加熱装置である。
上記目的を達成するために、本出願に係る第3の発明は、
環境温度を検知する環境温度検知手段を有し、
前記部材温度検出手段によって検出された温度と、環境温度検出結果に応じて
前記加熱手段目標温度を調整することを特徴とする
第1又は第2の発明に記載の画像加熱装置
である。
以上説明したように、本発明によれば、定着器全体の蓄熱量を精度良く予想し、その結果最適なヒータ目標温度を選択することが出来る。それにより、連続印刷時や間欠印刷時を問わず、画像品質を高い水準に安定して保つことが出来る。
実施例1の画像形成装置を説明する図 実施例1で用いた定着装置を説明する図 実施例1で用いた定着装置の定着フィルムを説明する図 図実施例1で用いた定着装置のヒータ及びヒータ制御部を説明する図 通紙枚数と最適ヒータ目標温度の関係を説明する図 熱移動の概念を説明する図 熱収支のバランスを保った場合の各部材温度の関係を説明する図 ターゲット温度下がり幅ΔTと各部材温度の関係を説明する図 実施例1の制御フローチャートを説明する図 各通紙モードにおけるヒータ目標温度初期値の表 各通紙モードにおけるヒータ目標温度修正式の表 実施例1の評価結果を説明する図 実施例2の画像形成装置を説明する図 実施例2で用いた定着装置のヒータ及びヒータ制御部を説明する図 実施例2の制御フローチャートを説明する図 各通紙モードにおける環境温度とヒータ目標温度初期値の表 実施例2の評価結果を説明する図
[実施例1]
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。まず、本発明の装置構成の説明と、各構成の基本的な動作、制御について説明する。
[画像形成装置]
図1は、本実施例1に係るカラー画像形成装置の記録部の構成を説明する概略構成図である。尚、本実施例に係る画像形成装置は、電子写真方式のタンデム型フルカラープリンタの場合を用いて説明する。本実施例の画像形成装置は、イエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの4色のトナー画像を記録材上に形成するフルカラー画像形成装置である。印字可能サイズは、長手幅で最大216mmであり、USレターサイズ紙に対応している。この装置のプロセススピードは47mm/秒、1分間の印字枚数はUSレターサイズ紙で8枚である。ここで、プロセススピードとは記録材に画像形成を行う速度をいう。また、FPOTは約20秒である。
画像形成装置本体は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Kの4つの画像形成部(画像形成ユニット)を備えており、これらの4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されている。各画像形成部1Y,1M,1C,1Kには、それぞれ感光ドラム2Y,2M,2C,2Kが設置されている。各感光ドラム2Y,2M,2C,2Kの周囲には、帯電ローラ3Y,3M,3C,3K、現像容器4Y,4M,4C,4K、一次転写ローラ5Y,5M,5C,5K、ドラムクリーニング装置6Y,6M,6C,6Kがそれぞれ設置されており、帯電ローラ3Y,3M,3C,3Kと現像容器4Y,4M,4C,4K間の左方向には露光装置7が設置されている。各現像容器4Y,4M,4C,4Kには、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーと現像ローラ4YR,4MR,4CR,4KRが収容されている。画像形成動作開始信号(プリント開始信号)が発せられると、感光ドラム2Y,2M,2C,2Kは、所定のプロセススピードで回転駆動し、当接・従動回転している帯電ローラ3Y,3M,3C,3Kは、画像形成動作中約−1300Vが印加され、感光ドラム2Y,2M,2C,2K表面を約−700Vに一様に帯電することができる。そして、露光装置7は、カラー色分解された画像信号をレーザ出力部(不図示)にて光信号に変換し、その変換された光信号であるレーザ光LY,LM,LC,LKを、帯電された各感光ドラム2Y,2M,2C,2K上に走査露光して静電潜像を形成する。このとき、被露光部の電位は約−120Vとなる。現像ローラ4YR,4MR,4CR,4KRは不図示の現像バイアス電源により、−350Vの電位が印加される。本実施例においては、露光部電位が−120Vであるため、現像コントラストは230Vとなる。現像ローラ4YR,4MR,4CR,4KR上に担持されたトナーは、上記現像コントラストにより感光ドラム2Y,2M,2C,2K上に供給されて静電潜像を顕像化し、現像画像となる。このトナー像は、一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Kが中間転写ベルト8を介して各感光ドラム2Y,2M,2C,2Kに当接している一次転写部にて一次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))を印加され、回転している中間転写ベルト8上に一次転写される。こうしてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を各一次転写部にて順次重ね合わせて、フルカラーのトナー像を中間転写ベルト8上に形成する。一次転写時において、感光ドラム2Y,2M,2C,2K上に残留している一次転写残トナーは、ドラムクリーニング装置6Y,6M,6C,6Kによって除去されて回収される。
この中間転写ベルト8は、駆動ローラ8a、支持ローラ8bに張架されており、駆動ローラ8aの回転駆動によって矢印方向(時計回り方向)に回転(移動)される。中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像は、二次転写ローラ9と中間転写ベルト8とのニップ部に移動される。レジストローラ13は、そのトナー像の移動タイミングに合わせて、記録材(転写材)Pを給紙トレイ12から二次転写部に搬送する。そしてこの記録材Pに二次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された二次転写ローラ9によりフルカラーのトナー像が一括して転写される。フルカラーのトナー像が転写された記録材Pは定着装置11に搬送されてトナー像を加熱、加圧して記録材Pの表面にカラー画像を溶融定着する。その後、記録材Pは装置外部の排紙トレイ13に排出されて画像形成装置の出力画像となる。また中間転写ベルト8の外側の駆動ローラ8a近傍には、ベルトクリーニング装置10が設置されており、中間転写ベルト8の表面に残った転写残トナーを除去して回収する。こうして一連の画像形成動作を終了する。
[定着装置11の全体]
図2は、未定着画像を担持した記録材をニップ部Nに通して加熱する画像加熱装置としての、定着装置11概略構成である。
111は加熱手段としてのセラミックヒータ、112はヒータ温度を検知する温度検出手段としてのメインサーミスタ、113は加熱体支持部材としての耐熱性樹脂製ヒータホルダであり、114は加熱体支持部材としての、剛性を有する金属製U字形状のステーである。115は、ステー114の温度を検知する温度検知手段としてのサブサーミスタである。116は可撓性回転体としての定着ベルトである。定着ベルト116は、ヒータ111、メインサーミスタ112、ヒータホルダ113、ステー114、サブサーミスタ115を内包してルーズに外嵌させてあり、回転可能となっている。117は定着ベルトに加圧圧接してニップ部Nを形成するための加圧手段としての加圧ローラである。加圧ローラ117が矢印方向に回転駆動され、それに伴って定着ベルト116が従動回転状態になり、またヒータ111に通電がなされると、ヒータ111が昇温する。この状態において、定着ベルト116と加圧ローラ117との定着ニップ部Nに未定着トナー像Tを担持した記録材Pが矢印方向に案内されると、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー像担持面側が定着ベルト116の外面に密着して定着ベルト116と一緒に定着ニップ部Nにより挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ111の熱が定着ベルト116を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像Tが加熱及び加圧されて溶融定着され、定着画像T’となる。
ここで、本発明の装置構成に関わる特徴は、定着ベルト116に内包された複数の部材(ヒータ111、メインサーミスタ112、ヒータホルダ113、ステー114、サブサーミスタ115)のうち、最も熱容量の大きい部材であるステー114の温度を検出する部材温度検出手段としてのサブサーミスタ115を有することである。
以下、各構成の詳細について詳述する。
[ヒータホルダ]
ヒータホルダ113はPPS、液晶ポリマー(LCP)、フェノール樹脂等の耐熱性樹脂で型成形により作られる。本実施例においては、液晶ポリマーを用い、ヒータ111を保持し、定着ベルト116をガイドする役割を果たす。
[ステー]
厚さ1.6mmのステンレス板材から形成されたU字形状のステー114は、不図示の加圧機構により総圧176.4Nの力で、加圧ローラ117に加圧している。これにより、ヒータ111は定着ベルト116を介して加圧ローラ117に圧接させ、加熱定着に必要な7.0mmの定着ニップ部Nを形成させてある。
[サーミスタ]
メインサーミスタ112は、ヒータの温度を検出する手段として用いており、図2に示すように、ヒータ上面に接触するよう配置されている。図3で示すとヒータ裏面側のアルミナ基板111aに接触している。サブサーミスタ115は、ステー114内面のU字の頂点に配設されている。このサブサーミスタ115は、ステー114の温度を検出している。
[加圧ローラ]
加圧ローラ117は、直径18mmの弾性回転体である。ステーおよび加圧機構によって与えられた力に対し、軸の変形を極力少なくするため高い剛性が必要であり、芯金117aは直径12mmのステンレス製としている。また、適度な弾性を確保して所定幅の定着ニップ部Nを形成する必要があるため、芯金外側に厚さ3mmのシリコーンゴム層(弾性層)117bを形成している。その上に厚さ30μmのPFA樹脂チューブ(離型層)117cを被覆してなる。
[定着ベルト]
本実施例において、定着ベルト116はベルト状部材に弾性層を設けてなる円筒状(エンドレスベルト状)の部材である。具体的には、図3に示す3層構造をしており、直径18mm、厚さ30μmのSUSフィルムを円筒状に形成したエンドレスベルト(ベルト基材)116a上に、厚さ200μmのシリコーンゴム層(弾性層)116bを形成し、厚さ20μmのPFA樹脂チューブ(離型層)116cを被覆してなる。
図4は、本実施例に係る定着装置のヒータと、温度制御手段としての制御部16とヒータ駆動回路15のブロック図である。
[ヒータ]
ヒータ構成と、温度調整制御の基本構造について説明する。熱源としてのヒータ111は、本実施例では、アルミナの基板111a上に、銀、パラジウム合金を含んだ導電ペーストをスクリーン印刷法によって均一な厚さの膜状に塗布することで抵抗発熱体111bを形成し、折り返し点には導電部111cを形成し、その上に耐圧ガラスによるガラスコート111dを施している。このヒータ111は、表面側を定着ベルトに接触させ、裏面側をヒータホルダ113に接触して支持させてある。このヒータ111の第1と第2の電極部111e,111fには、不図示の給電用コネクタが装着される。ヒータ駆動回路15から電極部111e,111fに給電されることにより、抵抗発熱体層111bが発熱して迅速に昇温する。ヒータ駆動回路15は制御部16により制御される。
[ヒータ駆動回路]
ヒータ駆動回路15において、15aは交流電源、15bはゼロクロス信号発生回路、15cはトライアックである。トライアック15cは制御部16により制御される。交流電源15aは、ゼロクロス検知回路15bを介して制御部16にゼロクロス信号を送出する。ヒータ裏面の温度を検知するメインサーミスタ112とステー114の温度を検知するサブサーミスタ115の出力は、それぞれA/Dコンバータ112a,115aを介して制御部16に取り込まれる。制御部16は、16aに示すマイクロプロセッサなどのCPU、CPU16aの制御プログラムやデータを記憶しているROM16b、CPU16aによる制御実行時にワークエリアとして使用され、各種データを一時的に保存するRAM16c、後述する制御情報などを不揮発に記憶するEEPROM16dなどを備えている。これにより制御部16は、メインサーミスタ112からの温度情報を基に、トライアック15cによりヒータ111に通電する電力を制御して、ヒータ111の温度が所定の目標温度に維持されるように制御する。この際、本発明の定着装置はサブサーミスタ115の温度によって目標温度の値を調整する。詳細はフローチャートを用いて後述する。
[実機における通紙枚数と最適ヒータ温度の関係]
図5(A)は、横軸に通紙枚数、縦軸に最適ヒータ目標温度をプロットしたものである。最適ヒータ目標温度は、所定の枚数においてヒータ目標温度を変えて実際に画像形成動作を行い、ホットオフセットの発生が無く、かつ十分なグロスが得られる温度を選択した。初期168℃に対して、徐々に下がる傾向にある。この最適ヒータ目標温度の初期値168℃からの下がり幅をΔTと定義する。図5(B)は、横軸に通紙枚数、縦軸に下がり幅ΔTをプロットしたものである。ΔTは徐々に増加してゆく。
[ヒータ目標温度が徐々に下がる理由]
ヒータ目標温度が徐々に下がる理由について詳述する。図6(A)は、定着器内部の熱の流れを示す概念図である。ヒータから発生する熱は、定着ベルト116、ヒータホルダ113に伝わる。ここで定着ベルト116に与える熱をQ、ヒータホルダ113の昇温に費やされる熱量Qとする。
熱Qは、定着ベルト116自身の昇温と、記録材Pへの伝熱qによって消費される。定着ベルト116は、熱Qを受け、基材116c、弾性層116b、離型層116aの順に昇温し、熱qを記録材Pに与える。ここで、定着ベルト116は熱容量が小さいため、速やかに昇温し、基材116a、弾性層116b、離型層116cは数秒間で等温になる。
多数の記録材Pが連続してニップを通過すると、昇温した定着ベルト116に対し、熱Qのうち大部分は転写材を加熱するqとして消費される。一方、熱Qはヒータホルダ113自身の昇温と、ステー114への伝熱qとして消費される。
このステー114は、熱容量が大きいため、定着ベルトのように通紙前に瞬時に昇温することはなく、通紙を繰り返すうちに徐々に昇温する。高温状態になると熱の流れは図6(B)のように変化する。(A)との違いは、ヒータホルダ113とステー114が温まって熱平衡状態になり、流れる熱量q、Qは減少していることである。
これに対し、ヒータから発生する総熱量は、両者(A)、(B)において記録材Pへの伝熱qを一定に保つべく調整しなければならない。つまり、低温時(A)においては、ヒータ目標温度を高く、高温時(B)においては、ヒータ目標温度を低く設定して、熱収支のバランスをとる必要がある。熱収支のバランスを取り、一定の熱qを記録材Pに与えつづけた時、ヒータ裏面111T部分、フィルム基材部分116T、Pステー113T部分、Tステー内側頂点114T部分の温度の時間変化をグラフに示すと、図7のようになる。△で示したヒータ裏面111T、*で示したフィルム基材部分116Tの温度は徐々に低くなる傾向があり、□で示したPステー113T部分、●で示したステー部分は徐々に高くなる傾向がある。
[制御式の導出]
図8は、本実施例の画像形成装置によって求められた、ヒータ目標温度下がり幅ΔTと、定着ベルトに内包されている各部材(ヒータ111、ヒータホルダ113、ステー114)温度の関係を示したものである。従来のヒータ制御においては、定着器全体の昇温を、ヒータ起動時間等から予測することによって、ヒータ目標温度の補正を行っていた。本実施例においては、ヒータ目標温度の下がり幅ΔTは、ステー114の温度を基に導出する。ステー114は、定着ベルトに内包されている部材(ヒータ111、ヒータホルダ113、ステー114)の中で、最も熱容量の高い材質である。そのステー114の温度上昇と、ヒータ目標温度の下がり幅ΔTは、線形関係にある。よって、ヒータ目標温度下がり幅ΔTとステー114の温度との関係は、
ΔT(普通紙)=(ステー温度)×0.1+(切片S=−3.0)・・・(式1)
で表すことが出来る。一方、ヒータとヒータホルダも、ΔTと線形関係にあるものの、熱容量が低いため、直線の傾きが大きい。直線の傾きが大きいと、部材温度から下がり幅ΔTを導出する際、精度を得にくいという問題がある。従って、出来る限り熱容量が大きく、温度変化のすくない部材の温度を基準にヒータ目標温度下がり幅ΔTを求めることが望ましい。また、熱伝導率が低い部材は測定箇所によって温度がばらつき、測定結果の信頼性が低くなってしまうという問題がある。以上の理由により、本実施例では、ステンレス製のステー114にサブサーミスタを取り付け、式1を用いてヒータ目標温度を修正する制御を行う。これにより、記録材の通紙1ページ毎に最適なヒータ目標温度を選択することが出来る。
なお、この式1の定数0.1と切片―3.0の部分は、紙種によって個別に求める必要がある。この場合普通紙と同様の実験を行うことにより、厚紙、薄紙のターゲット温度下がり幅ΔTとステー温度の関係を求めることができる。本実施例の画像形成装置においては、それぞれ以下のようになった。
ΔT(薄紙)=(ステー温度)×0.08−2.5・・・(式2)
ΔT(厚紙)=(ステー温度)×0.14−3.8・・・(式3)
[温度制御手段]
以下、本実施例におけるサーミスタ目標温度の決定方法について説明する。本発明に特徴的な部分は、部材温度検出結果としてのサブサーミスタの検知温度を反映して、加熱手段としてのヒータ目標温度を調整することである。本制御は、プリント時に実行される。図9は、プリント時の制御フローチャートであり、この処理を実行するプログラムはROM15bに記憶されている。この処理はプリント時に開始される。ステップS1で、通紙モードを確認する。ステップS2で、サブサーミスタの温度を検知する。ステップS3で、図10に示す表より各通紙モードに対するヒータ目標温度初期値を選択し、図11に示す表よりΔTを算出、両者からヒータ目標温度を決定する。S4で、通紙動作を行う。最初の1枚目であればヒータON、モータ回転を開始し、通紙動作に入る。2枚目以降であれば、継続して通紙動作に入る。ステップS5で、次の通紙がある場合にはステップS1に戻り、次の通紙がない場合には、制御フローを終了する。
本制御の利点としては、加圧ローラ温度を印字枚数や加熱時間から計上して間接的に予測する方式に比べて、積算誤差が生じにくいこと、タイマー等を要しない簡易な制御であること、印字1枚毎に最適なヒータ目標温度を算出できること、の3点である。
[本実施例を用いた場合の画像出力実験結果]
次に本実施例を用いた場合の画像出力結果について説明する。
(1)実験方法 「普通紙モード」→「厚紙モード」→「薄紙モード」を1枚ずつ繰り返して間欠印刷(1枚印字してヒータ及びモータ停止、再び印字開始する印刷方法)→5分休止、のサイクルを20回繰り返し、各20枚のグロスを測定した。普通紙として、Xerox #4200(75g/m2)、厚紙として、Xerox #4200(105g/m2)、薄紙として、オフィスプランナーSK(68g/m2)を用いた。定着後画像のグロスについては、測定器として、日本電色工業株式会社製の光沢度計PG―1を使用し、JIS Z 8741における75度鏡面光沢度測定方法により測定を行った。
(2)実験結果 次に実験結果について説明する。図12(A)は、間欠印刷した各20枚に関する、グロスの測定結果である。縦軸はグロス、横軸は通紙枚数である。30を中心とした安定したグロスを示し、ホットオフセットなどの画像不良を発生することもなかった。
[比較例1]
(1)実験方法
次に従来例を用いた場合の画像出力結果について説明する。従来例として、特許文献2に記載の方法、ヒータ目標温度の決定には定着装置の起動時間間隔と、定着装置が起動される回数によって計数値を更新し、その計数値に従って発熱体の目標温度を設定して、定着装置の温度調整を行う制御を行い、先述のものと同等の実験を行った。
(2)実験結果 実験結果について説明する。図12(B)は、従来例の制御を用いて間欠印刷した各20枚に関する、グロスの測定結果である。縦軸はグロス、横軸は通紙枚数である。通紙枚数の増加と共にグロスは上昇する傾向があり、薄紙でより顕著に現れている。これは、複数の紙種を間欠印刷した際に生じた計数値の積算誤差が原因であると考えられる。
以上説明したように本実施例1によれば、ステーの温度を計測するサブサーミスタ検出値を用いてヒータ目標温度を決定することで、定着装置の使用状態によらず、最適なヒータ目標温度を選択することができる。なお、ステーに限らず熱容量の高い部材、熱伝導率の高い部材を用いることで同様の効果が得られる。また、温度測定点を最適に選ぶことで、非金属部材を用いることも可能である。
[実施例2]
本実施例2における画像形成装置の概略構成を図13に示す。本実施例では、実施例1にて説明した定着装置11と、環境温度を検知する環境温度検知センサ17を用いて、周囲の環境温度が変動しても最適なヒータ目標温度を選択することが出来る制御方法について説明する。実施例1と異なる点は、画像形成装置に環境温度検知センサ17を有する点、その環境温度検知結果を制御に反映させる点である。その他定着装置の構成、及び図11に示すΔTの算出式は実施例1と同様であり、その説明は省略する。
[構成1:環境センサ]
図14に示すように、画像形成装置に環境センサ17(環境温度検知サーミスタ)を具備させる。環境センサ17の電気的な環境検知情報は、図14に示すように、A/Dコンバータ17aを介して制御部16に入力する。制御部16は環境センサ17から入力する環境検知情報に基づいて制御を行う。尚、その他の条件は前記第1の実施例と同様であり再度の説明は省略する。
[制御:温度制御手段]
図15は、プリント時の制御フローチャートであり、この処理を実行するプログラムはROM15bに記憶されている。この処理はプリント時に開始される。ステップS1で、通紙モードを確認する。ステップS2で、環境センサの温度を検知する。ステップS3で、サブサーミスタの温度を検知する。ステップS4で、図16に示す表より、ステップ2で検知した環境温度と各通紙モードに対するヒータ目標温度初期値を選択し、図11に示す修正式でΔTを算出、ヒータ目標温度を決定する。ステップS5で、通紙動作を行う。最初の1枚目であればヒータON、モータ回転を開始し、通紙動作に入る。2枚目以降であれば、継続して通紙動作に入る。ステップS6で、次の通紙がある場合にはステップS1に戻り、次の通紙がない場合には、制御フローを終了する。本制御の利点としては、電源投入時に初期温度を決定する実施例1の方式に比べて、EEPRAMを要しない簡易な制御であること、印字中に環境が変動しても最適な温調温度を選択できること、の2点である。
(1)実験方法 10℃、20℃、30℃の3種類の環境温度で、「普通紙モード」を1枚間欠印刷(1枚印字してヒータ及びモータ停止、再び印字開始を繰り返す印刷)→5分休止、を20回繰り返した。各20枚のグロスの測定を測定した。紙種、グロス測定方法は実施例1と同様なので説明を省略する。
(2)実験結果 次に実験結果について説明する。図17(A)は、間欠印刷した各20枚に関する、グロスの測定結果である。各環境温度においてグロス30%を中心とした安定したグロスを示し、ホットオフセットなどの画像不良を発生することもなかった。
[比較例2]
(1)実験方法
ヒータ目標温度を決定する際に、環境温度を考慮していない本実施例1の画像形成装置の制御を行い、先述のものと同等の実験を行った。
(2)実験結果 実験結果について説明する。図17(B)は、本実施例1の制御を用いて「普通紙モード」で間欠印刷した各20枚に関する、グロスの測定結果である。本結果は、環境温度10℃ではやや低め、環境温度30℃ではやや高めに維持されており、環境によるグロスの結果に差異が生じている。これは、低温時に熱供給量が不足し、高温時に熱供給量が過多になっていることが原因である。
以上説明したように本実施例2によれば、ステーの温度を計測するサブサーミスタ検出値と環境温度センサを用いてヒータ目標温度を決定することで、定着装置の使用状態によらず常に最適なヒータ目標温度を選択することができる。
1Y,1M,1C,1K‥‥プロセスステーション
2Y,2M,2C,2K‥‥感光体ドラム
3Y,3M,3C,3K‥‥帯電ローラ
4Y,4M,4C,4K‥‥現像手段
5Y,5M,5C,5K‥‥1次転写手段
6Y,6M,6C,6K‥‥クリーニング装置
LY,LM,LC,LK‥‥レーザー光
7‥‥露光装置
8‥‥中間転写ベルト
8a‥‥駆動ローラ
8b‥‥従動ローラ
9‥‥2次転写ローラ
10‥‥クリーニング手段
11‥‥定着装置
12‥‥給送カセット
13‥‥給送ローラ
14‥‥排紙トレイ
111‥‥ヒータ
111a‥‥アルミナの基板
111b‥‥抵抗発熱体
111C‥‥導電部
111d‥‥ガラスコート
111e‥‥電極部
111f‥‥電極部
112‥‥メインサーミスタ
113‥‥ヒータホルダ
114‥‥ステー
115‥‥サブサーミスタ
116‥‥定着フィルム
116a‥‥ベルト基材
116b‥‥シリコーンゴム層
116C‥‥PFA樹脂チューブ
117‥‥加圧ローラ
118a‥‥筐体(上)
118b‥‥筐体(下)
P‥‥転写材としてのシート
T‥‥未定着トナー像
T‘‥‥定着後のトナー像
N‥‥ニップ領域
15‥‥定着ヒータ駆動回路
15a‥‥交流電源
15b‥‥ゼロクロス発生回路
15C‥‥トライアック
16‥‥制御部
16a‥‥CPU
16b‥‥ROM
17‥‥環境温度検知センサ
17a‥‥A/Dコンバータ
112a‥‥A/Dコンバータ
115a‥‥A/Dコンバータ
QF‥‥定着フィルムから紙表面のトナー像へ供給される熱量
QK‥‥加圧ローラから紙表面のトナー像へ供給される熱量

Claims (3)

  1. 可撓性回転体と、可撓性回転体を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段を支持する支持部材と、
    前記可撓性回転体または前記加熱手段の温度を検出する第一の温度検出手段と、
    第一の温度検出手段によって検出された温度と目標温度との差に応じて
    前記加熱手段への供給電力を制御する温度制御手段と、
    前記可撓性回転体に加圧圧接してニップ部を形成するための加圧手段とを有し、
    未定着画像を担持した記録材を、該ニップ部に通して加熱する、
    画像加熱装置において、
    前記支持部材の温度を検出する第二の温度検出手段を有し、
    前記第二の温度検出結果を反映して、前記目標温度を調整すること
    を特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記第二の温度検出手段が温度を検出する支持部材が
    金属製部材であることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 環境温度を検知する環境温度検知手段を有し、
    前記部材温度検出手段によって検出された温度と、環境温度検出結果に応じて
    前記加熱手段目標温度を調整すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像加熱装置。
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